JP4479926B2 - イソシアネート基を有するプレポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低重合度および狭い分子量分布を有し、ジイソシアネート単量体の含有量が低い、イソシアネート基を有するプレポリマーの製造方法に関する。
ウレタン基および末端イソシアネート基を有するプレポリマーは、ポリウレタンの製造において重要な中間体である。これらは、以前から知られており、文献において広く開示されている。
これらは、イソシアネート基と反応する少なくとも二個の水素原子を有する化合物、特にポリオールと、過剰ポリイソシアネートとを反応させることによって製造される。
少なくとも二官能性イソシアネートと少なくとも二官能性ポリオールとのウレタン反応は、それぞれの中間体が出発材料またはすでに形成された他の中間体とさらに次々と反応することができる反応性のNCO基またはOH基を含むので、化学量論的反応生成物の他にオリゴマー生成物を形成する。イソシアネートおよびポリオールのA−B−Aで示される構造体を合成する場合などにおいて、このようなオリゴマーポリウレタンの生成は望ましくない。このように示される構造体は、熱可塑性ポリウレタン樹脂または流動可能なエラストマーなど、発泡した緻密なエラストマーの性質属性に対して望ましい効果を有する。さらに、一般的には、プレポリマーの粘度は重合度とともに高くなる。イソシアネートおよびポリオール成分の混和性が低下するので、一般的には、高い粘度のプレポリマーは、さらなる処理、特に2成分制御系をかなり制限する。
イソシアネート基を有するプレポリマーの製造において、過剰に用いられたジイソシアネートの未反応の単量体は、反応時間にかかわらず、プレポリマー中にたいていは残存する。この余剰量のジイソシアネート単量体は、イソシアネートプレポリマーの使用時またはそれらのさらなる処理において問題を生じる可能性がある。トリレンジイソシアネート(TDI)、脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)、またはイソホロンジイソシアネート(IPDI)など、ある種の単量体は、室温でかなりの蒸気圧を有し、したがって、特にそこで生じるイソシアネート気体に基づいて噴射する場合に、毒性の作用を有する。また、接着剤処理など、高温時での使用において必要とされるジフェニルメタンジイソシアネートの異性体は、エアロゾルまたはガス状排出物を生成する。特に吸い込まれる空気の純度を維持するための高コストな措置はその処理を行う者を保護する法律によって一般的には定められているので、使用者はジイソシアネートを含まないプレポリマーに関心を有している。さらに、ジイソシアネートは単量体またはアミンとの反応生成物の形態で、水蒸気の存在下、得られたポリウレタン生成物からその表面へと、そしてそこから、媒体内の場合には外気へと、包装フィルムの場合には包装された生成物へと不必要に移動する“移動”を形成し得る。さらに、MDI単量体は、プレポリマー中で結晶化する傾向がある。
かなりの量のジイソシアネート単量体を依然として含んでいる従来のプレポリマーの場合、粘度などの生成物の特性は、未反応の遊離ジイソシアネートによってほとんどが決定される。上述した理由によって市場により求められているように、トリレンジイソシアナート(TDI)またはジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などに基づく遊離ジイソシアネートの含有量が低いポリウレタンプレポリマーの場合のみ、生成物粘度や系内のその他のポリマーの物理的条件に実質的な影響を有するオリゴマー生成物の形成が行われる。重合度を制御するための制御反応を実施する場合には、後者が特に望ましい。
プレポリマー中の生成物の分布は、出発原料とその他のものとのモル比によって決定的な影響を受ける。したがって、付加反応を受け得る基は、高分子量とするために、ほぼ等モル量で存在すべきである。これにより、それぞれの割合が低いモル比を有する広い分子量分布を得ることができる。
化学量論的に過剰な特定の成分が増加するにつれて、平均重合度は低下し、高分子量付加化合物の形成が抑制される。対称ジイソシアネートおよびジオールの合成の場合、生成物分布は、統計式、すなわち、フローリ分布を用いて算出される。例えば、ジオール1molをジイソシアネート2molと反応させ、ヒドロキシル基およびイソシアネート基の双方が同じ反応性(r0=0.5、r0はイソシアネート成分とポリオール成分とのモル比である)を有する場合、たった25%程度のジウレタンが形成され、一方、ジイソシアネート:ジオールが5:1または7:1とモル過剰の場合には、それぞれ47%または58%程度、形成される。r0=nジイソシアネート/nジオール<<1と極端な場合、イソシアネートとポリオールとが2:1の付加化合物の収率は、理論的にモル式換算の100%に近い値となる。
しかしながら、生成物中に残存する大モル過剰のジイソシアネート単量体は、その後、再び、除去されなければならず、これには費用がかかる。これは、蒸留、溶媒抽出、またはろ過によって行われ、特許文献1などに記載されている。したがって、高いモル過剰の遊離イソシアネートの使用は、可能であれば避けるべきである。
