JP4474792B2 - 照明制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明制御装置が、照度計測端末器の計測値に基づいて、照明器具の調光制御を行うようになっている照明制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の照明制御システムの例を図6に示す。このシステムでは、照明制御装置100の伝送ドライブ部111から導出された2本の多重伝送線L100には、各々にアドレスが割り付けられた照度計測端末器200と調光端末器300とが接続される。調光端末器300には、調光制御が行われる蛍光灯400が接続される。
【0003】
照明制御装置100には、照度計測端末器の計測値を演算する演算部110と、伝送ドライブ部111と、計測範囲のレンジを設定する入力部112と、計測値やレンジ設定値を表示する表示部113とを備える。
【0004】
照度計測端末器200は、演算部210と、計測値を多重伝送信号で送出するための伝送ドライブ部211と、受光した光を電気信号に変換する受光部212と、この電気信号を予め設定されたゲインにより増幅して電圧値として出力する増幅部213と、オーバーレンジ表示を行うオーバーレンジ表示部214とを備える。
【0005】
演算部210は、A/D変換部210aによって、電圧値をA/D変換し、データテーブル(不図示)から計測値を得るとともに、計測値が計測範囲の上限付近である場合に、オーバーレンジ判断を行う。
【0006】
照度計測端末器200は蛍光灯400からの反射光を受光し、計測値を多重伝送線L100を介して照明制御装置100に伝送する。また、異なる床面の反射率に対応するためゲインの異なる3つのレンジを有し、計測範囲の上限付近である場合、レンジを換えて使用することを警告するためのオーバーレンジ表示を行う。
【0007】
照明制御装置100は、照度計測端末器200から計測値を受けて、空間を目的とする照度に合わせるために、多重伝送線L100を介して調光端末器300に対して調光レベル信号を送り、蛍光灯400の調光レベルを制御する。調光端末器300は、受信した調光レベルに応じた信号を蛍光灯400に送り、蛍光灯400の光量を制御する。
【0008】
図7は、従来の照度計測端末器200が照明制御装置100と通信を行うためのデータ仕様を示しており、通常、照明制御装置100が照度計測端末器200より情報を得る場合、送信データモード:MDM1、コントロール00〜05hを使用し、端末器の種別を示す端末器コード、計測値、現在設定されているレンジ情報を得る。照明制御装置100が照度計測端末器200のレンジを設定する場合は、送信データモード:MDCTを使用して、設定したいレンジのコードをコントロールデータにのせる。
【0009】
図8は、従来の照明制御装置の処理手順を示すフローチャートであり、照明制御装置100が照度計測端末器200より情報を得、計測値を表示し、計測値を基に調光制御端末器300への調光制御値を演算し、調光端末器300へ調光制御するようになっている(S100〜S103)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の照明制御システムでは、オーバーレンジ表示が行われた場合、照度計測端末器が設置されている箇所でしか判断できず、オーバーレンジによって調光制御が不完全であることが、照明制御システムを管理している管理人がいる照明制御装置が設置されている監視室では判断できないという問題が生じていた。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、照度計測端末器にオーバーレンジが発生した場合に、そのことが照明制御装置側で判断できる照明制御システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の照明制御システムでは、照度計測端末器は、受光した光を電気信号に変換する受光部と、この電気信号を予め設定されたゲインにより増幅して電圧値として出力する増幅部と、この電圧値よりA/D変換し、データテーブルから計測値を得るとともに、計測値が計測範囲の上限付近である場合に、オーバーレンジ判断を行う演算部と、オーバーレンジ表示を行うオーバーレンジ表示部と、計測値やオーバーレンジ警告を多重伝送信号で送出するための伝送ドライブ部とを備える。
【0013】
