JP4469450B2 - ポリカーボネート樹脂積層成形体およびその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂積層成形体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、表面の耐摩耗性、耐侯性にすぐれ、かつ高硬度のポリカーボネート樹脂成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリカーボネート樹脂は透明性に優れ、軽量で耐衝撃性が高いことから、ガラス代替の窓材・構造材として、広く応用展開されてきた。
【0003】
しかしながら、硬度・耐摩耗性・耐侯性・耐薬品性の観点でガラスに大幅に劣るという欠点がある。そのため、ポリカーボネート表面にハードコートを施す(特開昭48−81928号公報、特開昭52−138565号公報、特開昭53−138476号公報)ことが提案されており、これらは耐摩耗性・耐侯性・耐薬品性の観点でポリカーボネート成形体の表面特性をかなり改善してきた。
【0004】
しかしこれらの方法では、樹脂成形体の加工が必要で、生産効率が悪く、均質なコーティングを施すことが困難である上に、鉛筆硬度に関しては、ポリカーボネートの鉛筆硬度がBあるいは2Bと低いためたとえ30μmの膜厚のハードコートを施してもポリカーボネートの低い鉛筆硬度の影響を消すことができず、その鉛筆硬度が2Hを超えることが無かった。
【0005】
一方、最近ハードコートを施したポリカーボネートフィルムをインモールド/インサート成形する(特開平1−69319号公報)ことが提案されている。しかしながら、この場合も下地のポリカーボネートフィルムの鉛筆硬度が低く、成形体の鉛筆硬度も2Hを超えることはなかった。
【0006】
また、インモールド/インサート成形において異種材料フィルムも含めて、ハードコート膜を施し、ポリカーボネートと一体成形する基本的手法が提案され(特開昭57−87320号公報、特開平3−114718号公報、特開平3−114719号公報)、実施例として、ポリカーボネートフィルムあるいはポリメチルメタクリレートをフィルムとして使用することが述べられている。
【0007】
しかしながら、ポリカーボネートフィルムでは、上記の観点から不適切である。また、ポリメチルメタクリレートに関しては、射出成形時、ゲート近傍のポリメチルメタクリレートフィルムが変形し適当でなかった。特に大きな成形体でポリカーボネート射出量が多くなる場合変形が顕著となる欠点があった。
【0008】
また、特開平8−25589号公報においてはアクリル樹脂の厚さをポリカーボネートの1/10以下にした共押出しシートの上に硬化膜を形成し、インサート/インモールド成形することが述べられている。
【0009】
この方法の特徴はプライマー層が不要なことで、ポリカーボネート共押し出しシートによる耐衝撃性向上が目的である。それゆえインサートフィルムとして適当な膜厚である60〜400μmの厚みのフィルムの場合、アクリルの厚みが6〜40μmと薄く、十分な鉛筆硬度が達成できない場合がある。
【0010】
またアクリル樹脂が明細書においてアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートからなるホモポリマーおよびコポリマーと定義されており、アルコキシシリル基やヒドロキシ基などアルキル基以外の基を持つ成分をもつコポリマーとしない限り、シリコーン系コート剤との密着性が取れずテーバー摩耗性が十分でなかった。
【0011】
なお、ガラス代替品としての表面の硬度は鉛筆硬度によって、耐摩耗性はテーバー摩耗性評価法によって把握されるのが一般的である。
【0012】
ところが、この両方の因子が重要であることは知られていたが、この両者はどちらか一方を選択すると他方が自動的に決まってしまう場合がほとんどであり、両者が独立に選びうる因子でありうるのかは不分明であった。したがって当然ながら、両者を自由に選択できる技術もこれまで知られておらず、また、この両者をこのような範囲に選べば優れた表面硬化の効果が得られることも知られていなかった。
【0013】
たとえば、耐テーバー摩耗性は通常表面を構成する皮膜に剛性を付与することによって達成される一方、剛性を付与することがはしばしば当該材料の脆さを助長する結果となるため、鉛筆硬度が2B程度であるポリカーボネート上に形成した表面皮膜は、鉛筆などによる押し込み力に対しクラックを生じ易く鉛筆硬度が最大でも2Hまでにとどまり、それゆえこれまで、この両者をともに充足される産業に適した方法は見出されていなかった。
【0014】
