JP4471862B2 - 弾性波検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物等の被検査対象物に発生する弾性波を検出する弾性波検出装置に関し、特に屋外地上に設置された構造物や液体を貯蔵する構造物等が引き起こす腐食や疲労破壊等をリアルタイムに検出する弾性波検出装置に関するものである。
石油製品貯槽タンク、国家備蓄重油タンクなど、屋外地上に設置された鋼製タンクは、長い間外気環境に曝されることにより側壁や底板に腐食が発生することがある。そこで従来から、腐食が起こっているか否か、また腐食が起こっていれば、内容物を除去することなく腐食箇所を簡便に調べるために、腐食(錆の破壊)によって発生する超音波(以下、AE(Acoustic Emission)と記す)を測定する手法が試みられている。この手法は、鋼製タンクの側壁や底板に設置した多くの圧電素子センサ(チタンジルコン酸鉛)を用いてAEを検出し、AEを検出した圧電素子センサの位置により腐食箇所を特定するものである。
一方、ガソリンスタンドには、鋼製の地下貯蔵容器(横型横長タンク)が埋設されており、タンクに貯蔵するガソリンには、タンカーによる輸送中にバラストに注入する海水等が混入する場合がある。そのためガソリンに混入した海水や土壌によって内外面の腐食が発生し、内容物の漏洩による土壌や地下水汚染の危険性が指摘されている。
ここでAEとは、金属等の固体の内部で微小な変形、亀裂等の破壊、相変態あるいは結晶粒界の移動などの現象が起きる場合に発生する超音波領域(周波数が20kHz以上)の弾性波を指すが、広義には、岩盤の亀裂や地下地盤の変動における数100kHz〜数10kHzの周波数帯域の弾性波も含まれる。上記のAEをリアルタイムに検出することにより、構造物の腐食や疲労破壊等を検出することができる。
またAEを検出する他の方法として特許文献1には、マイケルソン型干渉計を使用した方法として、光ファイバにより送られてくる光を光カプラでセンシング側とリファレンス側に分離し、センシング側への光は、センシング部において受ける外部からの信号を受信し、ミラーで反射して再び逆の経路により光カプラに戻す。またリファレンス側への光は、外部からの信号の影響を受けないリファレンス部を通り、ミラーで反射し、逆の経路を通って光カプラに戻す。光カプラでは、センシング側とリファレンス側の光が干渉し、この干渉光が光ファイバへ送られ、この干渉光に基づいてAEを検出する技術について開示されている。
特開2002−148110公報
しかし、従来から試みられている圧電素子センサを用いてAEを検出する方法では以下の問題がある。即ち、1)AEは複雑な経路を伝播するため検出が難しい。2)環境からのノイズと被検査対象物から発生するAEの区別が難しい。3)圧電素子センサの防爆認定が取れない等の事情により信頼できる検査法になっていない。
また、センサとモニタリング装置は、重い同軸ケーブルを用いて接続する必要があり、センサの設置や撤収に膨大な時間と労力が必要となる、計測装置が高価であるため風雨のない静かな日に1時間程度のモニタリングしか行われていないなどの問題がある。
また地下に埋設されているタンクの健全性診断は極めて困難である。つまり、埋設タンクの地表露出部分は、給油やガス抜き、液面計のための直径30〜40mm程度の管のみである。消防法では危険物貯蔵容器や配管は溶接施工することが義務付けられているため、取り外しのできる箇所は地上開放管以外にはない。従って、人間や機械が埋設タンク内部に入って、腐食や漏洩などの状態を診断することは不可能である。
また地下タンクにおいても、腐食や漏洩によるAEが放出されるので、適切な方法を用いてAEを検出すれば健全性を評価することが可能であるが、ガソリンや灯油等の引火性物質の近傍に火花の危険性のある圧電素子センサを使用することは消防法によって禁止されている。従って、現在の圧電素子センサでは可燃物貯蔵容器の健全性検査はできないといった問題がある。
また特許文献1に開示されているマイケルソン型干渉計では、光ファイバをフラットに切断し、この切断した端面に金等の反射膜を蒸着する必要がある。即ち、マイケルソン型干渉計のAEの検出精度は光ファイバの端面の精度に依存するが、上記端面を高精度に加工することは難しく、また端面への反射膜の蒸着が難しい。このため、マイケルソン型干渉計ではAEの高い検出精度を得ることが困難であるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、光ファイバを屋外地上に設置された被検査対象物に設置したり、液体を貯蔵する被検査対象物には液体中に直接浸漬または懸垂及び浮遊するようにして、被検査対象物から発生するAEを検出すると共に、外来ノイズ成分をキャンセルすることにより、ノイズの影響を低減して被検査対象物から発生するAEの検出精度を高め、且つ可燃物貯蔵容器の健全性検査を安全に行うことが可能な弾性波検出装置を提供することを目的とする。
また他の目的は、被検査対象物の腐食および疲労破壊等の箇所を特定することである。
かかる課題を解決するために、請求項1は、単一波長光を出射する光源と、該光源からの出射光を分岐するスプリッタと、被検査対象物に配設され前記スプリッタにより分岐された一方の光を導光するセンサ用光ファイバと、前記スプリッタにより分岐された他方の光を導光する参照光用光ファイバと、前記センサ用および参照光用の各光ファイバの一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせる結合手段と、該結合手段により重ね合わされた光の強度を検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検査対象物に発生する弾性波を検出する処理手段と、前記光検出手段の検出信号からノイズ成分を抽出するノイズ抽出手段と、該ノイズ抽出手段が抽出した検出信号に含まれるノイズ成分を除去するように前記参照光用の光ファイバの伸縮量を制御する伸縮制御手段と、を備え、前記伸縮制御手段は、前記参照光用の光ファイバに備えられ、前記ノイズ成分を除去するように当該光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させる伸縮手段を備えたことを特徴とする。
被検査対象物(例えば、建物、タンク、橋梁等)から発生するAEを、光ファイバにより伝送される弾性波として検出することにより、被検査対象物の破壊、亀裂および腐食をリアルタイムに検出することができる。そのためには、光ファイバに単一波長光を出射する光源からの光を導光し、その光ファイバを被検査対象物に設置する。設置する方法は被検査対象物の表面を横断するように接着して固定する。ここで例えば被検査対象物が腐食すると、そこから錆によるAEが発生し、このAEにより光ファイバに微弱な伸縮作用を起こさせる。光ファイバが伸縮すると屈折率および光路長が変化して、その中を伝播する光の位相が変化し、その位相変化から弾性波を検出するものである。しかし、被検査対象物の周辺には外部からの環境ノイズ(例えば、車両の通過による振動等)があり、この環境ノイズを光ファイバ部で検出してしまうため、本発明ではフィードバック制御により、光ファイバ部で検出してしまう環境ノイズの検出信号からノイズ成分(この場合は低周波成分)を抽出し、積分回路、アクチュエータドライバを介してアクチュエータを作動させ、それによりノイズをキャンセルするものである。また、干渉計では振動のない時のセンサ光と参照光の位相差がπ/2の時にもっとも感度が良くなることから、それをノイズがある環境においても自動的に実現できるように制御を行っている。
また、光ファイバは軸方向に沿って伸縮することにより、屈折率および光路長が変化してコアを伝播する光の位相を変化させることができる。このような光ファイバの性質を利用して、2本の光ファイバの一方をセンサ用光ファイバとし、他方を参照光用光ファイバとして備える。そして環境ノイズを光ファイバ部で検出した場合、本発明ではフィードバック制御により、光ファイバ部で検出してしまう環境ノイズの検出信号からノイズ成分を抽出し、積分回路、アクチュエータドライバを介してアクチュエータを作動させ、参照光用の光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させるように伸縮手段を備えるものである。
請求項2は、単一波長光を出射する光源と、該光源からの出射光を分岐するスプリッタと、液体を収容する被検査対象物の液中に設置され前記スプリッタにより分岐された一方の光を導光するセンサ用光ファイバと、前記スプリッタにより分岐された他方の光を導光する参照光用光ファイバと、前記センサ用および参照光用の各光ファイバの一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせる結合手段と、該結合手段により重ね合わされた光の強度を検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検査対象物に発生する弾性波を検出する処理手段と、前記光検出手段の検出信号からノイズ成分を抽出するノイズ抽出手段と、該ノイズ抽出手段が抽出した検出信号に含まれるノイズ成分を除去するように前記参照光用の光ファイバの伸縮量を制御する伸縮制御手段15、16、51と、を備え、前記伸縮制御手段は、前記参照光用の光ファイバに備えられ、前記ノイズ成分を除去するように当該光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させる伸縮手段を備え、前記センサ用の光ファイバの少なくとも一部を、外周面に軸方向に長い凹形状部を有した中空筒状のホルダの前記凹形状部内に収容し、前記ホルダを該ホルダの軸心を中心として回転させる回転手段を備えたことを特徴とする。
