JP4479865B2

JP4479865B2 - ゴルフボール成形金型及びゴルフボールの製造方法

Info

Publication number: JP4479865B2
Application number: JP37411499A
Authority: JP
Inventors: 武彦山口
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1999-12-28
Filing date: 1999-12-28
Publication date: 2010-06-09
Anticipated expiration: 2019-12-28
Also published as: JP2001187172A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は均質なディンプルを赤道上に備えたシームレスゴルフボールの製造方法、及び同ゴルフボールを成形する金型に関するものである。
【０００２】
【従来技術】
ゴルフボールの表面には打球の飛行性能向上を目的として、平面形状が円形のディンプルが多数配置され、またこれらディンプル配置について、近年、均一な飛び性能を得るために、２０面体配列、８面体配列、ランダム配列等の手法を用いて、成形金型の分割位置（赤道）を含めボールの表面上にほぼ均等に配列されたるに至っている。このようなディンプルをボール表面上に型付けするための金型について、図面を用い以下に詳細に述べる。
【０００３】
図４はゴルフボール成形金型の斜視図、図５は同金型の部分側面拡大図、図６は図５のA−A断面図である。
図において、金型1は下型2と上型3よりなり（図４は上型の図示を省略しているが、下型2と実質上同じ）、内部にキャビティ4を有する。キャビティ4の内壁面にはディンプル成形のための、平面形状円形の突起5が多数配置されている。これら突起5はキャビティ4の赤道に対応する金型分割面6の位置にも全周に亘って、通常断続的に配置される（図4には部分的図示するに止めている）。
【０００４】
図５及び６を参照し、金型1の分割面6は、キャビティの赤道上に延びる部分6'と、突起5を付け根位置でその輪郭に沿い迂回して延びる部分6''より成る。突起位置の分割面につき、突起を等分に分割し形成されることもある。その場合、分割面6は、全周に亘って赤道上に形成される。
【０００５】
このような金型によって成形されたゴルフボール11は、部分側面図として図７に示すように、金型分割面に対応する部分12が、上記部分6'に対応する陸部上に延びる部分12'と、部分6''に対応するディンプル13の縁14に沿って延びる部分12''よりなり、これら部分12'、12''には、通常ボール成形材料のバリ15が成形時に発生する。なお、上記金型分割面を全周に亘り赤道上に設けた金型で成形されたボールにおいては、ディンプル13を上下（または南北）２等分する位置に、ディンプル13内を含みバリが発生する。
【０００６】
このようにボール成形過程で生じたバリ15は、研磨機にかけて削除する訳であるが、図７に示すボール11の場合は、ディンプルの直径Dをカバーする幅wをもって全周に亘り研磨される。研磨量（深さ）tが最も大である幅wの中央位置においては、ディンプルの直径Dは図８及び９に示すように、D'に減少し、平面形状が楕円状に変化することとなる。
ディンプルを２等分する位置にバリを形成するタイプの場合は、ディンプル内バリをいちいち別の手段を用いて削除する面倒が伴うが、それは別にしても、陸部に生じたバリは研磨機にかけて削除しなければならないため、研削厚みtに起因するディンプルの楕円化が生じることに変わりはない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
赤道上に、他の領域に形成された円形ディンプルとは異なる楕円形ディンプルが列をなして形成されたゴルフボールは、外観上美的観点より商品価値が損なわれるばかりでなく、性能の面においても、打球が赤道に沿って回転しつつ飛ぶ場合と、赤道と直交する方向に回転しつつ飛ぶ場合とでは、ディンプルが及ぼす空気力学特性が異なるため飛距離に変化が生じ、ボールとして性能上均一性を損なうこととなる。本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、均一なディンプルを形成するゴルフボール成形金型、及び該ゴルフボールの製造方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部に球状キャビティを有し、このキャビティの内壁面に平面形状が円形のディンプル成形用突起を多数備え、キャビティの赤道相当位置に分割面を有する２分割タイプ金型において、上記割り型のうちの一方、または両方の分割面部にディンプル成形用突起を上記赤道を跨ぐようにして複数具備し、これら突起の付け根位置における赤道方向直径をD、赤道と直交する方向の直径をEとするとD＞Eなるほぼ楕円形状を呈していることを特徴とするゴルフボール成形金型。
【０００９】
及び、内部に球状キャビティを有し、このキャビティの内壁面に平面形状が円形のディンプル成形用突起を多数備え、キャビティの赤道相当位置に分割面を有する２分割タイプ金型を用いて成形するゴルフボールの製造方法であって、上記金型として、その割り型のうち一方、または両方の分割面部にディンプル成形用突起を上記赤道を跨ぐようにして複数具備し、これら突起の付け根位置における赤道方向直径をＤ、赤道と直交する方向の直径をＥとするとＤ＞Ｅなるほぼ楕円形状を呈した金型を用いて成形した後、分割面部に生じたバリを研磨して、赤道上に形成されたディンプルを、ほぼ直径Ｅを有する実質上円形の平面形状を有するものとすることを特徴とするゴルフボールの製造方法。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明において分割面部のディンプル成形用突起は、赤道を中心に位置することが好ましい。
