JP3360737B2 - エプスタイン−バールウイルスの検出方法 - Google Patents

エプスタイン−バールウイルスの検出方法

Info

Publication number
JP3360737B2
JP3360737B2 JP14617892A JP14617892A JP3360737B2 JP 3360737 B2 JP3360737 B2 JP 3360737B2 JP 14617892 A JP14617892 A JP 14617892A JP 14617892 A JP14617892 A JP 14617892A JP 3360737 B2 JP3360737 B2 JP 3360737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dna
primer
sequence
seq
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP14617892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05309000A (ja
Inventor
莞二 平井
孝史 弘中
寛 喜多
Original Assignee
株式会社ヤトロン
莞二 平井
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ヤトロン, 莞二 平井 filed Critical 株式会社ヤトロン
Priority to JP14617892A priority Critical patent/JP3360737B2/ja
Publication of JPH05309000A publication Critical patent/JPH05309000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3360737B2 publication Critical patent/JP3360737B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エプスタイン−バール
ウイルス(Epstein−Barr Virus;以
下、EBVと称することがある)の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エプスタイン−バールウイルス(EB
V)はヘルペス科に属するウイルスの一種で、成人の大
多数がこれに感染しており、ほぼ全員が抗体陽性であ
る。多くの人が生後3歳までに感染するが、不顕性感染
が多いので特に病状は現われない。しかし、宿主の免疫
機能が低下した場合にはEBVが再活性化されることが
ある。特に、悪性腫瘍患者やAIDS患者、更に骨髄移
植を受けた者などにEBVの再活性化が見られ、その病
状として伝染性単核症の発病や予後の悪化等があり、致
命的な場合もある。従って、上咽頭癌、バーキットリン
パ腫又は日和見リンパ腫などのEBV感染症を確定的に
診断することは臨床的に極めて重要である。
【0003】従来から、EBVの検出方法としては、生
体液(血液、唾液等)や組織又は細胞からEBVを分離
して同定する方法や、血清中のウイルスカプシド抗原
(VCA)又は核内抗原(EBNA)等を測定する免疫
学的な検査法が使われている。しかし、ウイルスを分離
する診断では結果を得るまでに時間がかかり、免疫学的
な方法では抗体非特異反応が起きたり、高感度が得られ
ないという問題があるほか、抗体価が変化するためにウ
イルスの消長を追跡することが難しいという欠点があっ
た。従って、臓器移植や骨髄移植などの場合だけでな
く、疾病の診断に関して、短時間で正確にEBVの診断
を可能にする手法及び体外診断薬の開発が望まれてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、 (a)配列表における配列番号1の配列で表される塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドを含有する第1のDN
Aプライマー〔以下、第1プライマー(1a’)と称す
ることがある〕と配列表における配列番号2の配列で表
される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含有する
第2のDNAプライマー〔以下、第2プライマー(2
a’)と称することがある〕との組合せ、及び (b)配列表における配列番号3の配列で表される塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドを含有する第1のDN
Aプライマー〔以下、第1プライマー(1b’)と称す
ることがある〕と配列表における配列番号4の配列で表
される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含有する
第2のDNAプライマー〔以下、第2プライマー(2
b’)と称することがある〕との組合せからなる群から
選んだ、第1のプライマーと第2のプライマーとの組合
せ少なくとも1種とDNAポリメラーゼと水性液体被検
試料とを含む混合液をDNA増幅工程にかけ、続いて得
られた反応液を、配列表における配列番号9又は配列番
号10で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
含有し、標識を担持するプローブを用いるDNA検査
工程にかけることを特徴とする、エプスタイン−バール
ウイルスの検出方法に関する。本明細書の塩基配列に於
いて、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、そ
して、Tはチミンの意味である。以下、配列表における
配列番号1の配列で表される塩基配列の少なくとも15
塩基からなるオリゴヌクレオチドを含有する第1のDN
Aプライマーを、第1プライマー(1a)と称すること
があり、配列表における配列番号2の配列で表される塩
基配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチ
ドを含有する第2のDNAプライマーを、第2プライマ
ー(2a)と称することがある。また、配列表における
配列番号3の配列で表される塩基配列の少なくとも15
塩基からなるオリゴヌクレオチドを含有する第1のDN
Aプライマーを、第1プライマー(1b)と称すること
があり、配列表における配列番号4の配列で表される塩
基配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチ
ドを含有する第2のDNAプライマーを、第2プライマ
ー(2b)と称することがある。また、配列表における
配列番号5の配列で表される塩基配列の少なくとも15
塩基からなるオリゴヌクレオチドを含有する第1のDN
Aプライマーを、第1プライマー(1c)と称すること
があり、配列表における配列番号6の配列で表される塩
基配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチ
ドを含有する第2のDNAプライマーを、第2プライマ
