JP4467753B2 - 歪補償増幅装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車電話システムの基地局装置に用いられるフィードフォワード型の歪補償増幅装置等に関し、特に、N−CDMA(Narrowband-Code Division Multiple Access)方式やW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式による通信信号のようにピークファクタの大きい信号を増幅処理するような場合にも、歪検出ループ(のベクトル調整器)を精度よく制御することができる歪補償増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車電話システムや携帯電話システムなどの移動無線システムに用いられる基地局装置や中継装置では、多チャンネルの電波を同時に増幅するため、基地局装置や中継装置の増幅器にはかなりの直線性を要求されるがこれには限界がある。なお、中継装置は、例えば基地局装置からの電波を増幅し、移動局装置に対して当該電波を送出する。
【0003】
そこで、増幅器に瞬時ピークによる過入力が入力された場合、増幅器の非線形動作による歪み発生をキャンセルする回路方式として非線形歪み補償回路、すなわち自己調整型フィードフォワード(SAFF:Self AdjustingFeed Forward)回路と呼ばれる歪補償増幅器を実装した装置が用いられる。
【0004】
従来より、このようなフィードフォワード歪補償増幅器としては、例えば特開平5−315847公報に記載されるものや、特開平8−78965号公報に記載されるものが知られている。
このようなフィードフォワード歪補償増幅器は、その大まかな構成として、歪検出ループと歪除去ループ(歪補償ループ)とを直列に配したものであり、歪検出ループでは、入力信号を分岐して一方の入力信号を増幅器により増幅し、この増幅器出力信号を分岐して、当該分岐された増幅器出力信号と前記分岐された他方の入力信号とを互いに反転して合成することにより増幅器で生じた歪成分信号を抽出し、歪除去ループでは、歪検出ループから出力された歪成分信号と増幅器出力信号とを互いに反転して合成することにより増幅器で生じた歪成分を除去した増幅器出力信号を得るようにしている。
【0005】
このようなフィードフォワード歪補償増幅器において、例えば図6に示すような信号包絡線のCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)信号が入力されて、当該入力信号に瞬時ピークP1、P1’が希望波として含まれているような場合には、そのピーク電力が飽和レベル近傍、又は、それ以上に達してしまい、歪検出ループにおける増幅によって極めて高レベルの歪が発生してしまう。
このことを示したものが図7であり、同図はフィードフォワード増幅器の歪検出ループに用いられる一般的な主増幅器の入出力特性を示しており、実性能ラインの傾きが理想ラインからはずれると、飽和レベルに達して出力電圧が抑圧されて主増幅器において歪みを発生することになる。
【0006】
例えば、図8(a)に示すような瞬時ピークを有した信号が主増幅器に入力された場合、図8(b)に示すように主増幅器からの出力信号が1dB抑圧されて、下記の式1の関係から信号キャンセル量は約18dBとなる。
これは、常時、信号キャンセル量が30dB以上で動作しているとすると、図8(c)に示すように、この瞬時ピーク電力により信号キャンセルレベルが劣化し、通常のキャンセル量より約12dB大きなレベルが歪除去ループに入力される。
【0007】
なお、上述した例によると、キャンセル量は次式で表されることが知られている。
【0008】
【数1】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
例えば従来のフィードフォワード歪補償増幅器にあっては、入力信号に瞬時ピークがあると、これによって正常な増幅処理が行われなくなり、例えば基地局装置や中継増幅装置に用いた場合には無線通信の品質を劣化させてしまうという問題があった。
図1は後述するように本発明の一実施例に係る(フィードフォワード型の)歪補償増幅装置の構成例を示すものであるが、上記の事情を図1を参照して具体的に説明する。
【0010】
まず、同図に示される歪補償増幅装置の構成例や動作例を示す。
すなわち、同図に示される歪補償増幅装置には、歪検出ループや、歪除去ループや、後述する制御部が備えられている。
歪検出ループの回路は、方向性結合器2と方向性結合器6との間に設けられたベクトル調整器3や主増幅器4(やパイロット信号発生器11)や遅延線5から構成されており、入力信号を主増幅器4で増幅するときに当該増幅器4で発生する歪み(例えば相互変調歪み)の成分を検出する。
【0011】