本願発明により初めて両者の範囲を満足すれば表面が柔らかすぎて傷つくことや、逆に表面が硬すぎて脆くなり、ひび割れするように傷がつくといった現象が最小限に抑えられ、この結果従来より格段に優れた表面硬度の高い成形体が得られることが判明したものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は高い耐摩耗性と高硬度とを同時に満足する用途に使用できる成形体およびその製造方法を提供するものである。
【0016】
本願発明によれば、たとえば、特開昭57−87320号公報、特開平3−114718号公報、特開平3−114719号公報などで提案された、インモールド/インサート成形において、ポリカーボネートと一体成形するハードコート膜付きフィルムの変形を押さえ、鉛筆硬度を向上させる手法および、その成形体を提供できる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、高い耐摩耗性と高硬度とを同時に満足する樹脂物品を得るべく鋭意検討した結果、特定のポリカーボネート樹脂積層成形体においては、生産効率・テーバー摩耗性を犠牲にすることなく、高い鉛筆硬度を与えることができ、そうすることによって、高い耐摩耗性と高硬度とを同時に満足する樹脂物品を得ることができること、特定の製造方法によれば、そのようなポリカーボネート樹脂積層成形体を得ることができることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
【0018】
すなわち、本願発明は次の通りである。
1. 鉛筆硬度がHB以上のフィルム(a)と、
ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子とを含有する組成物層(b)と、
必要に応じて、その間に挟まれるプライマー(c)と
を含むフィルム積層体(d)を、
成形金型に組成物層(b)が金型面に対峙するように装着し、その後溶融したポリカーボネートを該金型内に注入して成形する工程と、
テーバー摩耗性(500g500サイクル)が摩耗前後のヘーズの差(ΔH)で2%以下になるように組成物層(b)を硬化させる工程と
を含むポリカーボネート樹脂積層成形体の製造方法。
【0019】
2. 組成物層(b)を硬化させる工程が、フィルム積層体(d)を成形金型に装着する前に、組成物層(b)が金型表面に付着しない程度まで組成物層(b)の硬化を行なうことと、
金型内で成形した後に該組成物層(b)を追加硬化することとを含む、上記1に記載の製造方法。
【0020】
3. フィルム(a)が、ガラス転移温度とビカット軟化点との少なくとも一方が120℃以上のポリマーフィルムである、上記1または2に記載の製造方法。
【0021】
4. フィルム(a)の透明度がヘーズ値で30%以下である、上記1または2または3に記載の製造方法。
【0022】
5. フィルム(a)がポリエステルあるいはポリアリレートである、上記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【0023】
6. フィルム(a)が、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートである、上記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【0024】
7. 少なくとも1表面の鉛筆硬度が3H以上、かつテーバー摩耗性(500g500サイクル)が摩耗前後のヘーズの差(ΔH)で2%以下であるポリカーボネート樹脂積層成形体。
【0025】
8. 鉛筆硬度がHB以上のフィルム(a)と、
ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子とを含有する組成物層(b)と、
必要に応じて、その間に挟まれるプライマー(c)と
を含むフィルム積層体(d)と、
組成物層(b)が外表面となるようにフィルム積層体(d)を積層されたポリカーボネート樹脂層と
を含むポリカーボネート樹脂積層成形体であって、
かつ組成物層(b)のある面のテーバー摩耗(500g500サイクル)試験におけるヘーズの増加が2%以下であるポリカーボネート樹脂積層成形体。
【0026】
9. フィルム(a)が、ガラス転移温度とビカット軟化点との少なくとも一方が120℃以上のポリマーフィルムである、上記8に記載の成形体。
【0027】
10. フィルム(a)の透明度がヘーズ値で30%以下である、上記8または9に記載の成形体。
【0028】
以下、本願発明を更に詳細に説明する。
なお、本願発明においてフィルムとは面状体を意味し、シート状のものも含まれる。このフィルムは無延伸のもので十分であるが、目的に応じて延伸したものも使用することができる。
【0029】