ー(2c)と称することがある。更に、配列表における
配列番号7の配列で表される塩基配列の少なくとも15
塩基からなるオリゴヌクレオチドを含有する第1のDN
Aプライマーを、第1プライマー(1d)と称すること
があり、配列表における配列番号8の配列で表される塩
基配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチ
ドを含有する第2のDNAプライマーを、第2プライマ
ー(2d)と称することがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、 (a)配列表における配列番号1の配列で表される塩基
配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチド
部分を含有する第1のDNAプライマー〔以下、第1プ
ライマー(1a)と称することがある〕と配列表におけ
る配列番号2の配列で表される塩基配列の少なくとも1
5塩基からなるオリゴヌクレオチド部分を含有する第2
のDNAプライマー〔以下、第2プライマー(2a)と
称することがある〕との組合せ、 (b)配列表における配列番号3の配列で表される塩基
配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチド
部分を含有する第1のDNAプライマー〔以下、第1プ
ライマー(1b)と称することがある〕と配列表におけ
る配列番号4の配列で表される塩基配列の少なくとも1
5塩基からなるオリゴヌクレオチド部分を含有する第2
のDNAプライマー〔以下、第2プライマー(2b)と
称することがある〕との組合せ、 (c)配列表における配列番号5の配列で表される塩基
配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチド
部分を含有する第1のDNAプライマー〔以下、第1プ
ライマー(1c)と称することがある〕と配列表におけ
る配列番号6の配列で表される塩基配列の少なくとも1
5塩基からなるオリゴヌクレオチド部分を含有する第2
のDNAプライマー〔以下、第2プライマー(2c)と
称することがある〕との組合せ、及び (d)配列表における配列番号7の配列で表される塩基
配列の少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチド
部分を含有する第1のDNAプライマー〔以下、第1プ
ライマー(1d)と称することがある〕と配列表におけ
る配列番号8の配列で表される塩基配列の少なくとも1
5塩基からなるオリゴヌクレオチド部分を含有する第2
のDNAプライマー〔以下、第2プライマー(2d)と
称することがある〕との組合せからなる群から選んだ、
第1のプライマーと第2のプライマーとの組合せ少なく
とも1種とDNAポリメラーゼと水性液体被検試料とを
含む混合液をDNA増幅工程にかけ、続いて得られた反
応液をDNA検査工程にかけることを特徴とする、エプ
スタイン−バールウイルスの検出方法に関する。更に、
本発明は、配列表における配列番号9、配列番号10、
配列番号11又は配列番号12の配列で表される塩基配
列の少なくとも10塩基からなるオリゴヌクレオチド部
分を含有し、標識を担持するプローブと被検試料とを接
触させ、前記標識からの信号を検出することを特徴とす
る、エプスタイン−バールウイルスの検出方法にも関す
る。本明細書の塩基配列に於いて、Aはアデニン、Cは
シトシン、Gはグアニン、そして、Tはチミンの意味で
ある。
【0006】本発明方法で用いる検体は、EBVを含有
している疑いのある試料であれば特に限定されない。例
えば、唾液、血液又は組織からの抽出物を用いることが
できる。
【0007】プライマーの組合せを用いる本発明のEB
V検出方法は、主に、(1)DNA増幅工程と、(2)
DNA検出工程とからなる。本発明のEBV検出方法に
おいては、最初にDNA増幅工程を行うのが好ましい。
【0008】本発明のDNA増幅工程(1)では、PC
R(Polymerase chain reacti
on)法を用いることができる。PCR法を利用する
と、微量のDNAから、目的とするDNA領域のみを自
動的に約100万倍にまで増幅できる(Scienc
e,239:487−491,1988)。PCR法で
は、増幅させるDNA領域を挟んで+鎖に対するプライ
マー(以下、第1プライマーと称する)及び−鎖に対す
るプライマー(以下、第2プライマーと称する)の2種
のDNAプライマーを用いる。
【0009】本発明のDNA増幅工程(1)で用いる第
1プライマーと第2プライマーとの組合せとしては、 (a)第1プライマー(1a)と第2プライマー(2
a) (b)第1プライマー(1b)と第2プライマー(2
b) (c)第1プライマー(1c)と第2プライマー(2
c) (d)第1プライマー(1d)と第2プライマー(2
d) の4種の組合せがあり、これらの組合せのいずれか1種
を単独で用いるか、又は2種以上を同時に用いることが
できる。
【0010】本発明による前記の各プライマーの組合せ
(a)又は(b)を用いると、EBVの全DNA配列の
中で、BamHI W領域(リピート領域)のみのDN
A領域を特異的に増幅できる。ここで、プライマーの組
合せ(a)で増幅する領域をBamHIW−1と称し、
そして、プライマーの組合せ(b)で増幅する領域をB
amHIW−2と称する。具体的にはBamHIW−1
に相当する195bp部分、又は、BamHIW−2に
相当する134bp部分が、それぞれ特異的に大量に増
幅される。また、プライマーの組合せ(c)を用いる
と、EBVの全DNA配列の中で、EBER1領域のみ
のDNA領域を特異的に増幅できる。ここで、プライマ
ーの組合せ(c)で増幅する領域をEBERと称する。
具体的にはEBERに相当する157bp部分が、特異
的に大量に増幅される。最後に、プライマーの組合せ
(d)を用いると、EBVの全DNA配列の中で、LM
P領域(latent membrane prote
in)のみのDNA領域を特異的に増幅できる。ここ
で、プライマーの組合せ(d)で増幅する領域をLMP
と称する。具体的にはLMPに相当する318bp部分
が、特異的に大量に増幅される。
【0011】前記の各第1プライマー及び各第2プライ
マーはそれぞれ15mer〜30merであることがで
きるが、一般的には20mer〜25merであるのが
好ましい。15mer未満であると塩基配列の特異性が
低下し、また、30merを越えると特異性は上がるが
合成コストが高くなる。本発明方法で用いる第1プライ
マー及び第2プライマーをそれぞれ構成する各塩基は、
公知の任意の態様で修飾(例えばビオチン化又は発光物
質によるラベル化)されていてもよい。本発明による前
記のそれぞれの第1プライマー及び第2プライマーは、
通常のDNA自動合成機(例えばアプライドバイオシス
テム社製)を用いて、公知のDNA合成法(例えばホス
ソアミダイド法)によって調製することができる。
【0012】本発明のDNA増幅工程(1)では、第1
プライマー及び第2プライマーとともに、DNAポリメ
ラーゼ、特に耐熱性ポリメラーゼを用いて増幅サイクル
を繰り返す。耐熱性DNAポリメラーゼとしては、特に
