JP4472607B2 - 3次元映像提示・撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、3次元映像提示・撮像装置に係り、特に、視線一致の状態にて利用者を撮影可能であるとともに、3次元立体像を表示可能な3次元映像提示・撮像装置に関する。
地理的に離れた者同士が、あたかもそばにいるかのような感覚で面談コミュニケーションを行うシステムが、数多く提案されている。
このようなシステムは、一般に高臨場感通信と呼ばれ、利用者に違和感のないコミュニケーションを提供するためには、主に2つの解決すべき課題がある。
まず、ディスプレイの上部や下部や側部にカメラを配置し、カメラで撮影した画像をそのまま通信して提示し合っているだけのシステムにおいては、ディスプレイを見る目線とカメラの光軸が一致していないため、利用者がお互いに視線を合わせることができず、アイコンタクトによる意思の疎通が困難である。すなわち、「視線一致」の課題がある。
ハーフミラーを用いてディスプレイとカメラの位置を光学的に合わせたシステムはこの課題を一応は解決するものの、ハーフミラーを配置する広い空間を要することや、光量の減少を伴うために実用的であるとは言い難い。
そのため、光の透過状態と不透過状態を交互に制御されるスクリーンを用い、透過状態のときに撮影を行い、不透過状態の時に映像の投影を行うシステムが考案された。(下記、特許文献1、特許文献2参照)。
しかし、前述の特許文献1、特許文献2に開示されている、プロジェクタを用いるシステムは、十分にコンパクトであるとは言えない。
また、これらのシステムでは、お互いの姿をある1つのカメラで撮影した画像(即ち、2次元画像)を提示し合っている。しかし、2次元画像は、利用者に平面的な印象を与えてしまい、臨場感が著しく欠落してしまうという問題がある。
よって、利用者の姿は3次元映像により表現されることが望ましい。これが2つ目の課題である。
なお、本願発明に関連する先行技術文献としては以下のものがある。
特許第3011439号明細書 特開平8−32948号公報 特許第3022558号明細書 特許第3460671号明細書 國田豊,他5名 "没入型裸眼立体ディスプレイTWISTER Iの設計と試作",映像情報メディア学会誌,Vol.55,No.5,pp.671-677,2001. 國田豊,橋本秋彦,木村一夫,中沢憲二 「信頼度を利用した多層平面レンダリング法の提案」,3次元画像コンファレンス2004講演論文集,pp.135-138,3次元画像コンファレンス2004実行委員会,2004.
前述の非特許文献1において提案されているシステムは、前述の課題を満たしている。
TWISTERと呼ばれるこのシステムにおいては、立体映像を提示するユニットと利用者を撮影するユニットが一体となり、利用者の周りを取り囲んで回転することで、立体映像の提示と撮影を共に実現する。
しかしながら、TWISTERと呼ばれるこのシステムは、回転機構を有するために装置規模が大きくなり、取り扱いが容易ではない。
このような背景のもと、高臨場感通信を実現するためには、立体映像の撮影と提示が共に行え、かつコンパクトな装置が必要とされている。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、利用者の撮影と、3次元立体像の提示を共に行うことが可能で、かつコンパクトな3次元映像提示・撮像装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
前述の課題を解決するために、本発明は、利用者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の偏光旋光型の透過型ディスプレイパネルと、前記利用者から最も遠い位置に配置される透過型ディスプレイパネルの利用者の反対側に配置される少なくとも2個のカメラと、前記利用者から最も近い位置に配置される透過型ディスプレイパネルの前記利用者側に配置される偏光光学素子と、前記利用者から最も遠い位置に配置される透過型ディスプレイパネルと前記カメラとの間に配置される導光板と、前記導光板の側面に配置され、所定の偏光を照射する光源とを備える3次元映像提示・撮像装置であって、前記透過型ディスプレイパネルに画像を表示せずに透過状態にして、前記カメラにより利用者を撮影する状態1と、前記光源をオンとして、前記各透過型ディスプレイパネルに対して表示対象物体を前記利用者の視線方向から射影した画像を、前記各透過型ディスプレイパネルにそれぞれ表示し、当該表示される画像の前記利用者から見た輝度を前記各透過型ディスプレイパネル毎にそれぞれ独立に変化させて、3次元立体像を表示する状態2とを、時分割で交互に切り替えて実行する手段を有することを特徴とする。
また、本発明は、利用者から見て異なった奥行き位置に配置され、透過状態と表示状態とを制御可能な複数の2次元ディスプレイパネルと、前記利用者から最も遠い位置に配置される2次元ディスプレイパネルの利用者の反対側に配置される少なくとも2個のカメラとを備える3次元映像提示・撮像装置であって、前記2次元ディスプレイパネルを透過状態にして、前記カメラにより利用者を撮影する状態1と、前記各2次元ディスプレイパネルに対して表示対象物体を前記利用者の視線方向から射影した画像を、前記各2次元ディスプレイパネルにそれぞれ表示し、当該表示される画像の前記利用者から見た輝度を前記各2次元ディスプレイパネル毎にそれぞれ独立に変化させて、3次元立体像を表示する状態2とを、時分割で交互に切り替えて実行する手段と、前記利用者または外光の明るさを測定する測定手段とを有し、前記測定手段での測定結果に基づき、前記利用者または外光の明るさが明るい時には、前記状態1の継続時間よりも前記状態2の継続時間を長くし、前記利用者または外光の明るさが暗い時には、前記状態2の継続時間よりも前記状態1の継続時間を長くすることを特徴とする。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、利用者の撮影と、3次元立体像の提示を共に行うことが可能で、かつコンパクトな3次元映像提示・撮像装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
始めに、本発明の基本となるDFD型の3次元表示装置について説明する。
[DFD型の3次元表示装置の一例]
