JP4484774B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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本発明は液体吐出ヘッドの製造方法および、その製造方法によって得られる液体吐出ヘッドに関し、具体的には液体を吐出して記録を行う液体吐出(噴射)記録ヘッドの製造方法、およびその製造方法によって得られる液体吐出(噴射)記録ヘッドに関する。
液体噴射記録方式(インクジェット記録方式を含む)が適用される液体噴射記録ヘッド(インクジェット記録ヘッドやインクジェットヘッドを含む)は、一般に微細な吐出口、流路およびこの流路の一部に設けられる液体吐出手段を複数備えている。液体噴射記録ヘッドからインクを記録紙などに吐出し、高品位の画像を得るためには、インクがそれぞれの吐出口より常に同じ体積、吐出速度で吐出されることが望ましい。また、吐出口と連通する流路との境界面における形状が、吐出に影響を及ぼさないものでなければならない。
インクジェット記録ヘッドの製造方法としては、特許文献1(特開平6−286149号公報)に、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成し、このパターンをエポキシ樹脂などで被覆した後、吐出口を形成して溶解可能な樹脂を除去する方法が記載されている。又、特許文献2(特開2001−179990号公報)には、除去可能な樹脂に吐出口形成材料の光硬化を阻害する物質を混入する方法が記載されている。
更に、極小液滴の吐出においては、液体噴射記録ヘッドの吐出口における液体流抵抗の低減を行い、液体吐出速度の維持を行う必要がある。特許文献3(特開2003−25595号公報)には、溶解可能な樹脂を二層にし、基板側流路よりも狭く、吐出口先端部よりも広い中間的な部分(中間室)を基板側流路と吐出口先端の間に設ける工夫がなされている。
さて、近年は、インクジェット(IJ)プリンターの画質競争に伴い、吐出されるインクの小液滴化が加速している。このインクの小液滴化に伴い、インク液滴を吐出するIJヘッドのオリフィス径(吐出口径)も小さくなってきている。そこで、従来の図13(a)に示すIJヘッドの断面形状において、吐出口909部分の厚みPH(OP厚)を変えずに、吐出口径のみを小さくすると、吐出口部分でのインクの流抵抗が、吐出口径の2乗に比例して大きくなってしまう。その結果、特に、プリンターの停止等、ある程度の期間の休止後にインクを吐出する際に、第1回目の吐出時におけるインク液滴の吐出特性が低下しやすくなる(この現象を"発一現象"と呼ぶ)。なお、図13において、901は基板,902は発熱抵抗素子、907は流路形成部材である。
特開平6−286149号公報 特開2001−179990号公報 特開2003−25595号公報
そこで、本発明者らは、小液滴を安定的に飛翔させるために、例えば図13(b),(c)に示すように、吐出口径を小さくするとともにOP厚(PH)を薄く(例えばPH≦10μm程度)した小液滴ノズルを形成する事を試みた。前述の特許文献に記載されるような製造方法でこのインクジェット記録ヘッドを製造してみると,新たな技術課題が見出された。
すなわち、除去可能な樹脂とインク吐出口形成のための吐出口形成材料との界面において、スカムが発生し、吐出口面から飛翔するインク液滴の吐出方向が曲がってしまって、印字画像が劣化してしまう現象が見出された。この現象は特開2001−179990号公報に開示された手法を用いても解決できるものではなかった。
この現象について本発明者らは鋭意検討した結果、次のような知見を得た。即ち、吐出口形成において、吐出口形成材料は、ネガ型レジストであり、吐出口はフォトリソグラフィプロセスで形成される。つまり、吐出口を有する硬化層の形成にネガ型レジストを用いて行うために、不図示のマスクを介して、吐出口以外の領域にUV領域の光照射を行っている。その時、除去可能な樹脂が存在する領域は、この樹脂が存在しない領域と比べて、単位面積当たりの光照射量が多くなる。又、吐出口径が小さくなると、光照射によって、未露光部分(吐出口領域)へ回りこむ光の量(単位面積当たり)も多くなる。
その結果、流路高さが高く、且つ、PH(OP厚)が薄い形状では、光照射量の差が更に大きくなり、微小化された吐出口の断面について分析を行うと、除去可能な樹脂とインク吐出口形成のための吐出口形成材料との界面において、スカムが明らかに観察されるようになってきた。
そこで、本発明者らは、上述の新たな知見から、図13(b),(c)に示したような光照射量の差が大きくなってしまうIJヘッドのノズル形状において、除去可能な樹脂とインク吐出口形成のための吐出口形成材料との界面に発生するスカムを完全に無くす課題が存在するとの認識に至った。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、流路パターンを規定する型となる溶解除去可能な固体層とそれを被覆する吐出口形成材料層とを用いた液体吐出ヘッドの製法において、該吐出口部で、これらの層が直接接する界面領域でのスカムの発生が無く、小液滴(極小液滴を含む)が、精度良い吐出する事を可能とする液体吐出ヘッドの製造方法及びそれにより得られた液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、
液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配置された基板上に、流路を形成するための固体層を設ける工程と、
ただし、該固体層を設ける工程は、
重量平均分子量が20000〜100000であり、共重合体を得るために、前記共重合体の質量に対して5〜30質量%の割合で無水メタクリル酸が使用された、無水メタクリル酸とメタクリル酸エステルとの前記共重合体を含む組成物の層を前記基板上に設ける工程と、
前記組成物の層を120〜150℃で加熱するプリベーク工程と、
を含み、
該固体層を設ける工程において、前記固体層の少なくとも一部を、前記加熱された組成物で形成し;
該固体層が設けられた基板上に該固体層の前記加熱された前記組成物の部分を覆うように、カチオン重合性化合物と、光カチオン重合開始剤と、光カチオン重合阻害剤と、溶剤となるキシレンとを含む塗工液を用いて被覆層を形成する工程と
前記被覆層を露光し、芳香族溶剤で現像することで、液体を吐出するための吐出口を、前記固体層の前記部分の上に形成する工程と
前記固体層を除去することで前記エネルギー発生素子および前記吐出口に連通した流路を形成する工程と
を有する。
本発明により、流路パターンを規定する型となる溶解除去可能な固体層とそれを被覆する吐出口形成材料層とを用いた液体吐出ヘッドの製法において、該吐出口部で、これらの層が直接接する界面領域でのスカムの発生が無く、小液滴(極小液滴を含む)が、精度良い吐出する事を可能とする液体吐出ヘッドの製造方法及びそれにより得られた液体吐出ヘッドが提供される。
以下、本発明について液体吐出ヘッドを主にインクを用いて記録を行うインクジェットヘッド(IJヘッド)を例として説明するが、本発明の液体吐出ヘッドとしては、各種液体を各種の表面に適用するための記録用以外の用途に用いるタイプのものであってもよい。なお、本明細書中において、電離放射線とはDeep−UV光、電子線、X線など、物質に電離作用を及ぼす放射線を総称するものである。
(スカム発生メカニズムの説明)