95℃までの温度で活性を維持することができるDNA
ポリメラーゼ、例えば、市販のTaqポリメラーゼを用
いることができる。
【0013】本発明のDNA増幅工程では、前記の第1
プライマーと第2プライマーとの特定のプライマーの組
み合わせ、DNAポリメラーゼ及び液体被検試料を含む
混合液を用いる。第1プライマー、第2プライマー及び
DNAポリメラーゼの使用量は、液体被検試料の種類に
よって変化するが、PCR法によるDNA増幅工程を実
施することができる範囲で容易に決定することができ
る。この混合液は場合により、緩衝液(例えば、トリス
塩酸緩衝液)、安定化剤(例えば、ゼラチン)、又は塩
類(例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム)を含
有することができる。
【0014】本発明方法では、前記の混合液を用いてP
CR法の増幅サイクルを実施する。増幅サイクルは、 (i)DNAの変性工程(約90℃〜95℃、約10秒
〜2分間)、 (ii)1本鎖DNAと第1プライマー及び第2プライマ
ーとのアニーリング工程(約37℃〜70℃、約30秒
〜3分間)、及び (iii)DNAポリメラーゼによるDNA合成工程(約6
5℃〜80℃、約30秒〜5分間)とからなる。
【0015】1サイクル毎にDNA量は2倍に増幅さ
れ、nサイクル後には2n 倍に増幅される。本発明にお
いては、増幅サイクル数を10〜60回、好ましくは2
0〜40回繰り返す。最後のサイクルにおいては、工程
(iii)の条件で加熱時間を約5〜10分間延長してDN
A合成が完全に行われるようにするのが好ましい。被検
試料中にEBV−DNAが存在する場合には、前記の増
幅工程で増幅サイクル終了後に、約50〜500bpの
DNAが大量に合成される。このDNAを次のDNA検
査工程によって検出する。
【0016】DNA検査工程としては、ゲル電気泳動
後、エチジウムブロマイド染色を利用する方法、電気泳
動後にフィルターに移してサザンブロットハイブリッド
法を行う方法、増幅したDNAをそのままフィルターに
ブロットしてドットブロットハイブリッド法を行う方
法、又は、ジデオキシ法による塩基配列決定法などを用
いることができる。ゲル電気泳動法を行う場合には、例
えば、アガロースゲルを担体としたサブマリーン型電気
泳動、又はアクリルアミドを用いたスラブ型電気泳動を
使用することができる。
【0017】サザンブロットハイブリッド法、ドットブ
ロットハイブリッド法、又は、in situハイブリ
ッド法を行う場合には、非放射性プローブ(例えば、酵
素標識プローブ、ビオチン化プローブ、ジゴキシゲニン
化プローブ、又は、化学発光物質、蛍光物質で標識した
プローブ)を用いることができる。
【0018】更に、ジデオキシ法による塩基配列決定法
を利用する場合には、蛍光ラベルを使用したDNAオー
トシークエンサー(例えば、アプライドバイオシステム
ズ社)を用いることができる。
【0019】前記第1プライマー及び第2プライマーの
各種組合せを用いる本発明方法においては、被検試料中
にEBV−DNAが存在する場合のみ、前記の組合せに
応じて、それぞれBamHI W領域の一部分、EBE
R1領域の一部分、及び、LMP領域の一部分に相当す
る塩基配列部分が短時間のうちに特異的に大量に増幅合
成される。従って、被検試料中におけるEBV−DNA
の存在をきわめて特異的に検出することができる。更
に、被検試料中のEBV−DNA量が微量であってもD
NAが増幅合成されるので高感度である。
【0020】本発明は、更に、EBV−DNAの特異的
な検出に用いることのできる4種類のDNAプローブを
提供するものでもある。これらのDNAプローブは、 (A)配列表における配列番号9の配列で表される塩基
配列の少なくとも10塩基からなるオリゴヌクレオチド
部分を含有するプローブ(以下、プローブAと称するこ
とがある)、 (B)配列表における配列番号10の配列で表される塩
基配列の少なくとも10塩基からなるオリゴヌクレオチ
ド部分を含有するプローブ(以下、プローブBと称する
ことがある)、 (C)配列表における配列番号11の配列で表される塩
基配列の少なくとも10塩基からなるオリゴヌクレオチ
ド部分を含有するプローブ(以下、プローブCと称する
ことがある)、 (D)配列表における配列番号12の配列で表される塩
基配列の少なくとも10塩基からなるオリゴヌクレオチ
ド部分を含有するプローブ(以下、プローブDと称する
ことがある)である。これらのプローブを単独あるいは
同時に用いることができる。
【0021】前記プローブAは、BamHI W領域
(リピート領域)のDNA領域に特異的であり、プロー
ブAの長さは被検試料に対する前処理の種類によって異
なる。被検試料が前記組合せ(a)の第1プライマー
(1a)と第2プライマー(2a)とを用いるPCR法
によるDNA増幅工程を経たものである場合には、10
bpからPCR法で増幅されるDNA断片の大きさまで
であることができる。また、被検試料がPCR法のDN
A増幅工程を経たものでなく、プローブAをin si
tuハイブリッド法に用いる場合には、プローブAの長
さは10bpからBamHI W領域(約3kbp)の
大きさまで可能である。配列表における配列番号9の配
列で表される40塩基のDNAプローブ(40mer)
は、被検試料がPCR法によるDNA増幅工程を経たも
のであっても、あるいは、in situハイブリッド
法の場合であっても、いずれにも用いることができるの
で好ましい。
【0022】前記プローブBは、BamHI W領域
(リピート領域)のDNA領域に特異的であり、プロー
ブBの長さは被検試料に対する前処理の種類によって異
なる。被検試料が前記組合せ(b)の第1プライマー
(1b)と第2プライマー(2b)とを用いるPCR法
によるDNA増幅工程を経たものである場合には、10
bpからPCR法で増幅されるDNA断片の大きさまで
であることができる。また、被検試料がPCR法のDN
A増幅工程を経たものでなく、プローブBをin si
tuハイブリッド法に用いる場合には、プローブBの長
さは10bpからBamHI W領域(約3kbp)の
大きさまで可能である。配列表における配列番号10の
配列で表される40塩基のDNAプローブ(40me
r)は、被検試料がPCR法によるDNA増幅工程を経
たものであっても、あるいは、in situハイブリ
ッド法の場合であっても、いずれにも用いることができ
るので好ましい。
【0023】前記プローブCは、EBER1領域のDN
A領域に特異的であり、プローブCの長さは被検試料に
対する前処理の種類によって異なる。被検試料が前記組
合せ(c)の第1プライマー(1c)と第2プライマー
(2c)とを用いるPCR法によるDNA増幅工程を経
たものである場合には、10bpからPCR法で増幅さ
れるDNA断片の大きさまでであることができる。ま
た、被検試料がPCR法のDNA増幅工程を経たもので
なく、プローブCをin situハイブリッド法に用
いる場合には、プローブCの長さは10bpからEBE
R1領域(173bp)の大きさまで可能である。配列
表における配列番号11の配列で表される40塩基のD
