JP4472171B2 - エプスタイン−バーウイルス(ebv)核酸の増幅と検出のためのオリゴヌクレオチド - Google Patents
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Description
本発明は、エプスタイン−バーウイルス(EBV)mRNAの増幅と検出に使用することができるオリゴヌクレオチドに関する。さらに本発明は、エプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患と非悪性疾患の診断のための方法を提供する。
【0002】
本発明によるオリゴヌクレオチドは、「インソリューション」増幅又は「インサイチュー」増幅技術を使用した、ヒト(腫瘍)組織サンプルとその薄片で、また、エプスタイン−バーウイルス感染細胞を潜在的に含有するそのほかの生物学的サンプルで、循環末梢血細胞でのエプスタイン−バーウイルス遺伝子発現の検出にとくに適している。
【0003】
(一般的な背景)
エプスタイン−バーウイルス(EBV)は、バーキットリンパ腫(BL)のアフリカの(風土病又はe)形態に関連して最初は発見された、至る所にあるヒトヘルペスである。その後、そのウイルスはまた、鼻咽頭がん(NPC)に関連して発見され、また感染性単核細胞症(IM)の原因病原体となることが示されている。感染は通常、初期小児期の間に起こるが、一般的には結果的に非顕性の症状発現となり、時には軽い症状を伴う。しかし、青年期又は成人期の間の感染は、末梢血に非定型のリンパ球があることにより特徴付けられる感染性単核細胞症(IM)を引き起こす可能性がある。しかし、こうしたリンパ球の大部分はTリンパ球であるが、そのリンパ球には、エプスタイン−バーウイルス感染Bリンパ球の小集団も含まれている。Bリンパ球の感染はまた、in vitroでも達成することが可能である。こうした細胞は形質転換されて培養培地で無制限に増殖され、「不朽化された」、「感染潜伏された」又は「成長形質転換された」細胞と言われてきた。知りうる限りでは、エプスタイン−バーウイルスに感染したすべての患者は生涯、感染潜伏したままの状態になっている。このことは、循環末梢血リンパ球の間にあるエプスタイン−バーウイルスゲノム陽性形質転換B細胞が生涯にわたって少数で継続的に存在することと、口腔咽頭部に存在するウイルスが継続的に、しかし周期的に発散されることに反映される。
【0004】
広範な、大半の症例では、エプスタイン−バーウイルス感染は、一時的に衰弱するリンパ球増殖性疾患に結果的に罹患するが、常に良性であり、また自己限定的なものである。しかし、ある種の免疫抑制患者では、その結果は病状の進行した悪性疾患につながっていく、制御されないリンパ球増殖になる可能性がある。これは、治癒過程で免疫抑制された患者特にシクロスポリンAで治療されている臓器移植を受けた小児で起こり、あるいは、HIVに感染した患者の場合でのように日和見感染的に免疫抑制されている患者、あるいはXLP(X染色体性リンパ球増殖性症候群)遺伝子を保因している罹患男性の場合のように薬物等により意図的に免疫抑制されている患者で起こる。これらの症例では、結果的に生じる悪性疾患は、エプスタイン−バーウイルス感染性B細胞のポリクローナル増殖に由来する。さらに、こうした患者では、制御されていないそのウイルスの上皮複製が口腔性毛髪状白斑の病変部で検出可能である。従って、免疫応答が、エプスタイン−バーウイルス感染の制御においては中心的な役割を演じる。
【0005】
(エプスタイン−バーウイルス遺伝子と分子診断的なアプローチ)
長年の間、リンパ球芽様細胞系統(LCL)とも名付けられているバーキットリンパ腫(BL)誘導細胞系統とエプスタイン−バーウイルス形質転換末梢血B細胞は、エプスタイン−バーウイルス仲介形質転換と腫瘍発生を研究するためのプロトタイプモデルシステムであると考えられた。
【0006】
数年間の間に、プロトタイプウイルス菌株B95−8のDNA配列全体が決定された。この配列の分析は80オープン読み取り枠(Baerら、Nature 310;207〜211(1984))以上が同定されるという結果となった。エプスタイン−バーウイルス読み取り枠の命名法は、ウイルスゲノムにおける位置をベースにしている。その名前は、発現が始まるBamH1又はEcoR1制限断片のイニシャルで始まる。名前における第3の特徴は、LかあるいはRかどうかであるが、その発現が標準的な地図上で左方向であるか、又は右方向であるかどうかによる。(そうすると、BLLF2は、BamH1制限断片Lで始まる第2左方向読み取り枠である。)
【0007】
基本的には、3つの異なった遺伝子転写パターンが、さまざまなエプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患において観察されてきた。最近のデータではこのタイプ分けシステムを複雑なものにしている付加的な転写物の存在が示されているが、これらのパターンは、潜伏期タイプI、タイプII、タイプIIIと呼ばれている。潜伏期タイプIは、エプスタイン−バー核酸抗原1(EBNA−1;BKRF1)と、小さな非コードRNAエプスタイン−バー初期RNA1および2(EBER−1およびBKRF2)の発現により特徴付けられる。さらに最近では、これらの転写物内に多数含まれている小さなオープン読み取り枠のなかに潜在的なタンパク質コード能力を持ち合わせている転写物の新規なセット(BAFR0)が、潜伏期タイプIパターンを発現させるすべての細胞で発見された。潜伏期タイプIIは、上述のタイプI転写物に加えて、潜伏性膜タンパク質1(LMP−1;BNLF1)およびLMP−2A/−2B(BNRF1)の発現により特徴付けられている。LMP2転写物は、これらの転写物がそのウイルスゲノム上で末端反復と交わるため、ウイルスゲノムが共有結合的に閉じられた環状形態にある場合にのみ発現することができるが、そのウイルスゲノムがその線形「細胞溶解現象」状態にある場合には形成することはできない。潜伏期タイプIIIは、タイプIIプログラム転写物に加えて、核抗原EBNA−2、EBNA−3A、EBNA−3B、EBNA−3C、EBNA−4(また、それぞれEBNA−2、−3、−4、−6、−5とも呼ばれる)の発現により特徴付けられる。異なった潜伏期に関連している転写プログラムの発現は、メチル化のレベルや細胞分化などの宿主細胞パラメータにより影響を受ける。その結果として、エプスタイン−バーウイルス遺伝子発現は、ウイルスゲノムのメチル化状態により、異なったプロモーター部位から始まることが観察可能である。
【0008】
さまざまなエプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患に対する異なった潜伏期タイプのウイルス転写プロフィールの発現の関連性は、近年では、腫瘍生検標本から誘導されたRNAの逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析によって、あるいは腫瘍組織又はin vitroで(異種移植(ヌード)マウスのなかに含まれる)増殖腫瘍細胞系統およびリンパ球芽様細胞系統(LCL)のものから選択的に単離されたポリアデニル化mRNAから作成されたcDNAライブラリーの分析によって、主に決定されてきた。これらのタイプの分析法を使用して、タイプI潜伏期はin vivoでバーキットリンパ腫(BL)の腫瘍細胞において、またin vitroでは特発性バーキットリンパ腫(BL)細胞系統でみられる。タイプII潜伏期は、ホジキンリンパ腫、T細胞、NK細胞、特発性B細胞非ホジキンリンパ腫(T細胞/NK細胞/B−NHL細胞)と、免疫不全宿主における胸腺及び耳下腺がんのNPC、エプスタイン−バーウイルス陽性症例にみられるが、一方、タイプIII潜伏期パターンはin vitroで保存されているたいていのBLならびにリンパ球芽様細胞系統(LCL)において、また免疫無防備状態の患者で主に観察される前悪性リンパ球増殖や免疫芽細胞性リンパ腫において見られる。後者の集団では、特発性溶解性筋肉腫もまたみられ、それはタイプIIパターンを発現させることがある。一方、非免疫無防備状態の患者における胃がんは、むしろタイプI潜伏期パターンを発現させることが発見されている。健康なエプスタイン−バーウイルスキャリアにおいて検出可能である、真に潜伏性に感染したB細胞の正確な転写パターンについてはまだ、コンセンサスはない。これらの潜伏性感染B細胞の単離に使用される方法により、EBNA−1転写物、EBER転写物、LMP−2転写物が発見された。しかしまた、EBNA−1のみの転写物、あるいはEBERの転写物にLMP−2転写物を加えたものだけを含むパターンが記載されている。
【0009】
B細胞と腫瘍組織におけるウイルス(潜伏性)遺伝子転写のこれらの異なったパターンが実際に「大量の」(腫瘍)物質における転写を表わしているのであって、各個々の(腫瘍)細胞の発現パターンは必ずしも反映していないということは十分に理解すべきである。EBNA−1、EBNA−2、LMP−1などの定義されたエプスタイン−バーウイルス潜伏期関連遺伝子生成物に対してモノクローナル抗体を使用して、さまざまなエプスタイン−バーウイルス関連腫瘍の薄片の免疫組織化学(IH)分析によって、異なった実像が明らかになる。最近の研究では、免疫組織化学の方法を使用して、AIDSと移植後関連免疫芽細胞リンパ腫における腫瘍細胞の大半は潜伏期タイプIに合致するパターン(EBER−1/−2とEBNA−1のみが検出可能)を示すが、一方、少数は潜伏期タイプII(EBNA−1プラスLMP−1)か、又はEBNA−1およびEBNA−2の共同発現により特徴付けられる潜伏期の1つの新規な形態かのいずれかを発現することが分かっている(Oudejansら、Am.J.Pathol.147(1995)923〜933)。潜伏期タイプIIIを示唆するようなEBNA−2とLMP−1を共同発現する細胞は稀に観察されているだけである。これは、異なったエプスタイン−バーウイルスに結び付けられる悪性疾患に関連しているウイルス遺伝子発現の古典的な実像が、さらに詳細なこれらの発見物を組み込むように改訂されなければならないということを意味しているといえる。
【0010】
事実、明瞭に異なったエプスタイン−バーウイルスコード遺伝子が、異なったエプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患で発現されることが発見されるにつれて、さらにもっと異なる実像が明らかになってきている。ときには、ウイルスのライフサイクルの(初期)細胞溶解期に属すると以前には考えられていたウイルス遺伝子生成物が検出可能なこともあり、おそらくそれは局所的な影響の下で細胞溶解現象のウイルス複製にスイッチする誘因となる腫瘍細胞由来のものであると考えられる。この現象は、サイトケラチンフィラメントの形成によりわかるように腫瘍細胞の小さな病巣における細胞溶解現象の反復のスイッチが細胞分化に関連している鼻咽頭がん(NPC)で明瞭に観察することができる。あるいは、こうした細胞溶解遺伝子生成物は、潜伏性ウイルスゲノムを保有しているB細胞を浸潤し、また分化させる腫瘍、あるいはエプスタイン−バーウイルスにより生成段階で感染したと考えられる局所内皮細胞および特殊な上皮細胞に由来しているものであることも考えられる。
【0011】
潜伏期関連遺伝子生成物と局所細胞溶解ウイルス複製に明瞭に結び付いている遺伝子発現に加えて、エプスタイン−バーウイルス初期遺伝子に属すると通常考えられているいくつかのウイルス遺伝子が、選択エプスタイン−バーウイルス関連腫瘍で発現することがわかっている。これらの遺伝子には、ある種のエプスタイン−バーウイルス悪性疾患の病因において1つの機能を有していることが考えられる細胞遺伝子のウイルスホモログが含まれている。例えば、アポトーシス抵抗性を提供し、またB−NHL細胞で専らほとんど発現することがみつかっているヒトBCl−2ホモログであるBHRF1、あるいはNPCとOHLでは発現するが、HDとそのほかのリンパ腫では発現しない細胞ICAM−1のホモログであるBARF1、あるいは免疫無防備患者における免疫芽細胞性リンパ腫で主にみつかっている局所免疫調整活性を付与するヒトIL−10のウイルスホモログであるBCRF1、あるいは細胞サイクリンB1にある種の類似性を有していて、正常細胞周期制御を無効にする上で機能することが考えられるBDLF2がある。
【0012】
さらに、in vitroにおいて潜伏性から細胞溶解サイクル遺伝子発現へのスイッチを効果的に仲介する遺伝子は、検出可能な完全な細胞溶解サイクルの導入がなくてもin vivoに発現するのをみつけることができ、この状態は制限又は不完全細胞溶解遺伝子発現(restricted or abortive lytic gene expression)といわれる。
【0013】
したがって、単一細胞レベルでは、エプスタイン−バーウイルス遺伝子発現はその腫瘍全体に均一に分配されるのではなく、また異なった腫瘍細胞集団はエプスタイン−バーウイルス遺伝子の(少々)異なったパターンを発現すると考えられる。そのため、全腫瘍生検サンプルから調製された核酸抽出物におけるエプスタイン−バーウイルス遺伝子発現を分析することに加えて、単一細胞レベルでのウイルス遺伝子発現についての情報が、腫瘍細胞におけるエプスタイン−バーウイルスゲノムの転写活性を正確に説明するためには必要となる。
【0014】
細胞溶解現象遺伝子発現にスイッチすることは、細胞がよりアポトーシスに対して抵抗が少なく、またより免疫原性であり、したがって薬物/放射線治療、宿主(免疫性)サーベイランスや修復メカニズムに対してより感受性が増すことになるなどといった治療の成功に積極的に関連することが示唆されてきた。このため、潜伏期関連遺伝子転写を分析することに加えて、腫瘍におけるエプスタイン−バーウイルスコードウイルス細胞溶解遺伝子生成物の正確な検出と相対的定量化が行われれば、診断及び予後と関連を有するものとなる。
【0015】
上述のように、エプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患の特異的な診断とモニタリングにおけるその使用に加えて、ウイルス遺伝子発現の分析は、検出可能なEBNA−1およびEBER発現のない場合にウイルス細胞溶解遺伝子の発現によって特徴付けられる口腔の毛髪状白斑の鑑別診断において、また自己限定的又は非悪性進行性を有しているかもしれない急性および慢性/持続性B細胞リンパ球増殖を診断するための妥当性を有するものになると考えられる。
【0016】
これらすべての発見により、エプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患と前悪性リンパ球増殖の診断のためのウイルス遺伝子発現のタイプとレベルの正確な判定の妥当性が示されている。
【0017】
