JP4713086B2 - マグロの冷却装置 - Google Patents
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Description
船上での処理は、マグロがバタバタと暴れるのを防ぐため、まず尾を切り落とし、次にエラを切って血を抜き、頭を刺して体温が上昇しないように締処理をする。そして、内臓をとり、水でよく洗い、目方を量り、血抜きのため頭を下にしてフックに掛けて、そしてマイナス60度の冷凍庫に入れて保管する。海から船上に揚げられたマグロは、暴れ回ると、体温が上昇し、身が焼けて黒くなるいわゆる身ヤケを起こしてしまう。そのため、船上でどれだけ早く処理するかが非常に重要である。
このようなマグロの延縄漁法として特開平10−42759号公報記載の技術が知られている。
こマグロの養殖は、網いけすで、曳き釣りで獲った200〜400gほどの稚魚を供給し、種苗として生産するものである。
そして、このような養殖マグロは、冷凍させずに、冷蔵した生鮮マグロの状態で消費地へ提供されている。
冷凍マグロは、肉質が落ちたり、或いは微妙に変化する等の問題があるため、生鮮マグロのほうが冷凍マグロより品質が高いものと評価されている。このような、活魚状態の生鮮魚体は、冷凍後に解凍した刺身より高鮮度で美味であるうえ、その価値が高いことは、「刺身の食文化」を持つ日本人であればよく知るところである。
ところで、生産者である漁師も卸売り業者や小売り業者等の流通業者も、料理屋や鮨屋の調理人も、マグロの身肉の鮮度について、活き造りのような高鮮度のものを安定して入手することは非常に困難となっている。
また、内蔵を取り出した魚体の空洞に、ポンプによって水流を噴射するので、冷えにくい内部にも冷却水が対流して、新鮮マグロを外側と内側から同時に冷却させて肉の鮮度を維持する。
そして、このような方法を採用することにより、凍結マグロより品質の高い生鮮マグロとして市場に提供することが可能となる。
また、マグロの頭部から尾部方向へ水を上に噴射するので、魚体の空洞に沿って水流を通過させて冷却が行われる。そして、槽底に留まる冷水を上へ循環させて均一に冷却できる。
この水槽1の大きさは、マグロの処理能力に応じて適宜設定することができるが、本実施例では、同一の形状の水槽が2連並列して設けられている。
水槽内の冷却フィン2の反対側(図2右端)には、オバーフローによる隔壁9が設置されている。この隔壁9面には15カ所程度の小さな開孔9aが形成され、水槽の水が隔壁9の開孔9aを通過して排出され、その排出された水が、左右2台のポンプ10によって、冷却フィン2の下側に送り戻され、そこで再び冷却されて中央へ送り出される。したがって、水槽内の冷水はチラーから隔壁9の方向へ流れながら、再び戻されて冷却され、水温が一定に維持されるようになっている。
水槽には図2に示すように、隔壁によって水位差が形成され、この水位差によってチラーからの冷水が循環する。
この吊り下げバー4の下側には所定間隔でマグロを吊り下げるフック11が7個配置され、7尾のマグロがフック11にロープを掛けて尾を結束して吊り下げられる。
吊り下げバー4の上側には中央と両端にクレーンロープ13を掛けるフック12が配置され、ロープ13を介してクレーンによって昇降される。
このガイド7aは図6に示すように、水槽1の側面にコの字状部材が左右に備えられ、このコの字のレールに沿って水槽内バー7が上下する。
この水槽内バー7は、マグロの冷却時には槽底に配置され、水槽の横方向へ掛け渡され、両端はガイド7aに支持されて横揺れは防止されている。
この水槽内バー7は、吊り下げバー4の直下に平行して配置され、吊り下げバー4にチェイン14で連結されている。したがって、吊り下げバー4の昇降に連動して、水槽内バー7も昇降する。
なお、水槽内バー7は槽底から槽面付近までを移動し、水槽面へ上昇させて、チェイン14によって吊り下げバーに連結する。
水槽内バー7の長さ方向には所定間隔で各マグロ1に対応できるように、7本の噴射口15が配置され、ポンプ5からの圧力水は水槽内バー7の筒状部を通過して、各噴射口15から噴射される。
この噴射口15にはホース6が接続されて、水流をマグロの口へ導き、マグロの口から上へ噴射するようになっている。
