JP4476911B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の概略構成及び温度センサと平らな鍋底との位置関係を示す図、図2は実施の形態1の加熱調理器における温度センサと反りのある鍋底との位置関係を示す図である。
実施の形態1に係る加熱調理器は、調理容器である鍋1を載置するためのトッププレート2と、トッププレート2の下に配置された環状の加熱コイル3と、加熱コイル3のほぼ中央部に位置し、トッププレート2の下面に設置された温度センサ4と、後述する加熱制御部8の制御に基づいて加熱コイル3に高周波電流を供給し、鍋1の底に誘導渦電流を発生させる加熱出力部5と、温度センサ4の出力を取り込んでAD変換し、その検出値に含まれるノイズを移動平均処理やフィルタ回路等(図示せず)により除去し、鍋1の温度として検出する温度検出部6と、温度検出部6の検出温度から温度上昇度(温度変化量)を算出する温度上昇度算出部7と、操作部(図示せず)により設定された加熱出力に応じて加熱出力部5を制御する加熱制御部8と、加熱開始からの経過時間を計測する計時部9とを備えている。
図2に示すように水の入った鍋1をトッププレート2に載置して、前記と同様の加熱出力で誘導加熱すると、鍋底温度と鍋内水温の変化は図3の場合とほぼ同じ挙動を示す。一方、温度検出部6で検出される温度は、トッププレート2の下面に設置された温度センサ4の出力に基づくものであるが、鍋底とトッププレート2との間に空隙があるため鍋底と温度センサ4の熱結合が悪い。そのため、鍋底から温度センサ4への熱伝達が小さくなって、鍋底温度の上昇に比べて検出温度の上昇は遅くなり、鍋底温度と検出温度との差が拡大していく。この温度差が拡大し続けるので、鍋底から空隙、トッププレート2を介して温度センサ4へ伝達される熱量は増大してゆき、それに連れて検出温度の上昇度(上昇速度)も次第に大きくなる。そして、鍋内水温が沸騰して水温上昇が止まるのに伴ない鍋底温度の上昇も止まるため、鍋底温度と検出温度との差は次第に縮小してゆく。その結果、検出温度の上昇度は、鍋底温度と検出温度との差が急激には縮まらないため大幅な低下は無いものの、検出温度の上昇度は緩やかに小さくなっていく。従って、反りのある鍋底と温度センサ4との熱結合が悪くなっている場合には、従来の検出温度の上昇レベルが所定のレベル以下に低下したことを検出して沸騰と判断すると沸騰検出が遅れてしまう。
操作部(図示せず)により加熱出力(電力)が設定されると、加熱制御部8は、設定された加熱出力に基づいて加熱出力部5を制御し、加熱出力部5は、その制御に基づいて高周波電流を加熱コイル3に供給し、鍋1の加熱を開始する(ステップ1)。一方、温度検出部6は、トッププレート2を介して鍋1の底の温度を温度センサ4からの出力に基づいて検出し、温度上昇度出部7は、温度検出部6により検出された温度に基づいて検出温度の温度上昇度(温度変化量)を算出し、加熱制御部8は、計時部9を利用して所定の時間毎に、温度検出部6の検出温度と、温度上昇度算出部7により算出された温度上昇度とを取得しながら、加熱開始から初期加熱時間が経過するのを待つ(ステップ2)。
最低水量300gに対しての水の熱容量は、
4.2(J/gK)×300(g)=1260(J/K)
となり、被加熱負荷の熱容量は鍋と水の熱容量の和であるので、
500(J/K)+1260(J/K)=1760(J/K)
となる。この被加熱負荷が沸騰温度(100℃)まで温度上昇するためには、
1760(J/K)×(100−25)(K)=132000(J)
の熱量が必要である。加熱出力を熱効率で有効な加熱出力に換算すると、
2.5(kW)×0.88=2.2kW=2200(J/秒)
なので、25℃、300gの水を沸騰させるには、
132000(J)÷2200(J/秒)=60(秒)