腫瘍又は腫瘍でない場合は患部組織の標本におけるウイルス遺伝子発現の分析に加えて、又はその代わりに、循環におけるウイルス感染(腫瘍)細胞の検出と定量化と、これらの細胞におけるウイルス遺伝子発現の分析は、移植後およびAIDS患者やAIDSではない免疫無防備患者(immuno-compromised individuals)などのすでに罹患している患者における循環系腫瘍細胞の検出又はリスクを有している患者の事前のスクリーニングを目的に適用できるだけではなく、抗腫瘍治療の効果をモニターするためにも適切であり、分子診断のより利用しやすい手段を提供することになる。
【0018】
特定の患者標本におけるウイルスDNAのレベルを定量化することにより達成することができるエプスタイン−バーウイルス関連腫瘍負荷の測定のほかに、ウイルス遺伝子転写の定性的および定量的分析が、鑑別診断や予後には欠かせないものであり、また、治療介入戦略を決定するのには適切なものであると考えられる。
【0019】
核酸か、あるいは免疫学的試薬かのいずれかを使用した分子分析には、関係している標的分子の詳細な知識、とくに菌株/エピトープ変異に関する知識が必要とされる。異なったエプスタイン−バーウイルス菌株と分離株の間で高度に保存されている遺伝子のセグメントとエピトープの選択は、上に示唆されているように、世界中の臨床診断に適用することができる診断用試薬の設計と開発にとっては非常に重要なものである。一方、潜在的な、修飾された機能を伴うタンパク質の発現につながる突然変異、欠失、又は特定のウイルス遺伝子生成物のなかへの挿入の分析は、疫学的、また病因学的な研究にとっては貴重なものとなり、また潜在的に診断用に適切であると考えられる。例えば、エプスタイン−バーウイルス菌株の変異は、エプスタイン−バーウイルス菌株タイプAおよびBのなかに鑑別することができる特定の配列を含んでいる、特にエプスタイン−バー核抗原(EBNA)−2および−3遺伝子の配列を分析することにより決定することができ、そのB菌株はAIDS関連リンパ腫に、また地球上の或る場所には比較的より頻繁にある。一方、配列変異(特に、点突然変異および欠失)は、EBNA−1、潜伏性膜タンパク質(LMP)−1、LMP−2、およびZEBRAに関しては説明がなされており、これらをコードしている遺伝子のLMP−1特異的30bp欠失突然変異体はより強力な腫瘍表現型に関連している。
【0020】
ウイルスDNA、発現RNA、タンパク質を特異的に分析するための技術の有用性が、正確な診断に必要となる。DNA標的セグメントの増幅に関する技術の1つの例は、いわゆる「ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)」である。適当なプライマーセットと組み合わせたPCRは、ウイルスDNAの検出には非常に適している。一方、適当な抗体試薬と組み合わせた免疫組織化学は、腫瘍関連ウイルスタンパク質を視覚化する場合には選択対象となる方法である。ウイルスRNAの高度のコピー数は、実質的にすべてのエプスタイン−バーウイルス関連腫瘍において、きわめて高度のコピー数で発現されるEBER−1、および−2の検出のためにルーチンに適用されるようなRNAインサイチューハイブリダイゼーションにより検出することができる。ウイルスmRNAの低コピー数の検出には、RT−PCRおよび核酸配列をベースにした増幅(NASBA法)などのより感受性の高い技術が必要とされる。RT−PCRの適用は、ウイルスDNAバックグラウンドにおけるウイルス遺伝子発現を可能にし、したがってその使用を、スプライシングされたウイルス遺伝子の選択セットのみに限定するために、スプライシングされたmRNAが必要であり、それによって深刻に阻害されている。さらに、RT−PCR反応のPCR部分において高い温度を必要とするため、インサイチュー診断アプローチへのその適用を深刻な程度にまで限定してしまっている。
【0021】
RT−PCRのもう1つの欠点は、ゲノムDNAの増幅を退けてしまうような、転写物内にある、関心の対象であるスプライシング部位を必要とすることであり、また、それが2ステップの反応であるという事実である。これらの制限は、ウイルスmRNA発現を、組織抽出におけるものと、単一細胞レベルでのインサイチュー分析によるものとの両方で分析するNASBAアプローチを使用することにより克服される。NASBA法は、読み取り枠又はウイルスDNAバックグラウンドにおけるエキソン特異的ウイルスmRNAの選択的増殖を可能にし、また、細胞形態学に影響を与えることなく、腫瘍組織の薄片における(ウイルス性)mRNA発現の視覚化を可能にする(インサイチューNASBA法)。NASBA法はイントロン配列にわたる特異的なプライマーセットを選択する必要性によっては制限をうけないため、エキソン特異的プライマー、プローブを利用することができる。NASBA法はまた、発現したウイルス遺伝子における遺伝子変異の、より簡単で、また広範な適用可能な分析を可能にする。NASBA法を使用して、ゲノムDNAではなくRNAが、スプライシング部位から独立して増幅される。
【0022】
そのスプライシングパターンをベースにして、エプスタイン−バーウイルス転写物の4つのタイプを区別することができる。すなわち、
EBNA−1転写物のような、コード領域ではなくて非コード領域において拡張的にスプライシングされた転写物(Kerrら、Virol;187:189〜201(1992))。
【0023】
LMP1およびLMP2のように、コードドメインにおいてスプライシングされる転写物(Lauxら、J Gen Virol:70:3079〜84(1989))。
【0024】
EBER1およびEBER2転写物のような、まったくスプライシングされない転写物(Clemensら、Mol Biol Reports:17:81〜92(1993))。
【0025】
そのスプライシングパターンが知られていない転写物。これらは、BARF1のような、単に「初期」転写物である。(Zhangら、J Virol; 62(2):1862〜9(1988))。BDLF2およびBCRF1(Vieiraら、PNAS;88(4):1172〜6(1991))。
【0026】
本発明は、ある種のエプスタイン−バーウイルス mRNAの検出に関し、また本発明は、増幅において使用するのに適しているオリゴヌクレオチドを提供し、またこれらのmRNAのその後の検出を提供する。本発明によるオリゴヌクレオチドの結合部位は以下のエプスタイン−バーウイルス遺伝子のなかに位置している。すなわち、
エプスタイン−バー初期RNA1(EBER−1)、エプスタイン−バー核抗原1(EBNA−1)、潜伏性膜タンパク質1(LMP−1)、LMP−2、vIL10(BCRF−1)、BARF1、BDLF2(すべてはBaerら、Nature vol.310、pp207〜211、1984の命名法により特徴付けられている)。
【0027】
本発明の1つの実施態様は、10〜35ヌクレオチド長であり、以下のものから構成される群から選択される1つの配列の10ヌクレオチドの少なくとも1つの断片を含むオリゴヌクレオチドに関する。すなわち、
EBNA−1、[ヌクレオチド107950〜109872にわたっているBKRF1読み取り枠]、
EBER−1、[ヌクレオチド6629〜6795にわたっている読み取り枠]、
LMP−1、[ヌクレオチド169474〜169207にわたっているBNLF1読み取り枠]、
