JP4462476B2 - 混合顆粒剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、混合顆粒剤の製造方法、詳しくは互いに配合禁忌である薬物を含有した混合顆粒剤の製造方法である。
薬物には、同一製剤中に配合すると薬物の分解促進、薬物の融点降下および製剤の着色変化のような配合変化を生じる、いわゆる配合禁忌の薬物がある。
配合禁忌の薬物を含む顆粒剤を製造する場合、配合変化を防止するために、配合禁忌の薬物を含む2種類以上の顆粒剤を別々に製造し、混合する必要がある。さらに、顆粒剤同士が接触して配合変化するのを防止し、また薬物自身の苦味を抑制するために、顆粒剤の表面に添加剤を被覆する場合がある(以下、添加剤被覆前の顆粒剤を「素顆粒剤」といい、配合禁忌の薬物を含むそれぞれ2種類以上の混合した顆粒剤を「混合顆粒剤」という)。添加剤を被覆した混合顆粒剤を製造する場合、配合変化を防止するために、従来それぞれの素顆粒剤に添加剤を被覆し、添加剤を被覆したそれぞれの顆粒剤を混合していた。また、また特許文献1のように、イソプロピルアンチピリン(IPA)およびIPAの配合禁忌薬物であるアセトアミノフェンの混合顆粒剤を製造するために、IPAおよび配合変化を防止するマスキング剤を配合した顆粒剤とアセトアミノフェンを配合した顆粒剤を混合し、混合顆粒剤としていた。
特開2001−19639号公報
しかしながら、それぞれの素顆粒剤に添加剤を被覆した後、混合して混合顆粒剤を製造する方法においては、時間的にも手間がかかるとともに、製造コストもかかる。また、特許文献1のようにマスキング剤を使用する場合、マスキング剤の調製が必要であり、現実的な製造方法とは言いがたい。したがって、製剤自体に配合変化が生じず、また製造工程が効率化された混合顆粒剤の製造方法が望まれていた。一方、発明者らが実験をした結果、IPAを含有した素顆粒剤およびアセトアミノフェンを含有した素顆粒剤にそれぞれ添加剤を被覆した後、当該顆粒剤を混合すると、薬物含量の偏析が生じた。
今回、意外にも、配合禁忌の薬物を含む素顆粒剤を任意の割合で混合した後、流動させながら、添加剤を被覆した場合、配合変化を生じず、また製造工程が効率化された混合顆粒剤の製造方法を見出し、以下の発明を完成した。
(1)互いに配合禁忌である薬物の混合顆粒剤を製造する方法において、
1.各薬物ごとに同一の造粒方法で別々に2種以上の素顆粒剤を製造し、
2.前記各素顆粒剤を任意の割合で混合し、
3.当該混合した素顆粒剤を流動層造粒機中で流動させながら添加剤を被覆させる
ことを特徴とする、混合顆粒剤の製造方法。
(2)上記工程1の造粒方法が押し出し造粒法であることを特徴とする、上記(1)記載の混合顆粒剤の製造方法。
(3)添加剤が糖質である上記(1)または(2)記載の製造方法。
(4)糖質が単糖類、二糖類または水溶性多糖類からなる群から選択される1または2以上である上記(3)記載の製造方法。
(5)糖質が乳糖である上記(4)記載の製造方法。
本発明は、配合禁忌の薬物を配合した2種以上の素顆粒剤を任意の割合で混合した後、流動層造粒機中で流動させながら、当該顆粒剤表面に添加剤を被覆することによって、製剤自体に配合変化が生じず、また製造工程が効率化された混合顆粒剤を製造することができた。さらに、このような製造方法によって製造された混合顆粒剤は、(1)当該顆粒剤中の薬物の含量偏析が少なく、(2)製剤の経時変化が抑制でき、(3)水溶性の添加剤を被覆した場合、素顆粒剤と同等の溶出性であることを見出した。
本発明製剤に用いられる薬物としては、少なくとも配合禁忌の二種以上の薬物を含んでいる。配合禁忌の薬物として、例えば含糖ペプシンと炭酸水素ナトリウム、アルカロイド塩類と炭酸水素ナトリウム、アスピリンと安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウムとピラツオロン系薬品、ダイオウ末と酸化マグネシウム、イソプロピルアンチピリンとアセトアミノフェン等がある。
