JP4480774B2 - 内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置 - Google Patents
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Description
なお、駆動装置と呼ばれる筐体の中には、高圧燃料ポンプの流量制御弁を制御するためのソレノイドの駆動回路と、燃料噴射弁の駆動回路とを含む比較的消費電流の大きい複数の駆動回路が一緒に収められるのが一般的である。
また、上記特許文献2に記載の技術の場合も、故障が直るまでは内燃機関の再始動が禁止されるので、故障発生中に一度でも内燃機関を停止させてしまった場合(たとえば、故障による車両の異常に気づいた運転手が、安全確認や点検のために一旦、エンジンを停止させてしまった場合)には、やはり修理工場まで退避走行させることができないという課題があった。
なお、この課題は、駆動装置に収められた駆動回路ごとに駆動電源制御リレーを個別に用意すれば解消できるものの、大幅なコストアップを招くので現実的ではない。
燃料吸入口および燃料吐出口と、流量制御弁を含む加圧室と、流量制御弁を駆動するソレノイドおよび可動軸とを有する高圧燃料ポンプと、
ソレノイドへの通電タイミングを演算して出力するソレノイド制御手段と、
ソレノイドへの通電タイミングが入力されているときにソレノイドを通電するソレノイド駆動手段と、
高圧燃料ポンプから吐出される燃料の圧力を燃圧として検出する燃圧センサと、
ソレノイド制御手段を含む制御装置と、
ソレノイド駆動手段を含む駆動装置と、
駆動装置に対して電源を供給または遮断する電源遮断手段と、を備え、
可動軸は、ソレノイドの通電により所定の吸引位置に移動して流量制御弁を閉弁側に作用させ、
高圧燃料ポンプは、
内燃機関の回転に同期して、加圧室の容積が拡大する燃料吸入行程と、加圧室の容積が縮小する燃料吐出行程とを交互に繰り返すとともに、
燃料吸入行程では、燃料吸入口の上流側から加圧室内に低圧の燃料を吸入し、
燃料吐出行程では、所定のタイミングで流量制御弁を閉弁駆動させることにより、燃料吸入口の上流側と加圧室との連通を遮断して加圧室内に吸入された燃料を圧送し、
制御装置および駆動装置は、それぞれ物理的に分離された別々の装置として配置された高圧燃料ポンプ制御装置において、
ソレノイド制御手段の故障状態を検出する故障検出手段と、
故障状態に応答して動作するフェールセーフ手段と、をさらに備え、
ソレノイド制御手段は、
可動軸を吸引位置に移動させるために必要な相対的に大きい電流値からなる過励磁電流の通電タイミングと、
可動軸が吸引位置に移動した後に可動軸を吸引位置に留めておくために必要な相対的に小さい電流値からなる保持電流の通電タイミングと、を演算して、
過励磁電流および保持電流の各通電タイミングをソレノイド駆動手段に出力し、
ソレノイド駆動手段は、過励磁電流の通電タイミングにしたがってソレノイドに過励磁電流を通電するとともに、保持電流の通電タイミングにしたがってソレノイドに保持電流を通電し、
故障検出手段は、保持電流の通電タイミングが正常でない場合に故障状態を検出し、
フェールセーフ手段は、故障状態が検出されているときには、ソレノイド制御手段からの過励磁電流の通電タイミングの出力を禁止し、
駆動装置は、ソレノイド以外のアクチュエータを駆動するためのアクチュエータ駆動手段を含み、
電源遮断手段は、ソレノイドおよびアクチュエータに対して共通的に電源を供給または遮断し、
フェールセーフ手段は、故障検出手段により故障状態が検出された場合には、燃圧センサで検出される燃圧に上昇挙動が見られなくなるまでの期間にわたって、電源遮断手段により電源の供給を遮断するものである。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図7、図8および図9を参照しながら、この発明の実施の形態1に適用される一般的な高圧燃料ポンプの具体的な構造および動作機構について説明する。
図7〜図9は一般的な高圧燃料ポンプの構造を示す側断面図であり、図7は正常な燃料吸入状態、図8は正常な燃料吐出状態、図9は異常発生時の燃料吸入状態をそれぞれ示している。
加圧室16は、カム軸20の回転に応じてプランジャ18が上下動することにより、容積が拡大縮小する。
開弁ばね11は、閉弁ばね15とは反対に、燃料吸入口10a側から加圧室16側に向けて流量制御弁14を開弁させる方向に作用する付勢力(開弁力)を発生するとともに、閉弁ばね15の閉弁力よりも大きい開弁力が設定されている。
ソレノイド12は、ソレノイド駆動手段(後述する)からの通電タイミングにしたがって、開弁ばね11の開弁力に打ち勝つ電磁力を発生して、可動軸13を吸引位置(図8および図9に示す可動軸13の位置)に移動させるようになっている。
燃料吐出弁17は、加圧室16と燃料吐出口10bとの間の燃料吐出通路中に配設され、加圧室16から燃料吐出口10bに向かう燃料の流通のみを可能とする。