【００１１】
【実施例】
以下図面を用いて説明する。図１は本発明における１実施例を示すゴルフボール成形金型の部分側面図である。図１において金型１は、図４〜６の場合と同様下型２と上型３よりなる２分割タイプであり、図示を省略しているが内部に球状キャビティを有し、その内壁面にディンプルを型付けための平面形状が実質上円形の突起を多数備えている。
【００１２】
キャビティの赤道（図示せず）対応位置に、下型2と上型3の分割面21を有し、この分割面位置に、周方向に沿ってディンプル形成用突起22を複数具備する。これら突起22は付け根位置において、赤道方向に長径D、これと直交する方向に短径Eを有する、平面形状がほぼ楕円形を呈している。
突起22は、下型2、または上型3に短径Eの半分が固着し（鎖線にて表示）、残り半部は、赤道と直交する方向に突出している（実線にて表示）。このように突起22の突出部分を受ける相手方の下型または上型の部分には、平面形状が楕円形の１／２部分を形成した溝23が設けられている。それによって分割面21は、実質上キャビティの赤道に延びる部分21'及び、上記突起を迂回し突出形状と溝23に沿って延びる部分21''によって形成される。
【００１３】
本発明の金型によって成形したゴルフボールの部分側面図を図２に示す。
図２において、成形されたゴルフボール24は、赤道O上にディンプル25が突起22（図１）によって型付けされ、金型の分割面21（図１）に対応する部分27、即ち分割面部21'に対応する赤道O上陸部に延びる部分27'とディンプルの縁26上に延びる部分27''に、ボールのカバー成形時成形材料のはみ出しであるバリ28が発生する。
【００１４】
図３は、図２に示すボールのバリ発生部分を研磨した状態を示すゴルフボールの部分側面図である。
図３において、バリ28が生じた区域、即ちディンプル25が配置されたディンプルの短径Eにほぼ相当する幅xの広さの区域29を研磨すると、ばり28が削除され、それと同時に研磨に基づくゲージ減少によって、ディンプルの長径Dが短径Eに縮小し、その結果、直径Eを有する実質上円形のディンプル30が形成される。この場合研磨深さ最大値は（幅xのほぼ中央位置）は10〜100μm、好ましくは25〜60μmが見込まれる。この実施例では研磨最大深さは約40μmであった。
なお、研磨を行うに当たっては、図示を省略しているが回転砥石やエンドレス研磨紙等を使用することができる。
【００１５】
上記区域29の研磨に当たっては、幅x部分の研磨量を見積もり、研磨される分だけ厚肉に、例えば幅xの中央の最大厚肉部から部分29の両端に向かって厚みが漸減するように、予め金型成型することができる。しかし研磨部分は特に肉盛りはしなくてもよい。この実施例では、研磨部29には肉盛りをせず、研磨を行うことによって楕円形を円形化した。このように、研磨によるディンプルの円形化を行う場合、通常ディンプルの深さ及び/または容積の減少は避けられないが、このような減少を予め見込み、研磨部を厚肉にせず（厚肉にしても可）研磨部に位置するディンプルの深さ及び/または容積を大きく形成することができる。
【００１６】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明になるゴルフボール成型金型は、ボール表面上にディンプルを均等に、且つ高密度に配置使用とする場合に適用されるシームレスタイプ、即ち赤道上にもディンプルを有するボールを成型するための２分割タイプ金型につき、割り型のうちの一方、または両方の分割面部にディンプル成形用突起を上記赤道を跨ぐようにして複数具備し、これら突起の付け根位置における赤道方向直径をD、赤道と直交する方向の直径をEとするとD＞Eなるほぼ楕円形状を呈するものである。
【００１７】
この金型を用いて成形したボールは、上記楕円形突起によって分割面部に楕円形ディンプルが型付けされるが、成型時に楕円形ディンプル部分に発生する不所望なバリを削除するに当たり、通常適用される回転砥石等を用い研磨することによってバリが削除され、同時に楕円形であったディンプルの長径Dが短径とほぼ等しい直径Eに減少し、その結果、実質上直径Eの円形ディンプルが形成されるのである。
【００１８】
このように、ゴルフボールの金型分割面対応位置周上に、従来の楕円形ディンプルとは異なる円形ディンプルを具備するため外観上美的な面に優れ、それと同時に性能均一性の面でも有利であると云える。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明における実施例のゴルフボール成形金型部分側面図。
【図２】本発明におけるゴルフボールの部分側面図。
【図３】図２に示すボールのバリ発生部分を研磨した状態を示すゴルフボールの部分側面図。
【図４】従来技術としてのゴルフボール成形金型斜視図。
【図５】図４に示す金型の部分側面拡大図。
【図６】図５のA−A断面図。
【図７】図４の金型によって成形されたゴルフボールの部分側面図。
【図８】図７に示すボールのバリ発生部分を研磨した状態を示すゴルフボールの部分側面図。
【図９】図８に示すディンプルの断面図。
【符号の説明】
１金型
２下型
３上型
４キャビティ
２２突起
２７金型分割面部
Ｄ突起付け根位置における赤道方向直径
Ｅ同じく赤道と直交する方向の直径
Ｏゴルフボールの赤道

