JP4461725B2 - ホログラム記録材料、その製造方法及びホログラム記録媒体 - Google Patents

ホログラム記録材料、その製造方法及びホログラム記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体積型ホログラム記録に適したホログラム記録材料、その製造方法、及び前記ホログラム記録材料を有するホログラム記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
大容量、高速転送を可能とする記録技術として、ホログラフィックメモリーの研究開発が進められている。O plus E, Vol. 25, No. 4, 385-390 (2003)には、ホログラフィックメモリーの基本構成及び今後の展望が記載されている。
【0003】
ホログラム記録材料に求められる特性として、記録の際の高い屈折率変化、高感度、低散乱、耐環境性、耐久性、低寸法変化、及び高多重度等が挙げられる。ホログラム記録材料として、有機バインダーポリマーと光重合性モノマーとを主成分とするフォトポリマー材料が知られている。しかしながら、フォトポリマー材料は、耐環境性、耐久性等において問題がある。フォトポリマー材料の問題点を解決するために、無機マトリックスと光重合性モノマーとを主成分とする有機−無機ハイブリッド材料が注目され検討されている。無機マトリックスは、耐環境性、耐久性に優れる。
【0004】
例えば、特許2953200号公報には、無機物質ネットワークの膜中に、光重合性モノマー又はオリゴマー、及び光重合開始剤を含む光記録用膜が開示されている。また、無機ネットワークを有機修飾して、無機ネットワーク膜の脆さを改善することも開示されている。しかしながら、無機物質ネットワークと光重合性モノマー又はオリゴマーとの相溶性は良くない。そのため、均一な膜は得られにくい。特に、高多重度を達成するために必要な100μm以上の膜厚とする場合には、均一な膜の形成は困難である。膜の不均一は光散乱の問題を生じ、100μm以上の膜厚の場合には、光散乱は非常に大きな問題となる。すなわち、光散乱によってホログラム記録材料の透過率が低下し、また散乱光によって記録データのノイズを生じることとなる。同号公報では、100μm以上の膜厚における散乱などの記録特性について検討されていない。
【0005】
特開平11−344917号公報には、有機−無機ハイブリッドマトリックス中に光活性モノマーを含む光記録媒体が開示されている。前記有機無機ハイブリッドマトリックスは、金属元素にアルキル基(メチル基)又はアリール基(フェニル基)を有する。しかしながら、メチル基の導入によっては、ハイブリッドマトリックスと光活性モノマーとの相溶性を改善できない。フェニル基の導入は、メチル基の導入よりは相溶性の改善が得られる。しかし、フェニル基の導入によって、ハイブリッドマトリックス前駆体の硬化速度が低下し(同号公報[0015])、またハイブリッドマトリックスの屈折率が高くなる。ハイブリッドマトリックスの屈折率が高くなり、光活性モノマーやその重合物の屈折率に近づくと、記録に際して高い屈折率変化が得られにくい。このことは、記録媒体設計の自由度を狭める。
【0006】
特開2002−236439号公報には、主鎖構成成分としてエチレン性不飽和二重結合を含有する有機金属化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する有機モノマーとを共重合させてなる有機−無機ハイブリッドポリマーの加水分解重縮合物からなるマトリックス、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含むホログラム記録材料が開示されている。大きな有機主鎖成分をマトリックス材料に導入することにより、マトリックスと光重合性化合物との相溶性は改善される。しかしながら、大きな有機主鎖成分の導入は、マトリックス材料中に有機主鎖と無機ネットワークの二成分構造が存在することになり、記録の際のマトリックスとしての単一の挙動を示さない可能性があり、記録の不均一を起こすことが考えられる。また、マトリックス中の有機主鎖成分の割合が大きいと、有機バインダーポリマーを用いたフォトポリマー材料におけるのと同じ問題が生じる。
【0007】
【非特許文献1】
O plus E, Vol. 25, No. 4, 385-390 (2003)
【特許文献1】
特許2953200号公報
【特許文献2】
特開平11−344917号公報
【特許文献3】
