JP4472772B2 - ブランケット固定装置及びブランケットの固定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ブランケット固定装置及びブランケットの固定方法に関する。
新聞の印刷を行う輪転印刷機などにおいては、印刷胴(ブランケット胴)に固定されたブランケットが、走行紙に印刷を行っている。すなわち、回転しているブランケットは、版胴からインキが転写され、この転写されたインキを、走行紙に転写する。
上記のブランケットは、様々な構成のものが開発されている。たとえば、基材(ベース)となる布層、クッション層及びゴム層等によって構成されたブランケット(適宜、布層を有するブランケットと略称する。)がある。この布層を有するブランケットは、ブランケット胴の回転に伴う遠心力により、位置ずれ又はたるみなどが起こる。これらを防止するために、布層を有するブランケットは、円周方向にあらかじめ張力を与えた状態で、ブランケット胴に固定される。このブランケットの固定方法として、非特許文献1に示すように、巻き込み方式とTバー方式が、一般的に知られている。
次に、上記の一般的な巻き込み方式とTバー方式の特徴について説明する。
巻き込み方式は、ブランケットの両端に先端金具(アルミフィレットバー)を取り付け、さらに、ブランケット胴内に収納された一対の巻き込み軸(テンションバー)によって、これらの先端金具を巻き込む方式である。
この方式によれば、ブランケット胴の外周面に露出する挿入溝の幅を、Tバー方式のブランケット胴の外周面に露出する溝(Tバー挿入溝)の幅より狭くすることができる。
ただし、ブランケット胴の外周面の近くに、巻き込み軸を収納するための収納穴(ブランケット胴の両端面からブランケット胴の中央部に向かって穿設される穴)を形成する必要がある。これらの収納穴は、直径が大きく、かつ、ブランケット胴の端面からの加工距離が長いので、ブランケット胴の外周面と収納穴との間の部分(周方向に突出した部分)は、機械的強度が低くなる。これらの部分には、版胴からの転写圧力及びブランケット胴どうしの印刷圧力が、繰り返し荷重として作用するので、寿命(使用期間)が短くなるといった短所がある。また、走行紙が断紙し、紙がブランケット胴に巻き付くと、ブランケット胴の中心軸に向かう半径方向(適宜、内向き半径方向と略称する。)に、想定以上の大きな荷重が作用するので、周方向に突出した部分が折れ曲がるといった短所がある。
また、ブランケット胴のほぼ中央部に、巻き込み軸の先端部を軸支する軸受穴が形成される。この軸受穴は、ブランケット胴の端面から、たとえば、80cm以上離れているので、加工精度が低く、巻き込み軸の位置精度が低下するといった短所がある。
さらに、たとえば、巻き込み軸の補修又は交換などを行うとき、ブランケット胴の軸心方向に、巻き込み軸を引き抜く必要がある。この際、一般的に、印刷フレームが障害となり、巻き込み軸を引き抜くことができない。したがって、ブランケット胴を印刷フレームから取り外す必要があり、作業性が悪いといった短所がある。
なお、様々な巻込み機構、たとえば、ブランケット胴の一部を別体として、そこに、取り外し可能に収納される巻込み機構なども提案されている。ただし、これらの巻込み機構は、通常、ブランケット胴の周方向の外周面に対する整合性が低く、又は、再度取り付ける際、嵌合精度を維持することが困難であるといった短所がある。
Tバー方式は、ブランケットの両端に先端金具(アルミフィレットバー)を取り付け、さらに、これらの先端金具を係止するTバー(T字型のバー)を、取付けボルトを締め込むことによって、Tバー挿入溝に挿入する方式である。
この方式によれば、Tバー挿入溝が、ブランケット胴の内向き半径方向に、加工される。これにより、ブランケット胴の機械的強度が低下するといった不具合を回避することができる。さらに、挿入したTバーを容易に取り外し、また、取り付けることができる。
ただし、Tバー方式のブランケット胴の外周面に露出するTバー挿入溝の幅は、ほぼTバーの厚さ又は取付けボルトの外形以上の寸法となる。すなわち、Tバー挿入溝の開口幅が、大きいといった短所があった。
ところで、近年、輪転印刷機は、高速化している。このため、印刷精度及び機械特性に悪影響を与える機械振動を低減することが要望されている。また、印刷するとき、ブランケットどうしの間で、走行紙に対する印刷圧力が作用しない時間を極力短くすることが要望されている。
上記の機械振動及び走行紙に対する印刷圧力が作用しない時間は、ブランケット胴の外周面に露出する挿入溝又はTバー挿入溝によって発生する。そして、これらの溝幅を狭くすると、機械振動が低減され、また、走行紙に対する印刷圧力が作用しない時間が短くなる。
このため、ブランケット胴の外周面に露出する溝の幅を狭くする技術、及び、これに関連する技術が、様々開発されてきた。
例えば、特許文献1には、ブランケット装着部を有しているブランケット胴の技術が開示されている。このブランケット装着部は、軸線と平行の穴、挿入溝、穴に回転可能に支持され、掛かり部と押し出し面を有する引込み軸、及び、回転力付与手段とからなっている。この技術によれば、ブランケット装着中は、挿入溝に挿入したブランケットの咥え尻側を、常に胴内に引き込むことができる。また、ブランケットを取り外すときは、ブランケットの咥え尻側を強制的に胴外に押し出すことができる。
また、特許文献2には、印刷胴に形成され、ブランケットの先行端と後行端が挿入される挿入溝と、ブランケットの先行端と後行端が挿入された挿入溝に圧入され、ブランケットの先行端と後行端を、挿入溝の壁面に押しつけて固定するための圧入体を有するブランケット固定装置の技術が開示されている。この圧入体は、ワイヤと、このワイヤを被覆する弾性部材とからなっている。
