JP4475252B2 - フレックス燃料機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、主燃料とこの主燃料とは性状の異なる燃料からなって燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の制御装置に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりとともに、車載等の内燃機関の燃料として、一酸化炭素や炭化水素等の排出量の少ないアルコール燃料が注目されるようになっている。特にブラジルでは、アルコール燃料車の製造メーカやユーザに税制上の優遇措置が図られていることから、アルコールとガソリンとの混合燃料を使用する車両(フレックス燃料車)が広く普及している。しかしながら、アルコールはガソリンに比して低温環境下で気化し難いため、アルコールとガソリンとの混合燃料を使用する車両では、低温始動時や低温走行時に、燃料の気化不良から失火等の燃焼不良が発生してドライバビリティの悪化を招き易くなっている。
そこで従来、特許文献1に記載のように、混合燃料中のアルコール成分及びガソリンの低沸点成分の双方の濃度を検出し、その検出された各濃度に応じて機関始動時の燃料噴射量を増量補正することで、上記混合燃料を使用する内燃機関の始動性を向上する技術が提案されている。具体的には、燃料パイプに設けられたアルコール濃度センサの検出値から混合燃料中のアルコール成分の濃度を検出するとともに、燃料タンクに設けられた蒸気圧センサ及び温度センサの検出値から混合燃料中のガソリンの低沸点成分の濃度を検出する。そして混合燃料中のアルコール成分の濃度が所定値以上のとき、ガソリンの低沸点成分の濃度が低いほど、機関始動時の燃料噴射量を増量するようにしている。
一方、使用される混合燃料の組成に大きなばらつきが無いと想定されている場合には、別の手法を用いて混合燃料を用いる内燃機関の低温始動性や低温加速性を高めることもできる。具体的には、当該内燃機関の冷却水温を測定する水温センサの出力値が判定値以下であって当該内燃機関の始動時(低温始動時)に、あるいは同水温センサの出力値が判定値以下であって当該内燃機関の加速時(低温加速時)に、主たる燃料(主燃料)である混合燃料とは別に、該主燃料よりも低温時における気化特性の良好な燃料(例えばガソリン)を補助燃料(副燃料)として追加供給する。こういった手法によっても、低温時における気化特性の悪い成分を含む主燃料を使用するフレックス燃料機関の低温始動性や低温加速性を高めることはできる。
特開平5−340286号公報
ところで、内燃機関の制御においては一般に、当該機関の稼動中にセンサ等、その構成要素の一部が故障しても、機関全体としての運転状態についてはこれを安全側に維持せしめるフェールセーフなる設計思想が採用されている。具体的には、例えば当該機関の稼動中に水温センサが故障したとき、該水温センサの出力値を常温値に相当する所定値に置換するなどのフェールセーフ処理を実行する。これにより、例えば燃料噴射量がこの置換値に基づき算出されることになり、こうして算出される燃料噴射量を当該機関に噴射供給することで同機関の稼動を継続させることができるようになる。ただし、上述のフレックス燃料機関にこうしたフェールセーフ処理を適用するとなると、次のような不都合が懸念される。すなわち、フレックス燃料機関の水温センサが故障したとするときにこの水温センサの出力値を常温値に相当する所定値に置換すると、当該機関の実際の運転状態とは無関係に同機関の冷却水温度は常温の状態にあるとみなされることとなる。そのため、例えばこのフレックス燃料機関が実際には低温での始動状態にあったとしても上記副燃料の追加供給の必要性は認識されない。すなわち副燃料の追加供給は実行されない。その結果、フレックス燃料機関としての始動性が著しく悪化するようになる。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、主燃料としての低温気化性能の不足を副燃料の供給により補うフレックス燃料機関への燃料供給を制御するにあたり、たとえ水温センサに異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理の実行を可能とするフレックス燃料機関の制御装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1記載の発明では、アルコールを主成分とする燃料からなる主燃料とガソリンを主成分とする燃料からなって燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の燃料噴射制御に際し、同機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断に基づいて前記副燃料の供給制御を実行するフレックス燃料機関の制御装置として、前記機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力に基づいて行うとともに、この水温センサの異常の有無を判定する判定手段と、前記フレックス燃料機関の吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出もしくは推定する手段とを備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記検出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を強制実行することとした。また、請求項3に記載の発明では、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記水温センサのセンサ出力に相当する値を前記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換し、前記検
出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を実行することとした。
フレックス燃料機関の制御装置としてのこのような構成によれば、当該機関の水温センサの異常が判定されるとき、上記副燃料の追加供給の必要性が常に認識される。したがって、当該機関の水温センサに異常等が生じている場合には、上記副燃料の供給制御の強制実行、あるいは上記水温センサのセンサ出力に相当する値を上記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換することを通じて、フレックス燃料機関でもフェールセーフ処理を適正に実行することができるようになる。なお、上記水温センサのセンサ出力に相当する値は、燃料供給量を計算する際に使用されるパラメータの1つである。したがって、特に上記請求項に記載の構成によれば、そうした値を上記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換するため、適切な燃料供給量を設定することも可能となる。
ところで、こうした適正なフェールセーフ処理の実行を目的としている一方で、上記副燃料を追加供給する頻度あるいは量を抑制することが求められている。特にフレックス燃料機関が搭載されるフレックス燃料車においては、上記副燃料を貯留する副燃料タンクが上記主燃料を貯留する主燃料タンクと比較して極めて小さく、貯留可能な燃料量も極めて少ない。したがって、水温センサの異常が判定されたからといって常に上述のようなフェールセーフ処理を実行すると、上記副燃料タンクに貯留される副燃料をすぐに消費してしまうことが懸念される。
しかしながら、上記請求項1記載の発明では、前記主燃料がアルコールを主成分とする燃料からなるとともに、前記副燃料がガソリンを主成分とする燃料からなるものであって、前記フレックス燃料機関の吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出もしくは推定する手段を備えており、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、この検出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を強制実行して上記懸念を解消することとした。また、上記請求項3に記載の発明では、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記水温センサのセンサ出力に相当する値を前記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換し、前記検出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を実行して上記懸念を解消することとした。
ちなみに、主燃料がこのようにアルコールを主成分とする燃料からなる場合、吸気ポート近傍でのアルコール濃度がさほど高くない場合には、低温始動時とはいえ、この主燃料のみの噴射でも機関始動に至る可能性は高い。したがってこのような構成によれば、当該フレックス燃料機関が上記副燃料の供給制御を真に必要としていると推定される状況においてのみ、フェールセーフ処理として副燃料の供給制御の強制実行、あるいは水温センサのセンサ出力の置換が行われるため、少量しか貯留されない上記副燃料の利用を最小限に留めることができるようになる。
