JP4477172B2 - 可逆熱変色性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可逆熱変色性組成物に関する。詳細には、特定温度域で発色して蛍光性を有する黄色、黄橙色、橙色、赤橙色、赤色等の色調を呈し、加熱により消色して、無色に変化する可逆熱変色性組成物に関する。更に詳細には、前記発色状態から消色状態への転移が高感度に行なわれるよう構成した可逆熱変色性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特定温度域で黄色、黄橙色、橙色、赤橙色、赤色等の色調に発色し、加温により消色して無色に変化する可逆熱変色性組成物に関して、幾つかの提案を開示している(特開平7−186540号公報、特開平8−127768号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記提案は、発色状態から消色状態への転移が緩徐であり、使用形態によっては必ずしも変色の妙味を満足させていなかった。
本発明は、前記発色状態から消色状態への転移を高感度に行なわれるよう構成した、発色時に黄色、黄橙色、赤橙色、赤色等の色調を呈する可逆熱変色性組成物を提供し、玩具、印刷分野等への適用を図ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(イ)ピリジン系、キナゾリン系、及びビスキナゾリン系化合物から選ばれる電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、P−ヒドロキシ安息香酸フェニルエチル、又は、P−ヒドロキシ安息香酸フェニルプロピルから選ばれる電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化合物、の三成分を必須とする可逆熱変色性組成物を要件とする。更には、前記(ハ)反応媒体が、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、又は酸アミド類から選ばれる化合物であること、更には、前記可逆熱変色性組成物がマイクロカプセルに内包されてなる形態であること、等を要件とする。
前記構成において、(ロ)成分として前記した特定の化合物を適用することを特徴とし、これにより、発色状態から消色状態への転移を高感度に、即ち発色状態から消色状態への移行が上記従来の可逆熱変色性組成物に比較して、速やかになされるものである。
【0005】
以下に前記(ロ)成分との組み合わせにより、所期の変色特性を有効に発現させる(イ)、(ハ)成分について具体的に説明する。
前記(イ)成分であるピリジン系化合物として、
4−(4′−メチルベンジルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ジフェニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ジフェニル−4−(4′−N−フェニル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−プロピルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ブチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ペンチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘプチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−プロピルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ブチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ペンチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘプチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−N−フェニル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−N−フェニル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ブチルオキシフェニル)−4−(4′−N−フェニル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−N−フェニル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−N−フェニル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−N−クロロエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−N−クロロエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ブチルオキシフェニル)−4−(4′−N−クロロエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−N−クロロエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−N−クロロエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−N−エチルオキシエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−N−エチルオキシエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ブチルオキシフェニル)−4−(4′−N−エチルオキシエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−N−エチルオキシエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−N−エチルオキシエチル−N−メチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ブチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−プロピルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ブチルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ペンチルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−ヘプチルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2´−ノニルオキシフェニル)−4−(4′−N−イソブチル−N−エチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(4′−メチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ジメチル−3,5−ビスカルボエトキシ−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2−(2′−オクチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−6−フェニル−ピリジン、
2,6−ジエチルオキシ−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン4−(4−メチルオキシフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−フェニル−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−メチルフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,4,6−トリス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(3−ニトロフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−メチルオキシカルボニルフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ビス(2−チエニル)−ピリジン、