さらに、特許文献3には、平板状ゴム層の下面に薄肉厚の金属板からなる支持体を固着してなる印刷用ブランケットの技術が開示されている。この印刷用ブランケットは、ゴム層の咥え側及び咥え尻側のエッジ部の断面角度θは、表面側を突出させて斜めに形成してある。また、この支持体の両端部は、ゴム層から露出しており、ブランケット胴のスリットに挿入される挿入片として形成されている。
ところで、上述した布層を有するブランケットは、ブランケット胴に固定する際、ブランケットに張りを与える機構が必要である。すなわち、布層を有するブランケットは、固定時のたるみを取り除くために、又は、印刷後のたるみを取り除くために、常に、均一かつ適宜な張りを有する必要がある。
これに対し、たとえば、特許文献3に示すように、可撓性を有する薄肉厚の金属板からなる基材と、この基材に貼り付けられたゴム層とからなるブランケット(適宜、メタルバック・ブランケットと略称する。)が開発されている。このメタルバック・ブランケットは、ブランケット胴の外周面に固定するとき、適宜な張りを与える必要がない。すなわち、まず、メタルバック・ブランケットを、ブランケット胴の外周面に密着させ、次に、メタルバック・ブランケットの先行端及び後行端のゴム層のない薄肉厚の金属板を固定する。このようにすることによって、メタルバック・ブランケットは、ブランケット胴に固定される。
上述したように、メタルバック・ブランケットは、布層を有するブランケットに比べて、優れた技術的な特徴を有している。
特開2002−19079公報 特開2002−326341公報 特開2006−327116公報 日本新聞協会編「新聞印刷ハンドブック第1版第2刷」(第63項、図3−24及び図3−25参照)
しかしながら、特許文献1のブランケット胴は、引込み軸を収納するための穴を有している。したがって、この技術は、上述した巻き込み方式とほぼ同様の短所を有している。すなわち、ブランケット胴の外周面と穴との間の部分(周方向に突出した部分)は、機械的強度が低くなるといった問題があった。また、引込み軸の軸受穴の加工精度が低く、引込み軸の位置精度が低下するといった問題があった。さらに、引込み軸の補修又は交換などを行うとき、ブランケット胴を印刷フレームから取り外す必要があり、作業性が悪いといった問題があった。
また、特許文献2の技術は、ブランケット胴の外周面に露出する挿入溝の幅が、特許文献1及び特許文献3の挿入溝の幅より広いといった問題があった。
さらに、特許文献3には、ほぼ円柱状のカムを用いて、メタルバック・ブランケットを固定する技術が記載されている。この技術のブランケット胴は、ほぼ円柱状のカムを収納するための穴を有している。したがって、この技術は、上述した特許文献1のブランケット胴とほぼ同様の短所を有しているといった問題があった。
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、ブランケット挿入溝の幅を狭くすることによって、機械振動を低減し、印刷圧力が作用しない時間を短くすることができ、さらに、機械的強度、経済性及びメンテナンス性などに優れたブランケット固定装置及びブランケットの固定方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、基材としての金属板を有し、先行端及び後行端がブランケット挿入溝に挿入されたブランケットを、ブランケット胴に固定するブランケット固定装置において、前記ブランケット胴の外周軸心方向に形成されたカムプレート収納溝に、前記ブランケット胴の軸心方向に移動自在に収納されたカムプレートと、前記ブランケット胴の外周面から、前記ブランケットを固定する方向に移動自在に埋設され、前記カムプレートに従動する固定部材とを備え、前記カムプレート収納溝の開口部は、中心線が前記ブランケット胴の外周面において、前記ブランケット挿入溝の開口部の中心線と一致するとともに、開口部の幅(W´)が前記ブランケット挿入溝の開口部の幅(W)よりも狭くなっており、また、前記固定部材は、前記ブランケット挿入溝の幅の中心線に沿った複数箇所に加工された固定部材用穴に摺動可能に挿入されるとともに、前記カムプレートのカム部が収納されるカムプレート用溝を有し、前記カムプレートが所定の固定位置に移動すると、前記固定部材が前記ブランケット挿入溝に挿入された前記先行端及び前記後行端の少なくとも一方を固定し、かつ、前記カムプレートが所定の固定解除位置に移動すると、前記固定部材が前記先行端及び前記後行端の少なくとも一方の固定を解除する構成としてある。
また、本発明のブランケットの固定方法は、上記請求項1〜のいずれか一項に記載のブランケット固定装置を用いて、ブランケットを、ブランケット胴に固定する方法としてある。このブランケットの固定方法は、カムプレートを所定の固定解除位置に移動させ、固定部材をブランケット挿入溝内から退出させる工程と、ブランケット挿入溝に、ブランケットの先行端及び後行端を挿入する工程と、カムプレートを所定の固定位置に移動させ、固定部材をブランケット挿入溝内に進入させ、固定部材が、ブランケット挿入溝に挿入された先行端及び後行端の少なくとも一方を固定する工程とを有する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるブランケット固定装置の、固定状態における概略平面図を示している。 図2は、図1の概略A−A断面図を示している。 図3は、図1の概略B−B拡大断面図を示している。 図4は、図1の概略C−C拡大断面図を示している。 図5は、本発明の一実施形態にかかるブランケット固定装置の、固定解除状態における概略断面図を示している。 図6は、図5の概略D−D拡大断面図を示している。 図7は、本発明の応用例にかかるブランケット固定装置の、固定状態における要部の概略図を示しており、(a)は固定ピンを説明するための拡大断面図を示しており、(b)はカムプレートを説明するための断面図を示している。
