JP4478889B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の摩擦損失トルクと要求軸トルクとに基づいて最終的な要求トルクを算出する内燃機関の制御装置に関するものである。
車両に搭載される内燃機関のトルク制御システムにおいては、運転者のアクセル操作量等に基づいて要求軸トルク(クランク軸から取り出されるトルクの要求値)を算出し、この要求軸トルクに摩擦損失トルク等を加算して最終的な要求トルク(燃焼によって発生するトルクの要求値)を求め、この要求トルクを実現するようにスロットル開度等を制御することで、運転者の要求する軸トルクを実現するようにしたものがある。
一般に、内燃機関の始動直後の冷間時には、潤滑油(エンジンオイル)の温度が低温で潤滑油の粘度が高くなっているため、摩擦損失トルクが大きくなるが、その後、内燃機関の暖機が進んで潤滑油の温度が上昇するに従って潤滑油の粘度が低下して摩擦損失トルクが小さくなっていく。
そこで、特許文献1(特開平2−291463号公報)に記載されているように、冷却水温と始動後の経過時間とに基づいて内燃機関の暖機状態を推定し、この暖機状態に応じて要求トルク(目標エンジントルク)を補正するようにしたものがある。
特開平2−291463号公報(第1頁等)
ところで、内燃機関の停止中は、各部の潤滑油が徐々にオイルパンへ流れ落ちるため、内燃機関を長時間停止した後に始動した場合には、潤滑油が各部に十分に行き渡っておらず、摩擦損失トルクが大きくなるが、内燃機関の停止後直ぐに再始動した場合には、まだ潤滑油が各部に残っているため、摩擦損失トルクが小さくなる。また、内燃機関の始動後は、内燃機関の回転に伴って潤滑油が各部に行き渡るのに従って摩擦損失トルクが小さくなっていく。
つまり、内燃機関の摩擦損失トルクは、潤滑油の粘度だけでなく、潤滑油の回り具合(行き渡り具合)によっても変化するため、内燃機関の暖機状態(冷却水温や油温)が同じで潤滑油の粘度が同じでも、そのときの潤滑油の回り具合の違いによって摩擦損失トルクが異なってくる。
しかし、上記特許文献1の技術では、内燃機関の潤滑油の回り具合の違いによる摩擦損失トルクの変化が全く考慮されていないため、摩擦損失トルクの影響が大きい始動直後の冷間時(暖機前)に要求トルクを精度良く算出できないという欠点があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、摩擦損失トルクを精度良く算出することができて、要求トルクの算出精度を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の潤滑油の回り具合及び粘度の情報に基づいて内燃機関の摩擦損失トルクを算出する摩擦損失トルク算出手段と、要求軸トルクを算出する要求軸トルク算出手段とを備え、内燃機関の摩擦損失トルクと要求軸トルクとに基づいて最終的な要求トルクを算出する内燃機関の制御装置において、内燃機関の潤滑油の回り具合及び粘度の情報として、内燃機関の始動前の停止期間の情報と前記潤滑油の温度の情報と前記始動後の動作期間の情報とを用い、前記始動前の停止期間の情報と吸気温とに基づいて始動時補正値を算出して前記潤滑油の温度の情報を前記始動時補正値で補正して補正後の潤滑油の温度の情報を求める第1の算出手段と、補正後の潤滑油の温度の情報が高温の情報になるほど前記摩擦損失トルクが小さくなるように、且つ、前記始動後の動作期間の情報が長い期間の情報になるほど前記摩擦損失トルクが小さくなるように、前記摩擦損失トルクを算出する第2の算出手段とを有することを特徴とするものである。このようにすれば、潤滑油の回り具合(行き渡り具合)の違いによる摩擦損失トルクの変化と潤滑油の粘度の違いによる摩擦損失トルクの変化との両方を考慮に入れて摩擦損失トルクを算出することができるため、摩擦損失トルクを精度良く算出することができ、要求トルクの算出精度を向上させることができる。
この場合、潤滑油の回り具合及び粘度の情報として、内燃機関の始動前の停止期間の情報と内燃機関の潤滑油の温度の情報と始動後の動作期間の情報とを用いるようにすると良い。潤滑油の温度に応じて潤滑油の粘度が変化するため、潤滑油の温度の情報は、潤滑油の粘度を精度良く反映した情報となる。また、始動後の動作期間が長くなるほど潤滑油が各部に行き渡って潤滑油の回り具合が良くなるため、始動後の動作期間の情報は、潤滑油の回り具合を精度良く反映した情報となる。