特開2002−236439号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、高い屈折率変化、高感度、低散乱、耐環境性、耐久性、低寸法変化、及び高多重度が達成される、体積型ホログラム記録に適したホログラム記録材料を提供することにある。また、本発明の目的は、前記ホログラム記録材料の製造方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、前記ホログラム記録材料を有するホログラム記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、金属酸化物マトリックス中にハロゲン含有有機基を導入することによって、マトリックスと光重合性化合物との相溶性、及びマトリックスと記録に際して生成する有機ポリマーとの相溶性が著しく改善されたホログラム記録材料が得られることを見いだした。
【0010】
本発明は、金属酸化物マトリックス及び光重合性化合物を含むホログラム記録材料であって、
前記金属酸化物マトリックスは、金属アルコキシド化合物の加水分解及び重合反応によって形成された硬化物であり、前記金属アルコキシド化合物には、一般式(1):
(R H )m M(OR)n (1)
(ここで、R H はハロゲン含有有機基を表し、Rはアルキル基を表し、MはSi、Al、Ti、Zr、Zn、In及びSnからなる群から選ばれる金属原子を表し、mは1又は2を表し、m+nは金属原子Mの価数を表す。)
で表されるハロゲン含有有機基を有している金属アルコキシド化合物が含まれる、ホログラム記録材料である。
【0011】
本発明は、前記ハロゲン含有有機基は、ハロゲン化炭化水素基である、前記のホログラム記録材料である。
【0013】
本発明は、金属酸化物マトリックスは、ケイ素の酸化物を主成分とする、前記のホログラム記録材料である。
【0014】
本発明は、前記光重合性化合物は、芳香族環を有する、前記のホログラム記録材料である。
【0015】
本発明は、さらに光重合開始剤を含む、前記のホログラム記録材料である。
【0016】
また、本発明は、一般式(1):
(RH )m M(OR)n (1)
(ここで、RH はハロゲン含有有機基を表し、Rはアルキル基を表し、MはSi、Al、Ti、Zr、Zn、In及びSnからなる群から選ばれる金属原子を表し、mは1又は2を表し、m+nは金属原子Mの価数を表す。)
で表されるハロゲン含有有機基を有している金属アルコキシド化合物を含む金属アルコキシド化合物を加水分解させ、金属酸化物マトリックスの前駆体を得る工程と、
前記加水分解の前又は後において、光重合性化合物を混合する工程と、
光重合性化合物が混合された金属酸化物マトリックス前駆体を硬化させ、金属酸化物マトリックスを形成する工程とを含む、ホログラム記録材料の製造方法である。
【0017】
さらに、本発明は、前記のホログラム記録材料を有する、ホログラム記録媒体である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のホログラム記録材料は、金属酸化物マトリックス及び光重合性有機化合物を必須成分として含み、前記金属酸化物マトリックスはハロゲン含有有機基で修飾されている。金属酸化物マトリックスは網目状のネットワーク構造であり、このネットワーク内に光重合性有機化合物が含有される。
【0019】
フィルム状とされたこのホログラム記録材料に干渉性のある光を照射すると、露光部では光重合性有機化合物が重合反応を起こしポリマー化すると共に、未露光部から光重合性有機化合物が露光部へと拡散移動し、さらに露光部のポリマー化が進む。この結果、光強度分布に応じて光重合性有機化合物から生じたポリマーの多い領域とポリマーの少ない領域とが形成される。この際、前記ポリマーの多い領域から金属酸化物マトリックスが前記ポリマーの少ない領域に移動して、前記ポリマーの多い領域は金属酸化物マトリックスの少ない領域となり、前記ポリマーの少ない領域は金属酸化物マトリックスの多い領域となる。このようにして、露光によりポリマーの多い領域と金属酸化物マトリックスの多い領域とが形成され、ポリマーと金属酸化物マトリックスとの間に屈折率差があるとき、光強度分布に応じて屈折率変化が記録される。
【0020】
ホログラム記録材料において、有機ポリマーと金属酸化物マトリックスの両者の屈折率の高低については、どちらを高くしてどちらを低く設計してもよい。一般に、ケイ素酸化物を主成分とする金属酸化物マトリックスの屈折率は有機ポリマーの屈折率よりも低く、金属酸化物マトリックスを低屈折率として、有機ポリマーを高屈折率とするとよい。しかしながら、金属酸化物マトリックスを高屈折率として、有機ポリマーを低屈折率としてもよい。
【0022】
