JP4477737B2 - 床用化粧材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光線照射時と近紫外線照射時とで、意匠模様が異なり意匠表現性の優れた床用化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、文具、玩具、家電製品等の分野で、畜光性や蛍光性の製品は使用されており、商品に趣や機能を付与したものである。
また、床材用の建築物化粧材としては、非常時の表示用として、畜光性のインクや顔料を含有した合成樹脂よりなる矢印等の表示意匠を有したものは従来より広く知られている。このような商品は、例えば、特公平7−72395号に記載されているように、ビル等の室内において停電等で照明が消えた場合、暗闇の中でも一定時間、表示意匠部分が発光して、避難順路等がわかるようにしたものである。これらの化粧材の場合、表示意匠は、所定時間発光後に照明による畜光が消費されるに従い、表示意匠の発光は消滅してしまう。
【0003】
ところが、最近、カラオケルーム等の商業施設において、室内を暗くして、ブラックライト(近紫外線)を照射して、蛍光性の塗料や樹脂を使用したマイク等のカラオケ器具を発光させて、室内の雰囲気を変えること等が行われるようになっている。それにともない、壁材や床材等も同様な機能が要求されるようになりつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような要望を満足するために、なされたものであり、ブラックライト等の近紫外線照射により床用化粧材の意匠模様が異なり、さらにその効果に持続性があり、床用化粧材としての耐久性に優れた床用化粧材を提供することを課題とするものである。
また、蛍光体顔料は、他の顔料等にくらべ、価格的な面で、コスト上昇となるものである。意匠模様の発光輝度を低下させずに、コスト上昇を最小限にとした床用化粧材を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
繊維質基材上に合成樹脂層を有し、合成樹脂層上に、可視光線照射時と近紫外線照射時とで、異なる意匠模様が視認される印刷層を有する床用化粧材であって、前記繊維質基材上に合成樹脂層を塗布ゲル化した後に、可視光線発色着色剤を含有する有彩色インクにて第一の意匠模様が印刷され、次に近紫外線発色着色剤として、蛍光顔料及び蛍光増白剤を含有する透明又は半透明のインクにて第二の意匠模様が印刷された印刷層を有し、前記第二の意匠模様を構成するインクにおいては、透明又は半透明のインクの樹脂分100重量部に対して、前記蛍光顔料が3〜10重量部、蛍光増白剤が1〜5重量部添加されており、さらに印刷層上に透明合成樹脂層を有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
本発明に使用される繊維質基材とは、通常の床用化粧材として使用されるものであれば、如何なるものも使用することができる。たとえば、羊毛、綿等からなる天然繊維やポリエステル、ポリアミド等からなる合成樹脂繊維からなる編布、織布、不織布等が使用できる。繊維質基材の厚さとしては、化粧材の用途等によって適宜選択することができる。
【0010】
上記の繊維質基材上に形成される合成樹脂層に使用される合成樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂等が使用できる。
中でも、塩化ビニル系樹脂或いはオレフィン系樹脂が好ましい。
【0011】
塩化ビニル系樹脂として具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合樹脂、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、塩化ビニル−ウレタン共重合樹脂等から選ばれる樹脂、これらから選ばれる一種以上の樹脂の混合物、或いはこれらとアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等との混合物等が挙げられる。
また、オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−オクテン−1共重合樹脂等から選ばれる樹脂、或いはこれらから選ばれる一種以上の樹脂の混合物等が挙げられる。
【0012】
上記の合成樹脂には、必要に応じて、可塑剤、金属石鹸等の安定剤、有機又は無機充填剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、帯電防止剤、防カビ剤、着色剤、滑剤、酸化防止剤、難燃剤、導電化剤、ゲル化促進剤、発泡剤、加工助剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0013】
