JP4469939B2 - 光ファイバセンサ漏液検知装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、パイプラインや建屋等における漏水を検知する光ファイバセンサ漏水検知装置等として適用される、光ファイバセンサ漏液検知装置に関する。
光ファイバセンサを使った漏水検知に関しては、学術論文に次の研究が報告されている。Spirinらはファイバ・ブラッグ・グレーティング(以下、「FBG」という。)を設けた光ファイバを吸水膨張する材料に取り付けて、吸水により光ファイバにひずみが生じるようにし、光ファイバが受けるひずみ変化から水漏れを検出する方法を提案している。光ファイバが受けるひずみはFBGの反射波長から測定することができる(非特許文献1参照)。
MacLeanらは光ファイバを吸水膨張する材料に取り付け、吸水により光ファイバを歪ませ、光ファイバのひずみをOTDR法(Optical Time Domain Reflectometry)で評価することを提案している(非特許文献2参照)。
また、従来、光ファイバセンサを用いた漏水検知法として下記の発明が公知である。MacLeanが論文に記した内容と同じであるが、吸水膨張、または収縮する材料を利用して光ファイバにひずみを与え、光ファイバが受けるひずみをOTDR法により計測し、ひずみ変化から漏水の有無を検知する発明が提案されている(特許文献1参照)。
そして、漏水時、吸水膨張材の変形により光ファイバに大きな曲げが加わり、光伝送損失が増加することを利用した漏水検知する発明が提案されている(特許文献2参照)。この発明では光ファイバに光を入射し、他端に届く光強度の変化を測定することにより漏水を検知することができる。
さらに、吸水膨張性材料を用いて漏水により光伝送経路を遮断する発明(特許文献3参照)、パイプ内に吸水膨張材と光ファイバを入れて、漏水により膨張材が変形して光ファイバの伝送損失が増加することで漏水を検知する発明(特許文献4参照)等が提案されている。
なお、本発明者は、すでに光ファイバ中を伝搬する超音波強度を測定する手法としては光ファイバにFBGを設け超音波センサとする手段について提案している(特許文献5参照)
特開2004−45226公報 特開2004−45220公報 特開平9−43089公報 特開平5−322690公報 特開2005−9937号公報 Spirin 著、Optics and Lasers inEngineering, 32, 2000, p.497-503 MacLean 著、Sensors and Actuators A 109,2003, p.60-67
上記のような従来提案された光ファイバによる漏水検知装置は、吸水により変形する材料を介して光ファイバに変形を与える、または光伝送を遮断するなどの方法を利用するものである。そして、光ファイバの変形を測定する、または光強度を測定することにより漏水の有無を調べることを原理としている。
このような従来の光ファイバによる漏水検知装置は、次のような問題点がある。
(1)非特許文献1には、吸水膨張材が光ファイバにもたらす変形をFBGにより測定する手段が開示されている。しかし、FBGはその近傍の歪しか計測できないため、漏水検知のためには測定領域全体に渡り多数のFBGを設ける必要がある。もしFBG設置箇所から離れた箇所で漏水が生じた場合、漏水発生を検知できない。
(2)非特許文献2では、OTDRを用いて光ファイバの変形を測定する手法が開示されている。OTDR計測装置は非常に高価であることや、計測に時間がかかる欠点がある。またOTDRひずみ計測の位置分解能は、1メートル以上あり、漏水箇所の位置標定精度が悪い。
(3)特許文献1には、吸水膨張した材料を介して光ファイバにひずみを与え、OTDRによりひずみを計測する点が開示されているが、この手段は、上記非特許文献1に記載されているものと同様の欠点がある。
(4)特許文献2には、吸水膨張した材料が光ファイバに曲げひずみを与え、光ファイバの曲げ損失による光伝送強度変化から漏水の有無を調べる手段が開示されているが、これは、光ファイバの曲げが光伝送強度に及ぼす影響は小さく、この手段では感度の高い漏水検知は困難である。