また、図8のように、ソレノイド12が通電制御されている場合には、可動軸13は、ソレノイド12の発生する電磁力により吸引位置に移動して、流量制御弁14を閉弁させるように作用する。
図7の燃料吸入行程においては、ソレノイド12が非通電状態にあり、開弁ばね11の付勢力(>閉弁ばね15の付勢力)により、可動軸13が図7の右方向に押されて流量制御弁14を圧接するので、燃料吸入口10aと加圧室16とは連通されている。
図8の燃料吐出行程においては、ソレノイド12が通電状態にあり、ソレノイド12の発生する電磁力(>開弁ばね11の付勢力)により、可動軸13が図8の左方向に引っ張られて吸引位置に移動するので、流量制御弁14は、閉弁ばね15の付勢力によって図8の左方向に押されて閉弁し、燃料吸入口10aと加圧室16との連通は遮断されている。
図9は故障発生時の一例を示し、燃料吐出行程時(図8参照)にソレノイド12の通電を制御する電気配線上で短絡故障が発生して、ソレノイド12が常に通電状態となったまま燃料吸入行程に移行した場合の状態を示している。したがって、図9においては、燃料吸入行程にもかかわらず、可動軸13が吸引位置に留まったままとなっている。
この結果、開弁している流量制御弁14を通って、加圧室16内に燃料が吸入されることになる。
図5は高圧燃料ポンプ制御装置の筐体構成を概略的に示す回路構成図であり、筐体構成を電気的な等価回路として示している。また、図6は図5の高圧燃料ポンプ制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
また、ここでは、ハーネス部は、ソレノイド制御手段101の一部機能に含まれるものとして説明する。
故障検出手段104は、ソレノイド12への保持電流の通電タイミングSHを出力するための電気配線の故障を検出する。
アクチュエータ制御手段は、ソレノイド12とは別のアクチュエータ(図1とともに後述する)を制御する。
スイッチSW1は、可動軸13を吸引位置(図8参照)に移動させるために必要な、相対的に大きい電流値からなる過励磁電流の通電タイミングSKを、駆動装置200に伝送する。
フェールセーフ手段103は、故障検出手段104から故障発生を通知された場合に、所定のフェールセーフ動作を実行する。
スイッチSW0のオン時において、駆動装置200には、電源遮断手段300を介してバッテリ電源VBが供給される。
駆動装置200内のソレノイド駆動手段201は、電流制御回路203と、電流制御回路203の入力端子に挿入された反転回路NOT1、NOT2と、スイッチSW3と、を備えており、制御装置100内のソレノイド制御手段101からの入力信号(過励磁電流および保持電流の各通電タイミングSK、SH)にしたがって、実際にソレノイド12を通電する。
図5内のソレノイド12の通電を開始する場合、まず、図6内の時刻T1において、制御装置100内のスイッチSW1、SW2が同時にオンされる。
これにより、過励磁電流IKおよび保持電流IHの各通電タイミングSK、SHを示す信号レベルが両方ともLo(ロー)となり、駆動装置200内の反転回路NOT1、NOT2の出力レベルが両方ともHi(ハイ)となる。
ソレノイド12に過励磁電流IKが通電されると、ソレノイド12に電磁力が発生して、可動軸13が吸引位置に向けて移動を開始する。
以上が時刻T1における過励磁動作である。
以上が時刻T2における保持動作である。
なお、可動軸13が吸引位置に移動した後は、保持電流IHに切り替えられても、可動軸13は、吸引位置に留まり続けることができる。
これにより、保持電流IHの通電タイミングSHのハーネス部の信号レベルもHiに切り替わり、駆動装置200内の反転回路NOT2の出力レベルがLoに変化する。
以上が時刻T3における通電停止動作である。
ソレノイド12の通電を開始するために、スイッチSW1、SW2が同時にオンされ、ソレノイド駆動手段201内の電流制御回路203からソレノイド12に対して過励磁電流IKが通電される。時刻T4での動作は、前述の時刻T1での動作と同じである。
このように、時刻T6において、反転回路NOT2の出力レベルがHiのままであることから、スイッチSW3もオンのままとなり、時刻T6以降も、ソレノイド12には保持電流IHが通電され続ける。
図1において、ソレノイド12、制御装置100、ソレノイド制御手段101、フェールセーフ手段103、故障検出手段104、駆動装置200、ソレノイド駆動手段201および電源遮断手段300は、前述(図5参照)と同様のものである。ここでは、各装置100〜300の機能構成に注目して示しており、スイッチなどは省略されている。
制御装置100には、燃圧センサ22および他の各種センサ群23が接続されており、各センサ22、23からの検出信号が入力されている。
燃圧センサ22および各種センサ群23の検出信号は、ソレノイド制御手段101、アクチュエータ制御手段102およびフェールセーフ手段103に入力される。
