JP2010154017A - 送信増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】送信増幅器で、ピーク電力の抑圧により発生する平均電力の低下をシンボル単位で高精度に補正する。
【解決手段】ゲイン制御部では、ピーク電力抑圧手段2が送信対象となる信号のピーク電力を抑圧し、第1の平均電力測定手段6、1、4がピーク電力抑圧手段の入力信号の平均電力をシンボル単位で測定し、第2の平均電力測定手段6、3、4がピーク電力抑圧手段の出力信号の平均電力をシンボル単位で測定し、ゲイン値計算手段4が2つの測定された平均電力の比をシンボル単位で計算して比に応じてゲイン値をシンボル単位で計算し、電力調整手段6、5が計算されたゲイン値に基づいてシンボル単位でゲイン値を切り替えてピーク電力抑圧手段の出力信号の電力を調整する。
【選択図】 図1
【解決手段】ゲイン制御部では、ピーク電力抑圧手段2が送信対象となる信号のピーク電力を抑圧し、第1の平均電力測定手段6、1、4がピーク電力抑圧手段の入力信号の平均電力をシンボル単位で測定し、第2の平均電力測定手段6、3、4がピーク電力抑圧手段の出力信号の平均電力をシンボル単位で測定し、ゲイン値計算手段4が2つの測定された平均電力の比をシンボル単位で計算して比に応じてゲイン値をシンボル単位で計算し、電力調整手段6、5が計算されたゲイン値に基づいてシンボル単位でゲイン値を切り替えてピーク電力抑圧手段の出力信号の電力を調整する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式等を使用する移動体通信システムの送信増幅器(送信機の一種)に搭載されるゲイン制御部に関し、特に、ピーク電力の抑圧により発生する平均電力の低下をシンボル単位で高精度に補正する送信増幅器に関する。
図7には、送信増幅器のゲイン制御部(ゲイン調整部)の構成例を示してある。
平均電力測定部101は、ピーク電力抑圧部102への入力信号(I、Qの送信信号)の平均電力(或いは、平均電力を求めるための情報)を例えば1フレーム単位の区間で測定する。ピーク電力抑圧部102は、入力信号のピーク電力を検出して指定のレベルまで抑圧し、ピーク電力対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)が低減された信号を出力する。
平均電力測定部101は、ピーク電力抑圧部102への入力信号(I、Qの送信信号)の平均電力(或いは、平均電力を求めるための情報)を例えば1フレーム単位の区間で測定する。ピーク電力抑圧部102は、入力信号のピーク電力を検出して指定のレベルまで抑圧し、ピーク電力対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)が低減された信号を出力する。
平均電力測定部103は、ピーク電力抑圧部102からの出力信号の平均電力(或いは、平均電力を求めるための情報)を例えば1フレーム単位の区間で測定する。CPU(Central Processing Unit)104は、2個の平均電力測定部101、103からの情報に基づいて求められた平均電力値の比を計算し、電力調整部105に設定するゲイン値を求める。電力調整部105は、CPU104が設定したゲイン値を送信信号に乗算し、ピーク電力抑圧部102の入出力の平均電力の差がなくなるように電力を調整する。
なお、2個の平均電力測定部101、103には、フレームが開始するタイミングを示すフレーム開始タイミング信号が入力される。
なお、2個の平均電力測定部101、103には、フレームが開始するタイミングを示すフレーム開始タイミング信号が入力される。
しかしながら、OFDM等の送信増幅器には高い電力効率が求められ、そのための工夫としてプリディストーション歪補償技術やピーク電力抑圧技術がよく知られている。ここで、ピーク電力を抑圧した場合には、PAPRが低減されて高い電力効率が得られる反面、EVMなどの変調精度の劣化や、平均電力の低下が問題となる。
このような平均電力の低下を補正するためには、ピーク電力抑圧部の入出力で平均電力を測定し、その比を計算して電力補正に用いるゲイン値を決定し、そのゲインをピーク電力抑圧部の出力信号にかければよい。しかしながら、信号の電力特性や相補累積分布関数(CCDF:Complemetary Cumulative Distribution Function)特性がシンボル間で大きく異なるような信号を送信する場合には、従来技術に係るフレーム単位のゲイン調整方法では高精度のゲイン調整が難しかった。
例えば、OFDM方式を用いているWiMAX信号の場合を例として説明する。
WiMAX信号のフレームの先頭に配置されるPreamble(プリアンブル)シンボルは、後ろに配置されるデータ・シンボルよりも高い平均電力を持つ。
ここで、10MHz帯域のWiMAXテスト信号を例として、その電力特性を見てみる。このテスト信号は29シンボルのダウンリンク・データで構成されており、その内訳は先頭から、Preambleが1シンボルあり、残りの28シンボルはデータ・シンボルで構成されている。
WiMAX信号のフレームの先頭に配置されるPreamble(プリアンブル)シンボルは、後ろに配置されるデータ・シンボルよりも高い平均電力を持つ。
ここで、10MHz帯域のWiMAXテスト信号を例として、その電力特性を見てみる。このテスト信号は29シンボルのダウンリンク・データで構成されており、その内訳は先頭から、Preambleが1シンボルあり、残りの28シンボルはデータ・シンボルで構成されている。
図8には、1キャリア(carrier)のWiMAXテスト信号に対してシンボル毎に平均電力を計算した結果の一例を示してある。横軸はシンボルの番号(Symbol No.)を表しており、縦軸は平均電力(Power[dBm])を表している。
図9には、1キャリアのWiMAXテスト信号の時間対電力波形の一例を示してある。横軸は時間(Time[msec])を表しており、縦軸は電力(Power[dBm])を表している。
ここで、シミュレーションに用いるWiMAXテスト信号は符号付き16ビットのデジタルIQデータであるが、29シンボル全体の平均電力を40dBmと仮定して平均電力をdBm値に換算している。
図8及び図9の結果を見ると、先頭の1シンボルのPreambleシンボルはデータ・シンボルと比較して約4dB平均電力が高い。なお、図示してはいないが、このような電力特性は、WiMAXテスト信号を2キャリア合成した信号についても同じ結果となる。