また、始動前の停止期間が長くなるほど各部の潤滑油が流れ落ちて始動時の潤滑油の回り具合が悪くなるため、始動前の停止期間の情報は、始動時の潤滑油の回り具合を精度良く反映した情報となる。従って、請求項のように、潤滑油の温度の情報と始動後の動作期間の情報に加えて、更に始動前の停止期間の情報を用いるようにすれば、始動時の潤滑油の回り具合も考慮に入れて摩擦損失トルクを更に精度良く算出することができる。
この場合、摩擦損失トルクの具体的な算出方法としては、請求項のように、始動前の停止期間の情報と吸気温とに基づいて始動時補正値を算出して潤滑油の温度の情報を前記始動時補正値で補正して補正後の潤滑油の温度の情報を求め、補正後の潤滑油の温度の情報が高温の情報になるほど摩擦損失トルクが小さくなるように、且つ、始動後の動作期間の情報が長い期間の情報になるほど摩擦損失トルクが小さくなるように、摩擦損失トルクを算出すれば良い。このようにすれば、潤滑油の回り具合及び粘度を反映した情報(始動前の停止期間の情報、潤滑油の温度の情報、始動後の動作期間の情報)に基づいて摩擦損失トルクを算出することができる。
また、請求項のように、始動前の停止期間の情報として、前回の停止から今回の始動までの停止時間を用いるようにしても良いが、請求項のように、始動前の停止期間の情報として、前回の停止時の冷却水温と今回の始動時の冷却水温との差(つまり停止中の水温変化量)を用いるようにしても良い。始動前の停止期間が短くなるほど停止中の水温変化量が小さくなるからである。
また、始動後の動作期間の情報として始動後の経過時間を用いるようにしても良いが、請求項のように、始動後の動作期間の情報として始動後の積算回転数を用いるようにしても良い。始動後の経過時間が同じでも、始動後の積算回転数が多くなるほど潤滑油が各部に行き渡って潤滑油の回り具合が良くなるため、始動後の積算回転数は、始動後の経過時間よりも潤滑油の回り具合を精度良く反映した情報となる。
また、請求項のように、潤滑油の温度の情報として冷却水温を用いるようにしても良い。内燃機関の温度に応じて潤滑油の温度と冷却水温が変化するため、冷却水温は、潤滑油の温度の情報となる。しかも、潤滑油の温度を検出する油温センサを新たに設ける必要がなく、低コスト化の要求も満たすことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を2つの実施例1,2を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図10に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、エンジン11のクランク軸27が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ28が取り付けられている。このクランク角センサ28の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。更に、アクセルセンサ30によってアクセル操作量(アクセルペダルの踏込量)が検出され、吸気温センサ31によって吸気温が検出される。
これら各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)29に入力される。このECU29は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
また、ECU29は、後述する図3及び図4のトルク制御用の各ルーチンを実行することで、次のようにしてトルク制御を実行する。図2に示すように、まず、要求軸トルク算出手段32で、アクセル操作量とエンジン回転速度とに応じた要求軸トルクをマップ(図5参照)又は数式等により算出する。この要求軸トルクは、運転者が要求するエンジン11の軸トルクであり、軸トルクは、クランク軸27から取り出される正味トルク、つまり、エンジン11の図示トルク(燃焼によって発生するトルク)から摩擦損失トルク等を差し引いたトルクである。
更に、摩擦損失トルク算出手段33で、冷却水温、エンジン回転速度、吸気温等に基づいて摩擦損失トルクを次のようにして算出する。まず、エンジン始動時の潤滑油(エンジンオイル)の温度の情報として、エンジン始動時の冷却水温を検出する。エンジン11の温度に応じて潤滑油の温度と冷却水温が変化するため、冷却水温は、潤滑油の温度の情報となり、潤滑油の温度に応じて潤滑油の粘度が変化するため、冷却水温(潤滑油の温度の情報)は、潤滑油の粘度を精度良く反映した情報となる。
