JP4475052B2 - 酸化物単結晶の製造方法及び装置 - Google Patents

酸化物単結晶の製造方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、非一致溶融組成を有する酸化物単結晶の製造を行うための酸化物単結晶の製造方法及び装置及びウエハに関する。
始めに、酸化物であるランガサイト(LGS:LaGaSiO14)の単結晶を製造する場合の従来技術における問題点について説明する。
図13(a)は、酸化ランタン(La)、酸化ガリウム(Ga)、SiO(二酸化ケイ素)の融液の組成に対する状態図である。
図13(a)において、ランガサイトの初晶領域は、点a1であり、La、Ga、SiOを含む融液を冷却すると、ランガサイトの結晶ではなく、LS(G)の結晶が最初に析出する(LS(G)とは、ランタン、シリカ、ガリウム系のランガサイトではない結晶である)。このような化合物は包晶系とよばれ、非一致溶融組成の状態図をもつ。
目的とする酸化物結晶の結晶化を行う際に、目的とする酸化物単結晶以外の化合物が最初に析出してしまうため、非一致溶融組成の状態図をもつ包晶系の化合物を製造するのは困難であるという問題があった。
従来、上記問題を解決する1つ目の方法として、包晶系の化合物を製造するために、目的とするランガサイトの初晶領域の範囲にまで、ランガサイトの原料であるLa、Ga、SiOの組成をずらす方法が知られていた。
しかし、この方法を使用した場合、ランガサイトの単結晶とは異なる組成の融液を用いるため、ランガサイトの単結晶の結晶化が進むにつれて、融液と結晶の組成のずれが大きくなり、ランガサイト単結晶以外の結晶が析出したり、場合によっては結晶にクラックが発生したりするという問題があった。
また、上記問題を解決する2つ目の方法として、ランガサイトの組成を有するLa、Ga、SiOの融液を融解させるルツボ内の温度勾配を調整してランガサイト以外の結晶が析出するのをできるだけ防ぐ方法が知られていた。
しかし、この方法を使用した場合、ルツボ内に無理な温度勾配が生じることにより、結晶化を行っているランガサイトの単結晶に熱歪みが生じ、結晶にクラックが発生するという問題があった。
特開2000−247793号公報
上述した問題は、ランガサイトが非一致溶融組成の状態図を有するために生じるものである。よって、図13(a)の状態図を図13(b)に示す状態図のように変化させることができれば、ランガサイトの原料となる融液の組成とランガサイトの初晶領域a2とを一致させることができ、ランガサイト単結晶の結晶化を容易に行うことができる。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、結晶成長時に電場や磁場を印加することにより、酸化物単結晶を容易に製造するための酸化物単結晶の製造方法及び装置及びウエハを提供することにある。
本発明の第1の態様は、非一致溶融組成を有する酸化物単結晶の製造方法において、前記酸化物単結晶の原料である融液に対し、100(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が100(kV/m)以上の交流の電場を印加しながら前記酸化物単結晶の結晶化を行う工程を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造方法である。
本発明の第2の態様は、非一致溶融組成を有する酸化物単結晶の製造方法において、
前記酸化物単結晶の原料である融液に対し、50(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が50(kV/m)以上の交流の電場と、79600(A/m)以上の磁場を印加しながら前記酸化物単結晶の結晶化を行う工程を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造方法である。
本発明の第3の態様は、前記酸化物結晶の結晶化において、チョクラルスキー法又はブリッジマン法を使用することを特徴とする第1又は第2の態様に記載の酸化物単結晶の製造方法である。
本発明の第4の態様は、前記酸化物結晶が、ガリウム、シリコン、ニオブ、タンタル、カルシウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、希土類金属元素の少なくとも1種以上を含むランガサイト型の結晶構造を有する酸化物結晶であることを特徴とする第1から第3の態様のいずれかに記載の酸化物単結晶の製造方法
本発明の第5の態様は、酸化物単結晶の原料を内部に保持する金属製のルツボと、前記ルツボ内に保持される前記酸化物単結晶の原料を融解させる発熱手段と、種結晶を利用して、前記発熱手段により融解された前記酸化物単結晶の原料の融液から前記酸化物単結晶を引き上げる引き上げ手段と、前記ルツボに対向して配置される金属製の電極と、一方の端子が前記ルツボに接続され、他方の端子が前記電極に接続され、前記発熱手段により融解される前記酸化物単結晶の原料の融液に100(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が100(kV/m)以上の交流の電場を印加する電場印加手段と、を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造装置である。
