JPH05317099A - ヒトサイトメガロウイルスの検出方法 - Google Patents

ヒトサイトメガロウイルスの検出方法

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JPH05317099A
JPH05317099A JP41580790A JP41580790A JPH05317099A JP H05317099 A JPH05317099 A JP H05317099A JP 41580790 A JP41580790 A JP 41580790A JP 41580790 A JP41580790 A JP 41580790A JP H05317099 A JPH05317099 A JP H05317099A
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dna
formula
primer
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JP41580790A
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English (en)
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Kanji Hirai
莞二 平井
Takashi Hironaka
孝史 弘中
Masaki Yamaguchi
優樹 山口
Hiroshi Kita
寛 喜多
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Takara Shuzo Co Ltd
Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水性液体被検試料中のヒトサイトメガロウイ
ルスの検出において、式(1a) (5’)−TATACCCAGACGGAAGAGAA
ATTCA−(3’) または式(1b) (5’)−ATGAAGTGTATTGGGCTAAC
TATGC−(3’) の第1のDNAプライマーおよび式(2a) (5’)−TTCTCCTAAGTTCATCCTTT
TTAGC−(3’) または式(2b) (5’)−ATAAGCCATAATCTCATCAG
GGGAG−(3’) の第2のDNAプライマーの組み合わせ、あるいは、式
(1c) (5’)−TGACGCGCATACATCCCGAG
TACAT−(3’) の第1のDNAプライマーおよび式(2c) (5’)−ATGACGTTGCTCCGTGGAAA
GAGACC−(3’) の第2のDNAプライマーの組み合わせと、を用いてD
NA増幅工程を行う。また、DNA検査工程において、
式(3) (5’)−CTCCTTAATACAAGCCATCC
ACATCTCCCG−(3’) のプローブ、式(4) (5’)−GCTGTCGGTGTTCCAAATGA
ACGGCCTGAT−(3’) のプローブ、または式(5) (5’)−GACTT CTTCA CCCTG TT
CTT CCTCG CTATC−(3’) のプローブを用いる。 【効果】 迅速かつ確実で、特異的なCMVの検出が可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトサイトメガロウイ
ルス(Cytomegalovirus;以下、CMV
と称することがある)の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトサイトメガロウイルス(CMV)
は、ヘルペスウイルス科に属するウイルスの一種で、成
人の大多数がこれに感染している。多くの人が、先天的
に出産直後に感染するが、不顕性感染が多いので、特に
病状は現れない。後天的には、尿、唾液、母乳または精
液を感染原とする接触感染と、輸血または臓器移植によ
る医原性感染がある。CMVは生涯にわたって生体内に
潜伏し、宿主側のファクターによってCMVが再活性化
される場合や異抗原CMVの再感染も見られる。特に、
悪性腫瘍、AIDS患者や臓器移植を受ける者、大量輸
血を受ける者、妊婦などにCMVの再活性化が見られ、
その病状は肝疾患、肝腫、脾腫、肺炎などの感染症、下
痢、嘔吐などの軽いものから致命的なものまで多彩であ
り、CMV感染を確定的に診断することは臨床的に極め
て重要である。
【0003】従来から、CMVの検出方法としては生体
液(尿、唾液等)からCMVを分離して同定する方法や
中和試験法が行われているが、結果を得るまでに2〜3
週間もかかり、急を要する場合にはその結果を治療に利
用できないことがあった。また、血清学的な検出方法で
は、CMVには不顕性感染が多いために急性期や回復期
の血清を採取することができないので、適当な間隔で採
取した血液を用いてIgGやIgMの消長をみるしか方
法がなかった。従って、その結果からウイルスの存在ま
たは不在を判断することは難しかった。一方、新生児の
先天性感染症の診断、臓器移植または免疫機能の低下等
の場合にはCMVの存否の判定を短時間に下すことが要
求されることが多いにもかかわらず、これらの要望に満
足に応じることのできる方法は従来なかった。従って、
短時間に、高精度でCMVの診断を可能にする手法およ
び体外診断薬の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、迅速かつ
確実にCMVを検出するために、CMVに特異的な各種
の塩基配列を検索し、その配列に相補的なDNA断片を
合成して、CMVのプローブやプライマーとしての評価
を行ったところ、CMVのDNAおよびRNAと特異的
にハイブリダイズするプローブやプライマーとして用い
ることができるものを見出した。本発明はかかる知見に
基づくものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、式
(1a) (5’)−TATAC CCAGA CGGAA GAGAA ATTCA−( 3’) (1a) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第1のDNAプライマー〔以下、プライマー
(1a)と称することがある〕または式(1b) (5’)−ATGAA GTGTA TTGGG CTAAC TATGC−( 3’) (1b) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第1のDNAプライマー〔以下、プライマー
(1b)と称することがある〕および式(2a) (5’)−TTCTC CTAAG TTCAT CCTTT TTAGC−( 3’) (2a) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第2のDNAプライマー〔以下、プライマー
