JP4485223B2 - データ転送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の機器間で認証処理を行ってデータの転送を行うデータ転送装置に関する。
車内には、CDチェンジャー、DVDプレーヤ、デジタル放送受信機、モニタ装置、アンプ等の様々な機器が搭載され、それぞれの機器を選択して音楽や映像を楽しむことができるようになっている。これらの機器を1EEE1394バス等のデジタルバスを介して接続することにより、劣化のない高品質のデータ転送を行うことができ、優れた音質の音楽や優れた画質の映像を出力することが可能になる。
DVDに記録されたコンテンツやデジタル放送によって配信されるコンテンツの中には、著作権保護の観点からコピー制限のための情報(コピー制御情報)がコンテンツに含まれているものがある。例えばDVDプレーヤでDVD−Video用のDVDを再生してモニタ装置に映像データを転送する場合には、DVDに記録されているコピー制御情報を用いて暗号化された映像データを転送し、これを受け取ったモニタ装置において映像データの内容を復号化して表示を行っている。
転送するコンテンツの保護技術として様々なアルゴリズムが存在するが、その一つとして機器間の認証を行った後にコンテンツの暗号化と復号化に必要な鍵交換を行う手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−30054号公報(第2−9頁、図1−8)
ところで、特許文献1に開示されているように機器間の認証の後に鍵交換を行う場合には、一の送信側の機器から複数の受信側の機器に対してコンテンツを転送する場合に、受信側の機器のそれぞれにおいて鍵を取得してコンテンツの復号化を行うタイミングが一致せずに、このコンテンツの内容を視聴しようとするユーザが違和感を感じるという問題があった。
図8は、複数の機器の具体的な接続例を示す図である。図8に示す例では、DVDプレーヤ200と2台のモニタ装置210、212と1台のアンプ214とがIEEE1394バス220を介して接続されている。DVDプレーヤ200から出力されるコンテンツの映像データの内容を2台のモニタ装置210、212のそれぞれで復号化して表示するとともに、このコンテンツの音楽データの内容をアンプ214で復号化してスピーカから出力するためには、これらの処理に先立って、DVDプレーヤ200とモニタ装置210、212、アンプ214のそれぞれの間で機器間の認証と鍵交換を行う必要がある。例えば、最初にDVDプレーヤ200とモニタ装置210との間で認証処理を行った後に鍵交換を行うものとすると、この鍵交換が終了してコンテンツの内容を表示するまでにある程度の時間(例えば1秒程度)がかかる。次にDVDプレーヤ200とモニタ装置212との間で認証処理を行った後に鍵交換を行うものとすると、この鍵交換が終了してコンテンツの内容を表示するまでにさらにある程度の時間(例えば1秒程度)がかかる。最後にDVDプレーヤ200とアンプ214との間で認証処理を行った後に鍵交換を行うものとすると、この鍵交換が終了してコンテンツの内容としての音楽を出力するまでにさらにある程度の時間(例えば1秒程度)がかかる。このように、1台目のモニタ装置210において表示が行われてからその内容に対応する音楽の出力が開始されるまでに2秒程度の時間がかかることになり、この間には音なしの映像表示のみが行われることになるため、映像と同時に音楽が出力されることを暗黙のうちに期待しているユーザにとってはかなり不自然な状態となる。この傾向は、認証が必要な機器の接続台数が多くなればなるほど顕著になる。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、接続された機器間における復号化タイミングのずれによる違和感の発生をなくすことができるデータ転送装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明のデータ転送装置は、暗号化されたコンテンツのデータを複数の機器に向けて送信するデータ送信手段と、複数の機器のそれぞれとの間で認証処理を行う認証制御手段と、認証制御手段によって複数の機器の全てとの間で行われた認証処理が終了した後に、コンテンツの暗号化を解く鍵情報を複数の機器に向けて送信する鍵情報送信手段とを備えている。これにより、認証処理が終了するまでに時間がかかった場合であってもコンテンツの送信先となる各機器において鍵情報を取得するタイミングをほぼ一致させることができるため、各機器での復号化タイミングのずれによる違和感の発生を防止することができる。