はじめに、本発明の技術課題である、除去可能な樹脂を用いて形成された固体層とインク吐出口形成のための吐出口形成材料を用いて形成された被覆層との界面におけるスカムの発生メカニズムについて、本発明者らによる新規な知見を説明する。本発明者らは、スカムが発生するメカニズムについて、2つの要因を推定している。(図14参照)。ここで、図14において、801は基板、802は発熱抵抗素子、807はインク流路形成部材、809は吐出口であり、スカム820は吐出口の下部809aに発生するものである。
(1):ノズル形成材料であるカチオン重合による光硬化性組成物を用いて形成した被覆層に光照射を行う際に、マスクによって遮光された吐出口となる領域内に固体層と被覆層との界面に沿って回り込む光によって硬化した微小部分が発生する。
(2):固体層とインク吐出口形成のための被覆層との界面に形成されるこれらの層を形成するための材料間で生じる相溶層によって発生する。
尚、スカムの発生する要因としては、上記2つの推定要因が個々に寄与するのではなくて、相乗的に寄与する可能性もあり、スカムを解消するためには、上記2つの要因を同時に解消する事が重要であると認識している。
故に、スカムの無いIJヘッドのノズル形状を作成するために、本発明者らは、鋭意検討の結果、上記推定要因を解消するために、以下の対策を行った。
対策1:カチオン重合性化合物と、光カチオン重合開始剤とを含む吐出口形成材料に、光カチオン重合阻害剤を添加した。光カチオン重合阻害剤によって、光照射の際に、露光部と未露光部の界面において、光重合反応性が調節されて、未露光部に回り込んだ光でカチオン重合反応を阻害するようにした。
対策2:吐出口部において、前記吐出口形成部材と直接接する前記固体層形成用の樹脂として、メタクリル酸エステルと無水メタクリル酸との共重合体を採用することで、該吐出口形成材料からなる被覆層を形成するために用いる塗工液が含有する溶剤と固体層(除去可能な樹脂層)との相溶を積極的に行うようにして、且つ、出来た相溶層が、前記吐出口形成材料を現像する現像液に完全に溶解できる性質を持つようにする。
前述の対策1,2を同時に行う事によって、多種多様な形状のIJノズルを形成する場合でも、前記除去可能な樹脂とインク吐出口形成のためのノズル形成材料との界面において、スカムが発生することは無くなった。
(感光性材料の説明)
本発明において、流路パターンの型となる固体層には、樹脂成分が無水メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体であるポジ型感光性組成物が少なくとも用いられる。この共重合体は、下記に示す無水メタクリル酸とメタクリル酸エステルとを共重合させて得られる共重体である。
Figure 0004484774
この共重合体における無水メタクリル酸の重合割合は、無水メタクリル酸とメタクリル酸エステルとの合計量に対して、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜12質量%から選択できる。
メタクリル酸エステル成分におけるR2は、炭素数1〜3アルキル基を表し、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示す。また、R1〜R2は各単位ごとに独立して上記の意味を有する。すなわち、上記式で表わされるメタクリル酸エステルの少なくとも1種以上を無水メタクリル酸に共重合させることができる。この共重合体は、上記のモノマー成分から得ることができ、重合形態は、ランダム重合、ブロック重合など、所望とするポジ型レジストの特性を得られるものであれば特に制限されない。更に、この共重合体は、分子量20000〜100000(重量平均)、分散度(Mw/Mn)1.2〜4.0の範囲の分子量のものが好ましい。
この感光性樹脂組成物の樹脂成分の分解のための吸収波長領域は、200〜260nmのみであることが好ましい。また、光照射後の現像には、ジエチレングリコールとモルホリンとモノエタノールアミンと純水の混合液などを用いることができる。
一方、固体層を階段状の段差部を有する多層、例えば2層の積層構造とする場合は、上層(多層の場合の最上層)に上記のメタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体を含む樹脂組成物を用い、下層にメタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体とは感光波長(吸収波長)が異なり、下層への露光時に上層に含まれる共重合体が分解されないポジ型の樹脂組成物を用いる。この下層用の樹脂組成物の樹脂成分としては、ポリメチルイソプロペニルケトンなどが好ましい。
一方、吐出口形成材料としてのネガ型の感光性を有する硬化性組成物としては、カチオン重合性化合物と、光カチオン重合開始剤と、光カチオン重合阻害剤と、を含む光硬化性組成物が用いられる。この光硬化性組成物に含有させるカチオン重合性化合物は、カチオン付加重合反応を利用して化合物同士が結合できるものであり、例えば、特許第3143307号公報に記載される常温にて固体状のエポキシ化合物を好適に利用できる。このエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物のうち分子量が少なくとも約900のもの、含ブロモスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物、フェノールノボラックあるいはo−クレゾールノボラックとエピクロヒドリンとの反応物、特開昭60−161973号公報、特開昭63−221121号公報、特開昭64−9216号公報、特開平2−140219号公報に記載のオキシシクロヘキサン骨格を有する多感応エポキシ樹脂等があげられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。また、これらのエポキシ化合物においては、好ましくはエポキシ当量が2000以下、さらに好ましくはエポキシ当量が1000以下の化合物が好適に用いられる。これは、エポキシ当量が2000を越えると、硬化反応の際に架橋密度が低下し、硬化物のTgもしくは熱変形温度が低下したり、密着性、耐インク性に問題が生じる場合があるからである。
光カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩[J.POLYMER SCI:Symposium No. 56 383−395(1976)参照]や旭電化工業株式会社より上市されているSP−150、SP−170等が挙げられる。また、光カチオン重合開始剤は、還元剤を併用し加熱することによって、カチオン付加重合反応を促進(単独の光カチオン重合に比較して架橋密度が向上する。)させることができる。ただし、光カチオン重合開始剤と還元剤を併用する場合、常温では反応せず一定温度以上(好ましくは60℃以上)で反応するいわゆるレドックス型の開始剤系になるように、還元剤を選択する必要がある。このような還元剤としては、銅化合物、特に反応性とエポキシ樹脂への溶解性を考慮して銅トリフラート(トリフルオロメタンスルフォン酸銅(II))が最適である。また、アスコルビン酸等の還元剤も有用である。また、ノズル数の増加(高速印刷性)、非中性インクの使用(着色剤の耐水性の改良)等、より高い架橋密度(高Tg)が必要な場合は、上述の還元剤を後述のように前記被覆樹脂層の現像工程後に溶液の形で用いて被覆樹脂層を浸漬および加熱する後工程によって、架橋密度をあげることができる。