また、エンジン始動前の停止期間の情報として、前回のエンジン停止時の冷却水温と今回のエンジン始動時の冷却水温との差(つまりエンジン停止中の水温変化量)を算出する。エンジン始動前の停止期間が短くなるほどエンジン停止中の水温変化量が小さくなるため、エンジン停止中の水温変化量は、エンジン始動前の停止期間の情報となり、エンジン始動前の停止期間が長くなるほど各部の潤滑油が流れ落ちて始動時の潤滑油の回り具合が悪くなるため、エンジン停止中の水温変化量(エンジン始動前の停止期間の情報)は、始動時の潤滑油の回り具合を精度良く反映した情報となる。
更に、エンジン始動後の動作期間の情報として、エンジン始動から現在までのエンジン回転数を積算した積算エンジン回転数を求める。エンジン始動後の積算エンジン回転数が多くなるほど潤滑油が各部に行き渡って潤滑油の回り具合が良くなるため、エンジン始動後の積算エンジン回転数(エンジン始動後の動作期間の情報)は、潤滑油の回り具合を精度良く反映した情報となる。
この後、エンジン停止中の水温変化量とエンジン始動時の吸気温(外気温の情報)とに応じた始動時水温補正値をマップ(図8参照)又は数式等により算出し、この始動時水温補正値をエンジン始動時の冷却水温に加算してエンジン始動時の冷却水温を補正する。この補正後のエンジン始動時の冷却水温と積算エンジン回転数とに応じた摩擦損失トルクを図9のマップ又は数式等により算出する。
以上のようにして、潤滑油の回り具合及び粘度を反映した情報(エンジン停止中の水温変化量、冷却水温、積算エンジン回転数)に基づいて摩擦損失トルクを算出することで、潤滑油の回り具合の違いによる摩擦損失トルクの変化と潤滑油の粘度の違いによる摩擦損失トルクの変化との両方を考慮に入れて摩擦損失トルクを算出する。
この後、図2に示すように、要求トルク算出手段34で、要求軸トルクに摩擦損失トルクを加算して最終的な要求トルクを求める。この要求トルクは、エンジン11の図示トルクの要求値であり、図示トルクは、エンジン11の燃焼によって発生するトルクである。尚、要求軸トルクに摩擦損失トルクを加算すると共に、ポンピング損失トルクや外部損失トルク(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、パワーステアリングのポンプ等の負荷トルク)を加算して最終的な要求トルクを求めるようにしても良い。
この後、要求Gn算出手段35で、要求トルクとエンジン回転速度とに応じた要求Gn(1回転当りの要求空気量)を図6のマップ又は数式等により算出した後、要求空気量算出手段36で、要求Gnとエンジン回転速度とに基づいて単位時間当りの要求空気量(例えば1秒当りの要求空気量)を算出する。この後、要求スロットル開度算出手段37で、要求空気量とエンジン回転速度とに応じた要求スロットル開度を図7のマップ又は数式等により算出する。
そして、スロットル開度センサ17で検出した実スロットル開度を要求スロットル開度に一致させるようにスロットルバルブ16のモータ15を制御することで、運転者の要求する要求軸トルクを実現する。
以上説明した本実施例1のトルク制御は、ECU29によって図3及び図4に示すトルク制御用の各ルーチンに従って実行される。以下、これらの各ルーチンの処理内容を説明する。
[トルク制御ルーチン]
図3に示すトルク制御ルーチンは、ECU29の電源オン中に所定周期(例えば8ms周期)で実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、図5に示す要求軸トルクのマップを参照して、現在のアクセル操作量とエンジン回転速度とに応じた要求軸トルクを算出する。この要求軸トルクのマップは、エンジン11の暖機後の出力特性に基づいて設定されている。
この後、ステップ102に進み、後述する図4の摩擦損失トルク算出ルーチンを実行して、摩擦損失トルクを算出した後、ステップ103に進み、要求軸トルクに摩擦損失トルクを加算して最終的な要求トルクを求める。
この後、ステップ104に進み、図6に示す要求Gnのマップを参照して、要求トルクとエンジン回転速度とに応じた要求Gn(1回転当りの要求空気量)を算出し、この要求Gnとエンジン回転速度とに基づいて単位時間当りの要求空気量(例えば1秒当りの要求空気量)を算出する。
この後、ステップ105に進み、図7に示す要求スロットル開度のマップを参照して、要求空気量とエンジン回転速度とに応じた要求スロットル開度を算出する。
