JP4469113B2 - 監視方法及び監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像手段を使用した監視方法及び監視装置に関し、特に撮像手段がほぼ水平な軸の回りに旋回するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
天井に水平な軸の回りに取り付けた撮像手段、例えば監視カメラを、水平な軸の回りに旋回させて、その監視カメラからの画像をモニタに映し出して、監視を行うことがある。この場合、監視カメラが例えば水平な位置から下方に向かって旋回し、天井と90度をなす角度を超えると、即ち下方を向いた鉛直面を超えると、モニタに映し出される画像の上下左右が反転する。これを防止するために、例えば特開平6−205272号公報には、監視カメラが天井となす角度が90度になった時点で、自動的にモニタ画面の上下左右を反転させる技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この技術では、旋回が90度を超えて継続する場合でも、90度になった時点で自動的にモニタ画面の上下左右を反転させている。従って、モニタ画面に映し出されている領域の移動方向も、移動が継続しているにも拘わらず、90度を超えた時点で反転し、モニタ画面を見ている監視者に違和感を与えるという問題があった。また、天井と90度をなす角度で自動的に画像を反転させると、監視カメラが反転境界面上に停止した場合、チャタリングが生じることがある。そのため、反転境界面近辺に不感帯を設けたり、旋回方向によって反転境界面をずらすことによって、チャタリングを防ぐ必要がある。
【0004】
本発明は、継続して鉛直面を超えて撮像手段が移動しても、監視者に違和感を与えることがなく、またチャタリングを防止した監視方法及び監視装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による監視方法では、モニタに映像を供給している撮像手段を、ほぼ水平な軸の回りに旋回させる。この旋回は、手動操作によって行うこともできるし、制御手段が自動的に行うこともできる。手動操作は、撮像手段を水平な軸の回りに旋回させる駆動手段を設け、この駆動手段を操作手段の操作に応じて動作させる場合もあるし、撮像手段を実際に手動操作する場合もある。この旋回中において前記水平な軸を通る鉛直面または前記水平な軸を通り前記鉛直面付近にある面である反転境界面以上に、前記撮像手段が旋回して一時停止したとき、前記モニタの映像の上下左右を反転させる。
【0006】
この監視方法では、反転境界面を撮像手段が超えた時点で、直ちにモニタの画像を反転させるのではなく、反転境界面を超えて、撮像手段が一時停止した時点で、始めて画像の上下左右が反転される。従って、監視されている領域の移動方向は、一時停止されるまでは、同じ方向であり、監視者に違和感を与えることがないし、チャタリングは生じず、チャタリングを防止するために不感帯を設ける必要がなく、構成を簡略化することができる。
【0007】
前記反転は、前記境界面の一方側から他方側への第1の方向の旋回において前記境界面以上に旋回して一時停止したとき、及び前記他方側から一方側への第2の方向の旋回において前記境界面以上に旋回して一時停止したとき、行われる。
【0008】
このように構成すると、いずれの方向から反転境界面を超えて一時停止したときでも、画像の上下左右の反転が行われるので、いずれの方向に旋回する場合でも、監視者が違和感を覚えることはない。
【0009】
撮像手段の旋回は、手動操作部の操作に応じて行うことができる。この場合、前記反転前には前記旋回の方向を、手動操作部の操作方向に対応して決定し、前記反転後には前記旋回の方向を、前記手動操作部の操作方向とは逆の方向とすることができる。反転後にも旋回の方向を手動操作部の操作方向に対応させていると、画像の上下左右が反転されているので、手動操作部の操作方向と画像の移動方向とが不一致となり、操作者が混乱を生じる。これを防止するために、反転後には、手動操作部の操作方向と撮像手段の旋回方向とを逆にし、画像の移動方向と手動操作部の操作方向とを一致させている。
【0010】
前記撮像手段を、ほぼ垂直な軸の回りにも旋回可能に構成することができる。この場合、前記撮像手段は、手動操作部の垂直旋回用の操作に応じて垂直旋回し、前記手動操作部の水平旋回用の操作に応じて水平旋回する。前記反転前には、前記垂直及び水平旋回の方向は、前記手動操作部の垂直旋回用の操作方向及び水平旋回用の操作方向それぞれに対応して決定され、前記反転後には前記垂直及び水平旋回の方向は、前記手動操作部の垂直旋回用及び水平旋回用の操作方向とは逆にされる。
【0011】