本発明の第6の態様は、酸化物単結晶の原料を内部に保持する金属製のルツボと、前記ルツボ内に保持される前記酸化物単結晶の原料を融解させる発熱手段と、種結晶を利用して、前記発熱手段により融解された前記酸化物単結晶の原料の融液から前記酸化物単結晶を引き上げる引き上げ手段と、前記ルツボに対向して配置される金属製の電極と、一方の端子が前記ルツボに接続され、他方の端子が前記電極に接続され、前記発熱手段により融解される前記酸化物単結晶の原料の融液に50(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が50(kV/m)以上の交流の電場を印加する電場印加手段と、前記発熱手段により融解される前記酸化物単結晶の原料の融液に79600(A/m)以上の磁場を印加する磁場印加手段と、を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造装置である。
請求項1に記載の発明は、酸化物単結晶の結晶化を行う際に、100(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が100(kV/m)以上の交流の電場を印加するようにした。これにより、非一致溶融組成を有する酸化物の単結晶を、目的外の結晶を析出させることなく、かつ、結晶状態が良好な状態で、目的とする酸化物単結晶の製造を行うことができる。
請求項に記載の発明は、酸化物単結晶の結晶化を行う際に、50(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が50(kV/m)以上の交流の電場と、79600(A/m)以上の磁場を印加するようにした。これにより、非一致溶融組成を有する酸化物の単結晶を、目的外の結晶を析出させることなく、かつ、結晶状態が良好な状態で、目的とする酸化物単結晶の製造をより容易に行うことができる。
請求項に記載の発明は、結晶化を行う際に、チョクラルスキー法又はブリッジマン法を用いることとした。これにより、既知の結晶製造方法を使用して、非一致溶融組成を有する酸化物単結晶を容易に製造することができる。
請求項に記載の発明は、ガリウム、シリコン、ニオブ、タンタル、カルシウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、希土類金属元素の少なくとも1種以上を含むランガサイト型の結晶構造を有する酸化物結晶を製造するようにした。これにより、従来製造が難しかったこれらの金属を含む酸化物単結晶を容易に製造することができる。
非一致溶融組成を有する包晶系の単結晶の製造を行う場合、最初に析出する初晶は目的とする単結晶とは異なることが多い。これに対して、一致溶融組成を有する化合物の結晶化を行う場合には、目的とする単結晶が初晶として析出するため、製造が容易である。
一般的に、融液が凝固する時にどの結晶相が初晶として析出するかは、その系における液相の自由エネルギーと、固相のもつ自由エネルギーの大きさに依存する。この自由エネルギーは、一般に温度、圧力(応力)、電界、磁界の関数として表される。
よって、非一致溶融組成の酸化物結晶に電界や磁界を印加して、自由エネルギーを変化させることにより、条件によっては初晶と目的相の自由エネルギーを逆転させることができる。
初晶と目的相の自由エネルギーを逆転させることができれば、非一致溶融組成を有する酸化物単結晶を、一致溶融組成の条件下で結晶化することが可能となり、従来、製造することが難しかった酸化物単結晶を容易に製造することができる。
以下に、結晶成長における固相と液相の境界面での内部電場と、その内部電場による不純物がドーピングされたLiNbOの結晶成長における溶質移動と固液間分配の効果について説明する。また、La−Ga−SiOからなる系の相安定関係を制御するために、結晶成長系に電場を印加した場合の結晶化の過程における外部電場の影響についても説明する。
一定組成のLiNbOにおける固相と液相の境界面の内部には電場が存在する。イオン性溶質が結晶化される際に、液相と固相の両方に電場が存在するのには少なくとも2つの理由が存在する。
1つ目の理由は、結晶の成長速度に伴う線形的な関係を有する電荷分配効果(結晶化起電力)を生じさせる結晶中での同符号の電荷と、液体の境界層中での反対符号の電荷の分配によるものである。
2つ目の理由は、平衡状態のイオン組成に依存する温度によって生じるゼーベック係数の効果によるものである。
一定の組成を有するLiNbOにおいて、固体中の温度Tの地点と、液体中の温度Tの地点とのポテンシャルの差Δφは、以下の式(1)で与えられる。
Figure 0004475052
上記の式(1)において、Tは境界面での温度である。また、αは、結晶化起電力の係数である。また、αsとαは、固相と液相のそれぞれについての熱電係数である。また、Vは、結晶の成長速度である。
なお、αs=0.76±0.02(mV/K)であり、α=−0.4(mV/K)である。また、α=1.25±0.2(mV・sec/μm)である。