アクチュエータ制御手段102は、アクチュエータ駆動時にアクチュエータ駆動フラグFAをフェールセーフ手段103に入力する。
ソレノイド制御手段101は、電源遮断フラグFCRに応答して、電源遮断手段300に対する電源遮断指令を出力し、駆動装置200への電源供給を遮断させる。
ソレノイド駆動手段201は、過励磁電流IKおよび保持電流IHの各通電タイミングSK、SHに応じてソレノイド12を駆動し、アクチュエータ駆動手段202は、アクチュエータ制御手段102からの通電指令信号に応じてアクチュエータ24を駆動する。
図2は電源遮断フラグFCRのみに基づくフェールセーフ処理ルーチンを示しており、図3はアクチュエータ駆動禁止フラグFCAおよび電源遮断フラグFCRに基づくフェールセーフ処理ルーチンを示している。
一方、ステップS106において、電源遮断フラグFCR=1になってから所定時間が経過した(すなわち、YES)と判定されれば、電源遮断フラグFCRを「0」にリセットして(ステップS107)、図2の処理ルーチンを抜け出る。
可動軸13は、ソレノイド12の通電により所定の吸引位置に移動して流量制御弁14を閉弁側に作用させる。
高圧燃料ポンプ10は、内燃機関の回転に同期して、加圧室16の容積が拡大する燃料吸入行程と、加圧室16の容積が縮小する燃料吐出行程とを交互に繰り返すとともに、燃料吸入行程では、燃料吸入口10aの上流側から加圧室16内に低圧の燃料を吸入し、燃料吐出行程では、所定のタイミングで流量制御弁14を閉弁駆動させることにより、燃料吸入口10aの上流側と加圧室16との連通を遮断して加圧室16内に吸入された燃料を圧送する。
ソレノイド制御手段101は、可動軸13を吸引位置に移動させるために必要な相対的に大きい電流値からなる過励磁電流IKの通電タイミングSKと、可動軸13が吸引位置に移動した後に可動軸13を吸引位置に留めておくために必要な相対的に小さい電流値からなる保持電流IHの通電タイミングSHと、を演算して、過励磁電流IKおよび保持電流IHの各通電タイミングSK、SHをソレノイド駆動手段201に出力する。
故障検出手段104は、保持電流IHの通電タイミングSHが正常でない場合に、故障状態を検出して故障フラグFFをセットする。
フェールセーフ手段103は、故障状態が検出されているときには、ソレノイド制御手段101からの過励磁電流IKの通電タイミングSKの出力を禁止する(ステップS102参照)。
したがって、アクチュエータ24(燃料噴射弁)に供給される燃圧が過度に高くなることが回避されて、車両を修理工場まで退避走行させることが可能となる。
駆動装置200は、ソレノイド12以外のアクチュエータ24(燃料噴射弁)を駆動するためのアクチュエータ駆動手段202を含み、電源遮断手段300は、ソレノイド12およびアクチュエータ24に対して共通的に電源を供給または遮断する。
フェールセーフ手段103は、故障検出手段104により故障状態が検出された場合には、可動軸13が吸引位置に留まることができなくなる所定時間以上の期間にわたって、電源遮断手段300により電源の供給を遮断する(ステップS106、S107参照)。
したがって、アクチュエータ24(燃料噴射弁)に供給される燃圧が過度に高くなることが回避されて、車両を修理工場まで退避走行させることが可能となる。
したがって、ソレノイド駆動手段201を含む駆動装置200内に配置されたアクチュエータ駆動手段202により、ソレノイド12とは別のアクチュエータ24の制御動作が制限される場合があったとしても、最小限に抑えることができる。
したがって、内燃機関の主要制御機能が失われて運転状態が悪化することが防止されたうえで、高圧燃料ポンプ10から過剰な量の燃料が吐出され続けることが防止されるので、アクチュエータ24(燃料噴射弁)に供給される燃圧が過度に高くなることが回避されて、車両を修理工場まで退避走行させることが可能となる。
したがって、ソレノイド12とは別のアクチュエータ24が燃料噴射弁である場合に、特に好適なフェールセーフ手段103を提供することができる。
なお、上記実施の形態1(図2、図3)では、燃圧センサ22の検出信号に基づくフェールセーフ制御動作について詳述しなかったが、燃圧センサ22の検出信号に基づいてフェールセーフ処理を終了するようにしてもよい。
以下、図4のフローチャートを参照しながら、燃圧センサ22の検出信号を考慮したこの発明の実施の形態2によるフェールセーフ処理ルーチンついて説明する。
まず、フェールセーフ手段103は、ステップS101において、故障フラグFF=1であるか否かを判定し、故障フラグFF=0(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS103で過励磁禁止フラグFCKを「0」にリセットし、ステップS107で電源遮断フラグFCRを「0」にリセットして、図4の処理ルーチンを抜け出る。