4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ビス(2−フリル)−ピリジン、
4−(2−クロロ−4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ビス(2−チエニル)−ピリジン、
4−〔4−(1−ピペリジニル)フェニル〕−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−モルホリノフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(9−ジュロリジニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−メチルフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−メチルオキシフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−メチルオキシフェニル)−2,6−ビス(4−モルホリノフェニル)−ピリジン、
4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−N−オクチルオキシフェニル−N−メチルアミノ)−2,6−ジフェニルピリジン、
4−(4−クロロフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−ニトロフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−N−2−シアノエチル−N−メチルアミノフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(2,5−ジメチルオキシフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−ジエチルアミノフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−ビフェニルイル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−ピロリジニルフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−イソインドリニルフェニル)−2,6−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
4−(4−N−2−シアノエチル−N−メチルアミノフェニル)−2,6−ジフェニルピリジン、
4−(4−N−メチル−N−フェニルアミノフェニル)−2,6−ジフェニルピリジン、
4−(4−N−クロロエチル−N−メチルアミノフェニル)−2,6−ジフェニルピリジン、
4−(4−N−エチルオキシエチル−N−メチルアミノフェニル)−2,6−ジフェニルピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジメチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジエチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジプロピルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジブチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジペンチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジメチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジエチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジプロピルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジブチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジペンチルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−ジエチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジメチルオキシフェニル)−4−(4′−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジエチルオキシフェニル)−4−(4′−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジプロピルオキシフェニル)−4−(4′−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジブチルオキシフェニル)−4−(4′−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジペンチルオキシフェニル)−4−(4′−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−ジプロピルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジメチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジエチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジプロピルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジブチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジペンチルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジヘキシルオキシフェニル)−4−(4′−ジブチルアミノフェニル)−ピリジン、
等が挙げられる。
【0006】
前記(イ)成分のキナゾリン系化合物として、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−メチルオキシ−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−フェニルオキシ−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−(4′′−ニトロフェニルオキシ)−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−フェニルチオ−キナゾリン、
2−(4′−N−フェニル−N−メチルアミノフェニル)−4−フェニルオキシ−キナゾリン、
2−(4′−ピペリジノフェニル)−4−フェノキシ−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−(4′′−クロロフェニルオキシ)−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−(4′′−メチルオキシフェニルオキシ)−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−モルホリノ−キナゾリン、
2−(4′−ジエチルアミノフェニル)−4−フェニル−キナゾリン、
2−(4′−ジエチルアミノフェニル)−4−メチル−キナゾリン、
2−(1′−エチル−2’,2′,4′−トリメチル−テトラヒドロキノリン−6′−イル)−4−フェニルオキシ−キナゾリン、
2−(1′−エチル−2′,2′,4′−トリメチル−テトラヒドロキノリン−6′−イル)−4−メチルオキシ−キナゾリン、
2−(1′,2′,2′,4′−テトラメチル−テトラヒドロキノリン−6′−イル)−4−フェニルオキシ−キナゾリン、
2−(1′−エチル−2′−メチル−テトラヒドロキノリン−6′−イル)−4−フェニルオキシ−キナゾリン、
2−(1′,3′−ジメチルインドリン−5′−イル)−4−フェニルオキシ−キナゾリン、
2−(3′,4′−ジメチルベンゾモルホリン−7′−イル)−4−フェニルオキシ−キナゾリン、
2−(4′−ジエチルアミノフェニル)−4−(2′′−フェニルオキシエチルオキシ)−キナゾリン、
2−(4′−ジエチルアミノフェニル)−4−(2′′−N−フェニル−N−エチルアミノエチルオキシ)−キナゾリン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−(2′′−モルホリノエチルオキシ)−キナゾリン、
2−(4′−ジベンジルアミノフェニル)−4−(2′′−フェニルオキシエチルオキシ)−キナゾリン、