図12は、DFD型の3次元表示装置の一例を説明するための図である。
図12に示す3次元表示装置は、観察者100の前面に複数の面、例えば、表示面(101,102)(表示面101が表示面102より観察者100に近い)を設定し、これらの表示面(101,102)に複数の2次元像を表示するために、2次元表示装置と種々の光学素子を用いて光学系103を構築する。
前記2次元表示装置としては、例えば、CRT、液晶ディスプレイパネル、LEDディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、ELディスプレイパネル、FEDディスプレイパネル、DMD、プロジェクション方式ディスプレイパネル、オシロスコープのような線描画型ディスプレイなどを用い、光学素子としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲鏡、プリズム、偏光素子、波長板などを用いる。
なお、図12は、前述の特許文献3に記載されているものと同じ構成のものであり、また、この表示面の設定方法については、前述の特許文献3を参照されたい。
図12に示す3次元表示装置では、図13に示すように、観察者100に提示したい3次元物体104を、観察者100の両眼の視線方向から、前述の表示面(101,102)へ射影した像(以下、「2D化像」と呼ぶ)(105,106)を生成する。
この2D化像の生成方法としては、例えば、視線方向から3次元物体104をカメラで撮影した2次元像を用いる方法、あるいは別の方向から撮影した複数枚の2次元像から合成する方法、あるいはコンピュータグラフィックによる合成技術やモデル化を用いる方法など種々の方法がある。
図12に示すように、前記2D化像(105,106)を、各々表示面101と表示面102の双方に、観察者100の右眼と左眼とを結ぶ線上の一点から見て重なるように表示する。これは、例えば、2D化像(105,106)の各々の中心位置や重心位置の配置と、各々の像の拡大・縮小を制御することで可能となる。
かかる構成を有する装置上で、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、3次元物体104の奥行き位置に対応して変えることで、3次元物体104の3次元立体像を表示する。
その2D化像(105,106)の各々の輝度の変え方の一例について説明する。なお、ここでは、白黒図面であるため、分かりやすいように、以下の図面では、輝度の高い方を濃く示してある。
例えば、3次元物体104が表示面101上にある場合には、図14に示すように、この上の2D化像105の輝度を3次元物体104の輝度に等しくし、表示面102上の2D化像106の輝度はゼロとする。
次に、例えば、3次元物体104が観察者100より少し遠ざかって表示面101より表示面102側に少し寄った位置にある場合には、図15に示すように、2D化像105の輝度を少し下げ、2D化像106の輝度を少し上げる。
次に、例えば、3次元物体104が観察者100よりさらに遠ざかって表示面101より表示面102側にさらに寄った位置にある場合には、図16に示すように、2D化像105の輝度をさらに下げ、2D化像106の輝度をさらに上げる。
さらに、例えば、3次元物体104が表示面102上にある場合には、図17に示すように、この上の2D化像106の輝度を3次元物体104の輝度に等しくし、表示面101上の2D化像105の輝度はゼロとする。
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(105,106)であっても、観察者100にはあたかも表示面(101,102)の中間に3次元物体104が位置しているように感じられる。
例えば、表示面(101,102)にほぼ等輝度の2D化像(105,106)を表示した場合には、表示面(101,102)の奥行き位置の中間付近に3次元物体104があるように感じられる。この場合に、この3次元物体104は、観察者100には立体感を伴って知覚される。
なお、前記説明においては、例えば、3次元物体全体の奥行き位置を、例えば、表示面(101,102)に表示した2次元像を用いて表現する方法について主に述べたが、図12に示す3次元表示装置は、例えば、3次元物体自体が有する奥行きを表現する方法としても使用できることは明らかである。
3次元物体自体が有する奥行きを表現する場合における重要な要点は、図12に示す構成を有する装置上で、2D化像(105,106)の各々の部位の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、3次元物体104の各部位が有する奥行き位置に対応して変えることである。
なお、前述の説明では、2次元像を配置する面の中で主に2つの面に関してのみ記述し、かつ観察者に提示する物体が2つの面の間にある場合について述べたが、2次元像を配置する面の個数がこれよりも多く、あるいは提示する物体の位置が異なる場合であっても、同様な手法により3次元立体像を表示することが可能であることは明らかである。
例えば、面が3つで、観察者100に近い面と、中間の面との間に第1の3次元物体が、中間の面と、観察者100に遠い面との間に第2の3次元物体が存在する場合には、観察者100に近い面と、中間の面とに、第1の3次元物体の2D化像を表示し、中間の面と、観察者100に遠い面とに第2の3次元物体の2D化像を表示することで、第1および第2の3次元物体の3次元立体像を表示することができる。
さらに、2D化像が3次元的に移動する場合に関しては、観察者の左右上下方向への移動に関しては通常の2次元表示装置の場合と同様に表示面内での動画再生によって可能であり、奥行き方向への移動に関しては、2D化像(105,106)の各々の輝度を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、3次元立体像の奥行き位置の時間的変化に対応して変化させることにより、3次元像の動画を表現できることは明らかである。
例えば、3次元立体像が表示面101より表示面102まで時間的に移動する場合について説明する。
3次元立体像が表示面101上にある場合には、図14に示すように、表示面101上の2D化像105の輝度を3次元立体像の輝度に等しくし、表示面102上の2D化像106の輝度はゼロとする。