図9には、1キャリアのWiMAXテスト信号の時間対電力波形の一例を示してある。横軸は時間(Time[msec])を表しており、縦軸は電力(Power[dBm])を表している。
ここで、シミュレーションに用いるWiMAXテスト信号は符号付き16ビットのデジタルIQデータであるが、29シンボル全体の平均電力を40dBmと仮定して平均電力をdBm値に換算している。
図8及び図9の結果を見ると、先頭の1シンボルのPreambleシンボルはデータ・シンボルと比較して約4dB平均電力が高い。なお、図示してはいないが、このような電力特性は、WiMAXテスト信号を2キャリア合成した信号についても同じ結果となる。
図10には、このWiMAXテスト信号のダウンリンク・データの29シンボル区間におけるCCDF曲線を1キャリア信号と2キャリア信号で取得した結果の一例を示してある。横軸はPAPR[dB]を表しており、縦軸はProbability[%]を表している。1キャリアと2キャリアの場合でCCDF曲線を比較してみると、2キャリアの場合にPAPRが高い領域でピーク電力の発生確率がやや大きくなる傾向が見られる。
図11には、WiMAXテスト信号のPreambleの1シンボルだけの区間におけるCCDF曲線を1キャリア信号と2キャリア信号で取得した結果の一例を示してある。横軸はPAPR[dB]を表しており、縦軸はProbability[%]を表している。1キャリアのCCDF曲線では、最大ピークにおいてもPAPR=4.0[dB]程度のレベルである。Preambleの平均電力はデータ・シンボルと比較して約4dB高いことから、Preambleプラス(+)データ29シンボルの平均電力に対するPAPR値に換算すると、Preambleの最大ピークはPAPR=8.0[dB]のレベルとなる。
つまり、Preambleシンボルは、データ・シンボルと比較して平均電力は高いが、ピーク電力のレベルとしてはそれほど高くならないような信号パターンとなっており、ピーク電力抑圧のピーク検出閾値レベルが8.0dB以上であればピーク検出はされない。一方で、2キャリア信号のCCDF曲線では最大ピークが6.6dBまで上昇しており、Preambleプラス(+)データ29シンボルの平均電力に対するPAPR値に換算すると、Preambleの最大ピークはPAPR=10.6dBのレベルとなる。つまり、2キャリア信号の場合には、Preamble区間にも、PAPR値が10dBを越えるような高いレベルのピーク電力が比較的高い確率で存在することになる。このように、2キャリア信号のPreambleシンボルで発生するピーク電力のレベルが高くなった理由は、約0.1%の確率で発生するPAPR=8.0dBのピーク電力が2キャリア合成時に同相合成されたことによる。
以上のシミュレーション実験で得られた電力特性とCCDF特性の結果から、このWiMAXテスト信号に対してピーク電力抑圧を行う場合に、次のことが想定される。
すなわち、1キャリア信号の場合には、ターゲットとするPAPR値(通常はピーク電力の検出閾値に一致する)が8.0dB以上であれば、Preambleシンボルではピーク電力が検出されず、データ・シンボルのみピーク電力抑圧される。また、ターゲットPAPR値を8.0dB未満に設定すると、Preambleシンボルでもピーク電力が検出され、平均電力の低下もピーク電力の抑圧量に伴って発生する。
一方で、2キャリア信号の場合には、データ・シンボルと比較してPreambleシンボルにおけるピーク発生確率が非常に大きいため、ターゲットPAPR値の大小にかかわらず、ピーク電力抑圧量がPreambleシンボルで非常に大きくなる。従って、平均電力の低下量も、Preambleシンボルではデータ・シンボルと比較して大きくなる。
すなわち、1キャリア信号の場合には、ターゲットとするPAPR値(通常はピーク電力の検出閾値に一致する)が8.0dB以上であれば、Preambleシンボルではピーク電力が検出されず、データ・シンボルのみピーク電力抑圧される。また、ターゲットPAPR値を8.0dB未満に設定すると、Preambleシンボルでもピーク電力が検出され、平均電力の低下もピーク電力の抑圧量に伴って発生する。
一方で、2キャリア信号の場合には、データ・シンボルと比較してPreambleシンボルにおけるピーク発生確率が非常に大きいため、ターゲットPAPR値の大小にかかわらず、ピーク電力抑圧量がPreambleシンボルで非常に大きくなる。従って、平均電力の低下量も、Preambleシンボルではデータ・シンボルと比較して大きくなる。
以上に述べたことを確かめるために、計算機シミュレーションにより実際に1キャリアと2キャリアのWiMAXテスト信号に対してピーク電力抑圧処理を施し、その平均電力の低下量を測定してみた。
図12(a)には、1キャリア信号に対して、ターゲットPAPR=8.0dBで、ピーク電力抑圧による平均電力低下量を求めた計算機シミュレーション結果の一例を示してある。具体的には、ピーク電力抑圧部の入力と出力の平均電力をPreambleシンボルとデータ・シンボルの2つの区間でそれぞれ測定した結果とその差分である平均電力の低下量(ゲイン変動量)を示してある。
図12(a)には、1キャリア信号に対して、ターゲットPAPR=8.0dBで、ピーク電力抑圧による平均電力低下量を求めた計算機シミュレーション結果の一例を示してある。具体的には、ピーク電力抑圧部の入力と出力の平均電力をPreambleシンボルとデータ・シンボルの2つの区間でそれぞれ測定した結果とその差分である平均電力の低下量(ゲイン変動量)を示してある。
図12(b)には、1キャリア信号に対して、ターゲットPAPR=7.5dBで、ピーク電力抑圧による平均電力低下量を求めた計算機シミュレーション結果の一例を示してある。具体的には、ピーク電力抑圧部の入力と出力の平均電力をPreambleシンボルとデータ・シンボルの2つの区間でそれぞれ測定した結果とその差分である平均電力の低下量(ゲイン変動量)を示してある。
図12(c)には、2キャリア信号に対して、ターゲットPAPR=8.0dBで、ピーク電力抑圧による平均電力低下量を求めた計算機シミュレーション結果の一例を示してある。具体的には、ピーク電力抑圧部の入力と出力の平均電力をPreambleシンボルとデータ・シンボルの2つの区間でそれぞれ測定した結果とその差分である平均電力の低下量(ゲイン変動量)を示してある。
