JP4470567B2 - 電力変換装置の検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Description
なお、製品出荷時の検査に関する先行技術文献としては特許文献1がある。特許文献1は、D/A変換器の出荷時検査技術に関し、D/A変換器に検査時にのみ機能するテスト回路を内蔵することで出荷時検査を容易にする技術が開示されている。
かかる問題を解決するための一つの方法としては、検査時に実際にモータを駆動し、そのモータのモータセンサから出力される検出信号を電力変換装置90に入力して検査を行うことが考えられる。しかしながら、かかる方法では、検査装置に可動部材であるモータを具備しなければならず、検査装置自体が大型化する等の問題がある。
この電力変換装置を検査する検査装置は、制御指令値を電力変換装置の制御部に入力する制御指令値入力手段と、予め設定されたモータ回転数でモータが駆動されるときに当該モータのモータセンサから出力される検出信号を模擬した模擬検出信号を生成して電力変換装置の制御部に入力する検出信号生成手段と、電力変換回路の入力側に接続可能とされた、外部電源を模擬した模擬電源装置と、電力変換回路の出力側に接続可能とされた、モータの電気的負荷と同一となるように構成された電気的負荷装置と、を有する。
ここで、電力変換装置の制御部は、所定の周期で当該電力変換装置の動作状態を診断して、その診断情報を外部に出力するように構成される。そして、検査装置は、さらに、電力変換装置の制御部から出力される診断情報を受信する手段と、受信手段で受信した診断情報が電力変換装置に異常が発生していることを示すときに、その診断情報を記憶する手段と、受信手段で受信した診断情報が電力変換装置に異常が発生していることを示すときに、模擬電源装置から電力変換装置への通電を遮断する手段と、を有する。
また、電力変換装置の動作状態が異常となると、模擬電源装置と電力変換装置との電気的接続が遮断されると共に、その異常発生時の診断情報が検査装置に記憶される。したがって、電力変換装置の動作状態が異常な状態のまま、模擬電源装置から電力変換装置に電流が流れ続けることが防止される。また、記憶された診断情報に基づいて、異常発生時の電力変換装置の状態を推定することができ、異常発生部位の特定や異常原因の特定を行うことができる。
かかる場合、上記検査装置の制御指令値入力手段は、前記の複数のモータのそれぞれに対応する個別の制御指令値を入力でき、前記検出信号生成手段は、前記の複数のモータと同数の模擬検出信号を生成し、それら模擬検出信号は、対応するモータの動作状態に応じた信号であり、前記電気的負荷装置は、前記の複数のモータと同数の電気的負荷回路を有し、それら電気的負荷回路は、対応するモータの電気的負荷と同一となるように構成されていることが好ましい(手段2)。
このため、手段2に記載の検査装置においては、電力変換回路毎にモータ回転数を設定する手段をさらに有し、前記検出信号生成手段は、電力変換回路毎に、当該電力変換回路に設定されたモータ回転数に応じた模擬検出信号を生成することが好ましい(手段3)。
すなわち、制御指令値を電力変換装置の制御部に入力する工程と、予め設定されたモータ回転数でモータが駆動されるときに当該モータのモータセンサから出力される検出信号を模擬した模擬検出信号を電力変換装置の制御部に入力する工程と、入力された制御指令値と模擬検出信号に基づいて電力変換装置の制御部が動作することで外部電源を模擬した模擬電源装置から電力変換部を介してモータを模擬した電気的負荷装置に流れる電流を計測する工程を有する。そして、電流計測工程においては、電力変換装置の制御部は、所定の周期で当該電力変換装置の動作状態を診断して、その診断情報を検査装置に出力する。検査装置は、電力変換装置の制御部から出力された診断情報が当該電力変換装置に異常が発生していることを示すときに、その診断情報を記憶すると共に模擬電源装置から電力変換装置への通電を遮断する。
この検査方法によっても、実際にモータを駆動しなくても、電力変換装置の検査を行うことができる。なお、この検査方法においては、入力された制御指令値から決まる電流値と計測された電流値とを比較して電力変換装置の良否を決定する工程をさらに有することが好ましい。