チョクラルスキー法を用いた場合のバルク結晶の成長における熱電的な寄与は大きくない。しかし、温度勾配が10000(℃/cm)にも達するLHPG(laser heated pedestal growth)やμ−PD(micro-pulling down)の技術を用いる場合については重要である。
熱起電力によって生ずる固相と液相の境界面での電場(ゼーベック効果)は、LHPG系や上方拡散における不規則な溶融領域の広がりを引き起こすイオン性溶質の移動に大きく影響する。それは、イオン性溶質の固液間分配に大きな効果を与え、通常の冷却過程では1以下である分配係数が、図2に示すように1以上に変化する。
固相と液相の境界面での電場は、境界面に垂直な方向だけではなく、径方向にも影響を与える。このように、イオン性溶質の径方向の特有な濃度分布は、LiNbOのファイバを含むイオン性溶質において観測される。
ここで、重要なことは、酸化物融液は通常、分配が境界面の電場によって大きく影響される複数のイオン種を含んでいるが、固液間分配による変化を説明する状態図が存在しない点である。
固相と液相の境界面の内部電場は、境界面における温度勾配、成長速度、拡散層の厚さなどによる結晶成長の条件により優勢となる。
このように、LiNbOの結晶成長の条件として、平衡な状態図に示されるような静的な一致溶融組成に代わり、動的な一致溶融組成を利用することが考えられる。
一方、結晶化の過程で、外部電場は熱力学的、成長ダイナミックス的に影響を与える。熱力学的な効果は、巨視的な観点に関係しており、相安定関係を変化させる。一方、成長ダイナミックス的な効果は、やや微視的な観点に関係しており、結晶成長における溶質移動、成長速度、表面生成、欠陥発生を変化させる。
液相中でのj番目のイオン種の化学ポテンシャルをη 、固相中でのj番目のイオン種の化学ポテンシャルをη とすると、それらは以下の式(2)、(3)のように表される。]
Figure 0004475052
Figure 0004475052
なお、上記の式(2)、(3)において、η β(βは、L(液相)又はS(固相)である)は、j番目のイオン種における標準状態での化学ポテンシャルである。また、γ β、C β、z βは、それぞれj番目のイオン種における活性係数、濃度、電荷数である。また、kはボルツマン定数である。
また、Eβは電界であり、Hβは、磁界である。また、Σβはβ相に加えられる応力である。
また、εβは誘電率であり、mβは透磁率である。また、cβはβ相における弾性定数である。
式(2)、(3)において、右辺の第2項目はエントロピーに関する項であり、第3項目は境界面における静電気力であり、第4項目は電場、磁場、応力などから導かれるその他のエネルギーである。
式(2)、(3)からわかるように、液相や固相における化学ポテンシャルは、印加される電場や磁場によって変化し、それに伴って相の安定関係は変化する。
結晶化の過程における推進力は、過冷却によって生ずる平衡温度よりも低い温度ΔTtotalにおける液相と固相の自由エネルギーの差ΔGtotalに起因すると考えられる。
ここで、推進力ΔGtotalを構成要素ごとに分離することにより、以下の式(4)で定義される結合方程式を導入する。
Figure 0004475052
上記の式(4)において、ΔGは溶質移動に関する項目であり、ΔGは溶質への吸着に関する項目である。また、ΔGは表面生成に関する項目であり、ΔGは欠陥生成に関する項目である。
それぞれの項目の大きさは、結晶の成長方法と、結晶化の工程に依存する。式(4)は、電場によって以下の式(5)のように変形される。
Figure 0004475052
式(5)において、添え字のEは、外部電場による効果を示している。
結晶ダイナミックスの全体的な効果について完全に解明するためには、それぞれの項目の効果を研究する必要がある。しかし、そのような研究は、原子的なスケールでの分析において必要とされると思われる。
一致溶融状態では、液相と固相の間でのj番目のイオン種の化学ポテンシャルが等しくなる必要がある。つまり、以下の式(6)に示すように、式(2)と式(3)とが等しくなる必要がある。
Figure 0004475052
ここで、z =z 、及び、境界面での電束が不変であると仮定すると、以下の式(7)、式(8)が導かれる。
Figure 0004475052
Figure 0004475052
なお、上記の式(8)において、以下の式(8a)の関係が成り立つ。
Figure 0004475052
誘電率がjと単純な関係にあり、pとpが定数であり、それらの値が実験的に求められると仮定すると、式(8)のC /C を以下の式(9)のように求めることができる。
Figure 0004475052
式(9)において、C S(0)≠C L(0)であり、電場が印加されず、T=Tで包晶系であるとすれば、以下の式(10)が導かれる。
Figure 0004475052
一致溶融組成が温度Tで得られるとすると、電場の大きさは、固相と液相の間で等しくなる必要がある。
一致溶融組成となるためには、C /C が1となることが必要であり、EとEは、以下の式(11a)、(11b)のように計算される。
Figure 0004475052
Figure 0004475052
このように、非一致溶融状態から一致溶融状態へ変化させる電場は、式(11a)、(11b)のように与えられる。