この光硬化性組成物に対して必要に応じて添加剤など適宜添加することが可能である。例えば、エポキシ樹脂の弾性率を下げる目的で可撓性付与剤を添加したり、あるいは基板との更なる密着力を得るためにシランカップリング剤を添加することなどがあげられる。
更に、この光硬化性組成物には、光カチオン重合阻害剤が添加される。この光カチオン重合阻害剤は光硬化性組成物の硬化性を調節して、先に述べたポジ型レジスト層(固体層)とネガ型レジスト層(ノズル形成材料層)との界面における吐出口となる未露光部へ回り込む光では硬化層を形成できないようにするものである。この光カチオン重合阻害剤としては、光照射部における所望とする硬化特性とスカム発生防止効果が得られるものであればよく、酸触媒の機能を低下させる物質であれば良くて、一般的には、塩基性物質が用いられる。塩基性物質としては、プロトンのアクセプターとなり得る化合物、即ち、非共有電子対を有する塩基性物質を好適に用いることができる。非共有電子対を有する含窒素化合物は、酸に対して塩基として作用する化合物でありスカムの形成を防ぐために有効である。具体的には、窒素、硫黄、リン等の原子を含む化合物が挙げられるが、代表例として、アミン化合物が挙げられる。具体的には、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の炭素1以上4以下のピドロキシアルキル基で置換されたアミン類、ピリミジン、2−アミノピリミジン、4−アミノピリミジン等のピリミジン化合物、ピリジン、メチルピリジン等のピリジン化合物、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール等のアミノフェノール類等が挙げられる。
塩基性物質の含有量は、光カチオン重合開始剤に対して、0.01〜100質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜20質量%である。また、これらの塩基性物質は、二種以上混合して用いてもよい。
ネガ型レジスト層に対して吐出口となる部分を遮光するマスクを介してパターン露光することにより、遮光された部分(未露光部)以外を硬化させてから、現像液で処理して、未露光部を除去して吐出口を形成する。このパターン露光は汎用的な露光装置の何れの物を適用しても構わないが、ネガ型レジスト層の吸収波長領域と一致し、且つ、ポジ型レジスト層の吸収波長領域と重なり合わない波長領域を照射する露光装置であることが望ましい。また、ネガ型レジスト層へパターン露光後の現像は、キシレン等の芳香族溶剤にて行うことが好ましい。
以下、本発明にかかる好ましい実施の形態について図面を用いて更に説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)〜(e)はそれぞれ、本形態にかかる液体吐出ヘッドの製造方法における、プロセスフローの模式的断面図である。以下、図1を用いて本発明の第1の実施形態における、液体吐出ヘッドの製造方法を説明する。
図1(a)は、シリコン基板1を示し、シリコン基板1上には、液体吐出エネルギー発生素子としての発熱素子2や発熱素子を個別に駆動するために配されたトランジスタ、及び、データ信号処理を処理するための回路等(不図示)が構成されており、それらは、電気的に配線を介してして接続されている。なお、窒化膜5は、後述するインク供給口9を形成する際のマスクとして用いられるものである。
次に、図1(b)に示すように、基板1上に、溶解除去可能な固体層としてのポジ型レジスト層3を塗布により形成し、ベークする。塗布はスピンコートやバーコート等の汎用的なソルベントコート法を適用できる。固体層形成用材料としては、樹脂成分として無水メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体を含むポジ型レジスト組成物を用い、ベーク温度は、120〜150℃で、時間は、3〜10分程度である。膜厚は、10〜20μm程度である。
次いで、短波長紫外線(以下、DeepUV光と記す)照射装置(不図示)を用いて、不図示のマスクを介して、ポジ型レジストに200〜300nm領域の光を照射する。その際、図2に示すように、ポジ型レジストの吸収波長領域は、200〜260nmであるために、この領域の波長(エネルギー分布)によって、光照射部において分解反応が促進される。次いで、ポジ型レジスト層3の現像を行う。現像液としては、ジエチレングリコールとモルホリンとモノエタノールアミンと純水の混合液などを用いることができる。この現像処理によって、流路に対応した所定の型パターンを得る。
次に、ポジ型レジスト層3を覆うように吐出口形成材料としてのネガ型レジスト層4を塗布により形成する。塗布は汎用的なスピンコート等のソルベントコート法を適用できる。
吐出口形成材料としてのネガ型レジスト組成物としては、以下の組成の樹脂組成物1を用いた(ポジ型レジスト層3上における膜厚10μm: 図1(b))。形成方法は、メチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に60質量%の濃度で溶解したものを、スピンコートした。
樹脂組成物1:
エポキシ樹脂(EHPE−3158、ダイセル化学(株)製):100重量部
シランカップリング材(A−187、日本ユニカー(株)製):1重量部
光カチオン重合開始剤(SP−170、旭電化工業(株)製:1.5重量部
カチオン重合阻害剤(トリエタノールアミン):SP−170に対して13モル%
このパターン露光は汎用的な露光装置の何れの物を適用しても構わないが、図3に示すように、ネガ型レジスト層の吸収波長領域(図の点線で示す)と一致し、且つ、ポジ型レジスト層3の吸収波長領域(本実施形態の場合、200〜250nm)と重なり合わない波長領域を照射する露光装置であることが望ましい。また、ネガ型レジスト層へパターン露光後の現像は、キシレン等の芳香族溶剤にて行うことが好ましい。ポジ型レジスト層3に達する吐出口7がネガ型レジストの硬化層4に設けられた状態を図1(c)に示す。
次いで、図1(d)に示す構造を得るために、吐出口7などを形成した面を被覆する樹脂6で、片面を保護した後に、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドライド)などのアルカリ溶液にて、シリコン基板の裏面側から、異方性エッチング法により、インク供給口9を形成する。次いで、樹脂6を溶解・除去して、更にネガ型レジストの硬化層4越しに300nm以下の電離放射線を一括で照射する。これは、ポジ型レジスト層3を構成する共重合体を分解して低分子化し、除去を容易に行えるようにすることを目的としている。最後に、型に用いたポジ型レジスト層3を溶剤にて除去し、図1(e)に示す状態とする。これによりインク供給口9から流路8を介して吐出口7までのインクの通路が形成される。
上記の製法では、半導体製造技術で用いられるスピンコート等のソルベントコート法により実施される為、インク流路はその高さが極めて高精度で安定的に形成できる。また、基板に対して平行な方向の2次元的な形状も半導体のフォトリソグラフィー技術を用いる為、サブミクロンの精度を実現することが可能である。更に、ネガ型レジスト組成物にラジカル重合抑制剤が配合されており、更に、ポジ型レジスト層に無水メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体を用いるので、その上部に形成されるネガ型レジスト層との界面において、先に説明したこれらの界面でのスカムの発生が防止される。
(第2の実施の形態)
