JPH1192759A - 可逆熱変色性組成物 - Google Patents

可逆熱変色性組成物

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JPH1192759A
JPH1192759A JP9272191A JP27219197A JPH1192759A JP H1192759 A JPH1192759 A JP H1192759A JP 9272191 A JP9272191 A JP 9272191A JP 27219197 A JP27219197 A JP 27219197A JP H1192759 A JPH1192759 A JP H1192759A
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JP
Japan
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acid
electron
formula
reversible thermochromic
alcohol
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JP9272191A
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Katsuyuki Fujita
勝幸 藤田
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色時に明るい色調を呈することのできる可
逆熱変色性組成物を提供する。 【解決手段】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
(ロ)特定のフルオロアルコール化合物、(ハ)前記
(イ)、(ロ)による電子授受反応を特定温度域におい
て可逆的に生起させる反応媒体である化合物よりなる可
逆熱変色性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆熱変色性組成物
に関する。更に詳細には、温度変化により可逆的に色変
化を呈する可逆熱変色性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子の授受反応により、特定温度
域で可逆的に色変化を生起させる可逆熱変色性組成物に
関して、幾つかの提案が開示されている(特公昭51−
35414号公報、特公昭51−44706号公報、特
公昭51−44708号、特公昭52−7764号公
報、特公平1−17154号公報、特公平1−2939
8号公報、特開平7−186546号公報等)。前記し
た可逆熱変色性組成物中に含まれる電子受容性化合物
は、活性プロトンを有する化合物、偽酸性化合物群〔酸
ではないが、組成物中で酸として作用して電子供与性呈
色性有機化合物を発色させる化合物群〕、電子空孔を有
する化合物群などが挙げられ、特にフェノール性水酸基
を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させるこ
とができることから好適に用いられている。その他、芳
香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、
カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金
属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体、チオ
尿素及びその誘導体、尿素及びその誘導体、グアニジン
及びその誘導体、芳香族及び脂肪族カルボン酸無水物、
ホウ酸エステル類、ハロゲン化アルコール類、オキサゾ
ール類、チアゾール類、イミダゾール類、ピラゾール
類、ピロール類、芳香族スルホンアミド類、芳香族スル
ホンイミド類から選ばれる化合物を用いることもでき
る。しかしながら、前記した化合物を適用すると、充分
な熱変色機能を有する組成物を得ることができるもの
の、その色調には制限があり十分な発色濃度を保ったま
ま比較的明るい色調を得ることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、可逆熱変
色性組成物の熱変色機能を損なうことなく、発色時に明
るい色調を呈する組成物に関して追求し、検討を加えた
ところ、一般式(1)乃至(7)で示されるフルオロア
ルコール化合物を電子受容性化合物として用いることに
より、鮮明な色調が得られることを見い出し、本発明を
完成させた。即ち、(イ)電子供与性呈色性有機化合
物、一般式(1)乃至(7)で示される(ロ)電子受容
性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)による電子授受反
応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体よ
りなる可逆熱変色性組成物は、従来の組成物では得られ
なかった色調を呈することができ、示温分野、意外性や
変色の妙味が要求される玩具分野、装飾、デザイン分野
等、多様な分野への応用展開が可能な可逆熱変色性組成
物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)電子供
与性呈色性有機化合物、(ロ)下記一般式(1)乃至
(7)で示される化合物から選ばれる電子受容性化合
物、(ハ)前記(イ)、(ロ)による電子授受反応を特
定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化
合物を必須成分とする可逆熱変色性組成物を要件とす
る。
【化1】(式中Rは−CH2 OH、−C2 4 OH或い
は−O−CF(CF3 )CH2−OHを示し、nは1〜
16の整数を示す。)
【化2】(式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OH
を示し、nは1〜16の整数を示す。)
【化3】(式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OH
を示し、nは1〜16の整数を示す。)
【化4】(式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OH
を示す。)
【化5】(式中Rは−OH或いは−CH2 OHを示
す。)
【化6】(式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OH
を示す。)
【化7】(式中R1 は水素或いは−CF(CF3 2
3 を示し、R2 は水素或いは−CF(CF3 2 −R
3 を示し、R3 は−OH、−CH2 OH或いは−C2
4 OHを示す。但し、R1 とR2 は共に水素、或いは、
1 とR2 のいずれか一方が水素の場合、他方は−CF
(CF3 2 −R3 を示す。) 更には、前記可逆熱変色性組成物が微小カプセルに内包
されてなることを要件とする。
【0005】前記(イ)電子供与性呈色性有機化合物と
しては、従来より公知のジフェニルメタンフタリド類、
フルオラン類、ジフェニルメタンアザフタリド類、イン
ドリルフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、フ
ェニルインドリルアザフタリド類、スチリノキノリン類
等が挙げられ、以下にこれらの化合物を例示する。3,
3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチ
ルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エト
キシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)−4−アザフタリド、1,3−ジメチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−
メチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−ジブチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフル
オラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルア
ミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,
6−ジ−n−ブトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6
−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジ
ブチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−エチル
イソアミルアミノフルオラン、2−メチル−6−(N−
p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(N