LMP−2、[ヌクレオチド58〜272、360〜458、540〜788、871〜951、1026〜1196、1280〜1495、1574〜1682にそれぞれわたっているエキソン2、3、4、5、6、7、8]、
vIL10、[ヌクレオチド8675〜10184にわたっているBCRF1読み取り枠]、
BARF1、[ヌクレオチド165504〜166166にわたっている読み取り枠]、又は、
BDLF2、[ヌクレオチド132389〜131130にわたっている読み取り枠]、そこでは、ヌクレオチド番号にわたっているすべての読み取り枠はBaerら、1984によるものである。
【0028】
本発明による好適なヌクレオチドは、10〜35ヌクレオチド長であり、また、以下のものから構成される群から選択される1つの配列の少なくとも10ヌクレオチドの1つの断片を含む。すなわち、
【0029】
【化9】
若しくはその相補的配列(EBNA−1)、又は、
【0030】
【化10】
若しくはその相補的配列(EBER−1)、又は、
【0031】
【化11】
若しくはその相補的配列(LMP−1)、
【0032】
【化12】
若しくはその相補的配列(LMP−2)、
【0033】
【化13】
若しくはその相補的配列(BARF−1)、
【0034】
【化14】
若しくはその相補的配列(vIL10(BCRF1))、
【0035】
【化15】
若しくはその相補的配列(BDLF2)。
【0036】
本発明の1つの好適な実施態様は、適当なプロモーター配列にリンクされている1つのオリゴヌクレオチドに関する。
【0037】
本発明のより好適な実施態様は、以下のものを含む、1つのセットとして使用するためのエプスタイン−バーウイルス配列内にある1つの標的配列の増幅に関する一対のヌクレオチドに関する。すなわち、
1.2,5’−CTCCCTTTACAACCTAAGGC−3’[配列番号:2]、と
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’(EBNA−1)を備える2.1,5’−AGAGACAAGGTCCTTAATCGCATCC−3’[配列番号:3];
又は
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’を備える1.1,5’−CGGGCGGACCAGCTGTACTTGA−3’[配列番号:6]と、
2.2,5’−GAGGTTTTGATAGGGAGAGGAGA−3’[配列番号:7](EBER−1);
又は
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’を備える1.1,5’−ATACCTAAGACAAGTTTGCT−3’[配列番号:12]、と
2.1,5’−CATCGTTATGAGTGACTGGA−3’[配列番号:14](LMP−1);
又は
1.2,5’−AGGTACTCTTGGTGCAGCCC−3’[配列番号:18]、と
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’(LMP−2)を備える2−1,5’−AGCATATAGGAACAGTCGTGCC−3’[配列番号:19];
又は
1.2,5’−GGCTGTCACCGCTTTCTTGG−3’[配列番号:23]、と
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’(BARF1)を備える2.1,5’−AGTGTTGGCACTTCTGTGG−3’[配列番号:24];
又は
1.1,5’−TGGAGCGAAGGTTAGTGGTC−3’[配列番号:27]、と
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’(vIL10(BCRF1))を備える2.2,5’−AGACATGGTCTTTGGCTTCAGGGTC−3’[配列番号:30];
又は
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’を備える1.1,5’−CTACCTTCCACGACTTCACC−3’[配列番号:32]と、
2.1,5’−AGGCCATGGTGTCATCCATC−3’[配列番号:34]、又は、
2.2,5’−AGAGAGAGAGTAGGTCCGCGG−3’[配列番号:35](BDLF2)。
【0038】
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、プライマーおよびプローブなどの、1つ又はそれ以上のデオキシリボヌクレオチドあるいはリボヌクレオチドから成る分子をいう。
【0039】
本明細書で使用されている「プライマー」という用語は、DNA依存性又はRNA依存性ポリメラーゼなどの核酸重合のためのヌクレオチドと薬剤の存在下で適当な条件(例えば、緩衝液、塩類、温度、pH)下に置かれた場合に、核酸鎖(鋳型又は標的配列)に相補的であるプライマー伸長生成物の合成の開始点として活動することができる、天然か(例えば、制限断片として)、あるいは、合成されて産生されるかのいずれかのオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは、重合のための薬剤の存在下で伸長生成物の合成をはじめるため十分に長くなければならない。1つの典型的なプライマーには、標的配列に対して実質的に相補的(P1)又は相同性(P2)である配列の長さで、少なくとも約10ヌクレオチドが含まれる。しかしいくらかより長めのプライマーが望ましい。通常プライマーは約15〜26ヌクレオチドであるが、より長いプライマーを用いてもよい。
【0040】
正常であれば、プライマーの1つのセットは、少なくとも2つのプライマーから成り、1つは「上流」、および1つは「下流」プライマーであり、それらが一緒になって増幅された配列(前述のプライマーを使用して増幅される配列)を定義している。
【0041】
本発明によるオリゴヌクレオチドはまた、プロモーター配列にリンクしていてもよい。「プロモーター配列」という用語は、認識されている配列に結合し、またRNA転写物が産生されることによって転写のプロセスを開始するRNAポリメラーゼによりとくに認識される核酸配列の領域を定義している。原則的には、そのプロモーター配列に関して、開始配列を認識することができる公知のポリメラーゼ、また入手可能なポリメラーゼについてのプロモーター配列が用いられる。公知であって、また有用なプロモーターとは、バクテリオファージT3、T7あるいはSP6などのある種のバクテリオファージRNAポリメラーゼにより認識されるプロモーターである。
【0042】
本発明の配列から成るオリゴヌクレオチドには、こうした変更が有意な程度まで得られる生成物又は収量に悪影響を与えないという程度まで、主要なものではない核酸基の欠失、付加、および/または置換が含まれていてもよいと理解される。
【0043】
本発明のもう1つの好適な実施態様は、長さが10〜35ヌクレオチドであり、また、以下のものから成る群から選択される1つの配列を有する10ヌクレオチドの少なくとも1つの断片を含むオリゴヌクレオチドに関する。
【0044】
検出可能な標識を備える
【0045】
【化16】
(BDLF2)。前述のオリゴヌクレオチドは、本発明によるオリゴヌクレオチドを使用して生成される増幅配列の検出のために使用してもよい。前述の配列を含むプローブもまた、本発明の一部である。
【0046】