(2a)と称することがある〕または式(2b) (5’)−ATAAG CCATA ATCTC ATCAG GGGAG−( 3’) (2b) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第2のDNAプライマー〔以下、プライマー
(2b)と称することがある〕の組み合わせ、あるい
は、式(1c) (5’)−TGACG CGCAT ACATC CCGAG TACAT−( 3’) (1c) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第1のDNAプライマー〔以下、プライマー
(1c)と称することがある〕および式(1c) (5’)−ATGAC GTTGC TCCGT GGAAA GAGAC C −(3’) (2c) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第2のDNAプライマー〔以下、プライマー
(2c)と称することがある〕の組み合わせと、DNA
ポリメラーゼと、水性液体被検試料とを含む混合液をD
NA増幅工程にかけ、続いて、得られた反応液をDNA
検査工程にかけること特徴とする、ヒトサイトメガロウ
イルスの検出方法に関する。本明細書の塩基配列におい
て、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニンそして
Tはチミンの意味である。
【0006】本発明方法で用いる液体被検試料は、CM
Vを含有している疑いのある試料であれば特に制限され
ない。例えば、尿、咽頭拭い液、産道拭い液、血液、固
定化遊離細胞、組織切片等を用いることができる。
【0007】本発明による前記のCMV検出方法は、主
に、(1)DNA増幅工程と、(2)DNA検査工程と
からなる。このDNA増幅工程(1)では、PCR(P
olymerase chain reaction)
法を用いることができる。PCR法を利用すると、微量
のDNAから、目的とするDNA領域のみを自動的に約
100万倍にまで増幅することができる(Scienc
e、239:487−491,1988)。PCR法で
は、増幅させるDNA領域を挟んで+鎖に対するプライ
マー(以下、第1プライマーと称する)および−鎖に対
するプライマー(以下、第2プライマーと称する)の2
種のDNAプライマーを用いる。
【0008】本発明のDNA増幅工程(1)で用いる第
1プライマーと第2プライマーとの組み合わせとして
は、(イ)第1プライマー(1a)と第2プライマー
(2a)、(ロ)第1プライマー(1a)と第2プライ
マー(2b)、(ハ)第1プライマー(1b)と第2プ
ライマー(2a)、(ニ)第1プライマー(1b)と第
2プライマー(2b)、および(ホ)第1プライマー
(1c)と第2プライマー(2c)の5種の組み合わせ
があり、これらの組み合わせのいずれか1種を単独で用
いるか、または2種以上を同時に用いることができる。
【0009】本発明による前記の各プライマーを前記の
組み合わせ(イ)〜(ニ)で用いると、CMVの全DN
A領域の中で、Immediate Early 1
(以下、IE1と称す)と称されるタンパク質をコード
するDNA領域のみを特異的に増幅することができる。
具体的には、組み合わせ(イ)によってIE1遺伝子の
一部に相当する287bp部分が、組み合わせ(ロ)に
よってIE1遺伝子の一部に相当する426bp部分
が、組み合わせ(ハ)によってIE1遺伝子の一部に相
当する182bp部分が、そして組み合わせ(ニ)によ
ってIE1遺伝子の一部に相当する321bp部分が、
それぞれ特異的に大量に増幅される。また、前記の組み
合わせ(ホ)を用いると、CMVの全DNA領域の中
で、リン酸化タンパク質(pp71)をコードするDN
A領域のみを特異的に増幅することができる。具体的に
は、pp71遺伝子の一部に相当する316bp部分が
特異的に大量に増幅される。IE1は遺伝子地図上0.
75m.u.付近に存在し、pp71は遺伝子地図上
0.53m.u.付近に存在する。
【0010】前記の第1プライマーおよび第2プライマ
ーはそれぞれ15mer〜30merであることができ
るが、一般的には20mer〜25merであるのが好
ましい。15mer未満であるとアニーリングの際の特
異性が減少し、非特異的結合が増加する。また、30m
erを越えるとプライマー分子間あるいは分子内での二
次構造を取りやすくなるので好ましくない。本発明方法
で用いる第1プライマーおよび第2プライマーのそれぞ
れを構成する各塩基は、公知の任意の態様で修飾(例え
ば、ビオチン化または発光物質によるラベル化)されて
いてもよい。
【0011】本発明による前記のそれぞれの第1プライ
マーおよび第2プライマーは、通常のDNA自動合成機
(例えばアプライドバイオシステム社製)を用いて、公
知のDNA合成法(例えばホスホアミダイト法)によっ
て調製することができる。
【0012】本発明のDNA増幅工程(1)では、第1
プライマーおよび第2プライマーと共に、DNAポリメ
ラーゼ、特には耐熱性DNAポリメラーゼを用いて増幅
サイクルを繰り返す。耐熱性ポリメラーゼとしては、特
に95℃までの温度で活性を維持することのできるDN
Aポリメラーゼ、例えば、市販のTaqポリメラーゼを
用いることができる。
【0013】本発明のDNA増幅工程では前記の第1プ
ライマーと第2プライマーとの特定の組み合わせ、DN
Aポリメラーゼおよび液体被検試料を含む混合液を用い
る。第1プライマー、第2プライマーおよびDNAポリ
メラーゼの使用量は、液体被検試料の種類によって変化
するが、PCR法によるDNA増幅工程を実行すること
ができる範囲で容易に決定することができる。この混合
液は場合により、緩衝液(例えば、トリス塩酸緩衝
液)、安定化剤(例えば、ゼラチン)、または塩類(例
えば、塩化ナトリウム)を含有することができる。
【0014】本発明方法では、前記の混合液を用いてP
CR法の増幅サイクルを実施する。増幅サイクルは、 (i)DNAの変性工程(約90℃〜95℃で、約10
秒〜約2分間) (ii)1本鎖DNAの第1プライマーおよび第2プライ
マーとのアニーリング工程(約37℃〜70℃で、約3
0秒〜約3分間)、および (iii )DNAポリメラーゼによるDNA合成工程(約
65℃〜80℃で、約30秒〜約5分間)とからなる。
1サイクル毎にDNA量は2倍に増幅され、nサイクル
後には2n 倍に増幅される。本発明においては、前記の
増幅サイクルを10〜60回、好ましくは20〜40回
繰り返す。最後のサイクルにおいては、工程(iii )で