インバータ装置50は、2台のモータMG1,MG2に電力を供給する装置であり、モータ毎にバッテリー装置から供給される直流電力を所定の3相交流電力に変換する。図1に示すようにインバータ装置50は、モータ制御部52(以下、モータECUという)と、モータECU52によりPWM制御(パルス幅変調制御)される昇圧インテリジェント・パワー・モジュール58(以下、昇圧IPMという)と統合インテリジェント・パワー・モジュール60(以下、統合IPMという)等から構成される。
統合IPM60は、モータ(MG1,MG2)毎にインバータ回路(図示省略)を有し、各インバータ回路の出力側にはモータMG1,MG2のいずれかが接続される。統合IPM60の各インバータ回路は、モータECU52から出力されるPWM信号に基づいて入力する直流電力を所定の周波数の3相交流電力に変換する。
また、インバータ装置50の入力端子には、上述した電力変換経路と並列にDC/DCコンバータ54が接続されている。DC/DCコンバータ54は、入力する直流電源を所定の電圧(本実施形態では12V)に変換し、外部に出力する。DC/DCコンバータ54から出力される直流電源は、インバータ装置50が自動車等の機械に組込まれた際は、その機械に装備される各種機器(例えば、上位制御装置等)に電力を供給する補助電源装置に接続される。この補助電源装置は、インバータ装置50のモータECU52に対しても電力を供給する。なお、検査時においては、DC/DCコンバータ54から出力される直流電源は、計測装置10の電源として用いられる。
モータECU52の具体的な制御手順としては、まず、モータMG1,MG2の各レゾルバから出力されるレゾルバ信号に基づいて、各モータMG1,MG2のモータ軸の回転数及び回転位置を算出する。
次いで、モータECU52は、算出された各モータMG1,MG2のモータ回転数から、昇圧IPM58に出力するPWM信号のパルス幅(デューティ比)を決定する。すなわち、図2に示すように本実施形態では、モータ回転数に応じて昇圧IPM58の出力電圧が変化し、モータ回転数が高くなるに応じて昇圧IPM58の出力電圧も高くなるようプログラムされている。このため、モータECU52は、各モータMG1,MG2のモータ回転数に応じて昇圧IPM58に出力するPWM信号のパルス幅を変え、これによって昇圧IPM58の出力電圧を制御する。なお、昇圧IPM58の出力電圧は、モータMG1,MG2のいずれか高い方のモータ回転数に応じて制御されるようになっている。したがって、一方のモータ(例えば、モータMG1)のモータ回転数が低くても、他方のモータ(例えば、モータMG2)のモータ回転数が高ければ、昇圧IPM58の出力電圧が高くなるよう制御される。
次いで、モータECU52は、外部制御装置から入力されるトルク指令値と、算出された各モータMG1,MG2のモータ回転数及び回転位置とに基づいて、統合IPM60の各インバータ回路に出力するPWM信号を決定する。すなわち、モータECU52は、モータの回転数及び回転位置に基づいてモータに供給する3相交流電力の周波数を決め、次いで、その周波数と外部制御装置から入力されたトルク指令値に基づいてモータに供給する電流値を決める。そして、決定された周波数で決定された電流がモータMG1,MG2に流れるように、統合IPMの各インバータ回路に出力するPWM信号を決定する。なお、モータECU52には、外部制御装置からモータ毎にトルク指令値が入力され、また、レゾルバ信号はモータMG1,MG2からそれぞれ入力するため、モータECU52は、統合IPMのインバータ回路毎(すなわち、モータ毎)にPWM信号を決定する。
昇圧IPM58に出力するPWM信号が決まり、統合IPM60に出力するPWM信号が決まると、モータECU52はそれらPWM信号を昇圧IPM58と統合IPM60に出力する。これによって、モータMG1,MG2には、それぞれ所定の周波数の3相交流電力が入力することとなる。
