JP4466162B2 - 生体情報測定装置 - Google Patents

Description

本発明は光により局所皮下脂肪厚などの生体情報を測定する生体情報測定装置に関するものである。

従来の局所脂肪厚などの生体情報を測定する光式生体情報測定装置としては、生体表面に光源と受光部を配置し拡散反射光から脂肪厚を測定しているものがあった（例えば、特許文献１参照）。
特開２０００−１５５０９１号公報（第５頁、図４）

しかしながら、前記従来の構成において、重力の影響により、立姿勢では腹部の脂肪は下方向にたれ、寝姿勢では横方向にたれて皮下脂肪厚みが変化するので、同じ部位を計測しても、測定値がばらつき測定再現性が低く、誤差が多かった。また、装置の計測部位への当たる角度のばらつきによっても測定値がばらつき、測定再現性が低く、誤差が多かった。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、測定時の被験者の姿勢を常に一定にし、装置の計測部位への当たる角度も常に一定にして精度良い測定を実現するものである。

前記従来の課題を解決するために、本発明の生体情報測定装置は、生体に接する測定面と、測定部位を設定する部位設定部と、測定面の鉛直方向からの角度を検出する角度検出センサーと、測定部位に対応する固有の鉛直方向からの角度と、角度検出センサーで検出される角度を比較し、測定装置の角度ずれを修正する方向に、測定者に装置の角度調整を促す調整指示部と、角度検出センサーで検出される角度と測定部位に固有の重力方向からの角度とが同じとなったときに測定を行う測定部を備える。

本構成によって、測定部位の姿勢に違いによる測定ばらつきと、測定位置の測定部位に当てる角度のばらつきが減少する。

本発明の生体情報測定装置によれば、被験者の姿勢や測定装置の角度ばらつきによる測定ばらつきが減少し、測定再現性が向上し、高精度な生体情報測定をすることができる。

以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における生体情報測定装置である光式脂肪厚計１の構成図である。また、図２は生体に接しない側からみた外観図である。生体表面２に接触する直径１００ｍｍ程度の円盤状の測定面３には波長８５０ｎｍ付近の近赤外光を発光するＬＥＤを含んだ光源部４と生体内を伝播して再び生体表面に現れた光５を受光する光センサであるホトダイオードを含んだ受光部６がある。ここで、光源部４は波長が８００〜９００ｎｍ付近に中心波長がある光を用いると酸化・還元ヘモグロビンや酸化・還元ミオグロビンの変化による吸収率の変動の影響を受けにくいので測定再現性が向上して好ましい。

また、受光部６を測定面３のほぼ中央に配置し、光源部４と受光部６との距離は４５ｍｍとしている。この距離は３５〜５０ｍｍ程度が皮下脂肪厚計測に適している。受光部６から得られた信号から皮下脂肪厚などの局所生体情報を算出する演算部７があり、得られた局所生体情報は表示部８に表示されるか、もしくは、通信部９によって外部の機器に送信されたりする。

また、入力部１０では性別、年齢、計測部位情報を入力することができ、それらの情報と局所生体情報から、生体の肥満度合いなどの健康状態情報を演算部７は演算し、表示部８に表示することもでき、性別、年齢、計測部位情報や健康状態情報も通信部９を通じて外部機器に送信されたりもする。また、逆に外部機器から通信部９を通じて性別、年齢、計測部位情報を受信することもできる。また、測定の開始から終了までを音声で知らせる音発生部１１を備えている。また、音発生部１１が測定開始および、測定中、測定終了を音声により案内することにより、使用者は装置本体が見えなくても、測定の進抄を確認することができる。測定終了後に、装置を生体表面２からはなし表示部８を確認することで、スムーズな自己測定が可能となる。ここで、音発生部１１の変わりに、振動部１２を備えた場合、振動により、測定の進抄をあらわすことができ、静かな測定が可能となり、また、耳が不自由な使用者も使用することができる。

また、ここで光源部４を波長が７５０ｎｍ付近をピークとする第１の光源と８５０ｎｍ付近をピークとする第２の光源を連続もしくは簡潔的に交互に発光する構成として、さらに受光部６で第一の光源が発光したときの第１の受光量と第２の光源が発光したときの第２の受光量を得ることができる。この２波長では酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンおよび酸化ミオグロビン、還元ミオグロビンの吸収割合が大きく異なることよりこの２つの受光量から局所酸素濃度を測定することができる。