本発明の顆粒剤は、一旦配合禁忌等の薬物を含む素顆粒剤をそれぞれ別々に製造した後、混合し、当該素顆粒剤を流動層造粒機中で流動させながら添加剤を被覆することによって、製造する。この添加剤によって、配合禁忌薬物の変性を抑制することができる。また、顆粒剤中に含まれる薬物の苦味を抑制することも可能である。
素顆粒剤表面に被覆する添加剤の一つとして、糖質がある。当該糖質においては、糖類や糖アルコールがあり、当該分野で周知なものを幅広く使用することが可能である。好ましくは、単糖類、二糖類、水溶性多糖類、さらに好ましくは乳糖、白糖、キシリトール、D−マンニトール、より好ましくは乳糖、白糖の1種もしくは2種である。
糖質の被覆量としては、製剤中に5〜70(w/w)%、好ましくは10〜50(w/w)%、より好ましくは20〜40(w/w)%である。この被覆量よりも多ければ、薬物の投与単位の増大および生産効率の低下が見られる可能性がある。逆に、少なければ、配合禁忌薬物同士の接触が認められ、変性を抑制することができない恐れがある。
素顆粒剤表面に被覆する添加剤として上記のような糖質を素顆粒剤に被覆する場合、結合剤を添加した方が好ましい。当該結合剤としては、当該分野で周知なものを幅広く使用することが可能である。具体的には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デキストリン、デンプン、デンプン誘導体、グァーガム、アラビアゴム、トラガント、アルギン酸およびその塩、プルラン、カラギーナン、ゼラチン、寒天、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム等がある。好ましくは メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンであり、さらに好ましくはメチルセルロースである。結合剤の被覆量としては、製剤中に0.1〜10.0(w/w)%、好ましくは0.25〜5.0(w/w)%、さらに好ましくは0.5〜2.0(w/w)%である。この配合量よりも多ければ、コーティング操作中に顆粒剤同士の凝集傾向が認められる可能性がある。一方、少なければ、衝撃による被覆層の摩損・剥離する恐れがある。ただし、白糖のような溶解度の高い添加剤の場合、結合剤を添加していなくても十分な被覆強度(耐磨耗性・剥離性)が得られる場合がある。
糖質を素顆粒剤に被覆する場合、溶液、縣濁液もしくは粉末として添加する。顆粒外に粉末添加する場合、コーティング液中の水分によりその一部が溶解し結合性が得られる場合がある。
素顆粒剤表面に被覆する添加剤として製剤学上許容されるコーティング剤を被覆することも可能である。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等がある。
この他に香料のような製剤学上許容できる添加剤を使用することができる。具体的にはペパーミントオイルやオレンジエッセンス等がある。
また、上記添加剤を被覆する場合、コーティング中や次工程以降の凝集を防止するために、凝集防止剤を添加する場合もある。凝集防止剤としては、当該分野で周知なものを幅広く使用することが可能であり、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム等があり、好ましくは含水二酸化ケイ素である。凝集防止剤の配合量としては、製剤中に0.01〜10(w/w)%、好ましくは0.05〜3(w/w)%、さらに好ましくは0.075〜1(w/w)%である。この配合量よりも多ければ、添加した粉末の結合性が低下し、少なければ、顆粒剤が帯電する恐れがある。
本発明の製剤のうち、素顆粒剤には、賦形剤、結合剤、崩壊剤など製剤学上許容される添加剤を含有しうる。