プレポリマーの調製において比較的、高分子量の付加化合物の形成を抑制することができるさらなる方法は、異なる反応性のイソシアネート基を有するジイソシアネートの使用である。一般的に、このようなジイソシアネート(以下、非対称ジイソシアネートという)の商業的に利用可能な例としては、2,4−TDI、2,4'−MDI、IPDIなどが挙げられる。しかしながら、得られる分子量分布は、もはや、上述している簡単な統計式によって表すことはできない。むしろ、それぞれのモル生成物分布の算出は、実験によってそれぞれ決定されるべきである二個のNCO基の相対反応性が入力の時に必要とされる動的シミュレーションに基づいて実施されなければならならない。二個のイソシアネート基の反応性における差異が非常に顕著な2,4−TDIが用いられる場合、精製工程がさらになくても、イソシアネート成分が化学両論的に適度な過剰量で、狭い分子量分布を有するジイソシアネート遊離プレポリマーが得られる。
揮発度が比較的、低いためにどのようにしても除去するのが困難な2,4'−MDIの場合、イソシアネート基の反応性の差異は顕著に表れることはほとんどない。後に費用をかけて再び取り除かれなければならない化学量論的に大過剰のイソシアネートの使用によってのみ、2,4'−MDIの低重合度が達成される。従来技術では、イソシアネート基を有し、規定された構造を有するプレポリマーの多くの製造方法を開示しており、非対称ジイソシアネートがジイソシアネートとして用いられている。
特許文献2では、さらなる後処理工程がない、ジイソシアネート単量体の含有量が低い、イソシアネート基を有するプレポリマーの製造方法を開示している。前記方法では、非対称ジイソシアネートをジイソシアネートとして用いている。OH基に対するNCO基の比は1.1から2.0とされている。特許文献2の技術によって調製されたMDIプレポリマーは比較的、粘度が高く、これはプレポリマー中のかなりの割合の高分子量物質を示唆する。
特許文献3は、対応する4,4'−MDI形式に対して、ジイソシアネート単量体の含有量および粘度が低い2,4'−MDIおよびポリオールに基づく反応性1Cメルト接着剤または溶媒含有PUR接着剤用のバインダが開示されている。ここでも、小過剰のジイソシアネートが用いられ、これが高い粘度の生成物を招いている。
特許文献4では、2質量%未満とポリイソシアネート単量体の含有量が低いイソシアネートプレポリマーの製造方法が開示されている。プレポリマーの出発原料のうちの一個が、4,4'−MDIに基づき調製されたモノマーを含まないプレポリマーである。
また、イソシアネートおよびポリオールのA−B−Aで示される構造体と、その製造方法を開示している文献がある。
例えば、特許文献5では、イソシアネート基を有し、ABA(式中、Aはジイソシアネート基であり、Bはジオール基である)の構造を有する原料の含有量が高いプレポリマーの製造が開示されている。ジイソシアネートとして、多くの従来公知のジイソシアネートが、対称ジイソシアネートおよび非対称ジイソシアネートの間の区別をされることなく、開示されている。前記プレポリマーは、触媒を使用することなく、前記プレポリマーの多くの用途のためにその後にコストをかけて取り除かれなければならない非常に相当量過剰なジイソシアネートを使用し、例えば、TDIの場合では6:1〜10:1で、製造される。
特許文献6では、TDIをイソシアネートとして用いたABAプレポリマーの製造を開示している。過剰なジイソシアネート単量体の蒸留による除去が、少なくとも1個の不活性溶媒の存在下で行われている。
特許文献7もA−B−A構造を有するプレポリマーを開示しているが、使用したジイソシアネート中の2,4'−MDIの含有量は多くて70%である。
最後に、特許文献8は、完全なA−B−Aを少なくとも85%の割合で含むプレポリマーを開示しているが、アルキル置換されたTDI誘導体がイソシアネート成分Aとして用いられている。
特許文献9では、単量体が不十分であり、対称および非対称の双方のジイソシアネートとジオールとの反応により調製されたイソシーネート基を有するプレポリマーが開示されている。前記調製において、アミンまたは有機金属触媒など、従来の触媒が用いられてもよい。
特許文献10では、DMC触媒法によって調製された、IPDIおよびジオールに基づく低単量体プレポリマーが開示されている。プレポリマーからの単量体の除去は全く行われず、遊離PDIの含有量がほぼ2質量%と非常に高い。
WO01/40342 DE10229519A1 WO03/033562 DE10157488 EP1253159 WO01/40340A2 EP1249460 EP0370408 WO03/46040 DE10161386
本発明は、ジイソシアネート単量体の含有量が低く、好ましくは0.1質量%未満、特に0.05質量%未満であり、重合度が低く、分子量分布が狭い、イソシアネート基を有するプレポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的は、ジイソシアネートとして、非対称ジイソシアネート、特に2,4−TDI、2,4'−MDI、および/またはIPDIを用い、反応を有機金属触媒の存在下で行い、これらの有機金属触媒を反応生成物または不活性なものから除去した後、前記反応生成物から過剰なジイソシアネート単量体を分離することによって達成される。
したがって、本発明は、