また、上述した鍵情報の送信は、複数の機器のそれぞれに対して鍵交換コマンドを送信することにより開始され、鍵情報送信手段は、認証処理の対象となった複数の機器の全てについて認証制御手段による認証処理が終了するまで、鍵交換コマンドの送信を停止することが望ましい。これにより、各機器に対する鍵情報の送信タイミングを一致させることが可能になる。
また、本発明のデータ転送装置は、暗号化されたコンテンツのデータを、予め設定された優先順位が高い順に複数の機器のそれぞれに向けて送信するデータ送信手段と、複数の機器のそれぞれとの間で認証処理を行う認証制御手段と、認証制御手段による認証処理が終了した機器に向けて、コンテンツの暗号化を解く鍵情報を送信する鍵情報送信手段とを備え、データ送信手段は、鍵情報送信手段による鍵情報の送信が一の機器について終了してから次の機器に対するデータ送信を行っている。これにより、データの送信順番を任意に設定することが可能になるため、複数の機器間での復号化タイミングがずれた場合であっても可能な限り自然に感じるようにすることができ、違和感の発生を防止することが可能となる。
また、上述した複数の機器のそれぞれについて鍵情報の送信が終了したか否かを判定して、鍵情報の送信が終了していない次の機器に対するデータの送信指示をデータ送信手段に送る制御手段をさらに備えることが望ましい。これにより、データの送信タイミングを制御することができ、復号化タイミングの順番の設定を容易かつ確実に行うことが可能になる。
また、本発明のデータ転送装置は、暗号化されたコンテンツのデータを複数の機器に向けて送信するデータ送信手段と、複数の機器のそれぞれとの間で認証処理を行う認証制御手段と、認証制御手段による認証処理が終了した機器に向けて、コンテンツの暗号化を解く鍵情報を送信する鍵情報送信手段と、認証処理の対象となった複数の機器の全てについて鍵情報の送信が終了するまで、複数の機器のそれぞれに対して、コンテンツを復号化した結果の出力動作を停止する指示を行う出力停止指示手段とを備えている。これにより、複数の機器間での復号化タイミングがずれた場合であっても、復号化された結果の出力タイミングをあわせることができるため、ユーザによる違和感の発生を防止することができる。
また、上述した出力停止指示手段は、複数の機器それぞれに対してミュート指示を送ることにより出力動作の停止を指示することが望ましい。一般に用いられているミュート指示を行うことにより各機器に対して出力動作の停止を行わせることが容易となる。
また、上述した出力動作の停止には、コンテンツを復号化した結果の音声出力の停止と映像表示の停止とが含まれていることが望ましい。これにより、音声出力タイミングや映像表示タイミングを一致させることが可能になる。
また、上述した複数の機器には、コンテンツを復号化した結果を音声出力する機器と映像表示する機器とが含まれていることが望ましい。これにより、複数の機器において映像表示のタイミングと音声出力のタイミングとをほぼ一致させることができ、音声付きの映像を見ているユーザが感じる違和感をなくすことができる。
また、上述した複数の機器には、コンテンツを復号化した結果を音声出力する複数の機器が含まれていることが望ましい。これにより、複数の機器において音声出力のタイミングをほぼ一致させることができ、組み合わされた音声が同時に出力されないことで感じる違和感の発生を防止することができる。
また、蓄積媒体に記録されたデータを再生することによりコンテンツのデータを生成するコンテンツ再生処理手段をさらに備え、認証処理が終了するまでコンテンツ再生処理手段による再生動作を停止することが望ましい。これにより、認証処理等に時間がかかってコンテンツの復号化が開始されるタイミングが遅れた場合であっても、コンテンツの先頭部分の復号化が間に合わずに頭切れになることを防止することができる。
また、上述した複数の機器はデジタルバスを介して接続されていることが望ましい。これにより、暗号化されたコンテンツのデータを複数の機器に向けて送信することが可能になり、このような構成を採用したときに発生する復号化タイミングのずれによる違和感の発生を有効に防止することができる。
また、上述した認証処理は、コンテンツのデータを受信した複数の機器のそれぞれから認証開始要求が送られてきた後に開始されることが望ましい。データの送信先となる各機器から送られてくる認証開始要求を待って認証処理を行う場合には複数の機器における認証処理の順番を特定することができないことになるが、このような場合であっても鍵情報の送信タイミングを一致させることができるため、各機器での復号化タイミングを確実にあわせることができる。