次に、例えば、3次元立体像が、次第に観察者100より時間的に少し遠ざかり、表示面101より表示面102側に時間的に少し寄ってくる場合には、図15に示すように、3次元立体像の奥行き位置の移動に対応させて2D化像105の輝度を時間的に少し下げ、かつ2D化像106の輝度を時間的に少し上げる。
次に、例えば、3次元立体像が観察者100より時間的にさらに遠ざかり、表示面101より表示面102側にさらに寄った位置に時間的に移動する場合には、図16に示すように、3次元立体像の奥行き位置の移動に対応させて2D化像105の輝度を時間的にさらに下げ、かつ2D化像106の輝度を時間的にさらに上げる。
さらに、例えば、3次元立体像が表示面102上まで時間的に移動してきた場合には、図17に示すように、3次元立体像の奥行き位置の移動に対応させてこの上の2D化像106の輝度を3次元立体像の輝度に等しくなるまで時間的に変化させ、かつ表示面101上の2D化像105の輝度がゼロとなるまで変化させる。
このように表示することにより、人の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(105,106)であっても、観察者100にはあたかも表示面(101,102)の間を、表示面101から表示面102に3次元立体像が奥行き方向に移動するように感じられる。
なお、前述の説明では、3次元立体像が表示面101から表示面102まで移動する場合について述べたが、これが表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置から表示面102まで移動する場合や、表示面101から表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置まで移動する場合や、表示面(101,102)の間の途中の奥行き位置から表示面(101,102)の間の途中の別な奥行き位置まで移動する場合であっても、同様なことが可能なことは明らかである。
なお、前述の説明では、2D化像を配置する面の中で主に2つの面に関してのみ記述し、かつ観察者100に提示する3次元立体像が2つの面の間を移動する場合について述べたが、2次元像を配置する面の個数がこれよりも多く、あるいは提示する3次元物体が複数の面をまたがって移動する場合であっても、同様な手法により、3次元立体像を表示可能であり、同様な効果が期待できることは明らかである。
また、前述の説明では、1個の3次元立体像が2次元像を配置する二つの面内で移動する場合について説明したが、複数個の3次元物体が移動する場合、即ち、表示される2次元像が、それぞれ移動方向の異なる複数の物体像を含む場合には、各表示面に表示される物体像の輝度を、物体像毎に、その物体の移動方向および移動速度に応じて変化させればよいことは明らかである。
[DFD型の3次元表示装置の他の例]
図18は、本発明の前提となるDFD型の3次元表示装置の他の例を説明するための図である。
図18に示す3次元表示装置は、観察者100の前方に、複数の透過型表示装置、例えば、透過型表示装置(111,112)(透過型表示装置111が透過型表示装置112より観察者100に近い)と、種々の光学素子と、光源110を用いて光学系103を構築する。即ち、本実施例では、前述の図12における表示面(101,102)に代えて、透過型表示装置(111,112)を用いるものである。
前記透過型表示装置(111,112)としては、例えば、ツイストネマティック型液晶ディスプレイパネル、イン・プレイン型液晶ディスプレイパネル、ホモジニアス型液晶ディスプレイパネル、強誘電液晶ディスプレイパネル、ゲスト−ホスト型液晶ディスプレイパネル、高分子分散型液晶ディスプレイパネル、ホログラフィック高分子分散型液晶ディスプレイパネル、あるいはこれらの組み合わせなどを使用する。また、光学素子としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲面鏡、プリズム、偏光素子、波長板などを用いる。
なお、図18では、バックライト(光源)110が、観察者100から見て最も後方に配置された場合を示し、また、図18は、前述の特許文献4に記載されているものと同じ構成のものである。
図18に示す3次元表示装置においても、前述の図13に示すように、観察者100に提示したい3次元物体104を、観察者100から見て、前記透過型表示装置(111,112)へ射影した2D化像(107,108)を生成する。
前記2D化像(107,108)を、図18に示すように、各々透過型表示装置111と透過型表示装置112との双方に、観察者100の右眼と左眼を結ぶ線上の一点から見て重なるように、2D化像(107,108)として表示する。
これは、例えば、2D化像(107,108)の各々の中心位置や重心位置の配置と、各々の像の拡大/縮小率を制御することで可能となる。
前記構成を有する装置上で、観察者100が見る像は、光源110から射出された光で、2D化像108を透過し、さらに2D化像107を透過した光によって生成される。
図18に示す3次元表示装置では、前記構成を有する装置上で、2D化像(107,108)の各々の透過度の配分を、観察者100から見た総体的な輝度を一定に保ちつつ、3次元物体104の奥行き位置に対応して変えて、透過型表示装置111と透過型表示装置112との間に存在する3次元物体の3次元立体像を表示する。
その2D化像(107,108)の各々の透過度の変え方の一例について説明する。
例えば、3次元物体104が透過型表示装置111上にある場合には、透過型表示装置111上の透過度を、2D化像107の輝度が3次元物体104の輝度に等しくなるように設定し、透過型表示装置112上の2D化像108の部分の透過度を、例えば、その透過型表示装置112の最大値とする。
次に、例えば、3次元物体104が観察者100より少し遠ざかって、透過型表示装置111より透過型表示装置112側に少し寄った位置にある場合には、透過型表示装置111上の2D化像107の部分の透過度を少し増加させ、透過型表示装置112上の2D化像108の部分の透過度を少し減少させる。
次に、例えば、3次元物体104が観察者100よりさらに遠ざかって、透過型表示装置111より透過型表示装置112側にさらに寄った位置にある場合には、透過型表示装置111上の2D化像107の部分の透過度をさらに増加させ、透過型表示装置112上の2D化像108の部分の透過度をさらに減少させる。
