JP4482857B2 - 電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線 - Google Patents

電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線 Download PDF

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Description

本発明は、電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線に関する。
ポリアミドイミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性および耐溶剤性が優れているため、各種基材のコート剤としてエナメル線用ワニス、耐熱塗料などに広く使用されている。近年、エナメル線を使用する電気メーカーでは、機器の製造工程の合理化のため、自動高速巻線機を導入しているが、巻線加工時にエナメル線が摩擦や衝撃等を受けてエナメル線の絶縁層に機械的損傷を生じ、レヤーショートとアース不良等が発生して製品の不良率が増加するという問題が発生している。そこでこのような機械的損傷の少ない潤滑性の優れたエナメル線が要望されている。
通常、エナメル線単体では滑り性に乏しいため、エナメル線上に流動パラフィン、固型パラフィン、絶縁油、ワックス等を塗布したり、機械的強度および耐摩耗性に優れたナイロン等をオーバーコートする方法が採用されている。しかし、前者の方法では、エナメル線をモータやトランスに巻線した後に含浸または注入されるワニルやレジンとの親和性に劣るため、接着性不良やボイドが発生し易いという問題があった。また後者の方法では、アンダーコートのエナメル線の焼付け線と同条件(炉温、焼付け速度など)で焼付けることができないため生産性が低下し、またカットスルー温度などのエナメル線特性が低下するという問題があり、さらに価格が高いため使用範囲が限定されていた。
最近、エナメル線のアンダーコート用合成樹脂塗料にワックスや低分子量のポリエチレンを分散し、これをアンダーコート用塗料と同一条件でオーバーコートする方法が検討されているが、ワックス類や低分子量ポリエチレンは、エナメル線用合成樹脂および容剤との相溶性に乏しいため、エナメル線用合成樹脂塗料中に分散し難く、例えば強力に撹拌するなどの方法で無理に分散させたとしても分離したり、分散度が悪いためエナメル線の外観が悪く、滑り性が劣り、またエナメル線の焼付け温度の高い範囲では滑り性が低下するなどの欠点があった。
本発明は、ポリアミドイミド樹脂にポリエ-テルスルホン樹脂を混合させることにより、前記の従来技術の欠点を解決し、滑剤の分散性が良好で、エナメル線の外観に優れ、かつ広い範囲の焼付け条件でも特に優れた滑り性および耐摩耗性がえられる電気絶縁用樹脂組成物およびこれを用いたエナメル線を提供するものである。
本発明は(A)ポリアミドイミド樹脂100重量部に対し、(B)ポリエ-テルスルホン樹脂1〜10重量部、(C)部分ケン化エステルワックス0.1〜10重量部、(D)数平均分子量1,000〜5,000の低分子量ポリエチレン0.1〜10重量部及び(E)金属成分が銅、マンガン、コバルトのいずれかである金属塩0.0001〜1重量部を含有してなる電気絶縁用樹脂組成物に関する。