NAプローブ(40mer)は、被検試料がPCR法に
よるDNA増幅工程を経たものであっても、あるいは、
in situハイブリッド法の場合であっても、いず
れにも用いることができるので好ましい。
【0024】前記のプローブDは、LMP(laten
t membrane protein)をコードする
遺伝子領域のDNA領域に特異的であり、プローブDの
長さは被検試料に対する前処理の種類によって異なる。
被検試料が前記組合せ(d)の第1プライマー(1d)
と第2プライマー(2d)とを用いるPCR法によるD
NA増幅工程を経たものである場合には、10bpから
PCR法で増幅されるDNA断片の大きさまでであるこ
とができる。また、被検試料がPCR法のDNA増幅工
程を経たものでなく、プローブDをin situハイ
ブリッド法に用いる場合には、プローブDの長さは10
bpからLMP領域(約2kbp)の大きさまで可能で
ある。配列表における配列番号12の配列で表される4
0塩基のDNAプローブ(40mer)は、被検試料が
PCR法によるDNA増幅工程を経たものであっても、
あるいは、in situハイブリッド法の場合であっ
ても、いずれにも用いることができるので好ましい。
【0025】プローブA、B、C、及び、Dの調製法と
しては、サクシノイミド(例えば、ジサクシミジルスベ
レイト)を用いる方法、マレイミド法、活性ハロゲン
(active halogen)法、アジド化合物で
の光反応、あるいは、カルボジイミド法を挙げることが
できる。プローブA、B、C、及び、Dの標識物質とし
ては、従来公知の任意の物質を使用することができる。
好ましくは、非放射性物質(例えば、酵素、ビオチン、
ジゴキシゲニン、化学発光物質、又は、蛍光物質等)を
用いる。
【0026】標識化DNAの合成方法には、大別する
と、 (1)DNA合成過程で直接的に標識化DNAを調製す
る方法と、 (2)リンカーを結合させたDNAを合成してから、こ
れを単離し、標識試薬を作用させる方法とがあり、特に
方法(2)は目的に応じて標識物質を容易に変更でき、
応用面で優れているので好ましい。方法(2)で用いる
リンカーとしては、5’−ジメトキシトリエチル−5−
〔N−(トリフルオロアセチルアミノヘキシル)−3−
アクリルイミド〕−2’−デオキシウリジン−3’−
〔(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピ
ル)〕ホスホルアミダイト等を挙げることができる。プ
ローブに結合されている標識物質から信号を発生させ、
更にその信号を測定する方法も、従来から公知の任意の
方法を用いることができる。
【0027】前記のプローブを用いる本発明方法におい
ては、(場合によりPCR法で増幅した)EBV−DN
Aに特異的な標識DNAプローブを用いるので、極めて
正確にEBV−DNAを検出することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:プライマーの合成 381A型自動DNA合成装置(アプライドバイオシス
テムズ社)に、アデニンCPGカラムを装着して配列表
の配列番号1、配列番号3、配列番号5及び配列番号6
の各配列に記載の塩基25個のプライマー(1a’)、
(1b’)、(1c’)及び(2c’)と、配列表の配
列番号7の配列に記載の塩基23個のプライマー(1
d’)と、配列表の配列番号8の配列に記載の塩基22
個のプライマー(2d’)を合成し、グアニンCPGカ
ラムを装着して配列表の配列番号2の配列に記載の塩基
25個のプライマー(2a’)を合成し、そしてシトシ
ンCPGカラムを装着して配列表の配列番号4の配列に
記載の塩基25個のプライマー(2b’)をそれぞれ合
成した。アンモニア水(約30%)2.5mlを入れたデ
ィスポシリンジ(2.5ml)を、合成が完了したCPG
カラムに接続し、アンモニア水をカラム内に押し出し
て、合成したDNAフラグメントを溶出した。回収した
DNAアンモニア溶液の入ったバイアル瓶を密栓し、6
5℃で6時間加温した後、室温まで冷やしてから濃縮し
た。濃縮物を完全に乾燥し、10mMトリエチレンアンモ
ニウムアセテート(pH7.4)(以下、TEA−Aと称
す)に溶解した。一方、予めNennsorbTMPre
p(NEN Research Products B
iotechnolgy Systems)カラムを1
0mlのメタノールで洗浄して、次に5mlのTEA−Aを
入れ、カラムを平衡化した。このカラムに前記のプライ
マー溶液を通して、10%アセトニトリルを含むTEA
−A(10ml)でカラムを洗浄した後、このカラムに
0.5%トリフルオロ酢酸25mlを通した。更に、TE
A−A(10ml)でカラムを洗浄した後、カラムに吸着
しているプライマーを35%メタノール5mlで溶出し
た。溶出したプライマー溶液を減圧下で乾燥して、保存
し、後記の実施例3等で用いた。
【0029】実施例2:酵素標識プローブの調製 4種のDNAプローブ合成を前記実施例1と同様の装置
を用いて、同様の条件で行ったが、但し、配列表の配列
番号9の配列に記載の塩基40個のプローブA’の合成
ではアデニンCPGカラムを用いて5’末端から30番
目のTを、配列表の配列番号10の配列に記載の塩基4
0個のプローブB’はアデニンCPGカラムを用いて
5’末端から15番目のTを、配列表の配列番号11の
配列に記載の塩基40個のプローブC’はシトシンCP
Gカラムを用いて5’末端から10番目のTを、そして
配列表の配列番号12の配列に記載の塩基40個のプロ
ーブD’はグアニンCPGカラムを用いて5’末端から
20番目のTをそれぞれ5’−ジメトキシトリエチル−
5−〔N−(トリフルオロアセチルアミノヘキシル)−
3−アクリルイミド〕−2’−デオキシウリジン−3’
−〔(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピ
ル)〕ホスホルアミダイト(グレインリサーチ社)(以
下、リンカーと称す)に置き換えた。尚、リンカーの位
置はこの部位に限らず、他のチミン部位に置き換えるこ
とも可能である。リンカー付きプローブの精製も実施例
1に記載した条件で行った。
【0030】精製したリンカー付きプローブ3nモルを
8μlの滅菌水に溶解した。この溶液に0.2M−Na
HCO3 /4mM−EDTA溶液8μlを加えた後、ジ
サクシニミジルスベレイト(Pierce社)(以下、
DSSと称す)のジメチルスルホキシド溶液(10mg/
ml)50μlを加え、室温で暗所にて15分間反応させ
た。反応終了後、反応液に滅菌水30μlを加えて遠心
し、上清をHPLC(東ソ−G3000PWカラム;移
動相=水)にかけ、DSSと結合したDNA(以下、修
飾リンカーDNAと称す)を分取し、凍結乾燥した。乾
燥した修飾リンカーDNAにアルカリホスファターゼ
(ベーリンガーマンハイム社のEIA用試薬を2倍に濃
縮して調製した試薬:20mg/ml:以下、APと称す)
40μlを加え、室温で暗所にて16時間反応させた。
反応終了後、0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4)で
未反応のAPを除き、0.33M−NaClを含む0.