[摩擦損失トルク算出ルーチン]
図4に示す摩擦損失トルク算出ルーチンは、前記図3のトルク制御ルーチンのステップ102で実行されるサブルーチンであり、特許請求の範囲でいう摩擦損失トルク算出手段、第1の算出手段及び第2の算出手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、前回のエンジン停止時に冷却水温センサ26で検出したエンジン停止時の冷却水温を読み込む。このエンジン停止時の冷却水温は、前回のエンジン停止時にバックアップRAM等の不揮発性メモリに記憶したものである。
この後、ステップ202に進み、今回のエンジン始動時に冷却水温センサ26で検出したエンジン始動時の冷却水温を読み込んだ後、ステップ203に進み、クランク角センサ28の出力信号に基づいて今回のエンジン始動から現在までのエンジン回転数を積算した積算エンジン回転数を求める。
この後、ステップ204に進み、前回のエンジン停止時の冷却水温と今回のエンジン始動時の冷却水温との差を算出することでエンジン停止中の水温変化量を求めた後、ステップ205に進み、今回のエンジン始動時に吸気温センサ31で検出したエンジン始動時の吸気温を読み込む。このエンジン始動時の吸気温は、外気温の情報となる。
この後、ステップ206に進み、図8に示す始動時水温補正値のマップを参照して、エンジン停止中の水温変化量とエンジン始動時の吸気温とに応じた始動時水温補正値を算出する。この始動時水温補正値のマップは、エンジン停止中の水温変化量が大きくなるほど(つまりエンジン始動前の停止時間が長くなって始動時の潤滑油の回り具合が悪くなるほど)、始動時水温補正値が小さくなって摩擦損失トルクが大きくなるように設定されている。また、エンジン停止中の水温変化量が同じでもエンジン始動時の吸気温が高い(つまり外気温が高い)場合の方がエンジン始動前の停止時間が長いと判断できるため、始動時水温補正値のマップは、エンジン始動時の吸気温が高くなるほど(つまりエンジン始動前の停止時間が長くなって始動時の潤滑油の回り具合が悪くなるほど)、始動時水温補正値が小さくなって摩擦損失トルクが大きくなるように設定されている。
尚、エンジン始動時の吸気温に代えて外気温を用いて、エンジン停止中の水温変化量と外気温とに応じた始動時水温補正値を算出するようにしても良い。
この後、ステップ207に進み、エンジン始動時の冷却水温に始動時水温補正値を加算してエンジン始動時の冷却水温を補正した後、ステップ208に進み、図9に示す摩擦損失トルクのマップを参照して、補正後のエンジン始動時の冷却水温と積算エンジン回転数とに応じた摩擦損失トルクを算出する。この摩擦損失トルクのマップは、補正後のエンジン始動時の冷却水温が高くなるほど(つまり始動時の潤滑油の粘度が低くなるほど)、摩擦損失トルクが低くなり、積算エンジン回転数が多くなるほど(つまり潤滑油の回り具合が良くなるほど)、摩擦損失トルクが低くなるように設定されている。
以上説明した本実施例1では、潤滑油の回り具合及び粘度を反映した情報(エンジン停止中の水温変化量、冷却水温、積算エンジン回転数)に基づいて摩擦損失トルクを算出するようにしたので、潤滑油の回り具合の違いによる摩擦損失トルクの変化と潤滑油の粘度の違いによる摩擦損失トルクの変化との両方を考慮に入れて摩擦損失トルクを算出することができる。これにより、図10に示すように、摩擦損失トルクの影響が大きい始動直後の冷間時(暖機前)でも、摩擦損失トルクを精度良く算出することができて、要求トルクを精度良く算出することができるため、エンジン11の軸トルクを運転者の要求する要求軸トルクに精度良く制御することができる。
例えば、自動停止・始動装置(いわゆるアイドリングストップ装置)を採用した車両では、市街地走行時等にエンジン11を停止して再始動する回数が多くなるため、再始動直後のトルク制御性を向上させることが重要な技術課題となっているが、本発明を適用することにより、潤滑油の回り具合等の変化による摩擦損失トルクの変化の影響をほとんど受けずに再始動直後のトルク制御精度を安定化させることができて、トルク制御性を確実に向上させることができる。
一般に、エンジン始動後の経過時間が同じでも、エンジン始動後の積算エンジン回転数が多くなるほど潤滑油が各部に行き渡って潤滑油の回り具合が良くなるため、エンジン始動後の積算エンジン回転数は、エンジン始動後の経過時間よりも潤滑油の回り具合を精度良く反映した情報となる。
