JP4467473B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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また、遠心分離作用によって、含塵空気から塵埃を分離する分離室に含塵空気を流し入れる流入部と、この分離室と塵埃収容部とを連通する第1連通口と、この分離室から空気流を排気する第1排気口とを設け、分離室からの空気流が塵埃収容部を通過して該塵埃収容部に設けた第2排気口から排気される空気流と、第1排気口から排気される空気流に分流する電気掃除機において、前記分離室から前記塵埃収容部に流入した空気流は、前記第2排気口から排気される空気流と、前記塵埃収容部のうち前記第1連通口が形成された側の壁に設けられた第2連通口を通過して排気される空気流とに分流することを特徴とする。
また,塵埃収容部の空気流は、第2排気口に設けられたフィルターを通過した後に電動送風機に流入することを特徴とする。
また、下ケース101は、この掃除機本体1を床面に走行させるための走行車輪208と案内車輪(図示せず)を備えている。さらに、上ケース150の上部にはハンドル207が転回可能に取り付けられており、掃除機本体1を持ち運ぶ事ができる。ここで、集塵部103を掃除機本体1に装着した際に、フィルター枠163と一体となった弾性シール部172を設け、集塵部103とフィルターケース113の気密が取れるようにしている。
ここで、本発明の実施の形態では遠心分離を利用したサイクロンを用いて説明する。ここでは、集塵ケース105は分離室104と、塵埃収容部で構成され、集塵部103はこの集塵ケース105とフィルターで構成される。
ここで、第1連通口117を通して第1塵埃収容部105aに流入した空気流の一部は、第1塵埃収容部105aの上部に設けた第2連通口118を通して第2塵埃収容部105bに搬送される。第2塵埃収容部105bに流入した空気流は、第3排気口147を通過し、フィルターC106cで塵埃をろ過して排気される。
さらに、分離室104で第1塵埃収容部105aと第2塵埃収容部105bに搬送されなかった細かくて軽い塵埃と、分離室104に流入した空気の一部とは、 分離室104上部で反転して下降し、内筒131の外周側に設けた排気穴133を通り、連絡口120、連絡通路145、第1排気口144の順に通過し、フィルターA106aでさらに塵埃をろ過して排気される。
これらの、フィルターA106aから排気された空気流と、フィルターB106bから排気された空気流と、フィルターC106cから排気された空気流は、第2のフィルター161でさらに微細な塵埃を分離し、補助フィルター112を通じて電動送風機107に吸込まれる。この電動送風機107からの排気はフィルター108を介して、一部は排気流路(図示せず)を介し、一部はコードリール(図示せず)に流してこれらを冷却し、その後に機外に放出される。
ここで,分離室104から第1連通口117を通じて第1塵埃収容部105aに流入した塵埃は,慣性力で第1塵埃収容部105aの外側へ搬送され,第1塵埃収容部105aと隣接するフィルターA106aから堆積していく。ここで,図7や図9に示すように,フィルターA106aと第2連通口118は離れて配置しているので,第1塵埃収容部105aに塵埃がたくさん入るまで,第2連通口に塵埃は流入しにくい。
また,第2塵埃収容部105bは,分離室104と第1塵埃収容部105aに挟まれて配置されている。ここで,分離室104に流入した塵埃は外筒135の内周面に沿って旋回し,第1連通口117から第1塵埃収容部105aに流入し,第1塵埃収容部105aと隣接するフィルターA106aへ移動する。空気流の一部は,この塵埃と同様にフィルターA106aへ流れ,このフィルターA106aを通過する。また,空気流の一部は,第1塵埃収容部105aに流入した後急転向して第2連通口118を通じてフィルターC106cを通過する。第1塵埃収容部105aに塵埃があまり溜まっていないときには,第1塵埃収容部105aに流入した塵埃は,空気よりも密度が大きいので空気流のように急転向できないので,第1塵埃収容部105aと隣接するフィルターA106aへ移動し,第2連通口118側へは移動しにくい。