図4(a)〜(f)はそれぞれ、本発明に適用可能な固体層形成のプロセスフローの一例を示す説明図である。本実施形態は、第1の実施の形態に対し、固体層を複数の材料による積層構造とする点が異なっている。
まず、本発明に適用可能な固体層形成のプロセスフローについて、図4を用いて説明する。
図4(a)に示すように、基板11上に樹脂成分としてポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)を含有するポジ型レジスト層12を形成する。具体的には、東京応化工業(株)社製ODUR−1010(以下、ODURポジ型レジスト)をスピンコートにより塗布し、120℃/3分のプリベークを行った。次に、150℃で30分間のベークを行った。この時の膜厚は、15μmであった。更に、ウェハ外周の盛り上がりを抑えるために、不図示のウェハ外周露光マスクを用いて、ウシオ電機製:UX−3000SCでウェハ外周のみに、DeepUV光を照射してから、ウェハ外周に盛り上がったポジ型レジストを現像・除去した。次に図4(b)に示すように、ポジ型レジスト層ODUR12上に樹脂成分が無水メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体(P(MMA−MAN))であるポジ型レジスト層13をスピンコート法にて形成する。ここでは実施の形態1と同じものを用いた。この時の膜厚は、6μmであった。
さらに図4(c)に示すように、ポジ型レジスト層13を露光する。ポジ型レジスト層13には、露光した箇所が除去されるフォトマスク16を適用する。この時、露光波長域として、230〜260nm帯を使用すれば、下層のポジ型レジストはほとんど感光しない。これはケトンの吸収がカルボニル基に起因し、230〜260nmの光を殆ど透過してしまう為、感光しないことに起因している。
露光されたポジ型レジスト層13をジエチレングリコールとモルホリンとモノエタノールアミンと純水の混合液で現像し、所定のパターンを得る。前記現像液はアルカリ性である。この現像液では未露光部のアクリル系レジストの溶解速度は極めて遅く、且つ、上層現像時の下層への影響は軽微にすることができる。
そして図4(d)に示すように、基板を含めて、130℃、3分間のポストベークを行う事で、上層のポジ型レジストの側壁に約10°の傾斜を付けることができる。次いで図4(e)に示すように、ポジ型レジスト層12を露光する。ポジ型レジスト層12には、露光した箇所が除去されるフォトマスク17を適用する。このとき、露光波長域として、270〜330nm帯を使用すれば、下層のポジ型レジストを感光させることができる。又、270〜330nm域の露光波長は、上層のポジ型レジスト層を透過するために、マスクからの回りこんだ光や基板からの反射光による影響を殆ど受けない。
そして図4(f)に示すように、露光された下層のポジ型レジスト層12を現像し、所定の下層と上層が階段状に積層されたパターンを得る。この積層構造では、下層の上面内に上層の下面が配置され、かつ下層の上面の一部10が露出した状態となっている。現像液は、有機溶剤であるメチルイソブチルケトンを適用することが好ましい。未露光のP(MMA−MAN)は該現像液では殆ど溶解しないため、下層レジスト現像に上層パターンの変化はない。
次に、図4に示す固体層を適用した、本実施の形態の液体吐出ヘッドの製造方法について,図5を用いて説明する。図5(a)〜(h)はそれぞれ、本発明の第2の実施形態による、インク流路形成のプロセスフローを示す図である。
図5(a)に示すように、吐出エネルギー発生素子11aを制御するドライバーやロジック回路等は、汎用的な半導体製法にて生産される為、基板11にシリコンを適用することが好適である。また、シリコン基板にインク供給の為の貫通孔を形成する方法としては、YAGレーザーやサンドブラスト等の技術を適用することも可能ではある。しかし、レジスト塗布時には基板に貫通孔が形成されていないことが好ましい。このような方法は、アルカリ溶液によるシリコンの異方性エッチ技術を適用できる。この場合、基板裏面に耐アルカリ性の窒化シリコン等にてマスクパターン15を形成し、基板表面には同様の材質でエッチングストッパーとなるメンブレン膜(不図示)を形成しておけば良い。
次に、図5(b)に示すように、基板上にPMIPKを含むポジ型レジスト層(ODUR層)12を形成する。この被膜は汎用的なスピンコート法にて形成できる。膜厚は、14μmであった。
次に、図5(c)に示すように、ODUR層12上にポジ型レジスト層(P(MMA−MAN)層)13をスピンコート法にて、6μmの膜厚で形成する。次に、図5(d)に示す構造を得るために、P(MMA−MAN)層13を露光する。P(MMA−MAN)層13には、前述したように、露光した箇所が除去されるフォトマスクを適用する。この時、露光波長域として、230〜260nm帯を使用すれば、下層12のポジ型レジストはほとんど感光しない。これはケトンの吸収がカルボニル基に起因し、230〜260nmの光を殆ど透過してしまう為、感光しないことに起因している。露光されたP(MMA−MAN)層13をジエチレングリコールとモルホリンとモノエタノールアミンと純水の混合液で現像し、所定のパターンを得る。前記現像液はアルカリ性である。この現像液では未露光部のアクリル系レジストの溶解速度は極めて遅く、且つ、上層現像時の下層への影響は軽微にすることができる。
次に、図5(e)に示す構造を得るために、ODUR層12を露光する。ODUR層12には、露光した箇所が除去されるフォトマスクを適用する。このとき、露光波長域として、270〜330nm帯を使用すれば、下層のポジ型レジストを感光させることができる。又、270〜330nm域の露光波長は、上層のポジ型レジスト層13を透過するために、マスクからの回りこんだ光や基板からの反射光による影響を殆ど受けない。その後、露光された下層のポジ型レジスト層12を現像し、所定のパターンを得る。現像液は、有機溶剤であるメチルイソブチルケトンを適用することが好ましい。未露光のP(MMA−MAN)は該現像液では殆ど溶解しないため、下層12レジスト現像に上層13パターンの変化はない。
次に、図5(f)に示すように、下層のODUR層12及び上層のP(MMA−MAN)層13を覆うようにノズル形成材料としての硬化性組成物を塗布し、被覆樹脂層14とする。塗布は汎用的なスピンコート等のソルベントコート法を適用できる。
本発明の実施の形態1で用いた樹脂組成物1を、メチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に60質量%濃度で溶解したものを、スピンコートした。この時の基板から膜厚は、25μmであった。次いで、キヤノン製MPA−600FAにて、インク吐出口形成のためのパターン露光を行った。なお、露光は2.5J/cm2、PEBは90℃/4分間行った。次いで、メチルイソブチルケトン/キシレンで現像を行い、インク吐出口を形成した。なお、本実施の形態ではφ8μmの吐出口パターンを形成した。また、吐出口形成材料上に撥水性被膜14aを形成したい場合は、特開2000−326515号公報に記載されるように、感光性撥水材層14aを形成し、一括にて露光、現像することにより実施することが可能である。この時、感光性撥水層14aの形成はラミネート、スピンコート、スリットコート、スプレーなどにより実施することが可能である。その後、ノズル形成材料14と感光性撥水層14aを同時に露光する。一般的にはノズル形成材料14はネガ型特性のものを使用したので、吐出口となる部分に光を照射させないフォトマスク18を適用する。そして、吐出口形成材料14の層を現像し、吐出口1015を形成する。現像はキシレン等の芳香族系溶剤を適用することが好ましい。次に、図5(g)に示すように、吐出口形成材料層上に、該材料層をアルカリ溶液から保護する為に環化イソプレン19を塗布した。この材料は東京応化工業社よりOBCの名称で上市される材料を用いた。その後、シリコン基板11をテトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)22質量%溶液,83℃に13時間浸漬し、インク供給の為の貫通孔20を形成した。また、インク供給孔形成のためにマスク及びメンブレンとして使用した窒化シリコン15はシリコン基板に予めパターニングしてある。次に、異方性エッチング後にシリコン基板を裏面が上になるようにドライエッチング装置に装着し、CF4に5%の酸素を混合したエッチャントにてメンブレン膜を除去した。次いで、前記シリコン基板をキシレンに浸漬してOBCを除去した。