▲1▼ 少なくとも1表面の鉛筆硬度が3H以上、かつテーバー摩耗性(500g500サイクル)が摩耗前後のヘーズの差(ΔH)で2%以下であるポリカーボネート成形体は、高表面硬度を必要とする用途に有用であることが判明した。これまでポリカーボネート成形体ではこのような表面特性を有するものは知られておらず、したがってどのような有用性があるかも明らかでなかった。そして、戸外に面する窓ガラスや自動車窓用ガラスのように、高表面硬度を必要とする用途には所詮向かない材料であると考えられてきた。
【0030】
しかしながら、今回、このような特性を有する場合には、従来に較べて遥かに優れた高表面硬度が実現でき、戸外に面する窓ガラスや自動車窓用ガラスのような用途にも適用可能性が生じてきたのである。
【0031】
ここで、高表面硬度を必要とする用途とは戸外に面する窓ガラスや自動車窓用ガラスに代表されるような、砂や埃の多い気体流が直接接触し、また、雑巾やワイパー等で直接表面上の汚れを拭き取られることのある用途を意味する。
【0032】
このような用途に鉛筆硬度とテーバー摩耗性とが所定の条件のポリカーボネート成形体が有用であるのは、自動車用前面ガラスを例に取ると、次のような理由によるのではないかと推察されている。
【0033】
すなわち、砂や金属がぶつかってできる傷に対してはテーバー摩耗性が所定の条件にあることが有効であり、表面についた汚れをワイパーが拭き取るときにできる傷に対しては鉛筆硬度が所定の条件にあることが有効であることである。
【0034】
なお、これらの組合わせの効果が成形体の基体としてポリカーボネート樹脂を使用することによって発現するのは、ポリカーボネート樹脂の有する弾性、軟らかさまたは硬さ等種々の要因があるものと思われるが明らかではない。
【0035】
本願発明においてポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂とは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸結合形成性化合物との重縮合物を表わす。
【0036】
かかる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、4,4−ジヒドロキシフェニル−1,1’−m−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシフェニル−9,9−フルオレンなどのビス(4−ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−シクロヘキサン、4−[1−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル〕−1−メチルエチル]−フェノール、4,4’−〔1−メチル−4−(1−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイル〕ビスフェノール、2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビス−〔1H−インデン〕−6,6’−ジオールなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン、などのジヒドロキシジアリールスルホン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−3,3’−イサチンなどのジヒドロキシジアリールイサチン類、3,6−ジヒドロキシ−9,9−ジメチルキサンテンなどのジヒドロキシジアリールキサンテン類、レゾルシン、3−メチルレゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル等ジヒドロキシジフェニル類が挙げられる。
【0037】
中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0038】
炭酸結合形成性化合物としては、具体的にはホスゲンやトリクロロメチルクロロフォーメート、ビス(トリクロロメチル)カーボネートなどのホスゲン類、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネートなどのジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート類、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネートなどのアルキルアリールカーボネート類などを挙げることができる。
【0039】
ホスゲン類を用いる場合はポリカーボネートは溶液法で製造され、カーボネート結合を有する炭酸エステル類を用いる場合は溶融法で製造される。
