JP4471546B2 - 圧電トランスコンバータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電トランスコンバータに関し、特に、圧電トランスを用いたスイッチング電源、さらには出力電圧を直流とするコンバータの高効率化に適した低損失な圧電トランスコンバータに関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、地球環境への負荷軽減から、エネルギー変換効率の高い電源装置が求められている。また、各種電子機器の小型化に対応して、家庭用電源から電子機器に電力供給するAC−DCコンバータや、電子機器内のプリント回路基板上に配置されるDC−DCコンバータの小型化及び低背化が重要な問題となっている。
【0003】
そのような問題を解決する技術として、スイッチング電源技術が用いられつつあり、最近では、スイッチング電源の変圧器として、高い電力密度を持ち、小型化及び低背化が容易な圧電トランスを用いることで、AC−DCコンバータやDC−DCコンバータの小型化を図る試みが進められている。
【0004】
圧電トランスは、電気信号を機械的な弾性振動に変換して、その弾性振動を電気信号に変換することで、入力された電圧を降圧又は昇圧する電圧変換を行うものであり、弾性振動の伝搬損失が小さな構造を見出すことで、高い変換効率をもつ圧電トランスが得られる。
【0005】
また、低背化に際しては、電磁トランスでは小型化による損失の増大が起こるため、小型化しても高い電力密度が得られる圧電トランスが有効な部品として着目されている。
【0006】
さらに、圧電トランスは固有振動数で共振する弾性振動体のため、特定の周波数を持つ信号しか通過させないという特徴を持つ。従って、圧電トランスを用いたコンバータを内蔵した場合、コンバータがノイズ発生源となりにくいといった利点がある。
【0007】
圧電トランスを用いたコンバータの高効率化には、電磁トランスを用いたコンバータと同様に、半導体素子にて発生する損失を抑えることが重要となる。スイッチング電源においては、スイッチにかかる電圧と流れる電流の位相差をインダクタやコンデンサによって制御するソフトスイッチング技術を導入するか、もしくは低損失なスナバー回路を用いることで高効率化が実現されている。一方、交流信号を直流信号に変換する整流回路では、整流素子での損失軽減も高効率なコンバータを実現する為の重要課題となる。
【0008】
従来、一般的な整流器として、図8に示すようなコンデンサ入力形のブリッジ整流器が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このコンデンサ入力形ブリッジ整流器は、整流用ダイオードD11〜D14と、平滑用コンデンサCoを用いて構成されており、コンバータの出力電力Poは、ブリッジ整流器の入力電圧V2、順方向電圧でダイオードが導通する電圧をVd、流れる電流をId、出力電圧をVoとすると、
Po=VoId=(2・V2/π−2Vd)Id (1)
となる。2VdIdの項は整流器における損失である。図8に示すブリッジ整流器では、圧電トランスからの電流は、ダイオードD11、負荷、ダイオードD12を介して圧電トランスに流れ、次の瞬間には、ダイオードD13、負荷、ダイオードD14を介して圧電トランスに流れ、半周期ごとにダイオードを2個通る。一般的なダイオードはVd=0.7Vである。
【0010】
目標とするVoが小さい場合、ブリッジ整流器での損失が大きくなり、コンバータの効率が低下してしまう。近年、機器の動作電圧が低下していることから、降圧形コンバータにおける整流器での損失は重大な問題となっており、これは、圧電トランスを用いたコンバータにおいても例外でない。
【0011】
このため、従来、圧電トランスコンバータの出力整流器として、半周期で電流がダイオードを1個だけ通過する、図9に示すような、半波形の倍電圧整流器が知られている。この整流器の場合、圧電トランスを等価回路として書き表したとき、出力側に直列に等価コンデンサCoが存在するため圧電トランスコンバータの出力整流器として用いた場合にも、直流出力電圧Voが得られる。
【0012】
この倍電圧整流器では、圧電トランスからの電流は、ダイオードD15、負荷を介して圧電トランスに流れ、次の瞬間には、ダイオードD16を介して圧電トランスに流れ、半周期ごとにダイオードを1個通る。
【0013】
このような半波形の倍電圧整流器では、半周期ごとに電流が通過するダイオードは1個であるため、整流器での損失は軽減されるが、ダイオード通過後の電流が不連続モードとなるため、圧電トランスの効率が低下してしまうという問題があった。
【0014】
