従来のカラオケシステム又はカラオケ用のプログラムがインストールされた情報処理装置では、現在の歌唱箇所(再生箇所)に対応する歌詞の表示は行われるが、現在の歌唱箇所から離れた箇所の歌詞及び全体的な歌詞の表示は行えない。そのため、一つのカラオケ曲の再生中に、現在の歌唱箇所とは異なる他の箇所からユーザが歌唱(再生)を希望する場合、その箇所を容易に探すことができなかったと云う問題がある。
なお、上述した特許文献1に係る装置では、ユーザの所望する箇所へ移動して再生を行うためにカラオケ曲のデータ自体にマークデータを付すので、データ自体を新たに作り直す必要があるため既存のカラオケデータをそのまま流用できないと云う問題がある。
また、カラオケ曲中の所望箇所から再生するときに、実際に歌唱することを考慮すれば、曲中の楽句毎の区切りとなるフレーズ単位で再生箇所を特定した方が歌いやすい。よって、特許文献2のようにアドレス情報を利用して自由な箇所からカラオケ曲を再生可能にすると、フレーズの途中から再生が開始されることもあり、この場合、ユーザは歌い始めの歌詞を合わせることが困難となる。
さらに、図16に示すように、従来のカラオケシステム又はカラオケ用のプログラムがインストールされた情報処理装置では、現在の歌唱箇所を含む2つの歌詞フレーズを装置の表示部Dに表示するものがある。この場合、歌詞フレーズの表示範囲の中で上部分d1及び下部分d2に分けて各歌詞フレーズは表示されるが、表示対象の歌詞フレーズは上下部分d1、d2のいずれの部分に表示されるかが予め決まっているので、再生箇所を移動した場合、再生開始直後の歌詞フレーズが必ず上部分d1に表示されるとは限らない。そのため、再生箇所を移動した場合、上部分d1又は下部分d2のいずれに表示される歌詞フレーズを参照して歌唱すればよいかをユーザが即座に判断できないと云う問題がある。
さらにまた、1つの曲で歌詞が1番から3番と云うように複数の歌詞番が存在する場合、歌詞番ごとに同様な歌詞部分が存在すると、現在の歌唱箇所が何番の歌詞であるかをユーザが歌唱に熱中するあまり、判別できなくなると云う問題もある。
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、現在の歌唱箇所に加えて他の部分の歌詞も同時に表示できるようにして、次にユーザが歌唱したい箇所を容易に探し出せるようにした歌詞表示装置、カラオケシステム、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、再生箇所を移動したときに、移動した箇所に対応する歌詞をユーザが容易に判別できるようにした歌詞表示装置、カラオケシステム、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、現在の歌唱箇所が歌詞全体のどのような部分であるかを一目で分かるようにした歌詞表示装置、カラオケシステム、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る歌詞表示装置は、データを受け付けるデータ受付手段及び該データ受付手段が受け付けた歌詞データに係る歌詞を表示する表示部を備える歌詞表示装置において、前記表示部の一領域に、再生箇所に応じた歌詞の一部のフレーズを表示する処理を行う第1表示処理手段と、前記表示部の他領域に、前記歌詞を表示する処理を行う第2表示処理手段と、前記他領域に表示される歌詞のスクロール指示を受け付ける指示受付手段と、前記他領域に表示される歌詞の中からフレーズの選択及び決定を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段により決定したフレーズを前記一領域に表示する手段と、前記第1表示処理手段により表示するフレーズの再生状態に基づく再生箇所及び前記選択受付手段により選択したフレーズの箇所を全データ範囲に対応付けて表示する表示処理部とを備え、前記第2表示処理手段は、前記指示受付手段が受け付けるスクロール指示に基づき表示する歌詞をスクロールする手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る歌詞表示装置は、前記第2表示処理手段は、複数の連続するフレーズを表示する処理を行うようにしてあり、前記選択受付手段が受け付けた選択に応じた一のフレーズを他のフレーズと識別する表示処理を行う手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る歌詞表示装置は、前記データ受付手段は、歌詞データに対応して組み合わされた楽曲データを受け付けるようにしてあり、前記表示部で表示する歌詞の歌詞データに組み合わされた楽曲データを再生する再生手段を備え、前記第1表示処理手段は、前記再生手段が再生する楽曲データの再生箇所に対応する歌詞のフレーズを表示する処理を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る歌詞表示装置は、前記第1表示処理手段は、前記再生手段が楽曲データを再生していない場合、表示処理を停止する手段を備え、前記第2表示処理手段は、前記再生手段が楽曲データを再生していない場合、前記表示部の一領域及び他領域に歌詞を表示する処理を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る歌詞表示装置は、前記歌詞データは付属情報を有し、前記第2表示処理手段は、歌詞及び付属情報を表示する処理を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明に係るカラオケシステムは、カラオケデータを再生して楽曲音を出力する出力手段及び再生箇所に対応する歌詞のフレーズを表示する表示部を有するカラオケ装置、並びに受け付けた操作に係る指示を該カラオケ装置へ無線で送信する遠隔操作装置を備えるカラオケシステムにおいて、前記遠隔操作装置は、表示パネル部と、曲検索データ及び歌詞データが記憶してある記憶部と、該記憶部に記憶してある曲検索データに基づき再生するカラオケ曲の選択を受け付ける曲受付手段と、該曲受付手段が受け付けたカラオケ曲の歌詞データに係る歌詞を前記表示パネル部に表示する処理を行う表示処理手段と、前記表示パネル部に表示される歌詞のスクロール指示を受け付ける指示受付手段と、前記表示パネル部に表示される歌詞の中からフレーズの選択及び決定を受け付ける選択受付手段と、該選択受付手段により受け付けた決定に応じたフレーズから再生することを指示する再生指示を前記カラオケ装置へ送信する再生指示送信手段と、前記選択受付手段により受け付けたフレーズの選択を前記カラオケ装置へ送信する選択送信手段とを備え、前記表示処理手段は、前記指示受付手段が受け付けるスクロール指示に基づき表示する歌詞をスクロールする手段を備え、前記カラオケ装置は、前記再生指示送信手段により送信された再生指示に係るフレーズからカラオケデータを再生する再生手段と、再生するカラオケデータの再生箇所及び前記選択送信手段により送信された選択したフレーズの箇所を全データ範囲に対応付けて表示する表示処理部とを備えることを特徴とする。
本発明に係るカラオケシステムは、前記カラオケ装置は、複数の連続するフレーズを前記表示部に表示するようにしてあり、前記選択受付手段が受け付けた選択に応じた一のフレーズを他のフレーズと識別する表示処理を行う手段を備えることを特徴とする。