賦形剤としては、当該分野で周知なものを幅広く使用することが可能であり、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、粉末還元麦芽糖水あめ、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、D−ソルビトール、マルトース、デンプンおよびデンプン誘導体、アスパルテーム、グリチルリチン酸およびその塩、サッカリンおよびその塩、ステビアおよびその塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、リン酸水素カルシウム等がある。好ましい賦形剤は、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプンの1種もしくは2種以上である。
結合剤としては、当該分野で周知なものを幅広く使用することが可能であり、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストリン、デンプンおよびデンプン誘導体、グァーガム、アラビアゴム、トラガント、アルギン酸およびその塩、プルラン、カラギーナン、ゼラチン、寒天、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム等があり、好ましくは ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースの1種もしくは2種以上である。
崩壊剤としては、当該分野で周知なものを幅広く使用することが可能であり、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの1種もしくは2種以上である。
配合禁忌の解熱鎮痛剤であるイソプロピルアンチピリンおよびアセトアミノフェンを配合する場合、解熱鎮痛効果をさらに増強するために、他の薬物を併用してもよい。例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素や無水カフェイン等がある。この場合、一方の顆粒剤にイソプロピルアンチピリンを、他の顆粒剤にアセトアミノフェンを配合すればよく、他の薬物については、いずれかの顆粒剤に配合すればよいが、好ましくは、一方の顆粒剤にイソプロピルアンチピリン、アリルイソプロピルアセチル尿素および無水カフェイン、他方の顆粒剤にアセトアミノフェンを配合すればよい。
混合顆粒剤として、一方の顆粒剤にイソプロピルアンチピリン、アリルイソプロピルアセチル尿素および無水カフェイン、他方の顆粒剤にアセトアミノフェンを配合し、乳糖を被覆する場合、顆粒剤全量に対する各成分の配合量は、一方の顆粒剤中にイソプロピルアンチピリンは5〜30(w/w)%、アリルイソプロピルアセチル尿素は1〜15(w/w)%、無水カフェインは1〜10(w/w)%、賦形剤としての乳糖は1〜15(w/w)%、結合剤であるヒドロキシプロピルセルロースは0.25〜5(w/w)%、素顆粒剤に被覆する乳糖としては5〜30(w/w)%、その乳糖を被覆するための結合剤であるメチルセルロースは0.05〜1(w/w)%である。他方の顆粒剤中にアセトアミノフェンは5〜40(w/w)%、賦形剤としての乳糖は1〜15(w/w)%、ヒドロキシプロピルセルロースは0.25〜5(w/w)%、素顆粒剤に被覆する乳糖としては5〜30(w/w)%、その乳糖を被覆するための結合剤であるメチルセルロースは0.1〜1(w/w)%である。また、上記の各顆粒剤には顆粒剤同士の凝集を防ぐために、含水二酸化ケイ素を0.01〜0.5(w/w)%被覆する。
好ましくは一方の顆粒剤中にイソプロピルアンチピリンは7.5〜25(w/w)%、アリルイソプロピルアセチル尿素は3〜12.5(w/w)%、無水カフェインは2〜7.5(w/w)%、賦形剤としての乳糖は2〜12.5(w/w)%、ヒドロキシプロピルセルロースは0.5〜3(w/w)%、素顆粒剤に被覆する乳糖としては7.5〜25(w/w)%、その乳糖を被覆するための結合剤であるメチルセルロースは0.1〜0.75(w/w)%含有する。他方の顆粒剤中にアセトアミノフェンは7.5〜30(w/w)%、賦形剤としての乳糖は2.5〜12.5(w/w)%、ヒドロキシプロピルセルロースは0.25〜5(w/w)%、素顆粒剤に被覆する乳糖としては7.5〜25(w/w)%、その乳糖を被覆するための結合剤であるメチルセルロースは0.1〜1(w/w)%含有する。また、各顆粒剤には顆粒剤同士の凝集を防ぐために、含水二酸化ケイ素を0.05〜0.4(w/w)%被覆する。