具体的には、歪検出ループでは、後述する入力レベル検出器1から出力される信号(増幅対象となる入力信号であり、例えばチャネル多重された変調信号等)を方向性結合器2が2つの信号に分配し、一方の分配信号の振幅や位相をベクトル調整器3が調整して、当該調整後の一方の分配信号を主増幅器4が増幅する。そして、パイロット信号発生器11がパイロット信号を発生させて当該パイロット信号を結合器T1を介して主増幅器4から出力される増幅信号に結合させ、当該結合後の増幅信号が方向性結合器6に入力される。なお、主増幅器4から方向性結合器6に入力される増幅信号には、主増幅器4で増幅された入力信号や、主増幅器4で発生した歪成分や、結合されたパイロット信号成分が含まれる。
【0012】
また、歪検出ループでは、方向性結合器2から出力される他方の分配信号が、遅延線5を伝送することで、例えば前記一方の分配信号がベクトル調整器3や主増幅器4により処理されることによる遅延時間と同じ時間だけ遅延させられ、当該遅延させられた他方の分配信号が方向性結合器6に入力される。なお、遅延線5を介して方向性結合器6に入力される遅延信号には、遅延させられた入力信号が含まれる。
【0013】
そして、方向性結合器6は、主増幅器4から入力される増幅信号の一部と、遅延線5を介して入力される遅延信号とを合成することで、当該増幅信号に含まれる歪成分及びパイロット信号成分を検出し、検出したこれらの成分をベクトル調整器8へ出力する。ここで、歪検出ループでは、方向性結合器6で合成される2つの信号のそれぞれに含まれる入力信号成分が互いに逆相で(つまり、同一の振幅で、且つ、180°ずれた位相で)合成されるように、ベクトル調整器3による振幅や位相の調整が後述する制御回路20により制御される。また、方向性結合器6は、主増幅器4から入力される増幅信号の残りの部分を遅延線7へ出力する。
【0014】
歪除去ループの回路は、方向性結合器6と方向性結合器10との間に設けられた遅延線7やベクトル調整器8や補助増幅器9から構成されており、歪検出ループで検出された歪成分を前記主増幅器4による増幅信号から除去する。
【0015】
具体的には、歪除去ループでは、方向性結合器6から出力される前記残りの部分の増幅信号が、遅延線7を伝送することで、例えば方向性結合器6からベクトル調整器8へ出力される信号が当該ベクトル調整器8や補助増幅器9により処理されることによる遅延時間と同じ時間だけ遅延させられ、当該遅延させられた増幅信号が方向性結合器10に入力される。なお、遅延線7を介して方向性結合器10に入力される増幅信号には、主増幅器4で増幅された入力信号や、主増幅器4で発生した歪成分や、結合されたパイロット信号成分が含まれる。
【0016】
また、歪除去ループでは、方向性結合器6からベクトル調整器8へ出力される信号の振幅や位相を当該ベクトル調整器8が調整し、当該調整後の信号を補助増幅器9が増幅して当該増幅信号を方向性結合器10へ出力する。なお、補助増幅器9から方向性結合器10に入力される信号には、増幅された歪成分や、増幅されたパイロット信号成分が含まれる。
【0017】
そして、方向性結合器10は、遅延線7を介して入力される増幅信号と、補助増幅器10から入力される信号とを合成することで、当該増幅信号に含まれる歪成分及びパイロット信号成分を除去して、当該除去後の信号を(歪補償増幅装置から)出力する。ここで、歪除去ループでは、方向性結合器10で合成される2つの信号のそれぞれに含まれるパイロット信号成分(歪成分についても同様)が互いに逆相で(つまり、同一の振幅で、且つ、180°ずれた位相で)合成されるように、ベクトル調整器8による振幅や位相の調整が後述する制御回路20により制御される。
【0018】
また、同図に示される歪補償増幅装置には、上述のように、歪検出ループや歪除去ループを制御する制御部が備えられている。
この制御部の回路は、入力レベル検出器1や、A/D(Analog/Digital)変換器17や、(上記したパイロット信号発生器11や、)パイロット受信器12や、A/D変換器13や、増幅器14や、検波器15や、A/D変換器16や、D/A(Digital/Analog)変換器18や、D/A変換器19や、制御回路20から構成されている。
【0019】
具体的には、入力レベル検出器1は、歪検出ループ(方向性結合器2)の前段に設けられており、入力信号のレベルを検出して当該検出結果をアナログ信号によりA/D変換器17へ出力するとともに、当該入力信号を方向性結合器2へ出力する。そして、入力レベル検出器1からA/D変換器17に入力される検出結果は当該A/D変換器17によりデジタル信号へ変換されて制御回路20に入力される。
【0020】
また、パイロット受信器12は、歪除去ループ(方向性結合器10)から出力される歪補償後(歪除去後)の増幅信号の一部を結合器T2を介して入力し、当該入力した信号に含まれるパイロット信号成分を検出して当該検出結果をアナログ信号によりA/D変換器13へ出力する。そして、パイロット受信器12からA/D変換器13に入力される検出結果は当該A/D変換器13によりデジタル信号へ変換されて、パイロット信号成分電界レベルとして制御回路20に入力される。
【0021】
また、増幅器14は、歪検出ループ(方向性結合器6)から歪除去ループのベクトル調整器8へ出力される信号(歪成分を含む信号)の一部を結合器T3を介して入力し、当該入力した信号を増幅して検波器14へ出力する。検波器15は、増幅器14から入力される増幅信号を検波し、当該検波結果をアナログ信号によりA/D変換器16へ出力する。そして、検波器15からA/D変換器16に入力される検出結果は当該A/D変換器16によりデジタル信号へ変換されて、歪成分電界レベルとして制御回路20に入力される。
