以下、図面を参照し、本発明の実施例を詳細に説明する。
本実施例は、以下に詳述するように、少なくとも一人以上のユーザが、通信網で接続可能な少なくとも一台以上の印刷サーバに印刷原稿データと印刷体裁指示をアップロードし、印刷拠点のオペレータが、印刷サーバにアップされた印刷原稿データを指定された印刷体裁に応じて出力を行う場合に、自動生成された印刷方法指示書にそって作業を行う方法を提供することで、オペレータの利便性を高め、作業効率を向上させるためのものである。詳細については以下の説明で明らかになろう。
図1は本実施例で使用するネットワーク構成図の一例である。図1の例では、ネットワークに、クライアント拠点161、サーバ拠点162、印刷拠点163の3拠点を想定している。クライアント拠点161は、少なくとも1台以上のクライアントPC(デスクトップ形式のコンピュータ、ノート形式のコンピュータ、PDAであってもよい)としての情報処理装置を有し、クライアントPCはインターネットに接続する事が可能な手段と、少なくとも本実施例で使用する印刷サーバが提供する機能を使用可能な手段を有する。クライアント拠点は前記手段をもつものであればどのような形式でもよく、例えばオフィス内LANや家庭PC等が該当する。サーバ拠点162は、少なくとも本実施例で使用する印刷オーダー管理装置(以下、印刷サーバと呼ぶ)を有し、印刷サーバはインターネットを介し特定の(あるいは不特定の)クライアントPCと接続可能な手段を有する。印刷サーバは必要に応じてデータベースや認証サーバなど他の基幹システムと連携可能であるが、これらは必ずしも印刷サーバ拠点162に存在する必要は無い。印刷拠点163は少なくとも1台以上の印刷デバイスを有し、0台以上の製本装置(ステイプラ、パンチャ等)を有する。さらに、この印刷デバイスにジョブを投入可能な1台以上の印刷拠点PCを有する。印刷拠点に設置された印刷デバイスはネットワークに直接接続可能でかつ、インターネットを介して送信された印刷ジョブを直接処理可能ものであっても良い。印刷拠点PC106はインターネットを介し、前述の印刷サーバと相互にアクセス可能な手段を有するものとする。また、クライアント拠点161に設置されたクライアントPCと印刷拠点163に設置された印刷拠点PCはインターネットを介し直接接続する事も可能であっても良い。
図1において、101はデスクトップPC、102はノートPC、103はワープロ機器でこれら101〜103はインターネット通信網を介して印刷サーバ104と接続可能で、さらに、ブラウザ機能等を有し、印刷サーバに対しさまざまなコマンドを発行可能な通信機器(説明簡略のため、クライアントPCと称す)である。一般のユーザや、社内POD(プリントオンデマンド)システムにおけるユーザはこのクライアントPCを利用して任意の印刷原稿データと印刷指示書(ジョブチケットと呼ばれる)からなる印刷オーダーを印刷サーバ104にアップロードする。クライアントPC101〜103は印刷サーバPC104との通信に任意のプロトコルを利用し、印刷サーバ104へのログイン、通信のセッション管理等、ネットワーク通信、セキュリティ管理に必要なさまざまな処理を行う必要があるが、本実施例においては、説明簡略化のため、印刷原稿データアップロード画面と、印刷体裁指示画面に関する説明にのみとどめる。
104は印刷サーバPCでであり、インターネット通信網にWebサービスを提供可能な手段を有し、クライアントPCとの接続管理を行う。一般にWebサービスにおいて、104はアカウント管理、セキュリティ管理、DB連携、企業オフィス基幹システムとの連携等が可能であるが、本発明はこれらを限定しないので説明は省略する。105は印刷サーバ104と連携し、さまざまなリソース(ユーザアカウント情報、ユーザからアップロードされた印刷原稿データ、印刷拠点情報等)を一時保管可能なDB(データベース)であるが、DBが存在しないシステムの場合には、印刷サーバPC104がDB機能を有していてもよい。本発明の印刷オーダー管理装置は、印刷サーバ104とデータベース105を含むことが望ましい。
106は印刷拠点163に設置されたデスクトップPC(ワープロ機器等でも良い。説明簡略のため、オペレータPCと称す)で、インターネット通信網を介して、印刷サーバ104と接続可能で、クライアントPCからアップロードされた印刷原稿データをダウンロード可能な機能を有する。あるいは、オペレータPCに電子メール受信機能を持たせ、サーバPC104の判断で送信された印刷原稿データを受信する形式などであっても良い。オペレータPC106は印刷拠点に何台あっても良く、個々のオペレータPC106はそれぞれ印刷サーバPC104と接続可能な形態であっても、1台のオペレータPC106が代表して、印刷サーバPC104と接続する形態であっても良い。