1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4)で目的のAP標識D
NAを溶出した。分取した精製AP標識DNAの溶出液
(約6ml)を3M−NaClを含む0.1Mトリス塩酸
緩衝液(pH8.4)に対して透析した後、1mlに濃縮し
た。この濃縮物をAP標識プローブとして後記の実施例
5等で用いた。
【0031】実施例3:PCR法によるEBV−DNA
の増幅及び検出感度 精製したEBV−DNA〔EBV感染細胞株(東京医科
歯科大学難治疾患研究所保存;No.MDH0601)
から採取したDNAを精製した〕の希釈列(5pg〜
0.00005pg)を調製して試料とした。試料5μ
lに、GeneAmp DNA Amplificat
ionキット(宝酒造)の10×PCR用緩衝液5μ
l、dNTP混合液8μl、20倍希釈したTaqポリ
メラーゼ(AmpliTaqDNAポリメラーゼ、シー
タス社)溶液5μl、前記実施例1で調製したプライマ
ーを各0.4μMを加え、滅菌水で全量を50μlに調
製した後、DNAサーマルサイクラー(Perkin
Elmer Cetus社)を用いて、1サイクルが
(1)94℃で1分間、(2)60℃で2分間、及び
(3)72℃で3分間の処理工程を30サイクル行い、
最後に72℃で7分間の処理を行うプログラムでDNA
の増幅を行った。
【0032】実施例4:電気泳動による増幅DNAの確
電気泳動用のゲルは、トリス塩基5.4g、硼酸2.7
g、及び0.5M−EDTA2mlを含む緩衝液(pH8.
0)(以下、0.5×TBEと称す)1リットルにアガ
ロース1.8%又は0.7%を溶解し、ミューピッド
(アドバンス社)のゲルプレートに流して調製した。次
に、実施例3においてPCR反応の終了した溶液10μ
lに、0.25%プロモフェノールブルー及び15%フ
ィコール(ファルマシア社)の溶液2μlを混合し、そ
の混合溶液全量をサンプルウエルに入れた。0.5×T
BEを電極槽に入れて、室温で100Vにて、45分間
電気泳動した。電気泳動終了後、アガロースをエチジウ
ムブロマイドで染色し、UVイルミネーター照射下で電
気泳動の結果を観察したところ、195bp、134b
p、157bp及び318bpにバンドを確認すること
ができた。結果を図1に示す。図1のBamHI−1
〔上段〕は前記第1プライマー(1a’)と第2プライ
マー(2a’)とを用いた場合、BamHI−2〔上
段〕は前記第1プライマー(1b’)と第2プライマー
(2b’)とを用いた場合、EBER〔上段〕は前記第
1プライマー(1c’)と第2プライマー(2c’)と
を用いた場合、そしてLMP〔上段〕は前記第1プライ
マー(1d’)と第2プライマー(2d’)とを用いた
場合にそれぞれ相当する。エチジウムブロマイド染色で
は、プライマー(1a’)とプライマー(2a’)、及
びプライマー(1b’)とプライマー(2b’)との組
み合わせでは0.005pgまで検出でき、プライマー
(1c’)とプライマー(2c’)、及びプライマー
(1d’)とプライマー(2d’)との組み合わせでは
0.05pgまで検出できた。
【0033】実施例5:サザンブロットハイブリッド法
による増幅DNAの確認 前記実施例4で電気泳動を確認した後、1M−NaCl
を含む0.5N−NaOH溶液500mlにアガロースゲ
ルを30分間浸漬させ、次に、1.5M−NaClを含
む0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4)500mlにア
ガロースゲルを移して30分間中和した。中和したアガ
ロースゲルを20×SSCで濡らした濾紙(ワットマン
社)(濾紙の両端を20×SSCに漬けておく)の上に
置き、そのアガロースゲルの上に滅菌水で濡らしたナイ
ロンフィルター(Hybond−N+ 、アマーシャム
社)を載せ、更に、キムタオル(十條キンバリー社)を
約5cmの高さに載せて、約500gの負荷をかけて室温
で16時間放置して、DNAをアガロースゲルからフィ
ルターにブロッティングした。フィルターを減圧下で1
時間乾燥させた後、80℃で1時間ベーキングした。次
に、サルコシン0.1%、SDS0.5%、核酸ハイブ
リダイゼーション用ブロッキング剤(ベーリンガーマン
ハイム社)5%、及びホルムアミド30%を含む5×S
SC(以下、ハイブリダイゼーション用緩衝液と称す)
中で前記のフィルターを37℃で1時間放置した後、実
施例2で調製したAP標識プローブ(3pモル)を加え
たハイブリダイゼーション用緩衝液5mlに前記のフィル
ターを移し、37℃で一夜反応させた。AP標識プロー
ブとのハイブリダイゼーション処理が済んだフィルター
を2×SSC100mlで室温で5分間の洗浄を3回行
い、次に、0.1%SDSを含む2×SSC100ml中
で42℃で45分間静置した。更に、2×SSC100
ml中で室温で5分間の洗浄を3回行った。最後に、0.