請求項1ではセンサ用光ファイバを固体としての被検査対象物に直接固定して被検査対象物から発生するAEを検出していた。即ち、地上に設置された被検査対象物の検査が主眼であった。それに対して本発明は、ガソリンタンク等の液体を貯蔵する被検査対象物の内部の破壊、亀裂および腐食をリアルタイムに検出する目的で開発されたものである。つまり、本発明が請求項1と異なる点は、センサ用光ファイバを被検査対象物に直接設置するのではなく、液体を貯蔵する被検査対象物の液中にセンサ用光ファイバを設置し、液体を伝播するAEを検出することである。
また、光ファイバは軸方向に沿って伸縮することにより、屈折率および光路長が変化してコアを伝播する光の位相を変化させることができる。このような光ファイバの性質を利用して、2本の光ファイバの一方をセンサ用光ファイバとし、他方を参照光用光ファイバとして備える。そして環境ノイズを光ファイバ部で検出した場合、本発明ではフィードバック制御により、光ファイバ部で検出してしまう環境ノイズの検出信号からノイズ成分を抽出し、積分回路、アクチュエータドライバを介してアクチュエータを作動させ、参照光用の光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させるように伸縮手段を備えるものである。
また、センサ用の光ファイバを液中に浸漬して使用する場合、光ファイバを固定するためにホルダが必要となる。そしてホルダの形状は反射したAEの影響を低減させるために中空の筒状部材により構成する。即ち、液体に比べて気体はAEの伝播効率が低くなるので、中空とすることによりホルダの背後からの反射波を減衰することができる。更に、ホルダの一部を凹形状にしてその部分に光ファイバを埋め込むことにより、更に指向性を良くすることができる。
また、被検査対象物から発せられるAEの箇所を特定できれば、トータルの検査時間を短縮することができる。そこで本発明では、ホルダを回転するようにして、その回転角度に基づいてAEの発生の有無を検出できれば、AEの箇所を特定することができる。
請求項は、前記伸縮手段は圧電アクチュエータにより構成されていることを特徴とする。
光ファイバの軸方向長を伸縮させる伸縮手段は機械的に往復運動する機構と、その伸縮量が外部から正確に制御できることが必要である。その意味で圧電アクチュエータは最適な素子である。
請求項は、前記結合手段は、前記センサ用および参照光用の各光ファイバの一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせて干渉光を生成し、当該干渉光を分岐して第1の光、および当該第1の光の位相が反転した第2の光を出力することを特徴とする。
光路長の異なる2種類の光を合成すると光の干渉光が生成される。本発明の結合手段はその干渉光を分岐して第1の光とし、その第1の光の位相を反転した第2の光を出力するものである。
請求項は、前記ノイズ抽出手段は、前記光検出手段により検出された前記第1および第2の光検出信号の差分信号に基づいて、前記参照光用の光ファイバのノイズ成分を抽出することを特徴とする。
結合手段により分岐された第1の光と、その光の位相を反転した第2の光は、光検出手段により検出されて差分信号として出力される。ノイズ抽出手段は、この差分信号から参照光用の光ファイバに含まれるノイズ成分のみを抽出するものである。
請求項は、前記処理手段は、前記第1および第2の光検出器により検出された信号の差分信号に基づいて時間と周波数の情報を抽出し、当該情報から前記被検査対象物に発生する弾性波を検出することを特徴とする。
差分信号の各時間において時間−周波数変換を行い、周波数帯域毎の信号強度を時系列的に求める。これにより、特定の周波数における特定モードの波の到達時間の情報が得られ、例えば、音源位置を特定することができる。
請求項は、前記ノイズ抽出手段は、前記光検出手段により検出された検出信号に基づいて所定周波数よりも低い周波数成分を抽出するフィルタと、該フィルタが抽出した信号に積分処理を施して前記参照光用の光ファイバのノイズ成分を抽出する積分回路と、を備えたことを特徴とする。
外来ノイズは低周波であるため、フィルタは、例えば所定周波数よりも低い周波数成分のみを通過させるローパスフィルタにより構成される。例えば参照光用光ファイバやセンサ用光ファイバに発生する外部からの環境ノイズ成分に相当する数kHz以下の周波数成分を積分回路に出力する。そしてフィルタの周波数特性は、被検査対象物や外部からの環境ノイズに応じて設定する。
請求項は、前記スプリッタから前記光源に向けた光を除去するアイソレータを備え、当該アイソレータを前記光源と前記スプリッタとの間に配置したことを特徴とする。
光源から発光された光はスプリッタにより分岐されるが、光の一部が光源側に戻る現象が発生して、光源の光出力が不安定となる。そこで本発明では、光源とスプリッタとの間に逆方向の光を除去するアイソレータを備えるものである。
請求項は、前記凹形状部に収容したセンサ用の光ファイバの少なくとも一部をコイル状に巻回したことを特徴とする。
センサ用の光ファイバは、その表面積が大きいほど感度が高くなる。しかし、ホルダの凹形状部の大きさには限界があるため、本発明では光ファイバをコイル状に巻回して表面積を増加するものである。
請求項10は、前記ホルダの中空内部を真空にしたことを特徴とする。
液体に比べて気体はAEの伝播効率が低くなることは周知である。更に伝達効率を低くすることにより、更に反射波の影響を低減することができる。そこで本発明では、ホルダの中空内部を真空にして気体を介したAEの伝達を遮断するものである。
請求項11は、前記センサ用の光ファイバは、前記ホルダの外周に螺旋状に巻回した外側光ファイバと、前記ホルダ内にコイル状に巻回した内側光ファイバと、を備えたことを特徴とする。
全方位からのAEを同時に検出することにより、検査速度が向上し、且つセンサ用の光ファイバを回転する手段が不要となる。そこで本発明では、側面からのAEを検出するためにホルダの外周に螺旋状に巻回した外側光ファイバと、下からのAEを検出するためにホルダ内にコイル状に巻回した内側光ファイバを備えるものである。
請求項12は、前記センサ用の光ファイバを、球状のホルダの外周に巻回したことを特徴とする。
全方位からのAEを同時に検出する他の方法として、球状のホルダの外周面にセンサ用の光ファイバを巻回する方法がある。この方法では、方位を判定するために演算により方位を確定する必要がある。
請求項13は、前記センサ用の光ファイバをコイル状に巻回したコイル状光ファイバセンサとし、複数の該コイル状光ファイバセンサを板状のホルダの少なくとも片面に複数個配置し、前記板状のホルダを回転させる構成としたことを特徴とする。
板状のホルダに複数のコイル状に巻回したセンサを直列に配置し、AEが発生する方向に対してどのセンサがAEを検出するかを判定して、音源とセンサの角度から音源の位置を特定するものである。
請求項14は、前記センサ用の光ファイバが複数備えられた場合、前記スプリッタにより分岐された一方の光を前記複数のセンサ用の光ファイバの何れか一方端に導光するように順次切り換える光切替手段と、前記複数のセンサ用の光ファイバの各他方端から出射する光を一つの光に結合するカプラと、を更に備えたことを特徴とする。
ホルダにセンサ用の光ファイバが複数備えられた場合、個別に結合手段と光検出手段を備えたのでは、コスト的に高くなってしまう。そこで本発明では、1つの結合手段と光検出手段により実現させるために、複数のセンサ用の光ファイバの何れかに導光する光の一つを選択するように切り換える光切替手段を備え、それにより選択された光を結合手段に入力するものである
請求項1の発明によれば、被検査対象物に設置したセンサ用光ファイバと、参照光用の光ファイバを備え、各光ファイバに単一光を導光し、参照光用の光ファイバに外来ノイズを相殺するように外部から伸縮させ、その参照光用の光ファイバとセンサ用光ファイバを結合して干渉光を生成し、その干渉光から弾性波を検出するようにしたことにより、外来ノイズを低減すると共に、被検査対象物に発生する弾性波を精度よく検出することができる。また、伸縮制御手段は、参照光用の光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させる伸縮手段を備えたので、光ファイバの屈折率および光路長を変化させてコアを伝播する光の位相を任意に変化させることができる。