次に、La−Ga−SiOからなる系において、外部電場を実験的に求め、状態図を変化させる方法について説明する。
図3に示すような実験装置1を使用して、外部電場を印加した状態と、外部電場を印加しない状態で、異なる組成の原料を混合して融点まで加熱した。
ルツボ2は、白金(Pt)−ロジウム(Rh)により形成されており、ルツボ2内には、生成する結晶の原料となる融液5が充填されている。また、ルツボ2は、電流源3に接続されており、電流源3から電流を供給することにより、ヒーターとしても機能するようになっている。
ルツボ2の上部及び下部には、それぞれ電極4a、4bが配置されている。電極4a、4bは、電源6に接続されており、ルツボ2に対して電場を印加できるようになっている。
直流電流によって溶質中のイオンが移動するのを防止するために、電源6によりルツボ2に対して500Hzの周波数の電圧を印加した。
原料をルツボ2内で完全に溶融させた後、10分間経過すると、初晶が析出するまで融液5の温度は徐々に下降した。
その後、再度融液5が完全に融解するまで加熱し、初晶が析出するまで再度冷却した。
初晶の析出を確認するために、この工程を3回繰り返し行った。初晶が析出する過程を電極4aに形成した観測孔7から顕微鏡8により観測した。
ルツボ2内の融液5に対して、電源6を用いて約500(V/cm)の電場を印加した。
ルツボ2内の融液に対して、電場を印加しない場合(図4(a))、電場を印加した場合(図4(b))の化学量論的組成の近傍における初晶領域の分布を図4にそれぞれ示した。
電場を印加すると、La成分に富む融液のいくつかにおいて初晶相がLa14GaSi9−X39−X/2からLaGaOに変化し、それに伴い、ランガサイトの初晶域がランガサイトの化学量論組成に近づき、ランガサイトの初晶が析出するのが促進されることがわかる。
これは、電場が、LaGaO(lanthanum gallate)とLS(G)(Ga-bearing lanthanum silicate)の初晶領域の境界を、SiO側に5mol%だけ変化したことを意味する。
このように、所定の電場を印加することにより、ランガサイト(LGS)の結晶化を容易に行うことが可能となる。
次に、式(2)、(3)に示したように、電場や磁場により化学ポテンシャルが変化し、状態図が変化するという理論的な背景に基づき、本発明の実施形態による酸化物単結晶の製造方法について説明する。なお、本実施形態では、酸化物単結晶がランガサイトである場合について説明する。
始めに、本発明の第1の実施形態による酸化物単結晶の製造方法について説明する。
図1は、第1の実施形態による酸化物単結晶製造装置10aの構造を示す断面図である。本実施形態の酸化物単結晶製造装置10aは、チョクラルスキー法により酸化物単結晶を製造する装置である。
本実施形態による酸化物単結晶の製造装置10aは、ルツボ2a、アフターヒーター11、引き上げ軸12、ワークコイル13、ソレノイドコイル鉄心14a及び14b、ソレノイドコイル15a及び15b、直流電源16aにより構成される。
ルツボ2aは、円筒状の金属性の容器であり、目的とするランガサイトの原料であるLa、Ga、SiOの融液5が充填される。なお、本実施形態では、ルツボ2aとしてPt−Rhの合金からなる容器を使用した。
アフターヒーター11は、ルツボ2aと対向する位置に配置され、ルツボ2aの上方から融液5を加熱する。アフターヒーター11は、白金(Pt)又はイリジウム(Ir)により形成される。
アフターヒーター11には、引き上げ軸12が軸の周りに回転可能なように設置される。引き上げ軸12の先端には、ランガサイト単結晶17の種結晶が取り付けられる。
引き上げ軸12の先端に取り付けられるランガサイトの種結晶を、ルツボ2a内のLa、Ga、SiOの融液5の表面に接触させ、引き上げ軸12を回転させながら引き上げることにより、ランガサイトの単結晶17が生成される。
本実施形態では、引き上げ軸12の回転数を5〜30回転、引き上げ軸12の引き上げ速度を0.5〜3(mm/hr)とし、直径が4インチのランガサイトの単結晶17を製造した。
また、ランガサイトの引き上げ方位は、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ用の基板として有用なY54方位とした。
ワークコイル13は、円筒状のルツボ2aを取り巻くように設置され、ワークコイル13に交流電流を流すことにより、ルツボ2a内のLa、Ga、SiOが加熱され融解する。ルツボ2aとアフターヒーター11の近傍は、耐火煉瓦により断熱される。
ソレノイドコイル15aの中には、ソレノイドコイル鉄心14aが設置される。ソレノイドコイル15aに直流電流を流すことにより、ソレノイドコイル鉄心14aに磁場が発生する。
ソレノイドコイル15bの構成は、ソレノイドコイル15aの構成と同じであり、電流を流すことによってソレノイドコイル鉄心14bに磁場が発生する。
なお、本実施形態において、ソレノイドコイル15a、15bにより、ソレノイド鉄心14a、14bに発生させる磁場は、同一方向であり、融液5の液面に照射されるようにした。ここで、結晶化が進むにつれて融液5の液面が徐々に下降するので、ソレノイド鉄心14a、14bとソレノイド15a、15bの位置を、融液5の液面の位置に一致するように移動させるようにしてもよい。