111はモノクロ高画質MFP(Multi Function Peripheral:スキャナ機能、印刷機能、FAX機能等を搭載した複合複写機であり、ステイプル・パンチ機能などを有するフィニッシャ装置を利用可能な機種も多い)、112はカラー高画質MFPで以後これらをプリンタと称する。111及び112にはフィニッシャが装着されており、ステイプルフィニッシング、パンチフィニッシングが使用可能であり印字画質も高いものとする。151、152、153、154はプリンタとは独立した製本機で、例えばステイプル、パンチャ、リング製本、シュア製本をオペレータが手作業で行うための製本装置(以下オフライン製本機と称す)である。本実施例において、印刷サーバPC104は図7に示される印刷拠点情報を持ち、この情報を元に、後述する方法でオペレータに対する印刷手順指示データを作成する。123はオペレータPC106とプリンタ111、112が接続されているLANで、インターネット142を介し、外部のネットワークに接続が可能である。124はオペレータPC107とプリンタ113、114が接続されているLANで、インターネット142を介し、外部のネットワークに接続が可能である。上述のとおり、142は141と同一ネットワークであっても良い。通常LANとインターネットの接続にはゲートウェイや、ファイアウォール、ルータを介して行われる。印刷拠点163では、印刷サーバに入稿されたドキュメント(印刷原稿データ)をユーザが所望とする印刷体裁で処理を行い、印刷物を生成する。これらの印刷物はユーザが指定した手段で配送したり、ユーザが引き取りにくるまで保管する。この配送指示についての詳細は後述する。ここで、図1では「クライアント拠点:サーバ拠点:印刷拠点=1:1:1」であるが、実際のシステムでは必ずしもそうである必要はない。本発明は、印刷拠点が多数ある場合に効果がある。
図2は、一般的なコンピュータPCの内部構成を示す図の一例であり、図1におけるデスクトップPC101、ノートPC102、ワープロ機器103、印刷サーバPC104、データベース105およびオペレータPC106、107の内部構成はこのようになっている。
201は本発明を利用/制御するCPU、202はCPU201のワークエリアを提供するRAM、203は本実施例における通信プログラムを提供するハードディスク(補助記憶装置:フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM等でもよい)、204はPC使用者にメッセージを通知する目的で使用される画像表示装置(具体的にはCRTディスプレイ、DSTN液晶ディスプレイ等)、205は、ユーザのコマンドを入力するユーザコマンド入力装置(具体的にはマウス、キーボード等)、206はLAN220を介して他の情報機器とデータをやり取りするためのネットワークインタフェースカード(NIC)。209はメインバスである。
なお、本実施例においては、LAN220は図1におけるLAN121、122、123、124と同じものである。
図3はプリンタ111〜114の内部構成を示す図の一例である。図3において301はPCなどから受信した印字データを解釈し、印字制御やフィニッシング制御をコントロールするCPU、302はCPU301のワークエリアの提供、印字データの一時保管を行うためのRAM、303は印字データの一時保管や、CPU301の判断により、RAM302の変わりに用いられる補助記憶装置(具体的にはハードディスク、CD−ROM等)である。304はタッチパネル等の画像表示装置で、プリンタ装置の状態や、エラーメッセージ等を表示する場合に用いることができる。305はユーザコマンド入力装置(タッチパネル等)で、コピー部数の指定や、拡大指定、印刷キャンセルをユーザが手動で行うためのものである。306はLAN320を介して、ネットワーク機器と双方向にデータをやり取りするためのNIC(Network Interface Card)である。304、305は単一のUIとして用いることも可能である。307はPCなどから投入された印字データを実際に用紙に出力するための印字制御装置で本実施例においてはフィニッシャの制御もこの印字制御装置が管理することとする。308は原稿上の画像を読み取って、白黒2値(カラーでもよい)のイメージデータを出力する画像読み取り部である。なお、本実施例においては、LAN320は図1におけるLAN123、124と同じ物である。補助記憶装置303、画像表示装置304、ユーザコマンド入力装置305、画像読み取り装置308は本実施例において必須では無いので省略可能であるが、一般的なプリンタ装置をあらわすために記載した。また、図3ではPCとのデータの送受信を行うインターフェースはNIC306に限定しているが、パラレルインターフェース、シリアルインターフェース、USBなどであっても良い。