この点に着目して、本実施例1では、エンジン始動後の動作期間の情報として、潤滑油の回り具合を精度良く反映したエンジン始動後の積算エンジン回転数を用いるようにしたので、摩擦損失トルクの算出精度を更に向上させることができる。
また、本実施例1では、潤滑油の温度の情報として冷却水温を用いるようにしたので、潤滑油の温度を検出する油温センサを新たに設ける必要がなく、低コスト化の要求も満たすことができる。
次に、図11及び図12を用いて本発明の実施例2を説明する。
前記実施例1では、エンジン始動前の停止期間の情報として、前回のエンジン停止時の冷却水温と今回のエンジン始動時の冷却水温との差(つまりエンジン停止中の水温変化量)を用いるようにしたが、本実施例2では、図11の摩擦損失トルク算出ルーチンを実行することで、エンジン始動前の停止期間の情報として、前回のエンジン停止から今回のエンジン始動までのエンジン停止時間を算出し、このエンジン停止時間とエンジン始動時の吸気温とに応じた始動時水温補正値をマップ(図12参照)又は数式等により算出するようにしている。
以下、図11に示す摩擦損失トルク算出ルーチンの処理内容を説明する。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、今回のエンジン始動時の冷却水温を読み込んだ後、ステップ302に進み、今回のエンジン始動から現在までのエンジン回転数を積算した積算エンジン回転数を求める。
この後、ステップ303に進み、前回のエンジン停止から今回のエンジン始動までのエンジン停止時間を算出した後、ステップ304に進み、今回のエンジン始動時の吸気温(外気温の情報)を読み込む。
この後、ステップ305に進み、図12に示す始動時水温補正値のマップを参照して、エンジン停止時間とエンジン始動時の吸気温とに応じた始動時水温補正値を算出する。この始動時水温補正値のマップは、エンジン停止時間が長くなるほど(つまり始動時の潤滑油の回り具合が悪くなるほど)、始動時水温補正値が小さくなって摩擦損失トルクが大きくなるように設定されている。尚、エンジン始動時の吸気温に代えて外気温を用いて、エンジン停止時間と外気温とに応じた始動時水温補正値を算出するようにしても良い。
この後、ステップ306に進み、エンジン始動時の冷却水温に始動時水温補正値を加算してエンジン始動時の冷却水温を補正した後、ステップ307に進み、図9に示す摩擦損失トルクのマップを参照して、補正後のエンジン始動時の冷却水温と積算エンジン回転数とに応じた摩擦損失トルクを算出する。
以上説明した本実施例2においても、潤滑油の回り具合及び粘度を反映した情報(エンジン停止時間、冷却水温、積算エンジン回転数)に基づいて摩擦損失トルクを算出するようにしたので、潤滑油の回り具合の違いによる摩擦損失トルクの変化と潤滑油の粘度の違いによる摩擦損失トルクの変化との両方を考慮に入れて摩擦損失トルクを精度良く算出することができ、前記請求項1と同じ効果を得ることができる。
尚、上記各実施例1,2では、潤滑油の温度の情報として、冷却水温を用いるようにしたが、油温センサで潤滑油の温度(油温)を直接検出するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、エンジン始動前の停止期間の情報として、エンジン停止中の水温変化量やエンジン停止時間を用いるようにしたが、エンジン始動前の停止期間の情報として、例えば、エンジン停止中の油温変化量等を用いるようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、エンジン始動後の動作期間の情報として、エンジン始動後の積算エンジン回転数を用いるようにしたが、エンジン始動後の動作期間の情報として、例えば、エンジン始動後の積算点火回数、エンジン始動後の積算燃料噴射回数、エンジン始動後の経過時間等を用いるようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、始動前の停止期間の情報と潤滑油の温度の情報と始動後の動作期間の情報とを用いて摩擦損失トルクを算出するようにしたが、始動前の停止期間の情報を用いずに、潤滑油の温度の情報と始動後の動作期間の情報とを用いて摩擦損失トルクを算出するようにしても良い。例えば、自動停止・始動装置(いわゆるアイドリングストップ装置)を搭載していない車両のように、エンジン停止後直ぐに再始動する機会が少ない場合には、エンジン停止時間が長くなってエンジン始動時の潤滑油の回り具合の差(ばらつき)が小さくなることが多いため、始動前の停止期間の情報を用いずに、潤滑油の温度の情報と始動後の動作期間の情報からでも摩擦損失トルクをある程度精度良く算出することができる。