直流電源16aの一方の端子は、金属製のルツボ2aに接続され、直流電源16aの他方の端子は、アフターヒーター11に接続される。ルツボ2aとアフターヒーター11の間に存在するルツボ2a内の融液5には直流の電場が印加される。
なお、本実施形態による酸化物単結晶製造装置10aにおいて、各部x1〜x7の寸法として、次の値を用いた。すなわち、x1=180(mm)、x2=180(mm)、x3=180(mm)、x4=150(mm)、x5=250(mm)、x6=280(mm)、x7=80(mm)とした。
図5は、本実施形態による酸化物単結晶製造装置10a(図1)により製造したランガサイトの単結晶17をウエハ状に成形した後で、「結晶状態」(表中の上段のデータ)と「音速ばらつき」(表中の下段のデータ)の特性を測定してまとめたデータである。
図5における「最大電界」は、ルツボ2aとアフターヒーター11の間に印加した電圧によって生じる電界の最大値とした。印加する電圧を4000(V)とした場合、「最大電界」は、アフターヒーター11のつば部と、ルツボ2aの端部の間で電界が最大となり、約50(kV/m)となった。また、図5における「磁界強度」は、ソレノイドコイル鉄心14aからソレノイドコイル鉄心14bの方向に50(mm)離れた位置の磁界の値とした。
図5における「結晶状態」のデータにおいて、「良好」とは、結晶状態が良好であり、欠陥が存在しなかった場合を示している。一方、「二次相」とは、ランガサイトの単結晶17の中にランガサイト以外の結晶が析出してしまいウエハとして欠陥がある場合を示している。
図5からわかるように、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、磁場を印加しなくても、ルツボ2a内の融液5に100(kv/m)以上の直流の電場を印加した場合には、結晶状態が「良好」なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
一方、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場を印加しなくても、ルツボ2a内の融液5に238800(A/m)以上の強度の磁場を印加した場合には、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。なお、1(Oe)=79.6(A/m)である。
また、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場と磁場の両方をルツボ2a内の融液5に印加する場合には、電場の強度として50(kv/m)以上、磁場の強度として79600(A/m)以上の条件としたときに、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
図5のデータの下段は「音速ばらつき」のデータを示している。「音速ばらつき」のデータは、酸化物単結晶製造装置10a(図1)を使用してランガサイトの単結晶17を製造した後、ウエハ状に成形し、ウエハ18上の音速を測定するための櫛形電極構造20を有する表面弾性波フィルタ19(図6(a)参照)を、図6(b)に示すようにウエハ18上に配置して測定する。
それぞれの表面弾性波フィルタ19により中心周波数の測定を行った後、音速の標準偏差を計算し、その標準偏差を平均音速で割って、ppm単位で表示することにより「音速ばらつき」のデータを算出した。
ランガサイトの単結晶17のウエハ18は、圧電デバイスやSAWデバイスなどに使用されるが、特に、SAWデバイスとして使用する場合には、「音速ばらつき」の値が100ppm以下であることが望ましい。
次に、本発明の第2の実施形態による酸化物単結晶の製造方法について説明する。本実施形態が第1の実施形態と同様の構成を取る部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図7は、第2の実施形態による酸化物単結晶製造装置10bの構造を示す断面図である。
第1の実施形態とは、チョクラルスキー法を使用して酸化物の単結晶17を製造する点で同じである。
しかし、第1の実施形態では、ルツボ2aとアフターヒーター11の間に直流電源16aを用いて電場を印加していたのに対し、第2の実施形態では、ルツボ2aとアフターヒーター11の間に交流電源16bを用いて電場を印加している点において相違する。
図8は、本実施形態による酸化物単結晶製造装置10b(図7)により製造したランガサイトの単結晶17をウエハ状に成形した後で、「結晶状態」(表中の上段のデータ)と「音速ばらつき」(表中の下段のデータ)の特性を測定してまとめたデータである。
図8の「結晶状態」、「音速ばらつき」のデータの意味は、図5と同じであるので説明を省略する。
図8からわかるように、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、磁場を印加しなくても、ルツボ2a内の融液5に実効値が100(kv/m)以上の交流の電場を印加した場合には、結晶状態が「良好」なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