このように構成すると、反転後にも、旋回の方向を手動操作部における垂直旋回用及び水平旋回用の操作方向に対応させていると、画像の上下左右が反転されているので、手動操作部の垂直旋回用の操作方向と画像の上下方向の移動方向とが不一致であり、手動操作部の水平旋回用の操作方向と画像の左右方向の移動方向とが不一致であり、操作者が混乱を生じる。これを防止するために、反転後には、手動操作部の垂直旋回用の操作方向と撮像手段の垂直旋回方向とを逆にし、かつ水平旋回用の操作方向と撮像手段の水平旋回方向とを逆にして、画像の移動方向と手動操作部の操作方向とを一致させている。
【0012】
本発明による監視装置は、モニタに映し出す画像用の撮像信号を生成する撮像手段を有している。駆動手段が、ほぼ水平な軸の回りに前記撮像手段を旋回させる。制御手段が、前記駆動手段に前記撮像手段を旋回させる。制御手段は、内蔵するプログラムに従って自動的に撮像手段を旋回させることもあるし、手動操作部の操作に応じて旋回させることもある。前記撮像手段が、前記水平な軸を通る鉛直面または前記水平な軸を通り前記鉛直面付近にある面である反転境界面上で、或いはこの反転境界面を越えて一時停止したとき、判定手段が判定信号を発生する。前記判定信号に応じて前記モニタの画像の上下左右を反転手段が反転させる。
【0013】
このように構成すると、撮像手段が、反転境界面を超えて一時停止するまで、モニタに映し出される映像の移動方向は、反転境界面を超えた時点では反転せず、一時停止した後に反転する。従って、映像が移動している間、監視者は違和感を覚えることはない。
【0014】
前記反転手段は、前記撮像手段が前記反転境界面をそれの両側のいずれの方向から超えて一時停止したときに、一時停止前の前記モニタの画像の上下左右を反転させることができる。
【0015】
このように構成した場合、反転境界面をいずれの方向から超えて一時停止したときであっても、映像の上下左右が反転されるので、監視者が違和感を覚えることはない。
【0016】
操作に応じて前記撮像手段の旋回方向を指示する旋回方向指示信号を、前記制御手段に供給する手動操作部を設けることができる。この場合、前記反転信号の発生前には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第1の方向へ旋回させ、かつ前記旋回方向指示信号が、第1の方向と反対の第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第2の方向へ旋回させ、前記反転信号の発生後には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第2の方向へ旋回させ、かつ前記旋回方向指示信号が、第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第1の方向へ旋回させる。
【0017】
反転後にも、撮像手段の旋回の方向を手動操作部の操作方向に対応させていると、画像の上下左右が反転されているので、手動操作部の操作方向と画像の移動方向とが不一致となり、操作者が混乱を生じる。これを防止するために、反転後には、手動操作部の操作方向と撮像手段の旋回方向とを逆にし、画像の移動方向と手動操作部の操作方向とを一致させている。
【0018】
前記撮像手段を、ほぼ垂直な軸の回りにも旋回可能に構成することができる。この場合、垂直旋回用及び水平旋回用の操作に応じて前記撮像手段の垂直及び水平の旋回方向を指示する旋回方向指示信号を前記制御手段に供給する手動操作部が設けられる。前記反転信号の発生前には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が垂直における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第1の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が垂直における第1の方向と反対方向の第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第2の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第1の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第1の方向と反対方向の第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第2の方向に旋回させる。前記反転信号の発生後には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が垂直における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第2の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が垂直における第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第1の方向へ旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第2の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第1の方向へ旋回させる