特許文献1〜4、および非特許文献1、2に挙げたこれまでの技術においては吸液膨張材の変形を利用して漏水を検知している。しかしながら吸液膨張材の膨張率は吸収する液体の種類に依存すると考えられる。このため油など他の液体の漏洩を検査する場合、検知対象の液体毎に膨張材料を交換する必要があると考えられる。
本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的とするものであり、光ファイバに超音波を伝搬させて、水など超音波伝搬速度が光ファイバよりも低速な物体が光ファイバに接触することで生じる超音波漏洩を利用して、漏液の検知、漏液箇所の特定等を行う光ファイバセンサ漏液検知装置を実現するものである。なお、超音波漏洩が生じる物体は水のほか、油など大半の液体が含まれる。
本発明は上記課題を解決するために、光ファイバと、該光ファイバを伝搬する超音波を発生させる超音波発振子と、前記光ファイバを伝搬する超音波の強度を測定する測定手段とを備えた光ファイバセンサ漏液検知装置であって、前記光ファイバに液体が接触した箇所における前記超音波の漏洩によって生じる超音波強度の低下を、前記測定手段で測定することで、漏液を検知することを特徴とする光ファイバセンサ漏液検知装置を提供する。
前記超音波の強度を測定する手段は、前記光ファイバにFBGを設け該FBGにより超音波を検出するFBGセンサ、または圧電センサを有するものであることが好ましい。
前記光ファイバには、前記超音波の強度を測定する手段として、複数のFBGセンサが設けられており、漏液箇所を特定可能である構成としてもよい。
本発明は上記課題を解決するために、光ファイバと、吸水性のない、超音波伝搬減衰の小さな支持台上に配設された光ファイバを伝搬する超音波を発生させる超音波発振子と、前記光ファイバに液体が接触した箇所において漏洩した超音波の強度を測定する測定手段とを備えた光ファイバセンサ漏液検知装置であって、
前記超音波の強度を測定する測定手段は、前記光ファイバの周辺に複数設けられており、該複数の測定手段がそれぞれ漏洩超音波を検知することにより、漏液箇所を特定可能であることを特徴とする光ファイバセンサ漏液検知装置を提供する。なお、本発明における「吸水性のない」は、吸水性がない構成だけでなく、「吸水性の少ない」構成も含む。
漏液の検知対象となる前記液体は、超音波伝搬速度が光ファイバよりも低速な液体であり、光ファイバに接触することによって伝搬する超音波の一部を漏洩させる構成としてもよい。
漏液の検知対象となる前記液体は水、油アルコール又は液体ナトリウムであることを特徴とする光ファイバセンサ漏液検知装置の構成としてもよい。
以上の構成から成る本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置によれば、超音波センサとしてFBGを複数設け、それぞれのFBGが検出する超音波強度変化を調べることにより、漏液箇所を特定することができる。
そして、超音波伝搬減衰の低い材料を光ファイバ支持台として、吸水性の少ない、または吸水性のなく、超音波伝搬減衰の低い材料を使用し、その上に光ファイバを配置すれば、光ファイバから漏洩される超音波が光ファイバ支持台に伝搬する。光ファイバ支持台に超音波センサを配置して、超音波発生源を特定することで、漏液箇所を特定することができる。
本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
(原理)
本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の動作原理を説明する。本発明では、超音波伝搬原理を利用するが、この原理についてまず説明する。超音波伝搬速度V1の物体Aと超音波伝搬速度V2の物体Bが接触しているとき、物体A中を界面に平行に伝搬する超音波は物体Bに数式1で与えられる角度θ(界面の垂直方向からの角度)で伝搬していくことが知られている(スネルの法則)。
Figure 0004469939
数式1はV1>V2の範囲において常に成立し、物体Aから物体Bに超音波の一部が伝搬する、つまり物体Aから物体Bに超音波が漏洩することになる。一方、V1<V2の場合、物体Aを伝搬する超音波は物体Bとの界面で全反射し、物体Bに漏洩することはない。