本発明に係るカラオケシステムは、前記遠隔操作装置の記憶部で記憶される歌詞データは付属情報を有し、前記遠隔操作装置は、前記表示パネル部に歌詞及び付属情報を表示する処理を行う手段を備えることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、指示の受付部と、データの記憶部と、表示部とを備えるコンピュータに、該記憶部に記憶させた歌詞データに係る歌詞を前記表示部で表示させるためのコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、前記表示部の一領域に、再生箇所に応じた歌詞の一部のフレーズを表示する処理を行う第1表示処理手段と、前記表示部の他領域に、前記歌詞を表示する処理を行う第2表示処理手段と、前記他領域に表示される歌詞のスクロール指示を受け付ける指示受付手段と、前記他領域に表示される歌詞の中からフレーズの選択及び決定を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段により決定したフレーズを前記一領域に表示する手段と、前記第1表示処理手段により表示するフレーズの再生状態に基づく再生箇所及び前記選択受付手段により選択したフレーズの箇所を全データ範囲に対応付けて表示する表示処理部として機能させ、前記第2表示処理手段は、前記指示受付手段が受け付けるスクロール指示に基づき表示する歌詞をスクロールさせることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、前記コンピュータを、前記表示部の一領域に複数の連続するフレーズを表示する処理を行う手段と、前記選択受付手段で受け付けられる選択指示に応じた一のフレーズを他のフレーズと識別する表示処理を前記表示部の一領域に対して行う手段として機能させることを特徴とする。
本発明にあっては、表示部の一領域に歌詞の一部のフレーズを表示すると共に、表示部の他領域にスクロール可能に歌詞を表示するので、歌詞の一部と他部とを同時に表示できるようになり、ユーザは一領域で表示される歌詞の一部と、他領域で表示される歌詞の他の部分とを適宜比較して、歌詞内容及び曲全体における箇所等を確認できる。そのため、本発明をカラオケ曲の再生可能な装置に適用すれば、現在の再生箇所に対応する歌詞部分と他の箇所の歌詞とを同時的に表示するという好適な表示処理を提供できる。
本発明にあっては、表示部の他領域に表示される歌詞中の一のフレーズの選択に連動して、一領域に表示するフレーズを切り替えるので、一領域で表示するフレーズを他領域で表示される広い範囲の歌詞の中から直接的にフレーズ単位で選択できるようになり、所望のフレーズを表示される歌詞中より容易に選ぶことができる。
本発明にあっては、選択に係る一のフレーズの箇所を記憶すると共に、記憶された箇所に基づき一のフレーズの表示処理を行うので、一旦、選択されたフレーズは次回からは容易に特定できるようになり、繰り返し表示させたいフレーズを迅速に何度でも表示できる。
本発明にあっては、一領域に複数の連続するフレーズを表示する場合で、他領域で表示される歌詞の中から所望の一のフレーズが選択されると、一領域で表示される一のフレーズが他のフレーズと識別できるように表示されるので、選択により表示箇所を移動した場合でも、一領域に表示される複数のフレーズの中から選択に係る一のフレーズをユーザは容易に把握できるようになる。なお、識別用の表示処理の具体例としては、選択に係る一のフレーズの背景色を他のフレーズの背景色と相異させる処理、一のフレーズに対応して識別用の印又は文字等を付加する処理などが相当する。
本発明にあっては、表示部の一領域には楽曲データの再生箇所に対応する歌詞部分のフレーズを表示するので、カラオケ曲のような楽曲データに対する再生処理に好適な歌詞表示形態を提供できる。即ち、他領域で表示する歌詞の中から所望のフレーズを選択すると、その選択したフレーズから楽曲データの再生が開始されると共に、再生箇所に対応するフレーズが一領域に表示される。よって、ユーザが曲中のサビのフレーズを選択すれば、サビのフレーズから再生及び表示が適宜開始されるので、所望の箇所を反復練習する場合などに好適に利用できる。
本発明にあっては、楽曲データを再生していない場合は、一領域及び他領域で歌詞を表示するので、広い表示範囲で全歌詞中の部分を多く表示でき、表示される歌詞部分が多くなることでユーザが所望するフレーズを一段と探しやすくなる。
本発明にあっては、再生箇所を楽曲データの全データ範囲と対応付けて示すインジケータを表示部に表示するので、ユーザはインジケータを参照すれば現在の再生箇所が曲中のどの位置であるかを一目で把握でき、歌唱中の歌詞番の誤認などを防止できる。
本発明にあっては、他領域に表示する歌詞中の選択対象を変更する場合、変更先の箇所をインジケータ中に示すので、インジケータを手掛かりにして選択したいフレーズをユーザは容易に探すことができる。例えば、同じ内容の歌詞が相異する曲番中に存在する場合、歌詞のみではユーザが所望する箇所を探しにくいことも想定できるが、インジケータにより曲全体の位置を検討付けて、本当にユーザが探したい箇所を容易に特定できるようになる。
本発明にあっては、歌詞データが有する付属情報を他領域に表示するので、歌詞以外の内容もユーザに伝達できるようになる。なお、歌詞情報としては、間奏部分を示す情報、息継ぎのブレスを示す情報、フレーズ毎の歌い方の説明情報、及びギターのコード情報等が該当する。
本発明にあっては、カラオケ装置へ指示を送信する遠隔操作装置の表示パネル部に歌詞をスクロール可能に表示するので、現在の再生箇所に対応する歌詞はカラオケ装置の表示部で表示される一方、全体的な歌詞は遠隔操作装置の表示パネル部で表示できるようになり、歌唱中でも曲中の他の箇所の歌詞を確認して次に歌唱したい箇所を素早く特定することができる。
本発明にあっては、遠隔操作装置の表示パネル部で表示される歌詞より所望の一のフレーズを選択すると、カラオケ装置側では、選択された一のフレーズから再生されると共に一のフレーズが表示されるので、遠隔操作装置側で再生箇所を選択して所望フレーズの歌唱を容易に練習できるようになる。
本発明にあっては、遠隔操作装置で歌詞中の選択箇所を記憶して、記憶内容に基づきカラオケ曲に再生を開始するので、一度、遠隔操作装置で選択操作を行えば次回からは、その選択箇所から容易に再生を行うことができ、何度もその箇所を練習したい場合などに好適となる。
本発明にあっては、カラオケ装置の表示部に複数の連続するフレーズを表示する場合、遠隔操作装置の表示パネル部で表示される歌詞の中から一のフレーズが選択されると、カラオケ装置側で表示される一のフレーズを他と識別できるように表示処理が行われるので、再生箇所の移動が行われても、ユーザは再生開始箇所に対応するフレーズを容易に把握できる。
本発明にあっては、カラオケ装置側の表示部に再生箇所を楽曲データの全データ範囲に対応付けて示すインジケータを表示するので、ユーザはインジケータを参照すれば現在の再生箇所が曲中のどの位置であるかを一目で把握できる。
本発明にあっては、前記遠隔操作装置で選択対象を変更する場合、変更箇所を全データ範囲に対応付けて示すので、示された箇所を手掛かりにして選択対象を探すことができ、同様な歌詞部分が多数存在するカラオケ曲でも容易にユーザの所望する箇所を特定できる。
本発明にあっては、歌詞データが有する付属情報を遠隔操作装置側の表示パネル部で表示するので、歌詞以外の内容もユーザに伝達できるようになり、カラオケ曲に合わせた歌唱を行うユーザに対する利便性を高められる。
本発明にあっては、表示部の一領域に歌詞の一部のフレーズを表示すると共に、表示部の他領域にスクロール可能に歌詞を表示するので、ユーザは一領域の表示内容と他領域の表示内容とを比較しながら歌詞内容及び歌詞中の位置などを適宜確認できる。