【0019】
反転後にも、撮像手段の垂直及び水平における旋回の方向を、手動操作部における垂直及び水平旋回操作の方向に対応させていると、画像の上下左右が反転されているので、手動操作部での垂直旋回及び水平旋回用の操作方向と画像の上下移動方向及び左右移動方向が不一致となり、操作者に混乱が生じる。これを防止するために、反転後には、手動操作部における垂直及び水平旋回の操作方向と撮像手段の垂直及び水平の旋回方向とを逆にして、画像の垂直及び水平移動方向と、手動操作部の垂直及び水平操作方向とを一致させている。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施形態の監視装置1は、図2に示すように、不動の固定体、例えば天井2に取り付けられ、監視手段、例えば監視カメラ4を有している。この監視カメラ4には、例えば動画を撮像することができるカメラ、一例としてCCDカメラを使用することができる。
【0021】
この監視カメラ4は、旋回部6を介して天井2に取り付けられている。旋回部6は、監視カメラ4を天井2に垂直な軸の回りに旋回させる水平旋回部6aを含み、さらに、監視カメラ4を水平な軸8の回りに旋回させる垂直旋回部6bも含んでいる。図1に示すように、旋回部6は、監視装置1に含まれているCPU10からの旋回制御信号に基づいて、監視カメラ4を水平旋回及び垂直旋回させる。CPU10は、監視装置1の外部に設けた制御部12からの旋回方向指示信号に基づいて旋回制御信号を生成する。制御部12は、これに付属する手動によって操作される操作部14の操作に従って旋回方向指示信号を生成する。即ち、制御部12と操作部14とが、手動操作部として機能する。
【0022】
操作部14は、手動操作手段、例えばジョイスティック14aを有し、このジョイスティック14aの操作に従って、制御部12は、旋回方向指示信号を生成する。例えば、ジョイスティック14aが、図1における右側に操作されると、監視カメラ4が図2における右側に旋回するように第1の垂直旋回方向指示信号を生成する。また、ジョイスティック14aが図1における左側に操作されると、監視カメラ4が図2における左側に旋回するように第2の垂直旋回方向指示信号を生成する。例えば、ジョイスティック14aを、図1における紙面の表方向に向かって操作すると、監視カメラ4を反時計方向に垂直軸の回りに旋回させる第1の水平旋回方向指示信号を生成する。また、例えばジョイスティック14aを、図1における紙面の裏方向に向かって操作すると、監視カメラ4を時計方向に垂直軸の回りに旋回させる第2の水平旋回方向指示信号を生成する。このように、監視カメラ4は、ジョイスティック14aの操作に従って水平及び垂直旋回させられる。無論、制御部12に旋回用プログラムを記憶させて、自動的に水平及び垂直に監視カメラ4を旋回させることもできる。CPU10が、制御手段として機能する。
【0023】
監視カメラ4からの撮像信号は、CPU10を介して映像処理部16に供給され、更に映像処理部16からモニタ18に供給され、監視カメラ4によって撮像された画像がモニタ18に映し出される。ジョイスティック14aを図1における左側に操作すると、監視カメラ4の旋回に従ってモニタ18に映し出される撮像領域は下から上に移動し、ジョイスティック14aを右側に操作すると、モニタ18に映し出される撮像領域は上から下に移動する。ジョイスティック14aを図1の紙面の表方向に向かって操作すると、監視カメラ4の垂直軸の回りの旋回によってモニタ18に映し出される撮像領域は左側に向かって移動し、ジョイスティック14aを図1の紙面の裏方向に向かって操作すると、監視カメラ4の垂直軸の回りの旋回によってモニタ18に映し出される撮像領域は右側に向かって移動する。また、映像処理部16は、撮像信号を処理する際、CPU10からの反転指示信号に基づいて、モニタ18に映し出される画像の上下左右を反転させることができる。即ち、映像処理部16は、反転手段として機能する。なお、モニタ18に映し出される画像の上下左右を反転させる技術は、公知であるので詳細な説明は省略する。
【0024】
また、CPU10は、監視カメラ4が後述する反転境界面22を通過して一時停止した後は、ジョイスティック14aが左側に操作されて、第1の旋回方向指示信号を生成したとき、旋回方向を反転させて、監視カメラ4を右側に向かって旋回させる。また、ジョイスティック14aが右側に操作されて、第2の旋回方向指示信号を生成したとき、CPU10は、旋回方向を反転させて、監視カメラ4を左側に向かって旋回させる。
【0025】