Claims

内部に球状キャビティを有し、このキャビティの内壁面に平面形状が円形のディンプル成形用突起を多数備え、キャビティの赤道相当位置に分割面を有する２分割タイプ金型において、上記割り型のうちの一方、または両方の分割面部にディンプル成形用突起を上記赤道を跨ぐようにして複数具備し、これら突起の付け根位置における赤道方向直径をＤ、赤道と直交する方向の直径をＥとするとＤ＞Ｅなるほぼ楕円形状を呈していることを特徴とするゴルフボール成形金型。
分割面部のディンプル成形用突起が赤道を中心に位置することを特徴とする請求項１記載のゴルフボール成形金型。
内部に球状キャビティを有し、このキャビティの内壁面に平面形状が円形のディンプル成形用突起を多数備え、キャビティの赤道相当位置に分割面を有する２分割タイプ金型を用いて成形するゴルフボールの製造方法であって、上記金型として、その割り型のうち一方、または両方の分割面部にディンプル成形用突起を上記赤道を跨ぐようにして複数具備し、これら突起の付け根位置における赤道方向直径をＤ、赤道と直交する方向の直径をＥとするとＤ＞Ｅなるほぼ楕円形状を呈した金型を用いて成形した後、分割面部に生じたバリを研磨して、赤道上に形成されたディンプルを、ほぼ直径Ｅを有する実質上円形の平面形状を有するものとすることを特徴とするゴルフボールの製造方法。