【0022】
制御回路20は、例えばCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を搭載して構成されている。
そして、制御回路20は、例えば歪検出ループのベクトル調整器3については、A/D変換器16から入力される歪成分電界レベルが最小となるように、当該ベクトル調整器3による振幅や位相の調整を制御するためのデジタル制御信号をD/A変換器18へ出力する。制御回路20からD/A変換器18に入力されるデジタル制御信号は当該D/A変換器18によりアナログ制御信号へ変換されてベクトル調整器3に入力され、これにより、当該アナログ制御信号に応じて当該ベクトル調整器3による振幅や位相の調整が制御される。なお、前記歪成分電界レベルを最小とすることは、例えば歪検出ループで検出される歪成分(及びパイロット信号成分)の中に残留する入力信号成分を最小とすることに相当する。
【0023】
また、制御回路20は、例えば歪除去ループのベクトル調整器8については、A/D変換器13から入力されるパイロット信号成分電界レベルが最小となるように、当該ベクトル調整器8による振幅や位相の調整を制御するためのデジタル制御信号をD/A変換器19へ出力する。制御回路20からD/A変換器19に入力されるデジタル制御信号は当該D/A変換器19によりアナログ制御信号へ変換されてベクトル調整器8に入力され、これにより、当該アナログ制御信号に応じて当該ベクトル調整器8による振幅や位相の調整が制御される。なお、前記パイロット信号成分電界レベルを最小とすることは、例えば歪除去ループから出力される歪補償後の増幅信号の中に残留するパイロット信号成分(歪成分についても同様)を最小とすることに相当する。
【0024】
次に、本発明の課題を具体的に説明する。
例えば、歪補償増幅装置にマルチキャリア信号が入力されるような場合には、当該入力信号は、その平均電力に対してその何倍もの大きさのピーク電力を瞬間的に発生させることがある。
ここで、図9には、このようなマルチキャリア信号のレベル(この例では、信号電界強度)の時間に対する変動例を示してあり、同図中の横軸は時間を示しており、縦軸は信号の電界強度を示している。
【0025】
また、上記のようなピーク電力は例えばチャネル多重度や入力信号のレベル等といった要因にも関係して発生するものであり、一例として、W−CDMA方式による通信信号の場合には、ピークファクターは1キャリアでおよそ4dBで10%の確率で発生し、また、およそ10dBで0.1%の確率で発生する。
【0026】
しかしながら、歪補償増幅装置に入力される信号(例えばマルチキャリア信号)がピーク電力を発生させる時には、増幅器の非線型特性に起因して歪検出ループの回路や歪除去ループの回路の平衡が崩れてしまい、これにより、当該歪補償増幅装置から出力される歪補償後の増幅信号中に残留する歪成分が増大してしまうという問題がある。だが、瞬間的に発生するピーク電力に対して、歪検出ループや歪除去ループの動作を追従させることは、実用上では非常に困難で不可能に近い。
【0027】
このため、歪検出ループや歪除去ループの動作を安定させるためには、例えば瞬間的なピーク電力に追従させるのではなく、ピーク電力の影響を除いた入力信号の平均電力に基づいて各ループの制御を行うことが必要となる。
従来の制御回路20では、このような平均電力を検出する仕方として、例えば検波器15から出力される検波電圧をA/D変換器16を介して複数回読み取ってその加算値を平均化する仕方が用いられており、或いは、例えばこのようにして読み取った複数回分の検波電圧の中の最大値を加算値から除去してから平均化する仕方が用いられていた。
【0028】
しかし、このような従来の仕方で平均電力を取得すると、例えばピーク電力の発生頻度が高いような場合には正確にピーク電力の影響を除去することが困難であり、また、ピーク電力の影響を少なくして平均化するためには十分に多数のサンプリング回数が必要となるために多大な時間がかかってしまうという不具合がある。特に、入力信号のレベルが急激に大きくなって歪検出ループの安定性が確保できなくなってしまったような時には、ピーク電力による歪成分が著しく発生して前記検波電圧の値が大きく変動してしまうため、当該検波電圧値に基づく制御を正確な判定により行うことができなくなり、歪検出ループの最適化処理についてその制御の安定化に長時間がかかってしまう。
【0029】
また、上記のようなピーク電力の影響を抑制するための別な仕方として、例えば検波器15の出力をコンデンサや抵抗によりなまらせて瞬時的なピーク電力が検出されないようにする仕方も考えられるが、この場合には、単に、瞬時的に発生するピーク電力を時間的に広げたにすぎず、そのままでは正確な制御を行うことができないことから、やはり上記のような平均化を行う必要がある。
