JP4483347B2 - 熱延鋼帯テール部の通板方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延された後、ランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯テール部の通板方法に関する。ここで、ランナウトテーブルとは、熱間仕上圧延機の出側に設けられた熱延鋼帯の搬送装置であり、適当な間隔で配置された複数の搬送テーブルロールからなる。
一般に、熱間圧延機で圧延された長尺の熱延鋼帯は、ランナウトテーブル上を搬送され、その間、注水などによって所定の温度まで冷却された後、コイラーに巻き取られて熱延コイルとされる。ランナウトテーブル上を搬送される熱延鋼帯は、そのトップ部がコイラーに巻き取られてからテール部が仕上圧延機を抜け出るまでは、コイラーと仕上圧延機間に支持されて張力が付加された状態にあるため、ランナウトテーブル上を安定して走行することができるが、トップ部がコイラーに巻き取られる前やテール部が仕上圧延機の最終段を抜け出た後は張力フリーの状態になるため、ランナウトテーブル上での走行が不安定になりやすい。
図8に、熱延鋼帯のテール部が仕上圧延機の最終段を抜け出た後の不安定走行の一例を示す。最終段仕上圧延機2を抜け出た鋼帯4のテール部は、慣性力の働きによってランナウトテーブル1上を波打ちながら走行するが、特に高速圧延される板厚2.5mm以下の薄い鋼帯の場合には、鋼帯4に生じた波aが昂じてループbが形成されるような状態になることもある。このように鋼帯4が波aを生じた状態で冷却されると、冷却ムラが生じて絞りが発生しやすくなる。また、ループbが形成されると巻取り時に折れ込みが発生したりして、製品の歩留りが低下する。
以上のような熱延鋼帯の不安定走行を抑えるために、従来では、(1)トップ部に注水しない、(2)テール部の圧延速度を遅くする、などの対策が採られてきたが、板厚の薄い熱延鋼帯に対しては十分な効果が得られなかった。また特に、温度低下の大きいテール部では、圧延速度を遅くすると圧延温度が確保できなくなり、圧延中の通板不良や製品の特性劣化を招くという問題が生じていた。
一方、特許文献1〜3では、ランナウトテーブル上での冷却方法や通板方法を工夫することによって、鋼帯の走行を安定させるための方法が開示されている。
特開平4−84617号公報 特開平7−323321号公報 特開平11−267732号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載された方法は、熱延鋼帯のトップ部の安定走行には有効であるものの、仕上圧延機から高速で抜け出た鋼帯テール部については、その走行を安定化させることは困難である。
また、特許文献3に記載された方法では、コイラー側の鋼帯については、高圧水の噴射によって鋼帯の波が抑えられ、鋼帯の冷却ムラが減少する効果があるものの、高圧水によって強制的に波を抑え込むために、鋼帯がランナウトテーブルのテーブルロール間に潜り込むことによって鋼帯に折れ込みが生じ、これが製品不良になる場合がある。また、鋼帯がランナウトテーブルのテーブルロール間に潜り込むことにより波の成長が助長されるおそれもある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、熱延鋼帯のテール部を、絞りや折れ込みが生じることなくランナウトテーブル上で安定して走行させることができる熱延鋼帯テール部の通板方法を提供することにある。