図12(d)には、2キャリア信号に対して、ターゲットPAPR=7.5dBで、ピーク電力抑圧による平均電力低下量を求めた計算機シミュレーション結果の一例を示してある。具体的には、ピーク電力抑圧部の入力と出力の平均電力をPreambleシンボルとデータ・シンボルの2つの区間でそれぞれ測定した結果とその差分である平均電力の低下量(ゲイン変動量)を示してある。
このようなシミュレーションによる実験結果を見てみると、1キャリア信号におけるピーク電力抑圧による平均電力低下量は、Preambleシンボルよりもデータ・シンボルの方が大きい。一方で、2キャリア信号の場合には、逆にPreambleシンボルの平均電力低下量がデータ・シンボルのそれと比較して非常に大きく、ターゲットPAPR値によって平均電力低下量も大きく変化する結果となった。
以上のシミュレーション実験の結果でも示されたように、キャリア数やピーク電力抑圧のターゲットPAPR値によって平均電力の低下量は大きく変化し、特にターゲットPAPR値を低いレベルに設定してピーク電力抑圧量が大きくなる場合にシンボル単位でアダプティブに平均電力低下の補正を行うことが求められていた。従来技術に係るゲイン制御部では、フレーム単位でゲイン制御を実施していることから、シンボル間で平均電力の低下量が異なる場合に正しい補正ができないといった問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、シンボル単位の高精度なゲイン制御を行うことができ、これにより、例えば従来技術と比べて、より品質が高い送信信号を送信することが可能な送信増幅器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、送信対象となる信号のピーク電力を抑圧して電力調整するゲイン制御部を有する送信増幅器において、次のような構成とした。
すなわち、前記ゲイン制御部では、ピーク電力抑圧手段が、前記送信対象となる信号のピーク電力を抑圧する。第1の平均電力測定手段が、前記ピーク電力抑圧手段に入力される信号の平均電力をシンボル単位(1シンボル単位、本構成例において他の箇所も同様)で測定する。第2の平均電力測定手段が、前記ピーク電力抑圧手段から出力される信号の平均電力をシンボル単位で測定する。ゲイン値計算手段が、前記第1の平均電力測定手段により測定された平均電力と前記第2の平均電力測定手段により測定された平均電力との比をシンボル単位で計算し、計算された比に応じて平均電力補正のためのゲイン値をシンボル単位で計算する。電力調整手段が、前記ゲイン値計算手段により計算されたシンボル単位のゲイン値に基づいて、シンボル単位で電力調整に使用するゲイン値を切り替えて、前記ピーク電力抑圧手段から出力された信号の電力を調整する。
従って、シンボル単位(1シンボル単位)の高精度なゲイン制御を行うことができ、これにより、例えば従来技術と比べて、より品質が高い送信信号を送信することが可能である。
すなわち、前記ゲイン制御部では、ピーク電力抑圧手段が、前記送信対象となる信号のピーク電力を抑圧する。第1の平均電力測定手段が、前記ピーク電力抑圧手段に入力される信号の平均電力をシンボル単位(1シンボル単位、本構成例において他の箇所も同様)で測定する。第2の平均電力測定手段が、前記ピーク電力抑圧手段から出力される信号の平均電力をシンボル単位で測定する。ゲイン値計算手段が、前記第1の平均電力測定手段により測定された平均電力と前記第2の平均電力測定手段により測定された平均電力との比をシンボル単位で計算し、計算された比に応じて平均電力補正のためのゲイン値をシンボル単位で計算する。電力調整手段が、前記ゲイン値計算手段により計算されたシンボル単位のゲイン値に基づいて、シンボル単位で電力調整に使用するゲイン値を切り替えて、前記ピーク電力抑圧手段から出力された信号の電力を調整する。
従って、シンボル単位(1シンボル単位)の高精度なゲイン制御を行うことができ、これにより、例えば従来技術と比べて、より品質が高い送信信号を送信することが可能である。
ここで、送信対象となる信号としては、種々な信号が用いられてもよい。
また、信号のピーク電力を抑圧する方法としては、種々な方法が用いられてもよい。
また、平均電力の測定の方法としては、種々な方法が用いられてもよい。
また、2つの平均電力の比に応じたゲイン値としては、種々な数式等により求められてもよい。
また、所定の単位(本例では、シンボル単位)で電力調整に使用するゲイン値を切り換える態様としては、例えば、連続する所定の単位で電力調整に使用するゲイン値が同一である場合には、必ずしも切り替えられなくてもよい。
また、信号のピーク電力を抑圧する方法としては、種々な方法が用いられてもよい。
また、平均電力の測定の方法としては、種々な方法が用いられてもよい。
また、2つの平均電力の比に応じたゲイン値としては、種々な数式等により求められてもよい。
また、所定の単位(本例では、シンボル単位)で電力調整に使用するゲイン値を切り換える態様としては、例えば、連続する所定の単位で電力調整に使用するゲイン値が同一である場合には、必ずしも切り替えられなくてもよい。
以下で、他の構成例(構成例1)〜(構成例2)を示す。
(構成例1)
「送信対象となる信号のピーク電力を抑圧して電力調整するゲイン制御部を有する送信増幅器において、
1フレームの区間を、それぞれシンボル単位(1シンボル単位)の整数倍となる複数の区間に分割して、これら各区間をゲイン制御の単位となる区間とし、
前記ゲイン制御部は、前記送信対象となる信号のピーク電力を抑圧するピーク電力抑圧手段と、
前記ピーク電力抑圧手段に入力される信号の平均電力を前記した各区間毎の単位で測定する第1の平均電力測定手段と、
前記ピーク電力抑圧手段から出力される信号の平均電力を前記した各区間毎の単位で測定する第2の平均電力測定手段と、
前記第1の平均電力測定手段により測定された平均電力と前記第2の平均電力測定手段により測定された平均電力との比を前記した各区間毎の単位で計算し、計算された比に応じて平均電力補正のためのゲイン値を前記した各区間毎の単位で計算するゲイン値計算手段と、
前記ゲイン値計算手段により計算された前記した各区間毎の単位のゲイン値に基づいて、前記した各区間毎の単位で電力調整に使用するゲイン値を切り替えて、前記ピーク電力抑圧手段から出力された信号の電力を調整する電力調整手段と、を備えた、
ことを特徴とする送信増幅器。」
ここで、1フレームの区間を、それぞれシンボル単位(1シンボル単位)の整数倍となる複数の区間に分割した場合における、各区間の長さとしては種々なものが用いられてもよい。
(構成例1)
「送信対象となる信号のピーク電力を抑圧して電力調整するゲイン制御部を有する送信増幅器において、