図4は、クライアントPC101〜103が印刷サーバに接続した際に、クライアントPCのブラウザ上に表示されるログイン画面の一例である。図4の機能は実際には印刷サーバ104がHTML(Hyper Text Markup Language)データとして提供しており、クライアントPC101〜103に搭載されているブラウザ機能から利用可能である。402、403は一般的なブラウザソフトのメニューの一例である。404は印刷サーバ104のURLであり、ここで指定されるURLにアクセスすることで印刷サーバ104とデータの送受信が可能となり、印刷サーバが提供するログイン処理を行うためのこの画面がブラウザ上に表示される。405はユーザID(ユーザ識別情報)を入力するための領域である。ユーザIDは、ユーザを一意に特定できるIDが用いられる。406はユーザID405に対応したパスワードを入力するための領域である。印刷サーバ104では、ユーザIDとパスワードが印刷サーバ104が管理するユーザ情報と一致すれば、クライアントPCからのログインを許可し、一致しなければログインを許可しないものとするが、アカウント管理はオフィスの基幹システムと連携する形式や、独自のアカウントサーバとの連携が考えられるが詳細は省略する。
図5は、ユーザが印刷サーバ104にログインした後に表示される入稿設定画面の一例である。この画面もまた、印刷サーバPC104により作成され、送信されるものであり、クライアントPCのブラウザ機能から各種設定が可能となっている。505は、印刷サーバ104にアップロード(入稿)予定の印刷原稿データのクライアントPC内におけるファイルパスを示している。入稿可能なデータ形式はシステムにより任意であるが、本実施例では505のようにPDF形式のデータをアップロード可能と仮定する。本発明の入稿設定画面では、アップロード用の印刷原稿データとして、図5のように複数の印刷原稿データを同時に登録可能になっている。506は、505でファイルパスを設定した印刷原稿データの入稿をキャンセルするための削除ボタンである。図5において、3個のファイルが登録されているが、さらにファイルを追加登録したい場合には、507で示される追加ボタンに付随した機能を実装すればよい。複数ファイルを登録可能なシステムにおいて、それらを統括するためのオーダ名を指定できたほうが便利な場合がある。例えば、複数ファイルを1オーダとし、複数個のオーダを印刷サーバに登録可能なシステムにおいて、ユーザまたは印刷拠点のオペレータがアップロード済みのオーダリストから任意のオーダを特定する必要がある場合に利用されることが想定できる。オーダ名508は他のオーダと重複する可能性もあるので、通常のシステムは裏で一意にオーダを特定可能なIDを発行し管理するのが一般的である。509は入稿データのトータル枚数で、課金換算処理を行うシステムの場合には必要になる情報である。トータル枚数は、電子原稿をチェックする事で、システムが自動で割り出す事が可能な場合と、図5のようにユーザに入力させる場合の2通りが考えられるが、本実施例では後者を使用することにする。510は出力部数を示す。519は原稿アップロードボタンで、ユーザがこのボタンを押すと、印刷原稿データ、ユーザID等がサーバにアップロードされる。この時、図12で示されるジョブチケットを作成するために、図6の画面が表示される。図6で設定された内容を有するジョブチケットは、印刷原稿データ等と共に印刷サーバ104に印刷オーダーとして送信される。印刷設定を行うためのジョブチケットの作成処理は、図7で示される判断で行われる。図7の処理の詳細は後述する。502、503は一般的なブラウザソフトのメニューの一例である。
図6は、ジョブチケット1200を作成するための印刷体裁指定画面である。この画面は、図5の画面でアップロードボタン519が押下されることにより、表示されるものとする。611、613、614、615、616、617は印刷体裁指示を受け付けるメニューで、本実施例では片面/両面指定、出力サイズ指定、製本指定、仕上がり向き指定、自動拡縮指定、綴じ方向指定が行えるものとする。このほか、印刷用紙(高画質紙、色紙、OHP,厚紙等)の指定、画質指定、カラー/モノクロ指定、パンチ指定などが可能なシステムも考えられるが、本実施例では説明簡略化のため省略する。616は原稿サイズと仕上がりサイズが異なっていた場合の処理方法を示し、“自動拡縮=する”に設定されていた場合には図10で示される方法で、原稿サイズを仕上がりサイズに併せて拡縮するものとする。617は、本発明の1つの特徴である、綴じ方法選択画面で、このボタンを押下すると、図8、図9のような綴じ方法選択画面が表示され、綴じ位置の指定と画像回転方法の選択が可能となる。615の仕上がり向きの設定で“仕上がり向き=縦”が指定されていたら、図8に示すパターン選択画面を表示し、“仕上がり向き=横”が指定されていた場合には図9に示すパターン選択画面を表示するものとする。619で次へボタンを押下すると、図11で示されるジョブチケット更新処理が行われ、図10で示される編集処理が行われ、出力結果配送先設定、クレジットカード番号入力等を行う処理に移行するが、本発明において重要ではないので省略する。602、603は一般的なブラウザソフトのメニューの一例である。
