JP4472293B2 - 獣毛繊維製品中の獣毛繊維の混用率鑑定法 - Google Patents
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1) 被検獣毛繊維製品からDNAを抽出する工程、
2) 1)で抽出したDNAを鋳型として、被検獣毛繊維製品中に含まれる獣毛が由来する各動物種に特異的なプライマーと、該プライマーにより増幅される配列を特異的に検出するプローブを用いてリアルタイムPCRを行い、各動物種由来のDNA量の相対値の比率を得る工程、
3) 予め用意された、実質的に100%純粋な獣毛繊維を複数の比率で混合した標準混合獣毛繊維を用いて得た各動物種由来の獣毛の混用率と各動物種由来のDNA量の相対値の比率との対応表に基づいて、2)で得た各種動物種由来のDNA量の相対値の比率を補正して、被検獣毛繊維の混用率を得る工程
を含む、獣毛繊維製品に含まれる獣毛の混用率を調べる方法を提供する。
本発明において「獣毛繊維」とは動物の毛部分を意味する。本明細書において「獣毛繊維製品」の語には、動物から刈り取られた、処理をされていない原毛、洗毛、精練、漂白、染色、加工などを施したもの、更にこれらを紡いだ糸を含むものとする。また、「獣毛繊維製品」には、糸、織物、編物などに加工された製品、衣類等の最終製品へと加工された製品のいずれも含有するものとし、また従来知られた加工、例えば防縮、防皺、撥水、防虫、消臭、防汚加工等を施された製品も含まれるものとする。さらに、毛を刈り取ることなく、毛皮として提供される獣毛も本明細書においては「獣毛繊維製品」に含まれるものとする。
獣毛製品は、製品となるまでに様々な処理を受けるためにすでにDNAが損傷を受けている場合が多い。また、ヤク種、ヤギ種およびヒツジ種間はDNA配列が一部類似している。このため、特に保存性が高く、なおかつ種特異性が高いDNA配列の部分を対象としたプライマーとプローブを用いることが必要である。単にヤク種、ヤギ種やヒツジ種のDNA配列が知られているからといって、実用可能なプライマーやプローブを作成することは容易ではない。リアルタイムPCRでの測定の理論上、増幅効率が一定しているほど測定値の信頼性が上がるため、特異性が高いだけではなく、鋳型DNAへのプライマーおよびプローブのアニーリング容易さも考慮しなくてはならない。このバランスが取れたプライマーとプローブを作成することは容易ではない。
ヒツジ用プライマーペア1
woolF7404:5'-AACCAGGAGAACTGCGTTTACT-3' (配列番号1)
woolR7626:5'-TTTGATCCGCAAATTTCTGA-3' (配列番号2)
ヒツジ用プローブ1
woolT7562:5'-FAM-ACAACCCTTATGTCAACTCGTCCAGGCC-TAMRA-3'(配列番号3)
Wool F 1788 : 5'-AATCCCTTAGAAGTCCCACTACTCAA-3' (配列番号10)
Wool R 1930 : 5'-TACACGCCTAGTGCGATGGTAA-3' (配列番号11)
ヒツジ用プローブ2
Wool T 1853 : 5'-FAM-AGCTCACCATAGCCTCATAGAAGGGAACCG-TAMRA-3' (配列番号12)
yagiF874:5'-TTAGTTGAATTAGGCCATGAAGCA-3'(配列番号4)
yagiR953:5'-TTAATAGGCTTGAGTGCATTGTATTTACT-3'(配列番号5)
ヤギ用プローブ
yagiT901:5'-FAM-ACACACCGCCCGTCACCCTCC-TAMRA-3'(配列番号6)
Yak F 883:5'-GCTTTCTCTATCCTAATCCTTGCTCTTA-3' (配列番号13)
Yak R 964:5'-GGCTGAGTGGTCGGAAGATTAT-3' (配列番号14)