同様に例えば請求項に記載の発明では、前記機関の始動時におけるストール履歴を監視する手段をさらに備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、このストール履歴があることを条件に前記副燃料の供給制御を強制実行することとした。また、請求項4に記載の発明では、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、このストール履歴があることを条件に前記水温センサのセンサ出力に相当する値を前記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換することとした。これによっても、当該フレックス燃料機関が上記副燃料の供給制御を真に必要としている状況においてのみ、上述したフェールセーフ処理が実行され、少量しか貯留されない上記副燃料の利用を必要最小限に留めることができるようになる。なお、このようなフェールセーフ処理の実行にかかる範囲の限定は、フェールセーフ本来の目的に沿ったものでもある。
また、特に上記請求項及び請求項に記載のフレックス燃料機関の制御装置はその併用が可能でもある。すなわち請求項に記載の発明によるように、前記主燃料としてアルコールを主成分とする燃料からなるものを、また前記副燃料としてガソリンを主成分とする燃料からなるものを採用する場合に、前記フレックス燃料機関の吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出もしくは推定する手段、および前記機関の始動時におけるストール履歴を監視する手段をさらに備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記ストール履歴があることを条件に前記水温センサのセンサ出力に相当する値を前記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換して且つ、前記検出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を実行するようにしてもよい。これによっても、フェールセーフ処理の実行にかかる範囲をフェールセーフ本来の目的に沿って限定することができるようになり、少量しか貯留されない上記副燃料の利用を必要最小限に留めることができるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第1の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。
この実施の形態では、以下に詳述するように、主燃料と燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の始動時、同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力及び吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサのセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を行う。そして、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、副燃料の供給制御を強制実行する。こうすることで、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
図1は、この実施の形態の適用対象となるフレックス燃料機関の全体構成及び機関制御装置の概略構成を示している。なお、このフレックス燃料機関は、車両に搭載される車載用のフレックス燃料機関として構成されており、アルコールを主成分とする燃料(多くはエタノールとガソリンとの混合燃料)が主燃料として供給されているとともに、ガソリンを主成分とする燃料が副燃料として供給されている。すなわち、この実施の形態では、主燃料よりも低温時における気化性の高い燃料を副燃料として供給することで、特に当該フレックス燃料機関の低温始動時における燃焼を補助するようにしている。
図1に示すように、フレックス燃料機関10は、基本的に、外部から吸入される空気の通路である吸気通路11、この吸気通路11を通じて導入される空気と燃料との混合気の燃焼に供される燃焼室12、及びこの燃焼室12内での燃焼により生じた排気が排出される排気通路13を備えて構成されている。
このうち、吸気通路11は、サージタンク14下流の吸気マニホールド15にて気筒毎に分岐されるとともに、吸気ポート16を介して各気筒の燃焼室12にそれぞれ接続されている。こうした吸気通路11には、そのサージタンク14上流に、吸気通路11内の空気の温度を検出する吸気温センサ17が配設されているとともに、副燃料を噴射供給するための副燃料インジェクタ18が同サージタンク14に配設されている。さらに、吸気通路11には、主燃料を噴射供給する主燃料インジェクタ19がその各気筒の吸気ポート16毎に配設されている。副燃料インジェクタ18により噴射供給される副燃料は、副燃料通路20を介して同副燃料インジェクタ18に接続された副燃料タンク21から副燃料供給用の燃料ポンプ22により汲み出されて供給されている。また主燃料インジェクタ19により噴射供給される主燃料は、主燃料通路23を介して同主燃料インジェクタ19に接続された主燃料タンク24から主燃料供給用の燃料ポンプ25により汲み出されて供給されている。なお、主燃料タンク24内に貯留された主燃料の残量は、図示しない燃料計にて計測されるようになっている。
一方、フレックス燃料機関10のシリンダ26の側壁とそのシリンダ26に往復動可能に配設されたピストン27の上面とによって区画形成される上記燃焼室12の上面には、導入された混合気に火花点火する点火プラグ28が配設されている。またシリンダ26の側壁には、機関冷却用の冷却水の流路であるウォータジャケット29が形成されるとともに、そのウォータジャケット29には、その内部を流れる冷却水の温度を検出する水温センサ30が配設されている。
他方、上記排気の排出ポートである排気ポート31を介してこの燃焼室12に接続される排気通路13には、その内部を流れる排気の酸素含有量に基づいて、燃焼室12での燃焼に供された混合気の空燃比を検出する空燃比センサ32が配設されるとともに、その下流側に排気を浄化する触媒装置33が配設されている。
以上のように構成されたフレックス燃料機関10の運転にかかる各種制御は、機関制御装置34によって実行されている。機関制御装置34は、基本的に、機関制御にかかる各種演算処理を実行する中央演算装置(CPU)、該中央演算装置の制御に使用される各種プログラムやデータが記憶されたメモリ、上記副燃料インジェクタ18、上記主燃料インジェクタ19、並びに上記燃料ポンプ22及び25を駆動するための図示しない駆動回路等々を備えて構成されている。そして機関制御装置34は、そうした機関制御の一環として、水温センサ30の異常の有無を判定する判定処理、上記主燃料インジェクタ19及び上記副燃料インジェクタ18の駆動を通じての各燃料の噴射供給制御、当該機関10の始動時におけるストール履歴を監視する監視処理を実行している。なお、こうした異常判定処理、各燃料の噴射供給制御、ストール監視処理はそれぞれ、上記メモリに記憶されたプログラムを上記中央演算処理装置が実行することで行われる。そのため、ここでは概念的に、水温センサ30の異常の有無を判定する判定処理にかかる要素を異常判定部35として、各燃料の噴射供給制御の実行にかかる要素を燃料噴射制御部36として、当該機関10の始動時におけるストール履歴を監視する監視処理にかかる要素をストール監視部37として、それぞれ表すこととする。
このうち、上記異常判定部35には、同図1に示すように、上記燃料噴射制御部36及び上記水温センサ30等々が接続されている。そしてこの異常判定部35では、例えば水温センサ30の給電経路や出力経路が断線あるいは短絡しているか否かなど、水温センサ30の異常の有無を判定し、異常があると判定される場合には、水温センサ30のセンサ出力に相当する値を水温フェールセーフ値(例えば80度)に置換した上でこれを水温センサ30のセンサ出力として上記燃料噴射制御部36に出力する。逆に、異常がないと判定される場合には、水温センサ30のセンサ出力に対し何らの処理を加えることなく、これをそのまま上記燃料噴射制御部36に出力する。
一方、燃料噴射制御部36には、これも図1に示すように、副燃料インジェクタ18、主燃料インジェクタ19、並びに燃料ポンプ22及び25等の駆動回路に加えて、上記吸気温センサ17や空燃比センサ32をはじめとする当該機関10の運転状況を検知する各種センサが接続されている。また他にも、当該機関10の外部の環境温度を検出する外気温センサ38、吸気ポート16近傍でのアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサ39、上記水温センサ30のセンサ出力に上述の処理を実行した上でこれを出力する上記異常判定部35等々が接続されている。そして燃料噴射制御部36は、これらセンサによる検出結果に基づき各種処理を実行している。