本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置は、上記超音波伝搬原理を適用したものであり、その動作原理を図1を用いて説明する。超音波発振子(図示しない。)から光ファイバ1に縦波超音波2を伝搬させる。光ファイバ1の縦波速度V1=5,380m/s、水の縦波速度V2=1,480m/sであり、数式1においてV1>V2の条件を満足する。
したがって、光ファイバ1が水3と接触すると光ファイバ1を伝搬している超音波2の一部は水3に漏洩し、光ファイバ1を伝搬する超音波強度は低下する。この漏洩による光ファイバを伝搬する超音波強度の低下を検知すれば、水3への超音波漏洩を検知することができる。
漏液の検知対象となる液体は、超音波伝搬速度が光ファイバ1よりも低速な液体であり、光ファイバ1に接触することによって伝搬する超音波2の一部を漏洩させる液体であればよい。超音波伝搬速度は伝搬媒体のヤング率と密度の商の平方根に比例する。液体は固体と比較してヤング率が低く、ほとんど例外なく光がファイバ(ガラスファイバ)を伝搬する超音波2の音速よりも低いはずである。
よって、検知対象は水のみではなく、油、アルコール等の液体の検知に適用することができる。なお、本発明及び本明細書では、「油」は、重油、軽油、ガソリン、潤滑油など石油から製造される液体、その他鉱物油、植物油を総称する。
また、光ファイバ1の成分はシリカで1000℃以上の高温まで使用できることから、それ以下の融点を持つ溶融金属、たとえば液体ナトリウム(原子炉の冷却材に利用される)などが検出の対象になり得る。以上の動作原理に基づく本発明に係る光ファイバ1センサ漏液検知装置の具体的な構成を以下の実施例で説明する。
図2は、上記原理による漏液検知を実現するための装置の構成例を示す図であり、本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置4の実施例1を説明する図でもある。FBGは、ブラッグ波長と呼ばれる、ある波長を中心とした狭帯域光を反射する性質を有する。このブラッグ波長はFBGが受けるひずみに比例して変化することが知られている。
そこでレーザ発振波長をFBGの反射率−波長関係の勾配変化が急峻な波長に合わせ、FBGの反射光、または透過光強度、または両光強度を測定する。通常、レーザ発振波長は反射率が半減する波長に設定する。レーザ発振波長におけるFBGの反射率は超音波がもたらすひずみに応じて変動することから、超音波がFBGを伝搬したときはその反射光、および透過光強度は変化する。
図2において、レーザ光源5が光サーキュレータ7を介して、FBG6(FBG6を有するセンサをFBGセンサという。)を設けた光ファイバ1に接続されている。この光ファイバ1は、超音波発振子8に接着剤で貼り付けられている。この超音波発振子8は、信号発生器9からの超音波励起信号を受けて超音波を発生させて、光ファイバ1に超音波を伝搬させる役割を持つ。
光サーキュレータ7には、FBGからの反射光強度を測定する反射光用光電変換器10が接続されている。光ファイバ1の先端側にはFBG6が接続されているが、さらにその先端側において、光ファイバ1はFBGの透過光強度を測定する透過光用光電変換器11に接続されている。反射光用光電変換器10及び透過光用光電変換器11は、データ収録装置12に接続されている。超音波発振子8に固定した点からFBG6を設けた箇所までの範囲が漏水検知領域になる。
漏水検知に際しては、漏水検知領域の範囲の光ファイバ1を吸水性のない物体13上に置く。レーザ光源5からのレーザ光は光サーキュレータ7を介して、FBG6を設けた光ファイバ1に入射される。FBG6からの反射光は光サーキュレータ7を介して、反射光用光電変換器10に入射される。またFBG6の透過光は透過光用光電変換器11に入射される。なお、上記「吸水性のない」は「吸水性の少ない」場合も含む。以下において記載されている「吸水性のない」についても同様である。
さらに、超音波発振子8から光ファイバ1に超音波を伝搬させ、レーザ発振波長をFBG6の反射率が半減する波長に合わせて、反射光用光電変換器10、透過光用光電変換器11の出力をそれぞれ計測する。光ファイバ1に水が接触し、光ファイバ1を伝搬する超音波の一部が漏洩すると光ファイバ1を伝搬する超音波強度が低下し、光電変換器の出力が変化する。