[ブランケット固定装置の一実施形態]
以下、本発明のブランケット固定装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるブランケット固定装置の、固定状態における概略平面図を示している。
また、図2は、図1の概略A−A断面図を示している。
さらに、図3は、図1の概略B−B拡大断面図を示している。
また、図4は、図1の概略C−C拡大断面図を示している。
図1〜4において、ブランケット固定装置1は、カムプレート2、固定部材としての固定ピン3、圧縮ばね35、押えねじ4、及び、サポートピン41を備えている。
このブランケット固定装置1は、図3に示すように、基材としての金属板61とゴム層62を有するブランケット(メタルバック・ブランケット)6を、ブランケット胴5に固定する。すなわち、固定ピン3が、ブランケット挿入溝51に挿入された先行端63及び後行端64を押圧することによって、ブランケット固定装置1は、ブランケット6をブランケット胴5に固定する。
なお、ブランケット6は、理解しやすいように、想像線(二点鎖線)で示してある。
(ブランケット胴)
ブランケット胴5は、外周面に、一方の端面から他方の端面まで、ブランケット挿入溝51が加工されている。このブランケット挿入溝51は、図3に示すように、回転方向と反対の方向に傾斜するように、外周面から内部に向かって、形成される。このようにすると、鋭角に折り曲げられたブランケット6の金属板61からなる先行端63を、ブランケット挿入溝51にスムースに挿入することができる。また、先行端63は、鋭角に折り曲げられているので、先行端63による係止力を向上させることができる。
さらに、ブランケット6の金属板61からなる後行端64は、鈍角に折り曲げられた状態で、ブランケット挿入溝51にスムースに挿入される。
また、ブランケット挿入溝51の開口部の幅(ブランケット挿入溝51がブランケット胴5の外周面に露出する部分の幅)は、Wである。この寸法Wは、ブランケット挿入溝51の溝幅、及び、ブランケット挿入溝51の傾斜角度によって決定される。また、上記の露出する部分は、ブランケット胴5の軸心方向と平行な直線状である。さらに、ブランケット胴5の外周面とブランケット挿入溝51の両側面は、それぞれ円弧状の面取り加工が施されている。通常、上記の面取り加工における円弧の半径は、ブランケット6の先行端63及び後行端64の曲げに適した半径である。
本実施形態では、ブランケット挿入溝51の溝幅(T)、溝深さ、及び、傾斜角度(θ)を、たとえば、2.5mm、20mm及び60°としてある。したがって、Wは、ほぼ2.9mm(W=T/sinθ)となる。なお、これらの寸法は、上記の寸法に限定されるものではない。
ブランケット胴5は、外周面に、一方の端面から他方の端面まで、カムプレート収納溝52が加工されている。このカムプレート収納溝52は、図3に示すように、外周面(ほぼ幅Wの中心線の位置)から内向き半径方向に、形成される。
また、カムプレート収納溝52の開口部の幅(カムプレート収納溝52がブランケット胴5の外周面に露出する部分の幅)は、W´である。この寸法W´は、カムプレート2の板厚+所定のクリアランスとしてある。
本実施形態では、カムプレート収納溝52の溝幅及び溝深さを、たとえば、2.5mm及び33.2mmとしてある。したがって、カムプレート収納溝52の開口部の幅W´は、2.5mmとなる。なお、これらの寸法は、上記の寸法に限定されるものではない。また、カムプレート収納溝52は、通常、内向き半径方向に形成されるが、これに限定されるものではなく、たとえば、どちらかの方向に傾斜するように、形成されてもよい。
本実施形態では、カムプレート収納溝52の開口部(幅W´の部分)は、ブランケット挿入溝51の開口部(幅W(W>W´)の部分)に、最も好ましく重なっている。すなわち、幅W´の中心線は幅Wの中心線と一致しており、幅W´の部分は、幅Wの部分の内側に収まっている。このようにすると、カムプレート収納溝52の開口部の幅及びブランケット挿入溝51の開口部の幅(カムプレート収納溝52及びブランケット挿入溝51がブランケット胴5の外周面に露出する部分の幅)を極力短くすることができる。したがって、印刷精度及び機械特性に悪影響を与える機械振動を極力低減することができる。また、印刷するとき、ブランケット5どうしの間で、走行紙(図示せず)に対する印刷圧力が作用しない時間を極力短くすることができ、印刷品質を向上させることができる。
また、図示してないが、幅W´の部分と幅Wの部分とが離れている場合に比べると、幅W´の部分と幅Wの部分とが、部分的に重なっていることは、好ましい。このようにすると、幅W´の部分と幅Wの部分とが離れている場合より、カムプレート収納溝52及びブランケット挿入溝51がブランケット胴5の外周面に露出する部分の幅を短くすることができる。上述したように、本実施形態は、幅W´の部分が幅Wの部分の内側に収まっているので、カムプレート収納溝52及びブランケット挿入溝51がブランケット胴5の外周面に露出する部分の幅を、極力短くしている。
なお、本実施形態では、ブランケット挿入溝51及びカムプレート収納溝52は、ブランケット胴5の一方の端面から他方の端面まで、連続的に加工されているが、この構成に限定されるものではない。たとえば、図示してないが、ブランケット胴5の一方の端面からブランケット胴5の中央位置までの、ブランケット挿入溝51及びカムプレート収納溝52と、ブランケット胴5の他方の端面からブランケット胴5の中央位置までの、ブランケット挿入溝51及びカムプレート収納溝52との軸心に対する位相を、90°又は180°ずらしてもよい。