【0040】
炭酸エステル類の中ではジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。
【0041】
これらの化合物は単独または組み合わせて用いることができる。
【0042】
なお、他の成分を共重合またはブレンド成分として含むものも本願発明のポリカーボネートまたはポリカーボネート樹脂の範疇に含まれる。
【0043】
本願発明にもっとも適するものは芳香族ジヒドロキシ化合物として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用し、炭酸結合形成性化合物として、ホスゲン類やカーボネート結合を有する炭酸エステル類を使用するポリカーボネートである。
【0044】
それ以外の成分の共重合率またはブレンド率が高いとポリカーボネートの特徴が薄れるため、共重合率またはブレンド率は20重量%以下が望ましく、10重量%以下が更に望ましい。
【0045】
▲2▼ 特定の構造を有するポリカーボネート樹脂積層成形体で、上記のような鉛筆硬度とテーバー摩耗性とが所定の条件のポリカーボネート成形体を実現できることが判明した。
【0046】
フィルム(a)の鉛筆硬度に関しては、HB以上であればよく、好ましくはF以上である。また、該フィルムの厚みは、通常0.06〜1.0mmの範囲で、好ましくは0.20mm〜0.5mm、さらに好ましくは0.20mm〜0.4mmの範囲である。鉛筆硬度がHB未満であるとその上に形成した硬化皮膜が押し込み力によりひびが生じ易く、成形体表面での3H以上の鉛筆硬度達成が保障されない。
【0047】
なお、ここで硬化皮膜とは組成物層(b)を硬化させることによって形成される皮膜を意味する。したがって組成物層(b)には、硬化前の状態のものも、硬化がある程度進んだものも、硬化後の状態のものも含まれる。
【0048】
フィルム(a)の厚みは、0.06mm未満であるとフィルムを金型に装着する際自立性が無く適当でない。また、1.0mmを越えると硬化皮膜のコーティングの際巻き取りなどの取り扱い性が低下し、好ましくない。
【0049】
なお、フィルム(a)と組成物層(b)とを含むフィルム積層体(d)は、典型的にはフィルム(a)とプライマー(c)と組成物層(b)とよりなるが、プライマー(c)を欠いてフィルム(a)と組成物層(b)とよりなる場合のほか、そのフィルム(a)の組成物層(b)のある側とは反対側に、さらにプライマー(c)と組成物層(b)とを持つ場合や組成物層(b)を持つ場合も含まれる。
【0050】
▲3▼ 本願発明に用いられるフィルム(a)は、ガラス転移温度とビカット軟化点との少なくとも一方が120℃以上のポリマーフィルムであることが望ましい。
【0051】
ガラス転移温度とビカット軟化点との少なくとも一方を120℃以上にすることにより、フィルムの変形や、その結果としての成形体自体の変形が抑えられ、成形時における溶融ポリカーボネート樹脂の熱の影響を受けた後もフィルムの表面硬度を高く保てることが判明した。実際にはこのような条件下ではフィルムの表面硬度をHB以上のままに保つことができることが多いことが判明した。
【0052】
この温度は130℃以上であることがより望ましい。
【0053】
このようなポリマーフィルムとしては、元々のTgが高いか、あるいは結晶化や架橋により高いビカット軟化点を有することとなったポリマーやこれらの性質を併せ持つポリマーよりなるフィルムである、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート共重合体(イソホロン基導入共重合体など)のフィルム、架橋構造をもつメチルメタクリレートフィルムなどが挙げられる。
【0054】
▲4▼ 本願発明に使用されるフィルムのヘーズが30%以下であることが望まれるのは、外部と直接接触する窓等では太陽光の室内への入射が必要であるからである。なお、ヘーズ値は20%以下がより望ましく、10%以下がさらに望ましく、2%以下がより一層望ましい。
【0055】
▲5▼ 硬化皮膜層は、フィルム(a)の表面に、必要に応じてプライマー(c)を介して、ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子とを含有する組成物を塗布して組成物層(b)となし、これを硬化させることにより作製することができる。
【0056】
プライマー(c)は、組成物層(b)とフィルム(a)との密着性を向上させる目的に加え、紫外線吸収剤を自己の組成中に添加し耐侯性を向上させるためにも設けることが好ましい。
【0057】
プライマー(c)を塗布する場合その膜厚は、15μm以下が好ましく、1μm〜10μmがより好ましい。15μmを越えると塗膜の表面性や透明性の悪化が起こり、好ましくない。