その後、全面露光により、流路の型材であるポジ型レジスト層(ODUR層及びP(MMA−MAN)層)を分解する。330nm以下の波長の光を照射すれば上層及び下層のレジスト材料は低分子化合物に分解され、溶剤により除去し易くなる。最後に、溶剤により流路の型材であるポジ型レジスト層を除去する。この工程により、図5(h)の断面図に示すとおり、吐出口1015に連通する流路21が形成される。本発明による流路21は、流路の一部を形成し且つヒータ(液体吐出エネルギー発生部)11aと接する気泡発生室である吐出チャンバの近傍にて流路高さが低くなった形状である。溶剤による型材の除去工程において超音波やメガソニック等の振動を付与すれば溶解除去時間の短縮が可能となる。
このようにして作成したインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着し、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からなるインクを用いて記録を行ったところ、本実施例では従来構成(下層P(MMA−MAN)、上層PMIPK、反応阻害物質なし)と比較すると、インク吐出量で20%程度多くなり安定な印字が可能で、得られた印字物は高品位なものであった。ヘッドを分解して観察すると、本実施例では、SEMによる観察の結果、スカムは見られなかったが、従来例では、流路に数μmのスカムが観察された。
以上、述べたように、本発明実施例によれば、インク吐出手段を備えた基板上にインク流路を形成する為の除去可能な樹脂二層を塗布しパターニングする工程と、インク流路及びインク吐出口を形成する吐出口形成材料を塗布しパターニングする工程と、前記除去可能な樹脂を除去する工程とを少なくとも含むインクジェット記録ヘッド作成方法において、前記ノズル形成材料に、少なくとも、カチオン重合可能な樹脂と、光カチオン重合開始剤と、光カチオン重合阻害剤とを含有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド及びその製造方法により、前記課題を解決できる。
つまり、光カチオン重合開始剤は、光を照射するとカチオンを発生し、これがエポキシ樹脂のエポシキ環を開環重合させて、重合反応を利用した硬化が生じるが、含窒素化合物に代表される光カチオン重合阻害剤が存在すると、これが、発生したカチオンと強いイオンペアーを形成した場合にエポシキ環の開環重合反応が停止する。そして、この光カチオン重合阻害剤を適量配合することで、露光部において所望とする硬化の進行を適度に制御して、所望の硬化状態を精度良く得ることができ、更に、露光部と未露光部の界面領域においては、そこに回り込んだ光の量や、そこで発生するあるいは露光部から拡散してくるカチオンの量では硬化が抑えられたり、不十分となり、また、相溶層が生じてもこれが現像液に溶解してしまうので先に説明したスカムの発生を防止することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図6には、液体噴射記録ヘッドの構成とその製作手順の一例が更に示されている。尚、本例では、2つのオリフィス(吐出口)を有する液体噴射記録ヘッドが示されるが、もちろんこれ以上のオリフィスを有する高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドの場合でも同様であることは、言うまでもない。まず、本実施形態においては、例えば図6(a)に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板202が用いられる。尚、図6(a)は感光性材料層形成前の基板の模式的斜視図である。
このような基板202は、流路の壁部材の一部として機能し、また後述の感光性材料層からなる流路構造体の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材質等、特に限定されることなく使用できる。上記の基板202上には、電気熱変換素子あるいは圧電素子等の液体吐出エネルギー発生素子201が所望の個数配置される(図6(a)では2個にて例示)。配列密度としては、600dpiピッチ、もしくは、1200dpiピッチ間隔で、前記素子が配列されている。このような、液体吐出エネルギー発生素子201によって記録液小滴を吐出させるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録が行なわれる。因みに、例えば、液体吐出エネルギー発生素子201として電気熱変換素子が用いられるときには、この素子が近傍の記録液を加熱することにより、吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子が用いられるときは、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。尚、これらの素子201には、これら素子を動作させるための制御信号入力用電極(図示せず)が接続されている。また、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子201の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層が設けられるが、もちろん本発明においてもこの様な機能層を設けることは一向に差しつかえない。
最も汎用的には、基板202としてはシリコンが適用される。即ち、吐出エネルギー発生素子を制御するドライバーやロジック回路等は、汎用的な半導体製法にて生産される為、該基板にシリコンを適用することが好適である。また、該シリコン基板にインク供給の為の貫通孔を形成する方法としては、YAGレーザーやサンドブラスト等の技術を適用することも可能ではある。しかし、下層材料として熱架橋型レジストを適用する場合は、該レジストのプリベーク温度は前述したように極めて高温であり、樹脂のガラス転移温度を大幅に越え、プリベーク中に樹脂被膜が貫通孔に垂れ下がる。従って、レジスト塗布時には基板に貫通孔が形成されていないことが好ましい。このような方法は、アルカリ溶液によるシリコンの異方性エッチ技術を適用できる。この場合、基板裏面に耐アルカリ性の窒化シリコン等にてマスクパターンを形成し、基板表面には同様の材質でエッチングストッパーとなるメンブレン膜を形成しておけば良い。