なお、本実施形態においては、昇圧IPM58は、昇圧IPM58から出力する電源電圧を監視し、その電圧値をモータECU52に出力する。また、統合IPM60は、統合IPM60から出力する電流を監視し、その電流値をモータECU52に出力する。モータECU52は、これらの電圧値及び電流値に基づいて、昇圧IPM58に出力するPWM信号及び/又は統合IPM60に出力するPWM信号を修正するようになっている。これによって、電源電圧の変動や、モータMG1,MG2の電気的負荷変動等を考慮してモータMG1,MG2が駆動されるようになっている。例えば、外部電源電圧の変動等によって昇圧IPM58から出力する電源電圧が低下した場合は、昇圧IPM58に出力するPWM信号のデューティ比を上げ、昇圧IPM58から出力される電源電圧が正しい電圧となるように修正する。
電源装置30は、インバータ装置50が自動車等の機械に組込まれたときに、インバータ装置50に電源を供給するバッテリー装置を模擬した電源装置である。電源装置30からインバータ装置50に供給される直流電源の電圧は、後で詳述する計測装置10のパソコン12によって任意に設定できるようになっている。
なお、負荷回路40aを構成する抵抗Rの抵抗値とコイルLのインダクタンスは、計測装置10のパソコン12によって任意に設定できるようになっている。すなわち、本実施形態では、1つの負荷回路40aに、抵抗値が異なる複数の抵抗Rと、インダクタンスが異なる複数のコイルLが装備される。そして、パソコン12から入力されたモータ回転数に応じて、選択された抵抗RとコイルLが接続され、負荷回路40aが構成される。したがって、検査時のモータ回転数に応じて、抵抗Rの抵抗値とコイルLのインダクタンスを調整できるようになっている。
直流電源回路14は、インバータ装置50のDC/DCコンバータ54の出力端子に接続され、DC/DCコンバータ54から供給される直流電源を変圧して、パソコン12、通信変換基板16、レゾルバ信号発生器18及びパワーメータ20に供給する。
通信変換基板16は、パソコン12とインバータ装置50のモータECU52とを通信可能に接続するための基板である。通信変換基板16によって、パソコン12から入力されたトルク指令値がモータECU52に入力される。
なお、レゾルバ信号発生器18は、インバータ装置50によって駆動されるモータMG1,MG2と同数(すなわち、本実施形態では2個)のレゾルバ信号生成回路を備える。各レゾルバ信号生成回路には、パソコン12から異なるモータ回転数を設定することができる。各レゾルバ信号生成回路は、当該回路に設定されたモータ回転数の模擬レゾルバ信号を生成する。
励磁信号によって発生する磁界は時間と共に変化するため、この磁界によって可動巻線74にも誘導電圧が発生する。可動巻線74は、モータ軸Sの回転に伴って回転するため、可動巻線74に発生する誘導電圧もモータ軸Sの回転位置によって異なる。図4に示すように可動巻線74(すなわち、モータ軸S)が位置θとなる状態では、可動巻線74に発生する誘導電圧V74はA*Ecosθsinωtとなる(A;定数)。
V76=K*V74*sinθ=K*A*Esinθcosθsinωt
となる(K;定数)。
一方、第2出力巻線78には、入力巻線72と可動巻線74によって発生する磁界によって誘導電圧が発生する。したがって、第2出力巻線78に発生する誘導電圧V78は、
V78=K*(V74cosθ−V72)=A*K*E(cos2θ−1/A)sinωt
となる(K;定数)。
ここで、上述した定数Aが2となるよう予め調整しておけば、第1出力巻線76と第2出力巻線78に発生する誘導電圧V76,V78は、それぞれ下記のようになる。
V76=K*Esin2θsinωt (1)
V78=K*Ecos2θsinωt (2)
そこで、レゾルバ信号発生器18は、パソコン12によってモータ回転数が設定されると、その回転数でモータが回転するときに出力されるレゾルバ信号を式(1),(2)に基づいて生成し、その生成した模擬レゾルバ信号をモータECU52に入力する。
レゾルバ信号発生器18で生成された模擬レゾルバ信号の一例を図6に示す。図6では、横軸を時間とし、縦軸を電圧としている。図中実線は第1出力巻線76から出力されるレゾルバ信号を模擬した模擬レゾルバ信号を示し、図中の2点鎖線はK*Esin2θとK*Ecos2θを示している。図中の期間T(すなわち、K*Esin2θが1周期するのに要する期間)は、モータ軸Sが1/2回転するのに要する時間であり、モータ回転数から算出することができる(すなわち、モータ回転数=2/Tの関係式が成立する)。