本発明における金属酸化物マトリックスは、金属アルコキシド化合物の加水分解及び重合反応、いわゆるゾル−ゲル反応によって形成される。本発明のホログラム記録材料において、金属酸化物マトリックス中にハロゲン含有有機基を導入するために、金属アルコキシド化合物の成分として、一般式(1):
(RH )m M(OR)n (1)
で表される金属アルコキシド化合物を用いる。ここで、RH はハロゲン含有有機基を表し、Rはアルキル基を表し、Mは金属原子を表し、mは1又は2を表し、m+nは金属原子Mの価数を表す。RH はmにより異なっていても良く、Rはnにより異なっていても良い。
【0023】
金属原子Mは、Si、Al、Ti、Zr、Zn、In及びSnからなる群から選ばれる。これらのうち、Siが好ましい。
【0024】
H が表すハロゲン含有有機基は、例えばハロゲン化炭化水素基、特にハロゲン化アルキル基である。ハロゲンとしては塩素が好適であり、塩化炭化水素基として、クロロメチル基(−CH2Cl )、ジクロロメチル基(−CHCl2 )、クロロプロピル基(−CH2CH2CH2Cl )、クロロブチル基(−CH2CH2CH2CH2Cl)、3−クロロブチル基(−CH2CH2CHClCH3 )、1,2−ジクロロエチル基(−CHClCH2Cl )等の塩化アルキル基が例示される。ハロゲン化アルキル基の炭素数は、限定されないが、通常1〜4程度である。
【0025】
また、ハロゲン化炭化水素基として、上記の塩化炭化水素基の他に、ブロモメチル基(−CH2Br )、ブロモプロピル基(−CH2CH2CH2Br )等の臭化アルキル基が例示され、ヨードプロピル基(−CH2CH2CH2I)等の沃化アルキル基が例示される。また、クロロブロモメチル基(−CHClBr)等の塩臭化アルキル基が例示される。金属酸化物マトリックスを高屈折率化させたい場合などには、ハロゲンとして臭素や沃素を用いるとよい。
【0026】
また、RH が表すハロゲン含有有機基には、クロロエチルオキシメチル基(−CH2OCH2CH2Cl)のようなエーテル結合含有基、クロロフェニル基(−C6H4Cl)のようなハロゲン化芳香族基も含まれる。
【0027】
Rが表すアルキル基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、 メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基等が挙げられる。
【0028】
前記一般式(1)で表される金属アルコキシド化合物はハロゲン含有有機基を有しているため、これを用いて得られる金属酸化物マトリックスは、光重合性化合物との相溶性に非常に優れると共に、記録の際には、この光重合性化合物の重合により生成した有機ポリマーとの相溶性にも非常に優れる。
【0029】
本発明において、前記一般式(1)で表される金属アルコキシド化合物の他に、ハロゲン含有有機基を有していない通常の金属アルコキシド化合物を用いる。この金属アルコキシド化合物は、一般式(2):
(R1 )m M(OR2 )n (2)
で表される。ここで、R1 はアルキル基又はアリール基を表し、R2 はアルキル基を表し、Mは金属原子を表し、mは0、1又は2を表し、m+nは金属原子Mの価数を表す。R1 はmにより異なっていても良く、R2 はnにより異なっていても良い。
【0030】
金属原子Mは、Si、Al、Ti、Zr、Zn、In及びSnからなる群から選ばれる。これらのうち、Siが好ましい。
【0031】
1 及びR2 が表すアルキル基は通常、炭素数1〜4程度の低級アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基等が挙げられる。R1 が表すアリール基としては、フェニル基が挙げられる。
【0032】
一般式(2)の金属アルコキシド化合物のうち、ケイ素化合物の具体例としては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン等が挙げられる。
【0033】
これらのケイ素化合物のうち、好ましいものとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0034】
また、本発明において、必要に応じて、ゲル化後のマトリックスの硬さ、柔軟性などの調整のために、上記式(2)のn=2のケイ素化合物を用いることもある。このようなものとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0035】