ジイソシアネートa)を、
イソシアネート基と反応する少なくとも二個の水素原子を有する化合物と、
触媒c)の存在下、反応させた後、過剰イソシアネート単量体を分離する工程を含むイソシアネート基を有するプレポリマーの製造方法であって、
前記ジイソシアネートa)として非対称ジイソシアネートを用い、前記触媒c)として有機金属触媒を用い、これらの有機金属触媒が、前記ジイソシアネート単量体が分離される前に、除去、ブロック、または不活性化することを特徴とする製造方法を基本的に提供する。
前記触媒のブロックは、一般的には、ブロック剤の添加によって行われる。
前記触媒の不活性化は、例えば、加水分解または還元などの化学修飾法などによって行うことができる。
前記触媒の除去は、ろ過することによって行うことができる。
前記触媒としては、均一系触媒、不均一系触媒、または担持触媒などが挙げられる。担持触媒の場合、前記均一系触媒が担持体に担持される。前記触媒については、以下に詳述する。
本発明の目的において、非対称ジイソシアネートとは、異なる反応性を有するイソシアネート基を有するジイソシアネートである。非対称ジイソシアネートとして好ましくは、2,4−TDI、2,4'−MDI、および/またはイソホロンジイソシアネート(IPDI)が用いられる。特に好ましくは2,4'−MDIである。また、非対称ジイソシアネートは、対称ジイソシアネートまたはイソシアネートポリマーとの混合物として、前記混合物中の非対称ジイソシアネートが、30質量%を超える、好ましくは60質量%を超える、特に好ましくは90質量%を超える割合で用いることもできる。
有機金属化合物を触媒として用いることによって、重合度の低いイソシアネートプレポリマーが得られることを見出した。本発明において用いられる触媒としては、例えば、IVA族(Ge、Sn、Pb)、VA族(Sb、Bi)、IVB族(Ti、Zr、Hf)、VB族(V、Nb、Ta)、またはVIIIB族(特に、Fe、Co、Ni、Ru)の金属の有機金属化合物が挙げられる。好ましい配位子としては、カルボン酸陰イオン配位子、アルコキシド配位子、エノラート配位子、チオラート配位子、メルカプチド配位子、およびアルキル配位子などが挙げられる。また、これらの配位子は、キレート化合物の形態で用いられてもよい。挙げられる具体例としては、ビスマス(III)トリス(ヘキサン酸2−エチル)複合体、酢酸鉄(III)、およびジルコニウム(IV)プロポキシド等がある。本発明の目的において特に好ましい触媒としては、スズ(IV)化合物からなる有機金属化合物が挙げられる。これらの触媒は、特に2,4'−MDIをジイソシアネートとして用いた場合に、より反応するイソシアネート基の反応に対して、特に高い選択性を呈する。具体的な化合物としては次のものが挙げられる;ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジメチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジブチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジオクチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジメチルスズビス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、ジブチルスズビス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、ジオクチルスズビス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、ジメチルスズジアセタート、ジブチルスズジアセタート、ジオクチルスズジアセタート、ジメチルスズマレアート、ジブチルスズマレアート、ジオクチルスズマレアート、ジメチルスズビスチオグリセロール、ジブチルスズビスチオグリセロール、ジオクチルスズビスチオグリセロール;オクチルスズトリス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、およびビス(β−メトキシカルボニルエチル)スズジラウレート。また、有機金属チタン(IV)触媒も好ましい。具体的なチタン(IV)化合物として次のものが挙げられる:テトライソプロピルチタン、テトラ−tert−ブチルオルトチタン、テトラ(2−エチルへキシル)チタン、およびビス(エチルアセトアセタト)チタンジイソプロポキシド。また、有機ビスマス化合物も、特にカルボン酸塩の形態で、使用に適していることを見出した。具体的な例としては、ビスマス(III)トリス(ヘキサン酸2−エチル)およびラウレートが挙げられる。また、金属触媒の混合物、特に上述したものの混合物も使用することができる。
本発明において用いられる有機金属触媒は、反応混合物に対して、0.1〜5000ppm、好ましくは1〜200ppm、特に好ましくは1〜30ppmで用いられるのが好ましい。低濃度の場合、触媒作用があまり得られない。触媒濃度が非常に過剰であると、アロファネート、イソシアン酸塩二量体および三量体、または尿素などの望ましくない副産物の形成の増加を招く。それぞれの場合における最適な触媒量は、いくつかの適した実験方法によって簡単に決定することができる。