検査装置にインバータ装置50をセットすると、パソコン12を用いて各種装置30,40,16,18の設定を行い、インバータ装置50への通電検査、並びに通電検査の結果判定を行う。このパソコン12を用いて行う検査の手順を、図7を参照して説明する。
なお、上述の説明から明らかなように、モータMG1,MG2のモータ回転数の設定はモータ毎に行うことができる。このため、各モータに異なるモータ回転数を設定することもできる。
なお、インバータ装置50が正常に動作している状態であると、モータECU52は所定の周期で通信変換基板16を介してパソコン12にダイアグ信号(自己診断信号)を出力する。したがって、パソコン12はモータECU52から出力されるダイアグ信号が途切れた状態となると、インバータ装置(すなわち、モータECU52)が正常に動作していないと判断し、即座に検査を中止する。
パソコン12でモニターされる電流値が安定すると、そのモニターされている電流値とステップS6で設定されたトルク指令値から決まる電流値(すなわち、インバータ装置50から負荷装置40に流したい電流の電流値)とを比較し、その比較値からインバータ装置50の良否を判定する(S14)。具体的には、測定された電流値とステップS6で設定されたトルク指令値から決まる電流値との差が予め設定された許容範囲内となるときは、当該インバータ装置50は良好であると判定する。一方、両電流値の差が予め設定された許容範囲内とならないときは、当該インバータ装置50は不良であると判定する。この判定は、パソコン12にインストールされた判定プログラムによって行われ、その判定結果はパソコン12のディスプレイに表示される。したがって、検査者はパソコン12のディスプレイに表示される判定結果から、検査を行ったインバータ装置50を出荷するか否かを決めることができる。
また、インバータ装置50は、モータ制御機能を内蔵し、インバータ装置50内で昇圧IPM58からの出力電圧のフィードバックを行い、統合IPM60からの出力電流のフィードバックを行う。このため、検査装置に用いる電源装置30の電圧精度や、負荷装置40の温度特性、電気的特性の精度が不要となり、検査装置を安価に製作することができる。
なお、インバータ装置50’は、また、水温センサ67を備え、この水温センサ67によってインバータ装置50’の温度(詳しくは、IPM60,62を冷却する冷却装置の水温)を計測する。水温センサ67によって計測された温度は、モータECU52’に入力される。
具体的には、入力するレゾルバ信号から決定されるモータ回転数に応じて昇圧IPM58の出力電圧を決定し(例えば、図10のマップに基づいて決定)、その決定された出力電圧となるように昇圧IPM58にPWM信号を出力する。この際、昇圧IPM58の出力電圧をモータECU52’にフィードバックし、昇圧IPM58の出力電圧が決定された出力電圧となるように制御する。また、入力されたトルク指令値に応じて統合IPM60及びRrIPM62から出力される出力電流を決定し(例えば、図9に示すマップに基づいて決定)、その決定された出力電流となるように統合IPM60及びRrIPM62にPWM信号を出力する。統合IPM60及びRrIPM62から出力される出力電流は、電流センサ(図8ではRrIPM62からの出力電流を検知する電流センサ66のみを図示)によって検出され、この検出された電流値に基づいてモータECU52’はフィードバック制御を行う。
また、パソコン12‘による電源供給の停止と同時に、インバータ装置50’から出力されたダイアグ情報とアナログ情報をパソコン12’のメモリに記憶する。メモリに記憶されたダイアグ情報とアナログ情報は、その後の不具合箇所の特定や異常原因の解析に用いられる。
インバータ装置50’のモータECU52’は、インバータ装置50’の各部位(例えば、IPM60,62等)に配設されたセンサからのアナログ信号(センサ出力)に基づいて、インバータ装置50’に異常が発生したか否かを判断する。モータECU52’は、インバータ装置50’に異常が発生したと判断すると、まず、各IPM60,62等に出力しているPWM信号を停止する。これにより、インバータ装置50’のIPM60,62等が破損しないように保護する。