加熱時間を約5〜10分間に延長してDNA合成が完全
に行われるようにするのが好ましい。
【0015】被検試料中にCMVが存在する場合には、
前記の増幅サイクル終了後に、約50〜500bpのD
NAが大量に合成される。このDNAを次のDNA検査
工程によって検出する。
【0016】DNA検査工程としては、ゲル電気泳動法
およびエチジウムブロマイド染色を利用する方法、サザ
ンブロットハイブリッド法、またはジデオキシ法による
塩基配列決定法などを用いることができる。ゲル電気泳
動法を行う場合には、例えば、アガロースゲルを担体と
したサブマリーン型電気泳動、またはアクリルアミドを
用いたスラブ型電気泳動を使用することができる。
【0017】サザンブロットハイブリッド法、またはi
n situハイブリッド法を行う場合には、非放射性
プローブ(例えば、酵素標識プローブ、ビオチン化プロ
ーブ、ジゴキシゲニン化プローブまたは化学発光物質、
蛍光物質でラベルしたプローブ)を用いることができ
る。
【0018】更に、ジデオキシ法による塩基配列決定法
を利用する場合には、蛍光ラベルを使用したDNAオー
トシークエンサー(アプライドバイオシステムズ社)を
用いることができる。
【0019】本発明は、更に、CMV−DNAの特異的
な検出に用いることのできる3種類のDNAプローブを
提供するものでもある。これらのDNAプローブは、式
(3) (5’)−CTCCT TAATA CAAGC CATCC ACATC T CCCG−(3’) (3) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有するプローブ(以下、プローブAと称することがあ
る)、および式(4) (5’)−GCTGT CGGTG TTCCA AATGA ACGGC C TGAT−(3’) (4) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有するプローブ(以下、プローブBと称することがあ
る)、および式(5) (5’)−GACTT CTTCA CCCTG TTCTT CCTCG C TATC−(3’) (5) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有するプローブ(以下、プローブCと称することがあ
る)である。これらのプローブを単独で、または2種づ
つを組み合わせて、更に3者を同時に用いることができ
る。また、これらのプローブを用いるDNA検査工程
は、プライマー(1a)〜(1c)とプライマー(2
a)〜(2c)との組み合わせを用いる前記のDNA増
幅工程と組み合わせて、あるいは組み合わせず単独に実
施することができる。
【0020】前記のプローブAは、IE1をコードする
遺伝子のエクソン4部分に特異的である。プローブAの
長さは被検試料に対する前処理の種類によって異なる。
被検試料がPCR法によるDNA増幅工程を経たもので
ある場合には、10bp乃至PCR法で増幅されるDN
A断片の大きさまでであることができる。また、被検試
料がPCR法のDNA増幅工程を経たものでなく、プロ
ーブAをin situハイブリッド法に用いる場合に
は、プローブAの長さは10bp乃至エクソン4部分の
全DNA(1221bp)の大きさまで可能である。式
(3)で表される塩基配列のDNAプローブ(30me
r)は、被検試料がPCR法によるDNA増幅工程を経
たものであっても、あるいはin situハイブリッ
ド法の場合であっても、いずれにも用いることができる
ので好ましい。
【0021】前記のプローブBは、リン酸化タンパク質
(pp71)をコードする遺伝子に特異的である。プロ
ーブBの長さも被検試料に対する前処理の種類によって
異なり、被検試料がPCR法によるDNA増幅工程を経
たものである場合には、10bp乃至PCR法で増幅さ
れるDNA断片の大きさまでであることができる。ま
た、in situハイブリッド法に用いる場合には、
プローブBの長さは10bp乃至pp71cDNA(1
680bp)の大きさまで可能である。式(4)で表さ
れる塩基配列のDNAプローブ(30mer)は、被検
試料がPCR法によるDNA増幅工程を経たものであっ
ても、あるいはin situハイブリッド法の場合で
あっても、いずれにも用いることができるので好まし
い。
【0022】前記のプローブCは、IE1をコードする
遺伝子のエクソン5部分に特異的である。プローブCは
in situハイブリッド法に用いる。プローブCの
長さは、10bp乃至エクソン5部分の全DNA(58
5bp)の大きさまで可能である。
【0023】プローブA、プローブBおよびプローブC
の調製法としては、サクシノイミド(例えば、ジサクシ
ニミジルスベレイト)を用いる方法、更に、マレイミド
法、活性ハロゲン(Active Halogen)
法、アジドを用いた光反応、あるいはカルボジイミド法
を挙げることができる。
【0024】プローブA、プローブBおよびプローブC
の標識物質としては、従来公知の任意の物質を使用する
ことができる。好ましくは、非放射性物質(酵素、蛍光
色素、発光物質、ビオチン等)を用いる。標識化DNA
の合成法には、大別すると(1)DNAの合成過程で直
接的に標識化DNAを調製する方法と(2)リンカーが
結合したDNAを合成してから単離し、これに標識試薬
を作用させる方法とがあり、特に方法(2)は目的に応
じて標識の型を容易に変更でき、応用面で優れているの
で好ましい。方法(2)で用いるリンカーとしては、
5’−ジメトキシトリチル−5−〔N−(トリフルオロ
アセチルアミノヘキシル)−3−アクリルイミド〕−
2’−デオキシウリジン−3’−〔(2−シアノエチ
ル)−(N,N−ジイソプロピル〕]ホスホルアミダイ
ト等を挙げることができる。
【0025】プローブに結合されている標識から信号を
発生させ、更にその信号を測定する方法も、従来から公
知の任意の方法を用いることができる。
【0026】
【作用】本発明方法においては、被検試料中にCMVが
存在する場合にのみ、前記の第1プライマーと第2プラ
イマーとの組み合わせによりそれぞれIE1遺伝子の一
部分またはpp71遺伝子の一部分に相当する塩基部分
が短時間のうちに特異的に大量に増幅合成される。従っ
て、被検試料中におけるCMVの存在を極めて特異的に
検出することができる。更に、被検試料中のCMV量が
微量であってもDNAが増幅合成されるので高感度であ
る。
【0027】また、本発明方法においては、(場合によ
り増幅した)CMV−DNAに特異的な標識化DNAプ
ローブを用いるので、極めて正確にCMVを検出するこ
とができる。更に、前記の第1および第2プライマーを
用いる増幅工程と前記のプローブを用いる検査工程とを
併用すると、検査の所要時間はエチジウム染色の場合は