次いで図6(b)に示すように、液体吐出エネルギー発生素子201を含む基板202上に、ポジ型レジスト層203を形成する。この材料は、メタクリル酸メチル(MMA)と無水メタクリル酸(MAN)の90:10質量比の共重合体で、重量平均分子量(Mw)は、30000であり、分散度(Mw/Mn)は、3.46である。ここで、型材を形成するポジ型レジストであるP(MMA−MAN)の吸収スペクトルを図2に示す。図2で示すように、このポジ型レジスト材料の吸収スペクトルが、260nm以下にしか存在しないので、260nm以上の波長を照射しても、材料自体に、該エネルギー領域で、分子が励起されることがなく、その結果、分解反応などが促進されることがない。即ち、前記ポジ型レジスト材料は、260nm以下の電離放射線のみによって、分解反応が促進され、その後の現像工程において、パターン形成を行なうことができる。この樹脂粒子をジグライムに約30WT%の固形分濃度にて溶解し、レジスト液として使用した。その時の塗布溶液の粘度は、600cpsである。該レジスト液はスピンコート法にて上述した基板に塗布し、120℃、3分でプリベークした後、オーブンにて150℃、6分間の本キュアを行った。形成した被膜の膜厚は15μmであった。
次いで、図6(c)に示すように、ポジ型レジスト層のパターニング(露光、現像)を行った。露光は、図7に示すような第1の波長帯である210〜330nm帯領域で行った。上述したように、260nm以上の光は、照射されているが、前記ポジ型レジスト層に対する分解反応への寄与はない。最適には、260nm以上の光を遮蔽するカットフィルタを用いても良い。露光は、電離放射線をポジ型レジストに、残したいパターンを描いたフォトマスクを介して露光した。勿論、回析光の影響のない投影光学系を有する露光装置を用いた場合は、細りを加味したマスク設計を行う必要はない。
次いで、実施の形態1で用いた樹脂組成物1を用いて、図6(d)に示すように、パターニングされたポジ型レジスト層を覆うようにノズルを形成するための吐出口形成材料層204を形成した。
塗布はスピンコートにて行い、プリベークはホットプレートにて90℃、3分間行った。
次いで、図6(d)に示すように、マスク205を用いて吐出口形成材料層204に対してインク吐出口のパターン露光および現像を行う。このパターン露光は汎用的なUV光を照射できる装置であれば、露光装置の何れのものを適用しても構わない。しかし、照射される光Aの波長領域は、290nm以上であり、且つ、上述したネガ型被膜樹脂が感応する波長領域であれば、上限に制約は無い。露光時にはインク吐出口となる箇所に光を照射させないマスクを使用した。露光はキヤノン製マスクアライナーMPA−600Superを使用し、露光は1000mJ/cm2で行った。図3に示しているように、前記露光機は、290〜400nm領域のUV光を照射しており、この領域において、前記ネガ型被膜樹脂は、感光特性を有することになる。そして、前記露光機を使用した場合、図6(d)で示しているように、ネガ型被膜樹脂を介して、図6(b)で形成されたポジ型レジスト層のパターンにも、290〜400nm領域のUV光が照射されることになる。そのため、本発明で使用しているポジ型レジスト材料の場合、260nm以下のDeepUV光にしか感応しないので、この工程において、材料の分解反応が促進されることは無い。
その後、図6(e)に示すように、現像はキシレンに60秒間浸漬して行った。その後、100℃にて1時間のベークを行い、吐出口形成材料層204と基板の密着性を高めた。その後、図示しないが、吐出口形成材料層204上に、該材料層をアルカリ溶液から保護する為に環化イソプレンを塗布した。この材料は東京応化工業社よりOBCの名称で上市される材料を用いた。その後、シリコン基板をテトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)22質量%溶液,83℃に14.5時間浸漬し、インク供給孔210(図6(g)参照)を形成した。また、インク供給孔形成のためにマスク及びメンブレンとして使用した窒化シリコンはシリコン基板に予めパターニングしてある。このような異方性エッチング後にシリコン基板を裏面が上になるようにドライエッチング装置に装着し、CF4に5%の酸素を混合したエッチャントにてメンブレン膜を除去した。次いで、前記シリコン基板をキシレンに浸漬してOBCを除去した。
次いで図6(f)に示すように、低圧水銀灯を用いて210〜330nm領域帯の電離放射線Bを吐出口形成材料層204に向けて全面照射し、ポジ型レジストを分解した。その後、基板を乳酸メチルに浸漬して、図6(g)の縦断面図に示すようにポジ型レジストからなる型パターンを一括除去した。この時、200MHzのメガソニック槽に入れ溶出時間の短縮を図った。これにより、吐出口を含むインク流路211が形成され、インク供給孔210からインク流路211にインクを導いて、発熱素子202によって吐出口209より吐出させる構造のインク吐出エレメントが作製される。出来合った吐出口のサイズは、φ8μmであり、OH高さは、20μmであった。OP厚は、5μmになっていた。また、先に述べたスカムの発生ないものであった。
このように作製した吐出エレメントは図8に示す形態のインクジェットヘッドユニットに実装され、吐出、記録評価を行ったところ良好な画像記録が可能であった。前記インクジェットヘッドユニットの形態としては図8に示すように、例えばインクタンク213を着脱可能に保持した保持部材の外面に、記録装置本体と記録信号の授受を行うためのTABフィルム214が設けられ、TABフィルム214上にインク吐出エレメント212が電気接続用リード215により電気配線と接続されている。
(第4の実施の形態)
図9(a)〜(i)の夫々には、本発明の方法に係わる液体噴射記録ヘッドの構成とその製作手順の一例が示されている。尚、本例では、2つのオリフィス(吐出口)を有する液体噴射記録ヘッドが示されるが、もちろんこれ以上のオリフィスを有する高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドの場合でも同様であることは、言うまでもない。
まず、本実施形態においては、例えば図9(a)に示されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板1201が用いられる。尚、図9(a)は感光性材料層形成前の基板の模式的斜視図である。このような基板1201は、流路の壁部材の一部として機能し、また後述の感光性材料層からなる流路構造体の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材質等、特に限定されることなく使用できる。上記の基板1201上には、電気熱変換素子あるいは圧電素子等の液体吐出エネルギー発生素子1202が所望の個数配置される(図9(a)では2個にて例示)。このような、液体吐出エネルギー発生素子1202によって記録液小滴を吐出させるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録が行なわれる。因みに、例えば、液体吐出エネルギー発生素子1202として電気熱変換素子が用いられるときには、この素子が近傍の記録液を加熱することにより、吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子が用いられるときは、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。