ヤク用プローブ
Yak T 913:5'-FAM-CCCCTACTGCACACTTCCAAACAACGAA-TAMRA-3' (配列番号15)
12SrRNAF531:5'-TACAGAAACAAAATTATTCGCCAGAGT-3'(配列番号7)
12SrRNAR607:5'-GGGTATAAAGCACCGCCAAGT-3'(配列番号8)
ヤク、ヒツジ、ヤギ共通プローブ
12SrRNAT560:5'-FAM-TACCGGCAACAGCCCGAAACTCAAA-TAMRA-3'(配列番号9)
なお、試料はカシミヤ100%の原毛とウール100%の原毛を用い、標準値を得るために、重量比100:0〜0:100の割合で混合したものを用いた。
試薬、使用器具等は可能な限り滅菌処理し、DNA操作に使用するに適したものを使用した。
1.各種比率でカシミヤ原毛とウール原毛を混合した試料を細切し、それぞれ50mg取り、2.0ml容のエッペンドルフテストチューブへ投入した。
2.ここへDNA抽出バッファー(DNAextractionbuffer(DEB)(400mMTris-HClpH8.0,60mMEDTA,1%SDS,0.1% PEG-400,5mMDTT)を1mlと、10UのプロテイナーゼKを投入し、50℃で12時間以上ゆっくりと撹拌しながらインキュベーションした。
3.インキュベーション後の試料を撹拌し、9500G、5分間遠心分離した。上清を別のチューブに移し、300μlのフェノールを加え、15分間混合した。
4.300μlのクロロホルムを加え、5分間混合した。
5.270G,1分間遠心分離した。上清を別のチューブに移し、0℃で15分間保冷した。
6.11000G,5分間遠心分離し、上清をマイクロコン-100を用いて精製した。得られたDNAを30μlの10mMTris-HCl(pH8.0)中へ懸濁した。
ヤギ種用プライマー及びプローブyagiF874,yagiR953,yagiT901
ヒツジ種用プライマー及びプローブwoolF7404,woolR7626,woolT7562
スタンダード用プライマー及びプローブ(検量線作成) 12SrRNAF531,12SrRNAR607,12SrRNAT560
滅菌水 20μl
TaqManUniversalPCRMasterMix 25μl
プライマー(フォワード、リバース) 各1μl(50pmol)
TaqManプローブ 1μl(12.5pmol)
DNA試料 2μl
50℃2分間
95℃10分間
95℃15秒間,60℃1分間、40サイクル
リアルタイムPCR装置として、ABI PRISM 7000(アプライドバイオシステムズジャパン(株))を用いた。上述の通り、プローブにはレポーターとしてFAM、クエンチャーとしてTAMRAを用いていることから、検出器の設定もこれに合わせた。なお、各PCR反応はいずれも2連で行った。
ウール100%の原毛から抽出したDNA抽出液(スタンダード)を原液、2倍希釈、4倍希釈した試料について、スタンダード用プライマー及びプローブ12SrRNAF531,12SrRNAR607,12SrRNAT560を用いたリアルタイムPCR反応を行った。各サイクルにおける蛍光強度を測定し、各濃度において蛍光強度が指数増加を示す蛍光強度をthreshold lineとして設定した。スタンダードDNA試料の原液、2倍、4倍希釈液中のDNAの濃度(Qty)をそれぞれ100、50、25と設定し、threshold lineに達した際のサイクル数(Ct)と濃度の対数値との間の検量線を作成した(図1)。
以下のリアルタイムPCRでは、threshold lineおよび検量線のいずれもこの値を用いた。