【0030】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたもので、例えば入力信号にピーク電力が発生するような場合においても、歪検出ループに設けられたベクトル調整器を精度よく制御することができる歪補償増幅装置を提供することを目的とする。
なお、具体的には、本発明では、例えば歪検出ループで検出される歪成分のレベルや入力信号のレベルに基づいて当該歪成分のピークを判定する構成等により、上記のような高精度の制御を実現する。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る歪補償増幅装置では、歪検出ループと歪除去ループとを備えた構成において、次のようにして、歪検出ループに設けられたベクトル調整手段によるベクトル調整を制御する。
ここで、歪検出ループは、信号を分配して、一方の分配信号をベクトル調整手段によりベクトル調整して増幅器により増幅するとともに、当該増幅信号の一部と他方の分配信号とを合成して当該増幅器で発生する歪成分を検出する。
また、歪除去ループは、歪検出ループで検出される歪成分を前記増幅信号の他の部分から除去する。
【0032】
すなわち、本発明では、歪成分レベル検出手段が歪検出ループで検出される歪成分のレベルを検出し、単純平均化手段が歪成分レベル検出手段により複数回検出された歪成分のレベルを平均化し、閾値設定手段が単純平均化手段の平均化結果と歪成分レベル検出手段により検出される歪成分のレベルのピーク値とに基づいてピークを判定するための閾値を設定し、ピーク除去平均化手段が歪成分レベル検出手段により複数回検出された歪成分レベルの中で閾値設定手段により設定された閾値未満の歪成分レベルを平均化し、ベクトル調整制御手段がピーク除去平均化手段の平均化結果が小さくなるようにベクトル調整手段によるベクトル調整を制御する。
【0033】
従って、上記した単純平均化手段の平均化結果と歪成分レベルのピーク値との相対関係に基づいてピーク判定のための閾値が設定されることから、例えば入力信号のチャネル多重度の変動や入力信号のレベルの変動にかかわらずに、常に、前記(単純平均化手段の)平均化結果に対して所定のレベルを有するピークの成分(だけ)を除去して、当該除去後の(ピーク除去平均化手段の)平均化結果に基づいてベクトル調整手段によるベクトル調整を制御することができる。このため、例えば入力信号にピーク電力が発生するような場合においても、歪検出ループに設けられたベクトル調整手段を精度よく制御することができ、これにより、安定した歪検出ループを形成して不要な歪成分の発生を抑えることができる。
【0034】
また、好ましい態様として、本発明に係る歪補償増幅装置では、信号レベル検出手段が増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出し、上記した閾値設定手段は、(上記した単純平均化手段の平均化結果及び上記した歪成分レベルのピーク値以外に)更に、信号レベル検出手段により検出される信号のレベルに基づいて閾値を設定する。
【0035】
つまり、(入力)信号に発生するピーク電力の発生頻度は例えば当該信号のレベルの変動によっても変化するため、当該信号のレベルを検出してその平均レベル等に応じてピーク判定のための閾値を設定するのも好ましく、このような構成により、歪検出ループに設けられたベクトル調整手段を更に精度よく制御することが可能となる。
【0036】
ここで、ベクトル調整手段により行われるベクトル調整では、例えば信号(一方の分配信号)の振幅や位相を調整することが行われる。なお、ベクトル調整としては、例えば信号の振幅と位相との両方を調整する態様ばかりでなく、例えば信号の振幅と位相とのいずれか一方のみを調整する態様を用いることも可能である。
【0037】
また、ベクトル調整手段としては、信号の振幅を変化させて調整する信号振幅変化手段(例えば可変減衰器等)や、信号の位相を変化させて調整する信号位相変化手段(例えば可変位相器等)を用いて構成することができる。なお、上述のように、ベクトル調整手段としては、例えば信号振幅変化手段と信号位相変化手段との両方を用いて構成するばかりでなく、例えば信号振幅変化手段と信号位相変化手段とのいずれか一方のみを用いて構成することも可能である。
【0038】
また、増幅信号の一部と他方の分配信号とを合成して歪成分を検出する仕方としては、例えば上述したように、当該増幅信号の一部に含まれる入力信号と当該他方の分配信号に含まれる入力信号とが互いに逆相で合成されるようにするのが好ましいが、本発明では、例えば実用上で有効に歪補償が行われる程度であれば、当該逆相からずれた状態で当該合成が行われてもよい。
【0039】
また、歪成分レベル検出手段により検出する歪成分のレベルや、信号レベル検出手段により検出する信号のレベルとしては、種々なレベルが用いられてもよく、具体的には、例えば電力のレベルや、振幅(電圧等)のレベルなどを用いることができる。
【0040】
また、単純平均化手段により平均化する歪成分レベルの数(複数回の回数)や、ピーク除去平均化手段により参照される歪成分レベルの数(複数回の回数)としては、特に限定はないが、例えば実用上で有効な範囲で少なくした方が、ベクトル調整手段を制御するための処理時間が短くなって好ましい。