監視装置1には、さらに検出部20が設けられている。この検出部20は、監視カメラ4の基準位置、例えばレンズの中心4aが監視カメラ4の垂直旋回に伴い図2に示す反転境界面22を超えているか否かを検出し、その検出結果をCPU10に報知する。反転境界面22は、例えば天井2から下方を向く鉛直面である。
【0026】
このように構成された監視装置1では、例えば監視カメラ4のレンズの中心4aが、図2に示すような左側の位置にある状態から、操作部14のジョイスティック14aの操作によって下方を通って右側に向かって旋回し、反転境界面22を通過したが、まだ停止せずに旋回を継続しているとすると、CPU10は、反転指示信号を映像処理部16には供給しない。従って、モニタ18の画像には上下左右の反転が生じず、例えば移動する人を旋回しながら監視しているような場合、反転境界面22を監視カメラ4が通過しても、モニタ18の画像上で、撮像されている移動者の移動方向が今までと反対方向に突然になることはなく、監視者が違和感を覚えることはない。そして、移動者の停止等によって、ジョイスティック14aの操作が一時停止された結果、反転境界面22を超えてから監視カメラ4が一時停止したときに、CPU10は、反転指示信号を映像処理部16に供給し、モニタ18の画像の上下左右が反転される。また、以後、第1の垂直旋回方向指示信号を第2の垂直旋回方向指示信号として、第2の垂直旋回方向指示信号を第1の垂直旋回方向指示信号として、第1の水平旋回方向指示信号を第2の水平旋回方向指示信号として、第2の水平旋回方向指示信号を第1の水平旋回方向指示信号として扱う。なお、反転境界面22上で一時停止した場合も同様である。また、反転境界面22を超えて一時停止した場合、チャタリングを生じることが無く、チャタリング防止用の不感帯を設ける必要がない。
【0027】
もし、第1の垂直旋回方向指示信号と第2の垂直旋回方向指示信号とを反転させなければ、一時停止後に、再び監視カメラ4を旋回させたとき、ジョイスティック14aを操作すると、画像の上下左右が反転されているので、モニタ18に映し出される撮像領域の移動方向がジョイスティック14aの操作方向と反対となる。例えばジョイスティック14aを図1の右側に操作して、反転境界面22aを超えて一時停止したことにより画像の上下左右が反転されている状態で、ジョイスティック14aを更に右側に操作すると、今までモニタ18に映し出される撮像領域は上から下に移動していたのが、画像の上下左右が反転されたことにより、下から上に移動することになり、操作者に混乱が生じる。同様に、一時停止後に、ジョイスティック14aを図1の表方向に向かって操作すると、一時停止前ならモニタ18に映し出される撮像領域が左側に向かって移動していたのに、一時停止後には右側に向かって移動する。一時停止後に、ジョイスティック14aを図1の裏方向に向かって操作すると、一時停止前ならモニタ18に映し出される撮像領域が右側に向かって移動していたのに、一時停止後には左側に向かって移動し、やはり操作者に混乱が生じる。この混乱を防止するために、モニタ18に映し出される撮像領域の移動方向とジョイスティック14aの操作方向とを一致させるように、上述したように第1の垂直旋回方向指示信号による旋回方向と、第2の垂直旋回方向指示信号による旋回方向とを逆にし、第1の水平旋回方向指示信号による旋回方向と、第2の水平旋回方向指示信号による旋回方向とを逆にしている。
【0028】
なお、上記の説明は、図2における左側から右側への旋回の場合であるが、監視カメラ4のレンズの中心が、図2に符合4a1で示すように図2における右側にある状態から下方を通って右側に移動する場合でも、反転境界面22を超えてから一時停止すると、その時点で画像の上下左右が反転される。なお、反転境界面22上で一時停止した場合も同様である。このようにCPU10は、判定手段として機能する。
【0029】
上記のような制御を行うために、CPU10では、一定時間ごとに、反転ルーチンが実行される。即ち、このルーチンでは、図3に示すように、監視カメラ4が停止したか判断を行う(ステップS2)。停止していないと判断されると、このルーチンは終了する。ステップS2において停止したと判断されると、この停止位置は、反転境界面22上であるか反転境界面22を超えているか、検出部20の検出信号に基づいて判断する(ステップS4)。このステップS4において反転境界面22上にある、または超えていると判断されると、CPU10は、反転指示信号を映像処理部16に供給して、画像の上下左右を反転させると共に、第1の垂直旋回方向指示信号に基づく旋回方向と、第2の垂直旋回方向指示信号に基づく旋回方向とを入れ替えて、第1の水平旋回方向指示信号に基づく旋回方向と、第2の水平旋回方向指示信号に基づく旋回方向とを入れ替えている(ステップS6)。反転境界面22を超えていないと、ステップS4において判断されると、このルーチンが終了される。従って、モニタ18の画像の上下左右の反転は行われない。
【0030】