また、上述した複数の機器は、コンテンツの記録を伴わない機器であり、認証制御手段は、コンテンツの記録を伴わない機器について認証処理を行うことが望ましい。これにより、出力動作を伴う各機器における復号化タイミングのずれによる違和感の発生を防止することができる。
以下、本発明のデータ転送装置を適用した一実施形態の車載システムについて、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態の車載システムの構成を示す図である。図1に示す車載システムは、DVDプレーヤ100、モニタ装置110、アンプ120、130、ヘッドユニット150を含んで構成されている。これらはIEEE1394バス160を介して相互に接続されている。
DVDプレーヤ100は、ディスク型記録媒体としてのDVDに記録されたコンテンツ(映像や音楽等)を読み出して再生する。このDVDプレーヤ100には、コピー制限がなされたDVDのコンテンツの復号化に必要な認証処理や鍵交換等の認証制御動作を行う認証制御部101と、DVDから読み出したコンテンツの内容を再生して各機器に向けて送信するコンテンツ再生処理部102とが備わっている。DVDに記録されたコンテンツにはコピー制御情報が含まれており、このコピー制御情報に基づいて鍵交換が行われる。
モニタ装置110は、車両のダッシュボード中央に設置されており、DVDプレーヤ100から出力される映像データの内容を表示する。このモニタ装置110には、認証制御動作を行う認証制御部111と、暗号化された映像データを復号化する復号化処理部112とが備わっている。認証制御部111は、映像データの送信元となるDVDプレーヤ100に備わった認証制御部101との間で認証処理を行った後に復号化に必要な鍵情報を受け取る。復号化処理部112は、この鍵情報を用いて、DVDプレーヤ100から送られてくる映像データを復号化する。これにより、モニタ装置110では、転送されてくる映像データの内容を表示する。
一方のアンプ120は、車両のダッシュボード下部あるいは助手席下部等に設置されており、DVDプレーヤ100から出力される音楽データを音声信号に変換した後増幅して、運転席および助手席の左右に設けられたフロント側左右のスピーカ123、124から車室内空間に出力する。このアンプ120には、認証制御動作を行う認証制御部121と、暗号化された音楽データを復号化する復号化処理部122とが備わっている。認証制御部121は、音楽データの送信元となるDVDプレーヤ100に備わった認証制御部101との間で認証処理を行った後に復号化に必要な鍵情報を受け取る。復号化処理部122は、この鍵情報を用いて、DVDプレーヤ100から送られてくる音楽データを復号化する。これにより、アンプ120では、転送されてくる音楽データを再生して音声信号に変換し、フロント側のスピーカ123、124から出力する。
他方のアンプ130は、車両のダッシュボード下部あるいは助手席下部等に設置されており、DVDプレーヤ100から出力される音楽データを音声信号に変換した後増幅して、後部座席後方に設けられたリア側左右のスピーカ133、134から車室内空間に出力する。このアンプ130には、認証制御動作を行う認証制御部131と、暗号化された音楽データを復号化する復号化処理部132とが備わっている。認証制御部131は、音楽データの送信元となるDVDプレーヤ100に備わった認証制御部101との間で認証処理を行った後に復号化に必要な鍵情報を受け取る。復号化処理部132は、この鍵情報を用いて、DVDプレーヤ100から送られてくる音楽データを復号化する。これにより、アンプ130では、転送されてくる音楽データを再生して音声信号に変換し、リア側のスピーカ133、134から出力する。
ヘッドユニット150は、車両のダッシュボード中央に設置されており、車載システム全体の制御を行う制御部151と、ユーザによる各種の操作入力を受け付ける操作部152とを備えている。なお、操作部152は、モニタ装置110の画面近傍にタッチパネルを取り付け、このタッチパネルを用いて実現するようにしてもよい。
上述したコンテンツ再生処理部102がデータ送信手段、コンテンツ再生処理手段に、認証制御部101が認証制御手段、鍵情報送信手段にそれぞれ対応する。
本実施形態の車載システムはこのような構成を有しており、次に、認証処理を行って鍵交換を行うまでの動作を説明する。
図2は、DVDプレーヤ100内の認証制御部101によって行われる認証処理に関連する一連の動作手順を示す流れ図である。DVDプレーヤ100、モニタ装置110、アンプ120、130、ヘッドユニット150に電源が投入されると、認証制御部101は、接続された機器(モニタ装置110等)を確認した後(ステップ100)、他の機器からの認証開始要求がなされたか否かを判定する(ステップ101)。認証開始要求がなされない場合には否定判断が行われてこの判定処理が繰り返される。