本発明にあっては、表示部の他領域に表示される歌詞中の一のフレーズの選択に連動して、一領域に表示するフレーズを切り替えるので、他領域で表示される歌詞から一領域で表示したいフレーズを容易に選択できる。
本発明にあっては、選択に係る一のフレーズの箇所を記憶すると共に、記憶された箇所に応じたフレーズの表示処理を行うので、一旦、選択された箇所は次回からは容易に探し出すことができる。
本発明にあっては、表示部の他領域で表示される歌詞の中から所望の一のフレーズが選択されると、一領域で表示される一のフレーズを他と識別できるように表示処理を行うので、表示箇所が移動した場合でも選択に係る一のフレーズをユーザは容易に把握できる。
本発明にあっては、表示部の一領域には楽曲データの再生箇所に対応する歌詞部分を表示するので、カラオケ曲のような楽曲データに対する再生処理に対して、一領域には再生箇所に対応するフレーズを表示すると共に、他領域にはスクロール可能に歌詞を広範囲で表示でき、歌唱中でもユーザの所望するフレーズを他領域の表示の中から容易に探し出すことができる。
本発明にあっては、楽曲データを再生していない場合は、一領域及び他領域で歌詞を表示するので、広い表示範囲で多くの歌詞部分を表示できる。
本発明にあっては、再生箇所を楽曲データの全データ範囲と対応付けて示すインジケータを表示部に表示するので、ユーザはインジケータにより現在の再生箇所が曲中のどの位置であるかを一目で把握できる。
本発明にあっては、他領域に表示する歌詞の選択対象を変更する場合、選択対象の変更箇所を示すので、示された箇所を手掛かりにしてユーザが望む選択対象のフレーズを容易に探し出せる。
本発明にあっては、歌詞データが有する付属情報を他領域で表示するので、歌詞以外の情報、例えば間奏部分であること、息継ぎを行う位置、及びフレーズ毎の歌い方などをユーザに伝達できる。
本発明にあっては、カラオケ装置へ指示を送信する遠隔操作装置の表示パネル部に歌詞をスクロール可能に表示するので、現在の再生箇所に対応する歌詞のフレーズはカラオケ装置の表示部で表示でき、全体的な歌詞は遠隔操作装置の表示パネル部で表示でき、歌唱中でも他のフレーズを表示パネル部で容易に確認できる。
本発明にあっては、遠隔操作装置の表示パネル部で表示される歌詞より所望の一のフレーズを選択すると、選択された一のフレーズから連動して再生されるので、ユーザは遠隔操作装置で再生箇所を選択して所望フレーズに対する歌唱練習を容易に行うことができる。
本発明にあっては、遠隔操作装置で歌詞中の選択箇所を記憶すると共に、記憶内容に基づき選択された箇所から再生を開始するので、一度、遠隔操作装置で選択操作を行えば次回からは以前に選択した箇所を容易に探し出して再生できる。
本発明にあっては、遠隔操作装置の表示パネル部で表示される歌詞の中から所望の一のフレーズが選択されると、カラオケ装置側で表示される複数のフレーズ中の一のフレーズを他のフレーズと識別できるように表示処理が行われるので、一領域中に複数のフレーズがどのような形態で表示されても、再生開始箇所に対応する一のフレーズをユーザは容易に把握できる。
本発明にあっては、カラオケ装置側の表示部に再生箇所を楽曲データの全データ範囲と対応付けて示すインジケータを表示するので、ユーザはインジケータを参照すれば現在の再生箇所の曲中における位置を一目で把握できる。
本発明にあっては、遠隔操作装置で選択対象の変更を行う場合、変更箇所を全データ範囲に対応付けて示すので、示される箇所を手掛かりにして曲中の位置を把握して容易に選択対象のフレーズを探すことができる。
本発明にあっては、歌詞データが有する付属情報を遠隔操作装置側の表示パネル部で表示するので、歌詞以外の様々な情報もユーザに伝達できるようになり、カラオケ曲に合わせた歌唱を行うユーザへの利便性を高められる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るカラオケネットワークシステム1を示している。カラオケネットワークシステム1は、カラオケコンテンツ(カラオケデータ等)の配信に係るウェブサイトを開設している中央装置2が、ユーザが有する携帯電話器10からのアクセスに基づいて所定のカラオケ曲に係るコンテンツを配信し、コンテンツを受信した携帯電話器10をカラオケ装置として機能させるものである。なお、携帯電話器10は再生するカラオケ曲の歌詞を表示することに着目すると、歌詞表示装置としても機能することになる。
図2は、中央装置2の内部構成を示しており、中央装置2は各種処理を行う制御部2a、通信処理を行う通信部2b、RAM2c、ROM2d、及び記憶装置2eを内部バス2fで接続した構成にしている。
制御部2aは、記憶装置2eに記憶されているプログラムPrに基づき様々な処理を行っており、例えば、開設しているウェブサイトにアクセスしてきた外部の通信装置(携帯電話器10等)に図3に示すようなカラオケサイト5のトップページとなるウェブページ画面を閲覧させるための処理、カラオケサイト5のウェブページにおけるユーザの操作に対するカラオケデータの送信処理、及びプレーヤプログラムの送信処理等の制御を行う。
通信部2bはネットワーク3に接続されており、アクセスを受け付けた外部の通信装置と中央装置2との間で接続を確率し、制御部2aに制御に基づきデータ送受を行う。RAM2cは制御部2aの処理に係る各種データ、プログラム等を一時的に記憶し、ROM2dは制御部2aが行う基本的な処理プログラムを記憶するものである。
記憶装置2eは本実施形態では大容量のハードディスク装置が適用されており、制御部2aの処理内容を規定したプログラムPr、アクセスしてきた外部の通信装置で表示されるウェブページに係るウェブデータWd、カラオケ曲の再生処理等を行うために配信されるプレーヤプログラムAp、及びユーザからの指定に基づき配信される多数のカラオケデータKdを記憶している。各カラオケデータKdは、対応して組み合わされる楽曲データGd及び歌詞データVdで構成されている。
図4(a)は、一つのカラオケデータKdに係る楽曲データGd及び歌詞データVdの概念的な構成を示している。楽曲データGdは曲のリズム、並びに演奏及びコーラス的な内容を音声として出力させるためのMIDI(Musical Instrument Digital Interface)用の音楽データである。楽曲データGdは、カラオケ曲を形成する各フレーズに対応した楽曲フレーズ部G1〜Gnが時系列的に連続して構成されている。なお、楽曲データGdは各楽曲フレーズ部G1〜Gnに対応した時間データT0〜Tnを有しており、時間データT0〜Tnは各楽曲フレーズ部G1〜Gnの境界に係る位置を示し、この位置に基づき楽曲データGd中の楽曲フレーズ部G1〜Gnの開始箇所を特定できる。
また、歌詞データVdは、カラオケ曲の歌詞及び付属情報を表示させるための、文字及び記号等で形成されるデータであり、カラオケ曲を形成する各フレーズに対応した歌詞フレーズ部V1〜Vnが時系列的に連続して構成されている。なお、歌詞データVdも、上述した楽曲データGdと同様に、各歌詞フレーズ部V1〜Vnに対応した時間データT0〜Tnを有する。
図4(b)は、歌詞データVdの中の一つの歌詞フレーズ部Vxの中身を概念的に示したものであり、歌詞フレーズ部Vxは付属情報に相当する「せつなく」と云う文字と、歌詞中の1フレーズに相当する「それでも君をアイ・ラブ・ユー」と云う文字を有する。なお、付属情報の「せつなく」と云う文字の前後には、「<1>」及び「</1>」と云う識別タグが付されており、この識別タグは、配信された外部の通信装置(携帯電話器10等)での表示処理で用いられる。なお、歌詞データVdの中で、間奏部分に相当する歌詞フレーズ部は、該当する歌詞自体が存在しないため「間奏中」と云う文字を有している。