4〜5時間程度であり、サザンブロットハイブリッド法
まで行う場合でも48〜50時間程度であり、迅速に結
果を得ることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0029】実施例1:プライマーの合成 381A型自動DNA合成装置(アプライドバイオシス
テムズ社)に、アデニンCPGカラムを装着してプライ
マー(1a)を合成し、更に、シトシンCPGカラムを
装着してプライマー(1b)とプライマー(2a)とプ
ライマー(2c)とを合成し、グアニンCPGカラムを
装着してプライマー(2b)を合成し、そしてチミンC
PGカラムを装着してプライマー(1c)をそれぞれ合
成した。アンモニア水(約30%)2.5mlを入れたデ
ィスポシリンジ(2.5ml)を、合成工程が完了したC
PGカラムに接続し、アンモニア水をカラム内に押し出
して、合成したDNAフラグメントを溶出した。回収し
たDNAアンモニア溶液の入ったバイアル瓶を密栓し、
65℃で6時間加温した後、室温まで冷やしてから濃縮
した。濃縮物を凍結乾燥し、10mMトリエチルアンモ
ニウムアセテート(以下、TEA−Aと称す)(pH
7.4)に溶解し、沈澱を除いてから、L−6200型
高速液体クロマトグラフィー装置(日立製作所)(以
下、HPLCと称す)に分離用カラム(YMC−Pac
k ODS−AM313:YMC社)を装着し、5%ア
セトニトリルを含んだ95mM−TEA−Aとアセトニ
トリルとによる濃度勾配を用いて精製し、メインピーク
を集めた。得られた残渣に80%酢酸(アセトニトリル
で調整)を加えて懸濁させ、室温で30分間保持してか
ら減圧乾燥した。乾燥物を10mM−TEA−Aに溶解
し、ジエチルエーテルで抽出してから減圧乾燥した。乾
燥したDNA試料をTEA−Aに溶解し、沈澱を除いて
から、2回目のHPLCによる精製を行い、メインピー
クを集めた。こうして得られた精製DNAプライマーを
減圧乾燥して保存し、後記の実施例3で用いた。
【0030】実施例2:酵素標識プローブの調製 DNAプローブの合成は前記実施例1と同様の装置を用
い、同様の条件で行ったが、但し、プローブAの合成で
はグアニンCPGカラムを用いて5’末端から18番目
のTを、プローブBについてはチミンCPGカラムを用
いて5’末端から18番目のTを、そしてプローブCに
ついてはシトシンCPGカラムを用いて5’末端から1
7番目のTを、それぞれ5’−ジメトキシトリチル−5
−〔N−(トリフルオロアセチルアミノヘキシル)−3
−アクリルイミド〕−2’−デオキシウリジン−3’−
〔(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピ
ル)〕−ホスホルアミダイト(グレンリサーチ社)(以
下、リンカーと称す)に置き換えた。なお、リンカーの
位置はこの部位に限らず、他のチミン部位を置き換える
ことも可能である。リンカー付きプローブの精製も実施
例1に記載した条件で行った。
【0031】精製したリンカー付きプローブ3ナノモル
を8μlの滅菌水に溶解した。この溶液に0.2M−N
aHCO3 /4mM−EDTA溶液8μlを加えた後、
ジサクシニミジルスベレイト(Pierce社)(以
下、DSSと称す)のジメチルスルホキシド溶液(10
mg/ml)50μlを加え、室温で暗所にて15分間
反応させた。反応終了後、反応液に滅菌水30μlを加
えて遠心し、上清をHPLC(カラムとして東ソ−G3
000PWを用い、移動相に水を用いた)に通して、D
SSを結合したDNA(以下、装飾リンカーDNAと称
す)を分取し、凍結乾燥した。乾燥した装飾リンカーD
NAにアルカリホスファターゼEIA用(ベーリンガー
マンハイム社)を2倍に濃縮して調製した試薬:20m
g/ml(以下、APと称す)40μlを加え、室温で
暗所にて16時間反応させた。反応終了後、0.1Mト
リス塩酸緩衝液(pH8.4)2.5mlを加え、HP
LC(カラム:東ソ−DEAE−5PW)で処理した。
まず、0.1M−NaClを含む0.1Mトリス塩酸緩
衝液(pH8.4)で未反応のAPを除き、0.33M
−NaClを含む0.1Mトリス緩衝液(pH8.4)
で目的のAP標識DNAを溶出した。分取した精製AP
標識DNAの溶出液約6mlを3M−NaClを含む
0.1Mトリス緩衝液(pH8.4)に対して透析した
後、1mlに濃縮した。この濃縮物をAP標識プローブ
として後記の実施例4等で用いた。
【0032】実施例3:PCR法によるCMV−DNA
の増幅 サイトメガロウイルス(Towne株)を2.5ng/
30μlとなるように調製し、GeneAmp DNA
Amplificationキット(宝酒造)の10
×PCR用緩衝液5μlと、dNTP混合液8μlと、
20倍希釈したTaqポリメラーゼ(AmpliTaq
DNAポリメラーゼ:シータス社)液5μlと、前記
実施例1で調製したプライマー各1μMとを加え、滅菌
水で全体を50μlに調整した後、DNAサーマルサイ
クラー(Perkin Elmer Cetus社)を
用いて、1サイクルが(1)94℃で1分間、(2)6
0℃で2分間、および(3)72℃で3分間の処理から
なる工程を30サイクル行い、最後に72℃で7分間の
処理を行うプログラムでDNAの増幅を行った。
【0033】実施例4:電気泳動による増幅DNAの確
認 電気泳動用のゲルは、トリス塩基5.4gと硼酸2.7
5gと0.5M−EDTA2mlとを含む緩衝液(pH
8.0)(以下、0.5×TBEと称す)1リットルに
アガロースゲル1.8%または0.7%を溶解し、ムピ
ド(アドバンス社)のゲルプレートに流して調製した。
次に、PCR反応後の溶液10μlに、0.25%ブロ
モフェノールブルーおよびフィコールタイプ400(フ
ァルマシア社)の15%水溶液2μlを混合し、その混
合物全量をサンプルウエルに入れた。0.5×TBEを
電極槽に入れて、室温で100Vにて、45分間電気泳
動を行った。電気泳動終了後に、アガロースゲルをエチ
ジウムブロマイドで染色し、UVイルミネイター照射下
で電気泳動の結果を確認した。結果を図1に示す。図1
において、はDNAマーカー、は第1プライマー
(1a)と第2プライマー(2a)との組み合わせ
(イ)、は第1プライマー(1b)と第2プライマー
(2a)との組み合わせ(ハ)、は第1プライマー
(1b)と第2プライマー(2b)との組み合わせ
(ニ)、は第1プライマー(1a)と第2プライマー
(2b)との組み合わせ(ロ)、は第1プライマー
(1c)と第2プライマー(2c)との組み合わせ
(ホ)、そしては組み合わせ(ロ)と組み合わせ
(ホ)とを同時に使用した場合の、それぞれの増幅され
たバンド(図1のS領域)を示す。なお、DNAマーカ
