JP4483742B2 - El素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光層を一対の電極により挟んでなるEL(エレクトロルミネッセンス)素子の製造方法に関し、特に、レーザ照射による輝度向上に関する。
EL素子は、基板上に下部電極、硫化亜鉛(ZnS)等の蛍光体からなる発光層、上部電極を、スパッタや蒸着などにより積層して形成されるものであり、通常は、各電極と発光層との間に絶縁層を介在させてなる。
このような構造のEL素子においては、上下電極間に電圧を印加することにより、発光層を発光させるが、その発光輝度を向上させるために発光層にレーザ光を照射する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
このものは、基板上に、下部電極、発光層を形成した後、発光層側から発光層に対して、固体レーザやエキシマレーザなどを用いてレーザ照射を行うことにより、照射前に比べて発光輝度を向上させるものである。
特開平11−224777号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているレーザ照射方法では、発光層に直接レーザ光を照射するため、あまり大きな照射エネルギーとすることができない。たとえば、ある照射エネルギー以上になると、発光層が昇華してしまうなどの不具合が生じるため、この昇華を防止しつつ発光輝度を向上させる照射条件の範囲は極めて狭いものとなってしまう。
そこで、本発明者は、EL素子の積層構成を形成した後、すなわち発光層を一対の電極で挟んだ状態とした後にレーザ照射を行えば、発光層が電極で被覆された状態であるため、たとえば発光層の昇華などが生じないと考えた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、発光物質を含む発光層を一対の電極により挟んでなるEL素子の製造方法において、一対の電極で発光層を挟んだ後、レーザ照射を行い輝度を向上できるようにすることを目的とする。
本発明者は、発光物質を含む発光層を一対の電極により挟んでなるEL素子においては、発光層からの発光を取り出す構成である以上、一対の電極のうち一方もしくは両方の電極側から発光層へ、レーザ光が透過可能であることに着目した。
そこで、レーザ光が発光層まで透過可能な一方の電極側から、第1のレーザ光を発光層に対して照射するとともに、他方の電極側には第2のレーザ光を照射して当該他方の電極を加熱し、他方の電極から発光層への熱伝導によって発光層を熱処理すれば、輝度向上が図れると考えた。
そして、そのためには、第1のレーザ光の当該発光層での吸収率や、第2のレーザ光の他方の電極での吸収率が、ある程度大きくなければいけないと考え、各種の波長のレーザ光における上記吸収率を求め、輝度向上の効果を調査すればよいと考えた。
本発明は、このような考えに基づいて、実験検討を行った結果、得られたものであり、発光層(13)を一対の電極(11、15)で挟んだ後、一方の電極側から発光層(13)の単膜での吸収率が40%以上である波長の第1のレーザ光(L1)を発光層(13)に対して照射するとともに、一方の電極とは反対側の他方の電極側から当該他方の電極の単膜での吸収率が30%以上である波長の第2のレーザ光(L2)を当該他方の電極に対して照射して、発光輝度を向上させる処理を行うことを特徴とする。
それによれば、後述する図5、図6に示されるように、一対の電極(11、15)で発光層(13)を挟んだ後、レーザ照射を行い輝度を向上させることができる。
ここで、一対の電極(11、15)が同一の材料で形成されたものであって互いに膜厚が異なるものである場合、膜厚の薄い方の電極の方がレーザ光が透過しやすく、膜厚の厚い方の電極の方がレーザ光が吸収されやすいため、第1のレーザ光(L1)の照射は膜厚の薄い方の電極側から行い、第2のレーザ光(L2)の照射は膜厚の厚い方の電極側から行う。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るEL素子100の概略断面構成を示す図である。EL素子100は、絶縁性基板であるガラス基板10上に、光学的に透明な第1電極11、第1絶縁層12、発光層13、第2絶縁層14及び光学的に透明な第2電極15を順次積層して形成されている。