検出プローブとして使用されるオリゴヌクレオチド配列は、検出可能な部分により標識することが可能である。さまざまな標識部分が当該技術分野で知られている。前述の標識部分は、例えば、放射性化合物であるか、検出可能な酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))か、あるいは、比色、蛍光、化学ルミネセンスあるいは、電気化学ルミネセンスシグナルなどの検出可能なシグナルを生成することができる何らかのほかの標識部分かのいずれかである。前述の標識が使用されている好適な分析システムは、電気化学ルミネセンス(ECL)をベースにした分析法又は酵素ゲル測定法(ELGA)をベースにした分析法である。
【0047】
本発明のもう1つの好適な実施態様は、本発明によるオリゴヌクレオチドを使用して、ヒト組織(抽出物)、末梢血、白血球、体液、腫瘍細胞系統などにおけるエプスタイン−バーウイルス特異的RNA配列の検出のための方法に関する。前述の方法は以下のステップを含む。すなわち、
本発明と適当な増幅試薬による(一対の)オリゴヌクレオチドを使用して前述のmRNA内にある標的配列を増幅するステップと、
検出プローブとして本発明によるオリゴヌクレオチドを用いて、増幅された核酸を任意に含むサンプルを反応させるステップと、
増幅された配列とプローブの間に形成されるハイブリッドを検出するステップである。
【0048】
核酸を増幅させるためのさまざまな技術が当該技術分野では公知のものである。DNA標的セグメント増幅用技術の1つの例は、いわゆる「ポリメラーゼ連鎖反応」(PCR)である。PCR技術により、特定の標的セグメントのコピー数はサイクル数に伴って指数関数的に急激に増加する。一対のプライマーが使用され、また各サイクルにおいて、DNAプライマーは二本鎖DNA標的配列のその二本鎖のそれぞれの3’側にアニールされる。プライマーは、二本鎖DNAを再び生成するために、さまざまなモノヌクレオチドの存在下に、DNAポリメラーゼにより伸長される。二本鎖DNAの鎖は、熱変性により互いに分離され、また各鎖は、プライマーのアニーリングと、またその結果としての以下のサイクルにおける伸長のための鋳型として、役に立つ。PCR法はSaikiら、Science 230,135,1985と、欧州特許第EP 200362号と第EP 201184号に説明されている。
【0049】
核酸の増幅のためのもう1つの技術は、いわゆる転写をベースにした増幅システム(TAS)である。TAS法は、国際特許出願第WO 88/10315号に記載されている。転写をベースにした増幅技術は通常、機能的プロモーターを含む鋳型を生成するために、それらのうちの1つはプロモーター配列を含む2つのオリゴヌクレオチドにより標的核酸を処理するこを含む。RNAの複数のコピーは前述の鋳型から転写され、また、さらなる増幅のためのベースとして役立たせることができる。
【0050】
等温下の持続的転写をベースにした増幅方法は、欧州特許第EP 329822号に説明されているように、いわゆるNASBAプロセス(“NASBA”法)である。NASBA法には、T7プロモータを含む鋳型からRNAの複数のコピーを転写するため、T7 RNAポリメラーゼの使用が含まれる。
【0051】
RNA増幅(本発明による本方法を用いるものなど)に関して、NASBA技術、又はもう1つの転写をベースにした増幅技術は、1つの好適な技術である。RT−PCR法がウイルス転写の検出のために使用される場合には、mRNA−およびDNA−誘導PCR生成物の区別が必要となる。IEA mRNAなどのスプライシング転写に関しては、エキソン−イントロン構造を使用することができる。しかし、後期構造タンパク質をコードするmRNA種は、非スプライシング転写によってほとんど全部がコードされる。RT−PCR法に先立ちDNAアーゼ処理を用いることができる(Bitsch,A.ら、J Infect. Dis 167,740〜743,1993; Meyer,T.ら、Mol. Cell Probes 8,261〜271,1994)が、しかし、ときには汚染DNAを十分に除去することに失敗する(Bitsch,A.ら、1993)。
【0052】
RT−PCRとは対照的に、T7 RNAポリメラーゼによりRNA転写をベースにしているNASBA(Kievitsら、J Virol Meth; 35:273〜86)は、RNAをその標準的な標的としてのみ使用しているため、RNA−とDNA−誘導増幅生成物の間の区別を必要としない。NASBA法は、DNAのバックグラウンドでもRNA標的の特異的な増幅を可能にする。
【0053】
この方法は、HIV感染患者から採取される全血サンプルにおけるエプスタイン−バーウイルス転写物の分析のために使用された。
【0054】
臨床上のサンプルにおけるエプスタイン−バーウイルスの検出用試験キットはまた、本発明の一部になっている。本発明による試験キットは、本発明による一対のオリゴヌクレオチドと、本発明によるオリゴヌクレオチドから成るプローブを含んでいてもよい。こうした試験キットはさらに、DNAおよびまたはRNAポリメラーゼやモノヌクレオチドなどの適当な増幅試薬を含む。本発明による方法を用いて使用することができる試験キットは、増幅と、エプスタイン−バーウイルス特異的RNA配列のその後の検出のための本発明によるオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。
【0055】
本発明はさらに、以下の実施例により例示される。
【0056】
実施例1
EBNA−1 mRNAの検出のための特異的プライマーとプローブの選択と最適化
地球上の異なった地域から得られた、in vitroにて培養されたバーキットリンパ腫(BL)とリンパ球芽様細胞系統(LCL)細胞系統の大きなパネルから、また、さまざまなエプスタイン−バーウイルス陽性腫瘍組織から採取された新鮮な腫瘍生検標本から、BKRF1読み取り枠の特異的ヌクレオチド配列が決定され、またプロトタイプB95−8配列により整列される。驚くべきことに、B95−8配列と比較すると、後者(B95−8)を突然変異菌株にするというよりも互いに整列させる場合には、エプスタイン−バーウイルスのフィールド分離菌株はより多く保存されていたということがこれらのデータから明らかになった。さらに、東南アジアから得られたNPC−およびLCL誘導配列の間では、共通したある種の突然変異がより多く観察され、一方、ほかの突然変異は中央アフリカから得られたLCLおよびBL誘導分離菌株の間では共通しているものが多く見られ、地域的な菌株の相違を示していた。異なったリンパ球芽様細胞系統(LCL)の分析においては、B95−8形質転換系統は、内因性ウイルス形質転換(=自発性成長)系統から誘導されたリンパ球芽様細胞系統(LCL)からははっきりと区別することができた。
【0057】
これらの分析によりまた、研究されたすべての分離菌株の間で高度に保存されていたBKRF1配列内に特異的な領域が明らかになった。これらの領域は、NASBAを使用してBKRF1エキソン特異的および感受性mRNA増幅に対して適用することができた配列を検索するのに利用された。
【0058】
BKRF1の保存領域内で選択された多数の候補配列から、4つのプライマーセットと対応する検出プローブが合成され、また、エプスタイン−バーウイルスゲノム陰性B細胞(BJAB又はRAMOS細胞)の固定した数(n=50,000)で作成されたエプスタイン−バーウイルスゲノム陽性B細胞(JY細胞)のin vitro生成ランオフ転写物と希釈シリーズを使用して増幅の絶対的及び相対的感度を測定するのに利用された。