また、本実施形態では、カムプレート収納溝52及びブランケット挿入溝51がブランケット胴5の外周面に露出する部分の幅は、上述したように、ほぼ2.9mmとしてあるが、これに限定されるものではない。すなわち、カムプレート2の板厚は、カムプレート2の剛性とカムプレート収納溝52の加工可能な溝幅によって決定される。また、ブランケット挿入溝51の溝幅は、加工可能な溝幅によって決定される。したがって、たとえば、ブランケット6の金属板61の厚さが、0.2mmの場合、外周面に露出する部分の幅を、0.5〜1.9mmとすることも可能である。
さらに、ブランケット胴5は、たとえば、引込み軸(引用文献1参照)、又は、ほぼ円柱状のカム(引用文献3参照)を収納するための、直径が大きく、かつ、深い穴(軸心方向と平行な穴)を加工する必要がない。すなわち、機械的強度が低下する部分(軸心方向と平行な穴により、周方向に突出した部分)が形成されないので、ブランケット胴5の寿命及び耐久性を向上させることができる。また、穴(軸心方向と平行な穴)加工を行わなくてもすむので、加工精度を向上させることができ、また、製造原価のコストダウンを図ることができる。
ブランケット胴5は、外周面のブランケット挿入溝51の幅Wの中心線に沿って、等間隔で複数箇所に、固定ピン用穴53が加工されている。この固定ピン用穴53は、図3に示すように、外周面(幅Wの中心線の位置)から内向き半径方向に、形成される。
本実施形態では、固定ピン用穴53の、数量、ピッチ(間隔)、穴径及び穴深さを、たとえば、8箇所、218mm、12mm及び49mmとしてある。また、固定ピン用穴53は、穴周面に滑らかな仕上げ加工が施されており、固定ピン3及び圧縮ばね35が滑らかに摺動することができる。なお、固定ピン用穴53の、数量、ピッチ、穴径及び穴深さは、上記の数量、ピッチ(等間隔に限定されない。)及び寸法に限定されるものではない。
ブランケット胴5は、外周面の幅Wの中心線に沿って、固定ピン用穴53を挟むように、複数箇所に、雌ねじ54及びサポートピン用穴55が加工されている。この雌ねじ54及びサポートピン用穴55は、図4に示すように、外周面(幅Wの中心線の位置)から内向き半径方向に、形成される。
本実施形態では、雌ねじ54の、数量、ピッチ(間隔)、ねじ径及びねじ深さを、たとえば、16箇所、109mm、M12及び25mmとしてある。また、サポートピン用穴55の数量、穴径及び穴深さを、たとえば、16箇所、11mm及び39mmとしてある。なお、雌ねじ54及びサポートピン用穴55の、数量、ピッチ、及び各寸法は、上記の数量、ピッチ(等間隔に限定されない。)及び各寸法に限定されるものではない。
また、上述したように、ブランケット胴5は、外周面のブランケット挿入溝51の幅Wの中心線に沿って、複数の固定ピン用穴53及び雌ねじ54が形成される。これらの固定ピン用穴53及び雌ねじ54は、ブランケット6によって覆われており、すなわち、固定ピン用穴53及び雌ねじ54に対応するブランケット6の部分は、ブランケット胴5の外周面と当接していない。ただし、固定ピン用穴53及び雌ねじ54は、外径が小さく、かつ、ブランケット6が固定されたとき、固定ピン用穴53及び雌ねじ54に対応するブランケット6の部分は、ブランケット胴5の固定ピン用穴53及び雌ねじ54の周囲の部分によって支持される。したがって、ブランケット6は、印刷圧力及び転写圧力に対して、十分使用に耐えることができる。
さらに、ブランケット固定装置1が新聞印刷等の輪転機に用いられる場合、通常、固定ピン用穴53及び雌ねじ54は、印刷面の余白の部分に配置されるので、印刷に悪影響を及ぼさない。
ブランケット胴5は、両端部の外周面の一部に、半径方向と直交する切欠部56が形成されている。この切欠部56によって、カムプレート2の端部が、ブランケット胴5から突出する。切欠部56は、カムプレート2の端部の下方に、長穴57が形成されている。たとえば、この長穴57に係止部材(鉤付き棒)など(図示せず)を挿入することにより、カムプレート2の端部に下方から係止部材を容易に係止することができる。この係止部材を上方(外向き半径方向)に引っ張ることにより、カムプレート2をカムプレート収納溝52から容易に取り外すことができる。
また、ブランケット固定装置1は、図示してないが、カムプレート2を軸心方向に移動させる移動装置を有する構成としてもよい。この移動装置は、たとえば、空気圧又は油圧を利用したシリンダを有する装置であり、シリンダのロッドを係合溝25に係合させ、容易にカムプレート2を軸心方向に移動させることができる。
なお、この移動装置は、上記の構成に限定されるものではなく、様々な構成の装置を用いることができる。たとえば、図示してないが、ラックとピニオンを有する移動装置としてもよい。このラックは、カムプレート2の端部に設けられており、ピニオンは、ブランケット胴5の端面に設けられている。このピニオンを手動あるいはモータで回転させることにより、カムプレート2を軸心方向に移動させる。さらに、たとえば、リンク、又は、偏心カムなどを用いた移動装置としてもよい。
(カムプレート)
カムプレート2は、ブランケット胴5に形成されたカムプレート収納溝52に、ブランケット胴5の軸心方向に移動自在に収納されている。
カムプレート2は、カムプレート収納溝52の長さとほぼ同じ長さを有する、細長い金属製の板である。このカムプレート2は、ガイド部21及びカム部22が交互に繋がっている。
ガイド部21は、幅の狭いほぼ長方形状であり、サポートピン41のカムプレート用溝42に、ブランケット胴5の軸心方向に移動自在に収納される。ガイド部21は、上面が押えねじ4の下面と当接し、又は、下面がカムプレート用溝42の底面と当接する。これにより、カムプレート2の半径方向の位置が規制される。ここで、ガイド部21の上面と下面は、当接した状態で摺動するので、通常、滑らかな仕上げ加工が施されている。