1フレームの区間を、それぞれシンボル単位(1シンボル単位)の整数倍となる複数の区間に分割して、これら各区間をゲイン制御の単位となる区間とし、
前記ゲイン制御部は、前記送信対象となる信号のピーク電力を抑圧するピーク電力抑圧手段と、
前記ピーク電力抑圧手段に入力される信号の平均電力を前記した各区間毎の単位で測定する第1の平均電力測定手段と、
前記ピーク電力抑圧手段から出力される信号の平均電力を前記した各区間毎の単位で測定する第2の平均電力測定手段と、
前記第1の平均電力測定手段により測定された平均電力と前記第2の平均電力測定手段により測定された平均電力との比を前記した各区間毎の単位で計算し、計算された比に応じて平均電力補正のためのゲイン値を前記した各区間毎の単位で計算するゲイン値計算手段と、
前記ゲイン値計算手段により計算された前記した各区間毎の単位のゲイン値に基づいて、前記した各区間毎の単位で電力調整に使用するゲイン値を切り替えて、前記ピーク電力抑圧手段から出力された信号の電力を調整する電力調整手段と、を備えた、
ことを特徴とする送信増幅器。」
ここで、1フレームの区間を、それぞれシンボル単位(1シンボル単位)の整数倍となる複数の区間に分割した場合における、各区間の長さとしては種々なものが用いられてもよい。
(構成例2)
上記した(構成例1)において、1フレームの区間が分割されて設けられる複数の区間のそれぞれの長さが等しい場合を示す。なお、各区間の長さが1シンボル分となる場合(M=1の場合)には、シンボル単位(1シンボル単位)を用いる構成例と同様となる。
「送信対象となる信号のピーク電力を抑圧して電力調整するゲイン制御部を有する送信増幅器において、
Mが1以上で1フレームに含まれるシンボルの数より1つ小さい数以下であるとし、ゲイン制御の単位となる区間として連続したM個のシンボルに相当する区間が設定され、
前記ゲイン制御部は、前記送信対象となる信号のピーク電力を抑圧するピーク電力抑圧手段と、
前記ピーク電力抑圧手段に入力される信号の平均電力を前記区間の単位で測定する第1の平均電力測定手段と、
前記ピーク電力抑圧手段から出力される信号の平均電力を前記区間の単位で測定する第2の平均電力測定手段と、
前記第1の平均電力測定手段により測定された平均電力と前記第2の平均電力測定手段により測定された平均電力との比を前記区間の単位で計算し、計算された比に応じて平均電力補正のためのゲイン値を前記区間の単位で計算するゲイン値計算手段と、
前記ゲイン値計算手段により計算された前記区間の単位のゲイン値に基づいて、前記区間の単位で電力調整に使用するゲイン値を切り替えて、前記ピーク電力抑圧手段から出力された信号の電力を調整する電力調整手段と、を備えた、
ことを特徴とする送信増幅器。」
上記した(構成例1)において、1フレームの区間が分割されて設けられる複数の区間のそれぞれの長さが等しい場合を示す。なお、各区間の長さが1シンボル分となる場合(M=1の場合)には、シンボル単位(1シンボル単位)を用いる構成例と同様となる。
「送信対象となる信号のピーク電力を抑圧して電力調整するゲイン制御部を有する送信増幅器において、
Mが1以上で1フレームに含まれるシンボルの数より1つ小さい数以下であるとし、ゲイン制御の単位となる区間として連続したM個のシンボルに相当する区間が設定され、
前記ゲイン制御部は、前記送信対象となる信号のピーク電力を抑圧するピーク電力抑圧手段と、
前記ピーク電力抑圧手段に入力される信号の平均電力を前記区間の単位で測定する第1の平均電力測定手段と、
前記ピーク電力抑圧手段から出力される信号の平均電力を前記区間の単位で測定する第2の平均電力測定手段と、
前記第1の平均電力測定手段により測定された平均電力と前記第2の平均電力測定手段により測定された平均電力との比を前記区間の単位で計算し、計算された比に応じて平均電力補正のためのゲイン値を前記区間の単位で計算するゲイン値計算手段と、
前記ゲイン値計算手段により計算された前記区間の単位のゲイン値に基づいて、前記区間の単位で電力調整に使用するゲイン値を切り替えて、前記ピーク電力抑圧手段から出力された信号の電力を調整する電力調整手段と、を備えた、
ことを特徴とする送信増幅器。」
以上説明したように、本発明に係る送信増幅器によると、ゲイン制御部において、送信信号のピーク電力を抑圧するに際して、所定の単位(特に、1シンボル単位)で平均電力測定やゲイン値計算や電力調整を行うようにしたため、高精度なゲイン制御を行うことができ、これにより、例えば従来技術と比べて、より品質が高い送信信号を送信することが可能である。
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本発明の第1実施例を説明する。
図1には、本発明の一実施例に係るOFDM方式を使用して無線送信を行うための送信増幅器に設けられたゲイン制御部の構成例を示してある。
本例のゲイン制御部は、平均電力測定部1と、ピーク電力抑圧部2と、平均電力測定部3と、CPU4と、電力調整部5と、シンボル開始タイミング生成部6を備えている。
図1には、本発明の一実施例に係るOFDM方式を使用して無線送信を行うための送信増幅器に設けられたゲイン制御部の構成例を示してある。
本例のゲイン制御部は、平均電力測定部1と、ピーク電力抑圧部2と、平均電力測定部3と、CPU4と、電力調整部5と、シンボル開始タイミング生成部6を備えている。
本例のゲイン制御部において行われる動作の一例を示す。
本例のゲイン制御部には、複素数のI成分及びQ成分から構成される送信対象となる信号(送信信号)が入力され、当該信号が平均電力測定部1及びピーク電力抑圧部2に入力される。
また、本例のゲイン制御部では、例えば送信増幅器のフレーム処理部など(図示せず)から出力されるフレーム開始タイミング信号が、シンボル開始タイミング生成部6に入力される。フレーム開始タイミング信号としては、例えば、フレームの先頭でパルスが発生するような信号が用いられる。
本例のゲイン制御部には、複素数のI成分及びQ成分から構成される送信対象となる信号(送信信号)が入力され、当該信号が平均電力測定部1及びピーク電力抑圧部2に入力される。
また、本例のゲイン制御部では、例えば送信増幅器のフレーム処理部など(図示せず)から出力されるフレーム開始タイミング信号が、シンボル開始タイミング生成部6に入力される。フレーム開始タイミング信号としては、例えば、フレームの先頭でパルスが発生するような信号が用いられる。
