JP4479030B2 - 振動アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方の方向から見たときの振動子の外形形状が円形またはほぼ円形であり、その振動子の周縁で相対移動部材に運動エネルギーを伝達する振動アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の振動アクチュエータは、中心から外周方向に向かって伸びる(放射方向に伸縮する)径方向対称伸び振動モードと、同一面内で非軸対称に屈曲する非軸対称面内振動モードとを同時に発生するドーナツ板状の振動子を用いた構造のものがある。この振動アクチュエータは例えば、「(R,1)−((1,1))モード圧電円環利用超音波リニアモータの特性改善(高野、富川;第12回 強誘電体応用会議 講演予稿集 P.79−80)」、「新版超音波モータ(上羽、富川著;トリケップス、P.22−23,P.67−68)」や特公平6−26994号等に開示されており、薄型構造に適し、高速、高推力等の特徴を備えるものである。
【0003】
その一例を図7に示す。図7は、従来の振動アクチュエータの概略正面図である。そして、図7(a)は、振動アクチュエータが理想的に相対移動部材73と接触している状態を振動アクチュエータの振動方向とは垂直な方向で見たときの図である。振動アクチュエータは、図7(a)に示すようにドーナツ板状の振動子71の周縁の一部を多少削り落とし、振動子71と相対的に移動する相対移動部材73を圧接させて、相対移動部材73と振動子71との接触をスムーズにしている。なお、このとき振動子71と相対移動部材73との間には、摺動部材72が設けられ、振動子71の削り落とした部分に固定されている。
【0004】
そして、振動子71に設けられた電極712a、712bと図示されていない裏面側の電極との間に位相の異なる交流電圧を印加し、振動子71の摺動部材72が設けられた部分に楕円運動を有する振動を発生させることで、相対移動部材73が振動子71に対して相対的に移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、振動子の取付誤差又は移動子の取付誤差が生じるため、図7(a)に示したようには摺動部材の摺動面と移動子の接触面とが密着しない場合がある。この状態における一例を図7(b)に示した。外形形状が円形状の振動子を固定するときに、取付誤差により図7(b)に示すような姿勢で固定されてしまうことがある。
【0006】
図7(b)の様に摺動部材の全面が相対移動部材に密着しないと、その摺動部材のエッジ部分と相対移動部材が接触してしまう。このようなエッジ部分には摺動部材の成形時や振動子を削り落とした時に生じるバリなどが存在することがあり、そのバリにより振動子に生じる振動エネルギーを相対移動部材に確実に伝えられず、駆動性能が低くなってしまう。また、他にも摺動部材のエッジ部先端はその曲率が極めて小さいので、相対移動部材との接触点での接触圧が高くなり、相対移動部材の接触面を傷つけてしまうおそれもある。
【0007】
したがって、本発明では、円環型の振動子と相対移動部材との取付誤差が生じても振動子に生じている振動エネルギーを効率よく相対移動部材に伝達できる振動アクチュエータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明では、一方の方向から見たときの外形形状が円形またはほぼ円形である立体形状の振動子と、前記振動子の振動エネルギーが前記振動子の周縁面で伝達され、前記振動子に対して相対的に移動する相対移動部材と、前記振動子と前記相対移動部材との間に設けられ、前記相対移動部材と接する側が凸曲面形状である摺動部材と、前記振動子の円形またはほぼ円形である前記外形形状を囲む面に沿って移動可能に設けられ、前記振動子の前記外形形状の中心部分を支持する可動部材と、前記可動部材と嵌合する面を有するガイド部材と、前記外形形状を囲む面に沿って設けられ、一端側が前記ガイド部材と接し他端側が前記可動部材と接して前記可動部材に付勢することにより、前記摺動部材を前記相対移動部材に付勢する付勢部材とを備えたこととした。この様に、摺動部材も凸曲面形状にすることで、振動子に取付誤差が生じたとしても、摺動部材と相対移動部材との接触状態はさほど変わらず、接触状態の変化を小さくすることができる。