2−(4′−ジエチルアミノフェニル)−4−(2′′−フェニルオキシエチルチオ)−キナゾリン、
2−(4′−ジエチルアミノフェニル)−4−〔2′′−(1−ナフチルオキシ)エチルオキシ〕−キナゾリン、
2−(3′,4′−ジメチルベンゾモルホリン−7′−イル)−(2′′−フェニルオキシエチルオキシ)−キナゾリン、
等が好適に用いられる。
【0007】
前記(イ)成分のビスキナゾリン系化合物として、
4,4′−(エチレンジオキシ)−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
4,4′−〔プロピレンジオキシ(1,3)〕−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
4,4′−〔ブチレンジオキシ(1,3)〕−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
4,4′−〔ブチレンジオキシ(1,4)〕−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
4,4′−(オキシジエチレン)−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
4,4′−エチレン−ビス〔2−(4−ピペリジノフェニル)−キナゾリン〕4,4′−エチレン−ビス〔2−(4−ジ−n−プロピルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
4,4′−(エチレンジオキシ)−ビス〔2−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
4,4′−シクロヘキシレン−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)−キナゾリン〕、
等が好適に用いられる。
【0008】
前記(ハ)成分のアルコール類、エステル類、ケトン、エーテル、酸アミド類について説明する。前記各化合物を用いてマイクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するので、安定的にカプセル内に保持させるために、炭素数10以上の化合物が有効である。アルコール類としては、炭素数10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効であり、具体的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール等を例示できる。
【0009】
エステル類としては、炭素数10以上のエステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p−tert−ブチル安息香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジステアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オクタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5−ペンタンジオールジステアレート、1,2,6−ヘキサントリオールトリミリステート、1,4−シクロヘキサンジオールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キシレングリコールジステアレート等が例示できる。
【0010】
又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有する飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効である。
具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリスチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル等が例示できる。
【0011】
更には、色濃度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性(温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から高温側へ変化させる場合とで異なり、両曲線を合体するとループ状を示す)を示して変色する、温度変化に依存して色彩記憶性熱変色性を与えるためには、先に本出願人が提案した、特公平4−17154号公報に開示した、5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコールのエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。
【0012】
炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシルが挙げられる。
【0013】
ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等が例示できる。
【0014】
前記ヒステリシス特性を与えるエステル化合物、脂肪族ケトン類に対して、ヒステリシス特性を大きく変動しない範囲で他のエステル類、アルコール類、カルボン酸類、ケトン類、アミド類等を加えることができる。(この場合、その添加量は本発明のエステル100に対して20以下(重量部)が所期の色彩記憶性効果を有効に発現させる上で好ましい)
【0015】
エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等が例示できる。
【0016】
酸アミド類としては、アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸アニリド、カプロン酸N−メチルアミド、カプリル酸N−メチルアミド、カプリン酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−メチルアミド、ミリスチン酸N−メチルアミド、パルミチン酸N−メチルアミド、ステアリン酸N−メチルアミド、ベヘニン酸N−メチルアミド、オレイン酸N−メチルアミド、エルカ酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−エチルアミド、ミリスチン酸N−エチルアミド、パルミチン酸N−エチルアミド、ステアリン酸N−エチルアミド、オレイン酸N−エチルアミド、ラウリン酸N−ブチルアミド、ミリスチン酸N−ブチルアミド、パルミチン酸N−ブチルアミド、ステアリン酸N−ブチルアミド、オレイン酸N−ブチルアミド、ラウリン酸N−オクチルアミド、ミリスチン酸N−オクチルアミド、パルミチン酸N−オクチルアミド、ステアリン酸N−オクチルアミド、オレイン酸N−オクチルアミド、ラウリン酸N−ドデシルアミド、ミリスチン酸N−ドデシルアミド、パルミチン酸N−ドデシルアミド、ステアリン酸N−ドデシルアミド、オレイン酸N−ドデシルアミド、ジラウリン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリパルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオレイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミド、マレイン酸アミド、コハク酸N−メチルアミド、アジピン酸N−メチルアミド、グルタル酸N−メチルアミド、マロン酸N−メチルアミド、アゼライン酸N−メチルアミド、コハク酸N−エチルアミド、アジピン酸N−エチルアミド、グルタル酸N−エチルアミド、マロン酸N−エチルアミド、アゼライン酸N−エチルアミド、コハク酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−ブチルアミド、グルタル酸N−ブチルアミド、マロン酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−オクチルアミド、アジピン酸N−ドデシルアミド等が挙げられる。
【0017】
尚、前記可逆熱変色性組成物において、光劣化を抑制するために、光安定剤を(イ)、(ロ)、(ハ)成分からなる可逆熱変色性組成物に対して、0.3〜24重量%、好ましくは0.8〜16重量%の割合で含有させることができる。
前記光安定剤としての紫外線吸収剤は、太陽光等に含まれる紫外線を効果的にカットして、(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する。又、酸化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等は、酸化反応を抑制する。