また請求項2では、液体を貯蔵する被検査対象物の液中に設置したセンサ用光ファイバと、参照光用の光ファイバを備え、各光ファイバに単一光を導光し、参照光用の光ファイバに外来ノイズを相殺するように外部から伸縮させ、その参照光用の光ファイバとセンサ用光ファイバを結合することにより、干渉光を生成し、その干渉光から弾性波を検出するようにしたことにより、外来ノイズを低減すると共に、可燃性の液体を貯蔵した被検査対象物に発生する弾性波を安全に且つ精度よく検出することができる。また、伸縮制御手段は、参照光用の光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させる伸縮手段を備えたので、光ファイバの屈折率および光路長を変化させてコアを伝播する光の位相を任意に変化させることができる。また、センサ用の光ファイバの少なくとも一部を、外周面に軸方向に長い凹形状部を有した中空筒状のホルダの凹形状部内に収容したので、ホルダの背面からの反射波を低減して、AEを検出する指向性を高めることができる。さらに、ホルダの軸心を中心として回転させる回転手段を更に備えたので、音源の発生位置を容易に特定することができる。
また請求項では、伸縮手段は圧電アクチュエータにより構成されているので、ファイバの軸方向を機械的に往復運動することができ、且つその伸縮量を外部から正確に制御することができる。
また請求項では、結合手段は、センサ用および参照光用の各光ファイバの一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせて干渉光を生成し、当該干渉光を分岐して第1の光、および当該第1の光の位相が反転した第2の光を出力するので、直流成分を除去すると共に、S/N比を大きくすることができる。
また請求項では、ノイズ抽出手段は、光検出手段により検出された第1および第2の光検出信号の差分信号に基づいて、参照光用の光ファイバのノイズ成分を抽出するので、S/N比が大きい信号から容易にノイズを抽出することができる。
また請求項では、処理手段は、第1および第2の光検出器により検出された信号の差分信号に基づいて時間と周波数の情報を抽出し、当該情報から被検査対象物に発生する弾性波を検出するので、特定の周波数における特定モードの波の到達時間の情報が得られ、例えば、音源位置を特定することができる。
また請求項では、ノイズ抽出手段は、光検出手段により検出された検出信号に基づいて所定周波数よりも低い周波数成分を抽出するフィルタと、このフィルタが抽出した信号に積分処理を施して参照光用の光ファイバのノイズ成分を抽出する積分回路と、を備えたので、低周波のノイズを選択的に抽出することができる。
また請求項では、スプリッタから光源に向けた光を除去するアイソレータを光源とスプリッタとの間に備えたので、光源の光出力を安定化することができる。
また請求項では、凹形状部に収容したセンサ用の光ファイバの少なくとも一部をコイル状に巻回したので、センサ用の光ファイバの感度を高めることができる。
また請求項10では、ホルダの中空内部を真空にしたので、気体によるAEの伝達を遮断することができ、更に反射波の影響を低減することができる。
また請求項11では、センサ用の光ファイバは、ホルダの外周に螺旋状に巻回した外側光ファイバと、ホルダ内にコイル状に巻回した内側光ファイバと、を備えたので、全方位のAEを検出することができる。
また請求項12では、センサ用の光ファイバを、球状のホルダの外周全面に巻回したので、全方位のAEを検出することができる。
また請求項13では、センサ用の光ファイバを、板状のホルダの少なくとも片面にコイル状に巻回して複数個配置し、この板状のホルダを回転させる構成としたので、音源からのAEを検出したセンサ用の光ファイバの角度から音源の高さ方向の位置を特定すると共に、ホルダを回転することによりその方位も検出することができる。
また請求項14では、複数のセンサ用の光ファイバの何れかに導光する光の一つを選択するように切り換える光切替手段を備え、それにより選択された光を結合手段に入力するので、コストを安く且つ全方位のAEを検出することができる

以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図である。本実施形態に係る弾性波検出装置1は、単一波長光を出射する光源2と、この光源2からの光を分岐する第1カプラ(スプリッタ)4と、光源2と第1カプラ4との間に配置され第1カプラ4から光源2に戻る光を除去する光アイソレータ(アイソレータ)3と、被検査対象物20に配設され第1カプラ4により分岐された一方の光を導光するセンサ用光ファイバ6と、同じく第1カプラ4により分岐された他方の光を導光する参照光用光ファイバ5と、センサ用光ファイバ6および参照光用光ファイバ5の一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせる第2カプラ(結合手段)7と、この第2カプラ7により重ね合わされた光の強度を検出する第1光検出器(光検出手段)8と、第2光検出器(光検出手段)9と、第1光検出器8の検出信号と、第2光検出器9の検出信号の差分成分を抽出して差分信号を生成する差分回路(DIFA)10と、周波数が約50kHz〜1MHzの信号を抽出して信号S11として処理装置12に出力するフィルタ(BPF)11と、第1光検出器8と第2光検出器9により検出された検出信号に基づいて被検査対象物20に発生する弾性波を検出する処理装置(処理手段)12と、差分回路10から出力された信号S102を増幅するアンプ(Amp)13と、アンプ13から出力された信号S13からノイズ成分を抽出するフィルタ(LPF)(ノイズ抽出手段)14と、フィルタ14から出力された信号S14に所定時間の積分処理を施す積分器(ITG)15と、積分器15から出力された信号S15に基づいて、ノイズ成分を除去するように参照光用光ファイバ5の伸縮を制御するアクチュエータドライバ(ADIV)(伸縮制御手段)16と、アクチュエータドライバ16から出力された制御信号S16に基づいて、ノイズ成分を除去するように参照光用光ファイバ5を伸縮するアクチュエータ(伸縮手段)51と、を備えて構成される。
尚、光源2と光アイソレータ3、光アイソレータ3と第1カプラ4、第1カプラ4と第2カプラ7、第2カプラ7と第1光検出器8、第2カプラ7と第2光検出器9それぞれは、光ファイバfにより接続されている。また弾性波検出装置1は、いわゆるマッハツェンダー型光ファイバ干渉計を基本とした構成となっている。また、例えば差分回路10、アンプ13、フィルタ14、積分器15、アクチュエータドライバ16、およびアクチュエータ51をフィードバック部50と称する。
つぎに各構成要素について更に詳細に説明する。
光源2は、特定波長のレーザ光を光ファイバfを介して光アイソレータ3に向けて出力する。この光源2としては、例えばレーザダイオード等のレーザ装置が用いられる。例えば光源2は波長が1313.8nmのレーザ光を出力する。
光アイソレータ3は、光源2から光ファイバfを介して出力されたレーザ光を第1カプラ4に出力する。また、光アイソレータ3は、光源2と第1カプラ4との間に備えられ、第1カプラ4から光ファイバfを介して光源2に戻る光を除去し、光源2の光出力を安定化させる。
第1カプラ4は、光アイソレータ3から出力されたレーザ光を分岐し、一方のレーザ光を参照光用光ファイバ5に出力し、他方のレーザ光をセンサ用光ファイバ6に出力する。そして参照光用光ファイバ5は、第1カプラ4で分岐されたレーザ光が一方端から入力され、第2カプラ7に接続された他方に向けて光を導光して第2カプラ7に出力する。また、参照光用光ファイバ5は、例えば、シングルモードタイプのベアファイバをアクリルやPVC(Polyvinyl Chloride)で被覆したもの等が用いられる。
センサ用光ファイバ6は、第1カプラ4で分岐したレーザ光の他方が入力され、第2カプラ7に接続された他方端に向けて光を導光して第2カプラ7に出力する。またセンサ用光ファイバ6には、参照光用光ファイバ5と同じ構成(同じ周波数特性)のものが使用される。このセンサ用光ファイバ6は、例えば図1に示すように被検査対象物20に対して設置される。設置の仕方としては、例えばセンサ用光ファイバ6は被検査対象物20の表面に、被検査対象物20を横断するように接着する。
第2カプラ7は、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6の一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせ、第1光検出器8および第2光検出器9に出力する。そして参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6により導光されたレーザ光は、第2カプラ7で重ね合わされ、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6の光路差によって干渉光が発生する。
また、本実施形態に係る第2カプラ7は、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6の一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせて干渉光を生成し、その干渉光を分岐させて第1の光、および第1の光と位相が反転した第2の光を出力する。
第1光検出器8および第2光検出器9は、第2カプラ7から出力される干渉光の強度を検出する。本実施形態では第1光検出器8は、第2カプラ7から出力された第1の光の強度を検出し、第2光検出器9は、第2カプラ7から出力された第2の光の強度を検出する。具体的には、第1光検出器8は、入射する第1の光の光強度に応じた電気信号S8を生成して差分回路10に出力する。また第2光検出器9は、入射する第2の光の光強度に応じた電気信号S9を生成して差分回路10に出力する。そして第1光検出器8および第2光検出器9には、例えばフォトダイオードが用いられる。また第1光検出器8および第2光検出器9で検出される信号の位相は反転している。