つまり,第2塵埃収容部105bには塵埃が溜まりにくいので,フィルターC106cは塵埃により目詰まりし難い。本実施の形態例では,塵埃が第1塵埃収容部105aに溜まった状態でも分離室104に流入した空気流は,第1排気口144と第3排気口147を通じて流出できるので,分離室104に流入する風量の低下を抑えることができる。さらに,分離室104に流入する風量の低下を抑えることができるので,分離室104での塵埃分離性能を低下しにくくでき,分離室104から内筒131に設けた排気穴133を通じ,連絡口120から連絡通路145,第1排気口144の順に流れ,フィルターAへ流れる塵埃が少なくすることができ,塵埃捕捉(集塵)性能を向上できる。
また,第1塵埃収容部105aに塵埃が一杯溜まった場合には,第1塵埃収容部105aから,第2連通口118を通じて第2塵埃収容部105bに塵埃が流入するので,分離室104へ塵埃が逆流するのを抑制することができる。
さらに図9に示すように、この第2塵埃収容部105bの容積を第1塵埃収容部105aの容積に比べ小さくしておけば、第2塵埃収容部105bに溜まる塵埃量は少ないので、分離室104から第1連通口117,第2連通口118、第2塵埃収容部105b、第3排気口147の順に空気が流れる流路は、通気抵抗が増加しにくいので、第1塵埃収容部105aに塵埃が溜まった状態でも流入部115に流入する空気風量の低下を小さくすることができる。この結果、塵埃を集塵した場合でも掃除機の吸引力や風量の低下を抑えた電気掃除機を実現できる。
さらに、分離室104と連通する第2連通口118があるので、第1塵埃収容部105aに塵埃が多く溜まると自動的に第2連通口118へ流れる空気の風量が増え、流入部115から分離室104へ流入する空気の風量は低下し難い。このため、塵埃を集塵した場合でも掃除機の吸引力や風量の低下を抑えた電気掃除機を実現できる。
また、第2連通口118と第3排気口間147の距離を短くしておくと、第2連通口118と第3排気口147間に溜まる塵埃量を少なくすることができるので、第2連通口118と第3排気口147間に塵埃が溜まった状態でも、第2連通口118を通じて第3排気口147から排気される空気流の圧力損失の上昇を小さくすることができる。このため、塵埃を集塵した場合でも掃除機の吸引力や風量の低下を抑えた電気掃除機を実現できる。
なお、本実施の形態では、掃除機本体1内の空気の流れを図4に示すように3つの経路に分けているので、第1塵埃収容部105a内に溜まった塵埃には空気の流れ方向に圧力差を生じ、この圧力差によって塵埃が常時圧縮される。さらに、第1塵埃収容部105aに塵埃が多く溜まると第1連通口117と第1排気口144の間の圧力差が大きくなり、第1塵埃収容部105aに溜まった塵埃はより強く圧縮される。
この圧力差は、第1塵埃収容部105aに溜まった塵埃が多くなるほど大きくなるので、第1塵埃収容部105aに塵埃が多くなればなるほど圧縮力強くなるという特徴を併せ持っている。従って、第1塵埃収容部105a内に溜まった塵埃は、フィルターB106bの手前で層状に堆積していき、かつ微細な粉塵も一緒に堆積していく。このため、繊維塵の間に粉塵がまぎれ込んでいくので、ごみ捨て時に粉塵が舞い上がりにくくなるという効果も得られる。
さらに、分離室104で遠心分離され第1塵埃収容部105aへ搬送された塵埃は、分離室104へ逆流しにくいので、第1塵埃収容部105aへ搬送された塵埃が再飛散すること無く、集塵性能を高くすることができる。ここで図8や、図9に示すように、第1塵埃収容部105a内にリブ156や、リブ157を配置して、第1塵埃収容部105a内に生成される渦小さな渦にして大きな渦が発生するのを抑制している。このため、第1塵埃収容部105aに流入した塵埃が、この大きな渦により再び分離室104に流入するのを抑えることができる。塵埃が分離室104へ再飛散するのを抑えることができるので、集塵性能を向上することができる。
また、第1塵埃収容部105a内に溜まる塵埃の量が増えると、第1塵埃収容部105aを通過するときの通気抵抗が増えるので、第1塵埃収容部105aを通過する風量が低下する。従って、第1塵埃収容部105a内に臭いを発生させ易い塵埃が多くたまった時には、この塵埃を通過する空気の量が減り、臭いを掃除機外に出しにくくなるという効果もある。
吸込仕事率WAの値が吸込仕事率WBの値より小さい場合は、風量Bと風量Cの和が風量Aより多い状態といえる。これは、掃除機の出力である吸込仕事率が大きいという事は、圧力損失曲線の勾配が小さく通気抵抗が小さい事を意味するので、より多くの風量が流れやすいことを示している。