図7は、図5においてアップロードボタン519が押下された場合の印刷サーバ104におけるデフォルト設定を行うための制御フローチャートの一例である。本発明では図7の処理でデフォルト値が設定され、図6に反映されるものとする。一連の判断はPC104のCPUが行う。アップロードボタン519が押下されると、印刷サーバ104は、印刷設定画面の表示要求を受けたと判断し、クライアントPCからユーザIDを取得し(S702)、ユーザIDが存在するか確認する(S703)。ユーザIDが存在しなかった場合はエラーとして扱う(S710)が、実際にどのような処理を行うかはシステムによって任意である。S703において、ユーザIDが存在していた場合、印刷サーバ104は、図13で示されるユーザ情報(詳細は後述する)がサーバPC104内の補助記憶装置203に存在するか確認し(S704)、存在しなかった場合には、下記の値をデフォルト体裁値として扱う(S708)。
・片面/両面:両面
・出力サイズ:A4
・製本種類:なし
・仕上がり向き:縦
・自動拡縮:する
・綴じパターン:パターン1
次に、印刷サーバ104は、上記値をユーザ情報として新規に作成し、印刷サーバ104内の補助記憶装置203にユーザIDと関連づけて保存する(S709)。S704において、ユーザ情報が存在していた場合には、印刷サーバ104無いの補助記憶装置203からユーザ情報を取得し(S705)、ユーザ情報に記載されている体裁指定をデフォルト値としてジョブチケット1200を作成し(S706)、ジョブチケットの情報を反映した図6で示される印刷体裁指定画面のHTML表示データを作成し(S707)、作成されたHTML表示データをクライアントPCに送信して、処理を終了する(S711)。
このように、印刷サーバ104は、クライアントPCから印刷設定画面の要求時に、ユーザIDに対応するユーザ情報が管理されているかを判断し、管理されている場合に保管されているユーザ情報に従った印刷設定が初期設定されているHTML表示画面を生成し、一方管理されていない場合にはデフォルトの印刷設定が初期設定されているHTML表示画面をクライアントPCに送信するため、ユーザは、印刷サーバ104にユーザ情報を管理しておけば、登録されている印刷設定が反映された印刷設定画面が表示されるため、ユーザが印刷設定をその都度変更するという煩雑な操作をしなくても印刷設定を行え、ジョブチケットを容易に作成することが可能となる。
図8は、図6において、綴じ方法選択ボタン617が押下された場合に、ブラウザに表示される画面である。この画面も同様に印刷サーバ104からHTML表示データとして送信されてくるものである。615で“仕上がり向き=縦”が指定されていた場合の表示例である。本発明では左綴じ、右綴じの選択のみ可能であるが、上綴じ、下綴じが選択可能なシステムであっても良い。図8は両面指定された場合の裏面の回転処理方法を指定可能な画面である。図6の611で示される片面/両面設定で片面が選択されている場合には、図8の設定は無視される(あるいは片面が指定されている場合には、綴じ方法選択ボタン617をDisableとするシステムでも良い)。図8の例ではパターン1にチェックがされている。図8でユーザがパターンを選択し、OKボタン805を押下すると、ジョブチケット1200を更新し、図6に戻り、表示内容を更新する。キャンセルボタン806が押下されると図8で設定した値は破棄され、図6に戻る。
図9は、図6において、綴じ方法選択ボタン617が押下された場合に表示する画面である。615で“仕上がり向き=横”が指定されていた場合の表示例である。本発明では左綴じ、右綴じの選択のみ可能であるが、上綴じ、下綴じが選択可能なシステムであっても良い。図9は両面指定された場合の裏面の回転処理方法を指定可能な画面である。図6の611で示される片面/両面設定で片面が選択されている場合には、図9の設定は無視される(あるいは片面が指定されている場合には、綴じ方法選択ボタン617をDisableとするシステムでも良い)。図9の例ではパターン1にチェックがされている。図9でユーザがパターンを選択し、OKボタン905を押下すると、ジョブチケット1200を更新し、図6に戻り、表示内容を更新する。キャンセルボタン906が押下されると図9で設定した値は破棄され、図6に戻る。