また、いずれかの機器から認証開始要求がなされるとステップ101の判定において肯定判断が行われ、次に、認証制御部101は、認証開始が可能であることを示す「開始可」応答を認証開始要求を送ってきた機器に送り返す(ステップ102)。その後、認証制御部101は、認証処理が必要な他の機器があるか否かを判定する(ステップ103)。図1に示した構成の場合には、3台の機器(モニタ装置110、アンプ120、130)との間で認証処理が必要であるため、これらの3台の機器の中で認証開始要求がなされていない機器が存在する場合には肯定判断が行われ、ステップ101に戻って認証開始要求の有無判定が繰り返される。
また、3台の機器のそれぞれとの間で認証開始要求とその応答の送受信が完了した場合にはステップ103の判定において否定判断が行われる。次に、認証制御部101は、いずれかの機器との間で認証処理を行う(ステップ104)。その後、認証制御部101は、認証処理が完了していない他の機器があるか否かを判定する(ステップ105)。認証処理が必要な3台の機器の中で認証処理が完了していない機器が存在する場合には肯定判断が行われ、ステップ104に戻って他の機器との間での認証処理が行われる。
また、3台の機器のそれぞれとの間で行われた認証処理が完了するとステップ105の判定において否定判断が行われる。次に、認証制御部101は、認証処理が完了したいずれかの機器に対して鍵情報を送信する(ステップ106)。その後、認証制御部101は、鍵情報を送信していない他の機器があるか否かを判定する(ステップ107)。3台の機器の全てに対して鍵情報の送信が終了していない場合には肯定判断が行われ、ステップ106に戻って鍵情報送信以降の処理が繰り返される。また、3台の機器の全てに対して鍵情報の送信が終了した場合にはステップ107の判定において否定判断が行われ、認証に関する一連の処理が終了する。
図3は、図1に示した機器間で行われる認証に間する一連の処理タイミングを示す図である。接続された各機器に電源が投入されて動作可能な状態になると、DVDプレーヤ100からモニタ装置110、アンプ120、130に対してコンテンツの送信が開始され、この送信動作と並行して認証に関連する一連の処理が開始される。
まず、モニタ装置110、アンプ120、130のそれぞれから認証開始要求が送られてくると、DVDプレーヤ100内の認証制御部101は、これらの要求に対応する「開始可」応答を送り返す。これらの要求と応答の送受信は短時間で終了する。認証開始要求が送られてくる順番は、それぞれの機器に電源が投入されてから正常動作を開始するまでの時間や各機器の接続形態等によって決まるが、以下の説明では、図3に示すようにモニタ装置110、アンプ120、130の順番で認証処理等が行われるものとする。
次に、認証制御部101は、モニタ装置110との間で認証処理を行い、同様に、アンプ120、130のそれぞれとの間で認証処理を行う。これらの認証処理にはある程度の時間を要する。例えば、各認証処理に1秒程度時間がかかるものとすると、合計で3秒程度の時間を要することになる。
次に、認証制御部101は、モニタ装置110、アンプ120、130のそれぞれに向けて鍵情報を送信する。これらの鍵情報の送信は短時間で終了する。
図4は、認証処理および鍵情報送信の詳細な処理タイミングを示す図である。例えば、DVDプレーヤ100とモニタ装置110との間で行われる認証処理の内容が示されているが、DVD100とアンプ120やアンプ130との間で行われる認証処理についても同様である。また、モニタ装置110等の機器は転送されてくるコンテンツを記録したいため、図4にはこれらの機器との間で行われる「完全認証」の処理タイミングが示されている。
図4に示すように、認証処理は、モニタ装置110からDVDプレーヤ100に対して「チャレンジ」コマンドを送ることにより開始される。DVDプレーヤ100は、「チャレンジ」レスポンスをモニタ装置110に向けて送り返す。その後、DVDプレーヤ100は、モニタ装置110に「チャレンジ」コマンドを送り、送り返されてくる「チャレンジ」レスポンスを受信する。
次に、DVDプレーヤ100は、モニタ装置110に「応答」コマンドを送り、送り返されてくる「応答」レスポンスを受信した後、モニタ装置110から送られてくる「応答」コマンドの受信を待って「応答」レスポンスを送り返す。
このようにしてDVDプレーヤ100とモニタ装置110との間で認証処理が行われる。その後、DVDプレーヤ100からモニタ装置110に対して鍵情報としての「鍵交換」コマンドを送り、送り返されてくる「鍵交換」レスポンスを受信することでモニタ装置110に対する鍵情報の送信処理が終了する。