ーは、下から250bp、500bp、650bp、9
00bp、1100bp、1410bp、2000bp
および5000bpである。また、R領域に現れるバン
ドはプライマーおよびその2量体と思われる。
【0034】図1から明らかなように、本発明による各
種プライマーを用いてPCR法を行うことによって、目
的とするCMVの特定部位を増幅することが可能とな
る。また、複数のプライマーを混在させてもそれぞれを
増幅することができる。
【0035】電気泳動像を確認した後、1M−NaCl
を含む0.5N−NaOH溶液約500mlにアガロー
スゲルを30分間浸漬させ、続いて、1.5M−NaC
lを含む0.5Mトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に1
時間浸漬して中和した。中和したアガロースゲルに、2
0×SSCで濡らしたナイロンフィルター(Hybon
d−N:アマーシャム社)を載せ、室温で16時間ブロ
ッティングした。ナイロンフィルターを1時間、減圧下
で乾燥させた後、80℃で1時間ベイキングした。次
に、サルコシン0.1%、SDS0.2%、核酸ハイブ
リダイゼイション用ブロッキング剤(ベーリンガーマン
ハイム社)5%およびホルムアミド30%を含む5×S
SC(以下、ハイブリダイゼイション用緩衝液Iと称
す)中で前記のナイロンフィルターを42℃にて60分
間保持した後、実施例2で調製したAP標識プローブ
(3ピコモル)を加えたハイブリダイゼイション用緩衝
液I(5ml)に前記のナイロンフィルターを移し、4
2℃で一夜反応させた。AP標識プローブとのハイブリ
ダイゼイション処理が済んだフィルターについて、1m
M塩化亜鉛を含む2×SSC(以下、洗浄液Iと称す)
(100ml)による室温での5分間の洗浄を3回繰り
返した。次に、0.1%SDSを含む洗浄液I(100
ml)中で42℃にて45分間静置した。更に、洗浄液
I(100ml)により、室温での5分間の洗浄を3回
繰り返した。最後に、0.1M−NaClおよび10m
M−MgCl2 を含む0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH
9.5)(以下、発色液と称す)に30秒から1分間、
フィルターを浸して馴染ませた。
【0036】ニトロブルーテトラゾリウム(ベーリンガ
ーマンハイム社)75mgを30%滅菌水−70%ジメ
チルホルムアミド混合液1mlに溶解した(以下、この
溶液をNBT溶液と称す)。また、5−ブロモ−4−ク
ロロ−3−インドリルリン酸(ベーリンガーマンハイム
社)50mgをジメチルホルムアミド1mlに溶解した
(以下、この溶液をBCIP溶液と称す)。NBT溶液
40μlおよびBCIP溶液40μlを加えた発色液1
0mlを、前記発色液に馴染ませたナイロンフィルター
の入ったプラスチックバックに入れ、室温で5分間から
16時間保持して発色させた。APとの反応は、10m
M−EDTAを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)50mlにフィルターを浸漬することにより停
止させた。
【0037】これらの実験結果を図2に示す。図2の
〜は、前記図1の〜に相当する。図2から明らか
なように、本発明のプローブは、増幅した部位に相補性
を有し、CMV含有試料においては、増幅されたDNA
バンドがAP標識プローブにより特異的に染色される。
従って、本発明のプライマーおよびプローブによりCM
V感染症の診断ができることが分かる。
【0038】実施例5:AP標識プローブによるCMV
の検出 HEL細胞(Human Embryo Lung C
ell)をチェンバースライドグラス(インターメッド
社:21.3mm×20.0mm)上で3日間培養した
後、CMV(Towne株)を感染させた。ウイルス感
染HEL細胞および非感染HEL細胞をスライドグラス
上で同じ期間(48時間)培養した。そのスライドグラ
スを、4%ホルムアルデヒドを含む0.1Mリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.2)に10分間浸漬した後、
0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)(以
下、NaPBと称す)による3分間の洗浄を3回繰り返
した。次に、0.2N塩酸で10分間処理してから、N
aPBで3回洗浄した。更に、70%、90%および1
00%エチルアルコールで各3分間づつ脱水し、クロロ
ホルムに10分間浸漬した。最後に、100%エチルア
ルコールに3分間づつ2回浸漬してから、風乾した。
【0039】10%デキストラン硫酸ナトリウム塩、3
0%ホルムアミド、0.025%鰊精子DNAおよび1
×デンハルトを含む4×SSC(100μl)に、実施
例2で調製したAP標識プローブ(2ピコモル)を溶か
してスライドグラス上に拡げ、37℃の湿箱中で16時
間保持した。次に、スライドグラスを取り出し、4×S
SCで10分間洗浄した後、0.1mM塩化亜鉛を含む
1×SSC中で45℃にて1.5−2時間洗浄した。3
0分毎に新鮮な洗浄液に交換した。更に、0.1mM塩
化亜鉛を含む1×SSCに3分間浸漬してから、0.1
5M−NaClを含む0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH
7.5)に10分間漬けた。最後に、0.1M−NaC
lおよび10mM塩化マグネシウムを含む0.1Mトリ
ス塩酸緩衝液(pH9.5)(以下、AP緩衝液と称
す)で3分間平衡させた。
【0040】AP緩衝液1mlにNBT溶液4μlとB
CIP溶液4μlと5%ナトリウム溶液10μlとを加
えて混合し、その混合液300μlを取って、先に調製
したスライドグラスに載せ、25℃で24時間反応させ
た。発色は、10mM−EDTAを含む10mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.5)で5分間処理して停止させ
た。
【0041】これらの実験結果を図3、図4および図5
に示す。図3はプローブ(A)を用いた感染細胞、図4
はプローブ(B)を用いた感染細胞、図5はプローブ
(C)を用いた感染細胞の結果をそれぞれ示す。なお、
非感染細胞に対してプローブ(A)、プローブ(B)お
よびプローブ(C)を用いた場合には発色が現れなかっ
た。図3、図4および図5から明らかなように、使用し
たプローブ(A)、プローブ(B)およびプローブ
(C)は(1)正常HEL細胞のRNAおよびDNAと
交差反応しないこと、および(2)CMV感染細胞のウ
イルス特異的なRNAおよびDNAとはハイブリダイゼ
イションすることが分かる。
【0042】実施例6:ウイルス分離による診断法との