中央装置2は、上述した構成のカラオケデータKdを制御部2aがアクセス先のユーザによる操作に応じて記憶装置2eに記憶された複数のカラオケデータKdの中から検索して特定し、アクセス先の通信装置へ配信する処理を行う。また、カラオケデータKdの配信に先立ち、制御部2aはプレーヤプログラムApを配信する。プレーヤプログラムApの詳細は後述する。
一方、プレーヤプログラムAp及びカラオケデータKdの配信を受けてカラオケ装置として機能することが可能な携帯電話器10は、図1に示すように、筐体10aの上端にネットワーク3の無線中継基地局4a〜4nと通信を行うためのアンテナ10bを設けており、筐体10aの前面上部には表示パネル部10c、前面中部から下部にかけて操作部11を設けている。操作部11は、十字状に配置された上下左右キー11a〜11dと中央の決定キー11eを有する。なお、携帯電話器10は、操作部11の下方にマイク部10dを設け、筐体10aの裏面にスピーカ10eを配置している。
図5は、携帯電話器10の内部構成を示し、携帯電話器10は各種制御処理を行うシステムコントロール部12、通信部13、データ等を一時的に記憶するRAM14、基本的なプログラムを記憶するROM15、MIDI音源部16、音声処理部17、表示処理部18、記憶部19、及び操作部11を内部バス20で接続した構成にしている。よって、本実施形態の携帯電話器10は、通話に加えてデータ通信及び各種データ処理も行うため、一種のコンピュータとして機能し、特に中央装置2からカラオケデータKd及びプレーヤプログラムApをダウンロードした場合、ユーザの操作に基づきカラオケ装置として機能する。以下、携帯電話器10が有する各部11、12、13等を説明する。
操作部11は、各キー11a〜11eがユーザにより押し下げ操作を受け付けると各キー11a〜11eが押し下げられたことを伝える操作信号をシステムコントロール部12へ伝送する。なお、各キー11a〜11eは、選択対象の移動及び決定等に対する操作指示を受け付けることが割り当てられており、ユーザから各種指示及び選択等を受け付ける受付手段として機能する。
通信部13はアンテナ10bと接続されており、システムコントロール部12の制御に基づき通信処理を行い、本実施形態では中央装置2から配信されるカラオケデータKd及びプレーヤプログラムApを受け付けるデータ受付手段として機能する。
MIDI音源部16は、カラオケデータKdの楽曲データGdの再生手段に相当し、システムコントロール部12の制御に基づき楽曲データGdの再生処理を行い、再生音を音声処理部17へ伝送する。音声処理部17は、マイク10d及びスピーカ10eと接続されており、マイク10dで取得した音声を取り込む処理を行うと共に、所要の音をスピーカ10eから出力する処理を行う。なお、音声処理部17がスピーカ10eから出力する音には、上述したMIDI音源部16の再生音がある。
表示処理部18は、表示パネル部(表示部に相当)10cと接続されており、システムコントロール部12の制御に基づき表示パネル部10cに各種内容を表示する処理を行う表示処理手段として機能する。
具体的には図7(a)に示すように、表示処理部18は、表示パネル10cの上部の規定表示範囲haを除いた表示範囲Hの中の上領域h1(他領域に相当)に歌詞データVdの歌詞をスクロール可能に表示する処理を行い、表示範囲Hの中の下領域h2(一領域に相当)に、カラオケデータKdの再生箇所に応じた2つのフレーズP1、P2を上下に表示する処理を行う。なお、図7(a)(後述の図9も同様)では、各領域h1、h2の表示内容を明確にするため、表示パネル部10cの縦方向の寸法を図6(a)(b)に示す場合に比べて長くしているが、実際は、表示パネル部10cの縦方向の寸法は各図で同一であり、表示パネル部10cに係る解像度に応じて各領域h1、h2に所定数のフレーズP1、P2、P10等が表示されるものとする。
また、表示処理部18は、システムコントロール部12から送られてくるカラオケデータKdの情報及び再生状態に基づき、上領域h1の上端に水平バー・グラフ状のインジケータ25を生成して表示する処理、及び選択対象のフレーズP12等に対応する三角形状のカーソルポイント27を生成して表示する処理も行っている。なお、表示処理部18は、図6(a)(b)に示すメニュー21、22の表示処理も行う。
図7(b)は、表示処理部18により生成されるインジケータ25の詳細を示している。インジケータ25は再生箇所及び表示する歌詞の指示箇所等を示すものであり、インジケータ25の長手方向の寸法は、再生されるカラオケデータKd(楽曲データGdと同等)の全データ範囲に相当し、カラオケデータKdの全データ範囲が所要の7個のブロック25a〜25gで分割表示されると共に、現在の再生箇所を含むブロック25a〜25gを指示するための三角形状の指示ポイント26も生成表示される。なお、指示ポイント26の表示位置は、カラオケデータKdの再生に従い、図中の右方向へ移動する(図8(a)(b)参照)。そのため、ユーザは、指示ポイント26が指示する箇所を参照すれば、現在の再生箇所は曲中において、どの程度の位置であるかを一目で把握できる。
また、表示処理部18は、インジケータ25中で、上領域h1で表示された歌詞の各フレーズP10〜P14の中でカーソルポイント27により指示されるフレーズP12を含むブロック25cを他のブロックと相異する表示形態(図では右上がりハッチング)で表示する処理も行う。よって、ユーザは、インジケータ25中の右上がりハッチングのブロック25cを参照することで、現在のカーソルポイント27が指示しているフレーズP12の曲中における箇所を認識することができる。
さらに、表示処理部18は、カラオケデータKdの間奏部分に相当するブロック25dを他と相異する表示形態(図ではクロスハッチング)で表示する処理を行う。また、インジケータ25は左端に「Start」、右端に「End」と云う文字が付加され、インジケータ25の各ブロック25a〜25gの位置関係に誤解が生じないようにしている。なお、図7(b)では、インジケータ25を7つのブロック25a〜25gで構成しているが、再生するカラオケデータKdの長さ、間奏の数等に応じて表示処理部18はブロック数を適宜増減して表示する。
また、表示処理部18は、上領域h1に表示する歌詞の各フレーズP10〜P14に対し、操作部11の上キー11a又は下キー11bの押し下げ操作に応じてカーソルポイント27を上昇又は下降させて、カーソルポイント27が指示するフレーズP10〜P14を変更する処理を行い、カーソルポイント27の指示に係るフレーズP10〜P14を太字で表示する処理を行う。さらに、カーソルポイント27が最上位のフレーズP10又は最下位のフレーズP14を指示する場合で、上キー11a又は下キー11bの押し下げ操作が行われると、表示処理部18は歌詞を上方向又は下方向にスクロールする処理を行う。このような表示処理部18のスクロール処理により、歌詞の全体を表示できる。
さらに、表示処理部18は、カラオケデータKdの再生処理が停止されている場合、下領域h2でのフレーズの表示処理を停止し、上領域h1及び下領域h2で構成される表示範囲Hに連続して歌詞を表示する処理を行う(図9参照)。この場合は、歌詞の表示領域が広がるので、図7(a)に示す場合に比べて一度に多くのフレーズP10〜P16を表示でき、スクロール処理に係るユーザの操作負担を低減できる。なお、図9に示すように、再生停止中は、インジケータ25の指示ポイント26の表示も停止される。