また、光源2により出力されたレーザ光は、光検出器8、9に検出されるまで光ファイバ内を伝播するため、光軸の調整や振動制御を行う必要がない。
差分回路(DIFA)10は、第1光検出器8の検出信号である信号S8と、第2光検出器9の検出信号である信号S9の差分成分を抽出して差分信号を生成する。差分成分を抽出することにより直流成分の除去やS/N(Signal to Noise ratio)比を大きくすることができる。また、差分回路10は、差分信号を検出用の信号S101としてフィルタ11に出力する。また、差分回路10は、差分信号を補正用の信号S102としてアンプ13に出力する。また、差分回路10は、位相の反転した信号S8と信号S9との差分信号を生成するので増幅機能を有する。
フィルタ11は、差分回路10から出力された信号S101から弾性波検出に必要な成分を抽出して信号S11として処理装置12に出力する。そしてフィルタ11は、例えばバンドパスフィルタにより構成され、例えば信号S101から周波数が約50kHz〜1MHzの信号を抽出して信号S11として処理装置12に出力する。
処理装置12は、例えばフィルタ11から出力された信号S11をアナログ信号からデジタル信号に変換して取り込む。この処理装置12は、例えばパーソナルコンピュータやデジタルオシロスコープ等により構成される。また処理装置12は、取り込んだ信号S11から時間と周波数の情報を抽出し、当該情報から被検査対象物20に発生する弾性波を検出する。更に処理装置12では、例えば取り込んだ信号S11にフィルタ処理、周波数変換処理、ウェーブレット変換処理等を施して、群速度分散や、特定周波数成分の経時変化が解析される。
ここでウェーブレット変換について説明する。ウェーブレット変換は、時間と周波数に依存した窓関数の形を変化させて、検出波形の全域から時間と周波数の情報を抽出する。すなわち、検出波形の各時間において時間−周波数変換を行い、周波数帯域毎の信号強度を時系列的に求める。これにより、特定の周波数における特定モードの波の到達時間の情報が得られ、例えば、音源位置を特定することができる。
アンプ(Amp)13は、差分回路10から出力された信号S102を増幅して信号S13としてフィルタ14に出力する。
フィルタ(LPF)14は、アンプ13から出力された信号S13からノイズ成分、例えば参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6に発生するノイズ成分を抽出して信号S14として積分器15に出力する。
フィルタ14は、例えば所定周波数よりも低い周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ(LPF)により構成され、例えば参照光用光ファイバ5やセンサ用光ファイバ6に発生する外部からの環境ノイズ成分に相当する数kHz以下の周波数成分を信号S14として積分器15に出力する。またフィルタ14の周波数特性は、被検査対象物や外部からの環境ノイズに応じて設定することができる。
積分器(ITG)15は、フィルタ14から出力された信号S14に所定時間の積分処理を施し、処理結果を信号S15としてアクチュエータドライバ16に出力する。この積分器15は、例えば参照光用光ファイバ5に発生する外部からの環境ノイズである低周波ノイズを抽出する機能を有する。
アクチュエータドライバ(ADIV)16は、積分器15から出力された信号S15に基づいて、ノイズ成分を除去するように参照光用光ファイバ5の伸縮を制御させる制御信号S16をアクチュエータ51に出力する。例えばアクチュエータドライバ16は、アクチュエータ51駆動用電源装置により構成される。
アクチュエータ51は、例えばアクチュエータドライバ16から出力された制御信号S16に基づいて、ノイズ成分を除去するように参照光用光ファイバ5またはセンサ用光ファイバ6の光ファイバを伸縮する。本実施形態ではアクチュエータ51は、例えば印加された電圧に応じて伸縮する圧電アクチュエータにより構成される。この圧電アクチュエータは例えば参照光用光ファイバ5に接着され制御信号S16に応じて伸縮し、参照光用光ファイバ5の長手方向に沿った方向に光ファイバを伸縮させる。この光ファイバの伸縮により、光ファイバの屈折率の変化および光路長の変化が生じる。例えば圧電アクチュエータは、例えば矩形状に形成され、印加された電圧に応じて逆圧電効果により長手方向に伸縮を行う。この圧電アクチュエータの長手方向と、光ファイバの長手方向とをそろえて接着させる。
次に、上述した構成の弾性波検出装置1のフィードバック部50による動作を説明する。図2(a)、(b)は、図1に示した弾性波検出装置のフィードバック部の動作を説明するための図である。縦軸に出力電圧(V)を表し、横軸に時間(s)を表す。図2(a)は、非フィードバック制御時の検出信号の一具体例を示す図である。図2(b)は、フィードバック制御時の検出信号の一具体例を示す図である。本具体例では、弾性波検出装置1は、被検査対象物20に衝撃等の振動を与えない状態で、つまりセンサ用光ファイバ6に衝撃等の振動を与えない状態で測定を行う。また非フィードバック制御時には、光源2から出力されたレーザ光は、光アイソレータ3を通過して第1カプラ4により分岐され、一方のレーザ光が参照光用光ファイバ5に入射され、他方のレーザ光がセンサ用光ファイバ6に入射される。
例えば低周波成分の環境ノイズにより、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6が伸縮して、光ファイバの屈折率および光路長が変化する。このため参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6内に導光されているレーザ光の位相が変化する。
第2カプラ7は、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6それぞれから出力されたレーザ光を干渉させて干渉光を生成し、その干渉光を分岐して第1の光、および第1の光の位相が反転した第2の光を生成し、第1の光を光ファイバを介して第1光検出器8に出力し、第2の光を光ファイバを介して第2光検出器9に出力する。第1光検出器8では、参照光用光ファイバ5により導光された第1の光の光強度を検出し信号S8として差分回路10に出力する。第2光検出器9では、センサ用光ファイバ6により導光された第2の光の光強度を検出し信号S9として差分回路10に出力する。
差分回路10は、第1光検出器8から出力された信号S8と、第2光検出器9から出力された信号S9との差分信号を生成し、信号S101としてフィルタ11に出力する。フィルタ11は信号S101にフィルタ処理を施し信号S11として処理装置12に出力する。処理装置12は、信号S101に基づいて例えば図2(a)に示すような信号を出力する。
一方、フィードバック制御時には、差分回路10は、第1光検出器8から出力された信号S8と、第2光検出器9から出力された信号S9との差分信号を生成し、信号S102としてアンプ13に出力する。アンプ13は信号S102を増幅して信号S13としてフィルタ14に出力する。このフィルタ14は信号S13にローパスフィルタ処理を施して信号S14として積分器15に出力し、積分器15は信号S14に積分処理を施し、信号S15としてアクチュエータドライバ16に出力する。そしてフィルタ14によりノイズ成分に相当する低周波成分を抽出し、さらに積分器15により積分処理を施すことにより、環境ノイズ成分を抽出することができる。
アクチュエータドライバ16は、積分器15から出力された信号S15に基づいて、ノイズ成分を除去させる制御信号S16をアクチュエータ51に出力する。詳細には、アクチュエータドライバ16は、信号S15に基づいて、アクチュエータ51に、環境ノイズによる光ファイバの伸縮を相殺させる制御信号S16を出力する。そして参照光用光ファイバ5に備えられたアクチュエータ51は、制御信号S16に基づいて参照光用光ファイバ5の長手方向に沿った方向に伸縮して、参照光用光ファイバ5を長手方向に沿った方向に伸縮させ、その伸縮に応じて屈折率および光路長が変化する。
レーザ光は、アクチュエータ51の伸縮により屈折率および光路長が変化した参照光用光ファイバ5により導光されてカプラ7に入射される。第2カプラ7では、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6それぞれから出力されたレーザ光を干渉させてノイズ成分が低減した干渉光を生成する。
また、第2カプラ7は、その干渉光を分岐して第1の光、および第1の光の位相が反転した第2の光を生成し、第1の光を光ファイバを介して第1光検出器8に出力し、第2の光を光ファイバを介して第2光検出器9に出力する。
差分回路10は、第1光検出器8から出力された信号S8と、第2光検出器9から出力された信号S9との差分信号を生成し、信号S101としてフィルタ11に出力する。フィルタ11は信号S101にフィルタ処理を施し信号S11として処理装置12に出力する。処理装置12は、信号S101に基づいて例えば図2(b)に示すような信号を出力する。