1M−NaCl、10mM−MgCl2 を含む0.1Mト
リス塩酸緩衝液(pH9.5)(以下、発色液と称す)に
30秒間〜1分間フィルターを浸漬して馴染ませた。
【0034】ニトロブルーテトラゾリウム(ベーリンガ
ーマンハイム社)75mgを30%滅菌水−70%ジメチ
ルホルムアミド混合液1mlに溶解した溶液(以下、NB
T溶液と称する)を調製した。また、5−ブロモ−4−
クロロ−3−インドリルリン酸(ベーリンガーマンハイ
ム社)50mgをジメチルホルムアミド混合液1mlに溶解
した溶液(以下、BCIP溶液と称する)を調製した。
前記発色液に馴染ませたフィルターの入ったプラスチッ
クバッグに、NBT溶液40μl、及びBCIP40μ
lを加えた発色液10mlを入れ、37℃で5分間〜5時
間静置して発色させた。APの反応は、10mM−EDT
Aを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)50mlに
フィルターを浸漬することで停止させた。この結果、1
95bpのバンドにはプローブA’がハイブリダイズ
し、そして134bpのバンドにはプローブB’が、1
57bpのバンドにはプローブC’が、更に318bp
のバンドにはプローブD’がそれぞれハイブリダイズし
たことを確認することができた。結果を図1に示す。図
1のBamHI−1〔下段〕はプローブA’、BamH
I−2〔下段〕はプローブB’、EBER〔下段〕はプ
ローブC’、そしてLMP〔下段〕はプローブD’をそ
れぞれ用いた場合に相当する。サザンブロットハイブリ
ッド法では、プライマー(1a’)とプライマー(2
a’)、及びプライマー(1b’)とプライマー(2
b’)との組み合わせで増幅させたDNAを、それぞれ
プローブA’、及びプローブB’で反応させた場合は
0.0005pgまで検出でき、プライマー(1c’)
とプライマー(2c’)、及びプライマー(1d’)と
プライマー(2d’)との組み合わせで増幅させたDN
Aを、それぞれプローブC’、及びプローブD’で反応
させた場合は0.005pgまで検出できた。
【0035】実施例6:EBV及びその他のウイルスに
対するプライマーの特異性 本発明によるEBV増幅用プライマーの特異性を調べ
た。ウイルスとしては、ヒトサイトメガロウイルス(H
CMV:Towne株)、単純ヘルペスウイルス−I型
(HSV−I:HF株)、単純ヘルペスウイルス−II型
(HSV−II:UW268株)、バリセロ−ゾースター
ウイルス(VZV:帯状性泡しん分離株:H−N3
株)、エプスタイン−バールウイルス(EBV:B95
−8株)、及びHHV−6(突発性発疹分離株)を用
い、実施例3記載の条件でPCR法によるDNA増幅を
行い、交差反応の有無を調べた。結果を図2に示す。図
2のBamHI−1は前記第1プライマー(1a)と第
2プライマー(2a)とを用いた場合、BamHI−2
は前記第1プライマー(1b)と第2プライマー(2
b)とを用いた場合、EBERは前記第1プライマー
(1c)と第2プライマー(2c)とを用いた場合、そ
してLMPは前記第1プライマー(1d)と第2プライ
マー(2d)とを用いた場合にそれぞれ相当する。EB
V−DNAのみに各プライマーで増幅された特異的なD
NAバンドが検出され、EBV以外のウイルスDNAと
は交差反応をしないことが示された。
【0036】実施例7:EBV非感染細胞株及びEBV
分離株を用いたプライマーの特異性 EBV非感染細胞株及びEBV分離株を用いてプライマ
ーの特異性を調べた。EBV非感染細胞としては、BJ
AB株(東京医科歯科大学難治疾患研究所保存No.M
DH0101)及びMolt4株(東京医科歯科大学難
治疾患研究所保存No.MDH0200)を、また、E
BV感染細胞としては、Raji株(東京医科歯科大学
難治疾患研究所保存No.MDH0301)、P3HR
−1株(東京医科歯科大学難治疾患研究所保存No.M
DH0401)、B95−8株(東京医科歯科大学難治
疾患研究所保存No.MDH0601)及びAKATA
株(東京医科歯科大学難治疾患研究所保存No.MDH
0501)を用い、実施例3記載の条件でPCR法によ
るDNA増幅を行い、ヒトリンパ球のDNAとの交差反
応の有無、及びウイルス感染細胞中のEBV−DNAを
検出できるかどうかを調べた。結果を図3に示す。図3
のBamHI−1、BamHI−2、EBER、及びL
MPは前記図2と同じ意味である。EBV非感染細胞で
あるBJAB及びMolt4細胞株のDNAでは特異的
反応によるDNAバンドは検出されなかった。また、E
BV感染細胞では、全てのプライマーの組合せで特異的
なDNAバンドが検出され、これら本発明によるプライ
マーは、EBV−DNAがよく保存されている領域に設
定されていることが示された。
【0037】実施例8:EBV感染患者由来試料中のE
BV−DNAの検出 以下の被検試料を調製した。即ち、EBVを含有する伝
染性単核症患者から採取した血液中の単核球画分(1×
106 個)に滅菌水1mlを加えて試料とした。試料5μ
lを用いて実施例3〜5と同様に操作を行った結果、エ
チジウムブロマイド染色によると、195bp、134
bp、157bp及び318bpにバンドを観察するこ
とができた。更に、サザンブロットハイブリッド法によ
ると、195bpにはプローブA’が、134bpには
プローブB’が、157bpにはプローブC’が、31
8bpにはプローブD’が、それぞれハイブリダイズし
たことを確認することができた。
【0038】実施例9:AP標識プローブによるEBV
−DNAの検出 EBV産生細胞であるB95−8細胞株(東京医科歯科
大学難治疾患研究所保存No.MDH0601)を10
%牛胎児血清を含むRPMI1640培地(日水製薬)
で5%CO2 存在下で37℃で1週間継代培養した。培
養したB95−8細胞株を遠心して細胞を集め、1×1
6 細胞/mlになるようにPBSに懸濁し、スライドグ
ラスに10μlのせた後、風乾した。乾燥したスライド
グラスをPBSで室温で5分間洗浄し、更に乾燥させ
た。このスライドグラスを4%ホルマリン/0.1M燐
酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)〔以下、0.1M燐酸
ナトリウム緩衝液(pH7.2)をNaPBと称す〕に室
温で5分間漬けた。0.1M−NaPBで室温で各3分
間、3回洗浄し、2×SSC(pH7.0)に室温で5分
間浸漬し、RNase(宝酒造)2mgを溶解したPBS
1mlを細胞上に広げ、湿箱中で37℃で1時間放置し、
0.1M−NaPBで室温で3分間洗浄し、4%ホルマ
リン/NaPBに室温で5分間漬けた。次に、0.1M
−NaPBで室温で各3分間、3回洗浄し、0.2N−
HClに室温で5分間漬けた後に、0.1M−NaPB
で3分間洗浄した。次に、70%、90%、及び100
%エタノールに室温で各3分間浸漬して脱水し、クロロ
ホルムに室温で10分間浸漬した。最後に、100%エ
タノールに室温で3分間づつ2回浸漬し、風乾した。乾
燥した細胞を0.07N−NaOHに2分間浸漬し、最
後に、0.1M−NaPBで室温で3分間洗浄した。
【0039】10%デキストラン硫酸ナトリウム塩、3
0%ホルムアミド、0.025%鮭精子DNA、及び1
×デンハルト溶液を含む2×SSC100μlに、実施
例2で調製したAP標識プローブ(プローブA’又はプ
ローブB’)2pモルを溶解してスライドグラス上に広
げ、湿箱中で37℃で約16時間静置した。次に、2×
SSCで室温で10分間洗浄し、0.1mM−ZnCl2
を含む1×SSCで45℃で1.5〜2時間静置した。
30分毎に新鮮な洗浄液に交換した。0.1mM−ZnC
2 を含む1×SSCで室温で10分間浸漬した後、
0.1mM−ZnCl2 と10mM−MgCl2 とを含む
0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH9.5)(以下、AP緩
衝液と称す)に3分間浸漬した。