本発明者らは、高圧水噴流を鋼帯面に噴射して鋼帯に生じる波を抑えるという既知の方法において、高圧水噴流の衝突によって鋼帯に折れ込みなどが生じることがなく、また、鋼帯テール部に生じた波がコイラー側に伝播することが適切に防止されるような条件について、実機試験及びシミュレーションに基づき詳細な検討を行った。その結果、高圧水噴流の鋼帯面衝突点間の鋼帯長手方向での間隔(ピッチ)をランナウトテーブルのテーブルロールピッチに対して適正化することにより、鋼帯のテーブルロール間への潜り込みによる折れ込みの発生や波の成長を効果的に防止できること、また、鋼帯長手方向における高圧水噴流群の衝突範囲(長さ)をランナウトテーブルのテーブルロールピッチに対して適正化することにより、波のコイラー側への伝播を適切に防止できることを見出した。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1]熱間圧延機を抜け出た後の熱延鋼帯のテール部をランナウトテーブル上で通板させる際に、前記ランナウトテーブル上方に設置された高圧水噴流噴射装置のノズル群から、熱延鋼帯面に対して鋼帯長手方向に沿って間隔をおいて高圧水噴流が衝突し、かつ該高圧水噴流の衝突点間の鋼帯長手方向での間隔AがランナウトテーブルのテーブルロールピッチLに対してA<Lを満足するように、熱延鋼帯面に高圧水噴流を噴射し、
さらに、第2の高圧水噴流噴射装置から、熱延鋼帯の上方に、高圧水噴流を鋼帯パスライン(但し、ランナウトテーブルの鋼帯搬送面)上を通板する熱延鋼帯面と接することなく熱延鋼帯の上方を通過するように、反鋼帯進行方向側に向けて噴射することを特徴とする熱延鋼帯テール部の通板方法。
[2]上記[1]の通板方法において、高圧水噴流噴射装置のノズル群から噴射される高圧水噴流群の熱延鋼帯面での衝突領域の鋼帯長手方向での長さBが、ランナウトテーブルのテーブルロールピッチLに対してB/L≧3を満足することを特徴とする熱延鋼帯テール部の通板方法。
[3]上記[1]又は[2]の通板方法において、高圧水噴流群の熱延鋼帯面での衝突領域における、鋼帯長手方向単位長さ当たりの高圧水噴流の合計噴流衝突力(但し、噴流衝突力の鉛直方向成分)が、前記衝突領域の鋼帯長手方向での長さBとランナウトテーブルのテーブルロールピッチLとの関係に応じて下記条件を満足することを特徴とする熱延鋼帯テール部の通板方法。
3≦B/L≦8の場合:1177〜1961N/m
B/L>8の場合:785〜1961N/m
なお、本発明において熱延鋼帯のテール部とは、鋼帯テール寄りの鋼帯部分を指し、この鋼帯部分は一義的に規定できないが、一般には鋼帯テール端から100m程度以内の鋼帯部分である。したがって本発明法も、この鋼帯部分の少なくとも一部に対して適用されることが好ましい。
請求項1に係る発明によれば、高圧水噴流の鋼帯面衝突点間の鋼帯長手方向での間隔AがランナウトテーブルのテーブルロールピッチLよりも小さいために、鋼帯に作用する噴流衝突力が鋼帯長手方向で一様化され、このため鋼帯のテーブルロール間への潜り込みが抑えられる。加えて、第2の高圧水噴流噴射装置から噴射される高圧水噴流は、波の高さを所定レベル以下に抑える上で有効であり、また、波を抑制することができる高圧水噴流1本当たりの範囲が広いという利点がある。その結果、鋼帯の潜り込みに起因した鋼帯の折れ込みや波の成長の助長作用が適切に防止できる。さらに、請求項2に係る発明によれば、高圧水噴流群の鋼帯面衝突領域の長さBをランナウトテーブルのテーブルロールピッチLに対して十分大きくすることにより、鋼帯に生じた波がコイラー側に伝播することが適切に防止できる。