また、上記各実施例1,2では、潤滑油の回り具合情報として、始動前の停止期間の情報や始動後の動作期間の情報を用いるようにしたが、潤滑油の回り具合情報として、オイルパン内に溜まった潤滑油の量や変化量を検出するようにしても良い。その他、潤滑油の粘度の情報として、オイルポンプから送り出される潤滑油の圧力(油圧)を検出するようにしても良い。
本発明の実施例1におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 トルク制御を説明するためのブロック図である。 トルク制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の摩擦損失トルク算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 要求軸トルクのマップの一例を概念的に示す図である。 要求Gnのマップの一例を概念的に示す図である。 要求スロットル開度のマップの一例を概念的に示す図である。 実施例1の始動時水温補正値のマップの一例を概念的に示す図である。 摩擦損失トルクのマップの一例を概念的に示す図である。 トルク制御の実行例を示すタイムチャートである。 実施例2の摩擦損失トルク算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の始動時水温補正値のマップの一例を概念的に示す図である。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、17…スロットル開度センサ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、26…冷却水温センサ、28…クランク角センサ、29…ECU、30…アクセルセンサ、31…吸気温センサ、32…要求軸トルク算出手段、33…摩擦損失トルク算出手段、34…要求トルク算出手段

Claims (5)

  1. 内燃機関の潤滑油の回り具合及び粘度の情報に基づいて内燃機関の摩擦損失トルクを算出する摩擦損失トルク算出手段と、要求軸トルクを算出する要求軸トルク算出手段とを備え、前記摩擦損失トルクと前記要求軸トルクとに基づいて最終的な要求トルクを算出する内燃機関の制御装置において、
    前記摩擦損失トルク算出手段は、前記潤滑油の回り具合及び粘度の情報として、内燃機関の始動前の停止期間の情報と前記潤滑油の温度の情報と前記始動後の動作期間の情報とを用い、前記始動前の停止期間の情報と吸気温とに基づいて始動時補正値を算出して前記潤滑油の温度の情報を前記始動時補正値で補正して補正後の潤滑油の温度の情報を求める第1の算出手段と、補正後の潤滑油の温度の情報が高温の情報になるほど前記摩擦損失トルクが小さくなるように、且つ、前記始動後の動作期間の情報が長い期間の情報になるほど前記摩擦損失トルクが小さくなるように、前記摩擦損失トルクを算出する第2の算出手段とを有することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記摩擦損失トルク算出手段は、前記始動前の停止期間の情報として前回の停止から今回の始動までの停止時間を用いることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記摩擦損失トルク算出手段は、前記始動前の停止期間の情報として前回の停止時の冷却水温と今回の始動時の冷却水温との差を用いることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記摩擦損失トルク算出手段は、前記始動後の動作期間の情報として始動後の積算回転数を用いることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記摩擦損失トルク算出手段は、前記潤滑油の温度の情報として冷却水温を用いることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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