さらにまた、表示処理部18は、図4(b)で説明した付属情報の表示と非表示とを切り替える処理も行う。付属情報の表示と非表示との切替は、プレーヤプログラムAPを起動して図6(b)の歌詞表示選択メニュー22を表示パネル部10cに表示させ、この歌詞表示選択メニュー22で「通常表示」の欄22aがユーザにより選択されると付属情報は非表示になり、「付属情報表示」の欄22bが選択されると付属情報は表示される。
図7(a)は、上領域h1の歌詞中に「(さりげなく)」と云う付属情報f1及び「(せつなく)」と云う付属情報f2が表示されたものである。このように付属情報f1、f2の表示は、ユーザへの歌唱時に対する教示として有用になる。また、図9は付属情報の非表示状態であり、表示範囲Hには歌詞のフレーズP10〜P16のみが表示され、シンプルな表示を好むユーザに好適な表示となる。
また、表示処理部18は、図7(a)に示すように、下領域h2に現在の再生箇所(歌唱箇所)に該当するフレーズP1と、このフレーズP1の次に連続するフレーズP2を表示する処理を行う。歌詞中の2つのフレーズP1、P2等を表示する部分は、図4(a)に示す歌詞データVdの時系列に連続するデータ構造の関係から予め特定されており、下領域h2の上部分h21には奇数番目のフレーズP1、P3・・・が表示され、下領域h2の下部分h22には偶数番目のフレーズP2、P4・・・が表示される。なお、表示処理部18は、再生箇所の進行に合わせて表示するフレーズP1、P2等の文字を未再生部分と相異する形態で表示し、現在の歌唱箇所を明確にしている。
さらに、表示処理部18は、後述する再生箇所の選択処理、メモリ再生などにより曲の途中から再生を行う場合、その再生開始箇所に相当するフレーズP1、P2等を下領域h2に表示するが、再生開始直後の一つのフレーズP1、P2等を他と識別するための印を表示する処理も行う。
図8(a)は曲途中の偶数番目のフレーズP12から再生が開始される場合の下領域h2の表示状態を示しており、下領域h2の下部分h22には再生開始直後のフレーズP12が表示され、上部分h21には次に再生されるフレーズP13が表示される。この場合、表示処理部18は、再生開始直後のフレーズP12の冒頭に「<S>」と云う識別用の印28を表示する処理を行う。この識別用の印28の付加表示によりユーザが、2つのフレーズP12、P13が上下逆に表示されても、いずれのフレーズを参照して歌唱すればよいかを容易に把握できる。
なお、図8(b)は曲途中の奇数番目のフレーズP13から再生が開始される場合の下領域h2の表示状態を示しており、下領域h2の上部分h21には再生開始直後のフレーズP13が表示され、下部分h22には次に再生されるフレーズP14が表示され、さらに再生開始直後となるフレーズP13の冒頭には識別用の印28が表示される。
図5に戻り、携帯電話器10の各部の説明を続けると、記憶部19は、本実施形態では半導体メモリ又は小型のハードディスク装置が適用されており、中央装置2からダウンロードしたカラオケデータKd及びプレーヤプログラムApを記憶する一方、携帯電話器10が有する機能を発揮するためにシステムコントロール部12の処理内容を規定した制御プログラムSpを予め記憶している。
プレーヤプログラムApは、携帯電話器10をカラオケ装置として機能させるために、携帯電話器10の内部処理的な内容として、システムコントロール部12が行う処理内容を規定したものである。り、具体的にプレーヤプログラムApは、図6(a)(b)に示すような再生及び設定のための各種メニューを表示パネル部10cに表示させるための処理、図7〜9等に係る歌詞を表示パネル部10cに表示させるための処理、及びカラオケ曲の再生に係る制御処理などを定めている。
メニュー表示処理に関しては、例えば、プレーヤプログラムApが起動して操作部11の図示しない操作キーが押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、図6(a)の再生方法選択メニュー21及び図6(b)の歌詞表示選択メニュー22等のメニューを表示させるための制御指示をシステムコントロール部12がプレーヤプログラムApの規定内容に従い表示処理部18へ伝送する処理を行う。
また、図6(a)の再生方法選択メニュー21で、「通常再生」の欄21aが操作部11の決定キー11eにより押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12が記憶部19からカラオケデータKdを随時読み出し、楽曲データGdを再生させる指示をMIDI音源部16へ出力すると共に、再生と同時に歌詞データVdに係る歌詞を楽曲データGdの再生時間に合わせて表示パネル部10cで表示させる指示を表示処理部18へ出力する処理を行う。この再生処理の際、システムコントロール部12は、図4(a)に示す歌詞データVdの各歌詞フレーズ部V1〜Vnの数、間奏の箇所等の情報も表示処理部18へ出力する。なお、表示処理部18は、このような歌詞データVdの情報を受けて、表示するインジケータ25の生成を行う。
さらに、図6(a)の再生方法選択メニュー21で、「メモリ再生」の欄21bが操作部11の決定キー11eにより押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12は、後述するメモリ処理により記憶部19に記憶されたカラオケデータKdの位置を示す時間データT0〜Tnより再生を開始する指示をMIDI音源部16及び表示処理部18へ出力する処理を行う。
なお、MIDI音源部16及び表示処理部18は、曲中の位置を示す時間データT0〜Tnを受けると、時間データT0〜Tnが対応するフレーズ箇所より再生及び表示処理を開始し、特に表示処理部18は、図8(a)(b)に示すように再生開始直後となるフレーズP12、P13に識別用の印28を付加する処理を行うことになる。
また、図6(b)の歌詞表示選択メニュー22で、「通常表示」の欄22aが操作部11の決定キー11eにより押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12は、表示処理部18へ歌詞データVd及び「</1>」の識別タグに係る信号を出力する処理を行う。表示処理部18は、「</1>」の識別タグに係る信号を受けると付属情報を非表示にする処理を行い、図9に示すような表示を行う。
さらに、図6(b)の歌詞表示選択メニュー22で、「付属情報表示」の欄22bが決定キー11eで押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、表示処理部18へ歌詞データVd及び「<1>」の識別タグに係る信号を出力する処理を行い、表示処理部18は、図7(a)に示すように付属情報f1、f2の表示を行う。
また、プレーヤプログラムApは、一旦起動すると、操作部11の上下キー11a、11bをカーソルポイント27の位置を変更させる移動指示及びスクロール指示の受付手段として機能させ、以下、左キー11cを再生指示とメモリ指示との受付手段、右キー11dを再生停止指示の受付手段、決定キー11eをカーソルポイント27が指示するフレーズの選択を受け付ける選択受付手段として機能させる。