ここで、圧電トランスの整流器としては、ダイオード通過後の電流が連続モードであることが望ましい。電流連続モードとは、流れる電流が1周期内で0(零電流)になる期間がない動作モードであり、一方、電流不連続モードは流れる電流が1周期内で0(零電流)になる動作モードである。一般的にダイオード通過後の電流が不連続モードの場合、非導通期間が生じてしまう。変圧を行う圧電トランスの振動は連続振動であり、非導通期間の存在は圧電トランスの連続振動を抑制してしまい、圧電トランス自身の効率低下を引き起こし、コンバータとしての効率が低下してしまうことになる。
【0015】
本発明は、ダイオードで発生する損失が少なく、かつ電流連続モードで動作する圧電トランスコンバータを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電トランスコンバータは、直流電源電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ部と、該インバータ部から入力された前記高周波交流電圧を降圧する圧電トランスと、該圧電トランスから出力される高周波交流電圧を直流電圧に変換する整流器と、該整流器に接続された負荷からの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記出力電圧に基づいて前記インバータ部を制御する制御部とを具備するとともに、前記整流器が、前記圧電トランスの一対の出力電極にそれぞれ接続される第1、第2入力端子と、前記負荷に接続される第1、第2出力端子とを有し、前記第1入力端子に第1ダイオードのアノードを接続し、該第1ダイオードのカソードを第1チョークコイルを介して前記第1出力端子に接続するとともに、前記第2入力端子に第2ダイオードのアノード及び前記第2出力端子を接続し、前記第2ダイオードのカソードを第2チョークコイルを介して前記第1入力端子に接続し、さらに前記第1出力端子と前記第2出力端子の間にコンデンサを接続してなり、前記第1チョークコイル及び前記第2チョークコイルを、1つの磁性体に一対の導線を巻回して構成してなるものである。
また、本発明の圧電トランスコンバータは、交流電源電圧を直流電圧に整流平滑化する1次整流器と、前記直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ部と、該インバータ部から入力された前記高周波交流電圧を降圧する圧電トランスと、該圧電トランスから出力される高周波交流電圧を直流電圧に変換する整流器と、該整流器に接続された負荷からの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記出力電圧に基づいて前記インバータ部を制御する制御部とを具備するとともに、前記整流器が、前記圧電トランスの一対の出力電極にそれぞれ接続される第1、第2入力端子と、前記負荷に接続される第1、第2出力端子とを有し、前記第1入力端子に第1ダイオードのアノードを接続し、該第1ダイオードのカソードを第1チョークコイルを介して前記第1出力端子に接続するとともに、前記第2入力端子に第2ダイオードのアノード及び前記第2出力端子を接続し、前記第2ダイオードのカソードを第2チョークコイルを介して前記第1入力端子に接続し、さらに前記第1出力端子と前記第2出力端子の間にコンデンサを接続してなり、前記第1チョークコイル及び前記第2チョークコイルを、1つの磁性体に一対の導線を巻回して構成してなるものである。
【0017】
本発明の圧電トランスコンバータの整流器(以下、本発明の整流器ということがある)では、半周期で通るダイオードが1個であり、またインダクタ(チョークコイル)とコンデンサを用いることで、ダイオード通過後の電流を連続モードにすることができることから、整流器での損失が小さく、回路を接続することによる圧電トランスの効率低下が小さい整流器が得られる。
【0018】
即ち、圧電トランスの一方の出力電極から出力された交流電圧が、ダイオード、インダクタ及びコンデンサを介することにより、整流、平滑化され、直流の電流及び電圧にすることができる。
【0019】
このとき、圧電トランスの出力側にそれぞれ設けたダイオードとインダクタにより、圧電トランスには、一方の出力電極から他方の出力電極に流れる電流と、他方の出力電極から一方の出力電極に流れる電流とが交互に存在し、常時圧電トランスに連続した電流が流れ、圧電トランスの駆動を抑制することがなく、これにより、圧電トランスの効率低下を抑制することができる。
【0020】
また、一方の出力電極から他方の出力電極に流れる電流と、他方の出力電極から一方の出力電極に流れる電流は、それぞれ一つのダイオードを交互に流れるため、従来のブリッジ整流器よりも電流が流れるダイオード数が少なく、このためダイオードでの損失を小さくできる。
【0021】