これらの流速を向上できるので、被掃除面のごみをより多く吸い込むことができる。つまり、使用者が清掃にかかる時間の短縮化や、使用者の労力を軽減することにつながる。また、風量が多くなり流入部115の流速も向上できるので、分離室104での塵埃を分離する能力が向上し、集塵性能を向上することにもつながる。
さらに、第2連通口118は流入部115よりも上側に配置しており、第2塵埃収容部105bに塵埃が溜まる際は、第2塵埃収容部105bの下側から溜まり、第2連通口118は第2塵埃収容部105bの上側にあるので、第2塵埃収容部105bに塵埃が充填されるまで塵埃が前記第2連通口118を塞ぎにくい。さらに、第2塵埃収容部105bに塵埃が充填されるまで塵埃がこぼれにくいという特長も備える。
ここで、フィルターA106aと、フィルターB106bと、フィルターC106cとは、メッシュ状の網フィルターとか、金網とか、微小な穴を有する金属板とか、微小な穴を有するプラスチックの平板などで構成されている。塵埃を含んだ空気は分離室104の第1連通口117から第1塵埃収容部105aに流入し、フィルターB106bで空気中の比較的大きな塵埃がせき止められ、フィルターB106bの手前から堆積していく。フィルターB106bを通過した細かい塵埃は、第2のフィルター161で捕捉され集塵される。
また、第2連通口118から第2塵埃収容部105bに流入した塵埃は、フィルターC106cで空気中の比較的大きな塵埃がせき止められ、フィルターC106cの手前から堆積していく。フィルターC106cを通過した細かい塵埃は、第2のフィルター161で捕捉され集塵される。また、フィルターA106aは、内筒131の排気穴133を通じて第1排気口144から流出する空気流にのった細かな繊維塵などが吹き抜けるのを防止するように機能する。このフィルターA106aを通過したより細かい塵埃は、第2のフィルター161で捕捉され集塵される。
ここで、補助フィルター112は、誤って集塵部103を装着せずに掃除機本体1を運転した場合、電動送風機107に塵埃が吸入されないように作用する。
図5および、図8から10に示すように、分離室104の外筒135には、空気取り入れ口である流入部115が、この分離室104の中心軸方向長さの中央より下部に設けられ、略円筒形をなす外筒135の略接線方向に空気が入るように設置されている。分離室104の中央より上部に第1連通口117と、第2連通口118が設けられている。分離室104の下部には内筒131が設けられ、下部の連絡口120につながっている。ここで、連絡口120と連絡通路145間は弾性シール部材153を介し、外筒135と内筒131は弾性シール部材151を介して取り付ければ気密を取り易い。なお、これらの弾性シール部材151および、弾性シール部材153を一体で作成し、内筒131に該弾性シール部材を挟み込むように内筒キャップ152をネジなどで取り付けると、内筒131と内筒キャップ152の気密も確保できる。内筒131は筒部134と、この筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132と、入口管115の分離室104の中央側端部115aと前記筒部134を結ぶ案内壁137と、前記隔壁132の外周側に配置した外壁139で構成されている。ここで、流入部115から流入した含塵空気流が旋回上昇し易いように、内筒131に螺旋状に巻き付いた隔壁132を設けている。該隔壁132と前記筒部134との接合部は丸みをつけて接合するとともに、前記筒部134の高さは該隔壁132の最も高い部分の高さとほぼ等しいか、または、該隔壁132の最も高い部分の高さより5mm程度しか高くしていない。また、案内壁137の高さは、該隔壁132の最も高い部分の高さと略等しくしている。
ここで、案内壁137の形状は、入口管115から分離室104内に流入した流れを外筒135側へ向けるように、外筒側へ膨らんだ凸形状、あるいは、変曲部137aを持つ、「く」の字状をしている。また、案内壁137の断面形状の各辺は直線や、あるいは、円弧状にすればよい。また、変曲部137aは、丸みをつけて滑らかに各辺を結ぶようにするのが好ましい。なお、この案内壁137の変曲部137aと外筒135との隙間は、20mm以上に設定すると、爪楊枝などの細長いものを吸い込んでも、引っ掛かりにくいのでより好ましい。
また、筒部134には分離室104の空気の一部を排気する排気穴133を備えている。この排気穴は、内筒131を成形時に内筒131の筒部134に直径が約2mmの多数の穴を成形により設けてもかまわないし、目開きの広い樹脂繊維性の網フィルターを筒部134と一体にインサート成形により構成して設けてもかまわない。なお、目開きとは、網フィルターとか金網の目の大きさ(糸と糸の間の隙間の大きさ)や、金属板とか、プラスチックの板とか、内筒131に設けた微小な穴の大きさとする。