【0041】
また、閾値設定手段による閾値設定のために用いられる歪成分レベルのピーク値としては、必ずしも歪成分レベルの最大値が検出されて用いられなくともよい。つまり、例えば歪成分レベルの最大値付近のレベルを参照してその最大値を予想すること等も可能であることから、本発明では、このように歪成分レベルの最大値付近のレベルを検出して当該検出結果を閾値設定のために用いるような態様をも包含している。
【0042】
また、閾値設定手段により閾値を設定する仕方としては、種々な仕方が用いられてもよく、具体的には、例えば単純平均化手段の平均化結果より大きく、且つ、歪成分レベルのピーク値より小さい値が閾値として設定される。そして、このようにして設定される閾値未満のレベルの歪成分についてはピークに係る部分ではないと判定される一方、当該閾値を超えるレベルの歪成分についてはピークに係る部分であると判定される。このことから、ピーク除去平均化手段により閾値未満の歪成分レベルを平均化することは、ピークに係る歪成分を除去した残りの歪成分のレベル(のみ)を平均化することに相当する。
【0043】
また、本発明では、複数回検出された歪成分レベル(ここで、歪成分レベル群Aと言う)を単純平均化手段により平均化した結果に基づいて閾値を設定して、その後、ピーク除去平均化手段により複数回検出された歪成分レベル(ここで、歪成分レベル群Bと言う)の中から当該閾値未満の歪成分レベルを平均化しているが、単純平均化手段により用いられる複数の歪成分レベル(歪成分レベル群A)とピーク除去平均化手段により用いられる複数の歪成分レベル(歪成分レベル群B)とは同一の対象であってもよく、或いは、異なっていてもよい(つまり、例えば前回に検出された歪成分レベル群Aに基づいて設定された閾値を用いて、次回に検出された歪成分レベル群Bを処理するようなことも可能である)。
【0044】
また、ピーク除去平均化手段の平均化結果が小さくなるようにベクトル調整手段によるベクトル調整を制御する仕方としては、例えば当該平均化結果が最小となるように制御するのが好ましいが、例えば実用上で有効に歪補償が行われる程度であれば、このような制御(つまり、最小とする制御)が行われなくともよい。
【0045】
また、ベクトル調整手段によるベクトル調整を制御する仕方としては、例えば信号の振幅調整と位相調整との両方を制御する仕方ばかりでなく、例えば信号の振幅調整と位相調整とのいずれか一方のみを制御する仕方を用いることも可能である。
【0046】
また、信号レベル検出手段により増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出する仕方としては、例えば当該増幅器に入力される前(つまり、増幅前)の信号のレベルを検出する仕方ばかりでなく、例えば当該増幅器で増幅された後(つまり、増幅後)の信号のレベルを検出する仕方を用いることも可能である。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施例に係るフィードフォワード型の歪補償増幅装置の一例を示してある。
ここで、同図に示した本例の歪補償増幅装置の構成や動作は、例えば上記した「発明が解決しようとする課題」で示したのとほぼ同様であるため、以下では、本例の特徴的な構成部分についてのみ詳しく説明する。
【0048】
すなわち、本例の制御回路20は、検波器15により検出される(歪検出ループで検出される)歪成分の電界レベル(検波電力)をA/D変換器16を介して例えば一定の時間間隔毎に電圧値として読み出し、当該電圧値を自己(当該制御回路20)のRAMに設けられた退避テーブルに歪成分レベルデータとして格納する。
【0049】
ここで、図2には、このような退避テーブルの一例を示してあり、同図の退避テーブルでは、1回目のサンプリングで検出された歪成分レベルのデータ(1回目のレベル)からi回目のサンプリングで検出された歪成分レベルのデータ(i回目のレベル)までが順に格納されている。
【0050】
なお、サンプリングの回数(サンプリングを行う時間)としては、例えば入力信号のレベル変動に応じて、ピーク除去後の歪成分レベルの平均化結果(後述するピーク除去後平均電力AV3)が良好な品質で得られる程度の十分な回数(時間)が設定されるのがよい。つまり、歪成分レベルをサンプリングすると、例えば上記図9に示したように、当該サンプリングしたデータには瞬時的なピーク電力が不規則に発生するため、サンプリングの回数(時間)を調整することで、瞬時的なピーク電力を検出する割合を調整することが可能である。
【0051】
次に、図3を参照して、本例の制御回路20により、歪検出ループで検出される複数回分の歪成分レベルの中からピーク電力に相当するものを除去して、その後に当該歪成分レベルの平均電力(ピーク除去後平均電力AV3)を算出する処理の手順の一例を示す。
まず、制御回路20は、上記したように検波器15により検出される歪成分の電力レベルをA/D変換器16を介してデジタル値(A/D変換値)として順次読み出し、当該読み出した歪成分レベルのデータを退避テーブルに格納する(ステップS1)。
【0052】