ここでは、第1電極11と第2電極15とは、互いに直交するストライプ状に配置された複数本のものである。そして、第1電極11と第2電極15との交点に所定の電圧が印加されると、その部分の発光層13が発光するものである。このEL素子100の場合、発光層13の発光は、上下電極11、15の両側から取り出し可能となっている。
ガラス基板10としては、無アルカリガラスや低アルカリガラスが用いられ、第1、第2電極11、15としては、ITO(インジウムチンオキサイド)膜が用いられる。
第1、第2絶縁層12、14としては、各種の透明絶縁膜が採用可能であるが、本例では、原子層成長法(ALD、Atomic−Layer−Deposition)にて成膜されたAl23/TiO2積層構造膜としている。これは、Al23とTiO2とが交互に積層された膜である。
また、発光層13としては、希土類元素を添加したII−VI族化合物半導体などが用いられ、具体的には、ZnS、SrS、CaSに発光中心としてMnやテルビウム(Tb)等を添加したものが使用される。本例では、ZnSを母体材料とし、発光中心としてMnを添加した硫化亜鉛:マンガン(ZnS:Mn)を発光層13としている。
次に、本例のEL素子100の製造方法について説明する。まず、ガラス基板10上に、第1電極11として光学的に透明であるITO膜を600nmスパッタ法により形成する。
その上に、第1絶縁層12として、Al23/TiO2積層構造膜をALD法で作製する。ALD法は比較的公知であるため、詳細は省略するが、具体的には、AlCl3、H2Oを原料としてAl23層を形成し、TiCl4、H2Oを原料としてTiO2層を形成するという成膜工程を交互に繰り返すことで成膜がなされる。
それにより、本例では、Al23層、TiO2層とも、1層当たりの厚さを5nmとし、それぞれ6層積層してなる総膜厚が60nmのAl23/TiO2積層構造膜としての第1絶縁層12を形成する。
そして、第1絶縁層12上に、ZnS:Mnからなる厚さ300nmの発光層13を蒸着法により形成する。その後、第2絶縁層14を第1絶縁層12と同様の構造および膜厚にて成膜し、最後に第2電極15として第1電極11と同様の方法で、200nmの膜厚のITO膜を成膜する。
こうして、図1に示されるような発光層13を一対の電極11、15で挟んでなるEL素子100の積層構造ができあがる。ここまでが、素子形成工程である。
次に、本例では、EL素子の製造工程の一環として、発光輝度を向上させるために素子にレーザ光を照射する工程を行う(レーザ照射工程)。
ここでは、図1に示されるように、発光層13を一対の電極11、15で挟んだ状態で、第2電極15側から第1のレーザ光L1を発光層13に対して照射するとともに、第1電極11側から第1のレーザ光L1とは異なる波長の第2のレーザ光L2を第1電極11に対して照射して、発光輝度を向上させる処理を行う。
発光層13に対して照射される発光層吸収側レーザ光としての第1のレーザ光L1は、発光層13の単膜での吸収率が40%以上である波長を持つものであり、図1では355nmの波長としている。
また、第1電極11に対して照射される電極吸収側レーザ光としての第2のレーザ光L2は、第1電極11の単膜での吸収率が30%以上である波長を持つものであり、図1では532nmの波長としている。
上述したように、EL素子においては、一対の電極11、15のうち一方もしくは両方の電極側から発光層13へ、レーザ光が透過可能であるが、本例のEL素子100では、そのレーザ光の透過は両方の電極11、15側から可能である。
ここで、本例では、通常のEL素子と同様に、一対の電極11、15が同一の材料すなわちITOで形成されたものであって互いに膜厚が異なる。このような場合、膜厚の薄い第2電極15の方がレーザ光が透過しやすく、膜厚の厚い第1電極11の方がレーザ光が吸収されやすい。また、本例の場合、第1のレーザ光L1の波長における膜厚の薄い第2電極15及び第2絶縁層14での吸収率は30%以下であり、第1のレーザ光L1の70%以上を発光層13に吸収させることができる。
そのため、本例では、図1に示されるように、発光層13にて吸収されるための第1のレーザ光L1の照射は、膜厚(200nm)の薄い第2電極15側から行い、第1電極11にて吸収されるための第2のレーザ光L2の照射は、膜厚(600nm)の厚い第1電極11側すなわちガラス基板10の外側から行う。