上記の例では、上述したようにチャタリングが生じることがないので、反転境界面22を1つだけ設けた。この場合、天井から下方を向いた鉛直面付近において旋回方向を変えることを繰り返すと、短時間に画像反転が繰り返され、映像を確認しにくくなる可能性がある。これを防止するために、図4に示すように、第1の方向から第2の方向へ、例えば図4における左側から右側に旋回させるときの反転境界面22aと、第2の方向から第1の方向へ、例えば右側から左側に旋回させるときの反転境界面22bとを、別個に設けることもある。反転境界面22aは、鉛直面よりも右側によった位置に設けられ、反転境界面22bは、鉛直面よりも左側によった位置に設けられている。図4では、反転境界面22a、22bが鉛直面となす角度はかなり誇張して描いてある。
【0031】
この場合、CPU10で一定時間ごとに実行される反転ルーチンでは、図5に示すように、監視カメラ4が停止しているか判断が行われる(ステップS8)。停止していないと判断されると、このルーチンは終了する。停止していると判断されると、この停止位置は、左側から反転境界面22a以上に旋回した位置か判断する(ステップS10)。この判断の答えがイエスの場合、映像処理部16に反転指示信号が供給され、画像の上下左右が反転され、第1及び第2の垂直旋回方向指示信号に基づく旋回方向が交換され、第1及び第2の水平旋回方向指示信号に基づく旋回方向が交換される(ステップS12)。もし、ステップS10の判断の答えがノーの場合、停止位置が右側から反転境界面22b以上に旋回した位置か判断する(ステップS14)。この判断の答えがイエスの場合、ステップS12が実行される。もし、ステップS14の答えがノーの場合、この反転ルーチンは終了する。
【0032】
従って、例えば、反転境界面22aを左側から超えて停止して、画像の上下左右が反転された後、右側に監視カメラ4が反転したが、反転境界面22bを超える前に停止した場合、画像の上下左右の反転はない。即ち、一度画像反転を生じてから、次の画像反転が生じるまでの最短時間は、2つの反転境界面22a、22b間を監視カメラ4が旋回するのに要する時間で、これよりも短時間で再び画像反転が生じることはない。
【0033】
上記の実施の形態では、映像処理部16において画像の上下左右を反転させたが、これに限ったものではなく、例えばCCDカメラからの読み出し方向を変更することによって、画像の上下左右を反転させることもできる。また、上記の実施の形態では、操作部14は、1つのジョイスティック14aを備え、これを図1の左右方向、図1の表裏方向に操作することによって、監視カメラ4を水平及び垂直方向に旋回させたが、ジョイスティック14aに限ったものではなく、例えば垂直旋回用のレバーと水平旋回用のレバーを別個に設けることもできるし、図1の左への操作に対応するボタン、図1の右側への操作に対応するボタン、図1の紙面の表方向に向かう操作に対応するボタン、図1の紙面の裏面方向に向かう操作に対応するボタンをそれぞれ設け、これらを操作するようにしても良い。また、1台の操作部を設けたが、垂直旋回専用の操作部と水平旋回専用の操作部とを、個別に設けることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、撮像手段が、ほぼ水平軸の回りに回転可能な場合に、鉛直面またはこれに近い面である反転境界面を超えた点で旋回が停止するまで、画像の反転を行わないので、撮像手段を旋回させながら移動する物体を監視している場合に、監視者が違和感を覚えることがなく、またチャタリングが生じることもない。更に、手動操作によって撮像手段を旋回させる場合、一時停止後に手動操作手段の操作方向と画面に映し出される撮像領域の移動方向とを一致させているので、操作者が操作時に混乱を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の監視装置のブロック図である。
【図2】図1の監視装置での監視カメラの動作の説明図である。
【図3】図1の監視装置のフローチャートである。
【図4】図1の監視装置での監視カメラの別の動作の説明図である。
【図5】図4の動作をするためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 監視装置
4 監視カメラ(撮像手段)
6 旋回部(駆動手段)
10 CPU(制御手段)
14 操作部

Claims (8)

  1. モニタに映像を供給している撮像手段を、ほぼ水平な軸の回りに旋回させる段階と、
    前記旋回中において前記水平な軸を通る鉛直面または前記水平な軸を通り前記鉛直面付近に在る面である反転境界面以上に、前記撮像手段が旋回して一時停止したとき、前記モニタの画像の上下左右を反転させる段階とを、
    具備する監視方法。
  2. 請求項1記載の監視方法であって、前記反転は、前記境界面の一方側から他方側への第1の方向の旋回において前記境界面以上に旋回して一時停止したとき、及び前記他方側から一方側への第2の方向の旋回において前記境界面以上に旋回して一次停止したとき、行われる監視方法。