また、本発明は、(A)ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が10,000〜50,000である、前記の電気絶縁用樹脂組成物に関する。
らに、本発明は、上記の電気絶縁用樹脂組成物を導体上に直接または他の絶縁物を介して塗布、焼付けたエナメル線に関する。
本発明の電気絶縁用樹脂組成物によれば、耐摩耗性、特に滑り性および外観の良好なエナメル線をえることができ、近年の過酷な巻線、加工、組立作業に有用である。
本発明に用いられる(A)ポリアミドイミド樹脂は、一般に下記一般式(I):
Figure 0004482857
(式中、R1は3価の有機基を表し、R2は2価の有機基を表し、nは整数を表す。)で示される繰り返し構造単位を有する。
1は、芳香環を有する炭素数6〜30の3価の有機基が好ましく、炭素数6〜20のものがより好ましく、炭素数6〜15のものがさらに好ましい。R2としては、芳香環を有する炭素数6〜30の2価の有機基が好ましく、炭素数6〜20のものがより好ましく、炭素数6〜18のものがさらに好ましい。nは繰り返し構造単位(I)の数であり、R1及びR2の構造によって異なるが、一般的に10〜100とするのが好ましい。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は、塩基性極性溶媒中で、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物を、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドとを反応させて得られるものが好ましい。
ジイソシアネ-ト化合物又はジアミン化合物と三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドは、いずれも芳香族化合物を使用することが好ましく、例えば以下の化合物を用いることができる。
ジイソシアネート化合物としては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、3,3′−ジフェニルメタンジ イソシアネ−ト、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネ−ト、ビフェニル−3,4′−ジイソシアネ−ト、2,2′−ジエチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ−ト等が挙げられる。本発明において好ましい化合物は、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ−トであり、さらに好ましくは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−トである。
また、ジアミンとしては、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン等が挙げられる。
本発明において好ましい化合物は、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、であり、さらに好ましくは、4,4′−ジアミノジフェニルメタンである。
また、三塩基酸無水物としては、トリメリット酸無水物等が挙げられ、三塩基酸無水物クロライドとしては、トリメリット酸無水物クロライド等が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂を合成する際に、ジカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物等をポリアミドイミド樹脂の特性を損なわない範囲で同時に反応させることができる。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ジクエン酸、フタルジイミドジカルボン酸、2,4′−ナフタレンジカルボン酸、2,5′−チオフェンジカルボン酸等が挙げられ、テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
ジフェニルスルホン酸二無水物等が挙げられる。
本発明において好ましいジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸であり、さらに好ましくは、テレフタル酸である。
また、本発明において好ましいテトラカルボン酸二無水物は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物である。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂(A)は、塩基性極性溶媒中でジイソシアネート化合物またはジアミン化合物と、三塩基酸無水物又は三塩基酸無水物クロライドを反応させてえることができる。合成反応において、ジイソシアネ−ト化合物またはジアミン化合物、三塩基酸無水物または三塩基酸水物クロライド、および必要に応じて使用するジカルボン酸およびテトラカルボン酸二無水物の量は、生成されるポリアミドイミド樹脂の分子量、架橋度の観点から、酸成分の総量1.0モルに対してジイソシアネート化合物又はジアミン化合物を0.8〜1.1モルとすることが好ましく、0.95〜1.08モルとすることがより好ましく、1.0〜1.08モル使用されることが特に好ましい。また、酸成分中、ジカルボン酸及びテトラカルボン酸二無水物は、これらの総量が0〜50モル%、さらに好ましくは0〜30モル%の範囲で使用されるのが好ましい。塩基性極性溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドンなどの高沸点溶媒を用いるのが好ましい。また、使用量にとくに制限はないが、ジイソシアネ−ト化合物またはジアミン化合物と三塩基酸無水物または三塩基酸無水物の総量100重量部に対して100〜500重量部とするのが好ましい。反応温度は、通常、80〜200℃である。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂(A)は、数平均分子量が10,000〜50,000のものが好ましい。数平均分子量が10,000未満では、塗膜としたときの、塗膜の耐熱性や機械的特性等の諸特性が低下する傾向があり、50,000を超えると、塗料として適正な濃度で溶媒に溶解したときに粘度が高くなり、塗装時の作業性に劣る傾向がある。このことから、数平均分子量は12,000〜30,000とすることがより好ましく、18,000〜25,000とすることが特に好ましい。
10,000未満では、塗膜としたときの、塗膜の耐熱性や機械的特性等の諸特性が低下する傾向があり、50,000を超えると、塗料として適正な濃度で溶媒に溶解したときに粘度が高くなり、塗装時の作業性に劣る傾向がある。