DVDプレーヤ100内の認証制御部101は、モニタ装置110、アンプ120、130のそれぞれについて「鍵交換」コマンドの送信の直前まで行った後、「鍵交換」コマンドを各機器に送信している。
なお、図3に示した例では、モニタ装置110、アンプ120、130のそれぞれに対応する認証開始要求と「開始可」応答の送受信が終了してからこれらの機器との間の認証処理が開始される場合を想定して説明したが、アンプ130からDVDプレーヤ100に認証開始要求が送られてくる前に、モニタ装置110やアンプ120から「チャレンジ」コマンドが送られてきて認証処理が開始されてしまう場合がある。この場合には、DVDプレーヤ100内の認証制御部101は、図4に示すAあるいはBのタイミングで待機し、「チャレンジ」コマンドあるいは「応答」コマンドを送信せずに認証処理を中断すればよい。または、Cのタイミングで待機し、認証処理を終了させた状態で待機するようにしてもよい。
このように、本実施形態の車載システムでは、DVDプレーヤ100に接続された各機器での認証処理が終了するまでに時間がかかった場合であっても、コンテンツの送信先となる各機器において鍵情報を取得するタイミングをほぼ一致させることができるため、各機器での復号化タイミングのずれによる違和感の発生を防止することができる。特に、各機器に対応する認証処理が終了するまで鍵交換コマンドの送信を停止することにより、各機器に対する鍵情報の送信タイミングを確実に一致させることができる。
〔第2の実施形態〕
ところで、上述した第1の実施形態では、コンテンツの送信先となる全ての機器について認証処理までを終了させた状態で待機し、その後の鍵交換(鍵情報の送信)を全ての機器に対して一斉に行うことにより、復号化処理が開始されるタイミングのばらつきを抑えるようにしたが、従来通りにそれぞれの機器について鍵交換までの一連の認証処理を行うとともに、あらかじめユーザが感じる違和感が少なくなるように認証処理を行う機器の順番を設定するようにしてもよい。
本実施形態の車載システムの基本的な構成は、図1に示した構成をそのまま適用することができる。但し、DVDプレーヤ100内のコンテンツ再生処理部102は、電源投入時に全ての機器に対してコンテンツの内容(映像データや音楽データ)の出力を開始せずに、ヘッドユニット150からの出力開始指示を待って各機器に対する出力を開始する。
例えば、図1に示した構成に対応する優先順位は、(1)アンプ120、(2)モニタ装置110、(3)アンプ130の順番に設定されている。すなわち、最初にアンプ120による復号化処理が開始されてフロント側の2つのスピーカ123、124から音楽出力が行われ、次に、モニタ装置110による復号化処理が開始されて映像表示が行われ、最後にアンプ130による復号化処理が開始されてリア側の2つのスピーカ133、134から音楽出力が行われる。
図5は、ヘッドユニット150内の制御部151とDVDプレーヤ100内の認証制御部101、コンテンツ再生処理部102とによって行われる認証処理に関連する一連の動作手順を示す流れ図である。DVDプレーヤ100、モニタ装置110、アンプ120、130に電源が投入されると、制御手段としての制御部151は、接続された機器(モニタ装置110等)を確認した後(ステップ200)、優先順位が高い機器(例えばアンプ120)に対するコンテンツの送信をコンテンツ再生処理部102に対して指示する。この結果、アンプ120のみにコンテンツが送信される(ステップ201)。その後、コンテンツを受信したアンプ120とDVDプレーヤ100との間で認証処理(ステップ202)と鍵情報の送信(ステップ203)が行われる。鍵情報を受け取ったアンプ120では、それ以後に受信したコンテンツに対して復号化処理を行うことができるため、フロント側のスピーカ123、124から受信したコンテンツに対応する音楽の出力が開始される。
また、一の機器について鍵情報の送信までの処理が終了すると、制御部151は、鍵情報を送信していない他の機器があるか否かを判定する(ステップ204)。アンプ120のみに鍵情報を送信した場合には、鍵情報未送信のモニタ装置110とアンプ130が存在するため肯定判断が行われ、ステップ201に戻って、次に優先順位が高い鍵情報未送信の機器に対するコンテンツ送信以降の処理が繰り返される。このようにしてモニタ装置110とアンプ130のそれぞれについて順番に認証処理と鍵情報の送信とが行われる。
また、3台の機器(モニタ装置110等)に対して鍵情報の送信までの処理が終了するとステップ204の判定において否定判断が行われ、認証に関する一連の処理が終了する。