  3. 請求項1記載の監視方法であって、前記旋回は、手動操作部の操作に応じて行われ、前記反転前には前記旋回の方向は、前記手動操作部の操作方向に対応して決定され、前記反転後には前記旋回の方向は、前記手動操作部の操作方向とは逆の方向とされる監視方法。
  4. 請求項1記載の監視方法であって、前記撮像手段は、ほぼ垂直な軸の回りにも旋回可能に構成され、前記撮像手段は、手動操作部の垂直旋回用の操作に応じて垂直旋回し、前記手動操作部の水平旋回用の操作に応じて水平旋回し、前記反転前には、前記垂直及び水平旋回の方向は、前記手動操作部の垂直旋回用の操作方向及び水平旋回用の操作方向それぞれに対応して決定され、前記反転後には前記垂直及び水平旋回の方向は、前記手動操作部の垂直旋回用及び水平旋回用の操作方向とは逆となる監視方法。
  5. モニタに映し出す画像用の撮像信号を生成する撮像手段と、
    ほぼ水平な軸の回りに前記撮像手段を旋回させる駆動手段と、
    前記駆動手段に前記撮像手段を旋回させる制御手段と、
    前記撮像手段が、前記水平な軸を通る鉛直面または前記水平な軸を通り前記鉛直面付近に在る面である反転境界面上で、或いはこの反転境界面を越えて一時停止したとき、判定信号を発生する判定手段と、
    前記判定信号に応じて前記モニタの画像の上下左右を反転させる反転手段とを、
    具備する監視装置。
  6. 請求項5記載の監視装置において、前記反転手段は、前記撮像手段が前記境界面をそれの両側のいずれの方向から越えて一時停止したときに、一時停止前の前記モニタの画像の上下左右を反転させる監視装置。
  7. 請求項5記載の監視装置において、操作に応じて前記撮像手段の旋回方向を指示する旋回方向指示信号を、前記制御手段に供給する手動操作部が設けられ、
    前記反転信号の発生前には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第1の方向へ旋回させ、かつ前記旋回方向指示信号が、第1の方向と反対の第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第2の方向へ旋回させ、前記反転信号の発生後には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第2の方向へ旋回させ、かつ前記旋回方向指示信号が、第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を第1の方向へ旋回させる
    監視装置。
  8. 請求項5記載の監視装置において、前記撮像手段は、ほぼ垂直な軸の回りにも旋回可能に構成され、
    垂直旋回用及び水平旋回用の操作に応じて前記撮像手段の垂直及び水平の旋回方向を指示する旋回方向指示信号を前記制御手段に供給する手動操作部が設けられ、
    前記反転信号の発生前には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が垂直における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第1の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が垂直における第1の方向と反対方向の第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第2の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第1の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第1の方向と反対方向の第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第2の方向に旋回させ、
    前記反転信号の発生後には、前記制御手段は、前記旋回方向指示信号が垂直における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第2の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が垂直における第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を垂直における第1の方向へ旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第1の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第2の方向に旋回させ、前記旋回方向指示信号が水平における第2の方向への旋回を指示しているとき、前記撮像手段を水平における第1の方向へ旋回させる
    監視装置。
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