一方、ステップS306において、燃圧の上昇が続いていない(すなわち、YES)と判定されれば、電源遮断フラグFCRを「0」にリセット(ステップS107)して、図4の処理ルーチンを抜け出る。
駆動装置200は、ソレノイド12以外のアクチュエータ24を駆動するためのアクチュエータ駆動手段202を含み、電源遮断手段300は、ソレノイド12およびアクチュエータ24に対して共通的に電源を供給または遮断する。
なお、上記実施の形態1、2(図1〜図6)では、保持電流IHの通電タイミングが正常でない場合に、故障状態を検出してフェールセーフ制御を実行したが、図12に示すように、回転速度検出手段25およびポンプ行程位置検出手段26からの入力情報に基づいて、さらに確実なフェ−ルセーフ制御を実現してもよい。
この場合、電源遮断手段300は電源リレー300Aからなり、制御装置100Aは、高圧燃料ポンプ10から過剰な量の燃料が吐出され続けることに起因した燃料噴射弁(アクチュエータ24)への供給燃圧が過度に高くなる故障モードが発生したときのフェ−ルセーフ制御を行う。
前述のように、近年では、排ガスや燃費のさらなる向上を実現するために、燃料噴射弁への供給燃圧が最適燃圧となるように、高圧燃料ポンプ10からの吐出燃料量をフィードバック制御しており、燃料噴射弁への供給燃圧と目標燃圧との圧力偏差に基づいて目標燃料量を算出し、目標燃料量が高圧燃料ポンプ10から吐出されるように流量制御弁14の駆動タイミングを決定し、算出された駆動タイミングで流量制御弁14が駆動されるようにソレノイド12を通電制御している。
また、退避走行を可能にするために、前述の特許文献3のように、故障発生時に高圧燃料ポンプの吐出燃料量フィードバック制御を禁止して、燃料噴射弁への供給燃圧を最低値に強制制御した場合も、たとえば、特許文献1(図7)の駆動回路においてハーネスAの位置で地絡故障(ハーネスAとアースとの短絡故障)が発生した場合には、吐出燃料量のフィードバック制御を禁止しても燃料噴射弁への供給燃圧が下がらず、高圧燃料ポンプから過剰な量の燃料が吐出され続けてしまう。
(2)故障に起因して、ソレノイド12に連続通電されていた保持電流IHが消失する。
(3)保持電流IHの消失にともない、ソレノイド12に発生していた電磁力も消失する。
(4)ソレノイド12に発生していた電磁力の消失によって、可動軸13が吸引位置から解放される。
(5)吸引位置から解放された可動軸13が、開弁力の作用を受けて流量制御弁14に向かって移動する。
(6)可動軸13が流量制御弁14に圧接する。
すなわち、可動軸13が、閉弁位置にある流量制御弁14に圧接している場合には、開弁位置にある流量制御弁14に圧接している場合に比べて、可動軸13とソレノイド12との距離が短くなっているので、電源遮断手段300の強制遮断が終了して電源遮断手段300が再接続された後に連続通電される保持電流IHの発生電磁力により、可動軸13が吸引位置に引き戻されてしまうのである。
まず、前述と一部重複するが、図7を参照しながら、高圧燃料ポンプ10による燃料の吸入動作について説明する。
図7の状態からカム軸20の回転がさらに進むと、高圧燃料ポンプ10の運転行程は、図7の燃料吸入行程から、図10の燃料吐出行程(ポンプカム21の変位が増加する)へと遷移する。
図10の燃料吐出行程において、ソレノイド12は非通電状態であり、可動軸13は、開弁位置にある流量制御弁14に圧接
しており、流量制御弁14は開弁状態となる。
ポンプカム21の変位が増加する燃料吐出行程の途中で、ソレノイド12を非通電状態から通電状態に切り換えると、図10の状態から図8の状態へと切り換わる。
可動軸13が吸引位置へ移動すると、流量制御弁14は、閉弁ばね15の閉弁力を受けて閉弁位置(図8内の流量制御弁14の位置)に移動し、燃料吸入口10aと加圧室16との連通を遮断する。
そして、可動軸13が吸引位置へ移動した後は、可動軸13を吸引位置に留めておくのに最低限必要な電磁力(相対的に小さい)を発生させるための保持電流IHがソレノイド12に通電される。なお、このように過励磁電流IKと保持電流IHとを切り換えるのは、ソレノイド12を含む駆動回路の発熱量の低減や、消費電力の節約のためである。
前述の図8においては、燃料吐出行程の途中でソレノイド12が通電されたことで、流量制御弁14が閉弁され、加圧室16内の燃料が加圧されて燃料吐出口10bから吐出されているときの状態を示した。
そして、カム軸20の回転がさらに進むと、保持電流IHが流れ続けたまま、再び燃料吸入行程へと遷移して図9の状態となる。
このような状態が継続すると、高圧燃料ポンプ10から過剰な量の燃料が吐出され続け、燃料噴射弁に供給される燃圧が過度に高くなることが発生する。
図11において、ソレノイド12は、電源遮断手段300の強制遮断により非通電状態にあり、可動軸13は、閉弁位置にある流量制御弁14に圧接
しており、流量制御弁14は閉じている。
このとき、可動軸13の位置がソレノイド12に近いので、保持電流IHの再発によって発生する電磁力を受けて、可動軸13が吸引位置へ引き戻されることが起きる。