すなわち、燃料噴射制御部36は、当該フレックス燃料機関10の始動時に水温センサ30の異常の有無を確認するとともに、水温センサ30に異常が確認されない場合には燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を同水温センサ30のセンサ出力(正確には上記異常判定部35の出力)に基づき行い、水温センサ30の異常が確認される場合には副燃料の供給制御を強制実行する。
具体的には、例えば当該機関10の始動時であると判断されると、燃料噴射制御部36はまず、上記異常判定部35の判定結果、すなわち上記水温センサ30の異常の有無を確認する。ここで、上記水温センサ30が正常である旨の判定結果が確認されると、燃料噴射制御部36は、主燃料インジェクタ19による主燃料の噴射供給及び副燃料インジェクタ18による副燃料の噴射供給が組み合わせて実行される「主/副燃料噴射モード」にその燃料噴射モードを設定する。なお、この「主/副燃料噴射モード」においては、上記水温センサ30のセンサ出力、上記アルコール濃度センサ39のセンサ出力、及び図2に示すモード切換マップに基づいて各燃料が噴射供給される。すなわち、図2に示すように、例えば、機関始動時水温が「80度」であり、アルコール濃度が「10%」であるとき、燃料噴射制御部36は、燃焼に至りやすい状況にある旨の判断をし、上記主燃料インジェクタ19による主燃料の噴射供給を行う。また同図2に示すように、例えば、機関始動時水温が「25度」であり、アルコール濃度が「50%」であるとき、燃料噴射制御部36は、燃焼に至りにくい状況にある旨の判断をし、上記主燃料インジェクタ19による主燃料の噴射供給及び上記副燃料インジェクタ18による副燃料の噴射供給を併せて行う。また同図2に示すように、例えば、機関始動時水温が「−20度」であり、アルコール濃度が「90%」であるとき、燃料噴射制御部36は、燃焼に至りにくい状況にある旨の判断をし、上記副燃料インジェクタ18による副燃料の噴射供給を行う。
一方、例えば当該機関10の始動時であると判断され、上記水温センサ30が異常である旨の判定結果が確認されると、燃料噴射制御部36は、上記副燃料インジェクタ18による副燃料の噴射供給のみが行われる「副燃料噴射モード」にその噴射モードを設定する。なお、この「副燃料噴射モード」においては、上記水温センサ30のセンサ出力及び上記アルコール濃度センサ39のセンサ出力に無関係に、燃焼に至りにくい状況を確実に回避可能とする程度の量の副燃料の供給制御を強制実行する。
他方、例えば当該機関10が稼動中(すなわち始動後)であると判断されると、燃料噴射制御部36は、上記水温センサ30の異常の有無に拘わらず、主燃料インジェクタ19による主燃料の噴射供給のみが行われる「主燃料噴射モード」にその噴射モードを設定する。なお、このときの主燃料の噴射量は空燃比制御に基づいており、この空燃比制御では、吸気通路11を通じて導入された空気と噴射供給された主燃料との混合気の空燃比が所望とする値(目標空燃比)となるように、主燃料インジェクタ19から噴射供給される主燃料の量が上記空燃比センサ32の検出結果に基づき調整されている。このようにして主燃料を噴射供給するようにしている。
また、上記ストール監視部37には、同じく図1に示すように、図示しないクランクシャフトの回転に応じてパルスを出力する回転速度センサ40及び上記燃料噴射制御部36が接続されている。このストール監視部37は、基本的に、回転速度センサ40から単位時間当たりに入力されるパルス数をカウントして機関回転速度を算出し、これを回転速度センサのセンサ出力として上記燃料噴射制御部36に出力する。また併せて、上記ストール監視部37は、当該機関10の始動操作が行われている期間、回転速度センサ40からパルスが入力されているか否か、すなわちクランクシャフトが回転しているか否かを判定し、パルスが入力されない期間が既定値を超えたとき、ストール履歴ありの旨を上記燃料噴射制御部36に出力する。
図3は、上記機関制御装置34にて行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートであり、次に、この図3を併せ参照して、同制御装置34にて行われる処理について詳述する。なお、本処理は、同制御装置34によって、例えば16ミリ秒毎の定時割り込み処理として実行される。
同図3に示されるように、噴射モード選択処理が開始されると上記機関制御装置34を構成する上記異常判定部35は、まず、ステップS101の判定処理として、水温センサ30の異常の有無を判定する。ここで水温センサ30が異常、例えば断線もしくは短絡していると判定されるとき(YES)、異常判定部35は、続くステップS102の処理としてその旨を示す水温センサ異常フラグをセットする。さらに、異常判定部35は、続くステップS103の処理として、水温センサ30のセンサ出力に相当する値を固定の水温フェールセーフ値(例えば80度)に置換した上で、これを水温センサ30のセンサ出力として上記燃料噴射制御部36に出力する。このように、当該機関10の水温センサ30に異常がきたしたときにこの水温センサ30の出力値をフェールセーフ値に置換することで、当該機関10の実際の運転状態とは無関係に同機関10は暖機状態にあるとみなされることとなる。一方、先のステップS101の判定処理において、上記水温センサ30に異常が無いと判定されるとき、上記異常判定部35は、該水温センサ30のセンサ出力に何らの処理を加えることなく、これをそのまま上記燃料噴射制御部36に出力する。そして上記燃料噴射制御部36は、続くステップS104の処理として、上記アルコール濃度センサ39のセンサ出力を取り込み、続くステップS105の判断処理へ移行する。
次に、上記燃料噴射制御部36は、続くステップS105の判断処理として、当該フレックス燃料機関10が始動時(始動操作中)であるか否かを判断する。ここで、当該機関10が始動操作中でないと判断されるとき(NO)、すなわち、当該機関10が稼動中(始動後)であるとき、上記燃料噴射制御部36は、続くステップS106の処理として、その燃料噴射モードを上記「主燃料噴射モード」に設定する。なお、上述したように、この「主燃料噴射モード」に燃料噴射モードが設定されると、空燃比制御に基づきその都度設定される噴射量(時間)のもとに主燃料が噴射供給される。
一方、先のステップS105の判断処理において、当該フレックス燃料機関10が始動時(始動操作中)であると判断されるとき(YES)、上記燃料噴射制御部36は、続くステップS107の確認処理として、水温センサ異常フラグがセットされているか否かを確認する。ここで、水温センサ異常フラグがセットされていないと確認されるとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、水温センサ30に異常はないため、続くステップS108の処理として、その燃料噴射モードを上記「主/副燃料噴射モード」に設定する。なお、これも上述したように、この「主/副燃料噴射モード」に燃料噴射モードが設定されると、上記水温センサ30のセンサ出力及び上記アルコール濃度センサ39のセンサ出力に基づき先の図2のモード切換マップが参照され、このマップの該当するモードでの燃料の噴射供給が実行される。
他方、先のステップS107の確認処理において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、上記燃料噴射制御部36は、続くステップS109の処理として、その燃料噴射モードを上記「副燃料噴射モード」に設定する。また、上述したように、この「副燃料噴射モード」に燃料噴射モードが設定されると、当該機関10の始動を可能とする程度の量の副燃料の噴射供給が強制実行される。
以上説明したように、この実施の形態にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)当該フレックス燃料機関10の始動時、上記機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、副燃料の噴射供給を強制実行することとした。これにより、当該機関10の水温センサ30の異常が判定されるとき、副燃料の噴射供給の必要性が常に認識され、実際にその噴射供給が強制実行される。したがって、フレックス燃料機関10にあってその水温センサ30に異常等が生じている場合であれ、副燃料の供給制御の強制実行を通じて、フェールセーフ処理が適正に実行されるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第2の実施の形態について、図4を参照して、先の第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図4は、先の図3に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートである。またこの実施の形態において、先の図1〜図3に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