このマグロは養殖マグロを海中から取揚げ、素早く、内蔵を取り出して、血抜き処理を行ったものであり、魚体内部に空洞が形成されている。水流がこの空洞部分に噴射されて、冷水が対流し、内部から冷却されることになる。
マグロを冷水に浸漬するだけでは、魚体の空洞部分の温度が外に比較して高くなるので、この部分に冷水を噴射することにより、外の温度と同一に冷却されて、内側から効率よく冷却が行われる。
養殖マグロをいけすから取揚げ、素早く処理して内蔵を取り出し、血抜きを行う。これらの作業は取揚げた後、数十秒で行い、これらの処理をいかに素早く行うかによって、マグロの商品価値が左右される。
内蔵を除去した後のマグロは吊り下げバー4のフック11に、ロープで尾部を結束して吊り下げる。一本の吊り下げバーには7尾を吊り下げる。
7尾がそろった状態で、クレーンを作動させて水槽1へ移動する。水槽1では、水槽内バー7が水面で待機しており、両端のチェイン14を連結し、マグロの口にそれぞれホース6の先端を装着する。このとき、ドーナツ状のゴム16をマグロに噛ませ、そのゴム16の中心にホース6を固定する。このドーナツ状のゴム16を噛ませることにより、ホース6がマグロの口から抜け落ちる事を防止する。
また、水槽内バー7の保持具8にマグロ3の頭部を挿入してマグロを固定する。
吊り下げバー4に水槽内バー7を連結し、ホース6及び保持具8にマグロを固定した後は、クレーンを下降させると、吊り下げバー5、水槽内バー7とともにマグロが水中へ沈む。
水中ではポンプ5を作動させて、噴射口15からホース6を経由してマグロの魚体へ水流を噴射する。
マグロの内蔵を除去した空洞に冷水が対流して内部から冷却される。冷水は腹の切削部あるいは、肛門から上方へ抜ける。
7尾を吊り下げた状態で、クレーンを移動させて、出荷処理場へ移動する。
出荷処理場では、吊り下げられたマグロを取り外し、氷詰めにして梱包出荷する。
本発明では、魚体内部の空洞に冷水を噴射して冷却するので、魚体の芯まで完全に冷却でき、冷却時間が短縮されて身ヤケ防止に有効である。また、冷却した後は、氷詰めにされると、冷却温度が長時間維持される。そして、マグロを冷凍しないので、生鮮肉として高い品質の状態で出荷が可能となる。
例えば、前記実施例ではマグロに冷水を噴射する方法としたが、ポンプからエアを噴射してホース6からエアレーションによって冷水を対流させることも可能である。
2 冷却フィン
3 マグロ
4 吊り下げバー
5 ポンプ
6 ホース
7 水槽内バー
7a ガイド
8 保持具
9 隔壁
9a 開孔
10 ポンプ
11 フック
12 フック
13 ロープ
14 チェイン
15 噴出口
16 ドーナツ状のゴム
Claims (2)
- 海中から取揚げたマグロの体内の内蔵を除去し、そのマグロを低温の水槽に浸漬し、さらに内蔵を取り出した魚体の空洞に、ポンプによって水流を噴射しながらマグロを冷凍しない低温まで冷却を行うマグロの冷却装置であって、
水槽内にマグロを逆さに吊り下げる吊り下げ装置と、その吊り下げ装置に連結されて吊り下げ装置の昇降と共に水槽内の槽底から槽面の間を昇降する水槽内バーとを備え、
前記水槽内バーは、吊り下げ装置に吊り下げられたマグロに水槽内の水を噴射するポンプ、ポンプからの水をマグロの魚体の空洞に導入するホース、マグロの頭部を保持して魚体の浮き上がり及び横揺れを防止する保持具とを一体具備したことを特徴とするマグロの冷却装置。 - 水槽内の冷水は一定方向に循環しながら冷却される構成とした請求項1記載のマグロの冷却装置。
Priority Applications (1)
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JP2004035347A JP4713086B2 (ja) | 2004-02-12 | 2004-02-12 | マグロの冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004035347A JP4713086B2 (ja) | 2004-02-12 | 2004-02-12 | マグロの冷却装置 |
Publications (2)
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