シンボル開始タイミング生成部6は、入力されたフレーム開始タイミング信号を基準として、2個の平均電力測定部1、3や電力調整部5へ、これらの処理部1、3、5がシンボル毎の制御を行うための制御信号となるシンボル開始タイミング信号を生成して出力する。
平均電力測定部1は、シンボル開始タイミング生成部6から入力されたシンボル開始タイミング信号に基づいて、入力信号(ピーク電力抑圧部2への入力信号と同じもの)の平均電力(本例では、平均電力を求めるための情報)をシンボル単位で測定し、その結果をCPU4へ出力する。
平均電力測定部1は、シンボル開始タイミング生成部6から入力されたシンボル開始タイミング信号に基づいて、入力信号(ピーク電力抑圧部2への入力信号と同じもの)の平均電力(本例では、平均電力を求めるための情報)をシンボル単位で測定し、その結果をCPU4へ出力する。
ピーク電力抑圧部2は、入力信号のピーク電力を検出して指定のレベル(例えば、予め設定されたレベル)まで抑圧し、これによりPAPRが低減された信号(I、Q信号)を平均電力測定部3及び電力調整部5へ出力する。
平均電力測定部3は、シンボル開始タイミング生成部6から入力されたシンボル開始タイミング信号に基づいて、ピーク電力抑圧部2から入力された信号の平均電力(本例では、平均電力を求めるための情報)をシンボル単位で測定し、その結果をCPU4へ出力する。
平均電力測定部3は、シンボル開始タイミング生成部6から入力されたシンボル開始タイミング信号に基づいて、ピーク電力抑圧部2から入力された信号の平均電力(本例では、平均電力を求めるための情報)をシンボル単位で測定し、その結果をCPU4へ出力する。
CPU4は、平均電力測定部1から入力された情報と平均電力測定部3から入力された情報に基づいて、これらの情報に基づく平均電力値の比をシンボル毎に計算し、電力調整部5に設定するためのシンボル毎のゲイン値を求めて(演算して)、求めたシンボル毎のゲイン値を電力調整部5へ出力して設定する。
電力調整部5は、CPU4により設定されたゲイン値を、ピーク電力抑圧部2から入力された信号(送信信号)に乗算し、これによりピーク電力抑圧部2の入出力の電力差が無くなるように(或いは、実用上で有効な程度で小さくなるように)電力を調整し、調整後の送信信号を出力する。
ゲイン制御部の電力調整部5から出力された信号は、例えば、送信増幅器の送信処理部(図示せず)によりアンテナ(図示せず)から無線送信される。
電力調整部5は、CPU4により設定されたゲイン値を、ピーク電力抑圧部2から入力された信号(送信信号)に乗算し、これによりピーク電力抑圧部2の入出力の電力差が無くなるように(或いは、実用上で有効な程度で小さくなるように)電力を調整し、調整後の送信信号を出力する。
ゲイン制御部の電力調整部5から出力された信号は、例えば、送信増幅器の送信処理部(図示せず)によりアンテナ(図示せず)から無線送信される。
図2には、平均電力測定部1、3の内部の構成例を示してある。ここで、本例では、2個の平均電力測定部1、3の構成や動作は同様であるため、まとめて説明する。
本例の平均電力測定部1、3は、瞬時電力演算部11と、累加算部12と、スイッチ13と、ビットシフト部14と、累加算値格納レジスタ15を備えている。
累加算部12、スイッチ13、累加算値格納レジスタ15には、シンボル開始タイミング生成部6からのシンボル開始タイミング信号が入力される。
本例の平均電力測定部1、3は、瞬時電力演算部11と、累加算部12と、スイッチ13と、ビットシフト部14と、累加算値格納レジスタ15を備えている。
累加算部12、スイッチ13、累加算値格納レジスタ15には、シンボル開始タイミング生成部6からのシンボル開始タイミング信号が入力される。
平均電力測定部1、3において行われる動作の一例を示す。
入力信号(I、Q信号)が瞬時電力演算部11に入力される。
瞬時電力演算部11は、1サンプル毎に瞬時電力(本例では、I2+Q2)を演算し、その結果(瞬時電力の値)を累加算部12へ出力する。
累加算部12は、瞬時電力演算部11から入力される瞬時電力値について、指定された(例えば、予め設定された)サンプル数(1シンボル内のサンプル行い数)の累加算を、その結果(累加算の値)をスイッチ13へ出力する。この場合に、累加算部12は、入力されるシンボル開始タイミング信号に基づくシンボル開始タイミングで、累加算値をクリアする。
入力信号(I、Q信号)が瞬時電力演算部11に入力される。
瞬時電力演算部11は、1サンプル毎に瞬時電力(本例では、I2+Q2)を演算し、その結果(瞬時電力の値)を累加算部12へ出力する。
累加算部12は、瞬時電力演算部11から入力される瞬時電力値について、指定された(例えば、予め設定された)サンプル数(1シンボル内のサンプル行い数)の累加算を、その結果(累加算の値)をスイッチ13へ出力する。この場合に、累加算部12は、入力されるシンボル開始タイミング信号に基づくシンボル開始タイミングで、累加算値をクリアする。
スイッチ13は、入力されるシンボル開始タイミング信号に基づいて、累加算部12による1シンボル区間の累加算が終了するたびにスイッチを閉じ、累加算部12から入力される累加算値をビットシフト部14へ出力する。
ビットシフト部14は、累加算部12からスイッチ13を介して入力される1シンボル毎の累加算値について、累加算値の下位ビットを切り捨てて、ビット数の調整を行い、その結果(ビット数調整後の累加算値)を累加算値格納レジスタ15へ出力する。
ビットシフト部14は、累加算部12からスイッチ13を介して入力される1シンボル毎の累加算値について、累加算値の下位ビットを切り捨てて、ビット数の調整を行い、その結果(ビット数調整後の累加算値)を累加算値格納レジスタ15へ出力する。
ここで、一般に、累加算結果は大きな値となり、精度が劣化しない範囲で下位ビットを削ると都合がよいことから、本例ではそのような構成としたが、必ずしもビットシフトを行う必要はなく、必要に応じて行えばよい。ビットシフトを行わない場合には、ビットシフト部14が設けられなくてよい。
累加算値格納レジスタ15は、例えばメモリから構成されており、ビットシフト部14から入力されたシンボル毎の累加算値を格納する。具体例として、シンボルの番号(No.)と累加算値とを対応付けてテーブルに格納する。
平均電力測定部1、3では、1フレームの全シンボルに対して累加算処理が完了してメモリ(本例では、累加算値格納レジスタ15)に書き込み(WRITE)されたら、累加算終了を知らせる割り込み信号をCPU4に与え、これに応じてCPU4は各シンボルの累加算値をメモリから読み出して(READして)、累加算を行ったサンプル数で除算することにより、各シンボルの平均電力を計算する。