そのため、上キー11a又は下キー11bが押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12は、カーソルポイント27を上又は下に移動させて表示する指示を表示処理部18へ出力する処理を行う。また、カーソルポイント27が最上位のフレーズP10又は最下位のフレーズP14を指示する場合で、上キー11a又は下キー11bの押し下げをシステムコントロール部12が認識すると、システムコントロール部12は、表示する歌詞を上又は下にスクロールさせる指示を表示処理部18へ出力する処理を行う。
表示処理部18は、上述したカーソルポイント27の移動に係る指示を受けると、カーソルポイント27を指示に応じた位置で表示する処理を行うと共に、インジケータ25の右上がりハッチングの表示形態を指示に応じたブロック25a〜25gのいずれかに表示する処理を行う。
また、図7(a)に示すようにカーソルポイント27がフレーズP12を指示した状態で、決定キー11eが押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12は、フレーズP12に対応する箇所(フレーズP12に対応する時間データTxが規定する箇所)よりカラオケデータKdの再生を開始するように、MIDI音源部16及び表示処理部18へ時間データTxからの再生指示を出力する処理を行う。なお、時間データTxは時間データT0〜Tnの中の任意の一つを意味する。
この再生指示を受けて、MIDI音源部16は、時間データTxが規定する箇所から楽曲データGdの再生処理を行う。また、表示処理部18は、図8(a)に示すように、時間データTxに対応するフレーズP12及び次に続くフレーズP13と識別用の印28とを下領域h2に表示する処理を行うと共に、インジケータ25の再生開始箇所に対応するブロック25a〜25gのいずれかを指示するように指示ポイント26を表示する処理を行う。
さらに、上述したように決定キー11eが押し下げられた後に、左キー11cが押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12は、時間データTxを記憶部19に記憶する処理(メモリ処理)を行う。このようにメモリ処理が行われた後、上述した図6(a)の再生方法選択メニュー21で「メモリ再生」の欄21bが選択されると、時間データTxに応じた箇所からカラオケデータKdが再生される処理が行われる。
なお、決定キー11eとの押し下げに関係なく、単に左キー11cが押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12は、カラオケデータKdの最初から再生を開始するように、MIDI音源部16及び表示処理部18へ再生指示を出力する処理を行う。
さらにまた、右キー11dが押し下げられたことをシステムコントロール部12が認識すると、プレーヤプログラムApの規定内容に従いシステムコントロール部12は、MIDI音源部16及び表示処理部18へ再生の停止指示を出力する処理を行う。この停止指示を受けて、MIDI音源部16は楽曲データGdの再生停止処理を行い、表示処理部18は、下領域h2での再生箇所に対応するフレーズ表示処理を停止すると共に表示範囲Hで歌詞を表示する処理を行う(図9参照)。なお、プレーヤプログラムApは、起動してから各キー11a〜11eが押し下げられない場合、図9に示すように表示範囲Hに歌詞を表示させるようにしている。
図10は、上述したプレーヤプログラムApの規定に基づきシステムコントロール部12が各種制御処理を行うことで、携帯電話器10がカラオケ装置として機能する場合の一連の処理手順を示したフローチャートである。
以下、このフローチャートに従い、上述した携帯電話器10のカラオケ装置としての処理手順を説明する。なお、このフローチャートは、既にプレーヤプログラムAp及び再生対象のカラオケデータKdは携帯電話器10にダウンロードされて記憶されていると共に、プレーヤプログラムApが起動していることを前提とする。
先ず、左キー11cの押し下げ、若しくは図6(a)の再生方法選択メニュー21で「通常再生」の欄21a又は「メモリ再生」の欄21bの選択によりユーザからの再生指示があるか無いかをシステムコントロール部12が判断する(S1)。再生指示が無い場合(S1:NO)、携帯電話器10は図9に示すように表示範囲Hに歌詞を表示し(S3)、再生指示の有無の判断段階(S1)へ戻り、再生指示を待つ状態となる。また、再生指示がある場合(S1:YES)、携帯電話器10は図7(a)に示すように下領域h2に再生箇所のフレーズP1、P2を表示すると共に上領域h1に歌詞を表示する(S2)。
次に、上キー11a、下キー11bの押し下げによるスクロール指示があるか無いかをシステムコントロール部12が判断し(S4)、スクロール指示がある場合(S4:YES)、携帯電話器10は上領域h1に表示する歌詞をスクロールする(S5)。スクロール指示が無い場合は(S4:NO)、スクロール処理(S5)の後へ移動して、決定キー11eの押し下げによる所望のフレーズの選択指示があるか無いかをシステムコントロール部12が判断する(S6)。
選択指示がある場合(S6:YES)、携帯電話器10は選択された箇所(フレーズ)から再生を行うと共に図8(a)(b)に示すように下領域h2に選択箇所のフレーズを表示する処理を行う(S7)。また、選択指示が無い場合は(S6:NO)、選択箇所の再生及び表示処理(S7)の後へ移動し、カラオケデータKdの再生が終了したか否かをシステムコントロール部12が判断する(S8)。再生が終了していない場合(S8:NO)、再生箇所のフレーズ及び歌詞表示の段階(S2)へ戻り、一方、再生が終了した場合(S8:YES)、処理を終了する。
このように、第1実施形態に係るプレーヤプログラムApに基づく処理を行う携帯電話器10では、図7(a)に示す表示により、ユーザは現在の歌唱箇所に応じたフレーズと、全体的な歌詞とを一度に確認でき、また、上領域h1に表示されるフレーズを選択する操作を行えば、所望の箇所からカラオケデータKdの再生を行うことができ、所望箇所からの歌唱練習に好適となる。また、選択と同時にメモリ操作を行えば、容易に所望箇所から再生できるので、反復して歌唱の練習を行う場合などに活用できる。
なお、第1実施形態に係るプレーヤプログラムAp及び携帯電話器10の処理内容は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例が存在する。例えば、再生箇所を選択して移動させた場合、再生開始箇所のフレーズを他のフレーズと識別できるようにするため、図8(a)(b)に示すように識別用の印28を付加する以外に、下領域h2の再生開始側のフレーズに相当する上部分h21又は下部分h21の背景範囲の色を変更すること、又は文字の形態を変更することも可能である。
また、付属情報としては息継ぎの箇所、ギターコード等を含めるようにしてもよく、さらには付属情報が不要な時は、歌詞データVdから付属情報を削除すると共に、付属情報に係る処理部分を削除してもよい。このようにすることで、歌詞データVdを特別なものではなく、従来と同様のデータを使用できるようになり、現存するカラオケコンテンツのデータを第1実施形態に係るプレーヤプログラムApをインストールした携帯電話器10へも流用してコンテンツの有効利用を図れる。
さらに、ユーザからの各種指示を受け付けるのは操作部11の各キー11a〜11e以外に、他の操作キー、ボタン、スイッチ等で受け付けるようにすることも可能であり、タッチパネル式の表示パネル部10cを有する機器では、表示パネル部10cに設けられるソフトキー部分でユーザから指示を受け付けるようにしてもよい。