このように非フィードバック制御時には、例えば図2(a)に示すように、周波数が略1Hz以下の大きな振動成分が検出されており、環境ノイズによる影響が大きい。一方、フィードバック制御時には、例えば図2(b)に示すように略平坦な信号が検出され、環境ノイズ成分が低減していることが解る。
以上説明したように、構成の弾性波検出装置1は、光源2と、単一波長の光源2からの光を分岐する第1カプラ4と、第1カプラ4で分岐した光を導光する参照光用光ファイバ5と、被検査対象物20に対して設置され第1カプラ4で分岐した他方の光を導光するセンサ用光ファイバ6と、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6の一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせる第2カプラ7と、第2カプラ7で重ね合わされた光の強度を検出する第1光検出器8および第2光検出器9と、第1光検出器8の検出信号からノイズ成分を抽出するフィルタ14および積分器15と、抽出した検出信号のノイズ成分に基づいて、当該ノイズ成分を除去するように参照光用光ファイバ5の伸縮を制御するアクチュエータドライバ16およびアクチュエータ51とを設けたので、例えば環境ノイズの影響を低減することができる。
また、第2カプラ7は、参照光用光ファイバ5とセンサ用光ファイバ6から出力された干渉光を分岐して、第1の光と、その第1の光と位相が反転した第2の光を生成して出力し、差分回路10は、第1光検出器8および第2光検出器9で検出した信号を基に差分信号を生成するので、検出信号を増幅する機能を有する。
また、差分回路10は、検出信号の差分信号を生成するので、直流成分を除去してS/N比を大きくすることができる。
また、参照光用光ファイバ5の側面に接着して備えられ、ノイズ成分を除去するように光ファイバの長手方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させる圧電アクチュエータ51を設けたので、例えば光ファイバに大きな負荷を与えることなく、ノイズ成分を除去するように振動させることができる。また、光ファイバ内のレーザ光の光強度を減衰させることなくノイズ成分を除去することができる。
また、検出信号の低周波成分を抽出するフィルタ14と、抽出信号に所定時間、積分処理を施して低周波成分であるノイズ成分が抽出する積分器15とその抽出されたノイズ成分を基にアクチュエータ51にノイズ成分を除去させる制御信号を出力し、アクチュエータ51は制御信号S16によりノイズ成分を除去させるように参照光用光ファイバ5を伸縮させるので、簡単な構成によりノイズを除去することができる。
また、光源2から第1光検出器8および第2光検出器9まで、レーザ光は光ファイバ内のみを伝播し、空気中を伝播することがないために光学定盤や光軸の調整が不要である。
また、光源2と、第1カプラ4との間に備えられ、第1カプラ4から光ファイバfを介して光源2に向けた光を除去する光アイソレータ3を設けたので、光源2としてのレーザ装置の発振が安定する。
次に、差分回路10による増幅機能を図面を参照しながら説明する。図3(a)〜(c)は、図1に示した弾性波検出装置の2つの光検出器により検出された信号の一具体例を示す図である。縦軸に出力電圧(V)を表し、横軸に時間(s)を表す。
図3(a)は、図1に示した弾性波検出装置の第1光検出器により検出された信号の一具体例を示す図、図3(b)は、図1に示した弾性波検出装置の第2光検出器により検出された信号の一具体例を示す図、図3(c)は、図1に示した弾性波検出装置の差分回路が生成する差分信号の一具体例を示す図である。
例えばセンサ用光ファイバ6に図示しない圧電素子により正弦波振動を加えた場合を説明する。センサ用光ファイバ6は、上述した正弦波振動に応じて伸縮して、光ファイバの屈折率および光路長が変化する。第2カプラ7は、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6それぞれから出力されたレーザ光を干渉させて干渉光を生成し、その干渉光を分岐して第1の光、および第1の光の位相が反転した第2の光を生成し、第1の光を光ファイバfを介して第1光検出器8に出力し、第2の光を光ファイバfを介して第2光検出器9に出力する。
第1光検出器8では、例えば図3(a)に示すような信号S8を出力する。第2光検出器9では、例えば図3(b)に示すような信号S9を出力する。差分回路10は、第1光検出器8から出力された信号S8と、第2光検出器9から出力された信号S9との差分信号、例えば図3(c)に示すように信号S8から信号S9を減算した信号(S8−S9)を生成する。この信号(S8−S9)は、信号S101、102に相当する。図3(a)、(b)から明らかなように各光検出器8、9で得られる信号の位相は反転しており、差分回路10はその信号の差分をとるので、検出信号が増幅される。また、差分成分を抽出することにより直流成分の除去やS/N比が向上する。
次に、弾性波検出装置1の検出感度および検出光の物理量を検討する。図4は、弾性波検出装置の一測定例を説明するための図である。図5は、図4に示した弾性波検出装置1の被検査対象物と参照光用光ファイバ近傍の拡大図である。
例えば厚さ0.5mmのアルミニウム板PLに、センサ用光ファイバ6を接着剤bdにより長さLbd(10mm)程度接着する。音源位置Sは、センサ用光ファイバ6から距離Lが150mmの位置に、線状に集光したパルスレーザ光を照射して弾性波を励起させる。図4に示すように、レーザ装置31には、例えば、テーブルトップ型Q−switched Nd :YAG レーザ装置を用いる。レーザ光の波長は1064nm、最高出力エネルギーは、例えば300mJである。
レーザ装置31から出力されたパルスレーザ光は、ミラー32により反射され、円柱レンズ33により集光され、ハーフミラー34により反射されてアルミニウム板PL上の音源位置Sに線状に照射される。
弾性波検出装置1と比較するために、レーザ干渉計35として、空気伝播型ヘテロダインタイプマッハツェンダ型干渉計により、アルミニウム板PLの一方の面に接着されたセンサ用光ファイバ6の接着部の真裏部BPにレーザ光を照射して面外変位を同時に測定した。この際、デジタイザ37は、フォトダイオード36により検出されたレーザ光をトリガとして、レーザ干渉計35から出力されたアナログ信号ASを、例えば数10MHzのサンプリング周期で高速に入力してデジタル化してパーソナルコンピュータ(PC)38に出力する。
図6(a)は図1に示した弾性波検出装置1による検出信号、図6(b)は空気伝播型レーザ干渉計による検出信号の一具体例を示す図である。縦軸に出力電圧(mV)を表し、横軸に時間(ms)を表す。
例えば本実施形態の弾性波検出装置1は、大型建造物での計測用のフィルタ11を用いているために、検出信号のうち170kHz以上の高周波成分を低減しているので、図6(b)に示す検出信号と比べて、図6(a)に示すように高周波成分が低減した信号を出力するが、略同じ検出信号を得る。
次に、伝播弾性波、本実施例ではラム波非対称基本モードの群速度分散を演算により求めた。図7は、図6(a)、(b)に示した波形にウェーブレット変換処理を施した結果を示す図である。縦軸に群速度(m/s)を表し、横軸に周波数(kHz)を表す。
白丸40は弾性波検出装置1による検出信号、三角41はレーザ干渉計35による検出信号それぞれにウェーブレット変換処理を施した結果の群速度分散であり、実線42は解析的に演算された群速度分散である。図7に示すように、弾性波検出装置1、レーザ干渉計35による検出結果(符号40、41)の群速度分散は略一致している。また解析的に演算された群速度分散(符号42)とも略一致しており、弾性波検出装置1は、空気伝播型レーザ干渉計35と略同等な検出性能を有することが解る。
図8は、図6(a)、(b)に示した検出信号を重ね合わせた拡大図である。実線は弾性波検出装置1による検出信号S100、点線はレーザ干渉計35による検出信号S350である。図8に示すように、検出信号S100は、検出信号S350と比べて位相が略反転している。伝播弾性波であるラム波A0モードの位相では、面内変位と面外変位の位相は、表面と裏面とでは反転する。すなわち、弾性波検出装置1で検出された波形は、面内変位成分を検出していることを示している。
次に、上記構成の弾性波検出装置1のAEの検出特性について説明する。AEは、例えば材料の亀裂や破壊等の損傷により発生するが、擬似的に例えればシャープペンシルの芯を圧折することにより発生することができる。芯の圧折はAEセンサや計測器の標準音源として用いられている。具体的には、シャープペンシルの芯の圧折により微弱な表面波(ラム波)のAEが発生する。
図9は、図1に示した弾性波検出装置による検出方法の一具体例を示す図である。図9に示すように、被検査対象物20としての試験片には、寸法が径φ60mm、肉厚5mmの鋼管21を用い、センサ用光ファイバ6を鋼管21に3重巻きにして図示しないバンドによって固定する。バンドで固定することにより検出感度が向上し、センサ用光ファイバ6が保護される。音源位置Sとセンサ用光ファイバ6との距離Lを300mm、および500mmとし、音源位置Sにてシャープペンシル43の芯を圧折する。
図10(a)、(b)は、弾性波検出装置が検出した検出波形の一具体例を示す図である。図10(a)はセンサ用光ファイバと音源位置Sとの距離Lが300mmの場合、図10(b)はセンサ用光ファイバ6と音源位置Sとの距離Lが500mmの場合に弾性波検出装置が検出した検出波形の一具体例を示す図である。