【0040】AP緩衝液1mlにNTB溶液4μl及びB
CIP溶液4μlを加えて混合し、その混合溶液約20
0μlを前記のスライドグラス上に広げ、湿箱中で25
℃〜30℃で約24時間反応させた。発色は10mM−E
DTAを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)で5
分間処理して停止し、10mM−EDTA、10mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)を含む90%グリセロール溶液
で封入して顕微鏡で観察した。これらの結果を図4に示
す。B95−8細胞株はEBV−DNAを含んでおり、
プローブA’あるいはプローブB’のどちらを使用して
もEBV−DNAが検出されることが示された。
【0041】
【発明の効果】本発明方法によれば、EBV−DNAに
特異的なプライマーやプローブを用いるので、EBVの
迅速かつ正確な測定が可能である。
【0042】
【配列表】
【0043】配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: GTGCAGTAAC AGGTAATCTC TGGTA
【0044】配列番号:2 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: ATAGCAGCAG CGCAGCCAAC CATAG
【0045】配列番号:3 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: CAAGAACCCA GACGAGTCCG TAGAA
【0046】配列番号:4 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: AAGAAGCATG TATACTAAGC CTCCC
【0047】配列番号:5 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: CTACGCTGCC CTAGAGGTTT TGCTA
【0048】配列番号:6 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: ATGCGGACCA CCAGCTGGTA CTTGA
【0049】配列番号:7 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: TTATGAGTGA CTGGACTGGA GGA
【0050】配列番号:8 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: GTTAGATCTT ACCAAGTAAG CA
【0051】配列番号:9 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: AAAGTCCTCC AGAGCTCTAA AGTGTCAGAT TTCGGGTCCA
【0052】配列番号:10 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: GAGGTCAGGT TACTTACCCC TGAAGGTGAA CCGCTTACCA
【0053】配列番号:11 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: AGCAGAGTCT GGGAAGACAA CCACAGACAC CGTCCTCACC
【0054】配列番号:12 配列の長さ:40 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: AATTCCAAGG AACAATGCCT GTCCGTGCAA ATTCCAGAGA
【図面の簡単な説明】
【図1】PCR法によるEBV−DNAの検出感度を調
べた電気泳動及びそのサザンブロットハイブリッドの結
果を示す図面に代わる写真である。レーン1はEBV−
DNA5pg、レーン2はEBV−DNA0.5pg、
レーン3はEBV−DNA0.05pg、レーン4はE
BV−DNA0.005pg、レーン5はEBV−DN
A0.0005pg、レーン6はEBV−DNA0.0
0005pg、MはPHYDNA分子量マーカーであ
る。
【図2】EBV及びその他のウイルスのDNAを用いて
プライマーの特異性を調べた電気泳動の結果を示す図面
に代わる写真である。レーン1はEBV−DNA、レー
ン2はHSV−I−DNA、レーン3はHSV−II−D
NA、レーン4はHCMV−DNA、レーン5はVZV
−DNA、レーン6はHHV−6−DNA、MはPHY
DNA分子量マーカーである。
【図3】EBV非感染細胞株及びEBV感染細胞株のD
NAを用いてプライマーの特異性を調べた電気泳動の結
果を示す図面に代わる写真である。レーン1はBJAB
細胞株、レーン2はMolt4細胞株、レーン3はRa
ji細胞株、レーン4はB95−8細胞株、レーン5は
P3HR−1細胞株、レーン6はAKATA細胞株、M
はPHYDNA分子量マーカーである。
【図4】プローブA’及びB’でEBV−DNAを検出
した結果を示す図面に代わる写真である。(A)はプロ
ーブA’、(B)はプローブB’を用いたin sit
uハイブリダイゼーションによるB95−8細胞株中の
EBV−DNAの検出である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜多 寛 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株式会社ヤトロン内 (56)参考文献 特開 昭61−257188(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/09 C12Q 1/68 - 1/70 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列表における配列番号1の配列
    で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含有
    する第1のDNAプライマーと配列表における配列番号
    2の配列で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチ
    ドを含有する第2のDNAプライマーとの組合せ、及び (b)配列表における配列番号3の配列で表される塩基
    配列からなるオリゴヌクレオチドを含有する第1のDN
    Aプライマーと配列表における配列番号4の配列で表さ
    れる塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含有する第
    2のDNAプライマーとの組合せからなる群から選ん
    だ、第1のプライマーと第2のプライマーとの組合せ少
    なくとも1種とDNAポリメラーゼと水性液体被検試料
    とを含む混合液をDNA増幅工程にかけ、 続いて得られた反応液を、配列表における配列番号9又
    は配列番号10で表される塩基配列からなるオリゴヌク
    レオチドを含有し、標識を担持するプローブを用いるD
    NA検査工程にかけることを特徴とする、エプスタイン
    −バールウイルスの検出方法。
JP14617892A 1992-05-13 1992-05-13 エプスタイン−バールウイルスの検出方法 Expired - Lifetime JP3360737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14617892A JP3360737B2 (ja) 1992-05-13 1992-05-13 エプスタイン−バールウイルスの検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14617892A JP3360737B2 (ja) 1992-05-13 1992-05-13 エプスタイン−バールウイルスの検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05309000A JPH05309000A (ja) 1993-11-22