ここで、分離室104内に流入した含塵空気は、前記案内壁137により、直接内筒131に設けた排気穴133に流れにくいので、塵埃がこの排気穴133を塞ぐのを防げ、排気穴の流路面積が低下しにくく、掃除機の吸込風量の低下を防げるので、吸引力を持続することができる。
また、分離室104内に流入した含塵空気は、前記案内壁137により分離室104の外径側である外筒135側へ偏流することができるので、塵埃はより強い遠心分離作用を受け、第1連通口117を通じ第1収容部105aへと搬送され、捕塵性能を向上できる。また、塵埃により、前記排気穴133が塞がれにくいので、分離室104から内筒131に設けた排気穴133を通じ、第1排気口144から流出する風量Aの空気流の通気抵抗を増加させにくいので、掃除機の吸込風量の低下を防げ、吸引力を持続することができる。
なお、成形によりこの筒部134に排気穴133を設ける際は、型は放射状に移動して筒部134と排気穴133を作成するので、内筒に131の筒部134に螺旋状に巻き付いた隔壁132も同時に設けた場合、排気穴133は分離室104内の旋回流の流れ方向を向いた開口を有する形となる。このため、本案内壁137を設けることは、より有効である。ここで、この排気穴133が分離室104内の旋回流の流れ方向を向いた開口にすると、第1排気口144から流出する風量Aの空気流が、この排気穴133に流入する際の通気抵抗を低下させることができるので、掃除機の吸込仕事率を向上することができる。
ここで、第1塵埃収容部105aの塵埃を破棄する第1塵埃廃棄口は第2排気口146が兼ねている。また、第2塵埃収容部105bの塵埃を破棄する第2塵埃廃棄口は第3排気口147が兼ねている。さらに、連絡通路145に溜まった塵埃は第1排気口144から排気するようになっている。この第1排気口144と、第2排気口146と、第3排気口とポケット162の開口部は、いずれもフィルター枠140側に設けている。つまり、塵埃を廃棄する際、一度の動作で連絡通路145と第1塵埃収容部105aと第2塵埃収容部105bとポケット162内に溜まった塵埃を廃棄できるので、使用者が手入れをする個所の数を低減すると共に、手入れをする個所が分かり易いサイクロン分離式の集塵部を備えた電気掃除機を実現できる。
ここで、フィルターA106aと、フィルターB106bとフィルターC106cが共通の蓋体であるフィルター枠140に区画されて形成されている。また、前記フィルターA106aおよび、前記フィルターB106b、フィルターC106cに網フィルターを用いる際は、1インチ当たりのメッシュ数が100から400程度のものを用いると、30μmから200μm程度の目開きに設定することができる。金網や、微小な穴を有する平板などを用いる際も、目開きを30μmから200μm程度に設定すればよい。筒部134に設けた排気穴133は直径約1mmから2mmの穴や、目開きが1mmから2mmの網フィルターを用いている。これは、運転停止時に掃除機本体1を移動するときなどに、第1塵埃収容部105aから塵埃がこぼれ、例えば小石とか、繊維の固まったものなどの比較的大きなごみが排気穴133を通じて第2分離室114内に入るのを防ぐため、このような大きさの目開きとしている。
なお、前記フィルターA106aと、前記フィルターB106bとフィルターC106cは、共通の素材を用いてフィルター枠140にインサート成形すると製造し易く、また、コストも低減できる。
なお,前記フィルターA106aと、前記フィルターB106bとフィルターC106cのフィルターは,一番上流側のフィルターであるので塵埃に接することが多い。これらのフィルターに網フィルターを用いた場合,縦糸と横糸が重なった織目に塵埃が入り込むとゴミ捨ての際に,塵埃が網フィルターから剥離しにくい。このため,網フィルターを用いる際にはカレンダー加工をして,縦糸と横糸が重なった織目をつぶして,この織目に塵埃を入りにくくすると良い。また,網フィルターの縦糸や横糸を織り込んだ後にこの織目を溶かして縦糸と横糸が重なっている箇所の隙間をなくすような溶着糸を用いると,網フィルターから塵埃が剥離しやすくすることができる。