【0009】
また、更に本発明では、振動子が放射方向に伸縮する径方向対称伸び振動モードと、同一面内で非軸対称に屈曲する非軸対称面内振動モードとを同時に発生する振動子であることとした。この様に2つの異なる振動モードを同時に発生することで、摺動部材が取り付けられた部分に楕円運動が形成される。この楕円運動の一部を相対移動部材に摺動部材を介して伝達することで、振動子の厚さが薄くかつ推力の大きなアクチュエータを得ることができる。
【0010】
また、更に本発明では、相対部材の移動方向から見たときの摺動部材の相対移動部材との接触面の輪郭が、凸の曲線で形成された輪郭であることとした。この様にすることで、図5(b)に示した面内とは直交した面内における取付誤差が生じても、摺動部材と相対移動部材との接触状態がさほど変わらず、接触状態の変化を小さくすることができる。
【0011】
また、更に本発明では、摺動部材をセラミックスからなることとした。この様にセラミックスを用いることで、摺動部材の耐摩耗性を向上させることができ、駆動時間により変化する摺動部材の形状変化を小さくすることができる。したがって、駆動後に何らかの影響で振動子と相対移動部材との取付角度に変化が生じたとしても、摺動部材はほぼ振動子の外形形状と同じ円形(円弧形状)を有しているので、接触状態の変化が小さく、取付角度の変化による駆動能力の低下をぐことができる。
【0012】
また、更に本発明では、摺動部材を、金属又は樹脂材料から形成することとした。この様に金属や樹脂材料を摺動部材として用いれば、この様な摺動部材は変形しやすいので、振動子に取り付ける前に高い精度で摺動部材を振動子と同じ円弧形状にしなくてもよく、振動子の周縁面にならしながら、摺動部材を取り付けることで、摺動部材の摺動面を凸曲面形状にすることができる。この様に摺動部材の加工取付が非常に容易になる。
【0013】
次に、本発明の実施の形態を用いて本発明を更に詳しく説明するものとする。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態おける振動アクチュエータの概略構成図を図1に示す。本第1の実施の形態における振動アクチュエータは、振動子1の中心軸を支持体4に固定し、バネ46によって、振動子1を摺動部材2を介して相対移動部材3に付勢した構成を有している。そして、振動子1の電極12a、12bと図1で示した面とは反対側の面にある図示されていない電極との間で、それぞれ交流電圧を印加して、振動子1を励振させることで、相対移動部材3と振動子1とを相対的に移動することができる。
【0015】
ところで、振動子1は、図2に示す構成を有している。図2は、径方向対称伸び振動モードと非軸対称面内振動モードとを利用した振動アクチュエータの振動子1を示す図である。
振動子1は、圧電素子11と、電極12および摺動部材2とを備えている。圧電素子11は、PZTなどの圧電材料を、一部を除いてほぼドーナツ形状に成形し、全面を板厚方向に分極したものである。そして、ドーナツ形状を有していない一部分については、摺動部材2を備えていて、圧電素子11と摺動部材2とを組み合わせた時にドーナツ形状を有するようになっている。
【0016】
この振動子1の形状は、径方向対称伸び振動モード(R、1)と非軸対称面内振動モード((1,1))との共振周波数がほぼ等しくなるように設計、製造されている。
圧電素子11は、表面には、図2(A)に示すように扇形の第1、第2電極12a、12bが形成されており、裏面には、図2(B)に示すようにほぼ全面に第3の電極12cが形成されている。
【0017】
振動子1は、図示されていない発振器、移相器、増幅器等を含む駆動電圧発生回路によって、第1の電極12aには、第1の交流電圧が印加される。また、第2の電極12bには、第1の交流電圧とは電気的に位相が(π/2)だけ異なる第2の交流電圧が印加される。裏面の第3の電極12cは、GND電位に接続される。
【0018】