したがって本発明によれば、熱延鋼帯のテール部を絞りや折れ込みの発生を防止しつつ安定して通板させることができ、またこのような通板の安定化により圧延速度を低下させる必要もなくなるので、圧延中の通板不良や製品の特性劣化を招くこともない。このため板厚が2.5mm以下の熱延鋼帯であっても、欠陥のない製品を安定して製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態を示すもので、全体を側面から見た説明図である。図において、1は複数のテーブルロール100により構成されるランナウトテーブル、2は最終段仕上圧延機、3は複数のノズル(ノズル群30)を備えた高圧水噴流噴射装置である。また、4はランナウトテーブル1上を搬送される熱延鋼帯(以下、単に「鋼帯」という)、aは最終段仕上圧延機2を抜けてランナウトテーブル1上を通板する鋼帯テール部に生じた波、xは高圧水噴流噴射装置3から噴射された高圧水噴流である。
前記高圧水噴流噴射装置3は、高圧水噴流を噴射するためのノズル群30を備えており、このノズル群30から、鋼帯面(鋼帯幅方向中央部)に鋼帯長手方向で間隔をおいて高圧水噴流が衝突するように、高圧水噴流xが噴射される。この高圧水噴流噴射装置3を設置する目的は、高圧水噴流xによって波aを抑え込むことで波aがコイラー側に伝播しないようにするとともに、鋼帯4をランナウトテーブル1に押し付けることでコイラーと高圧水噴流噴射装置3間の鋼帯に張力を付与することにある。
本実施形態では、ノズル群30を構成する複数のノズルはランナウトテーブル上方の長手方向に沿って間隔をおいて一列に配置され、鉛直方向に高圧水噴流xを噴射するように構成されている。なお、本実施形態のような高圧水噴流噴射装置の形態においては、ノズル群30はランナウトテーブル幅方向にも複数のノズルを有していてもよく、この場合には、鋼帯幅方向の複数位置において鋼帯長手方向で間隔をおいて高圧水噴流xが衝突する。
ノズル群30を構成するノズルの個数や構成に特段の制限はないが、標準的にはノズル数:5〜50個、ノズル口径φ:6〜13mm、ノズル定格圧:98〜588N/m(10〜60kgf/cm 程度のものが用いられる。
高圧水噴流xの鋼帯テール部への噴射により鋼帯4に折れ込みを生じさせないようにするには、ノズル群30から噴射され鋼帯面に衝突する高圧水噴流xの鋼帯長手方向でのピッチ、すなわち高圧水噴流xの鋼帯面衝突点の鋼帯長手方向での間隔Aが重要なパラメータとなる。また、鋼帯テール部に生じる波aを高圧水噴流噴射装置3よりもコイラー側に伝播させないようにするためには、ノズル群30から噴射される高圧水噴流群の鋼帯面衝突領域の鋼帯長手方向での長さBが重要なパラメータとなる。すなわち、高圧水噴流xの衝突点間の鋼帯長手方向での間隔Aが長すぎると、噴流衝突力によって鋼帯4がテーブルロール100間に潜り込むことにより、鋼帯の折れ込みが生じやすくなるとともに、波の成長が助長されるおそれもある。また、高圧水噴流群の鋼帯面衝突領域の鋼帯長手方向での長さBが短すぎると、鋼帯に生じた波aが高圧水噴流噴射装置3を超えてコイラー側に伝播してしまうおそれがある。
実機試験及びシミュレーションによる検討の結果から、高圧水噴流xの鋼帯面衝突点間の鋼帯長手方向での間隔Aが、ランナウトテーブル1のテーブルロールピッチLに対してA<Lを満足するように高圧水噴流xを噴射することにより、鋼帯4に作用する高圧水噴流xの衝突力が鋼帯長手方向で一様化されるため、鋼帯4のテーブルロール100間への潜り込みが抑えられ、その結果、鋼帯4の潜り込みに起因した鋼帯の折れ込みや波の成長の助長作用が適切に防止できることが判った。
さらに、高圧水噴流群の鋼帯面衝突領域の鋼帯長手方向での長さBが、ランナウトテーブル1のテーブルロールピッチLに対してB/L≧3を満足するように高圧水噴流xを噴射することにより、鋼帯4に生じた波aがコイラー側に伝播することが適切に防止できることも判った。