照明制御装置は、照度計測端末器から多重伝送線を介して計測値を受信し、また、オーバーレンジ警告信号を受信するとともに、調光端末器に対して多重伝送線を介して調光信号を送出するための伝送ドライブ部と、受信した計測値を基に、調光制御端末器に送出する調光制御値を演算するとともに、照度計測端末器からのオーバーレンジ警告によりオーバーレンジ警告表示判断を行う演算部と、この判断により警告表示を行う表示部とを備える。照度計測端末器がオーバーレンジ警告を照明制御装置に送出したときには、照明制御装置にてオーバーレンジ警告表示を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の照明制御システムでは、照度計測端末器は、受光した光を電気信号に変換する受光部と、この電気信号を予め設定されたゲインにより増幅して電圧値として出力する増幅部と、この電圧値よりA/D変換し、データテーブルから計測値を得るとともに、計測値が計測範囲の下限付近である場合に、オーバーレンジ判断を行う演算部と、オーバーレンジ表示を行うオーバーレンジ表示部と、計測値やオーバーレンジ警告を多重伝送信号で送出するための伝送ドライブ部とを備える。
【0015】
照明制御装置は、照度計測端末器から多重伝送線を介して計測値を受信し、また、オーバーレンジ警告信号を受信するとともに、調光端末器に対して多重伝送線を介して調光信号を送出するための伝送ドライブ部と、受信した計測値を基に、調光制御端末器に送出する調光制御値を演算するとともに、照度計測端末器からのオーバーレンジ警告によりオーバーレンジ警告表示判断を行う演算部と、この判断により警告表示を行う表示部とを備える。照度計測端末器がオーバーレンジ警告を照明制御装置に送出したときには、照明制御装置にてオーバーレンジ警告表示を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項3では、請求項1又は請求項2において、照明制御装置は、オーバーレンジ警告を受けたときには、照度計測端末器に対して、レンジ変更を制御することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面とともに説明する。図1は、照明制御システムの構成の一例を示したブロック図である。このシステムでは、照明制御装置1の伝送ドライブ部11から導出された2本の多重伝送線Lには、各々にアドレスが割り付けられた照度計測端末器2と調光端末器3とが接続される。調光端末器3には、調光制御が行われる照明器具として蛍光灯4が接続される。
【0018】
照度計測端末器2は、蛍光灯4からの反射光を受光し、その計測値を照明制御装置1に送出する。照明制御装置1は、照度計測端末器2からの計測値に基づいて、調光端末器3に対して、蛍光灯4の調光制御を行わせる。
【0019】
すなわち、照明制御装置1は、照度計測端末器2から計測値を受けて、空間を目的とする照度に合わせるために、多重伝送線Lを介して調光端末器3に対して調光レベル信号を送り、蛍光灯4の調光レベルを制御する。調光端末器3は、受信した調光レベルに応じた信号を蛍光灯4に送り、蛍光灯4の光量を制御する。
【0020】
照明制御装置1には、照度計測端末器2の計測値を演算する演算部10と、照度計測端末器2から多重伝送線Lを介して計測値を受信するとともに、調光端末器3に対して多重伝送線Lを介して調光信号を送出するための伝送ドライブ部11と、計測範囲のレンジを設定する入力部12と、計測値やレンジ設定値を表示する表示部13とを備える。
【0021】
本発明では、照明制御装置1は、伝送ドライブ部11が照度計測端末器2から多重伝送線Lを介してオーバーレンジ警告信号を受信したときに、演算部10が照度計測端末器2からのオーバーレンジ警告によりオーバーレンジ警告表示判断を行い、表示部13にオーバーレンジ警告表示を行う。
【0022】
照度計測端末器2は、演算部20と、計測値を多重伝送信号で送出するための伝送ドライブ部21と、受光した光を電気信号に変換する受光部22と、この電気信号を予め設定されたゲインにより増幅して電圧値として出力する増幅部23と、オーバーレンジ表示を行うオーバーレンジ表示部24とを備える。
【0023】
演算部20は、A/D変換部20aによって、電圧値をA/D変換し、データテーブル(不図示)から計測値を得るとともに、計測値が計測範囲の上限付近である場合に、レンジを換えて使用することを警告するためオーバーレンジ判断を行う。
【0024】
