JP4484595B2 - 泥水,泥土の処理方法および処理システム - Google Patents
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Description
地盤改良等の地下土木工事現場から発生する泥土や、アルカリ性物質等の電解質を含んだ高濃度の排泥水は、現行では、主に下記(一)〜(三)に挙げる方法で処分されている。
(一) なんら処理を施すことなく、排出された状態のままでバキューム車で廃棄物処分場へ運搬して廃棄する。
(二) 排出された泥水、泥土、高含水土を沈澱させて、上澄み液と土砂に分離する。そして、分離された土砂を固結した上で、廃棄物処分場へ運搬して廃棄する。
(三) 排出された泥水、泥土、高含水土に凝集剤(有機高分子凝集剤)を添加混合し、さらに、重力を利用して上澄み水と土砂に自然分離する。そして、分離された固形分については、廃棄物処分場へ運搬して廃棄する。また、分離された上澄み液については、工事用水として再利用するか、或いはpH値を適宜調整した上で放流する。
種々の工事現場では、高分子凝集剤を用いた自然脱水処理や、脱水機械を利用した機械式脱水処理が行われている。
ノニオン性、アニオン性、及びカチオン性群から選ばれた少なくとも1種以上の界面活性物質が、工場における製造工程において予め添加混合されているか、又は前記被処理物に対する凝集処理前に前記土木工事現場において添加混合されている油中水型エマルジョン及び/又は塩水溶液中分散液からなることを特徴とする分散液型凝集剤。
前記分散液型凝集剤を希釈することなく原液の状態のまま、前記被処理物に対して添加,混合して、凝集反応を生じさせる工程を含むことを特徴とする泥水,泥土の処理方法。
前記金属塩類を添加,混合することによって、前記被処理物のpH値を低下させると共に、凝集フロック中の分散液型凝集剤に吸着・吸水した水を疎水化させることを特徴とする上記(2)記載の泥水,泥土の処理方法。
そのままの状態で廃棄する処理、中性固化処理を施した上で廃棄する処理、及び急結剤かポーラスな無機鉱物を用いて改良した上で土構造材料として再利用する処理、の何れかの処理を選択的に施す工程を含むことを特徴とする上記(4)記載の泥水,泥土の処理方法。
前記分散液型凝集剤を収容する第1の容器と、
金属または塩基性基と置換し得る水素原子を有する化合物である酸に溶解した金属塩類を収容する第2の容器と、
前記土木工事現場に設けられた貯泥手段と前記第1の容器に接続されており、当該貯泥手段から送給される前記被処理物と、前記第1の容器から送給される前記分散液型凝集剤とを混合するための混合装置と、
前記混合装置と前記第2の容器に接続されており、当該混合装置から送給される混合済み前記被処理物と、前記第2の容器から送給される前記金属塩類とを混合し攪拌するための攪拌装置と、
前記攪拌装置に接続されており、当該攪拌装置から送給される攪拌済み前記被処理物に対して、脱水処理を施すための脱水装置と、を有しており、
前記被処理物は、希釈することなく前記貯泥手段から前記混合装置へ送給されて混合処理に供されるようになっており、
前記分散液型凝集剤は、希釈することなく原液の状態のまま前記第1の容器から前記混合装置へ送給されて、前記被処理物に対して添加,混合されるようになっていることを特徴とする泥水,泥土の処理システム。
まず最初に、図1に基づいて、排泥水処理を実施する上で利用される排泥水処理システムの概略構成を説明する。図1は、排泥水処理システム1の概略構成を示す図である。
次に、図1及び図2に基づいて、上述した排泥水処理システム1を利用した排泥水処理の流れについて詳細に説明する。図2は、図1に示す排泥水処理システム1を利用した排泥水処理の流れを示すフローチャートである。
なお、混合すべき排泥水と分散液型凝集剤との割合(混合比)は特に限定されないが、一例を挙げれば、排泥水1m3当りの分散液型凝集剤の含有量が約1〜5kg程度になるように添加,混合する。
(a) 分離することによって得られたケーキを、そのままの状態で廃棄処分する。
(b) 中性固化処理を施した上で廃棄処分する。
(c) 急結剤かポーラスな無機鉱物を用いて改良し、土構造材料等として再利用する。
(d) 工事用水として再利用する。
(e) pH値を適宜調整した上で放流する。
次に、排泥水に対して添加される分散液型凝集剤の詳細について説明する。
一方において、従来の凝集処理にみられるように、高分子凝集剤を清水で希釈した上で使用することとすると、排泥水に多量の凝集剤液を加える結果、脱水する排泥水処理量が極めて多くなって、脱水装置に対する負荷が大きくなる等の問題がある。
そこで、本発明において用いられるアクリル系高分子凝集剤分散液は、1万mPas以下の粘度を有しているとともに、10%以上の濃度を有していることが好ましい。このようにアクリル系高分子凝集剤分散液を構成した場合には、低粘度の分散型高分子凝集剤分散液を希釈することなく、高濃度の原液のまま添加することが可能になる。