この振動子1は、交流電圧の周波数を2つの振動モードの共振周波数に近づけることによって、2つのモードで共振し、径方向対称伸び振動と、非軸対称面内振動とが同時に発生する。
径方向対称伸び振動(R,1)は、図2(C)に示すように、A点を節とした放射方向(径方向)に対称な伸縮振動であり、伸びた場合の振動子1の形状を点線で示している。C1,C2点では、径方向の成分Urの変位が現れる。
【0019】
また、非軸対称面内振動((1,1))は、図2(D)に示すように、B1,B2点を節として、破線で示すように、同一面内で潰れる(ひしゃげる)ような歪みを発生させて、左右に繰り返す屈曲振動であり、円周上のC1,C2点では、矢印方向の変位成分Uθをもつ。
そして、振動子1は、C1,C2点(駆動力取出部)の位置に、2つの振動が合成された変位として、図2(A)に示すような楕円運動が発生する。この楕円運動のうちUθの変位成分を利用して、相対移動部材3を振動子1に対して相対的に移動することができる。
【0020】
ところで、振動子1の固定には、図1に示した支持体4を用いている。この支持体4の詳細な構成は、図3に示した。図3(A)は振動アクチュエータの支持体4を表す上面図であり、図3(B)はその支持体4の前面図である。それぞれの図は、振動アクチュエータ1を取りはずした時の形状を示している。
ところで、図1に示すように振動子1はネジ5により、図3に示した支柱41に軸支されている。そして、振動子1は、可動ブロック42に設けられた台座43の上に載置され、振動子1の厚さよりやや低い高さを有し、かつ振動子1の内径とほぼ同じ径とを有する支柱部41にネジ5で固定されている。ネジ5はフランジ6を介して振動子1を内径上部円周部で固定しているため、ガタの発生がなく、かつ振動を阻害せずに振動子1を固定することができる。
【0021】
図3(B)に図示されているように、可動ブロック42はベース44上に設置されている。そして、可動ブロック42とベース44は、振動子1の非軸対称面内振動モードの振動面と直交する方向に積層されている。
また、図3(A)を参照して説明すると、可動ブロック42は、嵌合面45a,45bおよび嵌合面45c,45dの両面で決められる所定の方向に沿って移動可能に設けられている。そして、バネ46は一端をガイド45に固定し、他端を可動ブロック42に押しつけているため、可動ブロック42に固定された振動子1は、バネ46の付勢力によって相対移動部材3へ付勢されている。このため、振動子1に設けられた摺動部材2と相対移動部材3が付勢力を与えられながら接触するため、振動子1を励振することによって発生する運動エネルギーを効率よく相対移動部材3に伝えることができる。
【0022】
また、バネ46の伸縮方向が、嵌合面45a,45bおよび嵌合面45c,45dの両面とほぼ平行に設置されているため、片当たりせずに滑らかに付勢することができる。さらに、バネ46は駆動点(摺動部材2と相対移動部材3の接点)に近い位置で付勢しているので、付勢方向がずれた場合も損失を低く押さえることができる。つまり、バネ46の付勢力にバラツキがあっても影響を受け難くなっている。
【0023】
ところで、相対移動部材3は、ベース44から突起した形状を有するリニアガイド7によって、ベース44の上面とリニアガイド7のガイド面に沿って移動自在に支持されている。
本第1の実施の形態では、バネ46は振動子1の振動する面内とは異なる位置に設けたが振動する面と同一面内に設けることもできる。
【0024】
この様に固定された振動子1と移動可能に支持された相対移動部材3は、振動子1に設けられた第1,第2の電極12a,12bに、位相の異なる第1,第2の交流電圧が印加されると、摺動部材2を設けた位置で楕円運動が発生する。このとき、相対移動部材3は、摺動部材2に加圧接触しているので、摺動部材2の摺動面と相対移動部材3との間には、相対移動部材3の移動方向に摩擦力が発生し、相対移動部材3の直進駆動力を得ることができる。
【0025】