カム部22は、幅の広いほぼ台形状であり、固定ピン3のカムプレート用溝31に、ブランケット胴5の軸心方向に移動自在に収納される。カム部22は、下面(カム面)として、切欠面23と非切欠面24を有している。切欠面23は、カム部22にほぼ台形状の切欠を加工することにより形成された、緩やかな斜面及び水平面(ブランケット胴5の軸心方向と平行な平面)を有している。また、非切欠面24は、切欠面23の平面よりブランケット胴5の軸心側に位置する水平面である。ここで、切欠面23及び非切欠面24は、固定ピン3のカムプレート用溝31の底面と当接した状態で摺動するので、通常、滑らかな仕上げ加工が施されている。
また、カム部22は、上記のほぼ台形状の切欠を加工しているので、機械的強度を向上させるために、幅をガイド部21より(ブランケット挿入溝51に干渉しない範囲で)広くしてある。
さらに、本実施形態では、カム部22の非切欠面24とガイド部21の下面とが同一平面を形成する構成としてある。このようにすると、カムプレート2の構造が単純化でき、製造原価のコストダウンを図ることができる。
カムプレート2は、ブランケット胴5の端面側の端部に、カムプレート2を移動させるための移動装置又は移動治具(図示せず)と係合する係合部として、係合溝25が形成されている。このようにすると、カムプレート2を容易に軸心方向に移動させることができる。
カムプレート2は、図2に示すように、カムプレート2の端面とブランケット胴5の端面が、軸心方向の同じ位置に位置するとき、固定位置にあり、この固定位置より、所定の距離だけ外方向に移動された位置が、固定解除位置である。
また、本実施形態では、カムプレート2の板厚、ガイド部21の幅、切欠面23の水平面と非切欠面24との距離、及び、固定位置と固定解除位置との距離を、たとえば、2.0mm、12mm、4mm及び24mmとしてある。なお、これらの寸法は、上記の寸法に限定されるものではない。
(固定ピン)
本実施形態では、固定部材として、ブランケット6を固定する方向に移動する(本実施形態では、半径方向に直線的に往復移動する)固定ピン3を用いている。固定ピン3は、ブランケット胴5の固定ピン用穴53に移動自在に収納され、カムプレート2に従動する。すなわち、この固定ピン3は、金属製の円柱としてあり、側面に、滑らかな仕上げ加工が施されている。これにより、固定ピン3は、固定ピン用穴53内を滑らかに移動することができる。
また、固定ピン3は、図3に示すように、上部にR面(円弧面)の面取り加工が施されている。また、この面取り加工は、R面(円弧面)の面取り加工に限定されるものではなく、たとえば、ブランケット挿入溝51の傾斜角度とほぼ同じ角度の斜面を有する截頭円錐状に面取りする加工としてもよい。このようにすると、固定ピン3が、先行端63及び後行端64を押圧する面積を広くすることができるので、ブランケット6をより確実に固定することができる。
なお、本実施形態では、複数の固定ピン3が、先行端63及び後行端64を押圧する構成としてあるが、この構成に限定されるものではない。たとえば、先行端63だけを押圧する固定ピン3と、後行端64だけを押圧する固定ピン3を備える構成としてもよい。
固定ピン3は、上面から固定ピン3の軸心に沿って、カムプレート用溝31が形成されており、このカムプレート用溝31に、カムプレート2のカム部22が挿入される。カムプレート用溝31の溝幅は、カムプレート2の板厚より所定のクリアランス分だけ広く、かつ、カムプレート用溝31の底面は、R面(円弧面)の面取り加工が施されている。さらに、カムプレート用溝31の側面、底面及びR面は、滑らかな仕上げ加工が施されており、カムプレート2が滑らかに移動することができる。このようにすると、固定ピン3を単純な構造とすることができるので、加工精度を向上させることができ、また、製造原価のコストダウンを図ることができる。
また、本実施形態では、固定ピン3の高さ及びカムプレート用溝31の溝深さを、たとえば、34mm及び24mmとしてある。なお、これらの寸法は、上記の寸法に限定されるものではない。
本実施形態では、固定ピン3が、ブランケット挿入溝51に挿入された先行端63及び後行端64を固定するとき、圧縮ばね35のばね力を利用して、先行端63及び後行端64を押圧する構成としてある。すなわち、圧縮ばね35は、図3に示すように、固定ピン用穴53の下部に収納されており、上方の固定ピン3に上方向(外向き半径方向)へのばね力を作用させる。
したがって、カムプレート2が固定位置に移動するとき、固定ピン3は、圧縮ばね35のばね力によって、外向き半径方向に移動し、先行端63及び後行端64を押圧する。このとき、カムプレート2の下面(切欠面23)とカムプレート用溝31の底面は当接せず、これらの間に、隙間ができる。このようにすると、複数の固定ピン3が、ほぼ同じ力(圧縮ばね35のばね力)で、先行端63及び後行端64を押圧する。これにより、ブランケット6を確実に固定することができる。
なお、本実施形態では、圧縮ばね35によるばね力を用いているが、これに限定されるものではなく、たとえば、後述するように、板ばねなどによるばね力を用いてもよい。
(位置規制手段)
本実施形態の位置規制手段として、カムプレート2の挿入されるカムプレート用溝42の形成されたサポートピン41、及び、このサポートピン41を固定する押えねじ4を備えている。この位置規制手段は、カムプレート収納溝52に収納されたカムプレート2の抜けを防止し、かつ、カムプレート収納溝52に収納されたカムプレート2の半径方向の位置を規制する。
押えねじ4は、市販の六角穴付き止めねじを用いており、カムプレート収納溝52に収納されたカムプレート2の抜けを防止する。この押えねじ4は、下面が平面であり、この平面は、滑らな仕上げ加工が施されている。これにより、押えねじ4の下面は、カムプレート2(ガイド部21)の上面と滑らかに摺動することができる。押えねじ4は、図4に示すように、雌ねじ54に締め込まれる。締め込まれた押えねじ4は、下部がサポートピン41を押圧し、かつ、上部が、ブランケット挿入溝51内に入り込まない構造としてある。これにより、先行端63及び後行端64をブランケット挿入溝51に挿入する際、押えねじ4が障害物となることはない。