有機金属触媒は、特に蒸留によるジイソシアネート単量体の除去において問題を生じる恐れがあるので、プレポリマー合成後、それらを不活性化または分離する必要がある。また、蒸留による高い熱応力の下で、触媒は望ましくない重合度の増加を招くウレタンの分離に触媒作用を及ぼし得る。
上述した触媒の使用から得られる好ましい効果は、これまで、過剰単量体を分離する際にプレポリマーの分解が生じるので、イソシアネート基を有する低単量体プレポリマーの調製において利用されていなかった。このため、触媒の使用は、一般的に避けられていた。
過剰ジイソシアネート単量体を分離するための蒸留は、有機金属触媒に対するブロック剤の存在下で行われるのが好ましい。このようなブロック剤は、一般的には、金属不活性化剤であり、有機金属触媒の金属中心原子を錯化することによって作用する。このようなルイス酸金属不活性化剤の例としては、2−(2−ベンズイミダゾリル)フェノール、3−(2−イミダゾリン−2−イル)−2−ナフトール、2−(2−ベンズオキサゾリル)フェノール、4−ジエチルアミノ−2,2'−ジオキシ−5−メチルアゾベンゼン、3−メチル−4−(2−オキシ−5−メチルフェニルアゾ)−1−フェニル−5−ピラゾロン、トリス(2−tert−ブチル−4−チオ(2'−メチル−4'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチル)フェニル−5−メチル)フェニルホスフェート、デカメチレンジカルボキシサリチロイルヒドラジド、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、2',3−ビス((3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル))プロピオンヒドラジン、および2,2'−オキサミドビス(エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。
しかしながら、驚くべきことに、下記一般式(I)の構造を有する金属不活性化剤を使用することで特に優れた結果が得られることを見出した。
Figure 0004479926
1およびR4は、互いに独立して、直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基、直鎖状、分岐状、または環状のアルケニル基などの有機基、直鎖状、分岐状、または環状のヒドロキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、チオアルキル基などを表す。R2およびR3はそれぞれ、互いに独立して、無いまたは水素原子である。X1およびX4は、それぞれ、互いに独立して、無いまたは酸素原子を表す。X2およびX3は、例えば、ハロゲン原子、O、OH、NH2、NO2、SHなどのルイス酸基を表す。nは、1〜5、好ましくは1の整数である。
一般式(I)の特に有用な化合物としては、酸基(−C(1)OOH)の炭素原子(C1)に対してβ−炭素原子(C3)上に官能基を有する有機カルボン酸、特に、β−ヒドロキシカルボン酸、β−アミノカルボン酸、β−ケトカルボン酸、1,3−ジカルボン酸のエステルであることを見出した。具体的な化合物としては、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、アセト酢酸、2−クロロアセト酢酸、ベンゾイル酢酸、アセトンジカルボン酸、デヒドロ酢酸、3−オキソ吉草酸、およびマロン酸、また、メチルまたはエチルエステルの形態など、これらの相当するエステルなどが挙げられる。
本発明の特に好ましい一実施形態では、R1およびR4がヒドロキシル基末端アルキル基であり、平均分子量Mwが170〜10000g mol-1、特に170〜450g mol-1であるエステルが金属不活性化剤として用いられる。これらの重合阻害化合物の調製は、純カルボン酸のエステル化、または、例えば、平均分子量Mwが170〜10000g mol-1、特に170〜450g mol-1であり、1〜4、特に1.7〜2.5の官能基を有するポリオールとのメチルおよびエチルエステルなどのエステル交換によって行われる。上述したポリオールは、一般的に、低級アルキレンオキサイド、特に、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドなどのH−官能性開始剤への付加物である。
これらの重合金属不活性化剤は、揮発しない、または、ジアソシネート単量体を除去するための蒸留における熱応力の下でわずかに揮発し、これにより、前記蒸留の最後に有機金属触媒との複合体となることができるので、本発明の方法において特に好ましく用いられる。特に有用なブロック剤は、同じ圧力での沸点がMDI異性体よりも高いもの、0.1barでの沸点が250℃よりも高いものである。
金属不活性化剤は、利用された金属触媒量に対して、10〜10000倍過剰、好ましくは10〜50倍過剰で、合成した後のイソシアネートポリマーに直接、添加するのが好ましい。
さらに、1,3−ケトン、β−ヒドロキシケトン、1,3−ジオール、およびβ−アミノアルコールよりなる群から選択される化合物が使用できることを見出した。