また、フィルターA106aの目開きや、開口の割合をフィルターB106bや、フィルターC106cに比べて大きくしておくと、第1塵埃収容部105aや、第2塵埃収容部105bに塵埃が溜まっても分離室104から内筒131の排気穴133を通過して連絡通路145を通過して第1排気口144を通じてフィルターA106aから流出する空気流は、フィルターA106aが塵埃により目詰まりし難くいため通気抵抗が増加し難く、流入部115に流入する空気風量の低下を小さくすることができる。
この際、集塵ケース105とフィルター枠140間の気密を確保する弾性体シールA140aおよび、集塵ケース105を第1塵埃収容部105aと第2塵埃収容部105bに分ける壁A109aに当接する弾性体シールB140b、および集塵ケース105を第2塵埃収容部105bと連絡通路145に分ける壁B109bに当接する弾性体シールC140c、および第1塵埃収容部105aと第2塵埃収容部105bと連絡通路145の下部に設けているポケット162とを仕切る壁C109cに当接する弾性体シールD140dにより、フィルターA106aとフィルターB106bとフィルターC106cとを区画し、第1塵埃収容部105aと第2塵埃収容部105bと連絡通路145とからごみがこぼれないようにしている。また、このように流路を区画することで、第1塵埃収容部105aや、第2塵埃収容部105bや連絡通路145から他の場所へや、ポケット162にごみが流出するのを防いでいる。
また、分離室104内で遠心分離できずに、前記排気穴133へ細かな繊維塵が流れても、この排気穴133は直径約1mmから2mmの穴であるので繊維塵はこの排気穴133を通過し、塵埃により排気穴133が塞がれにくく、分離室104から連絡通路145へ流入する空気流の通気抵抗を増加させにくいので、掃除機の吸込風量の低下を防げ、吸引力を持続することができる。
また、排気穴133を吹き抜けた塵埃は、フィルターA106aや第2のフィルター161により捕塵することができる。なお、集塵ケース105内の塵埃を廃棄する際に、使用者がフィルター枠140を開放して塵埃を廃棄するので、このフィルターA106aや、フィルターB106bやフィルターC106cに付着した塵埃や、フィルターの汚れをごみ捨て時に目視で確認できるので、汚れがひどい場合には清掃を早期に行うことができる。
ここで、分離室104で分離できなかった細かな繊維塵が連絡口120から連絡通路145に流出する際に、急拡大による渦流が生じ、この細かな繊維塵はフィルターA106aの連絡口120から遠い方であるフィルターA106aの上方から塵埃が堆積するので、主流域であるフィルターA106aの連絡口120に近い箇所は塵埃が付着しにくい。このため、分離室104を通じて連絡口120から流出する空気流の通気抵抗を増加させにくいので、掃除機の吸込風量の低下を防げ、吸引力を持続することができるという特長を持つ。
なお、連絡口120を抜けた繊維塵などが、フィルターA106aに堆積していく際、これらの繊維塵は流れに押されて、フィルターA106aに圧縮されて堆積した状態になる。この時、これらの繊維塵がある質量以上の固まりになると、塵埃を廃棄するためにフィルター枠140を開いた際に前記繊維塵に衝撃力が働き、前記繊維塵がフィルターA106aから剥離するので、廃棄することができる。この結果、フィルターA106aの通気抵抗が減少し、掃除機の吸込風量が回復し、吸引力が回復するという効果も得られる。
また、分離室104から内筒キャップ152と一体になった筒部134を取り外し、清掃用ブラシ168を用いて清掃することもできるが、筒部134の排気穴133はごみが付着しにくいので、使用者は塵埃廃棄時には、通常フィルター枠140に一体となったフィルターA106aとフィルターB106bとフィルターC106cを清掃すればよく、省力化が図れる。
ここで、フィルターA106aと、前記フィルターB106bと前記フィルターC106cに帯電防止処理を施すと、これらのフィルターに付着した塵埃が離れやすく、清掃が容易にできる。また、前記フィルターA106aと、前記フィルターB106bと前記フィルターC106cに撥水処理を行えば、これらのフィルターを水洗いした場合の清掃性が向上する。また、導電膜であるITO膜(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化薄膜)や,SUS(ステンレス)を蒸着とか、溶着とか、スパッタリングとかにより、前記フィルターA106aと、前記フィルターB106bと前記フィルターC106cの上流側にコーティングすると、これらのフィルターに付着した塵埃が塵埃廃棄時にこれらのフィルターから離れやすくできる。