(実験例)
本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の効果を確認するために、光ファイバセンサ漏水検知装置の実証実験を行った。この実験ではパイプの漏水検知を想定して図3(a)に示すようなセットアップを用いた。つまりパイプ14の下に治具として樋15を設けることにより、パイプ14からの漏水を樋15に集めることができる。
本実験では図3(a)に示すように、樋15(長さ1メートル)のくぼんだ箇所に光ファイバ1を配置し、光ファイバ1の片端を超音波発振子8に接着剤を用いて固定し、また他端にはFBG6を設けている。そして樋に2mlの水を垂らして、漏水を模擬した。
そして、本実験では光ファイバ1に縦波超音波を発生させるため、超音波発振子8には250kHzを中心周波数とするせん断超音波発生型を用いた。また信号発生器(図示せず)からの超音波励起信号には250kHzのトーン・バースト波を用いた。また光ファイバの超音波伝搬効率を高めることを目的に検出範囲内の光ファイバのコーティング層は除去している。
本実験の結果を図3(b)に示す。図3(b)には超音波発振子に送った超音波励起信号と、漏水前後のFBG6からの反射光出力(図2では反射光用光電変換器10が検出した光強度に対応する)を示す。
漏水前に285mVあった応答信号振幅Vppが、2mlの水を樋に垂らした後は154mVに低下している。これは光ファイバ1を伝搬している超音波の一部が漏洩したために、FBG6に到達する超音波の強度が低下したためである。このようにして光ファイバ上の水の有無をこの原理を用いて検出することで、漏水検知が可能である。
次に、図3(a)に示す構成において、図4(a)に示すようにケース1として一箇所にのみ、またケース2として二箇所に水3を光ファイバ1に接触させた場合について応答を調べた。
ところで、図3に示した実験ではFBG6からの反射光出力のみを表示したが、FBG6の透過光出力を用いても同様の計測を行うことができる。また透過光と反射光の応答は逆相の関係にあることから、片方の信号の符号を変えて加算することで、よりS/N比の高い超音波応答信号を得ることが出来る。
即ち、光ファイバ1を伝搬する超音波は伝搬距離が長くなると次第にその強度が減衰していく。このため検査領域が広くなると、感度の高い超音波検出が必要となる。そこで反射光と透過光信号を合成させることにより、検出信号のS/N比を高めて広域検知を可能にする。
なお、このような信号処理について本発明者らは、特開2004−177134に広帯域光源を利用した場合のFBGセンサからの反射光を光学フィルタに通し、フィルタ反射光と透過光を合成させることで、よりS/N比の高い信号を得ることができることをすでに提案していが、本発明のようにレーザ光源を利用した場合も同様の考えを適用することができる。
図4(b)に光ファイバ1に水を接触させる前のFBG6の反射光強度、透過光強度(図2では透過光用光電変換器11が検出した光強度に対応する)、およびそれらを合成した信号強度を示す。反射光信号のS/N比は61dBであった。反射光、および透過光強度はお互いに逆相の関係を有し、反射光強度の符号を反転させて透過光強度と加算することで得られる合成信号のS/N比は70dBに向上した。このように反射光強度と透過光強度を合成させることで、より高いS/N比の信号を得ることが出来る。
図4(c)に漏水なし、ケース1、およびケース2の場合の透過光、および反射光信号を合成させた応答信号を示す。信号振幅の大きさVppは漏水なし、ケース1、およびケース2の場合、それぞれ793、426、および274mVになった。つまり漏水なしの場合と比較して、一箇所の漏水を想定したケース1の応答強度は低下し、二箇所の漏水を想定したケース2の場合はさらに応答強度が低下している。このように漏水箇所が増えるに従い、超音波応答強度は低下する。
図5は、実施例2を説明する図である。この実施例2は、光ファイバ1を伝搬する超音波を検出する超音波センサに圧電素子を用いた圧電センサ16を採用した構成を特徴とするものである。図5に示すような超音波発振子8から発生させた超音波は光ファイバを伝搬し、他端に取り付けた圧電センサ16で検出することができる。