照度計測端末器2は、異なる床面の反射率に対応するためゲインの異なる複数(例えば3つ)のレンジを有し、計測範囲の上限付近である場合、レンジを換えて使用することを警告するためのオーバーレンジ表示をオーバーレンジ表示部24に行う。また、本発明では、照度計測端末器2は、演算部20がオーバーレンジ判断を行ったときには、伝送ドライブ部21からオーバーレンジ警告信号を、照明制御装置1に対して送出する。
【0025】
これによって、本発明の照明制御システムでは、オーバーレンジ表示が行われた場合、照度計測端末器2が設置されている箇所だけではなく、オーバーレンジによって調光制御が不完全であることが、照明制御システムを管理している管理人がいる照明制御装置1が設置されている監視室でも判断できる。
【0026】
図2は、照度計測端末器2が照明制御装置1と通信を行うためのデータ仕様を示しており、通常、照明制御装置1が照度計測端末器2より情報を得る場合、送信データモード:MDM1、コントロール00〜05hを使用し、端末器の種別を示す端末器コード、計測値、現在設定されているレンジ情報を得る。照明制御装置1が照度計測端末器2のレンジを設定する場合は、送信データモード:MDCTを使用して、設定したいレンジのコードをコントロールデータにのせる。
【0027】
ここでは、送信データモード:MDM1、コントロール:05hに対する照度計測端末器2の返信データに、オーバーレンジ警告の有無を示す情報を付加している。この情報により、照明制御装置1はオーバーレンジ警告の有無を知ることができる。
【0028】
図3は、照明制御装置1の処理手順を示すフローチャートであり、照明制御装置1が照度計測端末器2より情報を得たときに、オーバーレンジ警告があれば、オーバーレンジ警告表示を行い(S1〜S3)、その後、計測値を表示し、計測値を基に調光制御端末器3への調光制御値を演算し、調光端末器へ調光制御するようになっている(S4〜S6)。
【0029】
図4には、照明制御システムの別の構成の一例を示す。ここに示した照明制御装置1は、図1に示した照明制御装置1とは、演算部10において、更にレンジ自動変更処理を行う点のみが異なっている。照明制御装置1は、オーバーレンジ警告を受けたときには、照度計測端末器2に対して、レンジ変更を自動的に制御する。
【0030】
図5は、照明制御装置1の処理手順を示すフローチャートであり、照明制御装置1が照度計測端末器2より情報を得たときに、オーバーレンジ警告があれば、レンジを下げるのが限界でない場合は、レンジ(ゲイン)を1つ下げて再度照度計測端末器2からの情報を得る一方、レンジを下げるのが限界である場合は、オーバーレンジ警告表示を行う(S10〜S14)。その後、計測値を表示し、計測値を基に調光制御端末器3への調光制御値を演算し、調光端末器へ調光制御する(S15〜S17)。
【0031】
なお、以上には、照度計測端末器2は、演算部20が得た計測値が上限付近である場合に、オーバーレンジ判断を行う場合について説明したが、演算部20が得た計測値が下限付近である場合に、オーバーレンジ判断を行う場合であってもよい。照明制御装置1が照度計測端末器2より情報を得たときに、オーバーレンジ警告があれば、オーバーレンジ警告表示を行う。この場合、図2に示すデータ仕様に、計測値が上限付近か下限付近かを判別する情報を付加する。
【0032】
また、レンジ変更を自動的に制御するときは、演算部20が得た計測値が下限付近である場合、オーバーレンジ警告があれば、レンジを上げるのが限界でない場合は、レンジ(ゲイン)を1つ上げて照度計測端末器2からの情報を得る一方、レンジを上げるのが限界である場合は、オーバーレンジ警告表示を行う。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明からも理解できるように、本発明の請求項1〜請求項3の各々に記載の照明制御システムでは、照度計測端末器がオーバーレンジ警告を照明制御装置に送出したときには、照明制御装置にてオーバーレンジ警告表示を行うので、オーバーレンジによって調光制御が不完全であることが、照度計測端末器が設置されている箇所だけではなく、照明制御システムを管理している管理人がいる照明制御装置が設置されている監視室で判断できる。
【0034】
特に請求項3では、照明制御装置は、オーバーレンジ警告を受けたときには、照度計測端末器に対して、自動的にレンジ変更を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】照明制御装置と照度計測端末器間で伝送されるデータ仕様の一例を示す図である。