【0058】
ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子とを含有する組成物は、特に制限はないが、ガラス基板上に塗布し、硬化させた場合の鉛筆硬度が、5H以上であることが好ましい。
【0059】
また、本願発明において「テーバー摩耗性(500g500サイクル)が摩耗前後のヘーズの差(ΔH)で2%以下である」とは、ポリカーボネート樹脂積層成形体の形状で実施されたときの値を意味するが、フィルム積層体で測定してもこのヘーズ値は実質的に同等の値が得られることが分かっており、フィルム積層体で測定した場合に摩耗前後のヘーズの差(ΔH)で2%以下である場合も好ましい態様である。
【0060】
例えば、オルガノトリアルコキシシランとコロイダルシリカから作成されるコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサンの組成物がこの目的に使用できる。
【0061】
粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子としては、上記のコロイダルシリカのほかに、硬度を向上させたり防曇・熱線反射・紫外線反射の機能付与のために、コロイダルチタニア、コロイダルアルミナ、コロイダルジルコニアなどがあげられ、これらの混合物でも良い。
【0062】
ケイ素および/または金属のアルコキシドとしては、主成分としてモノアルキルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランを用いることが望ましい。
【0063】
なお、本願発明に言うケイ素および/または金属のアルコキシドは硬化が進むにしたがって脱水縮合反応により次第にアルコール基を失いついにはケイ素および/または金属と酸素との架橋結合を主体とする構造に変化するが、このような構造のものも本願発明に係るケイ素および/または金属のアルコキシドの範疇に含まれる。
【0064】
具体的には、モノアルキルトリアルコキシシランおよび/またはテトラアルコキシシランの換算量がケイ素および/または金属のアルコキシドの換算量中に30重量%以上存在することが望ましく、50重量%以上存在することとがさらに望ましい。ケイ素および/または金属のアルコキシドの換算量と粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子の量とは硬化後の組成について組成物(b)中に70重量%以上存在することが望ましい。ケイ素および/または金属のアルコキシドの換算量と粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子の量との相互割合いは重量比で100:0〜40:60の間が望ましい。なお、上記の「換算量」とは、ケイ素および/または金属のアルコキシドの使用量について、その実際の構造中のアルキル基(アルコキシ基中のものも含めたもの)をすべて水素で置き換えた場合の換算量を意味する。
【0065】
なお、フィルム(a)と金型内に注入されるポリカーボネートとの接着力を向上する目的で、必要に応じてフィルム(a)の該ポリカーボネートと接する面に予めラミネーション、コーティング、表面化学酸化、プラズマ処理、コロナ放電処理、スパッタなどの物理的/化学表面改質を行うことができる。
【0066】
ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子とを含有する組成物の塗布の方法については特に制限はないが、スプレー、浸漬、フロー、ロールコーティングなどといった通常の方法を採用することができる。
【0067】
これらケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子とを含有する組成物の硬化は、公知のどのような方法によっても良いが、加熱硬化もしくはマイクロ波照射により実施するのが一般的である。
【0068】
加熱硬化の場合、100℃〜180℃で硬化を実施し、好ましくは、120℃以上で実施する。マイクロ波照射硬化の場合、1x106〜1x108Jのエネルギーを0.5秒〜30分間の時間で照射することで実現できる。
【0069】
▲6▼ 組成物層(b)が外表面となるようにフィルム積層体(d)を積層されたポリカーボネート樹脂積層成形体は、成形金型に組成物層(b)が金型面に対峙するように装着し、その後溶融したポリカーボネートを該金型内に注入して成形し、ついで金型より成形体を取り出すことによって得ることができる。
【0070】