フィルター枠163の上方には、取っ手123付近にボタン142が設けられ、このボタン142を押すことにより係止部142aが押され、この係止部142aとフィルター枠163に設けている係合部163aとが開放され、フィルター枠140とフィルター枠163が開放されてごみ捨てが可能となる。ここでは、集塵ケース105を掃除機本体1に装着したときに、上ケース150や、上蓋102が邪魔となってボタン142を押せないようにするため、該ボタン142は水平方向に動くように設けている。
ここで、第2のフィルター161の下端部はフィルター枠140の下端部より、上側になるように設置されている。従って、第2のフィルター161のフィルター面から剥離した塵埃は、第2のフィルター161の山と山の間を通って、集塵ケース105の下方にあるポケット162側に塵埃が移行し易くなっており、このポケット162に塵埃が蓄積する。
第2のフィルター161の清掃は、フィルター枠140とフィルター枠163を開けた状態にして、集塵ケース105を含めて、清掃用ブラシ168を使って第2のフィルター161の表面をこすることや水洗いすることにより行えばよい。なお、清掃用ブラシ168の刷毛部分の高さを第2のフィルター161のひだ折りの山の高さより高くしておくと、刷毛部分が第2のフィルター161のひだ折りの谷の部分にまで届くので、奥の塵埃を掻き出し易い。
さらに、分離室104で第1塵埃収容部105aに搬送されなかった細かくて軽い塵埃と、分離室104に流入した空気の一部とは、 分離室104上部で反転して下降し、内筒131の外周側に設けた排気穴133を通り、連絡口120、連絡通路145、第1排気口144の順に通過し、フィルターA106aでさらに塵埃をろ過して排気される。ここで、流入部115から集塵ケース105に流入した含塵空気の一部は,第3連通口121に設けた網フィルターや,1mm程度の微小な穴を通過する細かな塵埃とともに,第3連通口121,第2連絡通路149,第4排気口148の順に流れ,第4排気口148を通過し、フィルターD106dで塵埃をろ過して排気される。
これらの、フィルターA106aから排気された空気流と、フィルターB106bから排気された空気流と、フィルターD106dから排気された空気流は、第2のフィルター161でさらに微細な塵埃を分離し、補助フィルター112を通じて電動送風機107に吸込まれる。
このように,流入部115から流入した空気流を複数の流路に分流しているので,各流路を通過する空気流の流速を低減でき,通気損失を大幅に低減することができる。この結果,掃除機の吸込仕事率をより大きくすることができるという特徴を持っている。さらに,連絡通路145と第2連絡通路149には塵埃が多くは流れないので,フィルターA106aとフィルターD106dに付着する塵埃は少なく,塵埃を吸引しても流入部115を通過する風量の低下を抑えることができる。つまり、伸縮継手管4内の流速低下を防ぐことができ、伸縮継手管4の先に吸口5を接続した時の該吸口5内の流速低下を防ぐことができ,被掃除面のごみを効率よく吸い込むことができる。
ここで、集塵ケース105とフィルター枠140間の気密を確保する弾性体シールA140aおよび、集塵ケース105を第1塵埃収容部105aと第2連絡通路149に分ける壁E109eに当接する弾性体シールF140f、および集塵ケース105を第1塵埃収容部105aと連絡通路145に分ける壁D109dに当接する弾性体シールE140e、および第1塵埃収容部105aと連絡通路145と第2連絡通路149の下部に設けているポケット162とを仕切る壁F109fに当接する弾性体シールG140gにより、フィルターA106aとフィルターB106bとフィルターD106dとを区画し、第1塵埃収容部105aと連絡通路145と第2連絡通路149からごみがこぼれないようにしている。また、このように流路を区画することで、第1塵埃収容部105aや、連絡通路145や第2連絡通路149から他の場所へや、ポケット162にごみが流出するのを防いでいる。
また,集塵ケース105から塵埃を廃棄する際には,フィルター枠140を開放して,第1塵埃収容部105aや,連絡通路145や第2連絡通路149に堆積した塵埃を一度に廃棄することができる。さらに,フィルターA106aや、フィルターB106bやフィルターD106dに付着した塵埃は,清掃用ブラシ168を用いて清掃すればよい。