そして、制御回路20は、所定の(本例では、i回の)サンプリング回数(所定のサンプリング時間)分の歪成分レベルの読み出しが完了したか否かを判定して(ステップS2)、完了したことが判定された場合には、以下のような処理を実行する。
すなわち、制御回路20は、サンプリングにより取得した複数回(本例では、i回)分の歪成分レベルの値の合計値を当該サンプリングの回数(総数)で割った結果を単純平均電力として算出し、算出した単純平均電力を変数AV1に格納する(ステップS3)。
【0053】
次に、制御回路20は、サンプリングにより取得した前記複数回分の歪成分レベルの中からピーク電力の値を検出し、例えば上記のようにして取得した単純平均電力AV1と当該ピーク電力値とのレベル差に基づいて、予め設定された仕方で、ピーク判定に用いられるピーク電力判定閾値を算出するためのピーク電力判定倍率の値を決定する。そして、制御回路20は、決定したピーク電力判定倍率の値を上記した単純平均電力AV1に乗算し、当該乗算結果をピーク電力判定閾値として変数AV2に格納する(ステップS4)。
【0054】
次いで、制御回路20は、上記した退避テーブルに格納された複数(本例では、i)個の歪成分レベルと上記のようにして取得したピーク電力判定閾値AV2との大小を順に比較していき、これら複数個の歪成分レベルの中から当該ピーク電力判定閾値AV2未満の歪成分レベルのみを取り出して、取り出した歪成分レベルを平均化することにより、ピーク電力を除去した後における歪成分レベルの平均値(ピーク除去後平均電力)AV3を算出する。
【0055】
具体的には、制御回路20は、まず、歪成分レベルのサンプリングの回数(本例では、i)を変数jに格納(つまり、j=iと)する(ステップS5)。
次に、制御回路20は、j回目(最初の時点では、j=i回目)のサンプリングで検出された歪成分レベルの値A(j)が上記したピーク電力判定閾値AV2未満であるか否かを判定し(ステップS6)、当該ピーク電力判定閾値AV2未満である歪成分レベルの値A(j)のみを累積的に加算して、当該加算結果を変数TMPに格納していく(ステップS7)。
【0056】
ここで、制御回路20は、例えばj回目のサンプリングで検出された歪成分レベルについての処理が完了した場合には、当該jの値を1減少させて(つまり、j=j−1として)上記と同様な判定処理(ステップS6)や累積加算処理(ステップS7)を実行する(ステップS8)。これにより、サンプリング回数(本例では、i)回目のサンプリングで検出された歪成分レベルから1回目のサンプリングで検出された歪成分レベルまでについて、上記と同様な処理(ステップS6、ステップS7)が実行される。
【0057】
そして、制御回路20は、上記したjが0(つまり、j=0)となったことを判定すると(ステップS9)、退避テーブルに格納された全て(本例では、i回分)の歪成分レベルについて上記の処理(ステップS6、ステップS7)が完了したとみなして、最終的に得られた累積加算結果TMPを当該累積加算を行った回数(つまり、ピークとして除去しなかった歪成分レベルの総数)で割って、当該割った結果をピーク除去後平均電力として変数AV3に格納する(ステップS10)。
【0058】
本例の制御回路20は、上記のようにして得られるピーク除去後平均電力AV3が小さくなるように(好ましくは最小となるように)、歪検出ループのベクトル調整器3に対する制御を繰り返して行い、これにより、当該ベクトル調整器3によるベクトル調整(信号の振幅や位相の調整)を最適化する。
【0059】
なお、上記したピーク電力判定倍率は、検波器15やA/D変換器16を介して制御回路20により読み出される信号電力のレベル(歪成分レベル)に対して、その平均電力レベル(単純平均電力AV1)と比較して例えばその何倍程度のレベルをピーク電力と判定するかを定める倍率として用いられている。このようなピーク電力判定倍率の値は、例えば検波器15の検波能力にも依存して決められるのが好ましく、歪検出ループの安定化を図ることができる値が設定されるのがよい。
【0060】
また、ピーク電力の発生状況は(歪補償増幅装置への)入力信号のレベルの大小にも依存して変化し得るため、例えば制御回路20が上記した検波器15による歪成分レベルのサンプリングと同期して、入力レベル検出器1により検出される入力信号のレベルをA/D変換器17を介して取得し、当該入力信号レベルの大きさに応じてピーク電力判定倍率の値を変化させるのも好ましい。
【0061】
次に、図4や図5を参照して、上記のようなピーク除去後平均電力を算出する処理の具体例を示す。
なお、本例では、上記のような単純平均電力と歪成分レベルの瞬時的なピーク値(最大値)とのレベル差が2倍程度となるように、上記した検波器15及びA/D変換器16の信号検出部がコンデンサや抵抗を用いて調整されているとする。
【0062】
そして、本例では、(歪補償増幅装置により)ピーク電力の影響を抑えることができる信号電力(歪成分レベル)の範囲が単純平均電力の1.5倍であると定められるとし、これに基づいて、上記のようなピーク電力判定倍率を単純平均電力の1.5倍の値と設定する場合の例を示す。