この場合も圧電センサ16と超音波発振子8の間の光ファイバに水が付着し、超音波漏洩があると圧電センサが検出する超音波強度は低下することから漏水を検知することができる。
図6は、実施例3を説明する図である。この実施例3は、図2に示す実施例1とほぼ同様な構成であるが、図6(a)に示すように光ファイバ1に超音波センサとして異なるブラッグ波長を有する複数のFBG1〜FBGNを複数箇所(N箇所)に設けることで、漏水箇所を特定できるようにした構成である。実施例1と同じ構成については説明を省略し、実施例3の特徴部分を中心に以下説明する。
図6(a)に示すように光ファイバ1のレーザ光源5側に位置する超音波発振子8から超音波を光ファイバ1に伝搬させる。このときFBG2とFBG3の間で漏水が生じているとする。超音波発振子から漏水箇所まで存在するFBG 1とFBG2が検出する超音波強度は漏水による超音波強度低下の影響を受けない。
一方、超音波発振子−漏水箇所範囲外に存在するFBG 3〜FBG Nは漏水による超音波漏洩の影響を受けて、検出する超音波強度が低下する。今、FBG 1〜FBG Nの反射特性は図6(b)で表されるとする。たとえばレーザ発振波長をλ1に設定した場合、反射光用光電変換器10および透過光用光電変換器11は、FBG 1に対する超音波応答を検出することになる。
このようにレーザ発振波長を測定対象とするFBGの反射率が半減する波長に設定することにより(図6(b)に示した例ではFBG 1、FBG 2、FBG 3、・・・・・、FBG Nに対して、レーザ発振波長をそれぞれλ1、λ2、λ3、・・・・、λNに設定する)、複数存在するFBGの中から選択して超音波応答を検出することができる。そして個々のFBGの超音波応答強度を漏水前の強度と比較することにより、漏水箇所を特定することができる。
図7は、実施例4を説明する図である。この実施例4は、図7(a)に示すように、漏水検知用光ファイバ1は、吸水性がなく、しかも超音波伝搬時の減衰が小さな光ファイバ支持台17、たとえばアルミ、ステンレスなどの金属板やアクリルなどのプラスティックス板の上に配置されている。この光ファイバ支持台17には複数の超音波センサ18が配置され、この超音波センサ18により検出された漏洩超音波応答はデータ収録装置19に記録される。
漏水が生じると光ファイバ1から光ファイバ支持台17に超音波が漏洩する。漏洩した超音波は光ファイバ支持台17に取り付けた超音波センサ18に到達し、検出される。図7(b)に示したようにそれぞれの超音波センサ18が検出する超音波到達時間は超音波発生源−超音波センサ間距離に依存する。複数の超音波センサ18が検出する超音波到達時間から超音波発生源である漏水箇所20を特定することができる。
以上の本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実施例1〜4において、光ファイバを表面に取り付ける取付対象物(例.配管、タンク壁、建屋の壁等)の詳細は、一部、説明が重複するが、次のとおりである。
たとえば、多孔質のコンクリートの場合は吸水性が高いので、光ファイバをその上に配置しても漏れてきた水はコンクリートの方に吸い取られてしまう。しかし、コンクリート表面に吸水性を抑制する塗装を施した場合は水がコンクリートに吸収されずに表面に残ることになり、本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置のうち、FBGを利用した漏水検知技術(実施例1〜3、図1、6に示したような漏洩超音波を利用した漏水検知技術)は適用が可能となる。
しかし、コンクリートは超音波伝搬減衰が大きいので、実施例4(図7参照)に示した超音波センサ18を用いて漏洩超音波を検出して漏水箇所20を標定する技術を適用することは出来ない。
このような場合は、吸水性がなく、超音波伝搬減衰の小さな金属板、プラスティック板等の支持台17の上に光ファイバを配置し、この支持台17を介すれば、FBGを利用した漏水検知技術(図1、6参照)及び超音波センサ18を用いて漏洩超音波を検出して漏水箇所20を標定する技術(図7参照)を含めて、本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置4のすべての技術が適用可能となる。