本発明において、全体の金属アルコキシド化合物における一般式(1)の金属アルコキシド化合物の使用量は、マトリックスのネットワーク構成及び光重合性有機化合物の含有量にもよるので一概には言えないが、全体の金属アルコキシド化合物1molに対して、一般式(1)の金属アルコキシド化合物を例えば0.05〜1mol、好ましくは0.1〜1molとするとよい。また、その他の製法で金属酸化物マトリックスを作成した場合も、RH で表されるハロゲン含有有機基の量は、金属酸化物マトリックス末端基の0.05〜1当量とするとよい。
【0036】
光重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の中から選ばれる化合物を用いることができる。
【0037】
ラジカル重合性化合物としては、分子内に1つ以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するものであれば特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基を有する化合物を用いることができる。
【0038】
このようなラジカル重合性化合物のうち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス〔4-(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0039】
また、ビニル基を有する化合物としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0040】
ラジカル重合性化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。芳香族環を有するものを用いると、より高屈折率の有機ポリマーが得られる。ケイ素酸化物を主成分とする低屈折率の金属酸化物マトリックスとの屈折率の差が得られやすく好ましい。また、光重合性化合物として、上記例示のラジカル重合性化合物のオリゴマーを用いてもよい。
【0041】
カチオン重合性化合物としては、環状エーテル基及びビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基を有するものであれば、特にその構造は限定されない。
【0042】
このようなカチオン重合性化合物のうち、環状エーテル基を有する化合物としては、例えばエポキシ基や脂環エポキシ基、オキセタニル基を有する化合物が挙げられる。
【0043】
エポキシ基を有する化合物として、具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂類、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0044】
また、脂環エポキシ基を有する化合物として、具体的には、2,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5- スピロ-3,4- エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂)等が挙げられる。
【0045】
オキセタニル基を有する化合物として、具体的には、1,4-ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,3-ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0046】
カチオン重合性化合物のうち、ビニルエーテル基を有する化合物として、具体的には、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、シクロヘキサン-1,4- ジメチロールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、ポリエステルジビニルエーテル、ポリウレタンポリビニルエーテル等が挙げられる。
【0047】
カチオン重合性化合物の1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。芳香族環を有するものを用いると、より高屈折率の有機ポリマーが得られる。ケイ素酸化物を主成分とする低屈折率の金属酸化物マトリックスとの屈折率の差が得られやすく好ましい。また、光重合性化合物として、上記例示のカチオン重合性化合物のオリゴマーを用いてもよい。
【0048】
本発明において、光重合性化合物は、硬化後の金属酸化物マトリックスの重量に対して、例えば10〜1000重量%程度、好ましくは50〜500重量%用いるとよい。10重量%未満では、記録の際に大きな屈折率変化を得られにくく、1000重量%を超えた場合も、記録の際に大きな屈折率変化を得られにくい。
【0049】