図11(a)は、図10(a)に示した検出信号にウェーブレット変換処理を施して得られたウェーブレット群速度線図である。図11(b)は、図10(b)に示した検出信号にウェーブレット変換処理を施して得られたウェーブレット群速度線図である。
処理装置12は、信号S101から時間と周波数の情報を抽出し、当該情報から被検査対象物20(21)に発生する弾性波を検出する。詳細には、処理装置12は、例えばウェーブレット変換処理を施して弾性波を検出する。
尚、音源位置Sにおけるシャープペンシル43の芯の圧折条件は、硬さ2H、直径0.5mmのシャープペンシルの芯に4Nの力を0.9μsで開放した。芯圧折のタイミングは、例えば図10(a)、(b)のtkに示すように0.104msである。
図11(a)、(b)において、濃淡で示されている領域Aは、検出波をウェーブレット変換処理して得られたウェーブレット係数分散である。また、実線Bで示されているのは、演算により得られる円筒波のL(0,1)モードの群速度分散である。円筒波のL(0,1)モードは、円筒の半径方向の膨張により発生する表面波に相当する。
図11(a)に示すように距離Lが300mmの場合、および図11(b)に示すように距離が500mmの場合でも、ウェーブレット係数分散の黒い尾根(高いウェーブレット係数帯)Aは、演算により得られる円筒波の(0,1)モードの群速度分散Bと略一致しており、弾性波検出装置1は、円筒波のL(0,1)モードを検出していることが解る。
図12は本発明の第2の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図である。図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明する。第2の実施形態係る弾性波検出装置100が図1の第1の実施形態係る弾性波検出装置1と異なる点は、センサ用光ファイバ6をセンサホルダ21に固定し、センサ用光ファイバ6の折り返し部をコイル状に巻回してコイル状ファイバセンサ24を形成して(以下、この構成を指向性センサ28と記す)液体(本実施形態では水)23に浸漬し、この指向性センサ28をモータ(回転手段)27により回転する機構を備えた点である。即ち、第1の実施形態ではセンサ用光ファイバ6を被検査対象物20に直接固定して被検査対象物20から発生するAEを検出していた。つまり、地上に設置された被検査対象物20の検査が主眼であった。それに対して第2の実施形態は、ガソリンタンク等の液体を貯蔵する被検査対象物22の内部の破壊、亀裂および腐食をリアルタイムに検出する目的で開発されたものである。つまり、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、センサ用光ファイバ6を被検査対象物22に直接設置するのではなく、液体23を貯蔵する被検査対象物22の液中に指向性センサ28を設置し、液体23を伝播する液中縦波AE26を検出することである。尚、指向性センサ28が被検査対象物22から発生する液中縦波AE26を検出する動作は前述した第1の実施形態と同様であるのでその説明は省略し、第1の実施形態と異なる点のみに限定して以下説明する。
図13は指向性センサ28の構成を示す図である。図13(a)は指向性センサ28を上部から見た図であり、図13(b)は図13(a)のA視から見た図である。指向性センサ28は、例えば材料をアルミ等により構成され、内部を中空にした円筒状のセンサホルダ21と、センサ用光ファイバ6を折り返し部でコイル状に巻回したコイル状ファイバセンサ24とを備えて構成される。そしてセンサホルダ21は外周面に軸方向に長い凹形状部29を有し、コイル状ファイバセンサ24はセンサホルダ21の凹形状部29内に収容される。凹形状部29は、センサホルダ21の外壁を軸方向に細長く凹陥させたものであり、内部の中空部とは連通していない。
尚、図示を省略するが、センサ用光ファイバ6とコイル状ファイバセンサ24は接着剤等によりセンサホルダ21に固定される。またセンサホルダ21の形状が円筒であるが、形はこれに限定されるものではなく、多角筒状、その他の任意の筒状としてもよい。また、センサホルダ21の構成材料はアルミに限定されず鉄、銅等の他の金属でも構わない。
例えば、実施例として、凹型アルミニウム部材(内幅14mm、外幅18mm、肉厚2mm)の凹底部に光ファイバをコイル状(香取線香状)に5回巻いて固定する。巻回数は感度を稼ぐためで、特に5回に限定されるものではない。また凹型材を18mm幅に溝加工した直径30mmのアルミ円筒に埋込み、筒内部を中空状態(液体が進入しないよう)にする。また、筒の直径はガソリン地下埋設タンクの給油口が32mmであることから30mmとした。この構造によって、凹開口部以外の方向から伝搬してきたAEを筒内空気層によって遮断する。すなわち、凹開口部に伝播してくるAE波が検出できるため指向性を持たせることができ、損傷方向の特定が可能となる。
図14(a)は貯水縦型円筒タンク(以下、単にタンクと記す)の側面に人工音源からの発生音(PZTトランスミッタ51で軽打撃音)を与えた時の水中縦波を指向性センサを用いて測定するシステムの模式図である。図14(b)は指向性センサ28の断面図である。この指向性センサ28は凹型材50を18mm幅に溝加工した直径30mmのアルミ円筒に埋込み、筒内部を中空状態(液体が進入しないよう)にしたものを使用する。また図14(a)のシステムはタンク22底辺から140mmの位置に人工音源51からの音を与え、同じ高さにコイル状ファイバセンサ24を設置した指向性センサ28を設置する。はじめに、凹形状部29の法線方向を音源方向(θ=0°とする)にして液中縦波AE26を検出した。
図15は図14(a)のシステムにより検出した検出波の図である。縦軸に出力電圧(V)を表し、縦軸に時間(ms)を表す。θ=0では初動の大きな振幅波は、人工音源51からコイル状ファイバセンサ24に到達した直接到達波52である。一方0.6ms近傍に見られる波は反射波(タンク後側面からの)53である。図15から解るとおり極めて高いS/N比で直接到達波52を検出している。
次にθを5°おきに回転させながら、水中縦波を検出し指向性を測定した。図16は音源が0°方向にあるときの指向性センサ28による液中縦波AE26の振幅分布を示す図である。初動到達波の振幅(図中に原点を通る矢印線54として示した)をθの関数として示す。なお振幅は、θ=0°方向の最大振幅を1.0として規格化して示した。図16から0°<θ<20°の範囲にやや大きな振幅が見られるが、極めて良好な指向性を示している。θが45°以上での直接到達波の振幅は2/10程度まで減少しており、センサホルダ21が反射波を遮断していることがわかる。即ち、センサホルダ21を回転させながら、振幅分布を測定すれば音源位置(方向)が特定できることがわかった。
次に横型横長モデルタンク(ドラム缶)を用いた実験結果について説明する。
横型横長タンクの音源位置特定は、縦型円筒タンクに比べればかなり難しくなる。すなわち、センサホルダ21を、ガソリンスタンド地下タンクの検査時と同じように、水平側壁の上面の1箇所から挿入せざるをえないため、側壁や端面に音源がある場合には伝播距離が異なること、音源と凹形状部29の法線方向のなす角θが大きくなること、音源位置によっては仰角、俯角を持つためである。
図17は、模擬横型円筒タンクにおける音源位置とセンサ配置図である。図17(a)は上面図、図17(b)は前面図、図17(c)は側面図である。図17では直径580mm、長さ880mmのドラム缶を用いた。センサホルダ21は、側壁中央の穴55から垂直に挿入し、コイル状ファイバセンサ24がタンク高さの中央(290mm)に来るように設置した。そしてθ=0°から回転させて、A、B、C、D、E、Fの音源からの水中縦波を検出した。なお、音源A、B、Cはタンク底部から高さ290mmの位置にある(俯角Φが0°)が、音源D、E、Fはタンク底部から高さ85mmの位置にあるので俯角45°を持っている。
図18、図19は、音源Aに対するセンサ角度θでの検出波形と70kHzウェーブレット係数経時変化を示す図である。 図18、図19の(a)は検出波形を表し、(b)はウェーブレット係数経時変化を表す。図18はθ=0°、10°、20°での検出波であり、図19はθ=30°、60°、120°での検出波である。図18、19から解るとおり、S/N比がやや悪いが、θ=0°や10°では直接到達波を明確に捉えている。これらの波に対してウェーブレット変換を施し、70kHzのウェーブレット係数の経時変化には、直接到達波や反射波が明瞭に観察される。
図20は図17の円筒タンクの側面音源A、B、Cに対する検出直接到来波(水中縦波)の振幅分布を表す図である。なお、各音源とθに対する振幅値は、音源Aに対するθ=0°方向の最大ウェーブレット係数で規格化して示した。図20の右縦軸に示したA、B、Cは音源位置である。A音源に対する振幅分布55はθ=0°で最大の振幅を示し、極めてよい指向性を示した。B音源に対する振幅分布56と、C音源に対する振幅分布57に対しては、それぞれ30°と45°方向に最大振幅を示すことが期待されたが、最大振幅はそれぞれ20°(符号58)と30°(符号59)となった。即ち、期待角度より10°小さな角度になったが、センサホルダ21の縦側面(高さ10mm:図14(b)参照)での反射を検出した可能性がある。センサホルダ21の形状の変化(縦側面高さを短くする)や別形状(雨樋型)のセンサホルダを考える必要があるが、おおよその音源位置方向は特定されている。