この成形方法としてはインモールドあるいはインサート射出成形が適切であるが、押出し成形や、反応射出成形等金型を使用する成形技術ならば、ポリカーボネート樹脂積層成形体を作製できる限り、どのようなものでも良い。
【0071】
なお、本願発明は、例えば、連続重合法で得られたポリカーボネート樹脂を溶融状態のまま板状に押出し、平行して走行するフィルム(a)と組成物層(b)とを含むフィルム積層体(d)と接触させ、両者を押し付け合い、連続的に板状成形体を製造する等、金型の概念を適用できない場合にも、ポリカーボネート樹脂積層成形体を作製できる限り、各種の既存の技術に適用することも可能である。
【0072】
▲7▼ 組成物層(b)は塗布後成形前に少なくともタックフリーまでは硬化することが望ましい。塗布後成形前の硬化の温度は、タックフリーが実現できれば室温でも良い。ただし、金型に装着して成形する際、表面に傷が発生しない程度の硬化が必要で、これは成形の際の金型形状・型締め圧・金型温度・樹脂温度に応じて決定される。
【0073】
組成物層(b)の表面が所定の硬度を有するまで硬化させる本硬化は、塗布後あるいは、ポリカーボネート樹脂積層成形体の成形後の何れでも良い。ただし、本硬化後はフィルム(a)と組成物層(b)とを含むフィルム積層体(d)が柔軟性を失い勝ちになり、金型への装着が容易ではなくなる場合があるので、塗布後に実施するよりは、成形後ポリカーボネート樹脂積層成形体の成形後に行なう方が良い場合が多い。
【0074】
なお、「タックフリー」とは硬化皮膜層が金型表面に付着しない程度であることを意味する。すなわち、成形後ポリカーボネート樹脂積層成形体を金型からはずす際に、通常のエジェクト力を大きく上回る異常な力を要したり、当該ポリカーボネート樹脂積層成形体の一部が金型面に残ったり、当該ポリカーボネート樹脂積層成形体が変形を起こしたりすることがないことを意味する。
【0075】
【実施例】
以下に発明の好適な実施例について説明する。ただし、本願発明は以下の実施例によって制限を受けるものではない。
なお、実施例には下記の各種の評価手段を用いた。
また、以下の例において、「部」とは特に断らない限り「重量部」を意味する。
【0076】
(評価時期)
成形体作成後、室温で保存し、テーバー摩耗性評価、鉛筆硬度評価結果が、室温保存で経時的に変化する場合は、これらの変化が認められなくなった時点を皮膜の硬化完了時点とし、その時点で各種性能を評価した。
【0077】
(フィルム(a)と組成物層(b)との間の接着性評価)
JIS K5400の碁盤目テープ法に準拠した。
すなわち、所定の試験片について、ナイフで傷を付け、JIS K5400の碁盤目テープ法で評価し、表面に皮膜が残った目の数で接着性を評価した。従って、100/100は完全接着、0/100は完全剥離を意味する。
【0078】
(鉛筆硬度評価)
JIS5400の鉛筆引っかき値に準拠した。
【0079】
(テーバー摩耗性評価)
ASTMD1044に準拠した。
すなわち、テーバー摩耗試験機(東洋精機(株)製)を用いて、摩耗輪CS−10F、荷重500g,500サイクルの条件で試験片表面を摩耗し、次式から求められるヘーズの摩耗前後の差(ΔH)で評価した。
ヘーズ(%)=(拡散透過率/全光線透過率)x100
【0080】
[実施例1]
(プライマー(c)用ポリマー溶液の調製)
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中に、メチルメタクリレート95.1部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12.4部アゾイソブチロニトリル0.16部、および1,2−ジメトキシエタン200部を添加し、溶解させ、70℃6時間、窒素気流下にて攪拌して重合させた。
得られた反応混合物をn−ヘキサン中に投入して析出させ、95部のコポリマーCを得た。
該ポリマーの重量平均分子量はGPCの測定から150000であった。
該ポリマー10部をメチルイソブチルケトン63部、2−ブタノール27部からなる混合溶媒に溶解し1μmのフィルターでろ過しプライマー溶液Pを得た。
【0081】
(ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物微粒子とを含有する組成物の作成方法)
予め30重量%の、粒径が10〜20nmのコロイダルシリカ水性分散液(触媒化成工業(株)製:商品名はカタロイドSI−30)20部に酢酸3.5部を混合した酸性分散液を、メチルトリメトキシシラン30部中に、外部冷却下で温度を0〜4℃に保ちつつ、激しく撹拌しながら添加した。
次いで室温下3時間撹拌した後、イソプロピルアルコール35部、酢酸ナトリウム0.2部を加えた。
該系のpH値は5.3であった。室温で3日間放置した後、1μmのフィルターで濾過して組成物Sを得た。