このように、本実施形態の車載システムでは、データの送信順番を任意に設定することが可能になるため、複数の機器間での復号化タイミングがずれた場合であっても可能な限り自然に感じるようにすることができ、違和感の発生を防止することが可能となる。特に、DVDプレーヤ100から各機器へのコンテンツの送信タイミングを制御することにより、復号化タイミングの順番の設定を容易かつ確実に行うことが可能になる。
〔第3の実施形態〕
上述した第2の実施形態では、DVDプレーヤ100に接続された3台の機器について優先順位を決めて映像や音楽の出力順番を設定することにより、ユーザが感じる違和感が少なくなるようにしたが、従来通りに一連の認証処理を行うとともに、全ての機器について鍵交換が終了するまで各機器での映像や音楽の出力を停止するミュート指示を行うようにしてもよい。
図6は、DVDプレーヤ100に接続された各機器に対する認証処理等が終了するまで各機器に対してミュート指示を行う動作手順を示す流れ図である。制御部151が出力停止指示手段に対応する。DVDプレーヤ100、モニタ装置110、アンプ120、130に電源が投入されると、制御部151は、接続された機器(モニタ装置110等)を確認した後(ステップ300)、認証処理が必要な全ての機器に対してミュートを指示する(ステップ301)。なお、この「ミュート」とは音楽の出力レベルを0にする場合の他に、映像の輝度や色情報のレベルを0にする場合(画面全体を黒くして映像が表示されない状態)も含まれている。
その後、DVDプレーヤ100とモニタ装置110等との間で、認証開始要求から鍵情報送信までの認証に関する一連の処理が行われる(ステップ302)。一の機器に対する鍵情報の送信までの処理が終了した後、制御部151は、鍵情報を送信していない他の機器があるか否かを判定する(ステップ303)。鍵情報未送信の機器がある場合には肯定判断が行われ、ステップ302に戻って認証処理が継続される。
また、3台の機器(モニタ装置110等)に対して鍵情報の送信までの処理が終了するとステップ303の判定において否定判断が行われる。次に、制御部151は、モニタ装置110、アンプ120、130に対するミュート指示を解除し(ステップ304)、認証に関する一連の処理が終了する。
このように、本実施形態の車載システムでは、複数の機器間での復号化タイミングがずれた場合であっても、復号化された結果の出力タイミングをあわせることができるため、ユーザによる違和感の発生を防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、DVDプレーヤ100内のコンテンツ再生処理部102による再生動作のタイミングについては特に説明していないが、モニタ装置110等の各機器に対応する認証処理が終了するまでコンテンツの再生動作(映画等の再生操作)を停止することが望ましい。これにより、認証処理等に時間がかかってコンテンツの復号化が開始されるタイミングが遅れた場合であっても、コンテンツの先頭部分の復号化が間に合わずに頭切れになることを防止することができる。
また、図4に示した処理タイミングは記録動作を伴わない機器について行われる完全認証に対応するものであるが、記録動作を伴う機器(例えばハードディスク記録装置)については図7に示す制限認証の処理タイミングを採用することで本発明を適用することができる。
また、上述した各実施形態では、車載システムについて説明したが、車載以外の各種システムについて本発明を適用することができる。
第1の実施形態の車載システムの構成を示す図である。 DVDプレーヤ内の認証制御部によって行われる認証処理に関連する一連の動作手順を示す流れ図である。 図1に示した機器間で行われる認証に間する一連の処理タイミングを示す図である。 完全認証に対応する認証処理および鍵情報送信の詳細な処理タイミングを示す図である。 第2の実施形態のヘッドユニット内の制御部とDVDプレーヤ内の認証制御部、コンテンツ再生処理部とによって行われる認証処理に関連する一連の動作手順を示す流れ図である。 第3の実施形態のDVDプレーヤに接続された各機器に対する認証処理等が終了するまで各機器に対してミュート指示を行う動作手順を示す流れ図である。 制限認証に対応する認証処理および鍵情報送信の詳細な処理タイミングを示す図である。 複数の機器の具体的な接続例を示す図である。
符号の説明
100 DVDプレーヤ
101、111、121、131 認証制御部
102 コンテンツ再生処理部
110 モニタ装置
112、122、132 復号化処理部
120、130 アンプ
123、124、133、134 スピーカ
150 ヘッドユニット
151 制御部
