JP4480829B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送対象物の方向を一定方向に揃えた状態で搬送対象物を搬送することができる搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンベヤーで搬送される対象物、例えば、飲料の容器に印字を行うライン等において、常に容器の同じ位置に印字をしなくてはならないような場合がある。例えば、ビールの大樽に印字を施す場合に、印字の位置によっては、後工程である洗浄工程において印字が消えてしまうという不都合が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような不都合の発生を防止するため、容器等の搬送対象物の方向を検出するセンサとともに、センサからの情報に基づいて搬送対象物の方向を修正する機構を設けることも考えられる。しかし、このような装置は機構的に複雑となりがちであり、コンベヤーの動力とは別に搬送対象物の方向を修正するための動力も必要となる。
【0004】
本発明は、複雑な機構や特別の動力を必要とすることなく搬送対象物の方向を修正することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の搬送装置は、側面に開口する取っ手(11)が設けられた対象物(1)をその軸が鉛直方向を向いた状態で所定の経路に沿って移動する移動手段(2)と、経路に張り出して対象物(1)の取っ手(11)内に挿入されて係合する爪(34)と、爪(34)を対象物(1)の移動方向と逆の方向に付勢する付勢手段(32,33)とを備え、爪(34)が対象物(1)の取っ手(11)内に挿入されて係合したときに対象物(1)は移動手段(2)の動力によってその軸が鉛直方向を向いたまま軸回りに回転し、対象物(1)が軸回りに所定の方向まで回転すると爪(34)と対象物(1)の取っ手(11)との間の係合が外れるようにし、爪(34)と対象物(1)の取っ手(11)との間の係合が外れた後、対象物(1)はその軸が鉛直方向を向いたまま移動手段(2)により搬送されることを特徴とする。
【0006】
この搬送装置によれば、爪(34)と対象物(1)とを係合させることにより、移動手段(2)の動力を利用して対象物(1)を回転させるようにしたので、対象物(1)を回転させるための特別の動力を必要としない。また、爪(34)を対象物に係合させるだけで対象物(1)を回転させることができるとともに、爪(34)と対象物(1)との間の係合を外すことで対象物(1)の方向を定めているので、複雑な機構を必要とすることなく、対象物(1)の方向を一定に揃えることができる。
【0007】
付勢手段は、爪(34)が取り付けられるとともに回転可能に設けられた回転部材(32)と、回転部材(32)を所定の回転方向に付勢する手段(33)と、を備えてもよい。
【0008】
この場合には、回転可能に設けられた回転部材(32)に爪(34)を取り付けるとともに、回転部材(32)を付勢するようにしたので、複雑な機構を用いることなく対象物(1)の方向を修正することができる。
【0009】
対象物(1)が回転部材(32)に接触することにより回転部材(32)が回転して爪(34)と対象物(1)との間の係合が外れるようにしてもよい。
【0010】
この場合には、回転部材(32)が強制的に回転させられるので、爪(34)を対象物(1)から確実に外すことができる。
【0011】
回転部材(32、32A〜32C)を複数設けてもよい。
【0012】
この場合には、対象物(1)の方向がどちらを向いていても、いずれかの爪(34、34A〜34C)を対象物(1)に係合させることが可能となる。
【0013】
複数の回転部材(32、32A〜32C)は経路の両側から張り出すように経路の両側に振り分けて設けられていてもよい。
【0015】
なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図7を参照して、本発明の搬送装置の一実施形態について説明する。図1は本実施形態の搬送装置を示す平面図、図2は図1の一部拡大図、図3は図2のIII−III線方向から見た図、図4および図5は容器搬送装置に設けられた方向修正機構を示す図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のB−B線方向から見た図、図5は図4(a)のV−V線方向から見た図である。
【0017】
図1および図2に示すように、容器搬送装置100は、ビールの大樽1を搬送するコンベヤー2と、コンベヤー2の搬送経路の途中に設けられた方向修正機構3A〜3Dとを備える。