さらに、鋼帯4の折れ込みや疵の発生を防止しつつ、鋼帯テール部の波aを抑え込んでコイラー側への伝播を防止するためには、高圧水噴流群の鋼帯面衝突領域でのトータルの衝突力、すなわち、鋼帯面衝突領域における鋼帯長手方向単位長さ当たりの高圧水噴流の合計噴流衝突力F(但し、噴流衝突力の鉛直方向成分)を適正化することが好ましいこと、また、その合計噴流衝突力Fは、衝突領域の鋼帯長手方向での長さBとランナウトテーブルのテーブルロールピッチLとの関係に応じて下記条件を満足することが好ましいことが判った。
3≦B/L≦8の場合:1177〜1961N/m(120〜200kgf/m)
B/L>8の場合:785〜1961N/m(80〜200kgf/m)
合計噴流衝突力FがB/Lに応じた上記下限を下回ると、鋼帯テール部の波aを十分に抑えきれず、波aがコイラー側に伝播するおそれがある。一方、合計噴流衝突力Fが1961N/m(200kgf/m)を超えると高圧水噴流が波aを急激に押しつぶしてしまうため、鋼帯4に折れ込みが発生したり、テーブルロール100との衝突によって鋼帯4に疵が生じたりするおそれがある。
以下、本発明者らが行ったシミュレーション試験の結果を示す。このシミュレーション試験は、以下の条件を前提として行った。
・高圧水噴流噴射装置の形態:図1
・ランナウトテーブルのテーブルロールピッチL:375mm
・熱延鋼帯の通板速度:1000mpm
・熱延鋼帯板厚:1.2mm
・熱延鋼帯板幅:1m
・合計噴流衝突力F:392N/m(40kgf/m)、785N/m(80kgf/m)、1177N/m(120kgf/m)、1569N/m(160kgf/m)、1961N/m(200kgf/m)、2354N/m(240kgf/m)、2746N/m(280kgf/m)、3138N/m(320kgf/m)の8水準
・高圧水噴流の衝突範囲の長さB:1m、2m、3m、4m、5mの5水準
図5は、合計噴流衝突力Fと高圧水噴流噴射装置3を通過する板高さ(鋼帯の波aの高さ)の平均値との関係を示すものであり、この板高さの平均値が大きいほど高圧水噴流xによる波aの抑え込み効果が小さいことを意味している。
図6は、合計噴流衝突力Fと高圧水噴流噴射装置3を通過する鋼帯の板高さ方向速度の分散値との関係を示すものである。この板高さ方向速度の分散値は、板の高さ方向速度のバラツキ度合いを示しており、この値が大きいほど高さ方向での板とロールとの衝突力が大きくなる。図7は板の高さ方向速度の頻度分布の一例(合計噴流衝突力F:1961N/m(200kgf/m)、衝突範囲の長さB:5m)を示しており、板高さ方向速度の頻度分布は平均値0の略正規分布となり、その頻度分布の分散値が図6の板高さ方向速度の分散値である。
図5によれば、衝突範囲の長さBが1m(B/L=2.7)では合計噴流衝突力Fの大きさに関わりなく板高さの平均値は大きく、波aの伝播が抑制できないことが判る。これに対して衝突範囲の長さBが2m(B/L=5.3)及びそれ以上では、合計噴流衝突力Fの大きさに応じて板高さの平均値は大きく減少している。以上の結果から、高圧水噴射流群の衝突領域の長さBは、ランナウトテーブル1のテーブルロールピッチLに対してB/L≧3を満足することが好ましい。
また、上記B/L≧3の範囲では、合計噴流衝突力Fが大きいほど板高さの平均値が小さくなり、波aを抑え込む効果が高くなっているが、波aを抑え込む効果を得るために必要な合計噴流衝突力Fは、B/Lの値によって異なる。すなわち、衝突領域の長さBが3m以下(3≦B/L≦8)では、合計噴流衝突力Fが1177N/m(120kgf/m)以上から波aを抑え込む効果が顕著になり、また、衝突領域の長さBが3m超(B/L>8)では、合計噴流衝突力Fが785N/m(80kgf/m)以上から波aを抑え込む効果が顕著になる。
一方、図6によれば、合計噴流衝突力Fが大きくなるほど板高さ方向速度の分散値も大きくなるが、特に、合計噴流衝突力Fが1961N/m(200kgf/m)を超えると板高さ方向速度の分散が過剰になって鋼帯4とテーブルロール100の衝突力も大きくなり、ロールとの衝突により鋼帯4に疵が生じやすくなるとともに、テーブルロール100の損傷や損耗が生じやすくなる。