さらに、第1チョークコイル及び第2チョークコイルを、1つの磁性体に一対の導線を巻回して構成したため、2つのチョークコイルを1つの磁性体上に形成することができるため、整流器の小型化が図れ、圧電トランスコンバータとしての小型化を実現できる。
【0024】
本発明のDC−DC圧電トランスコンバータやAC−DC圧電トランスコンバータでは、整流器が、上記したように、ダイオードで発生する損失が少なく、かつ電流連続モードで動作し、圧電トランスの効率が大きいため、圧電トランスコンバータの効率を向上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の圧電トランスコンバータ用の整流器を示す。本発明の整流器は、圧電トランスからの出力電流が入力される第1入力端子Aに、アノードが接続される第1ダイオードD1と、圧電トランスからの出力電流が入力される第2入力端子Bに、アノードが接続される第2ダイオードD2と、一端が第1ダイオードD1のカソードと接続される第1チョークコイルL1と、一端が第2ダイオードD2のカソードと接続される第2チョークコイルL2を具備して構成されている。
【0026】
第2ダイオードD2のカソードと接続される第2チョークコイルL2のもう一端は、第1入力端子Aに接続されている。また、第1ダイオードD1のカソードと接続される第1チョークコイルL1のもう一端は、第1出力端子Cに接続されている。
【0027】
第1チョークコイルL1と第2チョークコイルL2は、一つの磁性体上に構成している。即ち、チョークコイルL1、L2は、図2に示すように、例えば、一つの円柱状の磁性体3に2本の導線5、7を同時に巻回して、磁性体3を共用したチョークコイルL1、L2が形成されている。尚、磁性体3を共用したチョークコイルL1、L2は、上記図2に示したものに限定されるものではない。
【0028】
さらに、第2入力端子Bには第2出力端子Dが接続され、第1出力端子Cと第2出力端子Dとの間には、コンデンサCoが接続されている。このコンデンサCoとしては、電解コンデンサ、積層セラミックコンデンサが用いられる。
【0029】
第1出力端子Cと第2出力端子Dとの間には、コンデンサCoと並列に、負荷として、例えば、電子機器が接続されている。
【0030】
このような圧電トランスコンバータ用の整流器では、圧電トランスから入力端子A、Bに交流電圧が印加されるが、第1入力端子Aに入力された電圧がダイオードD1、チョークコイルL1を介して、負荷に出力されるとともに、コンデンサCoに入力され、負荷における電圧が低下した場合に、コンデンサCoから電圧が供給される。第1入力端子Aからの電流は、第2ダイオードD2を流れない。第1チョークコイルL1通過後の電流波形を図3にIaとして記載する。
【0031】
一方、第2入力端子Bに入力された電圧が第2ダイオードD2、第2チョークコイルL2、第1入力端子Aを介して圧電トランスに入力される。第2入力端子Bからの電流は、第1ダイオードD1を流れない。第2チョークコイルL2通過後の電流波形を図3にIbとして記載する。
【0032】
圧電トランスの出力電極と、本発明の整流回路の入力端子A、Bを接続した場合、半周期でダイオードD1又はD2を1個しか通らないため、出力電力は、
Po=VoId=(2V2/π−Vd)Id (2)
となり、ブリッジ整流回路と比べて、VdIdだけ損失が軽減されることから、コンバータの効率が向上する。
【0033】
また、チョークコイルL1、L2を入れることで、ダイオード通過後の電流が連続モードになり、圧電トランスの連続振動が維持されることから、高い効率が維持される。即ち、図3に示すように、第1チョークコイルL1通過後の電流波形Iaと、第2チョークコイルL2通過後の電流波形Ibをみると、それぞれは不連続で電流が流れているが、圧電トランスからみると、電流波形Iaと電流波形Ibを合成した電流が流れるため、圧電トランスからみると連続して電流が流れており、圧電トランスの連続駆動を妨げることがなく、高い効率を得ることができる。
【0034】
さらに、それぞれ磁性体3に導線5、7を巻回してチョークコイルL1、L2を形成するのではなく、磁性体3を共用することにより、整流器の小型化、さらにはコンバータの小型化を実現できる。
【0035】
図4は、本発明のDC−DC圧電トランスコンバータを示している。
【0036】
このDC−DC圧電トランスコンバータは、直流電源電圧を高周波交流信号に変換するインバータ部と、電圧変換を行う圧電トランスと、圧電トランスから出力される高周波交流電圧を直流電圧に変換する、上記した図1の整流器と、出力電圧を検出する出力電圧検出部と、出力電圧に基づいてインバータ部を制御する制御部とを具備して構成されている。
【0037】
制御部は、負荷に出力される出力電圧を一定にする為に、インバータのスイッチング周波数もしくはスイッチのパルス幅を変更する。