【0018】
図3に示すように、コンベヤー2は、搬送方向に沿って移動する移動部材21と、移動部材21を下方から支持する支持部22と、支持部22を支持するフレーム23と、フレーム23に取り付けられた脚部24と、移動部材21よりも上方に位置しフレーム23に対し支持部25aを介して取り付けられたガイド25と、を備える。ガイド25はコンベヤー2の搬送経路に沿うように搬送経路の両側に延設される。移動部材21には大樽1(図7)が載置される。移動部材21を駆動機構(不図示)により駆動することによって移動部材21が支持部22上を摺動すると、ガイド25により案内されて大樽1が所定の搬送方向に搬送される。
【0019】
図7に示すように、大樽1は略円柱形状を呈しており、互いに向かい合った位置に一対の取っ手11が形成されている。なお、図7では1つの取っ手11のみが図示されている。
【0020】
図1〜図3に示すように、方向修正機構3A〜3Dは、それぞれ大樽1の搬送経路に沿って順に設けられる。図2〜図5に示すように、方向修正機構3Dはコンベヤー2のフレーム23に取り付けられる取付部31と、取付部31に対し、回転軸32aを中心として回転可能に取り付けられたアーム部32と、取付部31の突出片31aおよびとアーム部32の間に介装されてアーム部32を図2において時計回り方向に付勢するばね33とを備える。アーム32には樹脂製の爪34が取り付けられている。また、アーム32の先端部32bは上方に突出するように折り曲げられている。後述するように爪34はコンベヤー2により搬送される大樽1の取っ手11に挿入可能とされている。
【0021】
図1に示すように、方向修正機構3A〜3Cは、それぞれ回転可能に取り付けられたアーム32A〜32C、および各アーム32A〜32Cにそれぞれ取り付けられた爪34A〜34Cを備える。アーム32A〜32Cはアーム32に、爪34A〜34Cはアーム34に、それぞれ類似するが、方向修正機構3Bは方向修正機構3Dと対称に構成される。また、方向修正機構3Cのアーム32Cおよび爪34Cの形状は方向修正機構3Dのアーム32および爪34と若干異なる形状を有する。さらに、方向修正機構3Aは、方向修正機構3Cと対称に構成される。
【0022】
次に、本実施形態の容器搬送装置の動作について説明する。図6(a)は爪34Aが取っ手11に係合した状態を、図6(b)は係合が外れた状態を、それぞれ示す。
【0023】
大樽1は上下逆さま、すなわち取っ手11が下方に位置する向き(図7に示す向き)でコンベヤー2上に置かれ、搬送される。図1において方向修正機構3Aの位置に到達する前の段階では大樽1の軸回りの向きは一定していないが、図1および図6(a)に示すように、大樽1の向きによっては、取っ手11に方向修正機構3Aの爪34Aが挿入される。この場合には、大樽1の移動に合わせてアーム32Aが時計回り方向に回転するが、取っ手11が爪34Aによって引っ張られることにより、大樽1が時計回り方向に回転する。おおよそ取っ手11がコンベヤー2の側端に向き合う方向まで大樽1が回転すると、図6(b)に示すように、アーム32Aの先端部32Aa(方向修正機構3Dのアーム32の先端部32aに相当する)に大樽1が接触することにより、アーム32Aが時計回り方向にさらに回転され、爪34Aと取っ手11との係合が強制的に外される。したがって、爪34Aを大樽1から確実に引き離すことができ、その後、大樽1はおおよそ取っ手11がコンベヤー2の側端に向き合う方向を維持したまま搬送される。
【0024】
大樽1の取っ手11が他の方向修正機構3B〜3Dの爪34B〜34Dに引っ掛かった場合の動作も同様であり、いずれの場合も大樽1の方向は、おおよそ取っ手11がコンベヤー2の側端に向き合う方向に修正される。
【0025】
図1に示すように、方向が修正された大樽1は符号「A」で示す位置において水滴をブローすることにより洗浄され、符号「B」で示す位置において印字が行われる。本実施形態では、大樽1の方向が一定の方向に修正されているため、常に大樽1の同一位置、すなわち取っ手に対する相対位置が一定の位置に印字することができる。
【0026】
本実施形態では、爪を大樽1の取っ手11に引っ掛けることにより、コンベヤー2の駆動力を利用して大樽1を回転させているので、大樽1の方向を修正するための動力を別途必要とせず、複雑な機構も必要としない。
【0027】
また、本実施形態では、4つの方向修正機構3A〜3Dを2つずつコンベヤー2の左右両側に振り分けて設けているため、搬送されてきた大樽1がどのような向きであっても、方向修正機構3A〜3Dのいずれかの爪34,34A〜34Cが取っ手11に引っ掛かり、確実に大樽1の方向を修正することができる。