さらに、測定面３にある光源部４と受光部６を結んだ中心線が鉛直方向に対して、どれくらい傾いているかを検出する第一角度計測部１３と、測定面３に垂直な線が鉛直方向に対してどれくらい傾いているかを検出する第二角度計測部１４とを配置し、入力部で入力された測定部位情報に対応する規定の角度に対して、角度計測部で得られた鉛直方向からの角度のずれを正すように測定者に伝える調整指示部１５が、ずれを修正する方向の方向表示部１６を点灯して、測定者が正しい角度で測定ができるように調整方向をしめす。したがって、光式脂肪厚計１が規定の角度になった状態で測定を行うことができる。この状態で測定面３へ生体表面２を押し付けるので、常に人の姿勢も安定し再現性のよい測定を行うことができる。

実際の測定動作について説明する。まず、測定者は入力部１０により、測定位置などの情報を入力する。腹部の測定を行う場合、腹部を測定するという情報を入力する。すると、腹部に対応する規定の角度は、第一角度計測部は０度となる。この角度になるように方向指示部１６は点灯し、装置の角度が規定の角度となったときに、測定を行う。これによって、光式脂肪厚計１の角度は固定され、この状態で測定面に腹部を当てると測定者は立位の状態になるので、常に立位でのみ測定を行うことができ、姿勢が同じになるので測定再現性が向上する。

また、上腕後ろの場合、第二角度計測部は０度となる。この角度になるように方向指示部は点灯し、光式脂肪厚計１の角度が規定の角度となったときに、測定を行う。これによって、測定者は腕を前方にのばし、下方から上腕の後ろ側に測定面３を当てて計測を行いう姿勢となり、光式脂肪厚計１および上腕の姿勢の角度も安定し、測定再現性が向上する。

また、図４のように受光部として光源部からの距離を１５〜２５ｍｍに第一の受光素子２２、３５〜５０ｍｍに第二の受光素子２３を配置し２つの受光素子で受光し、２つの受光量の比から演算部１６では皮下脂肪厚を算出することで皮膚の色および厚みの個体差バラツキを補正した皮下脂肪厚計測が可能となる。

（参考例１）
図３は、本参考例における生体情報測定装置である光式脂肪厚計１７の構成図である。また、図４は生体に接しない側からみた外観図である。実施の形態１と同様の部分については、その説明を省略する。

角度調整部１８は、入力部１０で入力された測定部位情報に対応した規定の角度に錘１９を動かす。そして、測定者は、光式脂肪厚計１７の重心が安定する方向に向きを合わせることで規定の角度に光式脂肪厚計１７の角度をあわせることができる。図５は腹部を測定する場合の錘１９の位置であり、図６は上腕後ろを測定する場合の錘１９の位置である。そして、測定面３に合わせて生体表面２を押し当てることで測定部位ごとに、測定部位の姿勢や、測定装置の角度を規定することができ、測定再現性が高い測定が可能となる。

本発明にかかる生体情報測定装置は、皮下脂肪厚や局所組織酸素濃度などの生体情報を測定する測定装置等として有用である。

本発明の実施の形態１における光式脂肪厚計のブロック図 本発明の実施の形態１における外観斜視図 参考例１における光式脂肪厚計のブロック図 参考例１における外観斜視図 腹部測定時の角度調整部の動きを示す図 上腕後ろ測定時の角度調整部の動きを示す図

符号の説明

１ 実施の形態１における光式脂肪厚計
２ 生体表面
３ 測定面
４ 光源部
５ 生体内を伝播して再び生体表面に現れた光
６ 受光部
７ 演算部
８ 表示部
９ 通信部
１０ 入力部
１１ 音発生
１２ 振動部
１３ 第一角度計測部
１４ 第二角度計測部
１５ 調整指示部
１６ 方向指示部
１７ 参考例１における光式脂肪厚計
１８ 角度調整部
１９ 錘

Claims (2)

1. 生体に接する測定面と、該測定面に配置された測定部と、前記測定面の中心線と鉛直方向からのズレを計測する第一の角度計測部と、測定面に対して、垂直な方向と鉛直方向とのズレを計測する第二の角度計測部と、前記ズレを正す方向を示す調整指示部とからなる生体情報測定装置。
2. 測定部位情報を入力する入力部を備えた請求項１に記載の生体情報測定装置。

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