−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリ
ル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(3’−トリ
フルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラ
ン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリン。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有
効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化
合物等を挙げることができる。
【0006】前記(ロ)電子受容性化合物としては、前
記した一般式(1)乃至(7)で示されるフルオロアル
コール化合物が挙げられる。前記フルオロアルコール化
合物は、結合したフッ素原子自体の電気陰性度が大き
く、従って、電子吸引性も大きい。よって、酸性度が大
きくなることから容易に活性プロトンを得ることがで
き、電子供与性呈色性有機化合物との電子授受反応が円
滑に行なわれ、その結果、高濃度且つ鮮明な色彩を呈す
ると考えられる。更に、前記フルオロアルコール化合物
で呈色させた電子供与性有機化合物の極大吸収波長が、
従来の呈色剤により呈色させた電子供与性有機化合物の
極大吸収波長よりも短波長側にシフトする特性を有する
と共に、蛍光性を帯びた色調を発現し易い特性も有して
いる。この特性の理由については定かでないが、フルオ
ロアルコール化合物のフッ素原子自体の電気陰性度が大
きいことに関係すると推測される。又、一般式(1)〜
(4)及び(6)の化合物のRで示されるアルコール基
としては、メタノール基又はエタノール基が挙げられ
る。本発明者が検討した結果、炭素数4以上のアルコー
ル基では減感性が発現して発色状態における呈色性に乏
しくなり、実用性を満足させない。又、一般式(1)〜
(3)の化合物のRで示されるアルコール基がメタノー
ル基である場合、nは1〜16の整数を示す。nが16
を越える系においては結合が長過ぎて脂肪族雰囲気が強
くなるため呈色性に乏しくなり、実用性を満足させな
い。又、Rで示されるアルコール基がエタノール基であ
る場合、同様にnは1〜16の整数を示す化合物が用い
られるが、nが1〜10の範囲にあると呈色性に優れ、
好適に用いられる。更に、一般式(1)においてはRで
示されるアルコール基が−O−CF(CF3 )CH2
OHでもよく、エタノール基の場合と同様に好ましくは
nが1〜10の化合物が用いられる。
【0007】前記一般式(1)で示される化合物は、
【化1】(式中RはCH2 OH、C2 4 OH或いはO
−CF(CF3 )CH2 −OHを示し、nは1〜16の
整数を示す。)であり、以下に具体的な化合物を示す。
1−(パーフルオロメチル)メタノール、1−(パーフ
ルオロエチル)メタノール、1−(パーフルオロプロピ
ル)メタノール、1−(パーフルオロブチル)メタノー
ル、1−(パーフルオロペンチル)メタノール、1−
(パーフルオロヘキシル)メタノール、1−(パーフル
オロヘプチル)メタノール、1−(パーフルオロオクチ
ル)メタノール、1−(パーフルオロノニル)メタノー
ル、1−(パーフルオロデシル)メタノール、1−(パ
ーフルオロドデシル)メタノール、1−(パーフルオロ
テトラデシル)メタノール、1−(パーフルオロヘキサ
デシル)メタノール、2−(パーフルオロメチル)エタ
ノール、2−(パーフルオロエチル)エタノール、2−
(パーフルオロプロピル)エタノール、2−(パーフル
オルロブチル)エタノール、2−(パーフルオロペンチ
ル)エタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノ
ール、2−(パーフルオロヘプチル)エタノール、2−
(パーフルオロオクチル)エタノール、2−(パーフル
オロノニル)エタノール、2−(パーフルオロデシル)
エタノール、2−(パーフルオロドデシル)エタノー
ル、2−(パーフルオロテトラデシル)エタノール、2
−(パーフルオロヘキサデシル)エタノール、2−パー
フルオロメチルオキシ−2,3,3,3−テトラフルオ
ロプロパノール、2−パーフルオロエチルオキシ−2,
3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−パーフ
ルオロプロピルオキシ−2,3,3,3−テトラフルオ
ロプロパノ−ル、2−パーフルオロブチルオキシ−2,
3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−パーフ
ルオロペンチルオキシ−2,3,3,3−テトラフルオ
ロプロパノール、2−パーフルオロヘキシルオキシ−
2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−パ
ーフルオロヘプチルオキシ−2,3,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール、2−パーフルオロオクチルオキシ
−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−
パーフルオロノニルオキシ−2,3,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール、2−パーフルオロデシルオキシ−
2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−パ
ーフルオロドデシルオキシ−2,3,3,3−テトラフ
ルオロプロパノール、2−パーフルオロテトラデシルオ
キシ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、
2−パーフルオロヘキサデシルオキシ−2,3,3,3
−テトラフルオロプロパノール
【0008】前記一般式(2)で示される化合物は、
【化2】(式中RはCH2 OH或いはC2 4 OHを示
し、nは1〜16の整数を示す。)であり、以下に具体
的な化合物を示す。1−(パーフルオロ−1−メチルエ
チル)メタノール、1−(パーフルオロ−2−メチルプ
ロピル)メタノール、1−(パーフルオロ−3−メチル
ブチル)メタノール、1−(パーフルオロ−4−メチル
ペンチル)メタノール、1−(パーフルオロ−5−メチ
ルヘキシル)メタノール、1−(パーフルオロ−6−メ
チルヘプチル)メタノール、1−(パーフルオロ−7−
メチルオクチル)メタノール、1−(パーフルオロ−8
−メチルノニル)メタノール、1−(パーフルオロ−1
0−メチルウンデシル)メタノール、1−(パーフルオ
ロ−12−メチルトリデシル)メタノール、1−(パー
フルオロ−14−メチルペンタデシル)メタノール、2
−(パーフルオロ−1−メチルエチル)エタノール、2
−(パーフルオロ−2−メチルプロピル)エタノール、
2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、
2−(パーフルオロ−4−メチルペンチル)エタノー
ル、2−(パ−フルオロ−5−メチルヘキシル)エタノ
ール、2−(パーフルオロ−6−メチルヘプチル)エタ
ノール、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エ
タノール、2−(パーフルオロ−8−メチルノニル)エ
タノール、2−(パーフルオロ−10−メチルウンデシ
ル)エタノール、2−(パーフルオロ−12−メチルト
リデシル)エタノール、2−(パーフルオロ−14−メ
チルペンタデシル)エタノール
【0009】前記一般式(3)で示される化合物は、
【化3】(式中RはCH2 OH或いはC2 4 OHを示
し、nは1〜16の整数を示す。)であり、以下に具体
的な化合物を示す。1H,1H,2H−ジフルオロエチ
ルアルコール、1H,1H,3H−テトラフルオロプロ
ピルアルコール、1H,1H,4H−ヘキサフルオロブ
チルアルコール、1H,1H,5H−デシルフルオロペ
ンチルアルコール、1H,1H,6H−ドデシルフルオ
ロヘキシルアルコール、1H,1H,7H−テトラデシ
ルフルオロヘプチルアルコール、1H,1H,8H−ヘ
キサデシルフルオロノニルアルコール、1H,1H,9
H−オクチルデシルフルオロデシルアルコール 1H,
1H,10H−エイコサンフルオロウンデシルアルコー
ル、1H,1H,12H−テトラエイコサンフルオロト
リデシルアルコール、1H,1H,14H−オクチルエ
イコサンフルオロペンタデシルアルコール、1H,1
H,16H−ドトリアコンタフルオロペンチルデシルア
ルコール
【0010】前記一般式(4)で示される化合物は、
【化4】(式中RはCH2 OH或いはC2 4 OHを示
す。)であり、以下に具体的な化合物を示す。2−フル
オロエタノール、3−フルオロプロパノール
【0011】前記一般式(5)で示される化合物は、
【化5】(式中RはOH或いはCH2 OHを示す。)で
あり、以下に具体的な化合物を示す。1H−ヘキサフル
オロプロパノール、1H,1H,2H−ヘキサフルオロ
ブタノール