感度比較 実施例5で用いたウイルス感染HEL細胞の培養上清を
用い、従来のウイルス分離法による感度と、実施例3記
載の条件でウイルスDNAをPCR法によって増幅する
方法の感度とを比較した。実施例3のエチジウムブロマ
イド染色によれば、少なくとも0.1PFU(Plaq
ue Forming Unit)まで検出できた。更
に、実施例3記載の条件でAP標識プローブを用いてサ
ザンブロットハイブリダイゼイションを行ったところ、
少なくとも0.01PFUまで検出できた。
【0043】実施例7:プライマーの特異性 本発明によるCMV増幅用プライマーの特異性を調べ
た。ウイルスとしては、CMV(Towne株)、単純
ヘルペスウイルス−I型(HSV−1:HF株)、単純
ヘルペスウイルス−II型(HSV−2:UW268
株)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:H−N3
株)、EBウイルス(EBV:B95−B株)およびH
HV−6(突発性発疹症分離株)を用い、実施例3記載
の条件で、プライマー(1b)とプライマー(2a)お
よびプライマー(1c)とプライマー(2c)とを混在
させ、PCR法によるDNA増幅を行い、交差反応の有
無を調べた。
【0044】これらの実験結果を図6に示す。図6にお
いて、MはDNAマーカー(図1と同じマーカー)、1
および7はHSV−1、2および8はHSV−2、3お
よび9はVZV、4および10はEBV、5および11
はCMV、そして6および12はHHV−6の結果を示
す。そして、1〜6はアニーリング温度55℃および7
〜12はアニーリング温度60℃の結果である。図6の
試料5および11にのみ182bpおよび316bp
(下から順)にバンドが現れる(SおよびRは図1と同
様)ことから明らかなように、本発明によれば、CMV
を特異的に検出することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明による各種のプライマーを用いる
と、被検試料中に微量に含まれているヒトサイトメガロ
ウイルス(CMV)DNAの特定部位が特異的にしかも
確実に増幅されるので、CMVの検出を短時間に高精度
で実施することができる。また、本発明のプローブを用
いると、被検試料中に微量に含まれているCMV−DN
Aの特定部位を特異的にしかも確実に検出することがで
きるので、CMVの検出を短時間に高精度で実施するこ
とができる。
【0046】
【配列表】
【0047】配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: TATACCCAGA CGGAAGAGAA ATTCA
【0048】配列番号:2 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: ATGAAGTGTA TTGGGCTAAC TATGC
【0049】配列番号:3 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: TTCTCCTAAG TTCATCCTTT TTAGC
【0050】配列番号:4 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列 ATAAGCCATA ATCTCATCAG GGGAG
【0051】配列番号:5 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列 TGACGCGCAT ACATCCCGAG TACAT
【0052】配列番号:6 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列 ATGACGTTGC TCCGTGGAAA GAGACC
【0053】配列番号:7 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列 CTCCTTAATA CAAGCCATCC ACATCTCCCG
【0054】配列番号:8 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列 GCTGTCGGTG TTCCAAATGA ACGGCCTGAT
【0055】配列番号:9 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列 GACTTCTTCA CCCTGTTCTT CCTCGCTATC
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各種プライマーを用いたPCR反応に
より増幅されたDNAに関する電気泳動の結果を示す図
面に代わる写真である。
【図2】図1の電気泳動像を、酵素標識プローブを用い
たサザンブロットハイブリッド法により確認した結果を
模式的に示す説明図である。
【図3】CMVに感染したHEL細胞に対して、本発明
のプローブを用いて、in situハイブリダイゼー
ションを実施した結果を模式的に示す説明図である。
【図4】CMVに感染したHEL細胞に対して、本発明
の別のプローブを用いて、insituハイブリダイゼ
ーションを実施した結果を模式的に示す説明図である。
【図5】CMVに感染したHEL細胞に対して、本発明
の更に別のプローブを用いて、in situハイブリ
ダイゼーションを実施した結果を模式的に示す説明図で
ある。
【図6】各種のウイルスに対する本発明のプライマーの
特異性に関する電気泳動の結果を示す図面に代わる写真
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、式
(1a) (5’)−TATAC CCAGA CGGAA GAGAA ATTCA−( 3’) (1a) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第1のDNAプライマー〔以下、プライマー
(1a)と称することがある〕または式(1b) (5’)−ATGAA GTGTA TTGGG CTAAC TATGC−( 3’) (1b) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第1のDNAプライマー〔以下、プライマー
(1b)と称することがある〕および式(2a) (5’)−TTCTC CTAAG TTCAT CCTTT TTAGC−( 3’) (2a) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第2のDNAプライマー〔以下、プライマー