また,分離室104の略円筒状をなす外筒135の上部には第2連通口118を配置しており,分離室104と第2塵埃収容部105bは第2連通口118により連通している。第2塵埃収容部105bには,第2塵埃収容部105bに流入した空気流が排気される第3排気口147を設けている。なお,この第3排気口147は,第2塵埃収容部105bから塵埃を廃棄する廃棄口も兼ねている。ここで、第2連通口118は流入部115よりも上側に配置しており、流入部115に対向する位置には外筒135を配しているので、流入部115から流入した空気流は分離室104内で旋回流となる。第2塵埃収容部105bに塵埃が溜まる際は、第2塵埃収容部105bの下側から溜まり、第2連通口118は第2塵埃収容部105bの上側にあるので、第2塵埃収容部105bに塵埃が充填されるまで塵埃が前記第2連通口118を塞ぎにくい。さらに、第2塵埃収容部105bに塵埃が充填されるまで塵埃がこぼれにくいという特長も備える。また、分離室104内は旋回流が発生しているので、第2塵埃収容部105b内の塵埃はこの旋回流によりフィルターC106c側へ押し付けられ、分離室104側へ逆流しにくい特長も備える。
なお,分離室104の外筒135の一部に第2連通口118を設けた場合,ゴミ捨て時に開口部である第2連通口118の下側に塵埃が引っ掛かりやすく,第2塵埃収容部105bに塵埃が残ることもある。このような場合には,リブ136を第2連通口118の下部に設けると,ゴミ捨て時に開口部である第2連通口118の下側に塵埃が引っ掛かかるのを防ぐことができ,ゴミ捨て時に塵埃は第2塵埃収容部から剥離し易いのでより好ましい。なお,このリブ136は,円弧状や,回転方向下流側のリブ幅が大きい円弧とした平面形状にするとよい。
分離室流入部115付近には第3連通口121を設けており,この第3連通口121は第2連絡通路149,第4排気口148と連通して流路を構成している。なお,第3連通口121には網フィルターを設けている。なお,網フィルターの代わりに1mm程度の微小な穴を複数個設けてもかまわない。
また,分離室104に流入した含塵空気の一部は分離室104と連通する第2塵埃収容部105bに流入する。第2塵埃収容部105bは分離室104と第2のフィルター161の間に配置し、第2連通口は第2塵埃収容部105bで、第2のフィルター161から最も離れた位置に配置している。このため、分離室104と連通する第2連通口118を第2塵埃収容部105bの内、前記集塵ケース105に当接したフィルターC106cから最も離れた電気掃除機本体1の前面側(ホース接続口部116側)に配置している。ここで、分離室104で遠心分離された塵埃は、第2塵埃収容部105b内ではフィルターC106c付近から堆積し、第2連通口118側へと順に堆積していくので、前記第2塵埃収容部105bに塵埃が充填されるまで塵埃が前記第2連通口118を塞ぎにくい。ここで、第2塵埃収容部105bに流入した空気流は、第3排気口147を通過し、フィルターC106cで塵埃をろ過して排気される。
さらに、分離室104で第1塵埃収容部105aに搬送されなかった細かくて軽い塵埃と、分離室104に流入した空気の一部とは、 分離室104上部で反転して下降し、内筒131の外周側に設けた排気穴133を通り、連絡口120、連絡通路145、第1排気口144の順に通過し、フィルターA106aでさらに塵埃をろ過して排気される。ここで、流入部115から集塵ケース105に流入した含塵空気の一部は,第3連通口121に設けた網フィルターや,1mm程度の微小な穴を通過する細かな塵埃とともに,第3連通口121,第2連絡通路149,第4排気口148の順に流れ,第4排気口148を通過し、フィルターD106dで塵埃をろ過して排気される。
これらの、フィルターA106aから排気された空気流と、フィルターB106bから排気された空気流と、フィルターC106cから排気された空気流と,フィルターD106dから排気された空気流は、第2のフィルター161でさらに微細な塵埃を分離し、補助フィルター112を通じて電動送風機107に吸込まれる。
このように,流入部115から流入した空気流を複数の流路に分流しているので,各流路を通過する空気流の流速を低減でき,通気損失を大幅に低減することができる。この結果,掃除機の吸込仕事率をより大きくすることができるという特徴を持っている。さらに,連絡通路145と第2連絡通路149と,第2塵埃収容部105bには塵埃が多くは流れないので,フィルターA106aとフィルターC106cと,フィルターD106dに付着する塵埃は少なく,塵埃を吸引しても流入部115を通過する風量の低下を抑えることができる。つまり、伸縮継手管4内の流速低下を防ぐことができ、伸縮継手管4の先に吸口5を接続した時の該吸口5内の流速低下を防ぐことができ,被掃除面のごみを効率よく吸い込むことができる。