同図4に示されるように、この実施の形態のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には先の第1の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、アルコール濃度センサによって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に、副燃料の供給制御を強制実行する。こうすることで、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
具体的には、図4に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS210の判定処理として、上記アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いか否かを判定する。ここで、上記アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも低いと判定されるとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、ガソリン濃度が高い(燃焼に至りやすい状況下にある)ため、燃料噴射モードを「主燃料噴射モード」に設定する上記ステップS106の処理に移行する。一方、先のステップS210の判定処理において、上記アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いと判定されるとき(YES)、上記燃料噴射制御部36は、ガソリン濃度が低い(燃焼に至りにくい状況下にある)ため、燃料噴射モードを「副燃料噴射モード」に設定して副燃料の噴射供給を強制実行する上記ステップS109の処理に移行する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(2)当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に副燃料の供給制御を強制実行することとした。これにより、当該フレックス燃料機関10が副燃料の供給制御を真に必要としていると推定される状況においてのみ、フェールセーフ処理として副燃料の噴射供給が強制実行されるため、少量しか貯留されない副燃料の利用を最小限に留めることができるようになる。
(第3の実施の形態)
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第3の実施の形態について、図5及び図6を参照して、先の第1及び第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図5は、先の図3及び図4に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートであり、図6は、上記機関制御装置34によって行われるストール監視処理の処理手順を示したフローチャートである。またこの実施の形態において、先の図1〜図4に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
同図5に示されるように、この実施の形態のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には先の第1及び第2の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、当該フレックス燃料機関の始動時におけるストール履歴があることを条件に副燃料の供給制御を強制実行する。こうすることで、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
具体的には、図5に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3等)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS310の確認処理として、後述する図6に示すストール監視処理を通じて設定されるストール履歴フラグがセットされているか否かを確認する。ここで、ストール履歴フラグがセットされていないと確認されるとき(NO)、当該機関10(図1)はストールしていない(燃焼に至りやすい状況下にある)ため、上記燃料噴射制御部36は、その燃料噴射モードを「主燃料噴射モード」に設定する上記ステップS106の処理に移行する。一方、先のステップS310の確認処理において、ストール履歴フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、当該機関10(図1)はストールしている(燃焼に至りにくい状況下にある)ため、上記燃料噴射制御部36は、その燃料噴射モードを「副燃料噴射モード」に設定して副燃料の噴射供給を強制実行する上記ステップS109の処理に移行する。
また、図6に示すように、ストール監視処理が開始されると上記ストール監視部37は、まず、ステップS321の判定処理として、このストール監視部37に接続された上記回転速度センサ40(図1)からパルスが入力されているか否かを判定する。すなわち、回転速度センサ40からパルスが入力されているとき(YES)、当該機関10は稼動していると判定することができる一方、回転速度センサ40からパルスが入力されないとき(NO)、当該機関10は稼動していないと判定することができる。したがって、このステップS321の処理において、回転速度センサ40からパルスが入力されているとき(YES)、ストール監視部37は、ステップS322の処理として、ストール判定カウンタを一旦リセットした上で、続くステップS323の処理として、このストール判定カウンタをカウントアップする。一方、先のステップS321の処理において、回転速度センサ40からパルスが入力されていないとき(NO)、ストール監視部37は、ストール判定カウンタに何らの処理を加えることなく、続くステップS323の処理として、ストール判定カウンタをカウントアップする。
こうしてストール判定カウンタのカウントアップにかかる一連の処理を終えると、ストール監視部37は、続くステップS324の判定処理として、ストール判定カウンタのカウンタ値が既定値以上であるか否かを判定する。すなわち、回転速度センサ40からパルスが入力されない(当該機関10が稼動していない)期間が既定期間以上となるか否かを判定する。ここで、ストール判定カウンタのカウンタ値が既定値以上であると判定されるとき(YES)、当該機関10が稼動していない期間が所定期間を超えたため、ストール監視部37は、続くステップS325の処理として、ストール履歴フラグをセットした上で、そのままこの処理を一旦終了する。一方、先のステップS324の判定処理において、ストール判定カウンタのカウンタ値が既定値以上でないと判定されるとき(NO)、ストール監視部37は、続くステップS326の処理として、ストール履歴フラグをリセットした上で、そのままこの処理を一旦終了する。このようにして、機関制御装置34は、当該機関10のストールを監視する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(3)当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、当該フレックス燃料機関10の始動時におけるストール履歴があることを条件に副燃料の供給制御を強制実行するようにした。これにより、当該フレックス燃料機関10が副燃料の供給制御を真に必要としている状況においてのみ、フェールセーフ処理が実行され、少量しか貯留されない副燃料の利用を最小限に留めることができるようになる。しかも、このようなフェールセーフ処理の実行にかかる範囲の限定は、フェールセーフ本来の目的に沿ったものとなっている。
(第4の実施の形態)
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第4の実施の形態について、図7を参照して、先の第1〜第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図7は、先の図3〜図5に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートである。またこの実施の形態において、先の図1〜図6に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
同図7に示されるように、この実施の形態のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には先の第1〜第3の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、当該フレックス燃料機関の始動時、同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力及び吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサのセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を行う。また、この水温センサの異常が判定されるとき、水温センサのセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換する。こうすることで、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