この組成物中には上記シリカのほかに、メチルトリメトキシシランの加水分解反応で生じた、その部分縮合物及びメタノールが含まれる。
【0082】
(ポリエステルフィルムと組成物層(b)とのフィルム積層体(d)の形成)
まず、ポリエステルフィルムにプライマー溶液Pを乾燥塗膜が2μmになるように塗布した。
ポリエステルフィルムとしては、鉛筆硬度2Hのポリエステルフィルム(帝人(株)製、商品名:テトロンフィルムOLY−188)で、188μmの厚さを有し、1軸延伸したものを使用した。
このポリエステルフィルムのビカット軟化点は247℃であり、その透明度はヘーズ値で1.7%であった。
風乾後、120℃で60分乾燥硬化した。
【0083】
次いで、組成物Sを、乾燥塗膜が6〜10μmになるように塗布した。
120℃で1時間硬化し、さらに室温で1週間エージングを行い組成物Sよりなる硬化皮膜を形成したフィルム積層体Iを得た。
【0084】
次にフィルム積層体Iを、10cmx10cmで深さ3mmの、一方の面の開放された箱型の形状を有する金型に、硬化皮膜を金型に接するようにして装着し、ついで、80℃に保った金型内にポリカーボネート樹脂を295℃、圧力158MPaにて射出し、射出成形体を得た。成形体は金型から取り出す際タックフリーであった。
【0085】
得られた成形体の積層部の外観はクラックの発生は無く良好であり、スチールウール(#0000)にて擦ったが全く傷がつかなかった。
【0086】
また、組成物Sよりなる硬化皮膜を形成したフィルム積層体Iの鉛筆硬度は4Hで、テーバー摩耗、500g,500サイクル後のヘーズの増加は、ΔH=1.9%(ASTM1044)であった。接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
【0087】
更に、成形体の積層部の鉛筆硬度は4Hで、テーバー摩耗、500g,500サイクル後のヘーズの増加は、ΔH=2.0%(ASTM1044)であった。接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
【0088】
なお、測定はテーバー摩耗性評価、鉛筆硬度評価の変化が認められなくなった14日目に行なった。
【0089】
[実施例2]
組成物Sを120℃で1時間硬化することに代えて、120℃で3分乾燥硬化し、射出成形後のポリカーボネート樹脂積層成形体を更に120℃で1時間硬化した以外は、実施例1と同様の方法で作成した。
成形体は金型から取り出す際タックフリーであった。なお、この例では金型への装着前のフィルム積層体が実施例1に比べて柔軟であり、複雑な形状の金型の場合にはより容易に装着できるものであった。また接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
成形体を120℃で1時間硬化した後について測定したところ、鉛筆硬度は3Hで、テーバー摩耗、500g,500サイクル後のヘーズの増加は、ΔH=1.8%(ASTM1044)であった。接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
この硬化後の成形体の積層部の外観はクラックの発生は無く良好であり、スチールウール(#0000)にて擦ったが全く傷がつかなかった。
なお、測定はテーバー摩耗性評価、鉛筆硬度評価の変化が認められなくなった14日目に行なった。
【0090】
[実施例3]
ポリエステルフィルムに代えて、鉛筆硬度2Hのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人(株)製、商品名:テオネックス)で、90μmの厚さを有し、1軸延伸したものを使用した以外は実施例1と同様にした。
このポリエチレンナフタレートフィルムのビカット軟化点は255℃であり、その透明度はヘーズ値で0.8%であった。
得られた成形体の積層部の外観はクラックの発生は無く良好であり、スチールウール(#0000)にて擦ったが全く傷がつかなかった。
また、組成物Sよりなる硬化皮膜を形成したフィルム積層体Iの鉛筆硬度は、4Hで、テーバー摩耗、500g,500サイクル後のヘーズの増加は、ΔH=1.8%(ASTM1044)であった。また接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
更に、成形体の積層部の鉛筆硬度は4Hで、テーバー摩耗、500g,500サイクル後のヘーズの増加は、ΔH=1.9%(ASTM1044)であった。接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