また、モータECU52’は、診断結果を示すダイアグ情報と、異常診断時のインバータ装置50’の状態を示すアナログ情報を通信変換基板16を介してパソコン12’に出力する。モータECU52’と通信変換基板16との通信には、例えば、UARTを用いることができる。また、通信変換基板16とパソコン12’の通信には、例えば、RS232Cを用いることができる。
モータECU52’から出力されたダイアグ情報とアナログ情報を受信したパソコン12’は、そのダイアグ情報に異常を示す項目が含まれているか否かを判断する。ダイアグ情報に異常を示す項目が含まれていると、パソコン12’は直ちに電源装置30からインバータ装置50’への電力供給を遮断し、同時に、そのダイアグ情報とアナログ情報をメモリに格納する。メモリに格納されたダイアグ情報とアナログ情報は、その後の不具合箇所の解析(異常原因解析)に用いられる。
また、インバータ装置に異常が発生したときは、異常発生時のダイアグ情報とアナログ情報とがパソコンに記憶される。したがって、その後に行われる原因解析において、記憶したダイアグ情報とアナログ情報とに基づいて、異常発生時のインバータ装置の動作状態が確認でき、それを手掛かりに異常発生原因を特定することができる。このため、インバータ装置の不具合部位の特定に要する時間と労力を格段に軽減することができる。
また、異常原因候補をディスプレイに表示する場合は、さらに、異常原因候補毎に、その異常原因候補が正しいか否かを検証するための検証方法を表示するようにしてもよい。このような構成によると、作業者はパソコンに表示された検証方法に基づいて異常原因を検証すればよいため、異常原因の特定をより容易に行うことができる。なお、異常原因候補が複数ある場合は、確率が高いものから順に表示するようにしてもよい。
例えば、検査対象となる電力変換装置は、本実施形態のように直流電力を交流電力に変換するインバータ装置に限らず、直流電力を直流電力に変換する直流コンバータ(チョッパ)であってもよいし、交流電力を交流電力に変換するサイクロンコンバータ等であってもよい。
また、電力変換装置が内蔵するモータ制御部が行うモータ制御方式もPWM制御方式に限らず、パルス制御方式やその他公知の制御方式を用いることができる。さらに、モータに装備されるモータセンサも、本実施形態のレゾルバに限られず、エンコーダ等であってもよい。すなわち、モータの制御方式やモータセンサは、モータに要求される仕様や制御目的に応じて任意に選択することができる。なお、電力変換装置に入力する模擬検出信号は、選択されたモータセンサから出力される検出信号に応じて生成される。
さらに、上述した実施形態では、複数のモータを駆動するインバータ装置の検査装置について説明したが、本発明は1のモータを駆動するインバータ装置の検査装置にも適用することができる。また、複数のモータを駆動するインバータ装置であっても、それら複数のモータの回転数が同一の回転数で検査する場合は、モータセンサの検出信号を模擬する模擬検出信号を生成する回路は1つだけ設ければよい。また、模擬検出信号の生成にはパソコン等を利用し、ソフト的な処理によって模擬検出信号を生成することもできる。ソフト的な処理によって模擬検出信号を生成する場合は、1の演算装置によって複数の異なる模擬検出信号を生成することもできる。
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12・・パソコン
14・・直流電源回路
16・・通信基板
18・・レゾルバ信号発生器
20・・パワーメータ
30・・電源装置
40・・負荷装置
50・・電力変換装置
52・・モータECU
54・・DC/DCコンバータ
56・・リアクトル
58・・昇圧IPM
60・・統合IPM
Claims (6)
- 入力側に外部電源が接続されると共に出力側にモータが接続され、外部電源から供給される電力を所定の電力に変換してモータに供給する電力変換部と、モータの動作状態を検出するモータセンサから出力された検出信号と与えられた制御指令値とに基づいて電力変換部を制御する制御部と、を備えた電力変換装置の検査装置であって、