尚、これらの素子1202には、これら素子を動作させるための制御信号入力用電極(図示せず)が接続されている。また、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子1202の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層が設けられるが、もちろん本発明においてもこの様な機能層を設けることは一向に差しつかえない。最も汎用的には、基板1201としてはシリコンが適用される。即ち、吐出エネルギー発生素子を制御するドライバーやロジック回路等は、汎用的な半導体製法にて生産される為、該基板にシリコンを適用することが好適である。また、該シリコン基板にインク供給の為の貫通孔を形成する方法としては、YAGレーザーやサンドブラスト等の技術を適用することも可能ではある。しかし、レジスト塗布時には基板に貫通孔が形成されていないことが好ましい。このような方法は、アルカリ溶液によるシリコンの異方性エッチ技術を適用できる。この場合、基板裏面に耐アルカリ性の窒化シリコン等にてマスクパターンを形成し、基板表面には同様の材質でエッチングストッパーとなるメンブレン膜を形成しておけば良い。
次いで図9(b)に示すように、液体吐出エネルギー発生素子1202を含む基板1201上に、PMIPKのポジ型レジスト層1203を塗布した。PMIPKは、東京応化工業株式会社より上市されるODUR−1010を樹脂濃度が20WT%となるように調整して使用した。プリベークはホットプレートにて120℃、3分間行った。更に、窒素雰囲気中オーブンにて、150℃、30分間の熱処理を行った。該被膜の膜厚は15μmであった。
次いで図9(c)に示すように、前記ポジ型レジスト層1203上にP(MMA−MAN)の光崩壊型のポジ型レジスト層1204を塗布した。P(MMA−MAN)の光崩壊型のポジ型レジストとしては、以下のポジ型レジストを用いた。
・メチルメタクリレートとメタクリル酸のラジカル重合物(P(MMA−MAN))、重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)=30000、分散度(Mw/Mn)=3.5。
この樹脂粉末をジグライム溶媒に約25質量%の固形分濃度にて溶解し、レジスト液として使用した。その際のレジスト溶液の粘度は、約600cpsであった。該レジスト液を、スピンコート法にて塗布し、100℃で、3分でプリベークした後、窒素雰囲気中オーブンにて150℃で、30分間の熱処理を行った。なお、熱処理後のレジスト層の膜厚は5μmであった。
次いで図9(d)に示すように、P(MMA−MAN)の光崩壊型のポジ型レジスト層1204の露光を行った。露光装置はウシオ電機(株)製マスクアライナーUX−3000SCにて行い、カットフィルタを用いて、露光波長230〜260nm帯の光1205をマスク1206を介して選択的に照射した。次いで図9(e)に示すように、P(MMA−MAN)の光崩壊型のポジ型レジスト層1204の現像を行った。現像は、以下の組成の現像液にて現像して、所望のパターンを形成した。
現像液:
ジエチレングリコールモノブチルエーテル:60vol%
エタノールアミン:5vol%
モルフォリン:20vol%
イオン交換水:15vol%
次いで、図9(f)に示すように、下層のPMIPKのポジ型レジスト層1203のパターニング(露光、現像)を行った。露光装置は同一の装置を用い、カットフィルタを用いて、露光波長270〜330nm帯を選択的に照射した。現像はメチルイソブチルケトンにて行った。次いで、実施の形態1で用いた樹脂組成物1を使用して、図9(g)に示すように、パターニングされた下層のポジ型レジスト層1203と上層のポジ型レジスト層1204を覆うように吐出口形成材料1207の層を形成した。
形成方法は、メチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に60質量%の濃度で溶解したものを、スピンコートした。塗布はスピンコートにて行い、プリベークはホットプレートにて90℃、3分間行った。露光はキヤノン製マスクアライナーMPA−600FAを使用し、露光は3J/cm2で行った。現像はキシレンに60秒間浸漬して行った。その後、100℃にて1時間のベークを行い、吐出口形成材料の密着性を高めた。次いで、吐出口形成材料1207に対してインク吐出口1209のパターン露光および現像を行う。このパターン露光は汎用的な露光装置の何れのものを適用しても構わない。図示しないが、露光時にはインク吐出口となる箇所に光を照射させないマスクを使用した。
その後、図示しないが、吐出口形成材料層上に、該材料層をアルカリ溶液から保護する為に環化イソプレンを塗布した。この材料は東京応化工業社よりOBCの名称で上市される材料を用いた。その後、シリコン基板をテトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)22質量%溶液,83℃に13時間浸漬し、インク供給の為の貫通孔(不図示)を形成した。また、インク供給孔形成のためにマスク及びメンブレンとして使用した窒化シリコンはシリコン基板に予めパターニングしてある。このような異方性エッチング後にシリコン基板を裏面が上になるようにドライエッチング装置に装着し、CF4に5%の酸素を混合したエッチャントにてメンブレン膜を除去した。次いで、前記シリコン基板をキシレンに浸漬してOBCを除去した。
次いで図9(h)に示すように、低圧水銀灯を用いて300nm以下の電離放射線を吐出口形成材料1207を介して全面照射し、PMIPKの上層ポジ型レジストと、P(MMA−MAA)の下層ポジ型レジストを分解した。照射量は50J/cm2である。
その後、基板1201を乳酸メチルに浸漬して、図9(i)の縦断面図に示すように型レジストを一括除去した。この時、200MHzのメガソニック槽に入れ溶出時間の短縮を図った。これにより、吐出チャンバを含むインク流路1211が形成され、インク供給孔1210から各インク流路1211を介して各吐出チャンバにインクを導いて、ヒータによって吐出口1209より吐出させる構造のインク吐出エレメントが作製される。出来あがった吐出口のサイズは、φ2=6μmであり、OH2は、25μmであった。流路高さ(h2)は、15μmであり、ヒータ上に形成されたP(MMA−MAA)の膜厚が5μmであったので、OP2厚は、5μmになっていた。また、先に述べたスカムの発生がないものであった。
(第5の実施の形態)
第4の実施の形態の製法により、図10に示した構造のインクジェットヘッドを作製した。本実施形態では図10に示すとおり、インクジェットヘッドはインク供給口310の開口縁部310aから吐出チャンバー311のインク供給口側の端部311aまでの水平距離が80μmである。インク流路壁312は、吐出チャンバー311のインク供給口側の端部311aからインク供給口310側へ50μmの箇所(312a)で形成され、夫々の吐出エレメントを分割している。また、インク流路高さは15μmで形成されている。基板301の表面から吐出口形成材料307の表面までの距離(OH)は26μmである。図10で示すように、インク供給口310を挟んで、配置されたインク吐出口309a、309bのサイズは、夫々φ6μmとφ12μmであり、各々の吐出量に応じたヒータサイズを配置している。各々の吐出口から飛翔するインク吐出量は、0.5plと2.0plであった。各々のノズルが、不図示の千鳥配列によって、図10の図面に対して、垂直方向に256個、42.3μmピッチで配列している。なお、図10において、302はヒータ,307aは吐出口形成材料307に設けられた梁である。
(第6の実施の形態)