さらに、例えば、3次元物体104が透過型表示装置112上にある場合には、透過型表示装置112上の透過度を、2D化像108の輝度が3次元物体104の輝度に等しくなるように設定し、透過型表示装置111上の2D化像107の部分の透過度を、例えば、透過型表示装置111の最大値とする。
このように表示することにより、観察者(人)100の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(107,108)であっても、観察者100にはあたかも透過型表示装置(111,112)の中間に3次元物体104が位置しているように感じられる。
即ち、例えば、透過型表示装置(111,112)にほぼ等輝度の2D化像(107,108)を表示した場合には、透過型表示装置(111,112)の奥行き位置の中間付近に3次元物体104があるように感じられる。この場合に、この3次元物体104は、観察者100には立体感を伴って知覚される。
なお、前述の説明においては、例えば、3次元物体全体の奥行き位置を、例えば、透過型表示装置(111,112)に表示した2次元像を用いて表現する方法について主に述べたが、図18に示す3次元表示装置においても、図12に示す3次元表示装置で説明した方法と同様の手法により、例えば、3次元物体自体が有する奥行きを表現する方法としても使用できることは明らかである。
また、図18に示す3次元表示装置においても、図12に示す3次元表示装置で説明した方法と同様の手法により、2D化像が3次元的に移動する場合には、観察者100の左右上下方向への移動に関しては通常の2次元表示装置の場合と同様に透過型表示装置内での動画再生によって可能であり、また、奥行き方向への移動に関しては、複数の透過型表示装置における透過度の変化を時間的に行うことで、3次元立体像の動画を表現することができることは明らかである。
[図18に示す3次元表示装置の変形例]
図19は、図18に示す3次元表示装置の変形例を説明するための図である。
図19に示す3次元表示装置では、偏光板203と、偏光板213との間に、透過型表示装置111と、散乱板204と、透過型表示装置112とが配置される。
透過型表示装置111は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル201と、カラーフィルタ202とで構成され、同様に、透過型表示装置112は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル211と、カラーフィルタ212とで構成される。
また、偏光板213の後方(偏光板213の透過型表示装置112と反対の側)に、光源(バックライト)205が配置される。
ここで、液晶表示パネル(201,211)は、ツイストネマティック型液晶ディスプレイパネル、イン・プレイン型液晶ディスプレイパネル、ホモジニアス型液晶ディスプレイパネル、強誘電液晶ディスプレイパネル、反強誘電液晶ディスプレイパネルなどから偏光板を取り除いた装置で構成される。
液晶表示パネル(201,211)は、各画素単位で、偏光の方向を変化できるので、出射光の偏光方向と、出射側の偏光板の偏光方向により、出射する光の強度を変化でき、全体として光の透過度を変化させることができる。
したがって、液晶表示パネル(201,211)の各画素単位に、通過する光の偏光方向を制御することにより、液晶表示パネル201および液晶表示パネル211毎に、独立に透過度を変化させることができる。
図19に示す3次元表示装置でも、前述した手法により、透過型表示装置(111,112)上、あるいは、透過型表示装置111と透過型表示装置112との間の任意の位置に、3次元立体像を表示することが可能である。
しかも、図19に示す3次元表示装置では、各液晶表示パネル(201,211)の各画素単位に、赤(R)・緑(G)・青(B)の3色から成るカラーフィルタ(202,212)を配置するようにしたので、カラー画像の3次元立体像を表示することができる。
但し、図19に示す3次元表示装置では、偏光方向が、液晶表示パネル201と液晶表示パネル211とを通過する間に変化することを考慮して、各液晶表示パネル(201,211)の偏光方向の制御を行う必要がある。
図19に示す3次元表示装置では、各透過型表示装置(111,112)は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル(201,211)と、カラーフィルタ(202,212)とで構成される。そのため、カラーフィルタ202と、カラーフィルタ212とにおける、赤(R)・緑(G)・青(B)の各フィルタの配列方向、配列ピッチ等の違いにより、モアレが発生する恐れがある。
そのため、図19に示す3次元表示装置では、カラーフィルタ202とカラーフィルタ212との間に、散乱板204を配置し、前述したモアレが発生するのを防止するようにしている。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。図1(a)に示すように、本実施例の3次元映像提示・撮像装置は、透過状態と表示状態とを制御可能な複数(ここでは、4個)の2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)と、2次元ディスプレイパネル21の利用者1の反対側に配置されるカメラ11とを備える。ここで、各2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)は、透明ディスプレイパネルで構成される。
本実施例では、図1(c)に示す状態1と、図1(b)に示す状態2とを、時分割で交互に実行する。
(1)状態1
各2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)に何も表示せず透過状態にする。この状態では、背面のカメラ11と利用者1の間を光学的に遮蔽するものはなにもないので、カメラ11により利用者1の姿を撮影することができる。
(2)状態2
各2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)に画像を表示する。この状態では、本実施例の3次元映像提示・撮像装置は、DFD型の3次元表示装置となるため、各2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)に前述の2D化像を表示し、利用者1に3次元立体像を表示することができる。