ここで、CPU4では、例えば、電力比を計算するだけである場合には、必ずしも累加算サンプル数での除算処理は必要ない。
なお、ここで得られた平均電力値は真値であるが、CPU4は必要に応じて平均電力値をdBm値に変換してもよく、都合の良い計算方法を用いてもよい。
なお、ここで得られた平均電力値は真値であるが、CPU4は必要に応じて平均電力値をdBm値に変換してもよく、都合の良い計算方法を用いてもよい。
CPU4により電力調整部5に設定するゲイン値の計算方法の一例を示す。
計算されたピーク電力抑圧部2の入出力におけるある特定シンボルの(dBm値ではなく)真値の平均電力値をそれぞれPin、Poutとする。また、設定ゲインのデータ・フォーマットの一例として、電力調整部5に設定するゲイン値は符号なし16bit(ビット)のint型データで表現し、0x8000をゲイン0dBとし、設定可能なゲインの最大値は0xFFFFで+6dBであるとする。このとき、電力調整部5に設定されるゲイン値Gainは(式1)で計算される。なお、sqrt()は、ルート2を表す。
(数1)
Gain=32768 × sqrt(Pin/Pout)
・・(式1)
計算されたピーク電力抑圧部2の入出力におけるある特定シンボルの(dBm値ではなく)真値の平均電力値をそれぞれPin、Poutとする。また、設定ゲインのデータ・フォーマットの一例として、電力調整部5に設定するゲイン値は符号なし16bit(ビット)のint型データで表現し、0x8000をゲイン0dBとし、設定可能なゲインの最大値は0xFFFFで+6dBであるとする。このとき、電力調整部5に設定されるゲイン値Gainは(式1)で計算される。なお、sqrt()は、ルート2を表す。
(数1)
Gain=32768 × sqrt(Pin/Pout)
・・(式1)
図3を参照して、CPU4によるゲイン値の計算から電力調整部5への設定までの処理の一例を示す。
入力側の平均電力測定部1の累加算値格納レジスタ15a(メモリ)には、ピーク電力抑圧部2への入力について計算された累加算値が格納される。
出力側の平均電力測定部3の累加算値格納レジスタ15b(メモリ)には、ピーク電力抑圧部2からの出力について計算された累加算値が格納される。
CPU4は、これら2個のメモリからシンボル毎の累加算値を読み出し(READし)、ゲイン値の計算として、除算及びルート演算処理31によりsqrt(累加算値1/累加算値2)を計算して、正規化処理32により正規化し、これによりシンボル毎のゲイン値を計算して、電力調整部5のメモリに構成された当該電力調整部5に設定するゲイン値を格納するレジスタ(ゲイン値格納レジスタ)21に書き込む(WRITEする)。
入力側の平均電力測定部1の累加算値格納レジスタ15a(メモリ)には、ピーク電力抑圧部2への入力について計算された累加算値が格納される。
出力側の平均電力測定部3の累加算値格納レジスタ15b(メモリ)には、ピーク電力抑圧部2からの出力について計算された累加算値が格納される。
CPU4は、これら2個のメモリからシンボル毎の累加算値を読み出し(READし)、ゲイン値の計算として、除算及びルート演算処理31によりsqrt(累加算値1/累加算値2)を計算して、正規化処理32により正規化し、これによりシンボル毎のゲイン値を計算して、電力調整部5のメモリに構成された当該電力調整部5に設定するゲイン値を格納するレジスタ(ゲイン値格納レジスタ)21に書き込む(WRITEする)。
図4には、電力調整部5の内部の構成例を示してある。
電力調整部5は、ゲイン値格納レジスタ21と、電力調整処理部41を備えている。電力調整処理部41には、2個の乗算器51、52を備えている。
メモリに構成されたゲイン値格納レジスタ21には、CPU4が計算したシンボル毎の電力補正のためのゲイン値(電力補正ゲイン値)が格納される。
電力調整処理部41は、送信信号のIQデータと電力補正ゲイン値とを乗算する2個の乗算器51、52により構成されており、送信信号のIQデータに電力補正ゲイン値を乗算して、その結果である電力が調整されたIQデータを出力する。ここで、電力調整処理部41では、シンボル開始タイミング生成部6から入力されるシンボル開始タイミング信号を基準として、使用する電力補正ゲイン値を各シンボル毎に対応するゲイン値に切り替える。
電力調整部5は、ゲイン値格納レジスタ21と、電力調整処理部41を備えている。電力調整処理部41には、2個の乗算器51、52を備えている。
メモリに構成されたゲイン値格納レジスタ21には、CPU4が計算したシンボル毎の電力補正のためのゲイン値(電力補正ゲイン値)が格納される。
電力調整処理部41は、送信信号のIQデータと電力補正ゲイン値とを乗算する2個の乗算器51、52により構成されており、送信信号のIQデータに電力補正ゲイン値を乗算して、その結果である電力が調整されたIQデータを出力する。ここで、電力調整処理部41では、シンボル開始タイミング生成部6から入力されるシンボル開始タイミング信号を基準として、使用する電力補正ゲイン値を各シンボル毎に対応するゲイン値に切り替える。
シンボル開始タイミング生成部6の詳細を説明する。
図5には、シンボル開始タイミング生成部6で行われる処理の様子の一例を示してある。具体的には、フレーム開始タイミング信号とシンボル開始タイミング信号を表す時間軸波形の一例を示してある。
図5に示されるように、シンボル開始タイミング生成部6は、入力されたフレーム開始タイミング信号を基準として、各フレーム内の各シンボルの開始タイミングでパルスが発生するようなシンボル開始タイミング信号を生成して出力する。
図5には、シンボル開始タイミング生成部6で行われる処理の様子の一例を示してある。具体的には、フレーム開始タイミング信号とシンボル開始タイミング信号を表す時間軸波形の一例を示してある。
図5に示されるように、シンボル開始タイミング生成部6は、入力されたフレーム開始タイミング信号を基準として、各フレーム内の各シンボルの開始タイミングでパルスが発生するようなシンボル開始タイミング信号を生成して出力する。
ここで、シンボル開始タイミング信号のパルスは、フレーム開始タイミング信号のパルスとカウンタを用いることで、生成することができる。例えば、フレーム開始タイミング信号のパルスをトリガとして、カウンタのカウントアップを開始し、1シンボル分に相当する規定のカウント値(例えば、カウントアップに用いるクロック周波数とデータのサンプリング・レートにより決定される)に達したらシンボル開始タイミング信号となるパルスを発生させて、カウンタをクリアする。これを1フレーム内で規定のシンボル数分だけ繰り返して行う。シンボル開始タイミング生成部6により生成されたシンボル開始タイミング信号は、2個の平均電力測定部1、3と電力調整部5に入力され、各機能におけるシンボル単位の制御(例えば、累加算値のクリアやゲイン値の切り替えなど)に用いられる。