図10は図6の次へボタン619が押下された際の、印刷サーバ104における原稿データ編集処理の詳細を示すフローチャートの一例である。一連の処理と判断は印刷サーバ104のCPU201によって行われる。クライアントPCにおいて次へボタン619が押下されると、図6で設定されている印刷設定がジョブチケットとして印刷サーバ104に送信され、印刷サーバ104は、ジョブチケットを解析し(S1016)、印刷サーバプログラムが任意のタイミングでジョブチケットの内容を参照可能な状態にする。次に、印刷サーバ104は、クライアントPCからアップロードされている印刷原稿データを解析し(S1002)、トータルページ数を取得する(S1003)。次に、図10で示される処理全般で使用する変数“カレントページ”を1に設定し(S1004)、カレントページとトータルページを比較し(S1005)、カレントページ数の方がトータルページ数よりも大きい場合には処理を終了する(S1015)。カレントページ数がトータルページ以下の場合には、カレントページ数で示されるページのデータを解析し画像サイズを取得する(S1006)。ここで、取得した画像サイズがジョブチケットで指定されている画像サイズと同じ場合には、ジョブチケットで指定されている仕上がり向きを確認し、指定された仕上がり向きとページデータが同じ場合には、カレントページ数をインクリメントし(S1010)、S1005に戻る。S1007でページデータと仕上がりサイズが異なる場合には、ジョブチケットで自動拡縮が指定されているかチェックし(S1011)、指定されている場合には原稿サイズを仕上がりサイズに合わせて拡縮処理を行う(S1014)。S1011で自動拡縮設定が指定されていない場合には、S1008の処理に進む。S1009の処理で仕上がり向きとページデータの向きが異なっていた場合には、ページの奇数/偶数を判断する。このとき、カレントページ数が奇数であったら表面、偶数であったら裏面と判断する(S1012)。次に指定されている仕上げ向きと綴じパターンを考慮してページデータの画像を回転し(S1013)、S1010の処理に進む。
図11は、印刷サーバ104において図10の処理を行う前のジョブチケット更新処理を示すフローチャートの一例である。一連の処理と判断は印刷サーバ104のCPU201によって行われる。図11ではまず、印刷サーバ104は、ログイン要求を受けたクライアントPCからのユーザIDを取得し(S1102)、取得したユーザIDがログイン可能なユーザであることが記されている管理ユーザ情報に存在するか確認する(S1103)。存在しなかった場合にはエラーとなるが、この場合の処理方法はシステム依存である。S1103においてユーザIDが存在していた場合には、印刷サーバ104は、ログイン要求を受けたクライアントPCからのアクセスを受け付け、前述した印刷オーダーの受注処理を行い、クライアントPCから受け取ったジョブチケットからオーダIDを取得し(S1104)、図6で指定された設定値を取得しジョブチケットの内容を更新する(S1105)。次に、ユーザ情報1300を更新し(S1106)処理を終了する。
以上の説明により、ユーザは原稿の入稿、印刷体裁の指定時に、レイアウトや回転等の複雑な設定を行うべき製本印刷の綴じ方法を予め複数用意されているレイアウトパターンから選択することが可能となる。そして、印刷体裁指定の初期設定値として、ユーザが前回指定した値が反映された印刷設定画面が印刷サーバ側で作成されて、クライアントのブラウザに表示されるため、同じ印刷設定を行ことが多いユーザにとって、印刷設定の負担が大幅に減少し、印刷オーダーを発注する際に使い勝手のよい印刷システムを提供することが可能となる。
また、上記の方法を採用することにより、インターネットを介した印刷データ入稿システムにおいて、原稿データのサイズと指定された仕上がりサイズが異なる場合の拡大/縮小指定が可能となる。この事で、ユーザは原稿作成時にサイズを意識する必要が無くなる。また、異サイズ混在の原稿を入稿する場合や、サイズの異なる原稿を印刷サーバ上で1冊の本に仕上げる場合の拡縮設定の自由度が増す。従来は原稿データのサイズと指定された仕上がりサイズが異なる場合には、指定された仕上がりサイズに自動で拡縮されていた。本実施例では、例えばA4ポートレイト原稿とA3ポートレイト原稿が入稿された場合にも“自動拡縮=しない”を選択するとそのままのサイズで出力結果を得るスシステムを構築する事が可能となる。
また、上記の方法を採用する事により、インターネットを介した印刷データ入稿システムにおいて、ポートレイト、ランドスケイプが混在した原稿を入稿する場合の、仕上がりサイズ、仕上がり向きに合わせた画像回転方法の選択自由度が増す。従来は、画像回転は綴じ位置に応じて、プリンタドライバ(含製本アプリ)独自の判断で行われていた(Top−Top or Top−Bottomの設定等は綴じ位置に応じて自動で判断されていた)。この場合、ユーザは所望する出力結果が必ずしも得られるわけではなかった。本実施例の場合、ユーザが処理方法を詳細に指定可能となるので、ユーザは所望する結果を得る事ができ、印刷オペレータは間違いのない出力を行う事が可能となる。