【図3】照明制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の照明制御システムの構成の他の例を示すブロック図である。
【図5】照明制御装置の動作の他の例を示すフローチャートである。
【図6】従来の照明制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図7】従来の照明制御装置と照度計測端末器間で伝送されるデータ仕様の一例を示す図である。
【図8】従来の照明制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 照明制御装置
10 演算部
11 伝送ドライブ部
12 入力部
13 表示部
2 照度計測端末器
20 演算部
20a A/D変換部
21 伝送ドライブ部
22 受光部
23 増幅部
24 オーバーレンジ表示部
3 調光端末器
4 蛍光灯
L 多重伝送線

Claims (3)

  1. 照明制御装置から導出した多重伝送線に、受光した反射光の計測値を照明制御装置に送出する照度計測端末器と、照明制御装置からの制御により照明器具の調光制御を行う調光端末器とを接続した照明制御システムにおいて、
    上記照度計測端末器は、
    受光した光を電気信号に変換する受光部と、
    この電気信号を予め設定されたゲインにより増幅して電圧値として出力する増幅部と、
    この電圧値よりA/D変換し、データテーブルから計測値を得るとともに、計測値が計測範囲の上限付近である場合に、オーバーレンジ判断を行う演算部と、
    オーバーレンジ表示を行うオーバーレンジ表示部と、
    計測値やオーバーレンジ警告を多重伝送信号で送出するための伝送ドライブ部とを備え、
    上記照明制御装置は、
    上記照度計測端末器から多重伝送線を介して計測値を受信し、また、オーバーレンジ警告信号を受信するとともに、調光端末器に対して多重伝送線を介して調光信号を送出するための伝送ドライブ部と、
    受信した計測値を基に、上記調光制御端末器に送出する調光制御値を演算するとともに、上記照度計測端末器からのオーバーレンジ警告によりオーバーレンジ警告表示判断を行う演算部と、
    この判断により警告表示を行う表示部とを備えており、
    照度計測端末器がオーバーレンジ警告を照明制御装置に送出したときには、照明制御装置にてオーバーレンジ警告表示を行うことを特徴とする照明制御システム。
  2. 照明制御装置から導出した多重伝送線に、受光した反射光の計測値を照明制御装置に送出する照度計測端末器と、照明制御装置からの制御により照明器具の調光制御を行う調光端末器とを接続した照明制御システムにおいて、
    上記照度計測端末器は、
    受光した光を電気信号に変換する受光部と、
    この電気信号を予め設定されたゲインにより増幅して電圧値として出力する増幅部と、
    この電圧値よりA/D変換し、データテーブルから計測値を得るとともに、計測値が計測範囲の下限付近である場合に、オーバーレンジ判断を行う演算部と、
    オーバーレンジ表示を行うオーバーレンジ表示部と、
    計測値やオーバーレンジ警告を多重伝送信号で送出するための伝送ドライブ部とを備え、
    上記照明制御装置は、
    上記照度計測端末器から多重伝送線を介して計測値を受信し、また、オーバーレンジ警告信号を受信するとともに、調光端末器に対して多重伝送線を介して調光信号を送出するための伝送ドライブ部と、
    受信した計測値を基に、上記調光制御端末器に送出する調光制御値を演算するとともに、上記照度計測端末器からのオーバーレンジ警告によりオーバーレンジ警告表示判断を行う演算部と、
    この判断により警告表示を行う表示部とを備えており、
    照度計測端末器がオーバーレンジ警告を照明制御装置に送出したときには、照明制御装置にてオーバーレンジ警告表示を行うことを特徴とする照明制御システム。
  3. 上記照明制御装置は、オーバーレンジ警告を受けたときには、上記照度計測端末器に対して、レンジ変更を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明制御システム。
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