かかるので、基準時間として60秒程度の値を設定すればよい。なお、この基準時間は種々の条件で測定したデータから設定してもよく、また、加熱開始前の検出温度等に基づいて補正するようにしてもよい。
実施の形態1では、鍋底がほぼ平らと判断したときに、ステップ5において、温度上昇度と基準上昇度とを比較して鍋1内の沸騰を検出するようにしたが、実施の形態2は、温度検出部6の検出温度が基準温度より高いときに鍋1内の湯が沸騰していると判断するようにしたものである。なお、実施の形態2の加熱調理器の構成は、実施の形態1と同じであるため、図1及び図2を用いて説明する。
実施の形態3は、鍋1の底がほぼ平らと判断したときに、検出温度が基準温度より高く、かつ、温度上昇度が基準上昇度より低くなると鍋1内の湯が沸騰していると判断するようにしたものである。なお、実施の形態3の加熱調理器の構成は、実施の形態1と同じであるため、図1及び図2を用いて説明する。
実施の形態4は、鍋1の底がほぼ平らと判断したときに、温度上昇度が基準上昇度より低くなると、或いは温度上昇度が基準上昇度以上で、検出温度が基準温度より高くなると鍋1内の湯が沸騰していると判断するようにしたものである。なお、実施の形態4の加熱調理器の構成は、実施の形態1と同じであるため、図1及び図2を用いて説明する。
実施の形態5に係る加熱調理器は、実施の形態1と同様に(図1及び図2参照)、トッププレート2と、トッププレート2の下に配置された環状の加熱コイル3と、トッププレート2の下面に設置された温度センサ4と、後述する加熱制御部8の制御に基づいて加熱コイル3に高周波電流を供給する加熱出力部5と、温度センサ4の出力に基づいて鍋1の温度を検出する温度検出部6と、温度検出部6の検出温度から温度上昇度(温度変化量)を算出する温度上昇度算出部7と、操作部(図示せず)により設定された加熱出力に応じて加熱出力部5を制御する加熱制御部8と、カウンタ9aとを備えている。
実施の形態1と同様に加熱出力が設定されると、加熱制御部8は、設定された加熱出力に基づいて加熱出力部5を制御し、加熱出力部5は、その制御に基づいて高周波電流を加熱コイル3に供給し、鍋1の加熱を開始する(ステップ11)。一方、温度検出部6は、トッププレート2を介して鍋1の底の温度を温度センサ4からの出力に基づいて検出し、温度上昇度算出部7は、温度検出部6により検出された温度に基づいて温度上昇度(温度変化量)を算出し、加熱制御部8は、計時部9を利用して所定の時間毎に、温度検出部6の検出温度と、温度上昇度算出部7により算出された温度上昇度とを取得しながら、加熱開始から初期加熱時間が経過するのを待つ(ステップ12)。
実施の形態6は、カウント値から鍋1の底がほぼ平らと判断したときに、検出温度が基準温度より高くなると鍋1内の湯が沸騰していると判断するようにしたものである。なお、実施の形態6の加熱調理器の構成は、実施の形態1と同じであるため、図1及び図2を用いて説明する。
実施の形態7は、温度上昇度から鍋1の底がほぼ平らと判断したとき、即座に鍋1内の湯が沸騰していると判断し、また、カウント値から鍋1の底がほぼ平らと判断したときに、温度上昇度が基準上昇度より低いと鍋1内の湯が沸騰していると判断するようにしたものである。なお、実施の形態7の加熱調理器の構成は、実施の形態1と同じであるため、図1及び図2を用いて説明する。
実施の形態8は、検出温度から鍋1の底がほぼ平らと判断したときに、温度上昇度が基準上昇度を超えると鍋1内の湯が沸騰していると判断し、また、カウント値から鍋1の底がほぼ平らと判断したときに、検出温度が基準温度より高く、かつ温度上昇度が基準上昇度より低くなると鍋1内の湯が沸騰していると判断するようにしたものである。なお、実施の形態8の加熱調理器の構成は、実施の形態1と同じであるため、図1及び図2を用いて説明する。