本発明において、ホログラム記録材料は、さらに記録光の波長に対応する光重合開始剤が含まれることが好ましい。光重合開始剤が含まれていると、記録の際の露光により光重合性化合物の重合が促進され、より高感度が得られるようになる。
【0050】
光重合性化合物としてラジカル重合性化合物を用いた場合には、光ラジカル開始剤を用いる。一方、光重合性化合物としてカチオン重合性化合物を用いた場合には、光カチオン開始剤を用いる。
【0051】
光ラジカル開始剤としては、例えば、ダロキュア1173、イルガキュア784 、イルガキュア651 、イルガキュア184 、イルガキュア907 (いずれもチバスペシャルティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。光ラジカル開始剤の含有量は、例えば、ラジカル重合性化合物を基準として0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度である。
【0052】
光カチオン開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩を用いることができ、特に、芳香族オニウム塩を用いることが好ましい。その他、フェロセン誘導体等の鉄−アレーン錯体や、アリールシラノール−アルミニウム錯体等も好ましく用いることができ、これらの中から適宜選択するとよい。具体的には、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990(いずれも米国ダウケミカル社製)、イルガキュア264 、イルガキュア250 (いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)、CIT−1682(日本曹達製)等が挙げられる。光カチオン開始剤の含有量は、例えば、カチオン重合性化合物を基準として0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜5重量%程度である。
【0053】
光重合開始剤には、開始剤の他に記録光波長に対応した増感剤となる色素などが含有されることが好ましい。
【0054】
光重合開始剤は、記録の後、ホログラム記録の安定化のために分解処理されることが好ましい。通常、記録後の十分な光照射によって分解処理される。
【0055】
次に、ホログラム記録材料の製造について説明する。
まず、前記一般式(1)で表される金属アルコキシド化合物と、前記一般式(2)で表される金属アルコキシド化合物とを所定割合で含む金属アルコキシド混合物を加水分解及び重合させ、金属酸化物マトリックスの前駆体を得る。
【0056】
この加水分解重合反応は、公知のゾル−ゲル法におけるのと同様の操作及び条件で実施することができる。例えば、所定割合の一般式(1)の金属アルコキシド化合物と一般式(2)の金属アルコキシド化合物を、適当な良溶媒に溶かして均一溶液として、その溶液に適当な酸触媒を滴下し、水の存在下で溶液を攪拌することにより、反応を行うことができる。
【0057】
このような溶媒としては、例えば、水; メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類; ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類; N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、ベンゼン等が挙げられる。これらの中から適宜選択すればよいが、アルコール類が好ましい。あるいはこれらの混合溶媒とすることもできる。溶媒の量は、限定されないが、金属アルコキシド化合物全体100重量部に対して10〜1000重量部とするとよい。
【0058】
また、酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸; ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸等が挙げられる。
【0059】
加水分解重合反応は、金属アルコキシド化合物の反応性にもよるが、一般に室温でも行うことができ、0〜150℃程度の温度、好ましくは室温〜50℃程度の温度で行うことができる。反応時間は、反応温度との関係で適宜定めればよいが、1〜240時間程度である。また、反応は、窒素ガス等の不活性雰囲気下で行ってもよく、0.5〜1気圧程度の減圧下で、重合反応で生成するアルコールを除去しながら行ってもよい。
【0060】
前記加水分解の前又は後において、光重合性有機化合物を混合する。光重合性有機化合物と金属アルコキシド化合物は、加水分解後混合しても良いし、加水分解前に混合しても良い。加水分解後に混合する場合には、均一に混合するために、金属酸化物マトリックス前駆体がゾルの状態で、光重合性有機化合物を添加混合することが好ましい。また、光重合開始剤の混合も、前記加水分解の前又は後において行うことができる。