さらに好ましくは一方の顆粒剤中にイソプロピルアンチピリンは10〜20(w/w)%、アリルイソプロピルアセチル尿素は5〜10(w/w)%、無水カフェインは3〜6(w/w)%、賦形剤としての乳糖は5〜10(w/w)%、ヒドロキシプロピルセルロースは1〜2.5(w/w)%、素顆粒剤に被覆する乳糖としては10〜20(w/w)%、その乳糖を被覆するための結合剤であるメチルセルロースは0.25〜0.6(w/w)%含有する。他方の顆粒剤中にアセトアミノフェンは10〜27.5(w/w)%、賦形剤としての乳糖は5〜10(w/w)%、ヒドロキシプロピルセルロースは1.0〜2.5(w/w)%、素顆粒剤に被覆する乳糖としては10〜20(w/w)%、その乳糖を被覆するための結合剤であるメチルセルロースは0.25〜0.6(w/w)%、また、各顆粒剤には顆粒剤同士の凝集を防ぐために、含水二酸化ケイ素を0.075〜0.35(w/w)%被覆する。
素顆粒剤の製造方法としては、当該分野で周知なものを幅広く使用することが可能であるが、具体的には押し出し造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、転動流動造粒法等があり、好ましくは押し出し造粒法である。
押し出し造粒法を行う造粒機としては、スクリュー型押し出し造粒機、ロール型押し出し造粒機、ブレード型押し出し造粒機、自己成形型押し出し造粒機およびラム型押し出し造粒機があるが、好ましくはスクリュー型押し出し造粒機、ブレード型押し出し造粒機である。
各薬物ごとに同一の造粒方法で別々に2種以上の素顆粒剤を製造する場合、配合禁忌である薬物が別々に造粒されるのであれば、各顆粒剤には、配合禁忌でない他の薬物を含んでいてもよい。
素顆粒剤の嵩密度としては、例えば0.35〜0.75g/mL、好ましくは0.40 〜0.65g/mL、さらに好ましくは0.5〜0.63g/mLである。この嵩密度より小さければ、かさ高くなり分包量が増大する恐れがある。また、素顆粒剤の50%粒子径としては、例えば400〜700μm、好ましくは450〜650μm、さらに好ましくは500〜600μmである。この50%粒子径より大きければ、服用性が低下する恐れがあり、小さければコーティング中に顆粒剤が凝集する恐れがある。
素顆粒剤に添加剤を被覆する場合、配合する素顆粒剤の嵩密度差および50%粒子径差が重要な要因となる。素顆粒剤の嵩密度の差としては、0〜30(w/w)%、好ましくは、0〜15(w/w)%、さらに好ましくは0〜10(w/w)%である。この嵩密度差より大きければ、結果的に混合均一性の確保が難しくなる可能性がある。また、50%粒子径の差としては0〜30%、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0〜15%である。この50%粒子径の差より大きければ、混合均一性の確保が難しくなる可能性がある。素顆粒剤に添加剤を被覆する前に、上記となるように、素顆粒剤の造粒、整粒、分級等の造粒加工をする必要がある。
素顆粒剤に添加剤を被覆する方法としては、流動層造粒機(流動層コーティング機)、パン型コーティング機等によって被覆する方法がある。好ましくは流動層造粒機(流動層コーティング機)によって被覆する方法である。流動層コーティング機としては、流動層型コーティング装置、噴流層型コーティング装置および流動転動型コーティング装置があるが、好ましくは流動層コーティング装置である。また、本顆粒剤の製造方法であれば、実験機レベル(顆粒剤の仕込み量1kg程度)での流動層コーティング装置はもちろん、生産機レベル(顆粒剤の仕込み量300kg以上)での流動層コーティング装置でも生産可能である。