6 温度検出部、7 温度上昇度出部、8 加熱制御部、9 計時部、9a カウンタ。
Claims (4)
- 調理容器を加熱する加熱手段と、
該加熱手段の加熱出力を制御する加熱制御手段と、
調理容器の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段の検出温度から温度上昇度を算出する温度上昇度算出手段とを備え、
前記加熱制御手段は、
前記温度上昇度算出手段により算出された温度上昇度の増加が停止するまでの加熱開始からの経過時間と予め設定された基準時間とを比較し、前記経過時間が前記基準時間よりも長いときは、温度上昇度が減少に転じたときに調理容器内が沸騰していると判定し、前記経過時間が前記基準時間よりも短いときは、温度上昇度が予め設定された基準上昇度より低いかどうかを判定し、温度上昇度が基準上昇度より低いときに調理容器内が沸騰していると判定することを特徴とする加熱調理器。 - 調理容器を加熱する加熱手段と、
該加熱手段の加熱出力を制御する加熱制御手段と、
調理容器の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段の検出温度から温度上昇度を算出する温度上昇度算出手段とを備え、
前記加熱制御手段は、
前記温度上昇度算出手段により算出された温度上昇度の増加が停止するまでの加熱開始からの経過時間と予め設定された基準時間とを比較し、前記経過時間が前記基準時間よりも長いときは、温度上昇度が減少に転じたときに調理容器内が沸騰していると判定し、前記経過時間が前記基準時間よりも短いときは、前記温度検出手段の検出温度が予め設定された基準温度を超えたかどうかを判定し、検出温度が基準温度を超えたときに調理容器内が沸騰していると判定することを特徴とする加熱調理器。 - 調理容器を加熱する加熱手段と、
該加熱手段の加熱出力を制御する加熱制御手段と、
調理容器の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段の検出温度から温度上昇度を算出する温度上昇度算出手段とを備え、
前記加熱制御手段は、
前記温度上昇度算出手段により算出された温度上昇度の増加が停止するまでの加熱開始からの経過時間と予め設定された基準時間とを比較し、前記経過時間が前記基準時間よりも長いときは、温度上昇度が減少に転じたときに調理容器内が沸騰していると判定し、前記経過時間が前記基準時間よりも短いときは、前記温度検出手段の検出温度が予め設定された基準温度を超えたかどうか、温度上昇度が予め設定された基準上昇度より低いかどうかをそれぞれ判定し、検出温度が基準温度を超え、かつ、温度上昇度が基準上昇度より低いときに調理容器内が沸騰していると判定することを特徴とする加熱調理器。 - 調理容器を加熱する加熱手段と、
該加熱手段の加熱出力を制御する加熱制御手段と、
調理容器の温度を検出する温度検出手段と、
該温度検出手段の検出温度から温度上昇度を算出する温度上昇度算出手段とを備え、
前記加熱制御手段は、
前記温度上昇度算出手段により算出された温度上昇度の増加が停止するまでの加熱開始からの経過時間と予め設定された基準時間とを比較し、前記経過時間が前記基準時間よりも長いときは、温度上昇度が減少に転じたときに調理容器内が沸騰していると判定し、前記経過時間が前記基準時間よりも短いときは、温度上昇度が予め設定された基準上昇度より低いかどうかを判定し、温度上昇度が基準上昇度より低いときに調理容器内が沸騰していると判定し、また、前記温度検出手段の検出温度が予め設定された基準温度を超えたかどうかを判定し、検出温度が基準温度を超えたときに調理容器内が沸騰していると判定することを特徴とする加熱調理器。
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