上記の合成樹脂及び必要に応じて添加される可塑剤等の各種添加剤からなる合成樹脂組成物は、カレンダー法、押出法、ペースト法等の公知の手段にて、繊維質基材上に塗布されて、合成樹脂層を形成し、加熱処理を行い、ゲル化した後に意匠模様を有する印刷層が形成される。
【0014】
印刷層は、少なくとも二種類の意匠模様を有しており、例えば二層の意匠模様を有する場合、最初に印刷される第一意匠模様は、可視光線発色着色剤を含有する有彩色インクの使用により構成され、可視光線照射時に本発明の化粧材表面に視認される意匠模様である。
次に印刷される第二意匠模様は、近紫外線発色着色剤として、蛍光顔料及び蛍光増白剤を含有する透明または半透明のインクを使用して構成され、近紫外線照射時に本発明の化粧材表面に視認される意匠模様である。
【0015】
ゲル化した合成樹脂層への意匠模様の印刷は、グラビア印刷法、ロータリスクリーン(RSP)印刷法、オフセット印刷法等の一般的に行われている印刷方法にて行われる。
【0016】
第一意匠模様に使用される可視光線発色着色剤を含有する有彩色インクは、床用化粧材等の意匠模様に使用されている一般的な溶剤系、水性系、合成樹脂ペースト系インク等が使用される。
【0017】
また、第二意匠模様に使用される近紫外線発色剤を含有する透明または半透明インクとは、メジウム等の透明インクに、亜鉛付活酸亜鉛(ZnO:Zn)、Sr5(PO43Cl:Eu、Y22S:Euなどの蛍光体顔料を添加したものが使用される。蛍光体顔料添加量は、発色輝度等により適宜決定されるが、通常の場合は、透明インクの樹脂分100重量部対して、10〜30重量部程度でよい。
必要に応じて、銅付活硫化亜鉛(ZnS:Cu)などの蓄光顔料、StAl24:Eu、Dyを主成分とするN夜光顔料、蛍光増白剤を併用的に使用しても良い。特に蛍光増白剤を蛍光顔料と併用することで、意匠模様に近紫外線発色効果を向上させることが可能となり、さらに蛍光顔料の使用量を削減することが可能となる。例えば、透明インクの樹脂分100重量部対して、蛍光増白剤を1〜5重量部添加することで、蛍光顔料の使用量を3〜10重量部使用する事で、蛍光顔料を10重量部以上使用ものと同様な近紫外線に対する発色輝度を得ることが可能となる。
【0018】
必要に応じて印刷層上に、保護層等のはたらきをする透明合成樹脂層を設けてもよい。この保護層は、印刷層上にロールコーター法等により所望の厚さにコーティングしても良いし、予めシート化したものを積層し、接着してもよい。使用される樹脂としては、繊維質基材上に形成される合成樹脂層に使用される合成樹脂と同じものが使用でき、例えば、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂等が使用できる。
【0019】
本発明の床用化粧材は、可視光線照射時と近紫外線照射時とで、視認される意匠模様の異なる二以上の意匠模様からなる印刷層を有するために、室内での照明を可視光線としたときと、近紫外線とした時とでは、趣の異なった雰囲気を醸し出すことが可能となる。さらに、蓄光顔料を使用したものと異なり、長時間にわたり同じ意匠を視認することが可能となる。
【0020】
また、蛍光増白剤を蛍光顔料に併用することで、蛍光顔料の使用量を削減することが可能となり、床用化粧材としてコストの上昇を削減することできる。
さらにまた、印刷層上に透明合成樹脂層を有するので、床用化粧材としての耐久性を向上させるだけでなく、印刷層自体の耐久性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の断面図
【符号の説明】
1:化粧用床材
2:基材層
3:合成樹脂層
4:第一意匠模様
5:第2意匠模様
6:印刷層
7:透明樹脂層

Claims (1)

  1. 繊維質基材上に合成樹脂層を有し、合成樹脂層上に、可視光線照射時と近紫外線照射時とで、異なる意匠模様が視認される印刷層を有する床用化粧材であって、前記繊維質基材上に合成樹脂層を塗布ゲル化した後に、可視光線発色着色剤を含有する有彩色インクにて第一の意匠模様が印刷され、次に近紫外線発色着色剤として、蛍光顔料及び蛍光増白剤を含有する透明又は半透明のインクにて第二の意匠模様が印刷された印刷層を有し、前記第二の意匠模様を構成するインクにおいては、透明又は半透明のインクの樹脂分100重量部に対して、前記蛍光顔料が3〜10重量部、蛍光増白剤が1〜5重量部添加されており、さらに印刷層上に透明合成樹脂層を有することを特徴とする床用化粧材。
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