具体的には、図7に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3等)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS410の処理として、先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を低温側の既定値(例えば「−10度」)に一時的に置換する旨、上記異常判定部35(図1)に出力する。こうした置換指令を受けた上記異常判定部35は、上記水温センサ30のセンサ出力に相当する値を低温側の既定値に置換した上で、これを水温センサ30のセンサ出力として燃料噴射制御部36に出力する。そして燃料噴射制御部36は、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。一方、先のステップS107の確認処理において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されないとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、異常判定部35に対し先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を維持させたまま、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(4)当該フレックス燃料機関10の始動時、上記水温センサ30の異常の有無を判定する上記異常判定部35を備え、この異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、水温センサ30のセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換することとした。これにより、当該機関10の上記水温センサ30の異常が判定されるとき、副燃料の噴射供給の必要性が常に認識され、実際にその噴射供給が強制実行される。したがって、フレックス燃料機関10にあってその水温センサ30に異常等が生じている場合であれ、水温センサ30のセンサ出力の置換を通じて、フェールセーフ処理が適正に実行されるようになる。なお、水温センサ30のセンサ出力に相当する値は、燃料量を計算する際に使用されるパラメータの1つである。したがって、この実施の形態によれば、そうした値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換するため、適切な燃料量を設定することも可能となる。
(第5の実施の形態)
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第5の実施の形態について、図8を参照して、先の第1〜第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図8は、先の図3〜図5及び図7に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートである。またこの実施の形態において、先の図1〜図7に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
図8に示されるように、この実施の形態のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には先の第1〜第4の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、アルコール濃度センサによって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に、水温センサのセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換する。こうすることで、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
具体的には、図8に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3等)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS510の判定処理として、上記アルコール濃度センサ39(図1)によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いか否かを判定する。ここで、上記アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いと判定されるとき(YES)、上記燃料噴射制御部36(図1)は、続くステップS511の処理として、先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を低温側の既定値(例えば「−10度」)に一時的に置換する旨、上記異常判定部35(図1)に出力する。こうした置換指令を受けた上記異常判定部35は、上記水温センサ30のセンサ出力に相当する値を低温側の既定値に置換した上で、これを水温センサ30のセンサ出力として燃料噴射制御部36に出力する。そして燃料噴射制御部36は、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
一方、先のステップS107の確認処理において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されないとき(NO)、あるいは先のステップS510の判定処理において、アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高くないと判定されるとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、異常判定部35に対し先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を維持させたまま、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(5)当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に、水温センサ30のセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換することとした。これにより、当該フレックス燃料機関10が副燃料の供給制御を真に必要としていると推定される状況においてのみ、フェールセーフ処理として水温センサ30のセンサ出力の置換を通じての副燃料の噴射供給が強制実行され、少量しか貯留されない副燃料の利用を最小限に留めることができるようになる。
(第6の実施の形態)
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第6の実施の形態について、図9を参照して、先の第1〜第5の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図8は、先の図3〜図5、図7、及び図8に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートである。またこの実施の形態において、先の図1〜図8に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
図9に示されるように、この実施の形態のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には先の第1〜第5の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、当該フレックス燃料機関の始動時におけるストール履歴があることを条件に、水温センサのセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換する。こうすることで、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
具体的には、図9に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3等)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS610の確認処理として、上記ストール監視部37によって設定されるストール履歴フラグがセットされているか否かを確認する。ここで、ストール履歴フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、上記燃料噴射制御部36は、続くステップS611の処理として、先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を低温側の既定値(例えば「−10度」)に一時的に置換する旨、上記異常判定部35(図1)に出力する。こうした置換指令を受けた上記異常判定部35は、上記水温センサ30のセンサ出力に相当する値を低温側の既定値に置換した上で、これを水温センサ30のセンサ出力として燃料噴射制御部36に出力する。そして燃料噴射制御部36は、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