【0028】
なお、方向修正機構の数は限定されない。例えば、コンベヤー2の左右に振り分けられた一対の方向修正機構を設けても良い。
【0029】
本実施形態では、ビールの大樽の方向を修正する場合を例に挙げて説明したが、方向が修正される対象物はこれに限定されない。例えば、各種容器の方向を修正する場合等にも適用できる。また、爪が係合する部位は取っ手に限定されない。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、爪と対象物とを係合させることにより、移動手段の動力を利用して対象物を回転させるようにしたので、対象物を回転させるための特別の動力を必要としない。また、爪を対象物に係合させるだけで対象物を回転させることができるとともに、爪と対象物との間の係合を外すことで対象物の方向を定めているので、複雑な機構を必要とすることなく、対象物の方向を一定に揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の搬送装置を示す平面図。
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】図2のIII−III線方向から見た図。
【図4】搬送装置に設けられた方向修正機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線方向から見た図。
【図5】方向修正機構を図4(a)のV−V線方向から見た図。
【図6】容器搬送装置の動作を示す図であり、(a)は爪が取っ手に係合した状態を示す図、(b)は係合が外れた状態を示す図。
【図7】大樽を示す斜視図。
【符号の説明】
1 大樽(対象物)
2 コンベヤー(移動手段)
32、32A〜32C アーム(回転部材)
34、34A〜34C 爪
Claims (5)
- 側面に開口する取っ手が設けられた対象物をその軸が鉛直方向を向いた状態で所定の経路に沿って移動する移動手段と、
前記経路に張り出して前記対象物の取っ手内に挿入されて係合する爪と、
前記爪を前記対象物の移動方向と逆の方向に付勢する付勢手段とを備え、
前記爪が前記対象物の取っ手内に挿入されて係合したときに前記対象物は前記移動手段の動力によってその軸が鉛直方向を向いたまま軸回りに回転し、前記対象物が軸回りに所定の方向まで回転すると前記爪と前記対象物の取っ手との間の係合が外れるようにし、前記爪と前記対象物の取っ手との間の係合が外れた後、前記対象物はその軸が鉛直方向を向いたまま前記移動手段により搬送されることを特徴とする搬送装置。 - 前記付勢手段は、前記爪が取り付けられるとともに回転可能に設けられた回転部材と、回転部材を所定の回転方向に付勢する手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
- 前記対象物が前記回転部材に接触することにより前記回転部材が回転して前記爪と前記対象物との間の係合が外れるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
- 前記回転部材が複数設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の搬送装置。
- 前記複数の回転部材は前記経路の両側から張り出すように前記経路の両側に振り分けて設けられていることを特徴とする請求項4に記載の搬送装置。
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JP37480399A Expired - Fee Related JP4480829B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 搬送装置 |
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JP5172631B2 (ja) * | 2008-12-04 | 2013-03-27 | 麒麟麦酒株式会社 | 樽印字装置 |
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1999
- 1999-12-28 JP JP37480399A patent/JP4480829B2/ja not_active Expired - Fee Related
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