流動層コーティング装置によって、配合禁忌の薬物を含む2種以上の素顆粒剤に、例えば乳糖の溶液または懸濁液を被覆する場合、当該素顆粒剤を流動層造粒機中で流動させながら、乳糖の溶液または懸濁液を噴霧し、素顆粒剤の表面に乳糖を被覆すれば、混合顆粒剤を製造することができる。特に、押し出し造粒法で素顆粒剤を製造し、その素顆粒剤の表面に上記流動コーティング装置によって乳糖を被覆すればよい。流動層造粒機で乳糖を被覆する条件として、給気温度は58〜78℃、噴霧圧空圧は0.2〜0.7MPa、スプレーノズルの孔径は1〜3mmである。
上記方法によって、添加剤を被覆した混合顆粒剤の嵩密度は、例えば0.55〜0.75g/mL、50%粒子径は450〜650μmとなる。また、当該混合顆粒剤中の薬物含量の標準偏差は、例えば5%以内、好ましくは4%以内、より好ましくは3%以内とすることができる。
乳糖を被覆した本発明顆粒剤を経時保存した場合、当該顆粒剤の外観は、ほとんど変化しない。具体的には、2ヶ月以上、好ましくは4ヶ月以上、より好ましくは6ヶ月以上40℃、相対湿度75%以上で経時保存しても粒剤の外観は、変化はみられない。
乳糖を被覆した顆粒剤は、被覆しなかった顆粒剤に比べ、薬物の溶出性が低下する場合がある。しかしながら、本発明顆粒剤は、乳糖を被覆しない顆粒剤に比べても、ほとんど溶出率が変化しない。具体的には、乳糖を被覆しない顆粒剤と乳糖を被覆した顆粒剤の10分の溶出率の差は10%以内である。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限するものではない。
(実施例1、比較例1)
表1に記載した処方で、実施例1および比較例1の製剤を製造する。
A.素顆粒剤の製造
1)原料
製剤の製造に用いた原料を挙げる。薬物として、日本薬局方第十四改正収載のイソプロピルアンチピリン(IPA)、無水カフェイン(CAF)およびアセトアミノフェン(AA)、アリルイソプロピルアセチル尿素(AU)を用いた。また、副原料である乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL、日本曹達)は、日本薬局方第十四改正に収載品を用いた。
2)製造法
押し出し造粒法によって、素顆粒剤を製造した。表1に示す所定の割合のイソプロピルアンチピリン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、乳糖、HPC−SLに水、もしくは希釈したアルコール液を加え、攪拌造粒機で練合し、練合物を押出し造粒機(円筒孔径:0.5mm)で造粒した。その後、棚式乾燥機もしくは流動層乾燥機によって乾燥し、20号スクリーンで整粒後、16号および42号のスクリーンによって分級して素顆粒剤を製造した。一方、アセトアミノフェンを含む素顆粒剤も、表1に示す所定の割合のアセトアミノフェン、乳糖、HPC−SLに水もしくは希釈したアルコール液をくわえ、上記と同様に素顆粒剤を製造した。
なお、製造した素顆粒剤のうち、イソプロピルアンチピリンを含有する素顆粒剤の嵩密度は0.60g/mL、50%粒子径は537μm、アセトアミノフェンを含有する素顆粒剤の嵩密度は0.57g/mL、50%粒子径は503μmであった。よって、それぞれの素顆粒剤の嵩密度の差は、(0.6−0.57)/0.57×100=5.3(w/w)%、50%粒子径の差は、(537−503)/503×100=6.8%であった。
B.乳糖被覆顆粒剤の製造(1kg程度の素顆粒剤を被覆する場合)
素顆粒剤の表面に乳糖を被覆する造粒機として、素顆粒剤を1kg程度被覆できる流動層造粒機を用いた(以下この流動層造粒機を「実験機」という)。
1)原料
製剤の製造に用いた原料を挙げる。副原料である乳糖、メチルセルロースは、日本薬局方第14改正に収載されているものを用いた。また、含水二酸化ケイ素は医薬品添加物規格収載品を用いた。
2)製造法
(実施例1)