【0012】前記一般式(6)で示される化合物は、
【化6】(式中RはCH2 OH或いはC2 4 OHを示
す。)であり、以下に具体的な化合物を示す。1H,1
H,3H−ヘキサフルオロブタノール、1H,1H,2
H,2H,4H−ヘキサフルオロペンタノール
【0013】前記一般式(7)で示される化合物は、
【化7】(式中R1 は水素或いはCF(CF3 2 −R
3 を示し、R2 は水素或いはCF(CF3 2 −R3
示し、R3 はOH、CH2 OH或いはC2 4 OHを示
す。但し、R1 とR2 は共に水素、或いは、R1 とR2
のいずれか一方が水素の場合、他方はCF(CF3 2
−R3 を示す。)であり、以下に具体的な化合物を示
す。2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルベンゼ
ン、1、3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソ
プロピル)ベンゼン1、4−ビス(2−ヒドロキシヘキ
サフルオロイソプロピル)ベンゼン、1、3−ビス(2
−ヒドロキシメチル−ヘキサフルオロイソプロピル)ベ
ンゼン、1、3−ビス(3−ヒドロキシ−1、1−ビス
トリフルオロメチルプロピル)ベンゼン、、4−ビス
(2−ヒドロキシメチル−ヘキサフルオロイソプロピ
ル)ベンゼン 1、4−ビス(3−ヒドロキシ−1、1−ビストリフル
オロメチルプロピル)ベンゼン、2−ヒドロキシメチル
−ヘキサフルオロイソプロピルベンゼン、3−ヒドロキ
シ−1、1−ビストリフルオロメチルプロピルベンゼ
ン、
【0014】(ハ)前記(イ)、(ロ)による電子授受
反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体
である化合物としては、アルコール類、エステル類、ケ
トン類、エーテル類、酸アミド等の従来より汎用の反応
媒体が総て有効であり、これらの化合物の一種又は二種
以上を適用できる。前記各化合物を用いてマイクロカプ
セル化及び二次加工に応用する場合は低分子量のものは
高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するので、安定的
にカプセル内に保持させるために、炭素数10以上の化
合物が有効である。アルコール類としては、炭素数10
以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効であり、具体
的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデ
シルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシル
アルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルア
ルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアル
コール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール等
を例示できる。
【0015】エステル類としては、炭素数10以上のエ
ステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を
有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環
を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られ
るエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多
価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する
一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステ
ル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボ
ン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アル
コールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙
げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オク
チル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、
カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、
ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチ
ル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、
パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パル
ミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ス
テアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5
−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ウンデシル、
ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、
ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロ
ピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸
ベヘニル、安息香酸セチル、p−tert−ブチル安息
香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジス
テアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、
マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジ
ラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラ
ウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オ
クタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチ
レングリコールジミリステート、プロピレングリコール
ジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、
ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5−ペンタ
ンジオールジステアレート、1,2,6−ヘキサントリ
オールトリミリステート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ
ミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キ
シレングリコールジステアレート等が例示できる。
【0016】又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールの
エステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有す
る飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂
肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリ
ル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効
である。具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン
酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシ
ル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,
5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5
−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリ
メチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリ
ル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、
パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エ
チルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン
酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシ
ル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−
メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプ
リン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペン
チル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2
−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステ
アリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチ
ル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチ
ルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸
1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチ
ル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1
−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、
ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−
メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ス
テアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘ
キシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリス
チン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7
−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオ
クチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン
酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステア
リル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチル
オクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリ
ル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステア
リル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチ
ル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2
−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリ
スチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステア
リル、酪酸ベヘニル等が例示できる。
【0017】更には、特公平4−17154号公報に開
示したカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置
換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環
を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコール
のエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン
酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アル
コール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪
酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸
と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステ
ル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジ
ピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジ
ミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステア
リル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリ
ン、ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。
【0018】炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコー
ルと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪
酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘ
プチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族
カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸
エステル化合物も有効である。具体的には、酢酸n−ペ
ンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシ
ル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデ
シル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノ
ニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリ
デシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−
ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウン
デシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペ
ンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−
ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウン
デシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペ
ンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸
n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸
n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリス
チン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、
パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、
パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデ
シル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n
−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸
n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイ
コサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エ
イコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデ
シル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシ
ル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタ
デシルが挙げられる。
【0019】ケトン類としては、総炭素数が10以上の
脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカ
ノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカ
ノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデ
カノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカ
ノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テト
ラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノ
ン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘ
プタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノ
ン、2−ノナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイ
コサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノ
ン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等が例示でき
る。更には、総炭素数が12乃至24のアリールアルキ
ルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−
ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n
−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、
4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノ
ン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフ
ェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカ
ノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカ
ノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノ
ナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−
オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、
4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert
−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−
n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニル
ケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチル
アセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチ
ルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナ
フトン、シクロペンチルフェニルケトン等を挙げること
ができる。
【0020】エーテル類としては、総炭素数10以上の
脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、
ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチル
エーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウ
ンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシル
エーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエ
ーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエー
テル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジ
オールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエ
ーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカン
ジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチ
ルエーテル等が例示できる。
【0021】酸アミドとしては、以下に示す化合物が例
示できる。アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸ア
ミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン
酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パ
ルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸ア
ミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミ
ド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリ
ン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニ
リド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、
ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸ア
ニリド、カプロン酸N−メチルアミド、カプリル酸N−
メチルアミド、カプリン酸N−メチルアミド、ラウリン
酸N−メチルアミド、ミリスチン酸N−メチルアミド、
パルミチン酸N−メチルアミド、ステアリン酸N−メチ
ルアミド、ベヘニン酸N−メチルアミド、オレイン酸N
−メチルアミド、エルカ酸N−メチルアミド、ラウリン
酸N−エチルアミド、ミリスチン酸N−エチルアミド、
パルミチン酸N−エチルアミド、ステアリン酸N−エチ
ルアミド、オレイン酸N−エチルアミド、ラウリン酸N
−ブチルアミド、ミリスチン酸N−ブチルアミド、パル
ミチン酸N−ブチルアミド、ステアリン酸N−ブチルア
ミド、オレイン酸N−ブチルアミド、ラウリン酸N−オ
クチルアミド、ミリスチン酸N−オクチルアミド、パル
ミチン酸N−オクチルアミド、ステアリン酸N−オクチ
ルアミド、オレイン酸N−オクチルアミド、ラウリン酸
N−ドデシルアミド、ミリスチン酸N−ドデシルアミ
ド、パルミチン酸N−ドデシルアミド、ステアリン酸N
−ドデシルアミド、オレイン酸N−ドデシルアミド、ジ
ラウリン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチ
ン酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミ
ド、トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、
トリパルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、ト
リオレイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミ
ド、グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸
アミド、マレイン酸アミド、コハク酸N−メチルアミ
ド、アジピン酸N−メチルアミド、グルタル酸N−メチ
ルアミド、マロン酸N−メチルアミド、アゼライン酸N
−メチルアミド、コハク酸N−エチルアミド、アジピン
酸N−エチルアミド、グルタル酸N−エチルアミド、マ
ロン酸N−エチルアミド、アゼライン酸N−エチルアミ
ド、コハク酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−ブチル
アミド、グルタル酸N−ブチルアミド、マロン酸N−ブ
チルアミド、アジピン酸N−オクチルアミド、アジピン
酸N−ドデシルアミド。
【0022】本発明の可逆熱変色性組成物は、前記
(イ)、(ロ)、(ハ)成分を必須成分とする相溶体で
あり、各成分の割合は、濃度、変色温度、変色形態や各
成分の種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得ら
れる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.