そして、金属塩類の詳細について説明すると、具体的な金属塩類としでは、ボリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、硫酸第一鉄,塩化第二鉄、塩化カルシウム等を挙げることができる。
次に、凝集が最も困難と考えられる高アルカリ性のジエットグラウト工法(地盤改良工法)により発生する排泥、及び高含水土に適用した室内配合試験例を、下記表1に示す。
上述した本発明によれば、土木工事現場において排出された排泥水等は、排出された状態のままで(すなわち希釈することなく)、所定の分散液型凝集剤が加えられるようになっている。しかも、この分散液型凝集剤は、原液の状態のままで(すなわち希釈することなく)、排泥水等に対して少量だけ添加されるようになっている。そのため、このような特徴によれば、処理すべき泥水の容積を増加させることなく,短時問で凝集させ、フロックを形成させることが可能になる。その結果、たとえば、脱水機械の大幅の効率アップを図ることが可能になるとともに、コスト縮減を図ることが可能になる等の格別の効果が達成される。
3 貯泥槽(貯泥手段)
11 混合装置
13 攪拌装置
15 脱水装置
21 第1の容器
22 第2の容器
31 第1の流量管理装置
32 第2の流量管理装置
33 第3の流量管理装置
Claims (6)
- 土木工事現場において発生する泥土及び電解質を含んだ泥水の少なくとも何れか一方から成る被処理物を処理する際に用いられる処理剤であって、
ノニオン性、アニオン性、及びカチオン性群から選ばれた少なくとも1種以上の界面活性物質が、工場における製造工程において予め添加混合されているか、又は前記被処理物に対する凝集処理前に前記土木工事現場において添加混合されている油中水型エマルジョン及び/又は塩水溶液中分散液からなる分散液型凝集剤と、
前記分散液型凝集剤を添加,混合して凝集,フロック化した被処理物に対して添加,混合されるものであって、金属または塩基性基と置換し得る水素原子を有する化合物である酸に溶解した金属塩類と、
からなることを特徴とする処理剤。 - 土木工事現場において発生する泥土及び電解質を含んだ泥水の少なくとも何れか一方から成る被処理物を処理する方法であって、
請求項1記載の分散液型凝集剤を添加,混合して凝集,フロック化した前記被処理物に対し、請求項1記載の金属塩類を添加,混合することを特徴とする泥水,泥土の処理方法。 - 土木工事現場において発生する泥土及び電解質を含んだ泥水の少なくとも何れか一方から成る被処理物を希釈することなく処理する方法であって、
請求項1記載の分散液型凝集剤を希釈することなく原液の状態のまま、前記被処理物に対して添加,混合して、凝集反応を生じさせる工程と、
前記分散液型凝集剤の添加,混合工程を経て凝集,フロック化した前記被処理物に対して、請求項1記載の金属塩類を添加,混合する工程と、を含んでおり、
前記金属塩類を添加,混合することによって、前記被処理物のpH値を低下させると共に、凝集フロック中の分散液型凝集剤に吸着・吸水した水を疎水化させることを特徴とする泥水,泥土の処理方法。 - さらに、
前記金属塩類の添加,混合工程の後において、前記被処理物に対して脱水処理を施すことによって、当該被処理物をケーキと水分とに分離する工程を含むことを特徴とする請求項2又は3記載の泥水,泥土の処理方法。 - さらに、
前記脱水工程を経て得られた前記ケーキの全部又は一部に対して、
そのままの状態で廃棄する処理、中性固化処理を施した上で廃棄する処理、及び急結剤かポーラスな無機鉱物を用いて改良した上で土構造材料として再利用する処理、の何れかの処理を選択的に施す工程を含むことを特徴とする請求項4記載の泥水,泥土の処理方法。 - 土木工事現場において発生する泥土及び電解質を含んだ泥水の少なくとも何れか一方から成る被処理物を処理するためのシステムであって、
請求項1記載の分散液型凝集剤を収容する第1の容器と、
請求項1記載の金属塩類を収容する第2の容器と、
前記土木工事現場に設けられた貯泥手段と前記第1の容器に接続されており、当該貯泥手段から送給される前記被処理物と、前記第1の容器から送給される前記分散液型凝集剤とを混合するための混合装置と、
前記混合装置と前記第2の容器に接続されており、当該混合装置から送給される混合済み前記被処理物と、前記第2の容器から送給される前記金属塩類とを混合し攪拌するための攪拌装置と、
前記攪拌装置に接続されており、当該攪拌装置から送給される攪拌済み前記被処理物に対して、脱水処理を施すための脱水装置と、を有しており、
前記被処理物は、希釈することなく前記貯泥手段から前記混合装置へ送給されて混合処理に供されるようになっており、
前記分散液型凝集剤は、希釈することなく原液の状態のまま前記第1の容器から前記混合装置へ送給されて、前記被処理物に対して添加,混合されるようになっていることを特徴とする泥水,泥土の処理システム。
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