【0059】
これらの実験では、「標準的」NASBAプロトコル(以下を参照)を使用して、BKRF1特異的mRNA配列についてのもっとも感度が高く、また特異的な増幅は、配列番号:5を伴う検出プローブと組み合わせた、配列番号:2と配列番号:3を伴ったプライマーEBNA1−1.2と−2.1を使用して達成できたことが判明した。
【0060】
図1は、BKRF1配列から誘導されたプライマーセットの2つの組み合わせを使用して、典型的なNASBA反応の結果を図示している。203 bpの特異的な増幅生成物を付与するプライマーの組み合わせ(2.1を伴う1.2)は、50,000エプスタイン−バーウイルス陰性RAMOS細胞のバックグラウンドにおいて、10エプスタイン−バーウイルス感染JY細胞の検出を可能にする。
【0061】
「標準的」NASBAプロトコル
エプスタイン−バーウイルス陽性および陰性細胞および/または組織サンプルは他所に説明されているように、NASBA細胞溶解現象緩衝液を用いて常套的に処理された。NASBA反応は反応毎100ng総量RNAを使用して、Kievitsらにより記載されているように(別の方法が記載されていない限り)実施された。水性細胞/組織誘導RNA溶液が、シリカをベースにした単離方法(Boomら、欧州特許第0389063 B1号、米国特許第5,234,809号)により得られ、またNASBA反応において直接使用された。RNAzol法(Cinna Biotex社製)により得られるようにEBER1−RNAのイソプロパノール沈降物は30分間14,000rpmでエッペンドルフ(Eppendorf)遠心分離器で遠心分離にかけられた。RNAペレットは70%エタノールで洗浄され、10〜15分間の間真空下で乾燥させ、またRNアーゼを含まない水のなかで溶解された。各サンプルの5マイクロリットル(μl)が5 x NN緩衝液4μl(200mM トリス,pH8.5,60mM MgCl2,350mM KCl,20mM DTT,各dNTPの5mM、10mM rATP,rUTP,rCTPと7.5mM rGTP,2.5mM ITP)、4μlプライマー混合液(75% DMSOにおける各プライマーの1μM)、2μlのRNアーゼを含まない水と混ぜ合わされた。サンプルは、酵素混合液5μl(6.5mMソルビトール、3,4μg BSA,0.08 U RNAsaH(Pharmacia社製)、32.0 U T7 RNAポリメラーゼ(Pharmacia社製)、6.44 U AMV−RT (Pharmacia社製))と混ぜ合わせた後、5分間65℃まで熱せられ、41℃まで冷却させた。反応は90分間41℃にてインキュベートされた。反応生成物は、TBEにおいて1.5%アガロースを使用してゲル電気泳動法により評価された。NASBA生成物は、毛管ブロッティングによりそのゲルからナイロンフィルター(Quiabrane、Quiagen社製、米国カリフォルニア州チャッツワース市)に移され、また標準的な手順を使用して特異的γ32P末端標識オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズされた。放射能はKodak XAR−1フィルムを使用して検出された。
【0062】
実施例2
最適化プライマーセットを使用しての付加的EBV RNA標的の検出
同様に、配列比較とプライマー最適化研究によりLMP−1、LMP−2、EBER−1、とそのほかのエプスタイン−バーウイルス遺伝子標的に対してエプスタイン−バーウイルスコードしたmRNAの検出用試薬の特異的セットの選択が可能になった。いくつかの標的に関しては、その結果が図2、パネルA〜Dに示されている。
【0063】
図2のパネルAとBは、EBNA1に関して説明されているように、50,000エプスタイン−バーウイルス陰性RAMOS細胞におけるエプスタイン−バーウイルス陽性JY細胞の希釈シリーズについてのLMP−1、LMP−2に対するNASBA反応の結果を示している。
【0064】
そのデータは、248 bpの生成物を付与する2.1(配列番号:14)と組み合わせたLMP−1特異的プライマーセット1.1(配列番号:12)が、50,000エプスタイン−バーウイルス陰性RAMOS細胞のバックグラウンドのなかで1〜10 JY細胞に相当するmRNAの検出を可能にしていることを示している。196 bpの生成物を付与する、2.1(配列番号:19)と組み合わせたLMP−2セット1.2(配列番号:18)は、50,000 RAMOS細胞の存在下で1JY細胞の明瞭な検出を可能にしており、これは226 bpの生成物を付与する、2.2(配列番号:20)とのLMP−2セット1.1(配列番号:17)の組み合わせよりも少々良好である。
【0065】
図2のパネルCは、EBER−1の分析的感度を測定するNASBA測定法の結果を示している。これらの結果は、140bpの生成物を付与する、2.2(配列番号:7)とEBER1.1(配列番号:6)とのプライマー組み合わせが、in vitro生成RNAランオフ転写法を使用して、100 RNA分子の検出を可能にしている。
【0066】
図2のパネルDは、50,000 RAMOS細胞におけるJY細胞の希釈シリーズから分離されたRNAを伴うEBER1 NASBAの結果を示しており、また約100 JY細胞相当量が検出可能であることを示している。シリカ分離手順の間、小さなサイズのRNA分子の喪失により、無反応のものも認められた。
【0067】
実施例3
EBV−RNA単離とNASBA反応条件の最適化
DMSO、KCl又はベタイン(N,N,N−トリメチルグリシン)の濃度などのRNA単離方法又はNASBA反応条件の最適化は、その特異性を損なうことなくエプスタイン−バーウイルス特異的RNAの検出の感度を改善することができる。
【0068】
図3Aは、小さな分子重量EBER1 RNAの単離に関する2つのRNA単離方法の比較を示している。この2つはJY細胞のようなエプスタイン−バーウイルス形質転換細胞には非常に豊富に存在している。しかしこの2つはBoomらのシリカ法によっては高度に効率的には分離されない。In vitro生成170 bpランオフ転写物の標準化された容量は、RNAzol(Cinna Biotex社製)とBoom単離法を使用して、RNA単離に対する投入量として使用された。単離されたRNAは140 bpの生成物を付与する、プライマー1.1(配列番号:6)と2.2(配列番号:7)を用いたNASBA法に関する投入物として使用された。RNAzol法はこの小さなEBER1 RNAの10〜100倍さらに効率的な抽出レベルであるという結果が示されている。
【0069】
RNAzol法は、500 bpを超えるRNA分子には適用されないが、Boom法と比較して、小さなEBER1分子を単離するには、より効率的である(図示せず)。
【0070】
さらに、NASBAでの、特異的RNAの増幅の効率は、化学物質の付加によって、関連している酵素の加工処理能力を改善すること(KCl又はMgCl2)か、あるいは増幅および標的RNA(ベタイン又はDMSO)における2次構造の形成を減少させることのいずれかが改善される可能性がある。
【0071】