【0061】
光重合性有機化合物が均一に混合されたゾル状態の金属酸化物マトリックス前駆体を硬化させ、金属酸化物マトリックスを形成する。光重合性有機化合物の均一混合後に、溶媒の乾燥及びアルコキシドの重合反応を経ることで、金属酸化物マトリックスネットワークに光重合性有機化合物、及び任意成分として光重合開始剤が含有されたホログラム記録材料が作成される。前記ゾル状態の金属酸化物マトリックス前駆体を基板上に塗布し、乾燥、硬化させることにより、フィルム状のホログラム記録材料が作成される。
【0062】
本発明においては、金属酸化物マトリックス原料成分としてハロゲン含有有機基を有する一般式(1)の金属アルコキシド化合物を用いているため、上述のホログラム記録材料製造のいずれの段階においても、光重合性化合物との相溶性に非常に優れる。すなわち、ゾル状態の金属酸化物マトリックス前駆体と光重合性化合物との相溶性に非常に優れ、硬化後の金属酸化物マトリックスと光重合性化合物との相溶性にも非常に優れている。
【0063】
本発明のホログラム記録材料を用いることで、データストレージに適した100μm以上の記録膜厚みをもつホログラム記録媒体を得ることができる。ホログラム記録媒体は、ガラスや樹脂などの基板上にフィルム状のホログラム記録材料を形成したり、あるいは、フィルム状のホログラム記録材料を基板間に挟み込むことにより作成できる。ホログラム記録媒体の記録膜厚みとしては、10μm〜5mmであり、高多重度を有しデータストレージに適するためには、100μm以上が好ましい。
【0064】
本発明のホログラム記録媒体によれば、記録膜は均一であるので、光散乱の問題は起こらない。さらに、記録に際して、露光部において光重合性有機化合物はポリマー化されるが、金属酸化物マトリックスはハロゲン含有有機基を有しているため、金属酸化物マトリックスとポリマーとの相溶性にも非常に優れている。このため、本発明のホログラム記録媒体によれば、記録時や記録後においても、十分な相溶性が確保され、光散乱や透過率低下の問題は起こらない。一般的に、光重合性有機化合物(モノマー)よりもそれからのポリマーの方が、金属酸化物マトリックスとの相溶性が低下する。
【0065】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0066】
[実施例1]
ゾル−ゲル法を用いて以下の手順で、ホログラム記録材料を作成した。
【0067】
(金属酸化物マトリックス)
テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)6.2gと、クロロプロピルトリエトキシシラン(ClC3H6-Si(OC2H5)3 )3.6gとを溶媒中(テトラヒドロフラン5mL)で混合し、アルコキシド溶液とした。モル比で Si(OC2H5)4 : ClC3H6-Si(OC2H5)3 =2:1であった。水1.5mL、1N塩酸水溶液0.5mL、及び溶媒(イソプロパノール5mL)からなる溶液を、前記アルコキシド溶液に攪拌しながら室温で滴下し、6時間攪拌を続け加水分解反応を行った。このようにして、クロロプロピル基を導入したケイ素酸化物のゾル溶液を得た。
【0068】
(光重合性有機化合物)
芳香族環をもつ高屈折率モノマーとして、フェノキシエチルアクリレート(新中村化学製、AMP−10G)50重量部と、2,2-ビス〔4-(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン(新中村化学製、A−BPE−4)50重量部とを混合した。これに光重合開始剤として、IRG−784(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ)3重量部を加え、混合した。
【0069】
(ホログラム記録材料溶液)
最終的なマトリックス材料と光重合性有機化合物材料の重量比が1:2となるように、前記ケイ素酸化物のゾル溶液と光重合性有機化合物とを室温にて混合し、黄色透明なホログラム記録材料溶液を得た。
【0070】
(ホログラム記録材料)
片面に反射防止膜が設けられたガラス基板の反射防止膜が設けられていない面上に、ホログラム記録材料溶液を乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、室温で24時間乾燥し、溶媒を揮発させた。この乾燥工程により、金属酸化物のゲル化(重合反応)を進め、金属酸化物マトリックスネットワーク内に光重合性有機化合物を含有させた有機−無機ハイブリッドホログラム記録材料膜を得た。