また、上記の方法を採用する事により、インターネットを介した印刷データ入稿システムにおいて、前回指定した設定値をデフォルトとした入稿設定を行う事が可能となる。毎回同じ印刷体裁を指定するユーザは少なくないが、従来だと、入稿時に毎回、印刷体裁設定値を所望の体裁値に設定する必要があった。あるいは、プリセット、ホットフォルダ等を選択する必要があった。本実施例の方法を用いるとプリセット機能、ホットフォルダ機能を用いるまでもなく入稿時の手間を軽減する事が可能となる。
上記の実施例では図6、図7、図11で説明したように、ユーザの指定した印刷体裁値は例外なく次回使用時の初期値として使用されている。そこで、クライアントPCの印刷体裁指定を行う画面において、以前に指定した体裁値を初期値とする選択手段と、今回指定した印刷体裁値を初期値として保存する手順を提供する仕組みについて、図14及び図15を用いて説明する。
まず、クライアントPCにおいて、図5のアップロードボタン519が押下されると、アップロード指示がクライアントPCから印刷サーバ102に送信され、印刷サーバ102において、図14に示す印刷体裁設定画面用のHTML表示データが生成されてクライアントPCに返信され、クライアントPCのブラウザ上に図14の印刷体裁設定画面が表示される。図14にはチェックボックス1420が存在する。このチェックボックス1420がチェックされていると前回指定した印刷体裁を初期値として扱うことが指示され、チェックされていない場合にはこの印刷体裁設定画面上で設定されている値が印刷サーバ102に送信され、ジョブチケットとして記述されることになる。またチェックボックス1421がチェックされている場合には、この印刷体裁画面上で設定されている値が印刷サーバ102に送信され、印刷サーバ102において次回の初期設定値として表示させるべく管理される。この詳細な制御について、図15を用いて説明する。
まず、図4で前述したログイン画面において、クライアントPCから印刷サーバ102にログイン要求が発行される(S1501)と、印刷サーバ102は、ログイン画面で設定されたユーザID405をログイン要求から取得し、取得したユーザIDがデータベース105内に管理ユーザ情報として登録されているかを判断する(S1502)。登録されていないと判断された場合は、エラー処理を行いログインを許可しない(S1507)。
ユーザIDが登録されていると判断された場合は、ログイン要求を発行したクライアントPCからのログインを許可し、図5に示したドキュメントアップロード画面用のHTML表示データを生成し、クライアントPCに送信する。クライアントPCにおいて、図5のドキュメントアップロード画面を介して、アップロードする印刷原稿データの指定、オーダ名等が指定され、アップロードボタン519が押下されると、図7のS704で説明したように、印刷サーバ102は、アップロード指示したユーザIDに対応するユーザ情報が存在するかを判断し、ユーザ情報が存在する場合は、ユーザ情報を取得して、ユーザ情報に記載されている印刷体裁を初期設定値とする印刷体裁設定画面用のHTML表示データを生成し、クライアントPCに送信する。ユーザ情報が存在しない場合は、印刷サーバ102は、上述したデフォルト値の印刷体裁設定画面用のHTML表示データを生成し、クライアントPCに送信する。なおここで生成される印刷体裁設定画面用のHTML表示データは、図6ではなくチェックボックス1420及びチェックボックス1421が埋め込まれている図14となる。クライアントPCにおいて、図14の印刷体裁設定画面を介して、印刷体裁が設定され、次へボタン1419が押下されると、図11と同様にジョブチケット更新処理が行われる。そして、図15の制御フローチャートでは、S1506で示されるように、印刷サーバ102は、図14のチェックボックス1421がチェックされているか確認し、チェックされている場合には、図14で設定されている印刷体裁設定をユーザ情報1300に書き込んで更新する。
このように、ユーザが指定した印刷体裁設定値を次回使用時の初期設定値に反映するか否かを選択する手順と、印刷体裁指定時に、以前使用した印刷体裁設定値を使用するか否かを指定する手順が与えられるため、ユーザが意図した印刷体裁指定のみを使いまわす事が可能となる。
図16は印刷システムが提供する仕上がり選択画面の一例である。1601はオーダ名入力エディットボックスで、注文者、承認者、印刷オペレータが発注オーダを確認する際に利用する情報である。入稿方法1602は印刷システムに対する印刷原稿の引渡し方法を指定するためのものである。ネットワーク入稿1604を選択した場合、図5で説明したように、注文者は、ネットワークを介し、印刷原稿データの電子データを印刷サーバ104にアップロードする。メディア入稿1605は印刷データを保存したCD−ROMやFroppyDisc等を用いて入稿する場合に選択する。これらの指定は本発明に関係ないので、以降ではネットワーク入稿1604に関してのみ説明する。1603は仕上げ方法を指定するための項目で、本実施例では以下の3パターンの仕上げ方法を選択できるものとする。