図12において、回転速度検出手段25およびポンプ行程位置検出手段26は、前述(図1参照)の各種センサ群23に含まれており、回転速度検出手段25は、内燃機関または高圧燃料ポンプ10の回転速度情報を検出し、ポンプ行程位置検出手段26は、高圧燃料ポンプ10の行程位置情報(運転行程)を検出する。
なお、保持電流制御信号の出力状態の異常検出方法については、前述の実施の形態1、2と類似の方法が適用可能なので、ここではその説明を省略する。
フェールセーフ手段103Aは、保持制御信号の異常状態が通知されると、故障が発生しているものと判定して、通電タイミングSKでの過励磁制御信号の出力を禁止する。
この結果、故障が直るまでの間は、ソレノイド12に対する過励磁電流IKの通電が禁止される。
図13は高圧燃料ポンプ10の回転角度(行程位置)に対するポンプカム21の変位量と電源リレー300Aの遮断期間とをタイミングチャート的に示す説明図であり、横軸はポンプカム21の角度位置(回転時間)に対応する。
また、現在時刻での角度位置として、燃料吐出行程の中ほどに、一例として角度DS1[゜CA]が示されている。
また、高圧燃料ポンプ10の角度位置およびポンプカム21の現在位置(現在時刻)DS1は、ポンプ行程位置検出手段26により検出され、待機時間t2が経過した後の位置DS2は、係数K2を用いて、以下のように算出される。
DA1=DS1+ta×K4
DE2=TDC1+t2×K5
また、説明の前提条件として、現在時刻よりも以前に故障が発生しており、現在位置の角度DS1においては、係る故障が検出されて電源リレー300Aの強制遮断を実行するフェールセーフ制御を、これから実行しようとしているタイミングであるものとする。
DA1=DS1+ta×K4・・・(3)
図13においては、上死点TDC1から下死点BDC2までが燃料吸入行程なので、角度位置DE1、DA1の値が、以下の式(5)を満足していれば、角度位置DE1、DA1がともに燃料吸入行程になっていると判定することができる。
なお、制御装置100Aは、リレー開始終了タイマおよびリレー遮断終了タイマを備えているものとする。
ステップS401において、故障が検出されていない(すなわち、NO)と判定されれば、ソレノイド12の通電制御を許可して(ステップS414)、図14の処理ルーチンを抜け出る。
一方、電源リレー300Aの強制遮断が未実行である(すなわち、NO)と判定されれば、前述の式(4)を用いて、単位変換係数K(=K3=K4)[゜CA/ms]を算出する(ステップS404)。
また、前述の式(3)を用いて、ステップS405で算出した終了位置DE1から開弁応答時間tbに相当する時間だけ手前にさかのぼった位置の角度DA1を算出する(ステップS406)。
流量制御弁14は、高圧燃料ポンプ10の燃料吸入口10aと加圧室16との間の燃料吸入通路中に配置されており、加圧室16側から燃料吸入口10a側に向かって燃料吸入通路を閉じる方向に作用する閉弁力を発生するための付勢手段(閉弁ばね15)を備えている。
また、可動軸13は、ソレノイド12が通電されているときには、開弁力よりも大きい電磁力(ソレノイド12に発生する電磁力)に吸引されて、流量制御弁14から離間して吸引位置に移動する。
また、ソレノイド制御手段101Aは、可動軸13が吸引位置へ移動した後、可動軸13を吸引位置に留めておくのに最低限必要な相対的に小さい電磁力を発生させるために、ソレノイド12に通電される保持電流IHが所定の通電タイミングSIで通電されるように保持電流制御信号を出力する。
電源リレー300Aは、ソレノイド制御手段101Aの制御下で、ソレノイド駆動手段201への供給電源配線の接続または遮断を切り換える。
故障検出手段104は、保持電流IHが連続通電となる故障状態を検出する。
また、フェールセーフ手段103Aは、故障検出手段104により保持電流IHが連続通電となる故障状態が検出されたときに、電源リレー300Aを遮断側に切り換えてから、ソレノイド12に連続通電されていた保持電流IHが消失してソレノイド12に発生していた電磁力が消失し、可動軸13が吸引位置から解放されて流量制御弁14に圧接するようになるまでに要する可動軸13の解放時間taと、流量制御弁14が閉弁位置から開弁位置まで移動するのに要する開弁応答時間tbとの合計時間として設定されている電源リレー遮断時間t1以上の期間にわたって、電源リレー300Aを強制的に遮断制御する。
この結果、強制遮断が終了して電源リレー300Aが再接続された時点では、開弁位置に移動した流量制御弁14と可動軸13とが圧接するようになるので、電源リレー300Aが再接続された以降の流量制御弁14は、開弁状態を維持する。
これにより、低回転領域で正常運転の継続が妨げられている期間が長くなることに起因したエンストの可能性を低減することができる。