1〜100、好ましくは0.1〜50、(ハ)成分5〜
100の範囲である(前記割合はいずれも重量部であ
る)。
【0023】前記可逆熱変色性組成物は、そのままの適
用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包して使用
するのが好ましい。それは、酸性物質、塩基性物質、過
酸化物等の化学的に活性な物質又は他の溶剤成分と接触
しても、その機能を低下させることがないことは勿論、
耐熱安定性が保持できるためであり、種々の使用条件に
おいて可逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一
の作用効果を奏することができるからである。前記可逆
熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料は、粒
子径0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、よ
り好ましくは2〜30μmの範囲が実用性を満たす。
尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合
法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液か
らの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却
法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、
用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの
表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて
耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供
することもできる。
【0024】尚、前記各(イ)、(ロ)、(ハ)成分は
各々2種以上の化合物の混合であってもよく、更には機
能に支障のない範囲で光安定剤を添加することができ
る。前記光安定剤としては、(イ)成分の光反応による
励起状態によって生ずる光劣化を防止する紫外線吸収
剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、カロ
チン類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯
体類、スルフィド類等の一重項酸素消光剤、オキシドジ
スムスターゼとコバルト、及びニッケルの錯体等のスー
パーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等、酸化反
応を抑制する化合物が挙げられ、0.3〜24重量%、
好ましくは0.8〜16重量%の割合で配合される。な
かでも、前記紫外線吸収剤と、酸化防止剤及び/又は一
重項酸素消光剤を併用した系にあっては、耐光性の向上
に特に効果的である。又、老化防止剤、帯電防止剤、極
性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤等を必要に応じて添加
して機能を向上させることもできる。更には、前記した
従来の可逆熱変色性組成物を適宜の割合で配合したり、
一般染料又は顔料、蓄光顔料等を配合することもでき
る。
【0025】前記可逆熱変色性組成物又はそれを内包し
たマイクロカプセル顔料は、膜形成材料であるバインダ
ーを含む媒体中に分散されて、インキ、塗料などの可逆
熱変色性材料として適用され、従来より公知の方法、例
えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印
刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗
り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ロ
ーラー塗り、浸漬塗装、等の手段により、紙、合成紙、
布帛、植毛或いは起毛布、不織布、合成皮革、レザー、
プラスチック、ガラス、陶磁器、木材、石材等の支持体
上に形成したり、或いは支持体中に分散することができ
る。更には、マイクロカプセル顔料の形態にあっては、
溶融状態の熱可塑性プラスチック中に混練して一体化さ
れた材料として適用できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示すが、本発明は
これに限定されるものではない。尚、以下の実施例中の
部は重量部を示す。
【0027】実施例1 1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルア
ミノ)フルオラン1.5部、1,3−ビス(2−ヒドロ
キシヘキサフルオロイソプロピル8.0部、カプリン酸
ステアリル30.0部、ラウリン酸ステアリル20.0
部を120℃にて加温溶融し、相溶体として可逆熱変色