以上の結果から、合計噴流衝突力Fは、衝突領域の長さBとランナウトテーブル1のテーブルロールピッチLとの関係に応じて下記条件を満足することが好ましい。
3≦B/L≦8の場合:1177〜1961N/m(120〜200kgf/m)
B/L>8の場合:785〜1961N/m(80〜200kgf/m)
図1の実施形態では、ノズル群30を構成する複数のノズルをランナウトテーブル1上方の長手方向に沿って間隔をおいて配置し、鉛直方向に高圧水噴流xを噴射するようにしたものであるが、本発明では、鋼帯面に対して鋼帯長手方向に沿って間隔をおいて高圧水噴流が衝突するように、ノズル群30から高圧水噴流xが噴射されればよく、したがって、ノズル群30の配置や高圧水噴流xの噴射角度などは任意であり、鋼帯4に対して高圧水噴流xを鉛直方向以外の方向から噴射してもよい。
図2はその一実施形態を示すもので、図2(a)は全体を側面から見た説明図、図2(b)は高圧水噴流群を平面から見た図面である。この実施形態では、ノズル群30をランナウトテーブル1の幅方向に沿って配置するとともに、ノズル群30を構成する各ノズルから反鋼帯進行方向(最終段仕上圧延機方向)の斜め下方に向け高圧水噴流xを噴射するようにしている。高圧水噴流xは、鋼帯幅方向中央部に沿って間隔をおいて鋼帯面に衝突する。
この実施形態においても、高圧水噴流xの鋼帯面衝突点間の鋼帯長手方向での間隔Aは、ランナウトテーブルのテーブルロールピッチLに対してA<Lを満足する。さらに、高圧水噴流群の衝突領域の鋼帯長手方向での長さBは、ランナウトテーブルのテーブルロールピッチLに対してB/L≧3を満足することが好ましい。さらに、衝突領域における鋼帯長手方向単位長さ当たりの高圧水噴流の合計噴流衝突力Fは、衝突領域の鋼帯長手方向での長さBとランナウトテーブルのテーブルロールピッチLとの関係に応じて下記条件を満足することが好ましい。なお、この実施形態では、高圧水噴流xが鋼帯面に対して斜めに衝突するので、合計噴流衝突力Fは鉛直方向の衝突力成分である。
3≦B/L≦8の場合:1177〜1961N/m(120〜200kgf/m)
B/L>8の場合:785〜1961N/m(80〜200kgf/m)
高圧水噴流噴射装置3のノズル群30の配置は、図2の形態以外に種々の形態を採ることができ、例えば、板幅方向にも衝突力の一様性を持たせるために、高圧水噴流xを平面的に見てV型、W型、逆V型となるような形態で噴射するノズル群を用いてもよい。
また、特に波aが発生しやすい場所では、高圧水噴流噴射装置3をランナウトテーブル1の長手方向の複数箇所に設置し、各高圧水噴流噴射装置3から鋼帯面に上述した条件で高圧水噴流xを噴射してもよい。図3はその一実施形態を示すもので、全体を側面から見た説明図である。
図4は、本発明の他の実施形態を示すもので、全体を側面から見た説明図である。
この実施形態では、高圧水噴流噴射装置3のライン方向下流側(入側)と上流側に、それぞれ第2の高圧水噴流噴射装置5を設け、この高圧水噴流噴射装置5から、鋼帯4の上方に、高圧水噴流yをパスライン(ランナウトテーブル1の鋼帯搬送面)上を通板する鋼帯面と接することなく鋼帯上方を通過するように、反鋼帯進行方向側に向けて噴射するものである。この高圧水噴流噴射装置5から噴射される高圧水噴流yの噴射方向は、上記条件を満足すれば必ずしも水平方向又は略水平方向でなくてもよいが、特に安定した波抑制効果を得るためには、高圧水噴流yの噴射方向は水平方向又は略水平方向であることが好ましい。