前述したこの2つの状態を、利用者1が知覚できる以上の速さで交互に切り替えることにより、画像の撮影と提示が一体となった3次元画像端末を実現することができる。
なお、本実施例の3次元映像提示・撮像装置において、図1に示す2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)として、透明な電極アレイと発光物質により構成される自発光型の透明ディスプレイを使用することも可能である。自発光型の透明ディスプレイは、例えば、ELなどで構成される。
この場合に、自発光型の透明ディスプレイは、自ら発光して画像を提示するために、照明パネルが必要な透過型のディスプレイと比較して、装置を薄型化することができる。
また、透過に伴う光量のロスが少ないので、提示画像および撮影画像の画質を向上させることができる。
[実施例2]
図2は、本発明の実施例2の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。
本実施例は、図2(a)に示すように、図1に示す各2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)が、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)であり、導光板12と、導光板12の側面に配置される光源13とを有する点で前述の実施例1と相違する。
ここで、導光板12と、導光板12の側面に配置される光源13とは、照明パネルを構成する。また、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)は、例えば、液晶ディスプレイパネルで構成される。また、光源13は、例えば、発光ダイオード(LED)で構成される。
本実施例によれば、従来法のように光源を透過型ディスプレイの背面に配置するのではなく、導光板12の側面に光源13を配置し、各透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)に画像(前述の2D化像)を表示するときには、導光板12内での全反射および導光板12表面での散乱を利用する。
そのため、図2(b)に示すように、光源13がONの時(状態2の時)には、導光板12から照射される光は均一な照明となる。
また、図2(c)に示すように、光源13がOFFの時(状態1の時)には、導光板12は透明な状態となり、カメラ11により利用者1の姿を撮影することができる。
また、本実施例では、光源13とカメラ11の空間的な配置が干渉することがないので、本実施例では、薄型でコンパクトな実装をとることが可能となる。
さらに、状態1と状態2の切り替えにおいて、導光板12と光源13とから成る照明パネルが行う処理は、光源13のON・OFFのみであるため、切り替え処理を高速に行うことが可能である。よって、提示画像および撮影画像の画質を向上させることが可能となる。
[実施例3]
図3は、本発明の実施例3の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。
本実施例は、図3(a)に示すように、前述の実施例2において、導光板12の透過型ディスプレイパネル15d側に、拡散・透過制御パネル14を配置したものである。また、図3(a)には図示していないが、導光板12のカメラ11側に、拡散・透過制御パネル14を配置することもできる。ここで、拡散・透過制御パネル14は、例えば、高分子分散型液晶ディスプレイパネルで構成される。
本実施例によれば、図3(b)に示すように、光源13をONの時(状態2の時)に、同時に拡散・透過制御パネル14を拡散状態にすることにより、導光板12から照射される光は均一な照明となる。
また、図3(c)に示すように、光源13がOFFの時(状態1の時)に、同時に拡散・透過制御パネル14を透過状態にすることで、カメラ11により利用者1の姿を撮影することができる。
本実施例では、導光板12および光源13のみの場合に比べ、表示と透過の状態の効果がより明確に現れるので、提示画像および撮影画像の画質を向上させることができる。
[実施例4]
図4は、本発明の実施例4の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。
本実施例は、導光板12として、光の放出方向が透過型ディスプレイ方向のみである導光板を使用する点で、前述の実施例2と相違する。
本実施例によれば、図4(b)に示すように、光源13がONの時(状態2の時)に、導光板12からの光の放出方向が、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)方向のみであり、カメラ11の方向には光が放出しないために、光源13から照射された光の大半を各透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)の照明として用いることができ、光の利用効率を向上させることができる。
また、状態1と状態2の切り替えにおいて、導光板12と光源13とから成る照明パネルが行う処理は、光源13のON・OFFのみであるため、切り替え処理を高速に行うことが可能である。よって、提示画像および撮影画像の画質を向上させることが可能となる。
[実施例5]
図5は、本発明の実施例5の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。
本実施例は、図5(a)に示すように、図1に示す2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)が、偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル(25a〜25d)であり、導光板12と、導光板12の側面に配置される偏光光源と、偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル25aの利用者側に配置される偏光光学素子17とを有する点で、前述の実施例1と相違する。