ここで、集塵ケース105とフィルター枠140間の気密を確保する弾性体シールA140aおよび、集塵ケース105を第1塵埃収容部105aと第2塵埃収容部105bとに分ける壁A109aに当接する弾性体シールB140b,集塵ケース105を連絡通路145と第2塵埃収容部105bとに分ける壁B109bに当接する弾性体シールC140c,集塵ケース105を第1塵埃収容部105aと第2連絡通路149に分ける壁E109eに当接する弾性体シールF140f、および第2塵埃収容部105bと連絡通路145と第2連絡通路149の下部に設けているポケット162とを仕切る壁G109gに当接する弾性体シールH140hにより、フィルターA106aとフィルターB106bとフィルターC106cとフィルターD106dとを区画している。このようにフィルターを区画することで,第1塵埃収容部105aと第2塵埃収容部105bと連絡通路145と第2連絡通路149からごみがこぼれないようにしている。また、このように流路を区画することで、第1塵埃収容部105aや、第2塵埃収容部105bや,連絡通路145や第2連絡通路149から他の場所へや、ポケット162にごみが流出するのを防いでいる。
また,集塵ケース105から塵埃を廃棄する際には,フィルター枠140を開放して,第1塵埃収容部105aや,第2塵埃収容部105bや,連絡通路145や第2連絡通路149に堆積した塵埃を一度に廃棄することができる。さらに,フィルターA106aや、フィルターB106bやフィルターC106cやフィルターD106dに付着した塵埃は,清掃用ブラシ168を用いて清掃すればよい。
ここで,図18に示す本発明の一実施の形態を示す掃除機本体内の空気の流れを示す模式図のように,第2連通口118を第1連通口117の下流側に配置して,第1集塵室105aと第2集塵室105bの配置を実施例1のように構成しても同様の効果が得られる。
Claims (6)
- 含塵空気を流し入れる流入部と、遠心分離作用によって該流入部から流入した含塵空気から塵埃を分離する分離室と、該分離室で分離された塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部と前記分離室とを連通する第1連通口と、前記分離室から空気流を排気する第1排気口とを有し、
前記塵埃収容部内に該塵埃収容部を複数に区画する隔壁と、
区画された複数の塵埃収容部間を連通する第2連通口とを備え、
区画された塵埃収容部ごとに第2排気口を設け、
前記第2連通口を、区画された1つの塵埃収容部のうち前記第1連通口が形成された側の前記隔壁に設けたことを特徴とする電気掃除機。 - 遠心分離作用によって含塵空気から塵埃を分離する分離室に含塵空気を流し入れる流入部と、前記分離室と塵埃収容部とを連通する第1連通口と、前記分離室から空気流を排気する第1排気口とを設け、前記分離室からの空気流が前記塵埃収容部を通過して該塵埃収容部に設けた第2排気口から排気される空気流と、前記第1排気口から排気される空気流に分流する電気掃除機において、
前記分離室から前記塵埃収容部に流入した空気流は、前記第2排気口から排気される空気流と、前記塵埃収容部のうち前記第1連通口が形成された側の壁に設けられた第2連通口を通過して排気される空気流とに分流することを特徴とする電気掃除機。 - 請求項1において、
前記塵埃収容部の空気流は、前記第2排気口に設けられたフィルターを通過した後に電動送風機に流入することを特徴とする電気掃除機。 - 請求項1または3において、
前記第2排気口は、前記隔壁によって、区画された塵埃収容部ごとに区画されることを特徴とする電気掃除機。 - 請求項1、3、4のいずれかにおいて、
前記塵埃収容部は、前記隔壁によって、第1塵埃収容部と第2塵埃収容部とに区画され、
前記第2塵埃収容部は、前記第1塵埃収容部と前記分離室との間に配置され、
前記第1連通口を、前記第1塵埃収容部に設けたことを特徴とする電気掃除機。 - 請求項5において、
前記第2塵埃収容部の容積は、前記第1塵埃収容部の容積に比べ小さいことを特徴とする電気掃除機。
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