以上のように、本例の送信増幅器のゲイン制御部では、ピーク電力抑圧による平均電力の低下をシンボル単位で補正するものであり、送信信号のピーク電力を検出して希望のPAPRレベルまで抑圧するピーク電力抑圧部2と、ピーク電力抑圧部2への入力信号の平均電力をシンボル単位で測定するための第1の平均電力測定部1と、ピーク電力抑圧部2からの出力信号の平均電力をシンボル単位で測定するための第2の平均電力測定部3と、第1の平均電力測定部1と第2の平均電力測定部3による測定結果に基づいて平均電力の比をシンボル単位で計算し、計算された平均電力の比に応じて平均電力補正のためのゲイン値をシンボル単位で決定し、決定したゲイン値を電力調整部5に設定するCPU4(ゲイン値計算部)と、CPU4により設定されたシンボル毎のゲイン値に基づいてピーク電力抑圧部2からの出力の平均電力をシンボル単位でゲイン値を切り替えて調整する電力調整部5を備えた。
従って、本例の送信増幅器のゲイン制御部では、例えば、シンボル毎に平均電力が異なる送信信号に対してピーク電力抑圧を行い、平均電力の低下量がシンボル単位で大きく異なるような場合においても、本例のようなゲイン制御を用いることにより、ピーク電力抑圧前の電力特性を復元することができ、信号品質が良好な信号を送信することが可能となる。
なお、本例の送信増幅器のゲイン制御部では、ピーク電力抑圧部2の機能によりピーク電力抑圧手段が構成されており、シンボル開始タイミング生成部6や平均電力測定部1やCPU4の機能により第1の平均電力測定手段が構成されており、シンボル開始タイミング生成部6や平均電力測定部3やCPU4の機能により第2の平均電力測定手段が構成されており、CPU4の機能によりゲイン値計算手段が構成されており、シンボル開始タイミング生成部6や電力調整部5の機能により電力調整手段が構成されている。
本発明の第2実施例を説明する。
本実施例では、上記した第1実施例の場合とは異なる点について詳しく説明する。
上記した第1実施例では、ゲイン制御を1シンボル毎に実施するが、本例では、1シンボルを最小単位とした複数区間毎のゲイン制御を行う。
この場合、上記した第1実施例と同様な構成において、例えば、CPU4によるゲイン値計算とゲイン値設定処理について、次のような変更を加えることで実現することができる。
本実施例では、上記した第1実施例の場合とは異なる点について詳しく説明する。
上記した第1実施例では、ゲイン制御を1シンボル毎に実施するが、本例では、1シンボルを最小単位とした複数区間毎のゲイン制御を行う。
この場合、上記した第1実施例と同様な構成において、例えば、CPU4によるゲイン値計算とゲイン値設定処理について、次のような変更を加えることで実現することができる。
すなわち、CPU4は、平均電力測定部1、3からシンボル毎の累加算値を受け取ったら、同一区間に含まれる全てのシンボルの累加算値の加算を行い、区間毎の累加算値を求める。次に、区間毎に電力補正のためのゲイン値を計算する。そして、電力調整部5へのゲイン値の設定では、同一区間内で共通のゲイン値を設定する。これにより、ハードウエア的な変更をせずに、CPU4による処理の方法(ソフトウエア)を変更するだけで、本例のゲイン制御を実現することができる。
なお、これは一実施例であり、他の構成例として、各区間の開始タイミング信号を生成して、これに基づいて、平均電力の測定や電力調整部5のゲイン値切り替えを区間毎に行うような構成を用いることも可能である。
なお、これは一実施例であり、他の構成例として、各区間の開始タイミング信号を生成して、これに基づいて、平均電力の測定や電力調整部5のゲイン値切り替えを区間毎に行うような構成を用いることも可能である。
以上のように、本例の送信増幅器のゲイン制御部では、ピーク電力抑圧による平均電力の低下を決められた区間単位で補正するものである。ゲイン値制御の単位となる区間については、1シンボルを最小単位として、連続したM(Mの最小値は1とし、Mの最大値は1フレームに含まれるシンボル数−1とする)シンボルを1つの区間として1フレームを2つ以上の複数区間に分割して決められる。そして、送信信号のピーク電力を検出して希望のPAPRレベルまで抑圧するピーク電力抑圧部2と、ピーク電力抑圧部2への入力信号の平均電力を決められた区間毎に測定するための第1の平均電力測定部1と、ピーク電力抑圧部2からの出力信号の平均電力を決められた区間毎に測定するための第2の平均電力測定部3と、第1の平均電力測定部1と第2の平均電力測定部3による測定結果に基づいて平均電力の比を決められた区間毎に計算し、計算された平均電力の比に応じて平均電力補正のためのゲイン値を決められた区間毎に決定し、決定されたゲイン値を電力調整部5に設定するCPU4(ゲイン値計算部)と、CPU4により設定された区間毎のゲイン値に基づいてピーク電力抑圧部2からの出力の平均電力を決められた区間毎にゲイン値を切り替えて調整する電力調整部5を備えた。
従って、本例の送信増幅器のゲイン制御部では、例えば、所定の期間毎に平均電力が異なる送信信号に対してピーク電力抑圧を行い、平均電力の低下量が前記所定の期間単位で大きく異なるような場合においても、本例のようなゲイン制御を用いることにより、ピーク電力抑圧前の電力特性を復元することができ、信号品質が良好な信号を送信することが可能となる。
本発明の第3実施例を説明する。
図6には、本発明の一実施例に係る送信増幅器の構成例を示してある。
なお、図1ではI信号とQ信号を別々の線で示したが、図6ではこれらをまとめて1本の線で示してある。
本例の送信増幅器は、図1に示されるのと同様な処理部として、平均電力測定部1、ピーク電力抑圧部2、平均電力測定部3、CPU4、電力調整部5、シンボル開始タイミング生成部6を備えており、更に、非線形歪補償部61と、D/A(Digital to Analog)コンバータ62と、周波数変換部63と、電力増幅部64を備えている。
ここで、図1に示されるのと同様な処理部1〜6の構成や動作としては、例えば、上記した第1実施例或いは上記した第2実施例の場合と同様であるため、本例では、説明を省略する。
図6には、本発明の一実施例に係る送信増幅器の構成例を示してある。
なお、図1ではI信号とQ信号を別々の線で示したが、図6ではこれらをまとめて1本の線で示してある。