仮に、低回転領域で電源リレー遮断時間t1を延長する第3の場合Case3のフェールセーフ方法を選択した場合、電源リレー300Aの強制遮断時に、ソレノイド駆動手段201と電源を共有しているアクチュエータ駆動手段202への電源供給も停止されるので、ソレノイド12とは別のアクチュエータ(たとえば、燃料噴射弁や点火コイルなど)24の停止期間も長くなり、内燃機関の正常運転の継続が妨げられ、エンストする可能性が高くなる。
この結果、低回転領域で内燃機関の正常運転の継続が妨げられている期間が長くなることに起因したエンストの可能性を減らすことができる。
したがって、低回転領域で電源リレー300Aの強制遮断の開始タイミングを若干遅らせたとしても、内燃機関が高回転の場合に比べれば、燃圧の上昇速度への影響は少ない。
図15においては、4サイクル4気筒の内燃機関において、カム軸20に2つの突起部を有するポンプカム21が装着された場合を例にとり、内燃機関が2回転する期間(クランク角で720[゜CA]間)における、ポンプカム21の変位量および各気筒の噴射タイミングが示されている。
ここでは、上段から順に、以下の(a)〜(c)が示されている。
(a)アクチュエータ駆動手段202により駆動される4つの燃料噴射弁#1〜#4の駆動タイミング。
(b)図13内の第1〜第3の場合Case1〜Case3での各電源リレー遮断期間t1、t3。
(c)ポンプカム21の変位量。
また、各気筒の燃料噴射弁は、#1→#3→#4→#2の気筒順序で、シーケンシャル噴射制御されることから、隣り合った燃料噴射弁での燃料の噴射間隔は、約180[゜CA]だけ離れて駆動されるので、内燃機関が2回転する期間において、各燃料噴射弁は1回ずつ駆動される。
この場合も、第1の場合Case1と同様に、電源リレー遮断時間t1と#3気筒の燃料噴射タイミングとが重なっていることから、電源リレー300Aの遮断中において、#3気筒の燃料噴射弁は駆動できずに燃料カット状態となる。
したがって、ソレノイド駆動手段201とアクチュエータ駆動手段202とで個別に電源リレーを装着するといったコストアップを招くことなく、燃料噴射弁への供給燃圧を下げつつ、故障発生車両を確実に修理工場まで退避走行させることができる。
Claims (10)
- 燃料吸入口および燃料吐出口と、流量制御弁を含む加圧室と、前記流量制御弁を駆動するソレノイドおよび可動軸とを有する高圧燃料ポンプと、
前記ソレノイドへの通電タイミングを演算して出力するソレノイド制御手段と、
前記ソレノイドへの通電タイミングが入力されているときに前記ソレノイドを通電するソレノイド駆動手段と、
前記高圧燃料ポンプから吐出される燃料の圧力を燃圧として検出する燃圧センサと、
前記ソレノイド制御手段を含む制御装置と、
前記ソレノイド駆動手段を含む駆動装置と、
前記駆動装置に対して電源を供給または遮断する電源遮断手段と、を備え、
前記可動軸は、前記ソレノイドの通電により所定の吸引位置に移動して前記流量制御弁を閉弁側に作用させ、
前記高圧燃料ポンプは、
内燃機関の回転に同期して、前記加圧室の容積が拡大する燃料吸入行程と、前記加圧室の容積が縮小する燃料吐出行程とを交互に繰り返すとともに、
前記燃料吸入行程では、前記燃料吸入口の上流側から前記加圧室内に低圧の燃料を吸入し、
前記燃料吐出行程では、所定のタイミングで前記流量制御弁を閉弁駆動させることにより、前記燃料吸入口の上流側と前記加圧室との連通を遮断して前記加圧室内に吸入された燃料を圧送し、
前記制御装置および前記駆動装置は、それぞれ物理的に分離された別々の装置として配置された高圧燃料ポンプ制御装置において、
前記ソレノイド制御手段の故障状態を検出する故障検出手段と、
前記故障状態に応答して動作するフェールセーフ手段と、をさらに備え、
前記ソレノイド制御手段は、
前記可動軸を前記吸引位置に移動させるために必要な相対的に大きい電流値からなる過励磁電流の通電タイミングと、
前記可動軸が前記吸引位置に移動した後に前記可動軸を前記吸引位置に留めておくために必要な相対的に小さい電流値からなる保持電流の通電タイミングと、を演算して、
前記過励磁電流および前記保持電流の各通電タイミングを前記ソレノイド駆動手段に出力し、
前記ソレノイド駆動手段は、前記過励磁電流の通電タイミングにしたがって前記ソレノイドに前記過励磁電流を通電するとともに、前記保持電流の通電タイミングにしたがって前記ソレノイドに前記保持電流を通電し、
前記故障検出手段は、前記保持電流の通電タイミングが正常でない場合に前記故障状態を検出し、
前記フェールセーフ手段は、前記故障状態が検出されているときには、前記ソレノイド制御手段からの前記過励磁電流の通電タイミングの出力を禁止し、
前記駆動装置は、前記ソレノイド以外のアクチュエータを駆動するためのアクチュエータ駆動手段を含み、
前記電源遮断手段は、前記ソレノイドおよび前記アクチュエータに対して共通的に電源を供給または遮断し、