薬物としてイソプロピルアンチピリン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェインを含む素顆粒剤、薬物としてアセトアミノフェンを含む素顆粒剤およびメチルセルロースを表1の配合量で流動層造粒機にいれ、流動させながら、当該素顆粒剤の表面に加温溶解した55(w/w)%の乳糖液を表1の配合量で下記表2の条件で被覆した。その後、16号および42号のスクリーンで顆粒剤を分級、42号スクリーン上に残留した顆粒剤をV型混合機にいれ、含水二酸化ケイ素を所定量加え、3分間混合(30rpm、仕込み量2.5kg)し、混合顆粒剤を製造した。
(比較例1)
薬物としてイソプロピルアンチピリン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェインを含む素顆粒剤とメチルセルロースを表1の配合量で流動層造粒機にいれ、流動させながら、当該素顆粒剤の表面に、加温溶解した55(w/w)%の乳糖液を表1の配合量で下記表2の条件で被覆した(以下、この顆粒剤をA顆粒剤という)。同様に、薬物としてアセトアミノフェンを含む素顆粒剤とメチルセルロースを表1の配合量で流動層造粒機にいれ、流動させながら、当該素顆粒剤の表面に、加温溶解した55(w/w)%の乳糖液を表1の配合量で下記表2の条件で被覆した(以下、この顆粒剤をB顆粒剤という)。その後、16号および42号のスクリーンでA、Bそれぞれの顆粒剤を分級した。42号スクリーン上に残留した同量のA、B顆粒剤および所定量の含水二酸化ケイ素をV型混合機にいれ、3分間混合(30rpm、仕込み量2.5kg)し、混合顆粒剤を製造した。
Figure 0004462476
Figure 0004462476
C.乳糖被覆顆粒剤の製造(25kg程度の素顆粒剤を被覆する場合)
素顆粒剤の表面に乳糖を被覆する造粒機として、素顆粒剤を25kg程度被覆できる流動層造粒機を用いた(以下この流動層造粒機を「中型機」という)。顆粒剤の製造法は、上記実施例1および比較例1の方法に準ずる。なお、乳糖被覆における中型機の被覆条件は表3に、混合は100LV型混合機で15分間実施し、顆粒剤のサンプリングは収缶後実施した。

Figure 0004462476
D.薬物含量の測定
1.薬物含量の測定法
1)試料採取法
V型混合機内における6点のサンプリング部位から槍式サンプラーを用い、約1.8
gの顆粒剤をサンプリングし、顆粒剤中の薬物含量を測定した。なお、中型機は、顆粒
剤を収納した缶の上層、下層をそれぞれサンプリングした。
2)定量法
サンプリングした顆粒剤を全量精密に量り、溶解、希釈後、以下に示した条件の液体
クロマトグラフ法により、それぞれのピーク面積を測定する。
Figure 0004462476
At:試料溶液の内標準物質に対する有効成分のピーク面積比
As:標準溶液の内標準物質に対する有効成分のピーク面積比
Ws:標準品の秤取量(mg)
3)HPLC条件
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nmおよび254nm )
・カラム:Symmetry ShieldTM RP18(3.5μm), 4.6mmφ×100mm(Waters製)
・カラム温度:45℃付近の一定温度
・移動相:表4のタイムテーブルに従った蒸留水/メタノールの混液を送液した。
Figure 0004462476
・移動相の流量:1.0mL/分

4)薬物含量の計算法
Figure 0004462476
5)薬物含量の標準偏差の計算法
Figure 0004462476
2.製造後の混合顆粒剤の状態
イソプロピルアンチピリンおよびアセトアミノフェンを混合した場合、40℃、相対湿度75%の環境下で、融点降下等による外観変化を引き起こす。しかしながら、実験機、中型機によって製造した実施例1の混合顆粒剤は、変性を生じなかった。したがって、素顆粒剤を混合し、流動層造粒機で添加剤を被覆しても、変性等を生じず、混合顆粒剤を製造できることが明らかとなった。
3.薬物含量測定の結果
実験機、中型機で製造した混合顆粒剤の薬物含量を測定した結果を以下の表5および表6に示す。
Figure 0004462476