特に紫外線吸収剤と、酸化防止剤及び/又は一重項酸素消光剤を併用すると、より耐光性は向上する。
尚、前記紫外線吸収収剤としては、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系、ベンゾトリアゾール系、蓚酸アニリド系等の公知の紫外線吸収剤を挙げることができる。
酸化防止剤(老化防止剤)としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤等が挙げられる。
一重項酸素消光剤としては、カロチン類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類等が挙げられる。
スーパーオキシドアニオン消光剤としては、スーパーオキシドジスムターゼとコバルト、及びニッケルの錯体等が挙げられる。
オゾン消光剤としては、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−m−クレソール)、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、1,4−ジアザビシクロ〔2・2・2〕オクタン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、α−トコフェロール、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、P,P′−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−P−クレゾール)、N,N′−ジフェニル−P−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニルエチレンジアミン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0018】
前記した(イ)、(ロ)、(ハ)成分よりなる組成物の均質相溶体は、公知の微小カプセル化技術により微小カプセルに内包される。微小粒子化(0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm)により、非微粒子状態に比べてΔH値の大きい特性を付与できるし、カプセル膜壁で保護されていることにより、酸性物質、塩基性物質、過酸化物等の化学的に活性な物質又は他の溶剤成分と接触しても、その機能を低下させることがないことは勿論、耐熱安定性が保持できる。
利用できる微小カプセル化技術としては、界面重合法、in Situ 重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。尚、微小カプセルの表面は、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
【0019】
本発明は、前記した如く、発色状態から消色状態への転移を、従来の緩徐な転移から高感度な転移となすことを要件とするものであり、この点を図1及び図2の変色特性を示す各グラフについて説明する。図1は、本発明の熱変色性組成物の変色挙動を示し、図2は従来の熱変色性組成物の変色挙動を示す。
前記図1及び図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する最低温度T4 (以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは完全呈色状態を保持できる最高温度T3 (以下、最高保持温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは完全消色状態を保持できる最低温度T2 (以下、最低保持温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全呈色状態に達する最高温度T1 (以下、完全呈色温度と称す)における濃度を示す点である。
発色状態から消色状態への転移の感度は、最高保持温度T3 と完全消色温度T4 の温度差が小さいほど、鋭敏に変色して変色感度が良好となる。
本発明の可逆熱変色性組成物は、最高保持温度T3 と完全消色温度T4 の温度差が小さく、消色過程において鋭敏に無色になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の可逆性熱変色性組成物は、各種ビヒクルに分散して、印刷インキ、塗料の形態として、紙、布帛、皮革、ブラスチック等の支持体に印刷或いは塗装して印刷乃至塗装物を得る。更に、樹脂中に溶融ブレンドして各種成形体を得ることができる。
【0021】
【実施例】
以下の表1に本発明実施例(1〜12)の組成、色変化、及び変色温度を示し、表2に変色特性を示す。表3には、前記実施例の(イ)、(ハ)成分を同一とし、(ロ)成分を従来適用されている化合物に置き替えた比較例の変色特性を示す。尚、表中の( )内の数字は重量部を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
更に、前記実施例1〜3の組成物をマイクロカプセルに内包した実施例13〜15を作成した。
実施例13
実施例1の組成物を均一に溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30部、酢酸エチル30部を加え、70℃で均一に溶解した溶液を水性分散媒中で70℃で微小滴になるように攪拌した。液温を80℃に保って、約5時間攪拌を続け、得られたマイクロカプセル懸濁液を遠心分離することにより感温変色性色彩記憶性マイクロカプセルを得た。
実施例14
実施例2の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル化して可逆熱変色性マイクロカプセルを得た。
実施例15
実施例3の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル化して可逆熱変色性マイクロカプセルを得た。
【0026】
前記実施例13〜15の効果を確認するために比較例1〜3の組成物をマイクロカプセルに内包した比較例13〜15を作成した。
比較例13
比較例1の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル化して可逆熱変色性マイクロカプセルを得た。
比較例14
比較例2の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル化して可逆熱変色性マイクロカプセルを得た。
比較例15
比較例3の組成物を実施例13と同様の方法でカプセル化して可逆熱変色性マイクロカプセルを得た。
【0027】
前記実施例13〜15及び比較例13〜15の変色特性を表4に示す
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】
前記した本発明の実施例と従来系による比較例を対比すれば、本発明の特定の(ロ)成分を適用することにより、発色状態から消色状態への転移が高感度に行なわれることが明白であり、変色効果を速やかに視覚させることができ、玩具、装飾、教材、文具、繊維製品、家庭用品、スポーツ用品、屋内外装置品、衣料、各種印刷物等、多様な分野に好適に用いられる可逆熱変色性組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線における変色特性を説明するグラフである。
【図2】従来の可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線における変色特性特性を説明するグラフである。
【符号の説明】
T1 完全呈色温度
T2 最低保持温度
T3 最高保持温度
T4 完全消色温度
Claims (3)
- (イ)ピリジン系、キナゾリン系、及びビスキナゾリン系化合物から選ばれる電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、P−ヒドロキシ安息香酸フェニルエチル、又は、P−ヒドロキシ安息香酸フェニルプロピルから選ばれる電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化合物、の三成分を必須とする可逆熱変色性組成物。
- 前記(ハ)反応媒体が、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、又は酸アミド類から選ばれる化合物である請求項1記載の可逆熱変色性組成物。
- マイクロカプセルに内包されてなる請求項1又は2のいずれか1項に記載の可逆熱変色性組成物。
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