一方、先のステップS107の確認処理において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されないとき(NO)、あるいは、先のステップS610の確認処理において、ストール履歴フラグがセットされていると確認されないとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、異常判定部35に対し先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を維持させたまま、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(6)当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、当該フレックス燃料機関10の始動時におけるストール履歴があることを条件に、水温センサ30のセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換することとした。これにより、当該フレックス燃料機関10が副燃料の供給制御を真に必要としている状況においてのみ、フェールセーフ処理が実行され、少量しか貯留されない副燃料の利用を必要最小限に留めることができるようになる。なお、このようなフェールセーフ処理の実行にかかる範囲の限定は、フェールセーフ本来の目的に沿ったものである。
(第7の実施の形態)
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第7の実施の形態について、図10を参照して、先の第1〜第6の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図8は、先の図3〜図5、図7〜図9に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートである。またこの実施の形態において、先の図1〜図9に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
図10に示されるように、この実施の形態のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には先の第1〜第6の実施の形態に準じた構成となっている。ただし、この実施の形態では、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、当該フレックス燃料機関の始動時におけるストール履歴があることを条件に、水温センサのセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換し、アルコール濃度センサによって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に副燃料の供給制御を実行する。こうすることで、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
具体的には、図10に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3等)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS710の確認処理として、上記ストール監視部37によって設定されるストール履歴フラグがセットされているか否かを確認する。ここで、ストール履歴フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、上記燃料噴射制御部36は、続くステップS711の処理として、先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を低温側の既定値(例えば「−10度」)に一時的に置換する旨、上記異常判定部35(図1)に出力する。こうした置換指令を受けた上記異常判定部35は、上記水温センサ30のセンサ出力に相当する値を低温側の既定値に置換した上で、これを水温センサ30のセンサ出力として燃料噴射制御部36に出力する。そして燃料噴射制御部36は、続くステップS712の判定処理として、上記アルコール濃度センサ39(図1)によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いか否かを判定する。ここで、上記アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いと判定されるとき(YES)、上記燃料噴射制御部36は、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
一方、先のステップS107の確認処理において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されないとき(NO)、あるいは、先のステップS710の確認処理において、ストール履歴フラグがセットされていると確認されないとき(NO)、またあるいは、先のステップS712の判定処理において、アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも低いとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、異常判定部35に対し先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を維持させたまま、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(7)当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、当該フレックス燃料機関10の始動時におけるストール履歴があることを条件に、水温センサ30のセンサ出力に相当する値を副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換する。さらに、アルコール濃度センサ39によって検出されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に副燃料の供給制御を実行することとした。これにより、フェールセーフ処理の実行にかかる範囲をフェールセーフ本来の目的に沿って限定することができるようになり、少量しか貯留されない上記副燃料の利用を必要最小限に留めることができるようになる。
(第比較例
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第比較例について、図11を参照して、先の第1〜第7の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図11は、先の図3〜図5、図7〜図10に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートである。ま
たこの比較例において、先の図1〜図10に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
図11に示されるように、この比較例のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には先の第1〜第7の実施の形態に準じた構成となっている。すなわち、この比較例も、主燃料と燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の始動時、同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力及び吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサのセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を行う。ただし、当該機関の始動時、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、この水温センサに代えて、当該機関に吸入される空気の温度を検出する吸気温センサのセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を行う。これにより、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理が実行できるようにしている。