(2a)と称することがある〕または式(2b) (5’)−ATAAG CCATA ATCTC ATCAG GGGAG−( 3’) (2b) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第2のDNAプライマー〔以下、プライマー
(2b)と称することがある〕の組み合わせ、あるい
は、式(1c) (5’)−TGACG CGCAT ACATC CCGAG TACAT−( 3’) (1c) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第1のDNAプライマー〔以下、プライマー
(1c)と称することがある〕および式(2c) (5’)−ATGAC GTTGC TCCGT GGAAA GAGAC C −(3’) (2c) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
含有する第2のDNAプライマー〔以下、プライマー
(2c)と称することがある〕の組み合わせと、DNA
ポリメラーゼと、水性液体被検試料とを含む混合液をD
NA増幅工程にかけ、続いて、得られた反応液をDNA
検査工程にかけること特徴とする、ヒトサイトメガロウ
イルスの検出方法に関する。本明細書の塩基配列におい
て、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニンそして
Tはチミンの意味である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】実施例1:プライマーの合成 381A型自勤DNA合成装置(アプライドバイオシス
テムズ社)に、アデニンCPGカラムを装着して、配列
表における配列番号1の配列に記載の塩基25個からな
るプライマー(1a)を合成し、更に、シトシンCPG
カラムを装着して配列表における配列番号2の配列に記
載の塩基25個からなるプライマー(1b)と配列表に
おける配列番号3の配列に記載の塩基25個からなるプ
ライマー(2a)と配列表における配列番号6の配列に
記載の塩基26個からなるプライマー(2c)とを合成
し、グアニンCPGカラムを装着して配列表における配
列番号4の配列に記載の塩基25個からなるプライマー
(2b)を合成し、そしてチミンCPGカラムを装着し
て配列表における配列番号5の配列に記戴の塩基25個
からなるプライマー(1c)をそれぞれ合成した。アン
モニア水(約30%)2.5mlを入れたディスポシリ
ンジ(2.5ml)を、合成工程が完了したCPGカラ
ムに接続し、アンモニア水をカラム内に押し出して、合
成したDNAフラグメントを溶出した。回収したDNA
アンモニア溶液の入ったバイアル瓶を密栓し、65℃で
6時間加温した後、室温まで冷やしてから濃縮した。濃
縮物を凍結乾燥し、10mMトリエチルアンモニウムア
セテート(以下、TEA−Aと称す)(pH7.4)に
溶解し、沈澱を除いてから、L−6200型高速液体ク
ロマトグラフィー装置(日立製作所)(以下、HPLC
と称す)に分離用カラム(YMC−Pack ODS−
AM313:YMC社)を装着し、5%アセトニトリル
を含んだ95mM−TEA−Aとアセトニトリルとによ
る濃度勾配を用いて精製し、メインピークを集めた。得
られた残渣に80%酢酸(アセトニトリルで調整)を加
えて懸濁させ、室温で30分間保持してから減圧乾燥し
た。乾燥物を10mM−TEA−Aに溶解し、ジエチル
エーテルで抽出してから減圧乾燥した。乾燥したDNA
試料をTEA−Aに溶解し、沈澱を除いてから、2回目
のHPLCによる精製を行い、メインピークを集めた。
こうして得られた精製DNAプライマーを減圧乾燥して
保存し、後記の実施例3で用いた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】実施例2:酵素標識プローブの調製 DNAプローブの合成は前記実施例1と同様の装置を用
い、同様の条件で行ったが、但し、配列表における配列
番号7の配列に記載の塩基30個からなるプローブAの
合成ではグアニンCPGカラムを用いて5’末端から1
8番目のTを、配列表における配列番号8の配列に記載
の塩基30個からなるプローブBについてはチミンCP
Gカラムを用いて5’末端から18番目のTを、そして
配列表における配列番号9の配列に記戦の塩基30個か
らなるプローブCについてはシトシンCPGカラムを用
いて5’末端から17番目のTを、それぞれ5’−ジメ
トキシトリチル−5−〔N−(トリフルオロアセチルア
ミノヘキシル)−3−アクリルイミド〕−2’−デオキ
シウリジン−3’−〔(2−シアノエチル)−(N,N
−ジイソプロピル)〕−ホスホルアミダイト(グレンリ
サーチ社)(以下、リンカーと称す)に置き換えた。な
お、リンカーの位置はこの部位に限らず、他のチミン部
位を置き換えることも可能である。リンカー付きプロー
ブの精製も実施例1に記載した条件で行った。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、式
(1a) (5’)−TATAC CCAGA CGGAA GAGAA ATTCA−( 3’) (1a) で表される塩基配列の少なくとも15塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有する第1のDNAプライマー〔以
下、プライマー(1a)と称することがある〕または式
(1b) (5’)−ATGAA GTGTA TTGGG CTAAC TATGC−( 3’) (1b) で表される塩基配列の少なくとも15塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有する第1のDNAプライマー〔以
下、プライマー(1b)と称することがある〕および式
(2a) (5’)−TTCTC CTAAG TTCAT CCTTT TTAGC−( 3’) (2a) で表される塩基配列の少なくとも15塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有する第2のDNAプライマー〔以
下、プライマー(2a)と称することがある〕または式
(2b) (5’)−ATAAG CCATA ATCTC ATCAG GGGAG−( 3’) (2b) で表される塩基配列の少なくとも15塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有する第2のDNAプライマー〔以
下、プライマー(2b)と称することがある〕の組み合
わせ、あるいは、式(1c) (5’)−TGACG CGCAT ACATC CCGAG TACAT−( 3’) (1c) で表される塩基配列の少なくとも15塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有する第1のDNAプライマー〔以