また、本実施形態の押えねじ4は、たとえば、ねじの呼びがM12であり、呼び長さが10mmであり、先端形状が平先としてある。なお、これらの寸法などは、上記の寸法などに限定されるものではない。
サポートピン41は、金属製の円柱としてあり、サポートピン用穴55に挿入される。このサポートピン41は、上面からサポートピン41の軸心に沿って、カムプレート用溝42が形成されており、このカムプレート用溝42に、カムプレート2のガイド部21が挿入される。カムプレート用溝42の溝幅は、カムプレート2の板厚より所定のクリアランス分だけ広く、かつ、カムプレート用溝42の溝深さは、ガイド部21の幅寸法よりわずかに大きくしてある。また、カムプレート用溝42の側面及び底面は、滑らかな仕上げ加工が施されており、カムプレート2が滑らかに移動することができる。
また、サポートピン41及び押えねじ4は、ブランケット胴5の半径方向におけるカムプレート2の位置を規制する。すなわち、サポートピン用穴55の穴深さ寸法、サポートピン41の高さ寸法及びカムプレート用溝42の溝深さ寸法によって、カムプレート2の半径方向の位置を規制する。
このようにすると、押えねじ4及びサポートピン41を単純な構造とすることができるので、製造原価のコストダウンを図ることができる。
また、本実施形態では、サポートピン41の高さ及びサポートピン41の溝深さを、たとえば、18mm及び12mmとしてある。なお、これらの寸法は、上記の寸法に限定されるものではない。
次に、上記構成のブランケット固定装置1の組立手順及び動作について、図面を参照して説明する。
まず、ブランケット固定装置1の組立手順について説明する。
ブランケット固定装置1の組立手順としては、ブランケット胴5の複数の固定ピン用穴53に、圧縮ばね35を挿入する。続いて、固定ピン3を、カムプレート用溝31がブランケット胴5の軸心方向と平行になるように、固定ピン用穴53に挿入する。
次に、ブランケット胴5の複数のサポートピン用穴55に、サポートピン41を、カムプレート用溝42がブランケット胴5の軸心方向と平行になるように、挿入する。
次に、切欠面23の水平面がカムプレート用溝31に対応する位置で、ガイド部21がカムプレート用溝42に入るまで、カムプレート2をカムプレート収納溝52に挿入する。このとき、ガイド部21がカムプレート用溝42に入る前に、カム部22は、カムプレート用溝31に挿入される。
続いて、ブランケット胴5の複数の雌ねじ54に、押えねじ4を締め込む。これにより、サポートピン41を固定するとともに、カムプレート2の上下方向の移動を規制する。
このようにして、ブランケット固定装置1は、容易に組み立てることができる。また、ブランケット固定装置1を分解するときは、上記の組立手順をもどることにより、容易に分解することができる。
さらに、上記の組立及び分解は、ブランケット胴5の外周面から行うことができる。すなわち、ブランケット固定装置1の補修又は交換などを行うとき、ブランケット胴5を印刷フレーム(図示せず)から取り外す必要がないので、作業性を大幅に向上させることができる。
次に、ブランケット固定装置1の動作について説明する。
図5は、本発明の一実施形態にかかるブランケット固定装置の、固定解除状態における概略平面図を示している。
また、図6は、図5の概略D−D拡大断面図を示している。
図5及び図6において、ブランケット固定装置1は、上述したカムプレート2の移動装置によって、カムプレート2が固定位置から固定解除位置に移動される。
このとき、カムプレート2がカムとして機能し、固定ピン3を内向き半径方向に移動させる。すなわち、固定位置においては、切欠面23の水平面が、カムプレート用溝31の底面と当接し、固定ピン3の上部が、ブランケット挿入溝51内に進入している。続いて、カムプレート2が固定位置から固定解除位置に移動されると、切欠面23の斜面が、カムプレート用溝31の底面と当接し、固定ピン3が内向き半径方向に移動する。このとき、圧縮ばね35は、圧縮される。そして、非切欠面24が、カムプレート用溝31の底面と当接すると、固定ピン3の内向き半径方向への移動が停止する。このとき、固定ピン3の上部は、ブランケット挿入溝51内から内向き半径方向に退出している。
なお、図示してないが、カムプレート2を固定解除位置に移動させたとき、ストッパーを取り付けて、カムプレート2が固定位置に戻らないようにするとよい。このようにすると、作業の安全性を向上させることができる。
次に、ブランケット6の先行端63をブランケット挿入溝51に挿入し、ブランケット6をブランケット胴5に巻き付け、続いて、後行端64をブランケット挿入溝51に挿入する。このとき、固定ピン3の上部は、ブランケット挿入溝51内から退出しているので、先行端63及び後行端64を、ブランケット挿入溝51に容易に挿入することができる。
なお、ブランケット6は、あらかじめ、先行端63及び後行端64が、ブランケット挿入溝51の傾斜角度と対応するように、折り曲げられている。また、先行端63及び後行端64は、ブランケット胴5の軸心方向の位置が合うように、ブランケット挿入溝51に挿入される。
次に、ブランケット固定装置1は、ストッパーが取り外され、上述したカムプレート2の移動装置によって、カムプレート2が固定解除位置から固定位置に移動される。