なお、振動子1に設けられた電極12a、12bに印加する第1,第2の交流電圧の位相差を、π/2から−π/2に変更すると、直進方向を反転させることができる。また、駆動周波数を振動子の共振周波数に近づけたり、遠ざけたりすることによって、直進動作の速度の増減をすることができる。この速度の増減は、交流電圧の電圧を増減することによっても可能である。
【0026】
ところで、本発明の第1の実施の形態に用いた振動子1に取り付けられた摺動部材2は、その摺動面が相対移動部材3に対して凸曲面形状になるようにした。特に第1の実施の形態では図1に示すように、振動子1が振動する面に対して垂直な方向から見たときに、摺動部材2の形状の一部が円弧形状となるようにしている。
【0027】
この様に摺動部材2を凸型の曲面形状にすることで、振動子1の取付角度に誤差が生じたとしても、理想的な取付角度で取り付けられている状態と同じ程度の摺動部材2と相対移動部材3との接触状態が得られる。
このことを図4を用いて説明する。図4は、振動子1と相対移動部材3のみを図示し、振動子1と相対移動部材3とが理想的な取付角度で取り付けられた場合の状態を図4(A)に示し、振動子1と相対移動部材3との間における取り付け角度に誤差が生じた場合の状態を図4(B)に示した。図4(A)と図4(B)とを見比べてみるとわかるように、相対移動部材3と摺動部材2との接触状態はほぼ変わらないことがわかる。
【0028】
したがって、取付誤差による振動アクチュエータの駆動性能の低下は従来の形状の摺動部材を用いた場合よりも大きくならない。また、摺動部材2のエッジ部も相対移動部材3に接触することがないので、摺動部材2のエッジ部に存在するバリの影響も相対移動部材3に与えることはない。
ところで、摺動部材2に適用する材料としては、本第1の実施の形態では、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)からなるセラミックスを使用した。また、相対移動部材3としては、直線の角棒の形状をしたアルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)からなるセラミックスを使用した。この様に摺動部材2をセラミックスにすることで耐摩耗性が向上でき、長時間、本振動アクチュエータを使用しても、摺動部材2の摩耗量は小さい。そのため、長時間使用後、振動子1の相対移動部材3に対する取付角度が変化してしまっても、摺動部材2と相対移動部材3との接触状態の変化は小さいので、本振動アクチュエータの駆動性能の低下を極力抑えることができる。
【0029】
なお、本第1の実施の形態では、圧電素子11を構成する部分と摺動部材2を構成する部分とを一体的して、図1に示すドーナツ形状を有する振動子1を用いている。このような振動子1を形成する方法としては、次の様な行程で製造することができる。
まず、最初に、PZTなどの圧電材料の原料をドーナツ形状を有する金型に封入し、かつ摺動部材2を形成する部分に摺動部材2を構成するセラミック材料の原料を封入する。そして、金型に封入されたPZTなどの圧電材料と、摺動部材2を構成するセラミックス材料を一緒に焼結することで、圧電素子11を構成する部分と摺動部材2を構成する部分とを一括に製造したドーナツ形状を有する振動子1を得ることができる。
【0030】
ところで、本第1の実施の形態である振動アクチュエータのように、摺動部材2の摺動面の形状が、振動子1が振動する面に対して垂直な方向から見て、円弧形状を有しているだけでもその効果が十分期待できるが、更に、相対移動部材の移動方向から見て、その摺動部材2の摺動面が凸曲面形状を有していても良い。特に、振動子1の取付角度が振動方向に対して垂直な方向に誤差が生じる場合、更にその特有の効果が期待できる。
【0031】
このことを図5を用いて説明する。図5は、振動子1に設けられた摺動部材2と相対移動部材3とが接触する部分を、図1から眺めた方向に対して、垂直な方向から拡大して見たときの図であり、図5(a)は、上述の方向から眺めた場合に、摺動部材2の摺動面が直線的である摺動部材2を用いた場合を示した図であり、図5(b)は、上述の方向から眺めた場合に、摺動部材2の摺動面が相対移動部材3に対して凸の曲面を有する摺動部材2を用いた場合を示した図である。
【0032】