図21は図17の円筒タンクの側面音源D、E、Fに対する検出直接到来波(水中縦波)の振幅分布を表す図である。なお、各音源とθに対する振幅値は、音源Dに対するθ=0°方向の最大ウェーブレット係数で規格化して示した。俯角を持つため振幅分布は図20に比べてやや複雑で、音源位置E、Fに対する最大振幅波は、期待される角度よりもやや小さめに検出された。なお、この図における振幅は、音源位置Eに対する最大ウェーブレット係数で規格化している。期待角度と最大振幅角には10°〜5°程度の誤差があるが、音源の方向はほぼ特定できている。すなわち、センサに対して俯角を持っている音源でも位置特定が可能であることを示しているが、ウェーブレット変換(リアルタイムの処理が可能)のような信号処理が必要である。
尚、本実施例では横型横長円筒タンクの側壁の音源位置を、側壁中央上から垂直に挿入したセンサで検出する方法について検討したが、円筒底にある音源の軸方向位置の標定などについては、センサホルダにフレキシブルチューブを用いるなどして、軸方向音源位置標定精度を改善することも可能である。
図22は指向性センサの他の実施例を示す図である。図22(a)の指向性センサは円筒状のホルダ70の外周に螺旋状に巻回した外側光ファイバ71と、ホルダ70内にコイル状に巻回した内側光ファイバ72とを備えて構成される。この指向性センサは外側光ファイバ71により円筒の周回方向と軸方向を同時に検出することが可能となる。また円筒の底部からの音源に対しては内側光ファイバ72により検出することができる。即ち、この指向性センサを使用することにより、全方位のAEを検出することができる。
図22(b−1)の指向性センサは、球状のホルダ73の外周全面に光ファイバ74を巻回したものである。図22(b−2)の指向性センサは、リング状のホルダ75の直径方向に光ファイバ74を巻回したものである。図22(b−3)の指向性センサは、リング状のホルダ76の直径方向に交差するように光ファイバ74を巻回したものである。図22(b−1)の指向性センサは、全方位のAEを検出することができ、図22(b−2)、図22(b−3)の指向性センサは、特定の方位を検出することができる。
図22(c)の指向性センサは、板状のホルダ77の少なくとも片面にコイル状に巻回したコイル状ファイバセンサ78を複数個(78a〜78d)配置し、板状のホルダ77を回転させる構成を有するものである。この指向性センサは、板状のホルダ77を回転しながら、音源79から発生するAEをコイル状ファイバセンサ78のどのセンサが一番強く検出するかにより音源79との角度を検出して位置を特定するものである。
図23は本発明の第3の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図である。この弾性波検出装置200は、センサ用の光ファイバが複数備えられた場合、図1の弾性波検出装置1に追加して、1×2カプラ82により分岐された一方の光を複数のセンサ用の光ファイバの何れか一方端に導光するように順次切り換える光切替器(光切替手段)83と、複数のセンサ用の光ファイバの各他方端から出射する光を一つの光に結合するN×1カプラ88とが追加されている。尚、コイル状センサファイバ91が被検査対象物22から発生する液中縦波AE26を検出する動作は前述した第1の実施形態と同様であるのでその説明は省略する。尚、図23ではホルダ92が中空球体の場合について示されているが、この形状に限定されるものではない。
次に弾性波検出装置200の概略動作について説明する。光源81から出射された単一波長の光は、1×2カプラ82により分岐され一方は光切替器83に導光され、他方は参照光用光ファイバ85に導光される。光切替器83は外部から制御する切り換え信号89により、順次複数のコイル状センサファイバ91に光を導光するように切り換えられる。そしてコイル状センサファイバ91の他端から導光した光は、N×1カプラ88により結合されてセンサ用光ファイバ87に導光されて、参照光用光ファイバ85の光と結合されて2×2カプラ86から出力される。このように、コイル状センサファイバ91を多数配置し、各センサの出力を光切替器83を用いて空間的、時間的に分割することにより、液中縦波の放出方向を特定することができる。
図24は本発明の第4の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図である。この弾性波検出装置300は、多波長光を出射する光源115と、この光源115からの光を分岐する第1の分光器114と、ホルダ116に固定して液中にアレイ状に設置され、第1の分光器114により分岐された光を導光する複数のコイル状センサファイバ117、118、119と、第1の分光器114により分岐された光を導光する参照光用光ファイバ113と、コイル状センサファイバ117、118、119の一方端から他方端に向けて導光された光を分岐する第2の分光器112と、この第2の分光器112により分光された光を光電変換するホトダイオードアレイ111と、ホトダイオードアレイ111から各波長ごとの干渉信号を検出する信号検出器110と、を備えて構成される。
尚、この例ではコイル状センサファイバ117、118、119にはそれぞれ分光器114から波長λ1、λ2、λ3が導光される。
次に弾性波検出装置300の概略動作について説明する。光源115から出射された多波長の光は、分光器114により波長ごとに分岐され、波長λ1はコイル状センサファイバ117に導光され、波長λ2はコイル状センサファイバ118に導光され、波長λ3はコイル状センサファイバ119に導光される。各コイル状センサファイバから導光された光は分光器112により分光され、ホトダイオードアレイ111により波長毎に光電変換される。そして信号検出器110は各波長ごとの干渉信号を検出する。このように、コイル状センサファイバ117、118、119を多数配置し、各センサごとの干渉信号を検出することにより、どの波長によるセンサ用光ファイバがAEを検出したかにより、音源の方位角度を判定することができる。
以上説明したように、弾性波検出装置1は、環境ノイズ、例えば(〜1Hz)のノイズをフィードバック部50により低減しているので、シャープペンシルの芯の圧折のような単発かつ微小振幅の弾性波を高精度で検出することができる。また、例えば長距離の埋没配管における漏洩を検出するのに、本発明の弾性波検出装置1を用いることで、より高精度で漏洩を検出することができる。
また弾性波検出装置100は、液体を貯蔵する被検査対象物22の液中に設置した指向性センサ28と、参照光用の光ファイバ5を備え、各光ファイバに単一光を導光し、参照光用の光ファイバ5に外来ノイズを相殺するように外部から伸縮させ、その参照光用の光ファイバ5とセンサ用光ファイバを結合することにより干渉光を生成し、その干渉光から弾性波を検出するようにしたことにより、外来ノイズを低減すると共に、可燃性の液体を貯蔵した被検査対象物22に発生する弾性波を安全に且つ精度よく検出することができる。
また、参照光用光ファイバ5やセンサ用光ファイバ6に石英光ファイバを用いて測定を行うことで、PVCコーティングでは300℃以上、ベアファイバを用いれば1000℃程度での測定を行うことができ、例えば圧電素子の測定限界温度、例えば圧電素子のキュリー温度よりも高い温度で、測定することができる。
また、フィードバック部50を設けたことにより環境ノイズを低減できるので、従来、環境ノイズが大きく測定が困難であった被検査対象物20のAEを測定することができる。
また、面内成分の変位を計測することができ、ラム波の検出などに有効である。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限られるものではなく、任意好適な改変が可能である。例えば、第2カプラ7は、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6により導光されたレーザ光を重ね合わせ、干渉光を分岐して第1および第2の光を生成したが、この形態に限られるものではない。
また第2カプラ7は、参照光用光ファイバ5およびセンサ用光ファイバ6により導光されたレーザ光を重ね合わせて干渉光を出力し、1個の光検出器によりその干渉光の光の強度を検出してもよい。
またフィードバック部50は、その光検出器が検出した信号を基に、参照光用光ファイバ5を伸縮させてノイズ成分を除去することで、より簡単な構成でノイズ成分を低減することができる。
また、アクチュエータ51を参照光用光ファイバ5に設けたが、この形態に限られるものではない。アクチュエータ51をセンサ用光ファイバ6に設けてもよい。