図3Bは、50,000 RAMOS細胞における100 JY細胞の標準化されたRNA抽出物でエプスタイン−バーウイルス特異的BDLF2 RNA転写物の特異的検出に適用されるKCl濃度における変化の影響が示されている。40〜60mMの間のKCl濃度はこの転写(図3B)に関しては最適であるが、一方、たいていのほかの標的に関しては、これは60〜70mMであった。
【0072】
さらに、図3Cに示されているように、NASBA反応混合液に対して600mMまでベタインを付加すると、有意な2次構造形成を示すIL10(v−IL10)のウイルスホモログをコードするBCRF1遺伝子からエプスタイン−バーウイルス特異的RNAの検出が大幅に改善された(データ図示せず)。この場合、RNAは30mM酪酸誘導エプスタイン−バーウイルス陽性RAJI細胞から単離された。
【0073】
実施例4
ヒト腫瘍生検標本におけるエプスタイン−バーウイルス mRNA 発現の検出へのNASBAの適用
健康なエプスタイン−バーウイルス保有患者において、EBV−DNAは潜伏して感染した循環ならびに組織浸潤B細胞に存在し、また散発性ウイルス産生B細胞又は上皮細胞により体液内に分泌されるビリオンに存在する可能性があるため、異なったエプスタイン−バーウイルス潜伏期プログラムに関連しているウイルス特異的RNAの検出は、腫瘍形成にリンクしている宿主における異常なウイルス活性を診断する1つの手段を提供しうる。健康なキャリアの組織と体液におけるウイルスRNA転写物のレベルは、エプスタイン−バーウイルスがこれらの症例では105〜108B細胞でたった1つしかいないと推定されるため、B細胞の精製なしでは検出に関しては非常に低いことが考えられる。したがって、非精製細胞又は組織におけるウイルスRNAの検出は、エプスタイン−バーウイルス関連(悪性)疾患が疑われる症例では診断および予後上で価値があると考えられる。NASBA法は、ウイルスDNAゲノムの存在によっては影響されないいずれかのウイルスRNA種の直接検出が可能にするため、ヒト材料におけるウイルス転写活性の分析に対する優れた、また独特なツールを提供する。EBNA1はエプスタイン−バーウイルス感染のすべての病期で発現することが考えられるため、その検出はウイルスの存在と転写活性の1つの直接的な反映であるといえる。エプスタイン−バーウイルス陽性および陰性凍結腫瘍生検のシリーズから、4ミクロン切片が切り出され、拡散を放出させるためにNASBA細胞溶解緩衝液により直接処理され、さらにシリカビーズ上で単離された。
【0074】
単離RNAの品質は、1%アガロースにて電気泳動の後、18S/28SリボソームRNAバンドの検出によりチェックされ、またさらに構成的に発現したヒトsnRNPタンパク質U1AをコードするU1A mRNAの存在に関して分析された。EBV−EBNA1 mRNA は、図1に説明されているようなBKRF1特異的プライマーセット1.2と2.1を使用してNASBA法により、また他所に報告されているように、Q/U/Kスプライシング部位の周囲に位置している特異的プライマーを使用してRT−PCR法によって検出された。この分析の結果は表1に掲載されているが、表1には、NASBA法がRT−PCR法よりも大幅に大きな感度を用いて、エプスタイン−バーウイルス陽性ヒト腫瘍組織誘導抽出物におけるEBNA−1 mRNA配列の特異的な検出を可能にし、また、劣性のRNA品質又はRT−PCR阻害薬剤を用いてのサンプル中での検出をも可能にしているのが明確に示されている。
【0075】
実験の第2のシリーズでは、EBV−EBNA1 RNAの存在は、ヒトパピローマウイルスの検出のために収集された子宮頸部の掻爬において分析された。そのいくつかのサンプルにはBAM−W領域由来のプライマーを使用してEBV−DNA PCR法により測定されたEBV−DNAが含まれていた。宿主細胞RNAの存在と品質が、上で示されたように、チェックされた。結果は表2に示されており、HPV−DNA(表示せず)とEBV−DNAの存在にもかかわらず、これらのサンプルにおいてはEBV−RNAはまったく検出されなかったことを示している。これは、EBV−NASBAの特異性を示すものである。
【0076】
実施例5
鼻咽頭がん(NPC)とホジキン病(HD)におけるNASBA仲介検出とエプスタイン−バーウイルス特異的RNA転写の分化
エプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患は、公知の潜伏期プログラムに限定されないがそれと関連しているウイルス遺伝子転写のはっきりとしたパターンによって特徴付けられるため、ヒト組織又は体液におけるウイルス転写活性の鑑別的な分析は、診断上重要であると考えられる。図5に示されているように、NASBA法はBARF1とLMP2遺伝子から誘導されたウイルス転写物の鑑別的な検出により本実施例で示されているように、この目的のための優れたツールを提供する。
【0077】
異なったヒト腫瘍におけるエプスタイン−バーウイルス特異的遺伝子転写の検出と分析のため、組織RNAは、Boom法を使用してNASBA法の細胞溶解緩衝液のなかで溶解された凍結腫瘍材料の4μm薄片から抽出された。
【0078】
図4Aと4Bは、図2に示されているように、BARF1−特異的γ32P標識プローブ(配列番号:26)によって検出可能な252 bp産物を産生するBARF1−1.2(配列番号:23)プラスBARF1−2.1(配列番号:24)のプライマーの組み合わせ、196 bp産物を産生するLMP2−1.2(配列番号:18)とLMP1−2.1(配列番号:19)の組み合わせを使用して、BARF1およびLMP2遺伝子それぞれから誘導されたウイルス特異的RNAの検出に関する結果を示している。その結果は、BARF1転写はNPCには特異的であるが、HDでは検出可能ではなく、一方、LMP2遺伝子は両方のタイプの腫瘍で転写されることが示されている。
【0079】
これらの結果から、異なったエプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患を伴う患者から得られたヒト生検材料におけるエプスタイン−バーウイルス転写活性の特異的な検出と鑑別におけるNASBA分析の使用法が示されている。
【0080】
実施例6
単一細胞レベルでの特異的遺伝子発現の検出のためのインサイチューNASBA法
エプスタイン−バーウイルス遺伝子転写は、個々の腫瘍細胞でさまざまに変化し、ヒト組織サンプルにおける周囲の悪性細胞に比べると、腫瘍浸潤性B細胞や分化上皮細胞では異なっている可能性もあるため、単一細胞レベルでエプスタイン−バーウイルス遺伝子発現を分析することは重要なことである。
【0081】
さらに、感染(形質転換)細胞だけではなく、また周囲の正常組織や腫瘍浸潤性リンパ球におけるウイルス誘導性宿主特異的遺伝子発現の分析は、ウイルス病因やそのウイルスに対する宿主応答を理解するためには重要であると考えられる。細胞抽出物における遺伝子転写物の分析は、単一細胞レベルで情報を提供することはなく、また(RT−)PCR技術のたいていのものでは、組織学的検査に関して必要とされる細胞形態学的保存状態に非常によく適合するというわけではない。
【0082】
NASBA法は、それが高温サイクリングを欠いているため、増幅反応の間に組織や細胞形態を破壊することなく、またしたがって、豊富に存在しているわけではないウイルスと宿主細胞転写物のインサイチュー検出や、免疫細胞化学的検出を回避する分泌宿主やウイルス生成物の合成に関連している遺伝子発現に関するインサイチュー検出には非常によく適している。