具体的には、図11に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3等)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS810の処理として、先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を上記吸気温センサ17(図1)のセンサ出力で代替する旨、上記異常判定部35(図1)に出力する。こうした代替指令を受けた上記異常判定部35は、上記水温センサ30のセンサ出力に相当する値を上記吸気温センサ17のセンサ出力で代替した上で、これを水温センサ30のセンサ出力として燃料噴射制御部36に出力する。そして燃料噴射制御部36は、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
一方、先のステップS107の確認処理において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されていないとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、異常判定部35に対し先のステップS103の処理にて設定した水温セールセーフ値を維持させたまま、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
以上説明したように、この比較例にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(8)当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、この水温センサ30に代えて、当該機関10に吸入される空気の温度を検出する吸気温センサ17のセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を行うこととした。これにより、上記水温センサ30の異常が判定されるときには、当該機関10のコールドスタート時であれ、当該機関10のホットスタート時であれ、副燃料の噴射供給が強制実行されやすくなる。したがって、より確実にフェールセーフ処理を実行することができるようになる。さらに、当該機関10の状態に応じた始動方法の選択も可能となる。
(第比較例
次に、この発明にかかるフレックス燃料機関の制御装置の第比較例について、図12を参照して、先の第1〜第の実施の形態及び第1の比較例との相違点を中心に説明する。なお、図12は、先の図3〜図5、図7〜図11に対応する図であって、上記機関制御装置34によって行われる噴射モードの選択にかかる処理の処理手順を示したフローチャートである。またこの比較例において、先の図1〜図11に示した要素あるいは処理と同一の要素あるいは処理にはそれぞれ同一の符号あるいはステップ番号を付して示し、それら要素、並びに各処理についての重複する説明は割愛する。
図12に示されるように、この比較例のフレックス燃料機関の制御装置も、基本的には
先の第1〜第の実施の形態及び第1の比較例に準じた構成となっている。すなわち、この比較例も、主燃料と燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の始動時、同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力及び吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサのセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を行う。ただし、当該機関の始動時、機関制御装置を構成する異常判定部によって水温センサの異常が判定されるとき、この水温センサに代えて、当該機関の外部の環境温度を検出する外気温センサのセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を行う。これにより、たとえ水温センサの異常等が生じている場合であれ、適正なフェールセーフ処理を実行ができるようにしている。
具体的には、図12に示すように、上記燃料噴射制御部36(図1)は、上記ステップS107の確認処理(図3等)において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されるとき(YES)、続くステップS910の処理として、先のステップS103の処理にて設定した水温フェールセーフ値を上記外気温センサ38(図1)のセンサ出力で代替する旨、上記異常判定部35(図1)に出力する。こうした代替指令を受けた上記異常判定部35は、上記水温センサ30のセンサ出力に相当する値を上記外気温センサ38のセンサ出力で代替した上で、これを水温センサ30のセンサ出力として燃料噴射制御部36に出力する。そして燃料噴射制御部36は、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
一方、先のステップS107の確認処理において、水温センサ異常フラグがセットされていると確認されていないとき(NO)、上記燃料噴射制御部36は、異常判定部35に対し先のステップS103の処理にて設定した水温セールセーフ値を維持させたまま、燃料噴射モードを「主/副燃料噴射モード」に設定する上記ステップS108の処理を実行する。
以上説明したこの比較例にかかるフレックス燃料機関の制御装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(9)当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、この水温センサ30に代えて、当該機関10の外部の環境温度を検出する外気温センサ38のセンサ出力に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にあるか否かの判断を行うこととした。これにより、上記水温センサ30の異常が判定されるときには、当該機関10のコールドスタート時であれ、当該機関10のホットスタート時であれ、副燃料の噴射供給が強制実行されやすくなる。特に、当該機関10を暖機完了状態で停止させて冷態状態になる前の状態であるデッドソークの際であれ、こうしたフェールセーフ処理が実行されることとなる。
(他の実施の形態、比較例
なお、上記各実施の形態や各比較例は例えば以下のような形態として実施することもできる。
・上記第及び第比較例では、当該フレックス燃料機関10の始動時、機関制御装置34を構成する異常判定部35によって水温センサ30の異常が判定されるとき、この水温センサ30に代えて、吸気温センサ17や外気温センサ38のセンサ出力に基づいて燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を行うこととした。しかし、こうした代用センサとしては、吸気温センサ17や外気温センサ38に限られることなく、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を行うことのできるセンサであれば他の任意のセンサを採用することができる。
・上記各実施の形態(変形例や比較例も含む)では、副燃料を噴射供給する副燃料インジェクタ18を備えることとしたが、インジェクタに代えてその先端が細く形成された筒状のジェットを備える構成としてもよい。
・上記各実施の形態(変形例や比較例も含む)では、上記「主/副燃料噴射モード」にその燃料噴射モードが設定されると、水温センサ(代用センサ)30のセンサ出力及びアルコール濃度センサ39のセンサ出力から図2に例示したモード切換マップに基づいて燃料の噴射モードが選択されるとした。すなわち、機関始動時水温及びアルコール濃度に応じて、「主燃料噴射」、「副燃料噴射」、及び「主燃料噴射/副燃料噴射の併用」の3段階のモードに切り替えていた。しかし、こうした切り替えは3段階のモードに限られることなく、他に例えば、図2に対応する図として図13に示すように、「主燃料噴射」及び「副燃料噴射」の2段階のモードに切り替えることとしてもよい。
・上記各実施の形態(変形例や比較例も含む)では、当該機関10の吸気ポート16近傍でのアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサ39を備え、このアルコール濃度センサ39のセンサ出力及び水温センサ(代用センサ)30のセンサ出力に基づいて燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を行っていた。しかし、こうした構成に限られることなく、アルコール濃度センサ39についてはこれを割愛することもできる。その際には、上記主燃料インジェクタ19により噴射供給される主燃料の量、上記副燃料インジェクタ(ジェット)18により噴射供給される副燃料の量、及び上記空燃比センサ32により検出される空燃比等に基づいて吸気ポート16近傍でのアルコール濃度を推定する手段を備えることとすればよい。
・上記各実施の形態(変形例や比較例も含む)では、当該機関10の始動時、水温センサ(代用センサ)30のセンサ出力及びアルコール濃度センサ39のセンサ出力(もしくはその推定値)に基づいて、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を行うこととしたが、これに限らず、水温センサ(代用センサ)30のセンサ出力のみに基づいて同判断を行う構成としてもよい。