(1)「1ファイル−>1ドキュメント」:1606
1つのファイルを入稿し、1つのドキュメントを作成。複数の配送先を指定可能。
(2)「複数ファイル−>1ドキュメント」:1607
複数のファイルを入稿し、1つのドキュメントを作成。複数の配送先を指定可能。
(3)「複数ファイル−>複数ドキュメント」:1608
複数のファイルを入稿し、それぞれ1つのドキュメントを作成。入稿したファイル数分のドキュメントが成果物となる。印刷体裁は複数のドキュメントで共通のものを指定する。例えば、製本種類を「くるみ製本」と指定した場合、全ての成果物ドキュメントはそれぞれくるみ製本として製本される。複数の配送先を指定可能。
(1)、(2)、(3)はそれぞれ複数の配送先を指定可能であり、特に、(3)は本発明の特徴を表す仕上げ方法指定であり、成果物となる複数のドキュメントに関して「全て同じ配送先を指定する」あるいは「全て異なる配送先を指定して、個々のファイルの配送部数は個々に指定する」あるいは「一部のドキュメントは同じ配送先に、別のドキュメントは別々の配送先に指定して、個々のファイルの配送部数は個々に指定する」事が可能となる。1609で示す「戻る」ボタンを押下すると、図示省略したサービス選択画面に遷移し、1610で示されるボタンを押下すると、図5で示された入稿ファイル設定画面に遷移する。なお、図16で選択した内容は、印刷オーダ情報で定義されている値で発注INIファイルに保存されるものとする。
図17、図18、図19は本発明の特徴となる納品先設定を行うための画面の一例であり、印刷システムにより作成される。図17において1701は納品先の件数を指定するためのコンボボックスで複数の納品先を指定するには、ここで2以上を選択する。1702、1703は納品方法を指定するためのラジオボタンで、図16仕上げ方法選択画面でパターン3(1608)が選択されている場合にのみ対応した項目であり、下記のいずれかを選択する事が可能である。
(1)全てのドキュメントに同じ納品先/部数を指定する:1702(以下パターンIと称す)
(2)ドキュメントごとに異なる納品先/部数を指定する:1703(以下パターンIIと称す)
1704は納品先情報を入力するためのエリアでパターンIを選択した場合と、パターンIIを選択した場合で入力可能な情報が異なる。入力情報に関しては図18および図19で説明する。また、1704で示される入力エリアは1701で選択した納品先の件数に応じて追加される。図17では納品先の件数1701が2件と設定されているので、2件分の納品先情報を入力可能となっている。
図18は図17の納品方法の指定ラジオボタンでパターンI(1702)が選択された場合の納品先設定画面の一例であり、印刷システムにより作成される。1801は納品方法を指定するためのラジオボタンで、本実施例では「引き取り」、「宅配便」、および、「社内便」を選択する事ができる。1802〜1806で示される項目はこれらの納品方法1801のそれぞれに応じた詳細情報を指定するためのものであり、納品方法1801に応じて、必須であったり不要である場合もあるが、本実施例ではこだわらない事とする(例えば、納品方法1801を「社内便」と選択した場合、郵便番号1802は、本来、不要である)。1802は納品先の郵便番号を入力するためのエディットボックスで、1803は納品先の住所を入力するためのエディットボックスで、1804は納品先の名称を入力するためのエディットボックスで、1805は納品先の連絡先(例えば電話番号)を入力するためのエディットボックスで、1805は納品先に配達する部数を入力するためのエディットボックスである。
図19は、図16仕上げ方法選択画面においてパターン3(1608)が選択され、かつ、図17納品先設定画面でパターンII(1703)が選択された場合にのみ対応した納品先設定画面の一例であり、印刷システムにより作成される。1901は納品方法を指定するためのラジオボタンで、本実施例では「引き取り」、「宅配便」、および、「社内便」を選択する事ができる。1902〜1905で示される項目はこれらの納品方法1901のそれぞれに応じた詳細情報を指定するためのものであり、納品方法1901に応じて、必須であったり不要である場合もあるが、本実施例ではこだわらない事とする(例えば、納品方法1901を「社内便」と選択した場合、郵便番号1902は、本来、不要である)。1902は納品先の郵便番号を入力するためのエディットボックスで、1903は納品先の住所を入力するためのエディットボックスで、1904は納品先の名称を入力するためのエディットボックスで、1905は納品先の連絡先(例えば電話番号)を入力するためのエディットボックスである。1906〜1908はドキュメント毎の配送部数を指定するためのエディットボックスで、本発明の特徴は、成果物となる複数のドキュメントの配送に関して下記3つの形式を容易に指定可能な点である。