なお、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は、樹脂合成時にサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定し、目的の数平均分子量になるまで合成を継続することにより、所轄の範囲に調製することができる。
本発明に用いられる(B)ポリエ-テルスルホン樹脂としては、一般に下記一般式(II)
Figure 0004482857
(nは正の整数である)
で表される樹脂が挙げられ、市販品としてはPES4100P、5003P、4800P(いずれも、住友化学社製、商品名)など
が挙げられる。
ポリエ-テルスルホン樹脂の使用量は、上記ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して好ましくは1〜30重量部であり、より好ましくは5〜20重量部であり、さらに好ましくは5〜10重量部である。なお、ポリエ-テルスルホン樹脂の使用量が上記ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して1重量部未満では当該ポリエ-テルスルホン樹脂の効果が十分に発現せず、30重量部を超えると上記ポリアミドイミド樹脂との溶性が低下、経時にて組成物が相分離が生じ、また、塗膜の耐熱性が低下する傾向がある。
上記の(A)ポリアミドイミド樹脂に上記(B)成分を添加する方法は特に制限はない。
例えば、有機溶剤に溶解させた(A)ポリアミドイミド樹脂に(B)ポリエ-テルスルホン樹脂を直接または、有機溶剤に溶解させたものを添加し、混合する方法がある。
本発明に用いられる(C)部分ケン化エステルワックスは一般に下記一般式(III)
Figure 0004482857
(式中、RおよびR′は炭素数28〜32の炭化水素基を示し、RおよびR′は同一でもよい)で表される化合物およびその誘導体が挙げられる。
この市販品としては、例えばヘキストワックスOP、ヘキストワックスX55、ヘキストワックスO、ヘキストワックスOM、ヘキストワックスFL(いずれもヘキストジャパン社製商品名)などが挙げられる。部分ケン化エステルワツクスは、(D)低分子量ポリエチレンとの相溶性に優れるために用いられる。
(C)成分の使用量は上記(A)ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部とし、より好ましくは0.2〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。使用量が0.1重量部未満では滑り性の効果が劣り、10重量部を超えるとエナメル線の外観が低下する傾向がある。
本発明に用いられる(D)低分子量ポリエチレンとしては、数平均分子量が5,000以下、好ましくは1,000〜4,000のものであれば特に制限はない。数平均分子量が5,000を超えると分散性に劣り、エナメル線の外観が低下する。この市販品としては、例えばヘキストワックスPE520、ヘキストワックスPE130(いずれもヘキストジャパン社製商品名)などが挙げられる。
(D)成分の使用量は、上記(A)ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部とし、より好ましくは0.5〜5重量部であり、さらに好ましくは1〜3重量部である。使用量が0.1重量部未満では滑り性の向上効果がなく、10重量部を超えるとエナメル線の外観が低下し、組成物が短時間で層分離する。上記成分(C)または成分(D)を単独で配合すると塗料への分散が不均一となりエナメル線の外観が低下し、また組成物が短時間で層分離する。
本発明に用いられる(E)金属塩は、電気絶縁用樹脂組成物の焼付の際の塗膜表面の熱劣化を防ぎ、えられたエナメル線の滑り性を向上させる。
金属塩の金属成分としては、銅、マンガン、コバルト等が用いられ、これらの塩としては、例えば酢酸銅、サリチル酸銅、ステアリン酸銅、塩化銅(II)、乳酸マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等およびこれらの混合物が挙げられる。これらの金属塩は、3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル等のフェノール系老化防止剤、N,N′−ジ−2−ナフチル−P−フェニレンジアミン等のアミン系老化防止剤とともに用いることもできる。金属塩の添加量は、上記の(A)ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して好ましくは0.0001〜1重量部とされ、より好ましくは0.001〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.001〜0.05重量部である。使用量が0.0001重量部未満では滑り性向上に効果が不充分であり、1重量部を超えるとエナメル線外観および他の特性に悪影響を及ぼす。
上記の(A)ポリアミドイミド樹脂に上記(C)、(D)成分を添加する方法には特に制限はないが、例えば、(C)部分ケン化エステルワックスと(D)低分子量ポリエチレンを有機溶剤に溶解させ、ポリアミドイミド樹脂溶液に添加し、一方(E)金属塩を有機溶剤に溶解または分散させ、この両者を混合する。(C)部分ケン化エステルワックス(D)低分子量ポリエチレンおよび(E)金属塩の溶解または分散には、キシレン、ソルベントナフサ等が用いられる。ポリアミドイミド樹脂溶液は、(A)成分を上記の塩基性極性溶媒に溶解させたものである。
本発明の電気絶縁用樹脂組成物には、有機溶媒を含むことができるが、通常、固形分を20〜40重量%含有する状態の電気絶縁用樹脂組成物として用いる。本発明の電気絶縁用樹脂組成物を導体上に直接または他の絶縁物を介して塗布、焼付けてエナメル線をえることができる。本発明の電気絶縁用樹脂組成物を用いた場合には、滑剤が良好に分散すると同時にエナメル線の焼付け条件が高めでも焼付け時の塗膜表面の熱劣化を抑制する効果が大きいため、外観、耐摩耗性に優れ、さらにポリエ-テルスルホン樹脂を添加することにより、ワックスの皮膜表面偏在性が多くなり、特に優れたエナメル線をえることができる。
次に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではなく、発明の主旨に基づいたこれら以外の多くの実施態様を含むことは言うまでもない。
実施例1