本発明のさらなる実施形態においては、例えば、デカメチレンジカルボキシジサリチロイルヒドラジド、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾールなどのサリチルアルデヒドなどのヒドラジン誘導体が金属不活性化剤として利用できる。
驚くべきことに、サリチルアルデヒドのトリアゾール誘導体およびヒドラジン誘導体を金属不活性化剤として用いることにより特に優れた結果が得られることを見出した。
そのような構造の例としては、デカメチレンジカルボキシジサリチロイルヒドラジン(ADK Stab CDA 6(登録商標))、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール(ADK Stab CDA 1(登録商標))などが挙げられる。特に、デカメチレンジカルボキシジサリチロイルヒドラジン(ADK Stab CDA 6(登録商標))が好ましい。一種の金属不活性化剤を単独ではなく、複数の金属不活性化剤の混合物として使用するのが好ましい。サリチルアミノ−1,2,4−トリアゾールおよび/またはデカメチレンジカルボキシサリチロイルヒドラジンを含む混合物、特に、デカメチレンジカルボキシサリチロイルヒドラジンを含む混合物が好ましい。
本発明のさらなる実施形態において、担持体に担持された有機金属触媒が用いられる。以下、これらを担持触媒という。担持触媒は、プレポリマー合成後にろ過することによって、イソシアネートプレポリマーから容易に分離できる。
本発明の目的において、有機物、無機物、および無機酸化物など、多孔性担持体が一般的に好ましい。好ましい担持体としては、カーボン材(例えば、活性炭、カーボンブラック)、炭化ケイ素、アルミナ、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、ゼオライト、酸化バナジウム、酸化タングステン、アルカリ土類金属酸化物、炭酸塩、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸チタニウム、複合酸化物、タルク、クレイ、およびこれらの混合物などがある。さらに用いられる担持体としては、固形パラフィン、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、スチレン、およびアクリレートの重合体、前記重合体の置換誘導体、これらのコポリマーなどが挙げられる。
本発明の目的において、多くの商業的な供給業者から得られた多孔性カーボン担持体が特に有用であることを見出した。本発明において使用されるカーボン担持体は、0.5〜3000m2/gの比表面積(DIN66131により決定)、0.01ml/g〜2ml/gの細孔容積(DIN66134、DIN66135により決定)を有する。1〜1000m2/gの比表面積を有するカーボン担持体が好ましい。5〜500m2/gの比表面積を有するカーボン担持体がより好ましい。
カーボン担持体は、触媒活性化合物を担持する前に、硝酸、リン酸、ギ酸などを用いた酸活性化、焼成、アルカリ金属塩などを用いた含浸等の前処理を任意に行ってもよい。
担持体への触媒の担持は、従来の方法によって行われる。触媒の全質量に対して0.5〜40質量%の金属が担持体に担持される。担持された触媒は、特に好ましくは、1〜20質量%の金属を含む。
担持触媒の製造方法としては、まず、所望量の有機金属化合物を含む溶液を調製し、これに担持体を添加する。溶媒を蒸発させると、担持体上に所望量の活性組成を有する不均一系触媒が得られる。したがって、例えば、エタノール中にジブチルスズジラウレートを含む溶液にカーボン担体を撹拌しながら添加し、エタノールを蒸発させた後、乾燥させることによって、触媒が得られる。
担持触媒は、反応混合物に対して、0.001〜5質量%、特に0.01〜0.1質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%の濃度で用いられる。
さらに、担持体上に有機金属触媒を固定する方法としては、メリフィールド樹脂上に化学的に固定する方法がある。また、容易にろ過できる触媒を重合体上に生じさせる未飽和炭素配位子を有する有機金属複合体も使用することができる。好ましい化合物の例としては、Sn((CH23CHCH2)(R)2R'(式中、R、R'=アルキル基、アリール基、アルコキシ基)で示される化合物が挙げられる。
本発明のさらなる実施形態において、均一系触媒は、吸着物質によって、反応性イソシアネートプレポリマーから除去される。前記吸着は、有機金属触媒を担持するために上述したのと同じものを用いて行うことができる。
しかし、還元または加水分解などの触媒の化学的な不活性化は、本発明のさらなる好ましい実施形態ではない。さらに、好ましくない実施形態としては、ルイス酸不均一系触媒の使用が挙げられる。これらの不均一系触媒としては、金属、金属酸化物、2、3、4、5、6、8、9、10、13、14の化学基の金属ハロゲン化物、またはこれらの混合物などがある。これらの具体的な例としては、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化白金、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素などがある。