ここで、偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)は、例えば、パネル両側に添付された偏光板を取り外した液晶ディスプレイパネルで構成される。また、偏光光源は、例えば、発光ダイオード(LED)などから成る照明光源13と偏光光学素子18とで構成される。偏光光学素子(17,18)は、一般の偏光板で構成できる。さらに、導光板12と、導光板12の側面に配置される光源13とは、照明パネルを構成する。
本実施例によれば、画像提示状態の時(状態2の時)には、偏光光源から照射された偏光が、偏光状態を保ったまま導光板12から、偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル側に放射され、提示画像のパターンに応じて光が旋光された後、偏光光学素子17を通り利用者1に提示される。
一方、画像撮影の時(状態1の時)には、被写体である利用者側からの光は、偏光光学素子17を通り、偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル(25a〜25d)を通り、導光板12を通ってカメラ11に到達する。
したがって、本実施例では、図1に示す2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)として、透過型ディスプレイパネル(例えば、液晶ディスプレイパネル)を用いた場合と比べ、カメラ11にとって偏光光学素子が1枚減り、偏光光学素子を通る光のロスが低減される。したがって、撮影画像の画質を向上させることが可能となる。
[実施例6]
図6は、本発明の実施例6の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。
本実施例は、導光板12として、光の放出方向が偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル方向のみである導光板を使用する点と、画像撮影(状態1)の期間においても、光源13を点灯する点で、前述の実施例5と相違する。
本実施例によれば、状態1と状態2の切り替えにおいて、光源13のON・OFFも、導光板12と光源13とから成る照明パネルの状態切替えも必要ないため、装置を簡便化することができる。
画像撮影の時(状態1の時)においても、利用者側に光が照射されるため、周囲が暗く被写体の照度が不足している環境においても、良好な画像を撮影することができる。
なお、図示は省略するが、前述の実施例4の場合にも、画像撮影(状態1)の期間に、光源13を点灯するようにしてもよい。
[実施例7]
図7は、本発明の実施例7の3次元映像提示・撮像装置における光源の発光タイミングを説明する図である。
本実施例では、光源13として、複数の波長(色)の光を発光可能な光源を使用する。
そして、本実施例では、図7のR,G,Bに示すように、光源13の発光波長(色)を逐次的に変化させて点灯し、しかも、点灯のパターンに同期して、各透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)、あるいは、偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル(25a〜25d)の表示も変化させることで、カラー画像を表示するようにしたものである。
本実施例によれば、カラー表示する際に、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)、あるいは、偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル(25a〜25d)と組み合わせて使用される、格子状のカラーフィルタが不要となる。
即ち、利用者1とカメラ11の間から、カラーフィルタが取り除かれるぶん、被写体(利用者)からカメラ11に到達するまでの光量のロスがなくなり、また、カラーフィルタによる格子模様も認められないため、撮影画像の画質を向上させることができる。
[実施例8]
図8は、本発明の実施例8の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。
本実施例は、図8に示すように、図1に示す2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)が、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)であり、透明照明パネル19を有する点で、前述の実施例1と相違する。
ここで、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)は、例えば、液晶ディスプレイパネルで構成される。また、透明照明パネル19は、例えば、透明電極とELなどの発光物質を組み合わせた透明照明パネルで構成される。
本実施例によれば、透明照明パネル19がONの状態(状態2)では、均一で高輝度の面照明が得られる一方で、透明照明パネル19がOFFの状態(状態1)では、高い透明度が得られる。したがって、提示画像および撮影画像の画質を向上させることができる。
[実施例9]
図9は、本発明の実施例9の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。
本実施例は、図9に示すように、透明照明パネル19として、発光波長が異なる複数の透明照明パネル(図9では、赤色を発光する透明照明パネル19r、緑色を発光する透明照明パネル19g、青色を発光する透明照明パネル19b)を積層し、当該多層照明パネルの発光パターンを逐次的に変化させて点灯し、しかも、点灯のパターンと同期して、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)の表示も変化させることでカラー画像を表示するようにした点で、前述の実施例8と相違する。
本実施例によれば、カラー表示する際に、透過型ディスプレイパネル(15a〜15d)と組み合わせて使用される、格子状のカラーフィルタが不要となる。
即ち、利用者1とカメラ11の間から、カラーフィルタが取り除かれるぶん、被写体(利用者)からカメラ11に到達するまでの光量のロスがなくなり、また、カラーフィルタによる格子模様も認められない。
また、透明照明パネル(19r,19g,19b)がONの状態(状態2)では、均一で高輝度の面照明が得られる一方、透明照明パネル(19r,19g,19b)がOFFの状態(状態1)で高い透明度が得られる。したがって、提示画像および撮影画像の画質を向上させることができる。