また、本例では、信号レベル(歪成分レベル)の読み出し回数(サンプリング回数)を10回とした場合の例を示す。
【0063】
一例として、図4には、歪検出ループにより検出される歪成分の信号を(a)として示してあるとともに、“41”回目から“50”回目までの10回分のサンプリング点を示してあり、また、このような歪成分信号に基づいて算出される単純平均電力を(b)として示してあるとともに、算出されるピーク除去後平均電力を(c)として示してある。
【0064】
具体的には、上記した10回分の歪成分レベルのサンプリング値を平均化すると単純平均電力として8.5が得られ、これにより、ピーク電力判定閾値としては12.8(なお、正確には、8.5×1.5=12.75)が設定される。また、このようにして設定されたピーク電力判定閾値と上記した10回分の歪成分レベルのサンプリング値との大小を比較すると、“47”回目の歪成分のサンプリング値と“48”回目の歪成分のサンプリング値が当該ピーク電力判定閾値以上であると判定される。そして、これら2点のピーク電力を除去した残りの8点の歪成分レベルのサンプリング値を平均化すると、ピーク除去後平均電力として6.4が得られる。
【0065】
また、他の例として、図5には、歪検出ループにより検出される歪成分の信号を(a)として示してあるとともに、“51”回目から“61”回目までの10回分のサンプリング点を示してあり、また、このような歪成分信号に基づいて算出される単純平均電力を(b)として示してあるとともに、算出されるピーク除去後平均電力を(c)として示してある。
【0066】
具体的には、上記した10回分の歪成分レベルのサンプリング値を平均化すると単純平均電力として6.6が得られ、これにより、ピーク電力判定閾値としては9.9(=6.6×1.5)が設定される。また、このようにして設定されたピーク電力判定閾値と上記した10回分の歪成分レベルのサンプリング値との大小を比較すると、“55”回目の歪成分のサンプリング値が当該ピーク電力判定閾値以上であると判定される。そして、この1点のピーク電力を除去した残りの9点の歪成分レベルのサンプリング値を平均化すると、ピーク除去後平均電力として5.9が得られる。
【0067】
以上のように、本例の歪補償増幅装置では、例えば不規則に発生する歪成分レベルのピーク電力に対して、その発生回数等によらずに常に単純平均電力から見て所定のレベル(ピーク電力判定閾値)以上のピーク電力を除去することができ、これにより、当該除去後の歪成分レベルの平均値(ピーク除去後平均電力)に基づいて歪検出ループのベクトル調整器3を精度よく制御することができる。
【0068】
このため、本例の歪補償増幅装置では、このような安定した(ピーク除去後)平均電力を用いることで、歪検出ループにおけるバランスを崩すことなく安定した制御を行うことが可能となり、これにより、(歪補償増幅装置から出力される)主増幅器4による増幅後の入力信号中に(歪補償後に)残留する歪成分を小さくすることができる。
【0069】
また、本例の歪補償増幅装置では、入力レベル検出器1により入力信号のレベルを検出して、当該検出レベルに基づいてピーク電力判定閾値の値を設定することもでき、これにより、例えば歪検出ループのベクトル調整器3を更に精度よく制御することが可能となる。また、このように入力信号レベルに適応した大きさのレベルを有するピーク電力を除去する構成により、例えばピーク除去後平均電力の算出に用いられる歪成分レベルのサンプリングの回数(サンプリングの時間)を少なくすることも可能であり、これにより、入力信号レベルの変動に対して素早く応答して歪補償制御することが可能となる。
【0070】
ここで、本例の歪補償増幅装置の歪検出ループでは、方向性結合器2の機能により本発明に言う信号を分配しており、ベクトル調整器3の機能により本発明に言うベクトル調整手段が構成され、主増幅器4の機能により本発明に言う増幅器が構成され、方向性結合器6の機能により本発明に言う歪成分を検出している。
また、本例の歪補償増幅装置の歪除去ループでは、方向性結合器10の機能により本発明に言う増幅信号の他の部分から歪成分を除去している。
【0071】
また、本例の歪補償増幅装置では、検波器15等が歪成分のレベルを検出する機能により、本発明に言う歪成分レベル検出手段が構成されている。
また、本例の歪補償増幅装置では、入力レベル検出器1等が入力信号のレベルを検出する機能により、本発明に言う信号レベル検出手段が構成されている。
【0072】
また、本例の歪補償増幅装置では、制御回路20が上記した単純平均電力を算出する機能により本発明に言う単純平均化手段が構成されており、制御回路20が上記したピーク電力判定閾値(本発明に言う閾値に相当するもの)を設定する機能により本発明に言う閾値設定手段が構成されており、制御回路20が上記したピーク除去後平均電力を算出する機能により本発明に言うピーク除去平均化手段が構成されており、制御回路20が当該ピーク除去後平均電力に基づいてベクトル調整器3を制御する機能により本発明に言うベクトル調整制御手段が構成されている。
【0073】
ここで、本発明に係る歪補償増幅装置の構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。