ウール100%およびカシミヤ100%の原毛を混合して、カシミヤ分を表1に示す量含有する試料、即ち試料中のヤギの混用率が表1に示す値となる標準混合獣毛繊維を作成した。各標準混合獣毛繊維のDNAを、上記と同様にして抽出した。各試料から抽出されたDNA液をヤギ種用プライマー及びプローブ:yagiF874、yagiR953、yagiT901、ヒツジ種用プライマー及びプローブwoolF7404,woolR7626、woolT7562をそれぞれ用いてリアルタイムPCR反応を行った。
PCR反応条件は上記と同じであり、1)で得たthreshold lineに達した際のサイクル数(Ct)から検量線によりDNA量の相対値(Qty)を得た。Qty値は2連で測定した平均値を用いた。
Ps=Y/(Y+W)×100 (1)
Ps:ヤギおよびヒツジの測定値の合計に対するヤギ種測定値の比率
Y:ヤギ種の測定値
W:ヒツジ種の測定値
により計算した。得られたDNAの一次量と標準混合獣毛繊維中のヤギの混用率とを対応付けた表を作成した(表1)。
カシミヤ100%原毛10%、およびウール100%原毛90%を混合した試料を作成し、これを5つに分けてそれぞれについてDNA抽出操作を行い、ヤギ及びヒツジ用プライマー、プローブをそれぞれ用いたリアルタイムPCRを行った。リアルタイムPCRはそれぞれ2連で行った。得られた結果を上記で設定した条件により解析し、平均Qty値を得た。結果を表2に示す。
P=Y/(Y+W)×100 (2)
P:ヤギ種測定値の比率
Y:ヤギ種の測定値
W:ヒツジ種の測定値
によりヤギ種測定値の比率(P値)を得た。次いで、得られたP値を式3に当てはめて混用率を測定した。
Q=(P−SM)×(BT−ST)÷(BM−SM)+ST (3)
式3において、各記号は以下の値を示す
Q:ヤギの混用率
SM:表1のPs値中、P値より小さく、かつ最大の値
BM:表1のPs値において、P値よりも大きく、かつ最小の値
ST:表1においてSMで適用されるPs値に対応するヤギの混用率
BT:表1においてBMで適用されるPs値に対応するヤギの混用率
なお、試料はヤク100%の原毛、カシミヤ100%の原毛とウール100%の原毛を用い、標準値を得るために、重量比100:0:0〜0:100:0〜0:0:100の割合で混合したものを用いた。
カシミヤ100%の原毛から抽出したDNA抽出液(スタンダード)を原液、2倍希釈、4倍希釈した試料について、スタンダード用プライマー及びプローブ12SrRNAF531,12SrRNAR607,12SrRNAT560を用いたリアルタイムPCR反応を行った。各サイクルにおける蛍光強度を測定し、各濃度において蛍光強度が指数増加を示す蛍光強度を検出限界(Threshold line)として設定した。スタンダードDNA試料の原液、2倍、4倍希釈液中のDNAの濃度(Qty)をそれぞれ100、50、25と設定し、検出限界に達した際のサイクル数(Ct)と濃度の対数値との間の検量線を作成した。
以下のリアルタイムPCRでは、検出限界および検量線のいずれもこの値を用いた。
実施例2のリアルタイムPCRで用いたプライマー及びプローブは以下の通りである。
(順に、プライマー(フォーワード、リバース)、プローブ):
ヤギ種用プライマー及びプローブyagiF874,yagiR953,yagiT901
ヒツジ種用プライマー及びプローブ Wool F 1788, Wool R 1930, Wool T 1853
ヤク種用プライマー及びプローブ Yak F 883, Yak R 964, Yak T 913
スタンダード用プライマー及びプローブ(検量線作成) 12SrRNAF531,12SrRNAR607,12SrRNAT560
Ps1=Y/(Y+C) (4)
Ps1:ヤクとヤギの測定値の合計におけるヤク種測定値の比率
Y:ヤク種の測定値
C:ヤギ種の測定値
により計算した。得られた値を、標準混合獣毛繊維中のヤクとヤギの合計含有量におけるヤクの含有量の割合と対応付けた(表4)。
Ps2=Y/(Y+W) (5)
Ps2:ヤクとヒツジの測定値の合計におけるヤク種測定値の比率