また、本発明のさらなる実施形態において、上述した種々の有機金属触媒の不活性化方法、すなわち、ブロック剤を用いた不活性化、担持体への均一系触媒の担持、その後のろ過を伴うルイス酸触媒の使用、金属触媒の吸着、加水分解または還元による化学的な不活性化は、適宜、組合わせてもよい。
本発明の目的は、本発明により用いられる有機金属触媒を使用し、これらをその後に除去または変質することよって達成できることを驚くべきことに見出した。これは、従来のアミン触媒が使用された場合において、非対称のジイソシアネートの二個のイソシアネート基の選択性が、極めて悪く、多くの場合において、触媒がない反応よりも低いので、特に驚くべきことである。
プレポリマーを形成するためにイソシアネート基と反応する少なくとも二個のハロゲン原子を有する化合物として、分子中に少なくとも二個のヒドロキシル基および/またはアミノ基を有する化合物が用いられるのが好ましい。特に、これらの化合物は、60〜10000g/molの分子量Mnを有する。イソシアネート基と反応する少なくとも二個の水素原子を有する化合物として、特に好ましくは、多価アルコール、ポリエステルアルコール、ポリエーテルアルコール、ポリエーテルポリアミン、ヒドロキシル基含有ポリカーボネート、ヒドロキシル基含有ポリアセタール、および少なくとも二個のこれらの化合物の混合物よりなる群から選択されるものが挙げられる。特に好ましくは、多価アルコール、ポリエーテルアルコール、およびこれらの混合物などである。
多価アルコールの例としては、2〜10、好ましくは2〜6の炭素原子を有するアルカンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの高級アルコールなどが挙げられる。また、ヒマシ油などの天然ポリオールを使用することもできる。ポリエーテルアルコールは、2〜8の官能基を有するのが好ましい。これらは、一般的に、アルケン酸化物、特にエチレン酸化物および/またはプロピレン酸化物を、H−官能性開始剤に付加することによって調製される。アルケン酸化物は、それぞれ、連続してまたは混合物として用いることができる。開始剤の例としては、水、ジオール、トリオール、多官能アルコール、糖アルコール、脂肪族アミン、芳香族アミン、アミノアルコールなどがある。
500〜3000g/molの平均分子量、2〜3の平均官能基を有するポリエーテルアルコールが特に有用である。これらのポリエーテルアルコールの調製に用いられる特に好ましい開始剤としては、プロピレングリコール、および、グリセロールがある。好ましいアルケン酸化物は、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドである。
さらに、1000〜3000g/molの平均分子量、2〜2.6の平均OH官能基を有するポリエステルアルコールが好ましい。特に好ましくは、アジピン酸由来のポリエステルアルコールである。
プレポリマーは、上述の通り、イソシアネート基と反応する少なくとも二個の水素原子を有する化合物をポリイソシアネートと反応させることによって調製される。
イソシアネート基と反応する少なくとも二個の水素原子を有する化合物をポリイソシアネートとの反応は、公知の管型反応器または撹拌槽型反応器など、従来の反応器において、連続式または回分式で、場合によっては、不活性溶媒、すなわち、イソシアネートおよびOH−官能性化合物と反応しない化合物の存在下で、行うことができる。
非対称イソシアネートのウレタン反応の選択性は、不活性溶媒下で、さらに向上する。不活性溶媒の例としては、アセトン、ジクロロメタン、エチルアセテート、トルエンなどがある。前記反応は、不活性溶媒の存在下で、比較的、低温で行うことができる。前記反応は、一般的に、0〜100℃、特に20〜40℃で行われる。全反応混合物における溶媒の質量比は、5〜60質量%、特に20〜50質量%である。
それぞれのヒドロキシル基上にジイソシアネート単位を有するオリゴマーを非常に高い含有率で得るために、過剰にジイソシアネートを用いるのが好ましい。イソシアネート基と反応する基に対するイソシアネート基の比は、一般的には、1:1〜10:1、好ましくは1:1〜7:1、特に好ましくは1:1〜5:1である。本発明により反応性イソシアネートの合成が行われた場合、従来技術による方法よりも、所定の過剰ジイソシアネートで、すなわち、1:1〜1:3の適度な過剰で、低重合度および狭い分子量分布を有する生成物が一般的に得られる。
最初に示したように、プレポリマー中のジイソシアネート単量体の割合は低くなければならないので、未反応ジイソシアネートは反応後のプレポリマーから除去されなければならない。これは、例えば、蒸留、好ましくは薄膜蒸留、特に好ましくは、WO03/46040などに記載される少なくとも一個の短経路エバポレーターを使用するなど、従来の方法により行うことができる。
本発明の方法においてわずかに過剰なジイソシアネートが用いられるので、除去すべきジイソシアネートの量も従来の方法よりも小さい。ジイソシアネート単量体がなく、所定の重合度、所定の分子量分布、および所定の粘度などを有する該方法にけるプレポリマーは、従来の方法と比較して、プレポリマーの合成により高い収率で、かつ、過剰ジイソシアネート単量体の除去により高い処理量で、すなわち、全体的に優れた経済性で、製造できる。