【0038】
このような圧電トランスコンバータでは、整流器において、電流が半周期でダイオードを1個しか通らないため、損失を低減できるとともに、圧電トランスの連続駆動を妨げることがなく、高い効率を得ることができ、コンバータの効率を向上できる。
【0039】
図5は、本発明のAC−DC圧電トランスコンバータを示すもので、交流電源電圧を直流電圧に平滑化する1次整流器と、直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ部と、該インバータ部から入力された高周波交流電圧を降圧する圧電トランスと、圧電トランスから出力される高周波交流電圧を直流電圧に変換する図1の整流器(2次整流器)と、整流器に接続された負荷からの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、出力電圧に基づいてインバータを制御する制御部とを具備して構成されている。
【0040】
制御部は、負荷に出力される出力電圧を一定にする為に、インバータのスイッチング周波数もしくはスイッチング周波数のパルス幅を変更する。
【0041】
このような圧電トランスコンバータでは、2次整流器において、電流が半周期でダイオードを1個しか通らないため、損失が低減できるとともに、圧電トランスの連続駆動を妨げることがなく、高い効率を得ることができ、コンバータの効率を向上できる。
【0042】
【実施例】
整流器を変えた場合の、測定回路の効率と、整流器の損失と、圧電トランスの効率を比較することで、本発明の整流器の優位性を確認した。図6は測定回路を示すものである。実験回路入力条件を同じにする為に圧電トランスへの入力電圧は、圧電トランス駆動源とすべく交流電源から振幅70.7Vの正弦波を発生させたものに、直流電源から70.7Vのオフセット電圧を加えたものとした。
【0043】
ここでは、▲1▼本発明の図1の整流器、▲2▼図8のコンデンサ入力形ブリッジ整流器、▲3▼図9の半波形の倍電圧整流器、の3つの整流器を比較した。平滑コンデンサCoの静電容量は、3つの整流器とも10μFとした。また、本発明の整流器では、チョークコイルL1、L2のインダクタンスをそれぞれ100μHとした。
【0044】
また、実施例に使用した圧電トランスは、圧電材料としてPZT系を用い、長方形の圧電基板の長さ方向に、第1電圧入力部、電圧出力部、第2電圧入力部を交互に形成した図7に示すものを用いた。圧電トランスの変圧比(V2/V1)は、入力電圧部の静電容量をC1、出力電圧部の静電容量をC2とすると、
V2/V1=(C1/C2)1/2 (3)
となることから、圧電トランスで降圧トランスを得るには、電圧出力部の静電容量を大きくすれば良い。ここでは、圧電トランスの電圧出力部を圧電体と電極を交互に積層して構成することで、降圧形のトランスを得た。
【0045】
ここで使用した圧電トランスは、130kHz近傍で大きな出力電流が得られる。また、圧電トランス単体の効率は、出力30Wにおいて94%であった。圧電トランスは高周波で駆動することから、整流用ダイオードは逆回復時間が短いファストリカバリータイプのものを用いた。順方向の導通電圧は0.7Vであった。負荷は、固定抵抗8.3Ωを接続した。
【0046】
整流器を比較するために、出力電力が等しい場合の整流器の効率と、ダイオードでの損失を求めた。ここで出力電力は、負荷での消費電力とする。また、効率=(出力電力)/(電源からの入力電力)と定義する。入力電力は、入力が正弦波であるため、入力電圧の交流成分及び入力電流の振幅とその位相差から求めた。一方、出力電力は、出力が直流であるため、出力電圧と出力電流の積で求まる。
【0047】
ダイオードの損失は、半周期で通るダイオードの個数nと、ダイオードを通過する電流をId、ダイオード順方向での導通電圧Vdとすると、n・Vd・Idとなる。加えて、整流器を接続した場合の圧電トランスの効率を求めた。圧電トランス効率=(回路の出力電力+整流器の損失)/入力電力、と定義した。表1に、目標出力電力を30Wとした場合の結果を示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004471546
【0049】
この表1から、従来の倍電圧整流回路では、ダイオードでの損失を1.33Wと低く抑えることができるが、圧電トランス効率は54.75%と低いため、回路効率は52%程度となる。また、従来のコンデンサ入力形ブリッジ整流回路の場合、圧電トランスの効率は約76%と比較的高いが、ダイオードでの損失が2.66Wと高いため、回路効率は70%程度に留まる。
【0050】
一方、本発明の整流器によると、圧電トランスの効率は約89%であり、ダイオードでの損失も1.33Wと低いことから、測定回路効率は85%と高いことが判る。