・上記各実施の形態(変形例や比較例も含む)では、アルコールを主成分とする燃料が主燃料として供給されるとともに、ガソリンを主成分とする燃料が副燃料として供給されるフレックス燃料機関にこの発明を適用する場合について示したが、主燃料及び副燃料はこれらに限られない。要は、主燃料と、この主燃料とは性状の異なる燃料からなって燃焼
を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関であれば、その制御装置としてこの発明を適用することはできる。
この発明の第1の実施の形態について、その適用対象となるフレックス燃料機関の全体構成及び機関制御装置の概略構成を示すブロック図。 同第1の実施の形態の噴射モード切換マップの一例を示す図。 同第1の実施の形態の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 この発明の第2の実施の形態の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 この発明の第3の実施の形態の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 同第3の実施の形態の機関制御装置を構成するストール監視部によって実行されるストール監視処理の処理手順を示すフローチャート。 この発明の第4の実施の形態の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 この発明の第5の実施の形態の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 この発明の第6の実施の形態の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 この発明の第7の実施の形態の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 第1比較例の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 第2比較例の機関制御装置によって実行される噴射モード選択処理の処理手順を示すフローチャート。 各実施の形態及び各比較例の噴射モード切換マップの変形例を示す図。
符号の説明
10…フレックス燃料機関、11…吸気通路、12…燃焼室、13…排気通路、14…サージタンク、15…吸気マニホールド、16…吸気ポート、17…吸気温センサ、18…副燃料インジェクタ、19…主燃料インジェクタ、20…副燃料通路、21…副燃料タンク、22…燃料ポンプ(副燃料用)、23…主燃料通路、24…主燃料タンク、25…燃料ポンプ(主燃料用)、26…シリンダ、27…ピストン、28…点火プラグ、29…ウォータジャケット、30…水温センサ、31…排気ポート、32…空燃比センサ、33…触媒装置、34…機関制御装置、35…異常判定部(判定手段)、36…燃料噴射制御部、37…ストール監視部、38…外気温センサ、39…アルコール濃度センサ、40…機関回転速度センサ。

Claims (5)

  1. アルコールを主成分とする燃料からなる主燃料とガソリンを主成分とする燃料からなって燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の燃料噴射制御に際し、同機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断に基づいて前記副燃料の供給制御を実行するフレックス燃料機関の制御装置であって、
    前記機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力に基づいて行うとともに、この水温センサの異常の有無を判定する判定手段と、前記フレックス燃料機関の吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出もしくは推定する手段とを備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記検出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を強制実行する
    ことを特徴とするフレックス燃料機関の制御装置。
  2. 主燃料とこの主燃料とは性状の異なる燃料からなって燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の燃料噴射制御に際し、同機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断に基づいて前記副燃料の供給制御を実行するフレックス燃料機関の制御装置であって、
    前記機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力に基づいて行うとともに、この水温センサの異常の有無を判定する判定手段と、前記機関の始動時におけるストール履歴を監視する手段とを備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記ストール履歴があることを条件に前記副燃料の供給制御を強制実行する
    ことを特徴とするフレックス燃料機関の制御装置。
  3. アルコールを主成分とする燃料からなる主燃料とガソリンを主成分とする燃料からなって燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の燃料噴射制御に際し、同機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断に基づいて前記副燃料の供給制御を実行するフレックス燃料機関の制御装置であって、
    前記機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力に基づいて行うとともに、この水温センサの異常の有無
    を判定する判定手段と、前記フレックス燃料機関の吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出もしくは推定する手段とを備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記水温センサのセンサ出力に相当する値を前記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換し、前記検出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を実行する
    ことを特徴とするフレックス燃料機関の制御装置。
  4. 主燃料とこの主燃料とは性状の異なる燃料からなって燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の燃料噴射制御に際し、同機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断に基づいて前記副燃料の供給制御を実行するフレックス燃料機関の制御装置であって、
    前記機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力に基づいて行うとともに、この水温センサの異常の有無を判定する判定手段と、前記機関の始動時におけるストール履歴を監視する手段とを備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、このストール履歴があることを条件に前記水温センサのセンサ出力に相当する値を前記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換する
    ことを特徴とするフレックス燃料機関の制御装置。
  5. アルコールを主成分とする燃料からなる主燃料とガソリンを主成分とする燃料からなって燃焼を補助する副燃料とを用いるフレックス燃料機関の燃料噴射制御に際し、同機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断に基づいて前記副燃料の供給制御を実行するフレックス燃料機関の制御装置であって、
    前記機関の始動時、燃焼に至りにくい状況下にある旨の判断を同機関の冷却水の温度を検出する水温センサのセンサ出力に基づいて行うとともに、この水温センサの異常の有無を判定する判定手段、および前記フレックス燃料機関の吸気ポート近傍でのアルコール濃度を検出もしくは推定する手段、および前記機関の始動時におけるストール履歴を監視する手段を備え、前記判定手段によって水温センサの異常が判定されるとき、前記ストール履歴があることを条件に前記水温センサのセンサ出力に相当する値を前記副燃料の供給制御が実行される値に一時的に置換するとともに、前記検出もしくは推定されるアルコール濃度が既定値よりも高いことを条件に前記副燃料の供給制御を実行する
    ことを特徴とするフレックス燃料機関の制御装置。
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