Figure 0004462476
比較例1の顆粒剤は、薬物含量のばらつきが大きく、含量の標準偏差が5%以上であった。一方、実施例1の顆粒剤は実験機、中型機とも薬物含量のばらつきが小さく、含量の標準偏差は3%以内となった。このように、異なった薬物を含有する2種の素顆粒剤を流動させながら、添加剤を被覆すると、薬物含量の標準偏差が小さくなることが明らかとなった。
スケールアップしても、薬物含量の標準偏差が小さい顆粒剤を製造できることが明らかとなったので、以下のデータは、中型機で製造した乳糖を被覆した混合顆粒剤(実施例1、比較例1)のデータを示す。
E.嵩密度および50%粒子径の測定
1.測定法
1)嵩密度
嵩密度は、標準篩台付の100mL容器に顆粒剤をいれ、その顆粒剤の重量を測定し た。
2)50%粒子径
電磁式ふるい振とう機(振幅:1.5mm、標準篩:22、26、30、36、42
号)により5分間振とう後、篩残量を測定し、50%質量に相当する粒子径を算出し た。
2.実験結果
結果は表7に示す。実施例1、比較例1の顆粒剤ともほぼ同じであった。
Figure 0004462476
F.外観変化の観察
1.供試した顆粒剤
乳糖を被覆した実施例1の混合顆粒剤および実施例1の素顆粒剤を試験に供試した。
2.測定法
40℃、相対湿度75%の状態で2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月間保存し、顆粒剤の外観を目視確認した。
3.実験結果
乳糖を被覆しない素顆粒剤の場合、経時保存1ヶ月以内に、顆粒剤の一部が半透明に変化した。一方、乳糖を被覆した実施例1の顆粒剤では6ヶ月保存しても、外観に変化が生じなかった。
G.溶出性測定
1.供試した顆粒剤
乳糖を被覆した実施例1の混合顆粒剤および実施例1の素顆粒剤を試験に供試した。
2.測定法
検体約1gを精密に量り、蒸留水900mLを試験液に用い、日局溶出試験第2法(パドル法)により毎分50回転で試験を行う(溶出試験器:富山産業製 NTR−6100)。溶出試験開始後5、10、15、20、30分後に溶出試験液をサンプリングし、液体クロマトグラフ法により測定する。本品の溶出率は以下の式により求める。
Figure 0004462476

3.実験結果
上記測定したそれぞれの薬物の溶出率結果を図1〜図4に示す。
その結果、乳糖を被覆した場合、乳糖を被覆しない顆粒剤からの薬物の溶出率は、ほぼ同じであり、溶出試験開始10分後の溶出率の差は、5%以内と極めて小さかった。すなわち、乳糖を顆粒剤に被覆しても、溶出率の低下は認められなかった。
素顆粒剤および乳糖を被覆した顆粒剤からの無水カフェインの溶出挙動 素顆粒剤および乳糖を被覆した顆粒剤からのアリルイソプロピルアセチル尿素の溶出挙動 素顆粒剤および乳糖を被覆した顆粒剤からのイソプロピルアンチピリンの溶出挙動 素顆粒剤および乳糖を被覆した顆粒剤からのアセトアミノフェンの溶出挙動

Claims (5)

  1. 互いに配合禁忌であるイソプロピルアンチピリンとアセトアミノフェンを含有する混合顆粒剤を製造する方法において、
    (1)同一の造粒方法で別々に2種以上のイソプロピルアンチピリンを含有する素顆粒剤とアセトアミノフェンを含有する素顆粒剤を製造し、
    (2)前記各素顆粒剤を任意の割合で混合し、
    (3)当該混合した素顆粒剤を流動層造粒機中で流動させながら添加剤を被覆させる
    ことを特徴とする、混合顆粒剤の製造方法。
  2. 上記工程(1)の造粒方法が押し出し造粒法であることを特徴とする、請求項1記載の混合顆粒剤の製造方法。
  3. 添加剤が糖質である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 糖質が単糖類、二糖類または水溶性多糖類である請求項3記載の製造方法。
  5. 糖質が乳糖である請求項4記載の製造方法。
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