制御指令値を電力変換装置の制御部に入力する制御指令値入力手段と、
予め設定されたモータ回転数でモータが駆動されるときに当該モータのモータセンサから出力される検出信号を模擬した模擬検出信号を生成して電力変換装置の制御部に入力する検出信号生成手段と、
電力変換部の入力側に接続可能とされた、外部電源を模擬した模擬電源装置と、
電力変換部の出力側に接続可能とされた、モータの電気的負荷と同一となるように構成された電気的負荷装置と、を有しており、
前記電力変換装置の制御部は、所定の周期で当該電力変換装置の動作状態を診断して、その診断情報を外部に出力するように構成されており、
前記検査装置が、さらに、
電力変換装置の制御部から出力される診断情報を受信する手段と、
受信手段で受信した診断情報が電力変換装置に異常が発生していることを示すときに、その診断情報を記憶する手段と、
受信手段で受信した診断情報が電力変換装置に異常が発生していることを示すときに、模擬電源装置から電力変換装置への通電を遮断する手段と、を有することを特徴とする電力変換装置の検査装置。 - 前記電力変換装置には複数のモータが接続され、前記電力変換部はモータ毎に電力変換回路を有し、前記制御部はモータ毎にそのモータの動作状態を検出するモータセンサからの検出信号と与えられた制御指令値とに基づいてそのモータに電力を供給する電力変換回路を制御する請求項1に記載の電力変換装置の検査装置であって、
前記制御指令値入力手段は、前記の複数のモータのそれぞれに対応する個別の制御指令値を入力でき、
前記検出信号生成手段は、前記の複数のモータと同数の模擬検出信号を生成し、それら模擬検出信号は、対応するモータの動作状態に応じた信号であり、
前記電気的負荷装置は、前記の複数のモータと同数の電気的負荷回路を有し、それら電気的負荷回路は、対応するモータの電気的負荷と同一となるように構成されていることを特徴とする電力変換装置の検査装置。 - 前記電力変換装置は、外部電源から供給される電源の電圧を昇圧して各電力変換回路に供給する昇圧回路をさらに備え、前記制御部が各モータのモータ回転数に応じて昇圧回路を制御する請求項2に記載の電力変換装置の検査装置であって、
電力変換回路毎にモータ回転数を設定する手段をさらに有し、
前記検出信号生成手段は、電力変換回路毎に、当該電力変換回路に設定されたモータ回転数に応じた模擬検出信号を生成することを特徴とする電力変換装置の検査装置。 - 電力変換部から電気的負荷装置に流れる電流の電流値を計測する計測装置と、入力された制御指令値から決まる電流値と計測装置で計測された電流値とを比較して電力変換装置の良否を決定する手段をさらに有する請求項1乃至3のいずれかに記載の電力変換装置の検査装置。
- 入力側に外部電源が接続されると共に出力側にモータが接続され、外部電源から供給される電力を所定の電力に変換してモータに供給する電力変換部と、モータの動作状態を検出するモータセンサから出力された検出信号と与えられた制御指令値とに基づいて電力変換部を制御する制御部と、を備えた電力変換装置の検査方法であって、
制御指令値を電力変換装置の制御部に入力する工程と、
予め設定されたモータ回転数でモータが駆動されるときに当該モータのモータセンサから出力される検出信号を模擬した模擬検出信号を電力変換装置の制御部に入力する工程と、
入力された制御指令値と模擬検出信号に基づいて電力変換装置の制御部が動作することで外部電源を模擬した模擬電源装置から電力変換部を介してモータを模擬した電気的負荷装置に流れる電流を計測する工程と、を有しており、
電流計測工程において、電力変換装置の制御部は、所定の周期で当該電力変換装置の動作状態を診断して、その診断情報を検査装置に出力し、
検査装置は、電力変換装置の制御部から出力された診断情報が当該電力変換装置に異常が発生していることを示すときに、その診断情報を記憶すると共に模擬電源装置から電力変換装置への通電を遮断することを特徴とする電力変換装置の検査方法。 - 入力された制御指令値から決まる電流値と計測された電流値とを比較して電力変換装置の良否を決定する工程をさらに有する請求項5に記載の電力変換装置の検査方法。
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