このレーザ照射工程におけるレーザ照射装置は、公知のものを採用することができるが、図2にその装置の一例を模式的な構成として示しておく。
本装置は、レーザ光L1、L2を出射するレーザ発振器200、レーザ発振器200から出てきたレーザ光L1、L2の波形を調整して最適化するホモジナイザ202、ホモジナイザ202からのレーザ光L1、L2をEL素子100に集光させる集光レンズ204、および、これら部材間に設けられレーザ光L1、L2を伝達する反射ミラー201、203を備えて構成されている。
レーザ発振器200としては、一般的に使用されている半導体を用いた固体レーザやガスを用いたエキシマレーザを用いることができる。周知のように、レーザ発振器200から出射されるレーザ光L1、L2の波長を変えることは、レーザの種類を変えることにより実現される。
ここでは、1台のレーザ発振器200から、355nmの波長(第3高調波)を持つ第1のレーザ光L1と532nmの波長(第2高調波)を持つ第2のレーザ光L2との両方の波長を有するレーザ光が出るようになっている。なお、図示しないが、355nmの波長の第1のレーザ光L1が発振できる発振器と532nmの波長の第2のレーザ光L2が発振できる発振器を2台使用してもかまわない。
そして、レーザ発振器200の出射口から出てきた各レーザ光L1、L2は、反射ミラー201を介してホモジナイザ202へ送られる。このホモジナイザ202で、各レーザ光L1、L2はトップハットのビーム形状に形成され、反射ミラー203を介して集光レンズ204によって集光され、所望のサイズのビーム径に成形されて、EL素子100に同時に照射される。
本実施形態において、発光輝度を向上させるために、第1のレーザ光L1を、発光層13の単膜での吸収率が40%以上である波長を持つものとし、第2のレーザ光L2を、第1電極11の単膜での吸収率が30%以上である波長を持つものとしたことの根拠について述べる。
本発明者は、上記した本例のEL素子100における発光層13および第1電極11について、それぞれ単膜状態でのレーザ光の吸収率を調査した。その結果を図3および図4に示す。
図3は、レーザ光の波長(単位:nm)と発光層13の単膜での吸収率(%)との関係を示す図であり、図4は、レーザ光の波長(単位:nm)と第1電極11の単膜での吸収率(%)との関係を示す図である。
これら図3、図4に示されるように、レーザ光の波長を変えることにより、各膜11、13における吸収率が変化する。レーザ照射による輝度向上については、従来より、詳細なメカニズムは不明であるが、レーザ光のエネルギーが被照射物である発光層に何らかの好影響を与えていると推定されている。
そこで、本発明者は、吸収率の大きな波長を持つレーザ光を用いれば、レーザ光のエネルギーが被照射物に多く与えられることから、各レーザ光L1、L2の吸収率を変えて、上記図1に示されるようにレーザ照射工程を行い、輝度向上の効果を調査した。
具体的には、発光層吸収側レーザ光すなわち第1のレーザ光L1の発光層13での吸収率(%)、電極吸収側レーザ光すなわち第2のレーザ光L2の第1電極11での吸収率(%)を変えたときの、輝度比を調査した。
その結果を図5、図6に示す。図5は、発光層吸収側レーザ光の発光層13での吸収率を横軸、輝度比を縦軸にとったもので、図6は、電極吸収側レーザ光の第1電極11での吸収率を横軸、輝度比を縦軸にとったものである。
ここで、輝度比は、同じ駆動条件でレーザ照射工程の前と後とで輝度を測定し、レーザ照射工程前の輝度を1と規格化したときのレーザ照射工程後の輝度を示すもので、輝度比が1より大きくなるほど、レーザ照射による輝度向上が図れていることになる。
また、図5および図6では、発光層吸収側レーザ光(第1のレーザ光)L1の発光層13での吸収率を、35%、40%、45%、98%と変えているが、これら各吸収率に対応する波長は、上記図3に示される関係図から、それぞれ、532nm、355nm、351nm、308nmである。
一方、図5および図6では、電極吸収側レーザ光(第2のレーザ光)L2の第1電極11での吸収率を、25%、30%、40%、80%と変えているが、これら各吸収率に対応する波長は、上記図4に示される関係図から、それぞれ、511、532nm、355nm、308nmである。