このとき、カムプレート2がカムとして機能し、固定ピン3が外向き半径方向に移動する。すなわち、図示してないが、切欠面23の斜面が、カムプレート用溝31の底面と当接しながら移動することによって、圧縮ばね35のばね力が作用している固定ピン3は、外向き半径方向に移動し、ブランケット挿入溝51内に進入する。そして、固定ピン3の上部は、圧縮ばね35のばね力によって、ブランケット挿入溝51の上方の斜面と固定ピン用穴53とが交差する縁部に、先行端63及び後行端64を押圧し固定する。ここで、カムプレート2が固定解除位置から固定位置に移動されると、切欠面23の水平面が、カムプレート用溝31の底面から離れた状態となる。したがって、複数の固定ピン3が、ほぼ同じばね力で、先行端63及び後行端64を押圧することができるので、ブランケット6を確実に固定することができる。
次に、ブランケット胴5に印刷圧力を加えた状態で、ブランケット胴5を、クローリング速度で所定の時間、回転させる。これにより、ブランケット胴5とブランケット6の金属板61との隙間を完全に取り去る。すなわち、ブランケット6を巻き付けた際のたるみは、この回転によって、後行端64の側に移動し、後行端64がブランケット挿入溝51のさらに奥側に自動的に押し込まれる。このとき、後行端64は、固定ピン3の押圧力を受けているが、ブランケット挿入溝51のさらに奥側に移動し、移動した後は、再び、固定ピン3によって固定される。
固定ピン3の取り付けられたブランケット胴5は、通常の印刷運転を行う。
ここで、本実施形態のブランケット固定装置1は、上述したように、カムプレート収納溝52の開口部の幅及びブランケット挿入溝51の開口部の幅(カムプレート収納溝52及びブランケット挿入溝51がブランケット胴5の外周面に露出する部分の幅)を極力短くしてある。したがって、印刷精度及び機械特性に悪影響を与える機械振動を極力低減することができる。また、印刷するとき、ブランケット5どうしの間で、走行紙(図示せず)に対する印刷圧力が作用しない時間を極力短くすることができ、印刷品質を向上させることができる。すなわち、ブランケット固定装置1は、輪転印刷機(図示せず)のさらなる高速化を可能とし、また、高速印刷における印刷品質をさらに向上させることができる。
次に、印刷が終了し、ブランケット胴5の回転が停止すると、上述したように、ブランケット固定装置1は、カムプレート2の移動装置によって、カムプレート2が固定位置から固定解除位置に移動される。これにより、固定ピン3の上部が、ブランケット挿入溝51内から内向き半径方向に退出するので、先行端63及び後行端64を容易にブランケット挿入溝51から取り出すことができる。
なお、通常、印刷を行わない間は、カムプレート2は、固定位置にある。これにより、圧縮ばね35の寿命を長くすることができる。
以上説明したように、本実施形態のブランケット固定装置1によれば、機械振動を低減し、印刷圧力が作用しない時間を短くすることができ、さらに、機械的強度、経済性及びメンテナンス性などを向上させることができる。
また、本実施形態は、様々な応用例を有している。
次に、この応用例について、図面を参照して説明する。
(応用例)
図7は、本発明の応用例にかかるブランケット固定装置の、固定状態における要部の概略図を示しており、(a)は固定ピンを説明するための拡大断面図を示しており、(b)はカムプレートを説明するための断面図を示している。
図7において、本応用例のブランケット固定装置1aは、上記実施形態のブランケット固定装置1と比べると、圧縮ばね35を用いなくても済むように、カムプレート2a及び固定ピン3aの構造を変更した点などが相違する。なおブランケット固定装置1aの他の構成は、ブランケット固定装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図7において、図2及び図3と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
固定ピン3aは、固定ピン3と比べると、カムプレート用溝31に挿入されたカムプレート2aの上面と当接する平行ピン32が埋設されている点が相違する。
平行ピン32は、金属製の円柱状のピンであり、カムプレート用溝31の側面と直交するように、設けられている。また、平行ピン32を設けることにより、圧縮ばね35を使用していない。
カムプレート2aは、カムプレート2と比べると、カム部22aの幅寸法を短くし、さらに、カム部22aの上面に、切欠面23及び非切欠面24と対応する形状の、突出面23a及び非突出面24aを形成した点が相違する。
このカムプレート2aを固定位置に移動させると、突出面23aが平行ピン32と当接することにより、固定ピン3aは、外向き半径方向に移動し、ブランケット挿入溝51内に進入する。そして、固定ピン3aの上部は、ブランケット挿入溝51の上方の斜面と固定ピン用穴53とが交差する縁部に、先行端63及び後行端64を押圧し固定する。
また、カムプレート2aを固定解除位置に移動させると、切欠面23がカムプレート用溝31の底面と当接することにより、固定ピン3aの上部が、ブランケット挿入溝51内から内向き半径方向に退出し、突出面23aに代わって非突出面24aが平行ピン32と当接し、切欠面23に代わって非切欠面24がカムプレート用溝31の底面と当接する。これにより、先行端63及び後行端64を容易にブランケット挿入溝51から取り出すことができる。
このように、本応用例のブランケット固定装置1aによっても、ブランケット固定装置1とほぼ同様の効果を奏することができる。
また、好ましくは、図示してないが、固定ピン3aの上部に、樹脂製又はゴム製のキャップをかぶせてもよい。このようにすると、複数の固定ピン3aが、キャップの弾性力を利用することにより、ほぼ同じ力で、先行端63及び後行端64を押圧することができる。したがって、ブランケット6を確実に固定することができる。