下、プライマー(1c)と称することがある〕および式
(2c) (5’)−ATGAC GTTGC TCCGT GGAAA GAGAC C −(3’) (2c) で表される塩基配列の少なくとも15塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有する第2のDNAプライマー〔以
下、プライマー(2c)と称することがある〕の組み合
わせと、DNAポリメラーゼと、水性液体被検試料とを
含む混合液をDNA増幅工程にかけ、続いて、得られた
反応液をDNA検査工程にかけること特徴とする、ヒト
サイトメガロウイルスの検出方法に関する。本明細書の
塩基配列において、Aはアデニン残基、Cはシトシン残
基、Gはグアニン残基、そしてTはチミン残基である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明は、更に、CMV−DNAの特異的
な検出に用いることのできる3種類のDNAプローブを
提供するものでもある。これらのDNAプローブは、式
(3) (5’)−CTCCT TAATA CAAGC CATCC ACATC T CCCG−(3’) (3) で表される塩基配列の少なくとも10塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有するプローブ(以下、プローブAと
称することがある)、および式(4) (5’)−GCTGT CGGTG TTCCA AATGA ACGGC C TGAT−(3’) (4) で表される塩基配列の少なくとも10塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有するプローブ(以下、プローブBと
称することがある)、および式(5) (5’)−GACTT CTTCA CCCTG TTCTT CCTCG C TATC−(3’) (5) で表される塩基配列の少なくとも10塩基のオリゴヌク
レオチド部分を含有するプローブ(以下、プローブCと
称することがある)である。これらのプローブを単独
で、または2種づつを組み合わせて、更に3者を同時に
用いることができる。また、これらのプローブを用いる
DNA検査工程は、プライマー(1a)〜(1c)とプ
ライマー(2a)〜(2c)との組み合わせを用いる前
記のDNA増幅工程と組み合わせて、あるいは組み合わ
せず単独に実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 優樹 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株 式会社ヤトロン内 (72)発明者 喜多 寛 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株 式会社ヤトロン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1a) (5’)−TATAC CCAGA CGGAA GAGAA ATTCA−( 3’) (1a) または式(1b) (5’)−ATGAA GTGTA TTGGG CTAAC TATGC−( 3’) (1b) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
    含有する第1のDNAプライマーおよび式(2a) (5’)−TTCTC CTAAG TTCAT CCTTT TTAGC−( 3’) (2a) または式(2b) (5’)−ATAAG CCATA ATCTC ATCAG GGGAG−( 3’) (2b) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
    含有する第2のDNAプライマーの組み合わせ、あるい
    は、式(1c) (5’)−TGACG CGCAT ACATC CCGAG TACAT−( 3’) (1c) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
    含有する第1のDNAプライマーおよび式(2c) (5’)−ATGAC GTTGC TCCGT GGAAA GAGAC C −(3’) (2c) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
    含有する第2のDNAプライマーの組み合わせと、DN
    Aポリメラーゼと、水性液体被検試料とを含む混合液を
    DNA増幅工程にかけ、続いて、得られた反応液をDN
    A検査工程にかけること特徴とする、ヒトサイトメガロ
    ウイルスの検出方法。
  2. 【請求項2】 式(3) (5’)−CTCCT TAATA CAAGC CATCC ACATC T CCCG−(3’) (3) 式(4) (5’)−GCTGT CGGTG TTCCA AATGA ACGGC C TGAT−(3’) (4) または式(5) (5’)−GACTT CTTCA CCCTG TTCTT CCTCG C TATC−(3’) (5) で表される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド部分を
    含有し、標識を担持するプローブと被検試料とを接触さ
    せ、前記標識からの信号を検出することを特徴とする、
    ヒトサイトメガロウイルスの検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007136303A1 (ru) * 2006-05-23 2007-11-29 Closed Company "Molecular-Medicine Technologies" Способ идентификации урогенитальной инфекции, олигонуклеотид, комбинация олигонуклеотидов, биочип и набор на его основе

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007136303A1 (ru) * 2006-05-23 2007-11-29 Closed Company "Molecular-Medicine Technologies" Способ идентификации урогенитальной инфекции, олигонуклеотид, комбинация олигонуклеотидов, биочип и набор на его основе

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