無水トリメリット酸194.1g(1.01モル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート262.8g(1.05モル)、N−メチル−2−ピロリドン848.5gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、この混合物を乾燥させた窒素気流中で、反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら約5時間かけて徐々に昇温して140℃まで昇温した。該混合物を140℃にて8時間保温し、数平均分子量が2,7000のポリアミドイミド樹脂溶液(樹脂分濃度:30%)をえた。
次に、えられたポリアミドイミド樹脂溶液100重量部にポリエ-テルスルホン樹脂溶液(商品名:PES4100P、住友化学社製、N-メチル-2-ピロリドン溶液、樹脂分濃度:25%)6重量部(ポリエ-テルスルホン樹脂5重量部)、さらに、キシレン32部にヘキストワックスOP(部分ケン化エステルワックス、ヘキストジャパン社製 商品名)およびヘキストワックスPE520(低分子量ポリエチレン、数平均分子量2,000、ヘキストワックスジャパン社製 商品名)をそれぞれ8部加えて加熱溶解し、これに室温のキシレン112部に急激に攪拌しながら一気に投入して、均一なワックス分散液を3重量部、および、酢酸銅を1重量%溶解させたN-メチル-2-ピロリドン溶液0.15重量部を添加し、攪拌して分散させ、電気絶縁用樹脂組成物をえた。
実施例2
実施例1において、4、4-ジアミノジフェニルエ-テル200.2g(1.00モル)、無水トリメリット酸192.1g(1.00モル)、N-メチル-2-ピロリドン915gおよびホウ酸3.5gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で、約5時間かけて徐々に昇温して200℃まで昇温した。該混合物を、200℃にて20時間保温してえられた数平均分子量が20,500のポリアミドイミ樹脂溶液(樹脂分濃度:30%)100重量部にポリエ-テルスルホン樹脂溶液(商品名:PES5003P、住友化学社製、N-メチル-2-ピロリドン溶液、樹脂分濃度:25%)を3.6重量部(ポリエ-テルスルホン樹脂3重量部)添加し、ヘキストワックスPE520の代わりにヘキストワックスPE130(低分子量ポリエチレン、数平均分子量3,000、ヘキストジャパン社製 商品名)を、酢酸銅の代わりに塩化銅(II)を用いた以外は実施例1と同様にして電気絶縁用樹脂組成物をえた。
実施例1において、無水トリメリット酸134.5g(0.70モル)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.7g(0.3モル)4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート255.3g(1.02モル)、N−メチル−2−ピロリドン1135gを温度計、攪拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、この混合物を乾燥させた窒素気流中で、反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら約5時間かけて徐々に昇温して130℃まで昇温した。該混合物を130℃にて7時間保温し、数平均分子量が17,000のポリアミドイミド樹脂溶液(樹脂分濃度:25%)をえた。それ以外は実施例1と同様にして電気絶縁用樹脂組成物をえた。
実施例1において、ポリエ-テルスルホン樹脂として商品名PES4100P(住友化学社製)の代わりに商品名PES4800P(住友化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にして電気絶縁用樹脂組成物をえた。
比較例1
実施例1において、ポリエ-テルスルホン樹脂溶液(商品名:PES4100P、住友化学社製、N-メチル-2-ピロリドン溶液、樹脂分濃度:25%)を加えなかったことを除いては、実施例1と同様にして電気絶縁用樹脂組成物をえた。
比較例2
実施例2において、ポリエ-テルスルホン樹脂溶液(商品名:PES5003P、住友化学社製、N-メチル-2-ピロリドン溶液、樹脂分濃度:25%)を加えなったことを除いては、実施例2と同様にして電気絶縁用樹脂組成物をえた。
実施例1〜4および比較例1〜2でえられた電気絶縁用樹脂組成物を用いて下記に示す焼付け条件にしたがって直径1.0mmの銅線に塗布、焼付けを行いエナメル線を製造した。
下地 :HI-406(ポリアミドイミド樹脂ワニス、日立化成工業社製):ダイス7回
上地 :各実施例または比較例でえた電気絶縁用樹脂組成物:ダイス1回
焼付炉:竪型熱風炉(炉長5m)
炉温 :入口/出口=320℃/430℃
線速 :14m/分
えられたエナメル線皮膜は、いずれも外観上平滑で異常が認められず、各エナメル線皮膜の特性を下記の方法により試験し、
結果を表1に示した。
(1)可とう性 :JIS C3003.8.1(1)に準じて調べた。
(2)ピンホール :JIS C3003.36に準じて調べた。
(3)絶縁破壊電圧:JIS C3003.11.(2)に準じて調べた。
(4)往復摩耗 :旧JIS C3003.10.1に準じて調べた。
すべり性(静摩擦係数) :エナメル線同士間の静摩擦係数を測定するものであり、その測定方法は東洋精機社製の電線滑り試験器を用い、傾斜台上において4本のエナメル線を同一面上に末広がり状に張設し、この上にこの4本のエナメル線と交差するように上記供試エナメル線と同じエナメル線を2本平行に張設したソリを乗せ、これを水平位置から徐々に傾斜させ、ソリの滑り開始角度をタンジェント目盛りで読み取った。なおソリの荷重は100gに設定した。
Figure 0004482857


表1から、本発明の電気絶縁用樹脂組成物を用いてえられたエナメル線は、比較例1および2と比べて耐摩耗性、特にすべり性に優れていることが示される。

Claims (3)

  1. (A)ポリアミドイミド樹脂100重量部に対し、(B)ポリエ-テルスルホン樹脂1〜10重量部、(C)部分ケン化エステルワックス0.1〜10重量部、(D)数平均分子量1,000〜5,000の低分子量ポリエチレン0.1〜10重量部及び(E)金属成分が銅、マンガン、コバルトのいずれかである金属塩0.0001〜1重量部を含有してなる電気絶縁用樹脂組成物。
  2. 該(A)ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量が10,000〜50,000である、請求項1記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の電気絶縁用樹脂組成物を導体上に直接または他の絶縁物を介して塗布、焼付けたエナメル線。
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