さらに、上記のキャップをかぶせる代わりに、図示してないが、突出面23aの水平面に板ばねを取り付けたり、あるいは、突出面23aの水平面の部分を、板ばねとして機能する形状に成形してもよい。このようにすると、複数の固定ピン3aが、板ばねの弾性力を利用することにより、ほぼ同じ力で、先行端63及び後行端64を押圧することができる。したがって、ブランケット6を確実に固定することができる。
[ブランケットの固定方法の一実施形態]
本発明は、ブランケットの固定方法の発明としても有効である。
本実施形態のブランケットの固定方法は、上述した実施形態のブランケット固定装置1を用いて、ブランケット6を、ブランケット胴5に固定するブランケットの固定方法である。
このブランケットの固定方法は、カムプレート2を固定解除位置に移動させ、固定ピン3をブランケット挿入溝51内から退出させる工程と、ブランケット挿入溝51に、ブランケット6の先行端63及び後行端64を挿入する工程と、カムプレート2を固定位置に移動させ、固定ピン3をブランケット挿入溝51内に進入させ、固定ピン3が、ブランケット挿入溝51に挿入された先行端63及び後行端64を固定する工程とを有する方法としてある。
このように、本実施形態のブランケットの固定方法は、上述したブランケット固定装置1とほぼ同様の効果を奏することができ、ブランケット挿入溝51の幅を狭くすることによって、機械振動を低減し、印刷圧力が作用しない時間を短くすることができ、さらに、機械的強度、経済性及びメンテナンス性などを向上させることができる。
以上、本発明のブランケット固定装置及びブランケットの固定方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るブランケット固定装置及びブランケットの固定方法は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した固定部材としての固定ピン3は、往復移動することにより、先行端63及び後行端64を固定する構成としてあるが、往復移動に限定されるものではない。たとえば、図示してないが、カムプレート2によって従動する、回転移動する固定部材を用いてもよい。
以上説明したように、本発明のブランケット固定装置及びブランケットの固定方法は、新聞用の輪転印刷機に用いられる場合に限定されるものではなく、たとえば、様々な印刷機にも有効に適用することができる。

Claims (6)

  1. 基材としての金属板を有し、先行端及び後行端がブランケット挿入溝に挿入されたブランケットを、ブランケット胴に固定するブランケット固定装置において、
    前記ブランケット胴の外周軸心方向に形成されたカムプレート収納溝に、前記ブランケット胴の軸心方向に移動自在に収納されたカムプレートと、
    前記ブランケット胴の外周面から、前記ブランケットを固定する方向に移動自在に埋設され、前記カムプレートに従動する固定部材とを備え、
    前記カムプレート収納溝の開口部は、中心線が前記ブランケット胴の外周面において、前記ブランケット挿入溝の開口部の中心線と一致するとともに、開口部の幅(W´)が前記ブランケット挿入溝の開口部の幅(W)よりも狭くなっており、
    また、前記固定部材は、前記ブランケット挿入溝の幅の中心線に沿った複数箇所に加工された固定部材用穴に摺動可能に挿入されるとともに、前記カムプレートのカム部が収納されるカムプレート用溝を有し、
    前記カムプレートが所定の固定位置に移動すると、前記固定部材が前記ブランケット挿入溝に挿入された前記先行端及び前記後行端の少なくとも一方を固定し、かつ、前記カムプレートが所定の固定解除位置に移動すると、前記固定部材が前記先行端及び前記後行端の少なくとも一方の固定を解除する
    ことを特徴とするブランケット固定装置。
  2. 前記固定部材が、前記ブランケット挿入溝に挿入された前記先行端及び前記後行端の少なくとも一方を固定するとき、ばね力又は弾性力を利用して、前記ブランケット挿入溝に挿入された前記先行端及び前記後行端の少なくとも一方を押圧することを特徴とする請求項に記載のブランケット固定装置。
  3. 前記固定部材を、固定ピンとしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のブランケット固定装置。
  4. 前記カムプレート収納溝に収納された前記カムプレートの抜けを防止し、かつ、前記カムプレート収納溝に収納された前記カムプレートの位置を規制する位置規制手段として、前記カムプレートの挿入されるカムプレート用溝の形成されたサポートピン、及び、このサポートピンを固定する押えねじを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のブランケット固定装置。
  5. 前記カムプレートの端部に、該カムプレートを移動させるための移動治具又は移動装置と係合する係合部を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のブランケット固定装置。
  6. 上記請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記ブランケット固定装置を用いて、前記ブランケットを、前記ブランケット胴に固定するブランケットの固定方法であって、
    前記カムプレートを前記所定の固定解除位置に移動させ、前記固定部材を前記ブランケット挿入溝内から退出させる工程と、
    前記ブランケット挿入溝に、前記ブランケットの先行端及び後行端を挿入する工程と、
    前記カムプレートを前記所定の固定位置に移動させ、前記固定部材を前記ブランケット挿入溝内に進入させ、前記固定部材が、前記ブランケット挿入溝に挿入された前記先行端及び前記後行端の少なくとも一方を固定する工程と
    を有することを特徴とするブランケットの固定方法。
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