上記の条件で高圧水噴流噴射装置5から噴射される高圧水噴流yは、高圧水噴流噴射装置3から噴射される高圧水噴流xと比べると、波aの伝播抑止効果や張力付与効果は乏しいが、波aの高さを所定レベル以下に抑える上で有効であり、また、波aを抑制することができる高圧水噴流1本当たりの範囲が広いという利点がある。高圧水噴流噴射装置3に波aが入るときに、その波aが既に折れ込んでしまっている場合(図8のループb)には、当然、高圧水噴流噴射装置3の高圧水噴流xによる波の抑え込み効果は得られなくなる。また、高圧水噴流噴射装置3を抜けた鋼帯テール部は再度通板が不安定になる場合もある。そのような状況を防止するために第2の高圧水噴流噴射装置5から高圧水噴流yを噴射するのが有効であり、高圧水噴流噴射装置3の機能を補完する役目をする。高圧水噴流噴射装置5から高圧水噴流yを噴射する場所は任意であるが、本実施例のように、特に高圧水噴流噴射装置3のライン方向下流側(入側)又は/及び上流側が好ましい。
高圧水噴流噴射装置5による高圧水噴流yは、鋼帯長手方向に向けて噴射されてもよいし、鋼帯4を斜めに横切るように噴射されてもよい。また、鋼帯上方を通過中の高圧水噴流yの中心線のパスラインからの高さhは50〜200mm程度とすることが好ましい。
本発明の第1の実施形態を示す説明図 本発明の第2の実施形態を示す説明図 本発明の第3の実施形態を示す説明図 本発明の第4の実施形態を示す説明図 衝突領域での単位長さ当たりの合計噴流衝突力Fと高圧水噴流噴射装置を通過する板高さ(鋼帯の波aの高さ)の平均値との関係を示すグラフ 衝突領域での単位長さ当たりの合計噴流衝突力Fと高圧水噴流噴射装置を通過する鋼帯の板高さ方向速度の分散値との関係を示すグラフ 板の高さ方向速度の頻度分布の一例を示す図面 熱延鋼帯テール部の不安定走行の一例を示す説明図
符号の説明
1 ランナウトテーブル
2 最終段仕上圧延機
3 高圧水噴流噴射装置
4 熱延鋼帯
5 第2の高圧水噴流噴射装置
30 ノズル群
100 テーブルロール
x,y 高圧水噴流

Claims (3)

  1. 熱間圧延機を抜け出た後の熱延鋼帯のテール部をランナウトテーブル上で通板させる際に、前記ランナウトテーブル上方に設置された高圧水噴流噴射装置のノズル群から、熱延鋼帯面に対して鋼帯長手方向に沿って間隔をおいて高圧水噴流が衝突し、かつ該高圧水噴流の衝突点間の鋼帯長手方向での間隔AがランナウトテーブルのテーブルロールピッチLに対してA<Lを満足するように、熱延鋼帯面に高圧水噴流を噴射し、
    さらに、第2の高圧水噴流噴射装置から、熱延鋼帯の上方に、高圧水噴流を鋼帯パスライン(但し、ランナウトテーブルの鋼帯搬送面)上を通板する熱延鋼帯面と接することなく熱延鋼帯の上方を通過するように、反鋼帯進行方向側に向けて噴射することを特徴とする熱延鋼帯テール部の通板方法。
  2. 高圧水噴流噴射装置のノズル群から噴射される高圧水噴流群の熱延鋼帯面での衝突領域の鋼帯長手方向での長さBが、ランナウトテーブルのテーブルロールピッチLに対してB/L≧3を満足することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯テール部の通板方法。
  3. 高圧水噴流群の熱延鋼帯面での衝突領域における、鋼帯長手方向単位長さ当たりの高圧水噴流の合計噴流衝突力(但し、噴流衝突力の鉛直方向成分)が、前記衝突領域の鋼帯長手方向での長さBとランナウトテーブルのテーブルロールピッチLとの関係に応じて下記条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱延鋼帯テール部の通板方法。
    3≦B/L≦8の場合:1177〜1961N/m
    B/L>8の場合:785〜1961N/m
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