このように本発明は、例えば、大型貯蔵タンク、長距離埋設配管、ビルや高速道路などのコンクリート建造物等のAEと弾性波を測定する測定装置に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図。 図1に示した弾性波検出装置のフィードバック部の動作を説明するための図であり、(a)は非フィードバック制御時の検出信号の一具体例を示す図、(b)はフィードバック制御時の検出信号の一具体例を示す図。 図1に示した弾性波検出装置の2つの光検出器により検出された信号の一具体例を示す図であり、(a)は図1に示した弾性波検出装置の第1光検出器により検出された信号の一具体例を示す図、(b)は図1に示した弾性波検出装置の第2光検出器により検出された信号の一具体例を示す図、(c)は図1に示した弾性波検出装置の差分回路が生成する差分信号の一具体例を示す図。 弾性波検出装置の一測定例を説明するための図。 図4に示した弾性波検出装置1の被検査対象物と参照光用光ファイバ近傍の拡大図。 (a)は図1に示した弾性波検出装置1による検出信号を示す図、(b)は空気伝播型レーザ干渉計による検出信号の一具体例を示す図。 図6に示した波形にウェーブレット変換処理を施した結果を示す図。 図6に示した検出信号を重ね合わせた拡大図。 図1に示した弾性波検出装置による検出方法の一具体例を示す図。 弾性波検出装置が検出した検出波形の一具体例を示す図であり、(a)はセンサ用光ファイバと音源位置Sとの距離Lが300mmの場合を示す図、(b)はセンサ用光ファイバ6と音源位置Sとの距離Lが500mmの場合に弾性波検出装置が検出した検出波形の一具体例を示す図。 (a)は図10(a)に示した検出信号にウェーブレット変換処理を施して得られたウェーブレット群速度線図、(b)は図10(b)に示した検出信号にウェーブレット変換処理を施して得られたウェーブレット群速度線図。 本発明の第2の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図。 (a)は指向性センサ28を上部から見た図、(b)は(a)のA視から見た図。 (a)は貯水縦型円筒タンクの側面に人工音源(PZTトランスミッタ51で軽打撃)を与えた時の水中縦波を指向性センサを用いて測定するシステムの模式図、(b)は指向性センサ28の断面図。 図14(a)のシステムにより検出した検出波の図。 音源が0°方向にあるときの指向性センサ28による液中縦波AE26の振幅分布を示す図。 模擬横型円筒タンクにおける音源位置とセンサ配置図であり、(a)は上面図、(b)は前面図、(c)は側面図。 (a)(b)は音源Aに対するセンサ角度θでの検出波形と70kHzウェーブレット係数経時変化を示す図(その1)。 (a)(b)は音源Aに対するセンサ角度θでの検出波形と70kHzウェーブレット係数経時変化を示す図(その2)。 図17の円筒タンクの側面音源A、B、Cに対する検出直接到来波(水中縦波)の振幅分布を表す図。 図17の円筒タンクの側面音源D、E、Fに対する検出直接到来波(水中縦波)の振幅分布を表す図。 (a)〜(c)は指向性センサの他の実施例を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図。 本発明の第4の実施形態に係る弾性波検出装置の構成図。
符号の説明
1…弾性波検出装置、2…光源、3…光アイソレータ、4…第1カプラ、5…参照光用光ファイバ、6…センサ用光ファイバ、7…第2カプラ、8…第1光検出器、9…第2光検出器、10…差分回路、11…フィルタ、12…処理装置、13…アンプ、14…フィルタ、15…積分器、16…アクチュエータドライバ、21…センサホルダ、22…被検査対象物、24…コイル状センサファイバ、26…液中縦波AE、27…モータ、51…アクチュエータ

Claims (14)

  1. 単一波長光を出射する光源と、該光源からの出射光を分岐するスプリッタと、被検査対象物に配設され前記スプリッタにより分岐された一方の光を導光するセンサ用光ファイバと、前記スプリッタにより分岐された他方の光を導光する参照光用光ファイバと、前記センサ用および参照光用の各光ファイバの一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせる結合手段と、該結合手段により重ね合わされた光の強度を検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検査対象物に発生する弾性波を検出する処理手段と、前記光検出手段の検出信号からノイズ成分を抽出するノイズ抽出手段と、該ノイズ抽出手段が抽出した検出信号に含まれるノイズ成分を除去するように前記参照光用の光ファイバの伸縮量を制御する伸縮制御手段と、を備え、前記伸縮制御手段は、前記参照光用の光ファイバに備えられ、前記ノイズ成分を除去するように当該光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させる伸縮手段を備えたことを特徴とする弾性波検出装置。
  2. 単一波長光を出射する光源と、該光源からの出射光を分岐するスプリッタと、液体を収容する被検査対象物の液中に設置され前記スプリッタにより分岐された一方の光を導光するセンサ用光ファイバと、前記スプリッタにより分岐された他方の光を導光する参照光用光ファイバと、前記センサ用および参照光用の各光ファイバの一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせる結合手段と、該結合手段により重ね合わされた光の強度を検出する光検出手段と、該光検出手段により検出された検出信号に基づいて前記被検査対象物に発生する弾性波を検出する処理手段と、前記光検出手段の検出信号からノイズ成分を抽出するノイズ抽出手段と、該ノイズ抽出手段が抽出した検出信号に含まれるノイズ成分を除去するように前記参照光用の光ファイバの伸縮量を制御する伸縮制御手段と、を備え、前記伸縮制御手段は、前記参照光用の光ファイバに備えられ、前記ノイズ成分を除去するように当該光ファイバの軸方向に沿った方向に当該光ファイバを伸縮させる伸縮手段を備え、前記センサ用の光ファイバの少なくとも一部を、外周面に軸方向に長い凹形状部を有した中空筒状のホルダの前記凹形状部内に収容し、前記ホルダを該ホルダの軸心を中心として回転させる回転手段を備えたことを特徴とする弾性波検出装置。
  3. 前記伸縮手段は圧電アクチュエータにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性波検出装置。
  4. 前記結合手段は、前記センサ用および参照光用の各光ファイバの一方端から他方端に向けて導光された光を重ね合わせて干渉光を生成し、当該干渉光を分岐して第1の光、および当該第1の光の位相が反転した第2の光を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の弾性波検出装置。
  5. 前記ノイズ抽出手段は、前記光検出手段により検出された前記第1および第2の光検出信号の差分信号に基づいて、前記参照光用の光ファイバのノイズ成分を抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の弾性波検出装置。
  6. 前記処理手段は、前記第1および第2の光検出器により検出された信号の差分信号に基づいて時間と周波数の情報を抽出し、当該情報から前記被検査対象物に発生する弾性波を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の弾性波検出装置。
  7. 前記ノイズ抽出手段は、前記光検出手段により検出された検出信号に基づいて所定周波数よりも低い周波数成分を抽出するフィルタと、該フィルタが抽出した信号に積分処理を施して前記参照光用の光ファイバのノイズ成分を抽出する積分回路と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の弾性波検出装置。
  8. 前記スプリッタから前記光源に向けた光を除去するアイソレータを備え、当該アイソレータを前記光源と前記スプリッタとの間に配置したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の弾性波検出装置。
  9. 前記凹形状部に収容したセンサ用の光ファイバの少なくとも一部をコイル状に巻回したことを特徴とする請求項2に記載の弾性波検出装置。
  10. 前記ホルダの中空内部を真空にしたことを特徴とする請求項2に記載の弾性波検出装置。
  11. 前記センサ用の光ファイバは、前記ホルダの外周に螺旋状に巻回した外側光ファイバと、前記ホルダ内にコイル状に巻回した内側光ファイバと、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の弾性波検出装置。
  12. 前記センサ用の光ファイバを、球状のホルダの外周に巻回したことを特徴とする請求項2に記載の弾性波検出装置。
  13. 前記センサ用の光ファイバをコイル状に巻回したコイル状光ファイバセンサとし、複数の該コイル状光ファイバセンサを板状のホルダの少なくとも片面に複数個配置し、前記板状のホルダを回転させる構成としたことを特徴とする請求項2に記載の弾性波検出装置。
  14. 前記センサ用の光ファイバが複数備えられた場合、前記スプリッタにより分岐された一方の光を前記複数のセンサ用の光ファイバの何れか一方端に導光するように順次切り換える光切替手段と、前記複数のセンサ用の光ファイバの各他方端から出射する光を一つの光に結合するカプラと、を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の弾性波検出装置。
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