152 操作部

Claims (13)

  1. 暗号化されたコンテンツのデータを複数の機器に向けて送信するデータ送信手段と、
    前記複数の機器のそれぞれとの間で認証処理を行う認証制御手段と、
    前記認証制御手段によって前記複数の機器の全てとの間で行われた認証処理が終了した後に、前記コンテンツの暗号化を解く鍵情報を前記複数の機器に向けて送信する鍵情報送信手段と、
    を備えることを特徴とするデータ転送装置。
  2. 請求項1において、
    前記鍵情報の送信は、前記複数の機器のそれぞれに対して鍵交換コマンドを送信することにより開始され、
    前記鍵情報送信手段は、認証処理の対象となった前記複数の機器の全てについて前記認証制御手段による認証処理が終了するまで、前記鍵交換コマンドの送信を停止することを特徴とするデータ転送装置。
  3. 暗号化されたコンテンツのデータを、予め設定された優先順位が高い順に複数の機器のそれぞれに向けて送信するデータ送信手段と、
    前記複数の機器のそれぞれとの間で認証処理を行う認証制御手段と、
    前記認証制御手段による認証処理が終了した前記機器に向けて、前記コンテンツの暗号化を解く鍵情報を送信する鍵情報送信手段と、
    を備え、前記データ送信手段は、前記鍵情報送信手段による前記鍵情報の送信が一の前記機器について終了してから次の前記機器に対するデータ送信を行うことを特徴とするデータ転送装置。
  4. 請求項3において、
    前記複数の機器のそれぞれについて前記鍵情報の送信が終了したか否かを判定して、前記鍵情報の送信が終了していない次の前記機器に対するデータの送信指示を前記データ送信手段に送る制御手段をさらに備えることを特徴とするデータ転送装置。
  5. 暗号化されたコンテンツのデータを複数の機器に向けて送信するデータ送信手段と、
    前記複数の機器のそれぞれとの間で認証処理を行う認証制御手段と、
    前記認証制御手段による認証処理が終了した前記機器に向けて、前記コンテンツの暗号化を解く鍵情報を送信する鍵情報送信手段と、
    認証処理の対象となった前記複数の機器の全てについて前記鍵情報の送信が終了するまで、前記複数の機器のそれぞれに対して、前記コンテンツを復号化した結果の出力動作を停止する指示を行う出力停止指示手段と、
    を備えることを特徴とするデータ転送装置。
  6. 請求項5において、
    前記出力停止指示手段は、前記複数の機器それぞれに対してミュート指示を送ることにより前記出力動作の停止を指示することを特徴とするデータ転送装置。
  7. 請求項5または6において、
    前記出力動作の停止には、前記コンテンツを復号化した結果の音声出力の停止と映像表示の停止とが含まれていることを特徴とするデータ転送装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記複数の機器には、前記コンテンツを復号化した結果を音声出力する機器と映像表示する機器とが含まれていることを特徴とするデータ転送装置。
  9. 請求項1〜7のいずれかにおいて、
    前記複数の機器には、前記コンテンツを復号化した結果を音声出力する複数の機器が含まれていることを特徴とするデータ転送装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、
    蓄積媒体に記録されたデータを再生することにより前記コンテンツのデータを生成するコンテンツ再生処理手段をさらに備え、
    前記認証処理が終了するまで前記コンテンツ再生処理手段による再生動作を停止することを特徴とするデータ転送装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかにおいて、
    前記複数の機器はデジタルバスを介して接続されていることを特徴とするデータ転送装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかにおいて、
    前記認証処理は、前記コンテンツのデータを受信した前記複数の機器のそれぞれから認証開始要求が送られてきた後に開始されることを特徴とするデータ転送装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかにおいて、
    前記複数の機器は、前記コンテンツの記録を伴わない機器であり、
    前記認証制御手段は、前記コンテンツの記録を伴わない機器について認証処理を行うことを特徴とするデータ転送装置。
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