[実施例10]
図10は、本発明の実施例10の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。なお、図10では、2次元ディスプレイパネルが2つの場合を図示している。
本実施例は、図10(a)に示すように、前述の実施例1において、2次元ディスプレイパネル(21a,21b)の間に、第2の拡散・透過制御パネル31を配置したものである。ここで、拡散・制御パネル31は、例えば、高分子分散型液晶ディスプレイパネルで構成される。
一般に、2次元ディスプレイパネル21bの最も小さな周期を持つ構造と、前方に配置される2次元ディスプレイパネル21aの最も小さな周期を持つ構造とが、利用者1から見たときに、わずかにずれて観察されるときにモアレが生じる。ここで、最も小さな周期を持つ構造とは、例えば、カラーフィルタ配列構造、あるいは、ブラックマトリックス配列構造である。
本実施例によれば、図10(b)に示すように、光源13がONの時(状態2の時)に、同時に拡散・透過制御パネル31を拡散状態にする。このとき、2次元ディスプレイパネル21bの最も小さな周期を持つ構造が、利用者1から視認できなくなるように、拡散・制御パネル31の拡散度と、拡散・制御パネル31と2次元ディスプレイパネル21bとの間の間隔とを設定する。これにより、本実施例ではモアレを防止することができる。
また、図3(c)に示すように、光源13がOFFの時(状態1の時)に、同時に拡散・透過制御パネル31を透過状態にすることで、カメラ11により利用者1の姿を撮影することができる。
以上の説明では、2つの2次元ディスプレイパネル21a,21bの間に拡散・透過制御パネル31を配置する例について述べたが、2次元ディスプレイパネル21aの利用者1側に拡散・透過制御パネル31を配置しても、拡散・透過制御パネル31の拡散度および拡散・透過制御パネル31と2次元ディスプレイパネル21b(または21a)との間隔を適切に設定することにより、2次元ディスプレイパネル21b(または21aと21b)の最も小さな周期を持つ構造が利用者1から視認できなくすれば、上記の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、2次元ディスプレイパネルが3つ以上の場合にも、上記の場合と同様、各2次元ディスプレイパネルの間のいずれか、もしくは利用者から最も近い位置に配置されている2次元ディスプレイパネルの利用者側に拡散・透過制御パネルを配置すればよい。
[実施例11]
本発明の実施例11の3次元映像提示・撮像装置は、状態1の継続時間と、状態2の継続時間とを異ならせるようにしたものである。
本実施例によれば、状態2、即ち、画像提示の期間を長くとり表示の明るさをとるか、状態1、即ち、撮影の期間を長くとり(露光時間を多くとり)撮影画像の明るさをとるか、両者のトレードオフを調節することができる。
したがって、表示画像と撮影画像の画質を総合的に判断して、両者のバランスがとれた構成をとることができる。
[実施例12]
本発明の実施例12の3次元映像提示・撮像装置は、状態1の継続時間と、状態2の継続時間を、カメラ11、あるいは、別途設置した光センサにより測定された被写体または外光の明るさによって決定するようにした点で、前述の実施例11と相違する。
本実施例によれば、表示と撮影に必要な光量のバランスを環境に適応して配分することができる。
例えば、明るい環境で用いる際には、2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)を明るくする必要があるのに対して、撮影の露光時間は短くてよい。そのため、状態2の期間を長く、状態1の期間を短く配分することで、撮影画像の画質を犠牲にすることなく、表示画像の画質を向上させることができる。
また、逆に暗い環境で用いる際には、状態2の期間を短く、状態1の期間を長く配分することで、表示画像の画質を犠牲にすることなく、撮影画像の画質を向上させることができる。
[実施例13]
本発明の実施例13の3次元映像提示・撮像装置は、カメラ11で撮影した利用者1の画像を基に、当該利用者1の両眼の位置を検出し、その位置に応じて、2次元ディスプレイパネル(21a〜21d)に表示する画像を適応的に変化させるようにしたものである。
本実施例によれば、自動的に利用者1の両眼の位置が適視位置になるよう、装置側で制御がなされるため、利用者1が規定の適視位置に両眼を合わせなくても、さらには動いても立体視が可能となる。
ここで、カメラ11は1つである場合を説明したが、2つ以上の場合、三角測量の原理により、より精度が高く両眼の位置を検出することが可能である。
また、図11のように、補助光源141により光線(例えば、赤外光)を投射し、レンズ系142を経て、利用者1の瞳孔143を通り網膜144で反射する光線の網膜像をカメラ11で撮影することで、容易に利用者の眼の位置を検出することが可能である。
ここで利用した現象は、フラッシュを用いて人物を撮影した際に写真に現れる「赤目」としてよく知られるものである。
なお、前述の各実施例の3次元映像提示・撮像装置において、カメラ11の台数を2台以上となし、そのうち2つ以上のカメラ11からの画像を選択し、当該カメラ11が組み込まれた端末、もしくは他の同様な端末において利用者1に提示するDFD画像を生成することができる。
[実施例14]
本発明の実施例14の3次元映像提示・撮像装置は、カメラ11の台数を2台以上となし、その撮影画像をもとに新たな画像を合成し、当該カメラ11が組み込まれた端末、もしくは他の同様な端末において利用者1に提示する画像(前述の2D化像)とするものである。
本実施例によれば、実際にカメラ11で撮影した画像だけでなく、新たに合成された画像を提示することができるため、カメラ11の数より多数の視差画像を提示することができ、滑らかな3次元映像を提示することができる。
また、実際にカメラ11を配置していない場所からの映像を合成できるため、実装上のカメラ11配置が容易になる。
異なる位置で撮影された画像を元に新たな視点位置の画像を生成する方法は、前述の非特許文献2を参照されたい。
[実施例15]
本発明の実施例15の3次元映像提示・撮像装置は、カメラ11で撮影した利用者の画像中の両眼画像を検出し、提示する画像に反映することを特徴とする。