この方法において得られた反応性イソシアネートプレポリマーは、好ましくは、0.01〜0.5質量%、好ましくは0.02〜0.09質量%のジイソシアネート単量体を含む。本発明の反応性イソシアネートプレポリマーのNCO含有量は、3〜14質量%、特に5〜9質量%である。本発明の反応性イソシアネートプレポリマーのブロックフィールド法(ISO255)により測定される粘度は、50℃で、100mPas〜100000mPas、好ましくは1000〜40000mPasである。
さらに、本発明のプレポリマーは、狭い分子量分布、低重合度、プレポリマーに対して少なくとも80面積%のABA構造体の含有量を有する。面積%は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によって測定される。
イソシアネート基およびウレタン基を有する本発明のプレポリマーは、一般的に、ポリウレタンの製造に用いられる。この目的において、イソシアネート基およびウレタン基を有するプレポリマーは、イソシアネート基と反応し得る化合物と反応する。イソシアネート基と反応し得る化合物としては、水、アルコール、アミン、または、メルカプト基を有する化合物などである。ポリウレタンは、フォーム、特にインスタレーションフォーム(installation foams)、塗料、接着剤、特にメルト接着剤、ペンキ、コンパクトまたはセルラーエラストマーであってもよい。これらが封止剤または接着剤として用いられた場合、完成したポリウレタンを与えるための硬化は、最も簡単な場合、大気中の水分の作用によって生じる。
また、本発明のプレポリマーは、好ましくは。ポリウレタンフィルム、特に食品分野用フィルムの製造に用いられる。ここで、メルト接着剤、特に、ホットメルト接着剤、塗料、シールとして使用する場合、2,4'−MDIに基づくプレポリマーが特に有用である。
本発明を下記実施例によって説明する。
ジフェノルメタンジイソシアネート(2,4'異性体)2molと平均分子量MW=450g mol-1のプロピレングリコール(PPG450)1molとからなるオリゴマーから主に作られ、末端イソシアネート基を有するジイソシアネートを含まない生成物を調製した。
比較例1:触媒未使用
触媒を含まない比較化合物を調製するために、450g/molの分子量を有するプロピレングリコール(PPG450)1molを、60℃で、実験室的規模の反応器中に入れられたモル過剰のジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'異性体)(表1)に、撹拌しながら滴下した。前記滴下が終了した後、反応混合物を、60℃、3時間、維持した。
過剰なジフェニルメタンジイソシアネートを、短経路エバポレーター中で除去することにより、ジイソシアネートの残余含有量が0.1質量%未満であり、イソシアネート含有量がNCOの約8.8質量%である単量体を含まない生成物を得た。
残余単量体含有量および分子量分布は、GPC分析法によって測定した。
Figure 0004479926
実施例1:本発明に準ずる
ブロック剤の調製
下流側蒸留部品コールドトラップを備え、140℃に加熱された四ツ口丸底フラスコに、Pluriol(登録商標)E200(BASF株式会社、ドイツ)(OHN:553mg KOH/g、MW:202.89g/mol)50.72g、および、メチルアセトアセテート(MW:116.12g/mol)69.67gを秤量して入れた。反応の間、窒素緩流をフラスコに流し、形成されたメタノールを除去した。7時間、反応させた後、反応を停止した。反応生成物をGPC法によって検出した。生成物は、黄橙色であった。
ポリオールおよびイソシアネート成分の全量に対して、0.002質量%のジブチルスズジラウレート(DBTL)をPPG450にそれぞれ添加した以外は、比較例1と同様の手順とした。
混合物の全量に対して、2000ppmのヒドロキシアルキルアセトアセテートブロック剤の存在下、蒸留を行った。
Figure 0004479926
実施例2:本発明に準ずる−種々の濃度のジブチルスズジラウレートの存在下
2,4'異性体:PPG450のモル比を7:1と一定にし、ポリオールおよびイソシアネート成分の全量に対して、種々の濃度のジブチルスズジラウレート(DBTL)を、PPG450に添加した以外は、実施例1と同様の手順とした。ポリオールおよびイソシアネート成分の全量に対してDBTLが20〜200ppmの濃度範囲内で、トリウレタン、すなわち、MDIおよびポリオールの3:2付加物、および、高分子量のオリゴマーの形成が、かなり抑制された。値を図1に示す。
実施例3:本発明に準ずる−種々の有機金属触媒の存在下
2,4'−MDI:PPG450のモル比を7:1と一定にし、ポリオールおよびイソシアネート成分の全量に対して、0.002質量%の種々の触媒を、PPG450に添加した以外は、実施例1と同様の手順とした(表3)。かなりのスズおよびチタン触媒が、比較例に対して重合度1(2:1付加化合物の割合≧92%(GPC))を低下させ、また、一部がオリゴマー生成物の形成を促進させたが、その他は生成物分布(2:1付加化合物の割合=90±2%(GPC))への影響はなかった。
Figure 0004479926
表3:有機金属触媒20ppmによって触媒されたプレポリマー反応(比較例1参照)のGPC分析法による生成物分布
実施例4:本発明に準ずる−不均一系触媒の存在下
a)不均一系触媒の調製