以上、本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置は、以上のような構成であるから、パイプラインや建屋等における漏水検知装置に適用可能であるが、特に、一般的に苦情の多い屋上雨漏りの検知に本発明に係る技術を適用することにより精度の高い雨漏り検知が可能である。また航空機では手洗いの漏水が問題となっているが、このような分野にも本発明に係る技術が適用可能である。
本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の動作原理を説明する図である。 本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実施例1を説明する図である。 本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実験例を説明する図である。 本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実験例を説明する図である。 本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実施例2を説明する図である。 本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実施例3を説明する図である。 本発明に係る光ファイバセンサ漏液検知装置の実施例4を説明する図である。
符号の説明
1 光ファイバ
2 超音波
3 水
4 光ファイバセンサ漏液検知装置
5 レーザ光源
6 FBG
7 光サーキュレータ
8 超音波発振子
9 信号発生器
10 反射光用光電変換器
11 透過光用光電変換器
12、19 データ収録装置
13 吸水性のない物体
14 パイプ
15 樋
16 圧電センサ
17 光ファイバ支持台
18 超音波センサ
20 漏水箇所

Claims (6)

  1. 光ファイバと、該光ファイバを伝搬する超音波を発生させる超音波発振子と、前記光ファイバを伝搬する超音波の強度を測定する測定手段とを備えた光ファイバセンサ漏液検知装置であって、
    前記光ファイバに液体が接触した箇所における前記超音波の漏洩によって生じる超音波強度の低下を、前記測定手段で測定することで、漏液を検知することを特徴とする光ファイバセンサ漏液検知装置。
  2. 前記超音波の強度を測定する手段は、前記光ファイバにFBGを設け該FBGにより超音波を検出するFBGセンサ、または圧電センサを有するものであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサ漏液検知装置。
  3. 前記光ファイバには、前記超音波の強度を測定する手段として、複数のFBGセンサが設けられており、漏液箇所を特定可能であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサ漏液検知装置。
  4. 吸水性のない、超音波伝搬減衰の小さな支持台上に配設された光ファイバと、該光ファイバを伝搬する超音波を発生させる超音波発振子と、前記光ファイバに液体が接触した箇所において漏洩した超音波の強度を測定する測定手段とを備えた光ファイバセンサ漏液検知装置であって、
    前記超音波の強度を測定する測定手段は、前記光ファイバの周辺に複数設けられており、該複数の測定手段がそれぞれ漏洩超音波を検知することにより、漏液箇所を特定可能であることを特徴とする光ファイバセンサ漏液検知装置。
  5. 漏液の検知対象となる前記液体は、超音波伝搬速度が光ファイバよりも低速な液体であり、光ファイバに接触することによって伝搬する超音波の一部を漏洩させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバセンサ漏液検知装置。
  6. 漏液の検知対象となる前記液体は、水、油、アルコール又は液体ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ファイバセンサ漏液検知装置。
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