Y:ヤク種の測定値
W:ヒツジ種の測定値
により計算した。得られた値を、標準混合獣毛繊維中のヤクとヒツジの合計含有量におけるヤクの含有量の割合と対応付けた(表5)。
Ps3=C/(C+W) (6)
Ps3:ヤギとヒツジの測定値の合計におけるヤギ種測定値の比率
C:ヤギ種の測定値
W:ヒツジ種の測定値
により計算した。得られた値を、標準混合獣毛繊維中のヤギとヒツジの合計含有量におけるヤギの含有量の割合と対応付けた(表6)。
カシミヤ、ヤク、ウールの原毛を表7に示す各混用割合で混合した試料を作成し、その試料についてそれぞれDNA抽出操作を行い、ヤク、ヤギ及びヒツジ用プライマー、プローブをそれぞれ用いたリアルタイムPCRを行った。リアルタイムPCRはそれぞれ2連で行った。得られた結果を上記で設定した条件により解析し、平均Qty値を得た。結果を表7に示す。
Pyc=Y/(Y+C) (7)
Pyc:ヤク種とヤギ種の測定値の合計に対するヤク種測定値の比率
Y:ヤク種の測定値
C:ヤギ種の測定値
によりヤク種とヤギ種の測定値の合計に対するヤク種測定値の比率(Pyc値)を得た。次いで、得られたPyc値を式8に当てはめてヤク種とヤギ種の間の混用率を測定した。
Qyc=(Pyc−SM)×(BT−ST)÷(BM−SM)+ST
Qcy=100−Qyc
式8において、各記号は以下の値を示す
Qyc:ヤクとヤギの合計含有量に対するヤクの含有量の割合
Qcy:ヤクとヤギの比率におけるヤギの含有量の割合
SM:表4のPs1値中、Pyc値より小さく、かつ最大の値
BM:表4のPs1値において、Pyc値よりも大きく、かつ最小の値
ST:表4においてSMで適用されるPs1値に対応するヤクの混用率
BT:表4においてBMで適用されるPs1値に対応するヤクの混用率
Pyw=Y/(Y+W) (9)
Pyw:ヤク種とヒツジ種の測定値の合計に対するヤク種測定値の比率
Y:ヤク種の測定値
W:ヒツジ種の測定値
によりヤク種とヒツジ種の測定値の合計に対するヤク種測定値の比率(Pyw値)を得た。次いで、得られたPyw値を式10に当てはめて混用率を測定した。
Qyw=(Pyw−SM)×(BT−ST)÷(BM−SM)+ST
Qwy=100−Qyw
式10において、各記号は以下の値を示す
Qyw:ヤクとヒツジの合計含有量におけるヤクの含有量の割合
Qwy:ヤクとヒツジの合計含有量におけるヒツジの含有量の割合
SM:表5のPs2値中、Pyw値より小さく、かつ最大の値
BM:表5のPs2値において、Pyw値よりも大きく、かつ最小の値
ST:表5においてSMで適用されるPs2値に対応するヤクの混用率
BT:表5においてBMで適用されるPs2値に対応するヤクの混用率
Pcw=C/(C+W) (11)
Pcw:ヤギ種とヒツジ種の測定値の合計に対するヤギ種測定値の比率
C:ヤギ種の測定値
W:ヒツジ種の測定値
によりヤギ種とヒツジ種の測定値の合計に対するヤギ種測定値の比率(Pcw値)を得た。次いで、得られたPcw値を式12に当てはめ混用率を測定した。
Qcw=(Pcw−SM)×(BT−ST)÷(BM−SM)+ST
Qwc=100−Qcw
式12において、各記号は以下の値を示す
Qcw:ヤギとヒツジの合計含有量に対するヤギの含有量の割合
Qwc:ヤギとヒツジの合計含有量に対するヒツジの含有量の割合
SM:表6のPs3値中、Pcw値より小さく、かつ最大の値
BM:表6のPs3値において、Pcw値よりも大きく、かつ最小の値
ST:表6においてSMで適用されるPs3値に対応するヤギの混用率
BT:表6においてBMで適用されるPs3値に対応するヤギの混用率
式13:
Qc1=Qcy×Qyw
Qw1=Qwy×Qyc
Qy1=Qyc×Qyw
Rc1=Qc1/(Qc1+Qw1+Qy1)×100
Rw1=Qw1/(Qc1+Qw1+Qy1)×100
Qc2=Qcw×Qcy
Qw2=Qwc×Qcy
Qy2=Qyc×Qcw