ジブチルスズジラウレート6.25gを、無水エタノールを用いて、全体積を23mlとした。ゆっくりと撹拌しながら、商業的に利用可能なTIMREX HSAG 100グラファイト25gを含浸液に添加した。このようにして、エタノールの吸収性(0.92ml/g)に相当する含浸液量を担持体に含浸させた。1時間、含浸させた後、乾燥室中で、触媒を、50℃、16時間、乾燥させた。
b)プレポリマーの調製
2,4'−MDI:PPG450のモル比を7:1と一定にして、ポリオールおよびイソシアネート成分の全量に対して、0.015質量%の不均一系DBTL−活性化カーボン触媒を、2,4'-MDIに添加し、プレポリマー合成後、ろ過することによって、反応混合物から除去した以外は、実施例1と同様の手順とした。
このようにして得られたプレポリマーは、50℃で、η=18Pasの粘度を有していた。
Figure 0004479926
ジブチルスズジラウレート(DBTL)によって触媒された実施例1のプレポリマー反応のGPC分析法により測定された生成物分布(面積百分率により示す)を示す。

Claims (13)

  1. ジイソシアネートa)を、
    イソシアネート基と反応する少なくとも二個の水素原子を有する化合物b)と、
    触媒c)の存在下、反応させた後、過剰ジイソシアネート単量体を分離する工程を含むイソシアネート基を有するプレポリマーの製造方法であって、
    前記ジイソシアネートa)として非対称ジイソシアネートを用い、前記触媒c)として有機金属触媒を用い、これらの有機金属触媒を、前記ジイソシアネート単量体を分離する前に、除去、ブロック、または不活性化することを特徴とする製造方法。
  2. 前記非対称ジイソシアネートとして、トリレン−2,4'−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネート、および/またはイソホロンジイソシアネートを用いる請求項1に記載の方法。
  3. 前記非対称ジイソシアネートとして、ジフェニルメタン−2,4'−ジイソシアネートを用いる請求項1に記載の方法。
  4. 前記金属触媒が、IVA族金属、VA族金属、IVB族金属、VB族金属、およびVIIIB族金属の有機金属化合物よりなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  5. 前記金属触媒が、配位子を含んでいる請求項4に記載の方法。
  6. 配位子として、カルボン酸陰イオン配位子、アルコキシド配位子、エノラート配位子、チオラート配位子、メルカプチド配位子、アルキル配位子、およびこれらの組み合わせを用いる請求項4に記載の方法。
  7. キレート化合物の形態で配位子を用いる請求項4に記載の方法。
  8. 前記金属触媒が、ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジメチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジブチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジオクチルスズビス(ドデシルメルカプチド)、ジメチルスズビス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、ジブチルスズビス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、ジオクチルスズビス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、ジメチルスズジアセタート、ジブチルスズジアセタート、ジオクチルスズジアセタート、ジメチルスズマレアート、ジブチルスズマレアート、ジオクチルスズマレアート、ジメチルスズビスチオグリセロール、ジブチルスズビスチオグリセロール、ジオクチルスズビスチオグリセロール;オクチルスズトリス(チオグリコール酸2−エチルヘキシル)、ビス(β−メトキシカルボニルエチル)スズジラウレート、チタン酸テトライソプロピル、オルトチタン酸テトラ−tert−ブチル、テトラ(2−エチルへキシル)チタン、およびビス(エチルアセトアセタト)チタンジイソプロポキシド、ビスマス(III)トリス(へキサン酸2−エチル)、およびビスマスラウレートよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の方法。
  9. 前記金属触媒が、均一系触媒である請求項1に記載の方法。
  10. 前記金属触媒が、不均一系触媒である請求項1に記載の方法。
  11. 前記金属触媒が、担持体に担持される請求項1に記載の方法。
  12. 前記有機金属触媒が、ルイス酸金属不活性化剤によって不活性化される請求項1に記載の方法。
  13. 前記有機金属触媒が、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、アセト酢酸、2−クロロアセト酢酸、ベンゾイル酢酸、アセトンジカルボン酸、デヒドロ酢酸、3−オキソ吉草酸、マロン酸、および、これらのエステルよりなる群から選択される化合物によって不活性化される請求項1に記載の方法。
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