前記フェールセーフ手段は、前記故障検出手段により前記故障状態が検出された場合には、前記可動軸が前記吸引位置に留まることができなくなる所定時間以上の期間にわたって、前記電源遮断手段により前記電源の供給を遮断することを特徴とする内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。 - 燃料吸入口および燃料吐出口と、流量制御弁を含む加圧室と、前記流量制御弁を駆動するソレノイドおよび可動軸とを有する高圧燃料ポンプと、
前記ソレノイドへの通電タイミングを演算して出力するソレノイド制御手段と、
前記ソレノイドへの通電タイミングが入力されているときに前記ソレノイドを通電するソレノイド駆動手段と、
前記高圧燃料ポンプから吐出される燃料の圧力を燃圧として検出する燃圧センサと、
前記ソレノイド制御手段を含む制御装置と、
前記ソレノイド駆動手段を含む駆動装置と、
前記駆動装置に対して電源を供給または遮断する電源遮断手段と、を備え、
前記可動軸は、前記ソレノイドの通電により所定の吸引位置に移動して前記流量制御弁を閉弁側に作用させ、
前記高圧燃料ポンプは、
内燃機関の回転に同期して、前記加圧室の容積が拡大する燃料吸入行程と、前記加圧室の容積が縮小する燃料吐出行程とを交互に繰り返すとともに、
前記燃料吸入行程では、前記燃料吸入口の上流側から前記加圧室内に低圧の燃料を吸入し、
前記燃料吐出行程では、所定のタイミングで前記流量制御弁を閉弁駆動させることにより、前記燃料吸入口の上流側と前記加圧室との連通を遮断して前記加圧室内に吸入された燃料を圧送し、
前記制御装置および前記駆動装置は、それぞれ物理的に分離された別々の装置として配置された高圧燃料ポンプ制御装置において、
前記ソレノイド制御手段の故障状態を検出する故障検出手段と、
前記故障状態に応答して動作するフェールセーフ手段と、をさらに備え、
前記ソレノイド制御手段は、
前記可動軸を前記吸引位置に移動させるために必要な相対的に大きい電流値からなる過励磁電流の通電タイミングと、
前記可動軸が前記吸引位置に移動した後に前記可動軸を前記吸引位置に留めておくために必要な相対的に小さい電流値からなる保持電流の通電タイミングと、を演算して、
前記過励磁電流および前記保持電流の各通電タイミングを前記ソレノイド駆動手段に出力し、
前記ソレノイド駆動手段は、前記過励磁電流の通電タイミングにしたがって前記ソレノイドに前記過励磁電流を通電するとともに、前記保持電流の通電タイミングにしたがって前記ソレノイドに前記保持電流を通電し、
前記故障検出手段は、前記保持電流の通電タイミングが正常でない場合に前記故障状態を検出し、
前記フェールセーフ手段は、前記故障状態が検出されているときには、前記ソレノイド制御手段からの前記過励磁電流の通電タイミングの出力を禁止し、
前記駆動装置は、前記ソレノイド以外のアクチュエータを駆動するためのアクチュエータ駆動手段を含み、
前記電源遮断手段は、前記ソレノイドおよび前記アクチュエータに対して共通的に電源を供給または遮断し、
前記フェールセーフ手段は、前記故障検出手段により前記故障状態が検出された場合には、前記燃圧センサで検出される燃圧に上昇挙動が見られなくなるまでの期間にわたって、前記電源遮断手段により前記電源の供給を遮断することを特徴とする内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。 - 前記フェールセーフ手段は、前記アクチュエータが駆動されていない期間に、前記電源の供給を遮断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
- 前記フェールセーフ手段は、前記アクチュエータの駆動開始を禁止してから前記電源の供給を遮断するとともに、前記電源の供給を再開させたときに前記アクチュエータの駆動を許可することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
- 前記アクチュエータは、前記内燃機関に燃料を供給するための燃料噴射弁を含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
- 燃料吸入口および燃料吐出口と、流量制御弁を含む加圧室と、内燃機関の回転に同期して前記加圧室内で上下動するプランジャと、前記流量制御弁を駆動するソレノイドおよび可動軸とを有する高圧燃料ポンプと、
前記ソレノイドへの通電タイミングを演算して出力するソレノイド制御手段と、
前記ソレノイドへの通電タイミングが入力されているときに前記ソレノイドを通電するソレノイド駆動手段と、
前記加圧室と前記高圧燃料ポンプの燃料吐出口の間の燃料吐出通路中に配置された常閉式の燃料吐出弁と、を備え、
前記流量制御弁は、前記燃料吸入口と前記加圧室との間の燃料吸入通路中に配置され、前記加圧室側から前記燃料吸入口側に向かって前記燃料吸入通路を閉じる方向に作用する閉弁力を発生するための付勢手段を含み、
前記高圧燃料ポンプは、前記内燃機関の回転に同期して、前記プランジャが下動する際に前記加圧室の容積が拡大する燃料吸入行程と、前記プランジャが上動する際に前記加圧室の容積が縮小する燃料吐出行程とを交互に繰り返し、