Rc2=Qc2/(Qc2+Qw2+Qy2)×100
Rw2=Qw2/(Qc2+Qw2+Qy2)×100
Rc=(Rc1+Rc2)/2
Rw=(Rw1+Rw2)/2
Ry=100−Rc−Rw
Qyc:ヤクとヤギの合計含有量に対するヤクの含有量の割合
Qcy:ヤクとヤギの合計含有量に対するヤギの含有量の割合
Qyw:ヤクとヒツジの合計含有量に対するヤクの含有量の割合
Qwy:ヤクとヒツジの合計含有量に対するヒツジの含有量の割合
Qcw:ヤギとヒツジの合計含有量に対するヤギの含有量の割合
Qwc:ヤギとヒツジにの合計含有量おけるヒツジの含有量の割合
Rc:ヤギの混用率
Rw:ヒツジの混用率
Ry:ヤクの混用率
試料として、カシミアおよびウールの原毛をカシミア:ウールが90:10、50:50となるよう混ぜたもの、およびカシミア、ウールそれぞれ100%のものを用いた。各試料は酸性染料を用いてイエローまたはブラックに染色した。使用染料は以下の通りである:
イエロー:Lanyl Yellow G extra conc.
ブラック:Lanyl Black BG extra conc.
Claims (9)
- 1) 被検獣毛繊維製品からDNAを抽出する工程、
2) 1)で抽出したDNAを鋳型として、被検獣毛繊維製品に含まれる獣毛が由来する各動物種に特異的なプライマーと、該プライマーにより増幅される配列を特異的に検出するプローブを用いてリアルタイムPCRを行い、各動物種由来のDNA量の相対値の比率を得る工程、
3) 予め用意された、実質的に100%純粋な獣毛繊維を複数の比率で混合した標準混合獣毛繊維を用いて得た各動物種由来の獣毛の混用率と各動物種由来のDNA量の相対値の比率との対応表に基づいて、2)で得た各種動物種由来のDNA量の相対値の比率を補正して、被検獣毛繊維製品の混用率を得る工程
を含む、獣毛繊維製品に含まれる獣毛の混用率を調べる方法。 - 被検獣毛繊維製品に含まれる獣毛が由来する動物種を判別する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 被検獣毛繊維製品に含まれる獣毛が由来する動物種を判別する工程が、定性ポリメラーゼ連鎖反応により獣毛繊維中に含まれる動物種を判別する工程を含む、請求項1記載の方法。
- 獣毛繊維が、ヤク種、ヒツジ種及びヤギ種からなる群から選択される2以上の動物種に由来する繊維を含んでいる、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
- プローブとして、TaqManプローブを用いる、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
- ヒツジ種由来繊維およびヤギ種由来繊維が混用されている獣毛繊維中の、各繊維の混用率を調べるための方法であって、
1)獣毛繊維からDNAを抽出する工程、
2)抽出したDNAを鋳型として、5'-AACCAGGAGAACTGCGTTTACT-3'(配列番号1)および5'-TTTGATCCGCAAATTTCTGA-3'(配列番号2)からなるプライマーペアと5'-ACAACCCTTATGTCAACTCGTCCAGGCC-3'(配列番号3)を含むプローブ、もしくは5'-AATCCCTTAGAAGTCCCACTACTCAA-3'(配列番号10)および5'-TACACGCCTAGTGCGATGGTAA-3'(配列番号11)からなるプライマーペアと5'-AGCTCACCATAGCCTCATAGAAGGGAACCG-3'(配列番号12)を含むプローブを用いてリアルタイムPCRを行い、抽出したDNA試料中のヒツジ種由来DNA量の相対値を得る工程、