例えば、振動子1の振動方向に対して、垂直な方向に取付角度に誤差が生じてしまう場合、摺動部材2の摺動面が図5(a)に示すように直線的であると、摺動部材2の角が相対移動部材3に接触してしまう。そうなると、前述のように、摺動部材2のエッジ部先端では曲率半径が極めて小さいので、相対移動部材3との接触圧が高くなり、相対移動部材3を傷つけやすくなる。また、摺動部材2のエッジ部に存在するバリなどが介在して、相対移動部材3に十分な運動エネルギーが伝達できずに駆動性能が悪くなるおそれがある。
【0033】
しかし、図5(b)に示すように振動子1の振動方向に垂直な方向において、摺動部材2の面が凸の曲面を有する場合には、例えば、取付角度に誤差が生じたとしても、摺動部材2と相対移動部材3との接触状態の変化を小さくできる。したがって、取付誤差による振動アクチュエータの性能の低下を極力低減することができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
次に、図6を用いて第2の実施の形態における振動アクチュエータについて説明する。
なお、第1の実施の形態における振動アクチュエータと同じ構成を有する部分についてのその説明は省略する。
【0035】
ところで、第2の実施の形態における振動アクチュエータは、圧電素子11’の形状が完全なドーナツ形状を有している点と摺動部材が異なるだけである。第2の実施の形態に用いた摺動部材21は、図6に示した。図6(a)は、圧電素子11’の側面に摺動部材21を接着する前の状態を示したものであり、図6(b)は、圧電素子11’の側面に摺動部材21を接着した後の形態を示したものである。この摺動部材21は、変形可能な金属板又は樹脂シートからなる。この金属板又は樹脂シートは均一な厚さを有し、圧電素子11’に接着する際に、振動子1の側面形状と同じ曲率を有するように変形させる。なお、本第2の実施の形態で用いた摺動部材21は、振動子1の外形を10mmとし、厚さ30μmから100μmのりん青銅板を用いた。また、他にも同形状の圧電素子11’に厚さ200μmの炭素繊維を含有したPEEK樹脂シートを用いた。どちらも優れた駆動性能が得られた。
【0036】
また、本第2の実施の形態でも、摺動部材21が曲面を有しているため、移動子に対して取り付け角度誤差が生じていても、振動アクチュエータの性能の低下を小さく抑えることができた。
ところで、本第1の実施の形態でも第2の実施の形態でも同様に言えることだが、多くの振動アクチュエータを用いる製品に対して、使用する振動アクチュエータの駆動性能を揃えなければならないような場合、それぞれの振動子1を支持体4に固定する際に、取付位置にバラツキが生じてしまう。しかし、本発明を用いれば、取付角度にバラツキが生じていても駆動性能のバラツキが小さくできる。希望通りの振動アクチュエータを用いた製品を提供することができる。更に、本発明を用いれば、取付誤差の許容範囲を大きくできるので、振動アクチュエータ製造における歩留まりを向上することができる。
【0037】
ところで、本発明は、上述の各実施の形態に説明したものだけに限られない。例えば、相対移動部材として、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si34)、炭化珪素(SiC)を用いたが、これだけに限られない。他にも、相対移動部材の摺動部材が接触する表面が、摺動部材に用いた材料よりも高い硬度を有していれば良い。その例としては、熱処理して硬度をあげたマルテンサイト系ステンレス、又はS45CやSK3等の鉄鋼材料に無電解ニッケルりんめっき処理を施したものを使用しても構わない。なお、無電解ニッケルりんめっき処理を施したものに更に熱処理をして硬度を上げると更に好ましい。また、摺動部材に樹脂を用いる場合は、更に相対移動部材の摺動面に使用可能な材料が増え、SUS304等のオーステナイト系ステンレス又はアルマイト処理をしたアルミニウムやりん青銅でも良い。
【0038】