(1)全て同じ配送先を指定する。
(2)全て異なる配送先を指定し、個々のファイルの配送部数は個々に指定する。
(3)一部のドキュメントは同じ配送先に、別のドキュメントは別々の配送先に指定し、個々のファイルの配送部数は個々に指定する。
なお、1906〜1908で表示されているファイルリストは、図8入稿ファイル設定画面でアップロードされたファイルをすべて表示する。本実施例では図5のファイルリストで「入稿ファイル1」、「入稿ファイル2」、「入稿ファイル3」が指定されているのに応じ、1906〜1908では、各々のドキュメント毎に発注部数を指定可能となっている。なお、図17、図18および図19で指定された情報は、注文INIファイルに保存されるものとする。
図20は図17における画面作成手順を説明するフローチャートの一例である。図17で示される画面の作成および入力情報取得に関する処理と判断は印刷サーバPC104のCPU201によって行わる。図6(図14)で示される印刷体裁の設定画面において、次へボタン619(1419)が押下されると、印刷プログラムは、注文INIファイルから図16でユーザが指定した仕上げ方法パターンを参照する(S2002)。
そして、印刷サーバの印刷プログラムは、上記手順により参照した情報を判断し(S2003)、仕上げ方法パターンが「3」の場合には、メニュー1702、1703を表示すべくHTML表示データを生成し、クライアントPCのブラウザに表示する(S2004)。この状態で、ユーザが1702、1703のどちらかを指定するとその指定が印刷サーバ104に入力され(S2005)、印刷プログラムは、パターンI(1702)とパターンII(1703)のどちらを指定されたかを判断し(S2006)、パターンIIが選択されている場合、注文INIファイルから入稿されたファイル情報を取得する(S2007)。次に、納品先の件数1701で指定されている件数を取得し(S2008)、図17の納品先指定エリア1704に図19で示される納品先設定画面を表示する(S2009)。図19の1909には、S2007で取得した入稿ファイルの個数分、部数指定用のエディットボックスを表示する。また、S2008で取得した件数分、図19を表示する。S2006において、パターンIが選択されている場合、納品先の件数1701で指定されている件数を取得し(S2012)、図17の納品先指定エリア1704に図18で示される納品先設定画面を表示する(S2013)。S2003において、仕上げ方法パターンが「3」でない場合には、S2012の処理を行う。この手順により、以降の任意のタイミングにおいて、システムはユーザが指定した納品先情報を参照可能となる。
以上の説明により、ネットワークを介し、ユーザが印刷サーバに原稿データを入稿する方法の一例を示した。この手順により、ユーザは原稿の入稿、サーバ上での印刷体裁指定が可能となる。また、複数のファイルが入稿され、それぞれ別個のドキュメントとして仕上げる場合(仕上げ方法パターン3)において、全てのドキュメントに対し、同一の印刷体裁を容易に指定する事が可能となる。さらに、納品先の指定においては、本発明の特徴である「複数の入稿ドキュメントに対し、個別に納品先を指定でき、かつ、納品先に対する納品部数を個別に設定」する事を可能とする。具体的には、複数のドキュメントが入稿された場合に、下記3パターンの配送指定が可能である。
(1)全てのドキュメントに同じ配送先を指定し、指定した配送先毎に任意の部数を指定する。
(2)全てのドキュメントに異なる配送先を指定し、指定した配送先毎に個々のドキュメントの配送部数を個別に指定する。
(3)一部のドキュメントは同じ配送先に、別のドキュメントは別の配送先を指定し、指定した配送先毎に個々のファイルの配送部数を個別に指定する。
上記の方法を採用することにより、印刷システムが提供する新規の入稿方法が実現され、ユーザにとって処理選択の自由度が拡大する。特に、複数のファイルを入稿し、それぞれ別個のドキュメントとして仕上げる事を所望するユーザに対し、入稿にかかる処理手順を軽減する事が可能となる。具体的には、複数のファイルを入稿し、それぞれ別個のドキュメントとして仕上げ、それぞれのドキュメントに同じ印刷体裁を指定し、それぞれのドキュメントの配送先をそれぞれ個別に指定する事を所望するユーザに1回のログインで所望の印刷体裁および配送先の指定を簡潔に実施する手段を提供する事で利便性の向上を図れる。