また、本発明に係る歪補償増幅装置の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0074】
また、本実施例に係る歪補償増幅装置により行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROMに格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成としたが、本発明では、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピーディスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る歪補償増幅装置によると、歪検出ループにおいて信号を分配して一方の分配信号をベクトル調整して増幅器により増幅するとともに、当該増幅信号の一部と他方の分配信号とを合成して当該増幅器で発生する歪成分を検出し、歪除去ループにおいて歪検出ループで検出される歪成分を前記増幅信号の他の部分から除去するに際して、歪検出ループで検出される歪成分のレベルを検出し、これにより複数回検出された歪成分のレベルを平均化し、当該平均化結果と歪成分のレベルのピーク値とに基づいてピークを判定するための閾値を設定し、そして、複数回検出された歪成分レベルの中で当該閾値未満の歪成分レベルを平均化し、当該平均化結果が小さくなるように上記したベクトル調整を制御するようにしたため、例えば入力信号にピーク電力が発生するような場合においても、歪検出ループにおいて行われるベクトル調整を精度よく制御することができ、これにより、安定した歪検出ループを形成して不要な歪成分の発生を抑えることができる。
【0076】
また、本発明に係る歪補償増幅装置では、更に、増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出し、当該検出される信号のレベルに基づいて上記した閾値を設定するようにしたため、例えば当該信号のレベルの変動に応じて、歪検出ループにおいて行われるベクトル調整を更に精度よく制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る歪補償増幅装置の一例を示す図である。
【図2】 歪成分レベルデータを退避する退避テーブルの一例を示す図である。
【図3】 制御回路によりピーク除去後平均電力を算出する処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
【図4】 ピーク除去後平均電力を算出する処理の具体例を説明するための図である。
【図5】 ピーク除去後平均電力を算出する処理の具体例を説明するための図である。
【図6】 入力信号の包絡線にCDMA等のピーク電力が重畳された波形の一例を示す図である。
【図7】 主増幅器の出力特性の一例を説明するための図である。
【図8】 主増幅器の入出力レベルの波形及びその検出電圧波形の一例を示す図である。
【図9】 マルチキャリア信号のレベルの変動例を示す図である。
【符号の説明】
1・・入力レベル検出器、 2、6、10・・方向性結合器、
3、8・・ベクトル調整器、 4・・主増幅器、 5、7・・遅延線、
9・・補助増幅器、 11・・パイロット信号発生器、
12・・パイロット受信器、 13、16、17・・A/D変換器、
14・・増幅器、 15・・検波器、 18、19・・D/A変換器、
20・・制御回路、 T1〜T3・・結合器、
Claims (2)
- 信号を分配して、一方の分配信号をベクトル調整手段によりベクトル調整して増幅器により増幅するとともに、当該増幅信号の一部と他方の分配信号とを合成して当該増幅器で発生する歪成分を検出する歪検出ループと、歪検出ループで検出される歪成分を当該増幅信号の他の部分から除去する歪除去ループとを備えた歪補償増幅装置において、
歪検出ループで検出される歪成分のレベルを検出する歪成分レベル検出手段と、
歪成分レベル検出手段により複数回検出された歪成分のレベルを平均化する単純平均化手段と、
単純平均化手段の平均化結果と歪成分レベル検出手段により検出される歪成分のレベルのピーク値とに基づいて、ピークを判定するための閾値を設定する閾値設定手段と、
歪成分レベル検出手段により複数回検出された歪成分レベルの中で、閾値設定手段により設定された閾値未満の歪成分レベルを平均化するピーク除去平均化手段と、
ピーク除去平均化手段の平均化結果が小さくなるように、ベクトル調整手段によるベクトル調整を制御するベクトル調整制御手段と、
を備えたことを特徴とする歪補償増幅装置。 - 請求項1に記載の歪補償増幅装置において、
増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出する信号レベル検出手段を備え、
閾値設定手段は、更に、信号レベル検出手段により検出される信号のレベルに基づいて閾値を設定することを特徴とする歪補償増幅装置。
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