さらにまた、携帯電話器10に半導体メモリのような着脱式の記憶媒体のスロットを設けた場合は、着脱式の記録媒体にカラオケデータKd及びプレーヤプログラムApを記憶させて、この着脱式の記録媒体を介して携帯電話器10がカラオケデータKd及びプレーヤプログラムApを取得する(受け付ける)ようにしてもよい。なお、第1実施形態のプレーヤプログラムAPを、PDA(Personal Digital Assistant)又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置にインストールして、これらの情報処理装置を第1実施形態に係るカラオケ装置として機能させることも可能である。
また、第1実施形態に係るプレーヤプログラムApをインストールした携帯電話器10の処理及び構成等は、図11(a)に示す専用のカラオケシステム30に適用することも可能である。
カラオケシステム30は、再生されるカラオケ曲に係る歌詞及び画像を表示するモニタ装置32、カラオケ曲の再生音及びユーザの歌唱音を出力するスピーカ33、並びにユーザの歌唱音を集音するマイク34が接続されたカラオケ装置31と、このカラオケ装置31に再生指示などを無線で送信するリモートコントロール装置(遠隔操作装置に相当。以下、リモコン装置と称す)40とを備える。カラオケ装置31のモニタ装置32は、横長の表示面32aを有しており、また、リモコン装置40も横長の表示パネル面40aを有する。
カラオケ装置31に上述した携帯電話器10のような構成(図5参照)を適用して、カラオケデータKd及びプレーヤプログラムApを記憶させ、プレーヤプログラムApの表示に係る処理構成を横長の表示面32aに適した構成に変更することで、図11(b)に示す歌詞の表示形態を実現することが可能になる。
図11(b)では、表示面32aの表示範囲Rは左領域r1と右領域r2とに分かれている。左領域r1は、上述した携帯電話器10の表示パネル部10cの上領域h1に相当し、再生されるカラオケデータKdの歌詞を構成するフレーズP10〜P14がスクロール可能に表示されると共に、カーソルポイント37も表示される。また、右領域r1は、上述した携帯電話器10の表示パネル部10cの下領域h1に相当し、カラオケデータKdの再生箇所に対応するフレーズP1及び次のフレーズP2が上下部分r21、r22に表示される。
さらに、表示面32aの上部には、左領域r1及び右領域r2にまたがってインジケータ35が表示され、インジケータ35を構成する各ブロックの中の再生箇所に対応するブロックを指示する指示ポイント36を表示する。このようにスクロール可能な歌詞と再生箇所に対応した歌詞部分を横に並べて表示した場合も、ユーザは歌唱箇所に応じたフレーズと、全体的な歌詞とを一度に確認でき、左領域r1に表示されるフレーズを選択する操作を行えば、所望の箇所からカラオケデータKdの再生を行うことができる。
なお、カラオケ装置31の内部構成は、図5の携帯電話器10と比較するとマイク10d、スピーカ10e及び表示パネル部10cが外付けのマイク34、スピーカ33、及びモニタ装置32に置き換わると共に、通信部13が有線用の通信手段に変更されることになる(詳細は、図13参照)。
さらにまた、リモコン装置40に上述した携帯電話器10のような構成(図5参照)を適用して、カラオケデータKdの歌詞データVd及びプレーヤプログラムApの表示処理に係る部分を記憶させ、プレーヤプログラムApの表示に係る処理構成を横長の表示パネル面40aに適した構成に変更することで、図11(b)に示すような表示形態をリモコン装置40にも適用可能になる。リモコン装置40は、図5に示す携帯電話器10からMIDI音源部16及び音声処理部17のような楽曲データGdの再生に係る処理部が省略された構成となり(詳細は、図14参照)、上述したカラオケ装置31と同様に、スクロール可能な歌詞及び再生箇所の歌詞部分を横並びで表示できるようになる。
図12(a)(b)は、本発明の第2実施形態に係るカラオケシステムにおける歌詞の表示形態を示している。第2実施形態のカラオケシステムは、図11(a)に示すモニタ装置32、スピーカ33、及びマイク34が接続されたカラオケ装置31、並びにリモコン装置40を備えるカラオケシステム30と同様な構成であるため、以下、図11(a)に示すカラオケシステム30と同等の符号を用いて説明する。
第2実施形態のカラオケシステム30は、カラオケ装置31側のモニタ装置32の表示面32aで図12(a)に示す現在の再生箇所に対応する歌詞(フレーズP1、P2)を表示する一方、リモコン装置40の表示パネル部40aで図12(b)に示す再生対象のカラオケ曲の歌詞(フレーズP10〜P14)をスクロール可能に表示することを特徴としている。表示面32aで表示する内容は、図7(a)に示す第1実施形態における下領域h2に係る表示内容が含み、表示パネル部40aで表示する内容は第1実施形態における上領域h1に係るインジケータ25を除いた歌詞部分が相当する。
図13は、カラオケ装置31の主要な内部構成を示している。カラオケ装置31は、各種制御処理を行うカラオケ制御部31aを有しており、このカラオケ制御部31aに通信部31b、RAM31c、ROM31d、記憶装置31e、モニタコントローラ31f、インタフェース部31g、シンセサイザ部31h、及び受光部31iを内部バスで接続した構成にしている。
通信部31bは図示しないネットワークに接続されており、ネットワークを経由してカラオケデータKdの配信を行う装置(図示せず)にアクセスし、カラオケデータを受信するものである。RAM31cはカラオケ制御部31aが行う処理に係るデータ等を一時的に記憶し、ROM31dはカラオケ制御部31aが行う基本的な処理を規定したプログラムを記憶する。記憶装置31eはカラオケ制御部31aの処理内容を規定したカラオケ用プログラムYpを記憶すると共に、通信部31bが受信したカラオケデータKd及び各種データの記憶も行う。
なお、第2実施形態では、図12(a)に示すように、再生箇所に応じた歌詞に合わせて画像Z1も表示されるので、第2実施形態で用いられるカラオケデータKdは歌詞データVdに画像データZdが組み合わされているが、基本的なデータ構成は第1実施形態に係る図4(a)に示す内容と同等である。
モニタコントローラ31fはモニタ装置32と接続されており、カラオケデータKdの再生に伴い歌詞データVd及び画像データZdに係る歌詞及び画像(図12(a)参照)をモニタ装置32で表示する処理を行う。インタフェース部31gはユーザからの操作指示を直接的に受け付ける操作部31jと接続されており、操作部31jで受け付けるカラオケ曲の検索指示及び再生指示等をカラオケ制御部31aへ伝える処理を行う。
シンセサイザ部31hはカラオケデータKdの楽曲データGdをカラオケ制御部31aからの指示に基づき再生する処理を行う。また、シンセサイザ部31hはアンプミキサ部31kと接続されており、再生した楽曲音をアンプミキサ部6nを通じてスピーカ8から出力する。なお、アンプミキサ部6nはマイク7と接続されており、マイク7からの入力音を増幅してスピーカ8から出力する処理も行う。
受光部31iは、リモコン装置40から送られる信号を赤外光として受光するものであり、受光した指示信号をカラオケ制御部31aへ伝える処理を行う。なお、受光部31iが受光するリモコン装置40からの信号(指示)としては、カラオケ曲の選択信号、カラオケ曲を最初から再生させる信号、カラオケ曲の再生開始箇所を指示する信号、歌詞中の一部を指示する信号等がある。