また、振動子1においても、本発明の実施の形態で用いた径方向対称伸び振動モードと非軸対称面内振動モードとを利用した振動アクチュエータだけに限られず、振動子の側面形状が曲面を有し、その側面に相対移動部材を接触させて、推力を取り出す振動アクチュエータであれば良い。例えば、円柱状の振動子を有したものでも良い。また、更に同じモードでも構造の異なる振動アクチュエータにも適用できることは言うまでもない。たとえば、ドーナツ形状を有する中間電極の両面にドーナツ形状を有する圧電素子が固定され、更に圧電素子の中間電極が接触していない面に2分割の電極を設けた振動子であっても構わない。
【0039】
【発明の効果】
上述の様に、本発明では、摺動部材を円弧形状にすることにより、振動子または相対移動部材との取付誤差による性能低下を低減でき、かつ相対移動部材に取付誤差が生じることによる悪影響を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明の第1の実施の形態における振動アクチュエータの概略構成図である。
【図2】:本発明の第1の実施の形態における振動子1の概略構成と振動状態を示した図である。
【図3】:本発明の第1の実施の形態における支持部4の概略構成図である。
【図4】:本発明の第1の実施の形態における振動アクチュエータの特徴を示す図である。
【図5】:本発明の第1の実施の形態における振動アクチュエータの摺動部材2と相対移動部材3の接触部分を、相対移動部材3の移動方向から眺めたときの状態図である。
【図6】:本発明の第2の実施の形態における振動アクチュエータの振動子1の概略構成を示す図である。
【図7】:従来の振動アクチュエータの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1・・・振動子
11、11’・・・圧電素子
12・・・電極
2、21・・・摺動部材
3・・・相対移動部材
4・・・支持体
41・・・支柱
42・・・可動ブロック42
43・・・台座
44・・・ベース
45・・・ガイド
46・・・バネ
5・・・ネジ
6・・・フランジ
7・・・リニアガイド

Claims (6)

  1. 一方の方向から見たときの外形形状が円形またはほぼ円形である立体形状の振動子と、
    前記振動子の振動エネルギーが前記振動子の周縁面で伝達され、前記振動子に対して相対的に移動する相対移動部材と、
    前記振動子と前記相対移動部材との間に設けられ、前記相対移動部材と接する側が凸曲面形状である摺動部材と、
    前記振動子の円形またはほぼ円形である前記外形形状を囲む面に沿って移動可能に設けられ、前記振動子の前記外形形状の中心部分を支持する可動部材と、
    前記可動部材と嵌合する面を有するガイド部材と、
    前記外形形状を囲む面に沿って設けられ、一端側が前記ガイド部材と接し他端側が前記可動部材と接して前記可動部材に付勢することにより、前記摺動部材を前記相対移動部材に付勢する付勢部材と
    を備えたことを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 前記振動子は、放射方向に伸縮する径方向対称伸び振動モードと、同一面内で非軸対称に屈曲する非軸対称面内振動モードとを同時に発生する振動子であることを特徴とする請求項1に記載の振動アクチュエータ。
  3. 前記相対移動部材の移動方向から見たときの前記摺動部材の前記相対移動部材との接触面の輪郭は、凸の曲線であることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動アクチュエータ。
  4. 前記摺動部材は、セラミックスからなることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の振動アクチュエータ。
  5. 前記摺動部材は、金属からなることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の振動アクチュエータ。
  6. 前記摺動部材は、樹脂材料からなることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の振動アクチュエータ。
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