第4の実施の形態の製法により、図11に示した構造のインクジェットヘッドを作製した。本実施形態では図11に示すとおり、インクジェットヘッドはインク供給口310の開口縁部310aから吐出チャンバー311のインク供給口側の端部311aまでの水平距離が80μmである。インク流路壁312は、吐出チャンバー311のインク供給口側の端部311aからインク供給口310側へ50μmの箇所(312a)で形成され、夫々の吐出エレメントを分割している。また、インク流路高さは15μmで形成されている。基板301の表面から吐出口形成材料307の表面までの距離は25μmである。図11で示すように、インク供給口310を挟んで、配置されたインク吐出口309a,309bのサイズは、夫々φ3μmとφ16μmであり、各々の吐出量に応じたヒータサイズを配置している。各々の吐出口から飛翔するインク吐出量は、0.2plと5.0plであった。各々のノズルが、不図示の千鳥配列によって、図11の図面に対して、垂直方向に256個、42.3μmピッチで配列している。
なお、図11において、302はヒータ,307aは吐出口形成材料307に設けられた梁である。
(第7の実施の形態)
第4の実施の形態の製法により、図12に示した構造のインクジェットヘッドを作製した。本実施形態では図12に示すとおり、インクジェットヘッドはインク供給口310の開口縁部310aから吐出チャンバー311のインク供給口側の端部311aまでの水平距離が80μmである。インク流路壁312は、吐出チャンバー311のインク供給口側の端部311aからインク供給口310側へ50μmの箇所(312a)で形成され、夫々の吐出エレメントを分割している。また、インク流路高さは15μmで形成されている。基板310の表面から吐出口形成材料307の表面までの距離は26μmである。図12で示すように、インク供給口310を挟んで、配置されたインク吐出口309a,309bのサイズは、夫々φ7μmとφ11μmであり、各々の吐出量に応じたヒータサイズを配置している。各々の吐出口から飛翔するインク吐出量は、0.6plと2.0plであった。各々のノズルが、不図示の千鳥配列によって、図12の図面に対して、垂直方向に256個、42.3μmピッチで配列している。
以上説明したように、本発明によれば、吐出口形成用材料としてのカチオン重合による光硬化性組成物に光カチオン重合阻害剤が配合されて、更に、吐出口のなる部分と界面を形成する固体層の部分を無水メタクリル酸とメタクリル酸エステルの共重合体を用いて形成したことで、従来とほぼ工程が変わらず、スカムの無い安価なインクジェットヘッドを提供することができる。さらには、固体層を2層構造とし、下層をビニルケトン系光崩壊性高分子化合物及びポリメチルイソプロペニルケトンのいずれかを用い、上層に無水メタクリル酸とメタクリル酸エステルの共重合体を用いて、且つ、吐出口形成材料は、少なくともカチオン重合可能な化合物と、光カチオン重合開始剤と、光カチオン重合阻害剤とを含むことにより従来とほぼ工程が変わらず、スカムが無く、安価であり、しかも、吐出口下部の流路内に、液体流抵抗を低減する基板側の流路部分よりも小さい中間室を精度良く設けたインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
(a)〜(e)はそれぞれ、本発明の第1の実施形態によるインク流路形成のプロセスフローを示す図である。 本発明に用いられる、P(PMMA−MAN)の吸収スペクトルを示す図である。 本発明に用いられる、樹脂組成物1の吸収スペクトルを示す図である。 (a)〜(f)はそれぞれ、本発明に適用可能な固体層形成のプロセスフローの一例を示す説明図である。 (a)〜(h)はそれぞれ、本発明の第2の実施形態による、インク流路形成のプロセスフローを示す図である。 (a)〜(g)はそれぞれ、本発明の第3の実施形態による、インク流路形成のプロセスフローを示す図である。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法に用いられる露光装置の波長と照度との相関関係を示す説明図である。 本発明の液体吐出ヘッドの製造方法により製造された、インクジェットヘッドユニットの説明図である。 (a)〜(i)はそれぞれ、本発明の第4の実施形態による、インク流路形成のプロセスフローを示す図である。 本発明の第5の実施形態における、インクジェットヘッドの断面説明図である。 本発明の第6の実施形態における、インクジェットヘッドの断面説明図である。 本発明の第7の実施形態における、インクジェットヘッドの断面説明図である。 (a)〜(c)はそれぞれ,従来の小液滴用のノズル形状を示す模式的断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、スカム発生状態を模式的に説明するための図である。

Claims (6)

  1. 液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が配置された基板上に、流路を形成するための固体層を設ける工程と、
    ただし、該固体層を設ける工程は、
    重量平均分子量が20000〜100000であり、共重合体を得るために、前記共重合体の質量に対して5〜30質量%の割合で無水メタクリル酸が使用された、無水メタクリル酸とメタクリル酸エステルとの前記共重合体を含む組成物の層を前記基板上に設ける工程と、
    前記組成物の層を120〜150℃で加熱するプリベーク工程と、
    を含み、
    該固体層を設ける工程において、前記固体層の少なくとも一部を、前記加熱された組成物で形成し;
    該固体層が設けられた基板上に該固体層の前記加熱された前記組成物の部分を覆うように、カチオン重合性化合物と、光カチオン重合開始剤と、光カチオン重合阻害剤と、溶剤となるキシレンとを含む塗工液を用いて被覆層を形成する工程と
    前記被覆層を露光し、芳香族溶剤で現像することで、液体を吐出するための吐出口を、前記固体層の前記部分の上に形成する工程と
    前記固体層を除去することで前記エネルギー発生素子および前記吐出口に連通した流路を形成する工程と
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記共重合体は、無水メタクリル酸とメタクリル酸メチルとの共重合体であることを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記光カチオン重合阻害剤は、非共有電子対を有する塩基性物質であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記光カチオン重合阻害剤は、非共有電子対を有する含窒素化合物であることを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記光カチオン重合阻害剤は、アミン化合物であることを特徴とする請求項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記固体層を設ける工程は、
    ポリメチルイソプロペニルケトンからなる材料層を前記基板上に設ける工程と、
    前記材料層上に、前記組成物の層を設ける工程と、
    前記材料層上に設けられた前記組成物の層に対して前記加熱を行うプリベーク工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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