なお、測定はテーバー摩耗性評価、鉛筆硬度評価の変化が認められなくなった14日目に行なった。
【0091】
[比較例1]
ポリエステルフィルムの代わりに、鉛筆硬度がBである400μmの膜厚のポリカーボネートフィルム(帝人化成(株)製:商品名パンライトシート)とした以外は、実施例1と同様の方法で作成した。
得られた成形体の積層部の外観はクラックの発生は無く良好であったが、スチールウール(#0000)にて擦ったところ、うっすらと傷が認められた。
更に、成形体の積層部の鉛筆硬度はFで、テーバー摩耗、500g,500サイクル後のヘーズの増加は、ΔH=1.9%(ASTM1044)であった。接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
【0092】
[比較例2]
フィルム積層体を使用せず、紫外線硬化型樹脂(新中村化学(株)、商品名U15−HA)100部、1−メトキシ−2−プロパノール150部、光開始剤(チバ(株)、商品名ズイルガキュア184)5部より成る組成物を直接ポリカーボネート成形体にコートし、高圧水銀灯160W/cm2、積算光量600mJ/cm2にて硬化し、6〜10μm厚の硬化皮膜とした。
得られた成形体の積層部の外観はクラックの発生は無く良好であったが、スチールウール(#0000)にて擦ったところ、うっすらと傷が認められ、表面の曇りが目視で確認された。
更に、成形体の積層部の鉛筆硬度はHBで、テーバー摩耗、500g,500サイクル後のヘーズの増加は、ΔH=4.1%((ASTM1044)であった。接着性は、碁盤目試験で100/100であった。
【0093】
【発明の効果】
インモールド/インサート成形等の成形において、ポリカーボネートと一体成形するハードコート膜付きフィルムの変形を押さえ、耐テーバー摩耗性と鉛筆硬度を向上両立する事ができた。
本願発明の製造方法で得られたポリカーボネート樹脂積層成形体は耐摩耗性、耐薬品性に加え、鉛筆硬度に優れている。

Claims (9)

  1. 鉛筆硬度がHB以上のフィルム(a)と、ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物
    微粒子とを含有する組成物層(b)と、必要に応じて、その間に挟まれるプライマー(c)とを含むフィルム積層体(d)を、成形金型に組成物層(b)が金型面に対峙するように装着し、その後溶融したポリカーボネートを該金型内に注入して成形する工程と、テーバー摩耗性(500g500サイクル)が摩耗前後のヘーズの差(ΔH)で2%以下になるように組成物層(b)を硬化させる工程とを含むポリカーボネート樹脂積層成形体の製造方法。
  2. 組成物層(b)を硬化させる工程が、フィルム積層体(d)を成形金型に装着する前に、組成物層(b)が金型表面に付着しない程度まで組成物層(b)の硬化を行なうことと、金型内で成形した後に該組成物層(b)を追加硬化することとを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. フィルム(a)が、ガラス転移温度とビカット軟化点との少なくとも一方が120℃以上のポリマーフィルムである、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. フィルム(a)の透明度がヘーズ値で30%以下である、請求項1または2または3に記載の製造方法。
  5. フィルム(a)がポリエステルあるいはポリアリレートである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. フィルム(a)が、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 鉛筆硬度がHB以上のフィルム(a)と、ケイ素および/または金属のアルコキシドと、粒径が200nm以下のケイ素および/または金属の酸化物
    微粒子とを含有する組成物層(b)と、必要に応じて、その間に挟まれるプライマー(c)とを含むフィルム積層体(d)と、組成物層(b)が外表面となるようにフィルム積層体(d)を積層させたポリカーボネート樹脂層とを含むポリカーボネート樹脂積層成形体であって、かつ組成物層(b)のある面のテーバー摩耗性(500g500サイクル)が摩耗前後のヘーズの差(ΔH)で2%以下であるポリカーボネート樹脂積層成形体。
  8. フィルム(a)が、ガラス転移温度とビカット軟化点との少なくとも一方が120℃以上のポリマーフィルムである、請求項7に記載の成形体。
  9. フィルム(a)の透明度がヘーズ値で30%以下である、請求項7または8に記載の成形体。
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