カラオケ制御部31aは操作部31j又は受光部31iで受け付けるユーザからの各種指示に基づいて、記憶装置31eに記憶されるカラオケ用プログラムYpが規定する処理を適宜行う。例えば、カラオケ曲の選択信号を受けると、そのカラオケ曲のカラオケデータKdを通信部31bにより取得して記憶装置31eへ記憶させる処理を行い、また、カラオケデータKdの再生指示を受け付けると、カラオケ制御部31aは、再生するカラオケデータKd中の楽曲データGdをシンセサイザ部31hで再生させる制御処理を行うと共に、歌詞データVd及び画像データZdをモニタコントローラ31fで再生表示させる制御処理を行う。
さらに、カラオケ制御部31aは、カラオケデータKdの再生の際、第1実施形態と同様に、再生する歌詞データVdの情報を読み取って、カラオケデータKdの全データ範囲に係るインジケータ35を指示ポイント36と共に生成する指示制御をモニタコントローラ31fに対して行う。モニタコントローラ31fは、上述したカラオケ制御部31aの制御に基づき図12(a)に示すような内容をモニタ装置32の表示面32aに表示する処理を行う。
さらに、カラオケ制御部31aは、ユーザが所望する箇所からの再生開始指示を受けると、指示に対応する箇所からカラオケデータKdを再生する制御処理を行うが、表示に係る処理に対しては、第1実施形態と同様に再生開始直後のフレーズを識別できるように図15に示すように識別用の印38を再生直後のフレーズP12の冒頭に付加する処理をモニタコントローラ31fに行わせる処理を行う。
なお、図15に示すようにモニタ装置32の表示面32aの上部には再生箇所に対応して指示ポイント36が表示されると共に、中央箇所には再生箇所に対応した画像Z10が表示され、さらには最下段のフレーズP12に連続するフレーズP13も表示される。また、カラオケ制御部31aは、後述するリモコン装置40で表示される歌詞のフレーズの指示箇所を変更する指示を受けると、その指示に応じた箇所に対応するインジケータ35中のブロックを右上がりハッチングの表示形態にする処理をモニタコントローラ31fに行わせる。
一方、図14は、リモコン装置40の主要な内部構成を示している。リモコン装置40は、カラオケ装置31で再生するカラオケ曲の検索機能を有すると共に、再生を決定したカラオケ曲の歌詞をスクロール可能に表示パネル部40aで表示することが特徴である。
リモコン装置41は、装置全体に対する各種制御処理を行うリモコン制御部41を有しており、リモコン制御部41に通信発光部42、RAM43、ROM44、記憶部45、表示処理インタフェース部46、インタフェース部47を内部バスで接続した構成にしている。また、表示処理インタフェース部46には表示パネル部40aが接続されると共に、インタフェース部47にはユーザからの各種指示を受け付ける操作部48が接続されている。なお、操作部48は、図示していないが、第1実施形態の携帯電話器10における各キー11a〜11eと同等の役割を担うボタンを有すると共に、カラオケ曲の検索及び選択に係る指示を受け付けるボタン等も有している。
通信発光部42は、操作部48が受け付けたユーザからの指示に基づきリモコン制御部41の制御によりカラオケ曲を最初から再生させる信号、カラオケ曲の再生開始箇所を指示する信号等を赤外光としてカラオケ装置31へ発する処理を行うものである。RAM43はリモコン制御部41の処理に係るデータ等を一時的に記憶し、ROM44はリモコン制御部41の基本的な処理内容を規定したプログラムを記憶している。
また、記憶部45は、カラオケ曲を選択する曲検索用データTd、表示パネル部40aに表示する歌詞に係る複数の歌詞データVd、及びリモコン制御部41の処理内容を規定したリモコン用プログラムCpを記憶している。なお、歌詞データVdは第1実施形態と同様の構成である。表示処理インタフェース部46は曲検索用画面及び図12(b)に示すように検索で選ばれたカラオケ曲の歌詞を表示パネル部40aに表示する処理を行う。インタフェース部47は、複数のボタン及びスイッチ等を備える操作部48で受け付けられたユーザからの操作内容(指示)をリモコン制御部41へ伝える処理を行う。
リモコン制御部41は、操作部48で特定のカラオケ曲の選択指示を受けると、記憶部45の曲検索用データTdを検索して、選択指示に係るカラオケ曲を特定し、特定したカラオケ曲をカラオケ装置31へ知らせるために、通信発光部42からカラオケ曲の選択信号を発する処理を行わせる。
また、特定したカラオケ曲の再生指示を操作部48で受けると、リモコン制御部41は、通信発光部42からカラオケ曲を再生する指示信号を発する処理を行わせると共に、第1実施形態と同様に特定したカラオケ曲に対応する歌詞データVdに係る歌詞のフレーズP10〜P14を付属情報f1、f2も合わせて表示パネル40aに表示する処理を表示処理インタフェース部46に行わせる(図12(b)参照)。なお、表示処理インタフェース部46は、第1実施形態と同様に歌詞と共に一つのフレーズP12を指示するカーソルポイント37を表示する。
さらに、図12(b)に示す内容を表示した状態で、操作部48がカーソルポイント37を上又は下に移動させる指示を受け付けると、リモコン制御部41の制御により表示処理インタフェース部46はカーソルポイント37の位置を上又は下に移動して表示する処理を行う。さらにまた、カーソルポイント37が最上位又は最下位に位置する場合に、操作部48がカーソルポイント37を上又は下に移動させる指示を受け付けると、リモコン制御部41の制御により表示処理インタフェース部46は表示パネル40aに表示する歌詞を上方向又は下方向にスクロールする処理を行う。
なお、操作部48が、上述したカーソルポイント37を上又は下に移動させる指示を受け付けた場合、リモコン制御部41は、カーソルポイント37を上又は下に移動させた位置を示す変更指示を、通信発光部42から発する制御を行う。
また、カーソルポイント37がいずれか一つのフレーズを指示する状態で、操作部48がフレーズの選択の指示を受け付けると、そのフレーズに対応する箇所から再生を開始させる指示信号を通信発光部42から発するようにリモコン制御部41は制御を行う。さらに、選択の指示を受け付けた後に続いて、操作部48がメモリ処理の操作を受け付けると、選択に係るフレーズの箇所(時間データT0〜Tnが規定する箇所)を記憶部45に記憶させるようにリモコン制御部41は制御を行う。このように一旦、フレーズの箇所が記憶されると、第1実施形態と同様にメモリ再生の指示を操作部48が受け付けると、記憶された箇所からの再生指示を通信発光部42から発するようにリモコン制御部41は制御を行う。
上述したように第2実施形態に係るカラオケシステム30は、図12(a)に示すモニタ装置32での表示と図12(b)に示すリモコン装置40側での表示により、ユーザは現在の歌唱箇所に応じたフレーズと、全体的な歌詞とを一度に確認できる。また、ユーザは、リモコン装置40側で表示されるフレーズを選択する操作を行えば、カラオケ装置31で所望の箇所からカラオケデータKdの再生を行うことができる。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態で述べたプレーヤプログラムApをインストールした携帯電話器10での処理内容に係る各種変形例の適用が可能である。また、第2実施形態では、リモコン装置40にインターネットのようなネットワークに対する通信機能を設けて、ネットワークから曲検索用データTd及び歌詞データVdを取得するようにして、新たなカラオケ曲に対するデータの更新をネットワーク側で行うようにして、データ更新に係る処理負担を低減した構成にすることも可能である。