これら図5、図6に示されるように、各レーザ光L1、L2の吸収率が大きくなるほど、輝度比が大きくなっており、当該吸収率が大きいほど輝度向上効果が大きくなる傾向が確認された。
そして、第1のレーザ光L1の発光層13での吸収率が40%以上であって且つ第2のレーザ光L2の第1電極11での吸収率が30%以上であれば、輝度比が1よりも大きくなり、輝度向上が確保されることが、わかった。
これは、図5、図6から、第1のレーザ光L1の発光層13での吸収率が35%の場合や第2のレーザ光L2の第1電極11での吸収率が25%の場合にも、多少の輝度向上が見られるが、製造上の誤差などを考慮して安定して輝度向上を確保するには、第1のレーザ光L1の発光層13での吸収率が40%以上であって且つ第2のレーザ光L2の第1電極11での吸収率が30%以上であることが望ましい。
これら図5、図6に示されるものと同様の傾向は、本実施形態の素子構成を持つものにおいて確認されている。そして、これを根拠として、本実施形態では、第1のレーザ光L1を、発光層13の単膜での吸収率が40%以上である波長を持つものとし、第2のレーザ光L2を、第1電極11の単膜での吸収率が30%以上である波長を持つものとしている。
そして、本実施形態では、このようなレーザ光L1、L2を用いてレーザ照射工程をおこなうことにより、一対の電極11、15で発光層13を挟んだ後、レーザ照射を行い輝度を向上させることができる。
また、第1のレーザ光L1を、発光層13の単膜での吸収率が40%以上である波長を持つものとし、第2のレーザ光L2を、第1電極11の単膜での吸収率が30%以上である波長を持つものとするが、厳密に40%以上、30%以上ということではなく、均等な範囲で多少幅を持っていてもよい。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係るEL素子200の概略的な断面構成を示す図である。
上記第1実施形態では、第1電極11の方が第2電極15よりも膜厚が厚いものであったが、本実施形態のEL素子200は、それとは逆に、第2電極15の方が第1電極11よりも膜厚が厚いものとしている。具体的には、第2電極15の膜厚を600nm、第1電極11の膜厚を200nmとしている。
この場合、図7に示されるように、発光層13にて吸収されるための第1のレーザ光L1の照射は、膜厚の薄い第1電極11側から行い、第2のレーザ光L2の照射は、膜厚の厚い第2電極15側から行う。そして、第2のレーザ光L2は、第2電極15の単膜での吸収率が30%以上である波長を持つものとするが、その波長は上記図4から選択することができる。
これらのこと以外は、上記実施形態と同様であるため、本実施形態によっても上記実施形態と同様の効果が得られる。
(他の実施形態)
なお、第1のレーザ光L1、第2のレーザ光L2は、それぞれ、発光層13の単膜での吸収率が40%以上である波長を持つもの、吸収されるべき電極11、15の単膜での吸収率が30%以上である波長を持つものであるならば、第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2とは、波長が同じものであってもよい。
また、第1のレーザ光L1の照射と第2のレーザ光L2の照射とは同時に行うものでなくてもよく、一方の照射を行った後に、他方の照射を行うというように、順番に繰り返して行ってもよい。
また、上記実施形態では、一対の電極11、15の両方がITOからなるものであったが、一方の電極と他方の電極との材質が異なるものであってもよい。たとえば、図8に示されるように、第1電極11をITOとし、第2電極15をAlからなる金属電極としてもよい。
この場合、レーザ光は、ITOからなる第1電極11からは発光層13まで透過可能であるが、金属電極である第2電極15からは発光層13へは透過せず遮断される。
そこで、第1電極11側から発光層13へ第1のレーザ光L1を照射し、第2電極15側から第2のレーザ光L2を照射し、第2電極15に吸収させるようにすればよい。
なお、金属電極を用いた場合にも、上記したようなレーザ光の波長と金属電極の単膜での吸収率との関係を求めれば、金属電極に照射する第2のレーザ光L2の波長を決めることができる。