本実施例によれば、利用者が頭部を動かした際に、その動きに応じた映像の変化を提示することができ、利用者が運動視差を手がかりとして3次元画像を知覚することが可能になる。
また、利用者が画像中のどの領域に注目しているかを検出することで、注目している領域を強調して表示したり、あるいは注目点の軌跡を追跡することで利用者が何に関心を持っているかを解析することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
本発明の実施例1の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例2の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例3の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例4の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例5の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例6の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例7の3次元映像提示・撮像装置における光源の発光タイミングを説明する図である。 本発明の実施例8の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例9の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 本発明の実施例10の3次元映像提示・撮像装置の概略構成を示す模式断面図である。 利用者の眼の位置を検出する検出システムの一例を示す図である。 本発明の基本となる3次元表示装置の概略構成を示す図である。 本発明の基本となる3次元表示装置において、各表示面に表示する2D化像の生成方法を説明するための図である。 本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。 本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。 本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。 本発明の基本となる3次元表示装置の表示原理を説明するための図である。 本発明の前提となるDFD型の3次元表示装置の他の例を説明するための図である。 図13に示す3次元表示装置の変形例を説明するための図である。
符号の説明
1 利用者
11 カメラ
12 導光板
13 光源
14,31 拡散・透過制御パネル(例えば、高分子分散型液晶ディスプレイパネル)
15a〜15d 透過型ディスプレイパネル(例えば、液晶ディスプレイパネル)
25a〜25d 偏光旋光型の透過型ディスプレイパネル
16 バリア装置
17,18 偏光光学素子(例えば、偏光板)
19 透明照明パネル(例えば、EL)
19r 赤色を発光する透明照明パネル
19g 緑色を発光する透明照明パネル
19b 青色を発光する透明照明パネル
21a〜21d 2次元ディスプレイパネル
100 観察者
101,102 表示面
103 光学系
104 3次元物体
105,106,107,108 2D化像
111,112 透過型表示装置
110,205 バックライト
141 補助光源
142 レンズ系
143 利用者の瞳孔
144 利用者の網膜
201,211 液晶表示パネル
202,212 カラーフィルタ
203,213 偏光板
204 散乱板

Claims (2)

  1. 利用者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の偏光旋光型の透過型ディスプレイパネルと、
    前記利用者から最も遠い位置に配置される透過型ディスプレイパネルの利用者の反対側に配置される少なくとも2個のカメラと、
    前記利用者から最も近い位置に配置される透過型ディスプレイパネルの前記利用者側に配置される偏光光学素子と、
    前記利用者から最も遠い位置に配置される透過型ディスプレイパネルと前記カメラとの間に配置される導光板と、
    前記導光板の側面に配置され、所定の偏光を照射する光源とを備える3次元映像提示・撮像装置であって、
    前記透過型ディスプレイパネルに画像を表示せずに透過状態にして、前記カメラにより利用者を撮影する状態1と、
    前記光源をオンとして、前記各透過型ディスプレイパネルに対して表示対象物体を前記利用者の視線方向から射影した画像を、前記各透過型ディスプレイパネルにそれぞれ表示し、当該表示される画像の前記利用者から見た輝度を前記各透過型ディスプレイパネル毎にそれぞれ独立に変化させて、3次元立体像を表示する状態2とを、時分割で交互に切り替えて実行する手段を有することを特徴とする3次元映像提示・撮像装置。
  2. 利用者から見て異なった奥行き位置に配置され、透過状態と表示状態とを制御可能な複数の2次元ディスプレイパネルと、
    前記利用者から最も遠い位置に配置される2次元ディスプレイパネルの利用者の反対側に配置される少なくとも2個のカメラとを備える3次元映像提示・撮像装置であって、
    前記2次元ディスプレイパネルを透過状態にして、前記カメラにより利用者を撮影する状態1と、
    前記各2次元ディスプレイパネルに対して表示対象物体を前記利用者の視線方向から射影した画像を、前記各2次元ディスプレイパネルにそれぞれ表示し、当該表示される画像の前記利用者から見た輝度を前記各2次元ディスプレイパネル毎にそれぞれ独立に変化させて、3次元立体像を表示する状態2とを、時分割で交互に切り替えて実行する手段と、
    前記利用者または外光の明るさを測定する測定手段とを有し、
    前記測定手段での測定結果に基づき、前記利用者または外光の明るさが明るい時には、前記状態1の継続時間よりも前記状態2の継続時間を長くし、前記利用者または外光の明るさが暗い時には、前記状態2の継続時間よりも前記状態1の継続時間を長くすることを特徴とする3次元映像提示・撮像装置。
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