性組成物を得た。尚、前記組成物は室温環境下では鮮や
かなピンク色を示し、33℃以上に加温すると無色にな
る。
【0028】実施例2〜9も実施例1と同様の方法にて
可逆熱変色性組成物を調製した。以下の表に本発明可逆
熱変色性組成物の実施例1〜9及び比較例1〜9の各
(イ)、(ロ)、(ハ)成分の組成及び色変化を示す。
尚、表中の( )内の数字は重量部を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】測定試料の作製方法及び極大吸収波長の測
定方法 前記実施例及び比較例の可逆熱変色性組成物を以下の方
法によって測定試料となし、極大吸収波長を測定した。
実施例1〜6及び比較例1〜6のそれぞれの可逆熱変色
性組成物を用いて測定試料1〜6を得る場合は、前記組
成物をエポキシ樹脂及びアミン硬化剤を用いた界面重合
反応により、エポキシ樹脂皮膜の微小カプセルに内包し
た可逆熱変色性マイクロカプセル顔料40部を、エチレ
ン−酢酸ビニルエマルジョン中に分散した可逆熱変色性
インキを用いて、上質紙〔蛍光増白剤未添加グレード〕
にスクリーン印刷した印刷物を測定試料とした。又、実
施例7〜9及び比較例7〜9のそれぞれの可逆熱変色性
組成物を用いて測定試料7〜9を得る場合は、前記組成
物を濾紙上に点滴したものを測定試料とした。前記測定
試料を、自記分光光度計〔U−3210、日立製作所
製〕にセットして、試料の極大吸収波長を測定した。以
下の表に各試料の極大吸収波長を示す。
【0032】
【表3】
【0033】前記実施例及び比較例の可逆熱変色性組成
物を用いて作製した測定試料を目視により比較すると、
実施例の測定試料はそれぞれの比較例の測定試料よりも
鮮明な色調を呈していた。更に、前記測定試料にUVラ
ンプ(RUV−1B、東京光学機械製)を照射して試料
の蛍光性を観察した結果、実施例1〜3及び実施例6〜
8の試料は、それぞれの比較例の試料には見られない蛍
光色を観察することができた。
【0034】
【発明の効果】本発明可逆熱変色性組成物は、可逆熱変
色性組成物としての熱変色機能を損なうことなく、発色
時に明るい色調を呈することのできる可逆熱変色性組成
物を提供することができる。又、前記可逆熱変色性組成
物を示温分野、玩具分野、装飾、デザイン分野等に適用
することによって、より装飾性に優れた商品を得ること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)下記一般式(1)乃至(7)で示される化合物か
    ら選ばれる電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、
    (ロ)による電子授受反応を特定温度域において可逆的
    に生起させる反応媒体である化合物を必須成分とする可
    逆熱変色性組成物。 【化1】 (式中Rは−CH2 OH、−C2 4 OH或いは−O−
    CF(CF3 )CH2−OHを示し、nは1〜16の整
    数を示す。) 【化2】 (式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OHを示し、
    nは1〜16の整数を示す。) 【化3】 (式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OHを示し、
    nは1〜16の整数を示す。) 【化4】 (式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OHを示
    す。) 【化5】 (式中Rは−OH或いは−CH2 OHを示す。) 【化6】 (式中Rは−CH2 OH或いは−C2 4 OHを示
    す。) 【化7】 (式中R1 は水素或いは−CF(CF3 2 −R3 を示
    し、R2 は水素或いは−CF(CF3 2 −R3 を示
    し、R3 は−OH、−CH2 OH或いは−C2 4 OH
    を示す。但し、R1 とR2 は共に水素、或いは、R1
    2 のいずれか一方が水素の場合、他方は−CF(CF
    3 2 −R3 を示す。)
  2. 【請求項2】 微小カプセルに内包されてなる請求項1
    記載の可逆熱変色性組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004108424A1 (ja) * 2003-06-09 2004-12-16 Oji Paper Co., Ltd. 可逆性感熱記録体及びフッ素原子置換アルコール
JP2011162791A (ja) * 2011-04-08 2011-08-25 Pilot Ink Co Ltd 可逆熱変色性塗料又はインキ組成物
WO2013061814A1 (ja) * 2011-10-25 2013-05-02 株式会社パイロットコーポレーション 可逆熱変色性組成物

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