また、一対の電極11、15のうち少なくとも一方の電極側から発光層13へ、レーザ光が透過可能であることが必要であり、その点では、一対の電極11、15が異なる材料で形成されている場合、どちらか一方の電極はITOであることが好ましい。
また、上述した各電極や発光層、絶縁層は、一実施形態を示すものであり、上記の例に限定されるものではない。
たとえば、発光層の母体材料としては、ZnS以外にも、SrS、CaSなどがあるが、通常、ELに用いられる発光層材料は、成膜方法にもよるが、いずれもバンドギャップが同程度のものであるため、上記したレーザエネルギーの付与による輝度向上の効果は、同様に発揮されると考えられる。
また、上記レーザ照射方法を採用するEL素子としては、無機ELに限らず、可能ならば、有機材料を発光層として用いる有機EL素子であってもよい。この有機EL素子の断面構成の一例を図9に示しておく。
光取り出し側となる透明基板10の上に、ITOなどの透明導電膜からなる第1電極としての陽極11が形成され、この陽極11の上に、発光層としての有機層13が形成されている。
実際には、有機層13は、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などが積層されてなる発光層を含む積層体である。そして、有機層13の上にはAlなどの金属電極からなる第2電極としての陰極15が形成されている。
また、このような有機EL素子は、基板10上に、スパッタや蒸着により上記各膜11、13、15を形成した後、これら各膜をガラスカバー20で封止し、水分などの侵入による劣化を防止している。
そして、このような有機EL素子においては、ガラスカバー20の組み付け後、透明な陽極11側から発光層13へ第1のレーザ光L1を照射し、ガラスカバー20を通して陰極15側から第2のレーザ光L2を照射し、これを陰極15に吸収させるようにすればよい。
本発明の第1実施形態に係るEL素子の概略断面図である。 上記第1実施形態に係るレーザ照射装置の一構成例を模式的に示す図である。 レーザ光の波長と発光層の単膜での吸収率との関係を示す図である。 レーザ光の波長(単位:nm)と第1電極の単膜での吸収率(%)との関係を示す図である。 第1のレーザ光の発光層の単膜での吸収率および第2のレーザ光の第1電極の単膜での吸収率を変えたときの、輝度比の変化を示す図である。 第1のレーザ光の発光層の単膜での吸収率および第2のレーザ光の第1電極の単膜での吸収率を変えたときの、輝度比の変化を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るEL素子の概略断面図である。 本発明の他の実施形態として一対の電極の一方を金属電極としたEL素子を示す概略断面図である。 有機EL素子の概略断面図である。
符号の説明
10…基板、11…第1電極、13…発光層、15…第2電極、
L1…第1のレーザ光、L2…第2のレーザ光。

Claims (3)

  1. 発光物質を含む発光層(13)を、一対の電極(11、15)により挟んでなり、前記一対の電極(11、15)のうち少なくとも一方の電極側から前記発光層(13)へレーザ光が透過するようになっているEL素子の製造方法であって、
    前記発光層(13)を前記一対の電極(11、15)で挟んだ後、前記一方の電極側から前記発光層(13)の単膜での吸収率が40%以上である波長の第1のレーザ光(L1)を前記発光層(13)に対して照射するとともに、前記一方の電極とは反対側の他方の前記電極側から当該他方の電極の単膜での吸収率が30%以上である波長の第2のレーザ光(L2)を当該他方の電極に対して照射して、発光輝度を向上させる処理を行うことを特徴とするEL素子の製造方法。
  2. 前記第1のレーザ光(L1)の照射と前記第2のレーザ光(L2)の照射とを同時に行うことを特徴とする請求項1に記載のEL素子の製造方法。
  3. 前記一対の電極(11、15)は同一の材料で形成されたものであって互いに膜厚が異なるものであり、
    前記第1のレーザ光(L1)の照射は膜厚の薄い方の前記電極から行い、前記第2のレーザ光(L2)の照射は膜厚の厚い方の前記電極から行うことを特徴とする請求項1または2に記載のEL素子の製造方法。
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