3)抽出したDNAを鋳型として、5'-TTAGTTGAATTAGGCCATGAAGCA-3'(配列番号4)および5'-TTAATAGGCTTGAGTGCATTGTATTTACT-3'(配列番号5)からなるプライマーペアと5'-ACACACCGCCCGTCACCCTCC-3'(配列番号6)を含むプローブを用いてリアルタイムPCRを行い、抽出したDNA試料中のヤギ種由来DNA量の相対値を得る工程、
4)予め用意された、ヒツジ種100%原毛、ヤギ種100%原毛、および両者を複数比率で混合した標準混合獣毛繊維からDNAを抽出し、抽出したDNAを鋳型として2)および3)と同一条件下でヒツジ種由来DNA量の相対値、およびヤギ種由来DNA量の相対値をそれぞれ得、両者の割合を原毛の混合比率と対応付けた表に基づいて相対値の比を補正して、ヤギ種およびヒツジ種由来繊維の混用率を得る工程
を含む、獣毛繊維製品の混用率の鑑定方法。 - ヤク種、ヒツジ種およびヤギ種が由来の繊維が混用されている獣毛繊維中、各繊維の混用率を調べるための方法であって、
1)獣毛繊維からDNAを抽出する工程、
2)抽出したDNAを鋳型として、5'-AACCAGGAGAACTGCGTTTACT-3'(配列番号1)および5'-TTTGATCCGCAAATTTCTGA-3'(配列番号2)からなるプライマーペアと5'-ACAACCCTTATGTCAACTCGTCCAGGCC-3'(配列番号3)を含むプローブ、もしくは5'-AATCCCTTAGAAGTCCCACTACTCAA-3'(配列番号10)および5'-TACACGCCTAGTGCGATGGTAA-3'(配列番号11)からなるプライマーペアと5'-AGCTCACCATAGCCTCATAGAAGGGAACCG-3'(配列番号12)を含むプローブを用いてリアルタイムPCRを行い、抽出したDNA試料中のヒツジ種由来DNA量の相対値を得る工程、
3)抽出したDNAを鋳型として、5'-TTAGTTGAATTAGGCCATGAAGCA-3'(配列番号4)および5'-TTAATAGGCTTGAGTGCATTGTATTTACT-3'(配列番号5)からなるプライマーペアと5'-ACACACCGCCCGTCACCCTCC-3'(配列番号6)を含むプローブを用いてリアルタイムPCRを行い、抽出したDNA試料中のヤギ種由来DNA量の相対値を得る工程、
4)抽出したDNAを鋳型として、5'-GCTTTCTCTATCCTAATCCTTGCTCTTA-3'(配列番号13)および5'-GGCTGAGTGGTCGGAAGATTAT-3'(配列番号14)からなるプライマーペアと5'-CCCCTACTGCACACTTCCAAACAACGAA-3'(配列番号15)を含むプローブを用いてリアルタイムPCRを行い、抽出したDNA試料中のヤク種由来DNA量の相対値を得る工程、
5)予め用意された、ヤク種100%原毛、ヒツジ種100%原毛およびヤギ種100%原毛、およびこれらを複数比率で混合した標準混合獣毛繊維からDNAを抽出し、抽出されたDNAを鋳型として2)〜4)と同一条件下でそれぞれの動物種由来のDNA量の相対値を得、ヤク種とヒツジ種、ヒツジ種とヤギ種、およびヤク種とヤギ種それぞれの組合せにおける2種の相対値の比と2種の原毛の混合比率を対応付けた表に基づいて相対値の比を補正して、ヤク種、ヤギ種およびヒツジ種由来繊維の混用率を得る工程
を含む、獣毛繊維製品の混用率の鑑定方法。 - リアルタイムPCRにおいて、DNA量の相対値を得るための検量線が、5'-TACAGAAACAAAATTATTCGCCAGAGT-3'(配列番号7)および5'-GGGTATAAAGCACCGCCAAGT-3'(配列番号8)をプライマーとし、5'-TACCGGCAACAGCCCGAAACTCAAA-3'(配列番号9)をプローブとして作成されたものである、請求項6または7記載の方法。
- プローブがTaqManプローブである、請求項6〜8いずれかに記載の方法。
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