【0051】
【発明の効果】
本発明の整流器によれば、圧電トランスの一方の出力電極から出力された交流電圧が、ダイオード、インダクタ及びコンデンサを介することにより、整流、平滑化され、直流の電流及び電圧にすることができ、圧電トランスの出力側にそれぞれ設けたダイオードとインダクタにより、圧電トランスには、一方の出力電極から他方の出力電極に流れる電流と、他方の出力電極から一方の出力電極に流れる電流とが交互に存在し、常時圧電トランスに連続した電流が流れ、圧電トランスの駆動を抑制することがなく、これにより、圧電トランスの効率低下を抑制することができる。
【0052】
また、一方の出力電極から他方の出力電極に流れる電流と、他方の出力電極から一方の出力電極に流れる電流は、それぞれ一つのダイオードを交互に流れるため、従来のブリッジ整流器よりも電流が流れるダイオード数が少なく、このためダイオードでの損失を小さくできる。
【0053】
さらに、チョークコイルを一つの磁性体上に構成するため、整流器の小型化が図れ、コンバータの小型化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の整流器を示す回路図である。
【図2】磁性体を共有して形成した2つのチョークコイルを示す斜視図である。
【図3】チョークコイルを通過直後の電流を示すグラフである。
【図4】本発明のDC−DC圧電トランスコンバータを示す回路図である。
【図5】本発明のAC−DC圧電トランスコンバータを示す回路図である。
【図6】実施例の測定回路を示す回路図である。
【図7】実施例で用いられる圧電トランスを示す斜視図である。
【図8】従来のコンデンサ入力ブリッジ整流回路を示す回路図である。
【図9】従来の半波形倍電圧整流回路を示す回路図である。
【符号の説明】
A、B・・・入力端子
C、D・・・出力端子
D1、D2・・・ダイオード
L1、L2・・・チョークコイル
Co・・・コンデンサ
3・・・磁性体
5、7・・・導線

Claims (2)

  1. 直流電源電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ部と、該インバータ部から入力された前記高周波交流電圧を降圧する圧電トランスと、該圧電トランスから出力される高周波交流電圧を直流電圧に変換する整流器と、該整流器に接続された負荷からの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記出力電圧に基づいて前記インバータ部を制御する制御部とを具備するとともに、前記整流器が、前記圧電トランスの一対の出力電極にそれぞれ接続される第1、第2入力端子と、前記負荷に接続される第1、第2出力端子とを有し、前記第1入力端子に第1ダイオードのアノードを接続し、該第1ダイオードのカソードを第1チョークコイルを介して前記第1出力端子に接続するとともに、前記第2入力端子に第2ダイオードのアノード及び前記第2出力端子を接続し、前記第2ダイオードのカソードを第2チョークコイルを介して前記第1入力端子に接続し、さらに前記第1出力端子と前記第2出力端子の間にコンデンサを接続してなり、前記第1チョークコイル及び前記第2チョークコイルを、1つの磁性体に一対の導線を巻回して構成してなることを特徴とする圧電トランスコンバータ。
  2. 交流電源電圧を直流電圧に整流平滑化する1次整流器と、前記直流電圧を高周波交流電圧に変換するインバータ部と、該インバータ部から入力された前記高周波交流電圧を降圧する圧電トランスと、該圧電トランスから出力される高周波交流電圧を直流電圧に変換する整流器と、該整流器に接続された負荷からの出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記出力電圧に基づいて前記インバータ部を制御する制御部とを具備するとともに、前記整流器が、前記圧電トランスの一対の出力電極にそれぞれ接続される第1、第2入力端子と、前記負荷に接続される第1、第2出力端子とを有し、前記第1入力端子に第1ダイオードのアノードを接続し、該第1ダイオードのカソードを第1チョークコイルを介して前記第1出力端子に接続するとともに、前記第2入力端子に第2ダイオードのアノード及び前記第2出力端子を接続し、前記第2ダイオードのカソードを第2チョークコイルを介して前記第1入力端子に接続し、さらに前記第1出力端子と前記第2出力端子の間にコンデンサを接続してなり、前記第1チョークコイル及び前記第2チョークコイルを、1つの磁性体に一対の導線を巻回して構成してなることを特徴とする圧電トランスコンバータ。」
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