一方、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場を印加しなくても、ルツボ2a内の融液5に238800(A/m)以上の強度の磁場を印加した場合には、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
また、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場と磁場の両方をルツボ2a内の融液5に印加する場合には、交流の電場の実効値が50(kv/m)以上、磁場の強度が79600(A/m)以上としたときに、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
次に、本発明の第3の実施形態による酸化物単結晶の製造方法について説明する。
図9は、第3の実施形態による酸化物単結晶製造装置10cの構造を示す断面図である。本実施形態の酸化物単結晶製造装置10cは、ブリッジマン法により酸化物単結晶を製造する装置である。
本実施形態による酸化物単結晶の製造装置10cは、ルツボ2b、電極21、発熱体22、ソレノイドコイル鉄心14a及び14b、ソレノイドコイル15a及び15b、直流電源16aにより構成される。
ルツボ2bは、円筒状の金属性の容器であり、ルツボ2bの下部には、目的とするランガサイトの単結晶17が充填される。また、ルツボ2b内のランガサイトの単結晶17上には、ランガサイトの原料であるLa、Ga、SiOの融液5が充填される。酸化物単結晶17と融液5の境界面で、ランガサイトの単結晶17が徐々に生成される。
なお、本実施形態では、ルツボ2bとしてPt−Rhの合金からなる容器を使用した。
また、本実施形態では、ランガサイト単結晶の成長速度を0.5〜3(mm/hr)とし、直径が4インチのランガサイト単結晶を製造した。また、ランガサイトの方位として、SAWフィルタ用の基板として有用なY54方位とした。
発熱体22は、ルツボ2bの周りに配置される。発熱体22に電流を流すことにより、ルツボ2b内のLa、Ga、SiOが加熱され融解する。ルツボ2bの周囲にはアルミナ製の炉心管が設置され、発熱体22の周囲には断熱材が配置される。なお、本実施形態では、発熱体22をケイ化モリブデン(MoSi)により形成した。
ソレノイドコイル15aの中には、ソレノイドコイル鉄心14aが設置される。ソレノイドコイル15aに直流電流を流すことにより、ソレノイドコイル鉄心14a内に磁場を発生させる。
ソレノイドコイル15bの構成は、ソレノイドコイル15aの構成と同じであり、ソレノイドコイル鉄心14b内に磁場が発生する。
なお、本実施形態において、ソレノイドコイル鉄心14a、14bに発生させる磁場は、同一方向であり、融液5と酸化物結晶17の境界面に照射されるようにした。ここで、結晶化が進むにつれて融液5の液面が徐々に下降するので、ソレノイド鉄心14a、14bとソレノイド15a、15bの位置を、融液5の液面の位置に一致するように移動させるようにしてもよい。
ルツボ2bと対向する位置には電極21が配置される。直流電源16aの一方の端子は、金属製のルツボ2bに接続され、直流電源16aの他方の端子は、電極21に接続される。ルツボ2bと電極21の間に存在するルツボ2b内の融液5には直流の電場が印加される。なお、本実施形態では、電極21を白金(Pt)により形成した。
なお、本実施形態による酸化物単結晶製造装置10cにおいて、各部x8〜x12の寸法として、次の値を用いた。すなわち、x8=100(mm)、x9=120(mm)、x10=150(mm)、x11=280(mm)、x12=80(mm)とした。
図10は、本実施形態による酸化物単結晶製造装置10c(図9)により製造したランガサイトの単結晶17をウエハ状に成形した後で、「結晶状態」(表中の上段のデータ)と「音速ばらつき」(表中の下段のデータ)の特性を測定してまとめたデータである。
図10における「最大電界」は、ルツボ2bと電極21の間に印加した電圧によって生じる電界の最大値とした。電圧を4000(V)とした場合、「最大電界」は、電極21と、ルツボ2bの端部の間の電界が最大となり、約50(kV/m)となった。また、図10における「磁界強度」は、ソレノイドコイル鉄心14aからソレノイドコイル鉄心14bの方向に50(mm)離れた位置の磁界の値とした。
「結晶状態」のデータにおいて、「良好」とは、結晶状態が良好であり、欠陥が存在しなかった場合を示している。一方、「クラック」とは、ランガサイトの単結晶17を製造する際にひび割れが生じてしまい、ウエハとして利用することができない場合を示している。
図10からわかるように、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、磁場を印加しなくても、ルツボ2a内の融液5に100(kv/m)以上の直流の電場を印加した場合には、結晶状態が「良好」なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