【0083】
実施例7
エプスタイン−バーウイルス関連がんのためのマーカーとしてのエプスタイン−バーウイルス特異的BARF1−RNA
エプスタイン−バーウイルス関連悪性疾患は、以前に示されている、異なった潜伏期プログラムに関連しているウイルス遺伝子転写のはっきりとしたパターンにより特徴付けられている。
【0084】
ヒト組織又は体液におけるウイルス転写活性のパターン分析を使用した鑑別診断は臨床診断上重要である。
【0085】
リンパ腫と胃がん(GC)、鼻咽頭がん(NPC)などの、上皮腫(エピテリオーマ)とも呼ばれる攻撃的なリンパ球に富んだ上皮悪性疾患の間の鑑別は、治療上の選択肢の観点からは明確な重要性を有している。
【0086】
上皮に生存しているエプスタイン−バーウイルスに対する特異的なマーカーの有用性は明確な利点となる。
【0087】
図6に図示されているように、BARF1−RNAの転写物は、胃がん(GC)、鼻咽頭がん(NPC)ではとくに検出されるが、エプスタイン−バーウイルス陽性ホジキン病(HD)ならびにT細胞非ホジキンリンパ腫(T−NHL)又は対照組織では検出されない。
【0088】
したがって、BARF1転写物は、エプスタイン−バーウイルスに関連している上皮悪性疾患の鑑別診断のための特異的なマーカーを提供する。
【0089】
NASBA法は、本実施例において示されているように、この目的に対する優れたツールを提供する。
【0090】
異なったヒト腫瘍において、エプスタイン−バーウイルス特異的遺伝子転写の検出と分析に関しては、RNAは、シリカをベースにしたBoom法を使用して、NASBA細胞溶解緩衝液のなかで溶解される凍結腫瘍材料の10μm薄片から抽出された。
【0091】
図6は、BARF1特異的γ32P標識プローブ(配列番号:26)により検出可能な252 bp産物を産生する、BARF1−1.2(配列番号:23)プラスBARF1−2.1(配列番号:24)のプライマー組み合わせを使用して、BARF1遺伝子から誘導されたウイルス特異的RNAのNASBA仲介検出に関する結果を示している。
【0092】
陽性対照(+対照)には、BARF1遺伝子により安定的に形質転換されたエプスタイン−バーウイルス陰性Louckesバーキットリンパ腫細胞系統由来のRNAが含まれる。
【0093】
陰性対照(−対照)は、エプスタイン−バーウイルス陰性胃がんから単離されたRNAから成る。またエプスタイン−バーウイルス陰性B細胞系統RAMOSからRNAは特異性対照として含められている。
【0094】
HDおよびT−NHLマーカーされているレーンは、エプスタイン−バーウイルス陽性ホジキンリンパ腫(HD)とエプスタイン−バーウイルス陽性T細胞非ホジキンリンパ腫(T−NHL)のそれぞれから単離されたRNAを用いたBARF1分析を表わしているが、その両方とも、同じ抽出RNAサンプル上でNASBA法によるインサイチュー染色ならびにEBNA1、LMP1、LMP2 RNA発現によりエプスタイン−バーウイルス特異的EBER RISHおよびLMP1タンパク質を示した。
【0095】
鼻咽頭がん(NPC)と両方の胃がん(GC)サンプルは凍結組織切片上のEBER RISH分析によりエプスタイン−バーウイルス陽性であった。
【0096】
すべてのサンプルは、陽性U1A RNA反応により定義されているように良好な品質のRNAを有していた。
【0097】
BARF1転写はNPCとGCに特異的であり、またEBV+HDとT−NHLでは検出可能ではなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、BKRF1配列由来のプライマーセットの2つの組み合わせを使用する、典型的なNASBA反応の結果を図示している。
【図2A】 EBNA1に関して説明されているように、50,000エプスタイン−バーウイルス陰性RAMOS細胞におけるエプスタイン−バーウイルス陽性JY細胞の希釈シリーズ上のLMP−1とLMP−2に関するNASBA反応の結果を示している。
【図2B】 EBNA1に関して説明されているように、50,000エプスタイン−バーウイルス陰性RAMOS細胞におけるエプスタイン−バーウイルス陽性JY細胞の希釈シリーズ上のLMP−1とLMP−2に関するNASBA反応の結果を示している。
【図2C】 EBER−1の分析的感度を測定するNASBA測定法の結果を示している。
【図2D】 50,000 RAMOS細胞においてJY細胞の希釈シリーズから分離されたRNAを用いたEBER1 NASBA法の結果を示し、約100 JY細胞相当量が検出可能であることを示している。
【図3A】 小分子重量EBER1 RNAに関する2つのRNA単離方法を比較したものが呈示されている。
【図3B】 エプスタイン−バーウイルス特異的BDLF2 RNA転写物の特異的検出に適用される、KCl濃度における変化の影響を示している。
【図3C】 エプスタイン−バーウイルス特異的BCRF1 RNA転写物の特異的検出に適用されているNASBA反応混合液にベタインを付加することについての影響を示している。
【図4A】 BARF1とLMP2遺伝子のそれぞれから誘導されたウイルス特異的RNAの検出に関する結果を示している。
【図4B】 BARF1とLMP2遺伝子のそれぞれから誘導されたウイルス特異的RNAの検出に関する結果を示している。
【図5】 図5は、標準的な組織学的手順を使用して、アガロースのなかで作成し、ホルマリンで固定してパラフィンで包埋されたJY細胞におけるLMP2特異的遺伝子発現のインサイチューNASBA法による検出の結果を示している。
【図6】 図6は、BARF1特異的γ32P標識プローブ(配列番号:26)によって検出可能な252 bp生成物を産生する、BARF1−1.2(配列番号:23)プラスBARF1−2.1(配列番号:24)のプライマー組み合わせを使用して、BARF1遺伝子から誘導したウイルス特異的RNAのNASBAによる仲介検出に関する結果を示している。
【配列表】
Claims (4)
- エプスタイン−バーウイルス関連疾患を患っていることが疑われている個人または患っている危険性のある個人のサンプルに任意に存在している、胃がんまたは鼻咽頭がんから選択されるエプスタイン−バーウイルス関連上皮悪性疾患を同定する方法であって、ヌクレオチド165504〜166166にわたっているBARF1読み取り枠から転写された1つまたはそれ以上のそれぞれのRNA内にある標的配列を増幅することにより同定する方法。
- それぞれのRNAの増幅に使用される対になっているオリゴヌクレオチドが、
T7ポリメラーゼプロモーター配列5’−aattctaatacgactcactataggg−3’を備える5’−GGCTGTCACCGCTTTCTTGG−3’[配列番号:23]と5’−AGTGTTGGCACTTCTGTGG−3’[配列番号:24]とから成るBARF1に対して特異的な一対のオリゴヌクレオチドである請求項1に記載の方法。 - 転写をベースにした増幅技術を使用して、RNAが増幅されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記増幅技術がNASBA法であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
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