本例の送信増幅器は、図1に示されるのと同様な処理部として、平均電力測定部1、ピーク電力抑圧部2、平均電力測定部3、CPU4、電力調整部5、シンボル開始タイミング生成部6を備えており、更に、非線形歪補償部61と、D/A(Digital to Analog)コンバータ62と、周波数変換部63と、電力増幅部64を備えている。
ここで、図1に示されるのと同様な処理部1〜6の構成や動作としては、例えば、上記した第1実施例或いは上記した第2実施例の場合と同様であるため、本例では、説明を省略する。
電力調整部5から出力される電力調整後の送信信号が、非線形歪補償部61に入力される。
非線形歪補償部61は、電力調整部5から入力された信号について、電力増幅部64で発生する非線形歪を例えばLUT(Look Up Table)を用いて補償し、その結果の信号をD/Aコンバータ62へ出力する。
D/Aコンバータ62は、非線形歪補償部61から入力された信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換して、周波数変換部63へ出力する。
非線形歪補償部61は、電力調整部5から入力された信号について、電力増幅部64で発生する非線形歪を例えばLUT(Look Up Table)を用いて補償し、その結果の信号をD/Aコンバータ62へ出力する。
D/Aコンバータ62は、非線形歪補償部61から入力された信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換して、周波数変換部63へ出力する。
周波数変換部63は、D/Aコンバータ62から入力された信号をベースバンド帯若しくは中間周波数(IF:Intermediate Frequency)帯の信号から希望の無線周波数(RF:Radio Frequency)帯の信号へ周波数変換(アップコンバート)して、電力増幅部64へ出力する。
電力増幅部64は、周波数変換部63から入力された信号を電力増幅して希望の電力の信号として出力する。この出力信号は、例えば、アンテナ(図示せず)から無線送信される。
電力増幅部64は、周波数変換部63から入力された信号を電力増幅して希望の電力の信号として出力する。この出力信号は、例えば、アンテナ(図示せず)から無線送信される。
ここで、非線形歪補償部61により行われる非線形歪補償処理の方法としては、特に限定は無く、様々な方法が用いられてもよい。
また、必要に応じて、非線形歪補償のために、電力増幅部64からの出力信号の一部をフィードバックして、歪電力の解析に用いるような構成としてもよい。
また、必要に応じて、非線形歪補償のために、電力増幅部64からの出力信号の一部をフィードバックして、歪電力の解析に用いるような構成としてもよい。
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
1、3、101、103・・平均電力測定部、 2、102・・ピーク電力抑圧部、 4、104・・CPU、 5、105・・電力調整部、 6・・シンボル開始タイミング生成部、 11・・瞬時電力演算部、 12・・累加算部、 13・・スイッチ、 14・・ビットシフト部、 15、15a、15b・・累加算値格納レジスタ、 21・・ゲイン値格納レジスタ、 31・・除算及びルート演算処理、 32・・正規化処理、 41・・電力調整処理部、 51、52・・乗算器、 61・・非線形歪補償部、 62・・D/Aコンバータ、 63・・周波数変換部、 64・・電力増幅部、
Claims (1)
- 送信対象となる信号のピーク電力を抑圧して電力調整するゲイン制御部を有する送信増幅器において、
前記ゲイン制御部は、前記送信対象となる信号のピーク電力を抑圧するピーク電力抑圧手段と、
前記ピーク電力抑圧手段に入力される信号の平均電力をシンボル単位で測定する第1の平均電力測定手段と、
前記ピーク電力抑圧手段から出力される信号の平均電力をシンボル単位で測定する第2の平均電力測定手段と、
前記第1の平均電力測定手段により測定された平均電力と前記第2の平均電力測定手段により測定された平均電力との比をシンボル単位で計算し、計算された比に応じて平均電力補正のためのゲイン値をシンボル単位で計算するゲイン値計算手段と、
前記ゲイン値計算手段により計算されたシンボル単位のゲイン値に基づいて、シンボル単位で電力調整に使用するゲイン値を切り替えて、前記ピーク電力抑圧手段から出力された信号の電力を調整する電力調整手段と、を備えた、
ことを特徴とする送信増幅器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008327508A JP2010154017A (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | 送信増幅器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008327508A JP2010154017A (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | 送信増幅器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102348264A (zh) * | 2011-09-27 | 2012-02-08 | 中兴通讯股份有限公司 | 一种用于lte基站系统的低功耗方法及系统 |
US9276533B2 (en) | 2013-07-26 | 2016-03-01 | Fujitsu Limited | Distortion compensation apparatus and method |
-
2008
- 2008-12-24 JP JP2008327508A patent/JP2010154017A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102348264A (zh) * | 2011-09-27 | 2012-02-08 | 中兴通讯股份有限公司 | 一种用于lte基站系统的低功耗方法及系统 |
US9276533B2 (en) | 2013-07-26 | 2016-03-01 | Fujitsu Limited | Distortion compensation apparatus and method |
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