一方、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場を印加しなくても、ルツボ2a内の融液5に238800(A/m)以上の強度の磁場を印加した場合には、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
また、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場と磁場の両方をルツボ2a内の融液5に印加する場合には、電場の強度として50(kv/m)以上、磁場の強度として79600(A/m)以上の条件としたときに、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
図10の「音速ばらつき」のデータの意味は、図5と同じであるので説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施形態による酸化物単結晶製造装置10dについて説明する。本実施形態が第3の実施形態と同様の構成を取る部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、第4の実施形態による酸化物単結晶製造装置10dの構造を示す断面図である。
第3の実施形態とは、ブリッジマン法を使用して、酸化物単結晶17の生成を行う点で同じである。しかし、第3の実施形態では、ルツボ2bと電極21の間に直流電源16aを用いて電場を印加していたのに対し、第4の実施形態では、ルツボ2bと電極21の間に交流電源16bを用いて電場を印加している点において相違する。
図12は、本実施形態による酸化物単結晶製造装置10d(図11)により製造したランガサイトの単結晶17をウエハ状に成形した後で、「結晶状態」(表中の上段のデータ)と「音速ばらつき」(表中の下段のデータ)の特性を測定してまとめたデータである。
図12の「結晶状態」、「音速ばらつき」のデータの意味は、図5と同じであるので説明を省略する。
図12からわかるように、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、磁場を印加しなくても、ルツボ2b内の融液5に実効値が100(kv/m)以上の交流の電場を印加した場合には、結晶状態が「良好」なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
一方、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場を印加しなくても、ルツボ2b内の融液5に238800(A/m)以上の強度の磁場を印加した場合には、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
また、ランガサイトの単結晶17の結晶生成時に、電場と磁場の両方をルツボ2b内の融液5に印加する場合には、交流の電場の実効値が50(kv/m)以上、磁場の強度が79600(A/m)以上としたときに、結晶状態が良好なランガサイトの単結晶17が得られることがわかる。
上述した第1〜第4の実施形態による酸化物単結晶の製造方法を使用すれば、非一致溶融組成を有する酸化物単結晶の製造工程において、所定の強度以上の電場や磁場を印加することにより、目的とする酸化物単結晶を初晶として析出させることができる。よって、従来は製造することが困難であった酸化物単結晶の製造が容易になるとともに、その酸化物単結晶からウエハを切り出すことにより、圧電素子やSAWデバイスなどに利用可能な酸化物単結晶のウエハの製造を容易に行うことが可能となる。
なお、上述した第1〜第4の実施形態による酸化物単結晶の製造方法では、電場を融液の液面と垂直な方向に印加し、磁場を融液の液面と水平な方向に印加する場合について説明したがこれに限定されるものではなく、任意の方向から電場や磁場を印加してもかまわない。
また、酸化物単結晶としてランガサイトの単結晶を製造する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、酸化物単結晶製造装置10a〜10dを使用することにより、ガリウム、シリコン、ニオブ、タンタル、カルシウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、希土類金属元素(ランタンなど)の少なくとも1種以上を含むランガサイト型の結晶構造を有する酸化物結晶を製造することもできる。
また、第1及び第2の実施形態では、チョクラルスキー法により酸化物単結晶を製造する場合について説明し、第3及び第4の実施形態では、ブリッジマン法により酸化物単結晶を製造する場合について説明したが、これらの方法に限定されるものではない。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、具体的な構成についてはこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等が可能である。
通常の状態では製造することが困難である非一致溶融組成を有する酸化物単結晶の製造に本発明を利用することにより、酸化物単結晶の製造を容易に行うことが可能である。