JP3360737B2 true JP3360737B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=15401904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14617892A Expired - Lifetime JP3360737B2 (ja) 1992-05-13 1992-05-13 エプスタイン−バールウイルスの検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3360737B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19627932A1 (de) * 1996-07-11 1998-01-15 Boehringer Mannheim Gmbh Sensitiver Epstein-Barr-Virus DNA-Nachweis
ATE429517T1 (de) * 1998-03-04 2009-05-15 Biomerieux Bv Vervielfältigung und nachweis von ebv barf1 zur diagnose von nasopharyngealen karzinom
CN105039595A (zh) * 2015-07-27 2015-11-11 慈溪市人民医院 一种鼻咽癌相关eb病毒检测试剂盒及检测方法
WO2020028631A1 (en) * 2018-08-01 2020-02-06 Gen-Probe Incorporated Compositions and methods for detecting nucleic acids of epstein-barr virus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05309000A (ja) 1993-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
MacMahon et al. Epstein-Barr virus in AIDS-related primary central nervous system lymphoma
Viscidi et al. Novel chemical method for the preparation of nucleic acids for nonisotopic hybridization
EP0777674B1 (en) Polynucleotide reagents having nonnucleotidic moieties, and associated methods of synthesis and use
Kimura et al. Detection and direct typing of herpes simplex virus by polymerase chain reaction
Chmielewicz et al. Detection and multigenic characterization of a novel gammaherpesvirus in goats
Brousset et al. Persistence of the same viral strain in early and late relapses of Epstein-Barr virus-associated Hodgkin's disease
Henson et al. Amplification of JC virus DNA from brain and cerebrospinal fluid of patients with progressive multifocal leukoencephalopathy
EP0425995B1 (en) Use of conserved oligonucleotide primers to amplify human papillomavirus DNA sequences
Forghani et al. Rapid detection of herpes simplex virus DNA in human brain tissue by in situ hybridization
Ambinder et al. Oligonucleotides for polymerase chain reaction amplification and hybridization detection of Epstein-Barr virus DNA in clinical specimens
AU757404B2 (en) Oligonucleotides for the amplification and detection of epstein barr virus (EBV) nucleic acid
JP3167138B2 (ja) 単純ヘルペスウイルスの型特異的検出方法
JP3360737B2 (ja) エプスタイン−バールウイルスの検出方法
Peterson et al. Typing of herpes simplex virus with synthetic DNA probes
US20040214161A1 (en) Detection of Epstein Barr virus
Nago et al. Detection of herpes simplex virus type 1 in herpetic ocular diseases by DNA‐DNA hybridization using a biotinylated DNA probe
JP2000032992A (ja) ヒトサイトメガロウイルスの検出方法
JP3113321B2 (ja) エプスタインバーウイルスの検出方法
JPH07203996A (ja) ヒト単純疱疹ウイルス検出用オリゴヌクレオチドおよびその用途
JP3536934B2 (ja) ヒトヘルペスウイルス検出用オリゴヌクレオチドおよびその用途
JP3414766B2 (ja) 単純ヘルペスウイルス2型の特異的検出方法
Chantratita et al. Rapid detection of herpes simplex virus DNA by in situ hybridization with photobiotin-labelled double-stranded DNA probes
KR20090106414A (ko) 게놈 dna 단편의 증폭 또는 결실의 검출방법
JPH05317099A (ja) ヒトサイトメガロウイルスの検出方法
JPH06225800A (ja) ヒトαヘルペスウイルス検出用オリゴヌクレオチド、ヒトαヘルペスウイルス検出法及び検出用試薬キット

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081018

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091018

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101018

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111018

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121018

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121018

Year of fee payment: 10