前記燃料吐出弁は、前記燃料吐出口側の燃圧よりも前記加圧室側の燃圧の方が大きくなったときに開弁して、前記加圧室側から前記燃料吐出口側へ向かって燃料を流通させ、
前記可動軸は、前記ソレノイドが通電されていないときには、前記流量制御弁に備えられた前記閉弁力よりも大きい開弁力の作用により前記燃料吸入口側から前記加圧室側に向かって前記流量制御弁に圧接するように移動して、前記流量制御弁を開く方向に作用し、また、前記ソレノイドが通電されているときには、前記開弁力よりも大きい前記ソレノイドに発生する電磁力に吸引されて、前記流量制御弁から離間して吸引位置に移動し、
前記ソレノイド制御手段は、
前記可動軸を前記吸引位置へ移動させるのに必要な相対的に大きい電磁力を発生させるために前記ソレノイドに通電される過励磁電流と、
前記可動軸が前記吸引位置へ移動した後に、前記可動軸を前記吸引位置に留めておくのに最低限必要な相対的に小さい電磁力を発生させるために前記ソレノイドに通電される保持電流とが、
それぞれ所定のタイミングで通電されるように、過励磁電流制御信号および保持電流制御信号を前記ソレノイド駆動手段に入力し、
前記ソレノイド駆動手段は、
前記過励磁電流制御信号が入力されたときには、前記ソレノイドに対して前記過励磁電流を通電し、
前記保持電流制御信号が入力されたときには、前記ソレノイドに対して前記保持電流を通電する高圧燃料ポンプ制御装置であって、
前記内燃機関または前記高圧燃料ポンプの回転速度に関する情報を検出する回転速度検出手段と、
前記高圧燃料ポンプの行程位置に関する情報を検出するポンプ行程位置検出手段と、
前記ソレノイド制御手段の制御下で前記ソレノイド駆動手段に供給される電源配線の接続または遮断が切り換え可能な電源リレーと、
前記電源リレーを介して前記ソレノイド駆動手段に接続される電源配線から分岐された電気配線を通じて電源が供給されるとともに前記ソレノイドとは別のアクチュエータを通電するためのアクチュエータ駆動手段と、
前記保持電流が連続通電となる故障状態を検出する故障検出手段と、
前記故障状態に応答して動作するフェールセーフ手段と、をさらに備え、
前記フェールセーフ手段は、
前記故障検出手段により前記保持電流が連続通電となる故障状態が検出されている間は、前記ソレノイド制御手段から前記ソレノイド駆動手段への前記過励磁電流制御信号の入力を禁止するとともに、
前記故障検出手段により前記保持電流が連続通電となる故障状態が検出されたときに、前記電源リレーを遮断側に切り換えてから、前記ソレノイドに連続通電されていた保持電流の消失にともなって前記ソレノイドに発生していた電磁力が消失して、前記可動軸が前記吸引位置から解放されて前記流量制御弁に圧接するようになるまでに要する可動軸解放時間と、前記流量制御弁が閉弁位置から開弁位置まで移動するのに要する開弁応答時間との合計時間として設定されている電源リレー遮断時間以上の間にわたって、前記電源リレーを強制的に遮断制御し、
さらに、前記フェールセーフ手段は、
前記回転速度検出手段により検出された回転速度と、前記ポンプ行程位置検出手段により検出された前記高圧燃料ポンプの行程位置とに基づいて、前記電源リレーの強制遮断を開始してから、前記可動軸解放時間が経過した以降における前記電源リレー遮断時間の残り時間のうち、前記開弁応答時間に相当する期間と、前記高圧燃料ポンプの運転行程が燃料吸入行程となる期間とが重なるように、前記電源リレーの強制遮断を実行する強制遮断タイミングを変更することを特徴とする内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。 - 前記フェールセーフ手段は、前記電源リレーの強制遮断を開始するタイミングを一定時間だけ遅らせることにより、前記強制遮断タイミングを変更することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
- 前記フェールセーフ手段は、前記電源リレーの遮断時間を一定時間だけ延長することにより、前記強制遮断タイミングを変更することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
- 前記フェールセーフ手段は、前記回転速度検出手段により検出された回転速度が、エンジンストールに至る可能性のある低回転領域を示す場合には、前記電源リレーの強制遮断を開始するタイミングを遅らせることにより、前記強制遮断タイミングを変更することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
- 前記アクチュエータは、前記内燃機関に燃料を供給するための燃料噴射弁を含むことを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の内燃機関の高圧燃料ポンプ制御装置。
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