本発明の第1の実施形態による酸化物単結晶製造装置10aの構造を示す断面図である。 固相と液相の近傍でのMnの分布を示すグラフである。 電場の印加により単結晶の析出を観測する実験装置1の構造を示す図である。 電場を印加した場合と印加しない場合におけるLa、Ga、SiOの融液の組成に対する状態図である。 本実施形態による製造方法によって製造したランガサイト単結晶の特性を示したデータである。 ウエハ18の「音速ばらつき」のデータの測定方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態による酸化物単結晶製造装置10bの構造を示す断面図である。 本実施形態による製造方法によって製造したランガサイト単結晶の特性を示したデータである。 本発明の第3の実施形態による酸化物単結晶製造装置10cの構造を示す断面図である。 本実施形態による製造方法によって製造したランガサイト単結晶の特性を示したデータである。 本発明の第4の実施形態による酸化物単結晶製造装置10dの構造を示す断面図である。 本実施形態による製造方法によって製造したランガサイト単結晶の特性を示したデータである。 非一致溶融組成と一致溶融組成について説明するための状態図である。
符号の説明
1・・・実験装置
2、2a、2b・・・ルツボ
3・・・電流源
4a、4b・・・電極
5・・・融液
6・・・電源
7・・・観測孔
8・・・顕微鏡
10a〜10d・・・酸化物単結晶製造装置
11・・・アフターヒーター
12・・・引き上げ軸
13・・・ワークコイル
14a、14b・・・ソレノイドコイル鉄心
15a、15b・・・ソレノイドコイル
16a・・・直流電源
16b・・・交流電源
17・・・単結晶
18・・・ウエハ
19・・・表面弾性波フィルタ
20・・・電極構造
21・・・電極
22・・・発熱体

Claims (6)

  1. 非一致溶融組成を有する酸化物単結晶の製造方法において、
    前記酸化物単結晶の原料である融液に対し、100(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が100(kV/m)以上の交流の電場を印加しながら前記酸化物単結晶の結晶化を行う工程を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造方法。
  2. 非一致溶融組成を有する酸化物単結晶の製造方法において、
    前記酸化物単結晶の原料である融液に対し、50(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が50(kV/m)以上の交流の電場と、79600(A/m)以上の磁場を印加しながら前記酸化物単結晶の結晶化を行う工程を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造方法。
  3. 前記酸化物結晶の結晶化において、チョクラルスキー法又はブリッジマン法を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物単結晶の製造方法。
  4. 前記酸化物結晶が、ガリウム、シリコン、ニオブ、タンタル、カルシウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、希土類金属元素の少なくとも1種以上を含むランガサイト型の結晶構造を有する酸化物結晶であることを特徴とする請求項1からのいずれかの項に記載の酸化物単結晶の製造方法。
  5. 酸化物単結晶の原料を内部に保持する金属製のルツボと、
    前記ルツボ内に保持される前記酸化物単結晶の原料を融解させる発熱手段と、
    種結晶を利用して、前記発熱手段により融解された前記酸化物単結晶の原料の融液から前記酸化物単結晶を引き上げる引き上げ手段と、
    前記ルツボに対向して配置される金属製の電極と、
    一方の端子が前記ルツボに接続され、他方の端子が前記電極に接続され、前記発熱手段により融解される前記酸化物単結晶の原料の融液に100(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が100(kV/m)以上の交流の電場を印加する電場印加手段と、
    を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造装置。
  6. 酸化物単結晶の原料を内部に保持する金属製のルツボと、
    前記ルツボ内に保持される前記酸化物単結晶の原料を融解させる発熱手段と、
    種結晶を利用して、前記発熱手段により融解された前記酸化物単結晶の原料の融液から前記酸化物単結晶を引き上げる引き上げ手段と、
    前記ルツボに対向して配置される金属製の電極と、
    一方の端子が前記ルツボに接続され、他方の端子が前記電極に接続され、前記発熱手段により融解される前記酸化物単結晶の原料の融液に50(kV/m)以上の直流の電場、又は、実効値が50(kV/m)以上の交流の電場を印加する電場印加手段と、
    前記発熱手段により融解される前記酸化物単結晶の原料の融液に79600(A/m)以上の磁場を印加する磁場印加手段と、
    を有することを特徴とする酸化物単結晶の製造装置。
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