【0071】
(ホログラム記録媒体)
ホログラム記録材料膜が形成されたガラス基板の端部上に100μm厚みのスペーサをおき、ホログラム記録材料膜上を片面に反射防止膜が設けられた別のガラス基板でカバーした。この際、ガラス基板の反射防止膜が設けられていない面が記録材料膜面と接するようにカバーした。このようにして、ホログラム記録材料膜を2枚のガラス基板で挟んだ構造をもつホログラム記録媒体を得た。
【0072】
(特性評価)
得られたホログラム記録媒体サンプルについて、図1に示すようなホログラム記録光学系において、特性評価を行った。
【0073】
図1のホログラム記録光学系において、Nd:YAGレーザ(532nm)の光源1を用い、この光源1から発振した光を、コリメータ2、ピンホール3、シャッター4及びコリメータ5によって空間的にフィルタ処理しコリメートし、ビームスプリッター8で分割し、ホログラム記録媒体サンプル11に対する2光束の入射角合計θが36.9°となるようにし、サンプル11で2光束の干渉を記録した。ホログラムはサンプル11を水平方向に回転させ、角度多重化して記録した(サンプル角度−7.5°〜+7.5°,角度間隔3 °,6枚多重)。ホログラム記録後、残留する未反応成分を反応させるため1光束のみで十分な光を照射した。再生はシャッター9を用い、1光束のみ照射して、サンプル11を回転しながら回折率をパワーメータ12で測定した。なお、図1において、ミラー6,7,10である。
【0074】
このとき、ダイナミックレンジ:M#(回折効率の平方根の和)は、1.6と高い値が得られた。また、記録前後の532nmの透過率に変化は見られなかった。
【0075】
[比較例1]
テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)6.2gと、メチルトリエトキシシラン(CH3-Si(OC2H5)3)2.7gを溶媒中(テトラヒドロフラン5mL)で混合し、アルコキシド溶液とした。モル比で Si(OC2H5)4 : CH3-Si(OC2H5)3 =2:1であった。金属酸化物マトリックス原料をこのこように変更した以外は、実施例1と同様にしてケイ素酸化物のゾル溶液を得た。
【0076】
得られたメチル基を導入したケイ素酸化物ゾル溶液と、実施例1で用いたのと同じ光重合性有機化合物とを、最終的なマトリックス材料と光重合性有機化合物材料の重量比が1:2となるように室温にて混合したところ、溶け合わずに白濁した。
【0077】
このホログラム記録材料溶液を、実施例1と同様にしてガラス基板上に塗布し、乾燥すると、マトリックス材料と有機化合物が分離し、ハイブリッド化することができず、ホログラム記録もできなかった。
【0078】
[比較例2]
テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)6.2gと、フェニルトリエトキシシラン(C6H5-Si(OC2H5)3 )3.6gを溶媒中(テトラヒドロフラン5mL)で混合し、アルコキシド溶液とした。モル比で Si(OC2H5)4 : C6H5-Si(OC2H5)3=2:1であった。金属酸化物マトリックス原料をこのこように変更した以外は、実施例1と同様にしてケイ素酸化物のゾル溶液を得た。
【0079】
得られたフェニル基を導入したケイ素酸化物ゾル溶液と、実施例1で用いたのと同じ光重合性有機化合物とを、最終的なマトリックス材料と光重合性有機化合物材料の重量比が1:2となるように室温にて混合し、黄色透明なホログラム記録材料溶液を得た。
【0080】
このホログラム記録材料溶液を、実施例1と同様にしてガラス基板上に塗布し、乾燥させ、ホログラム記録材料膜を形成し、さらに記録材料膜を2枚のガラス基板で挟んだ構造をもつホログラム記録媒体を得た。
【0081】
得られたホログラム記録媒体サンプルについて、実施例1と同様にして特性評価を行った。このとき、ダイナミックレンジ:M#は0.7であり、実施例1よりも低い値となった。また、記録した箇所(露光部)では、白いくもりが生じ、532nmの透過率は記録前を基準として5%低下した。
【0082】
このように、金属酸化物マトリックスへのフェニル基の導入は、メチル基の導入よりは相溶性改善に効果が見られたが、記録に際して生成したポリマーとの相溶性は不十分であった。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、金属酸化物マトリックス中にハロゲン含有有機基を導入することによって、マトリックスと光重合性化合物との相溶性、及びマトリックスと記録に際して生成する有機ポリマーとの相溶性が著しく改善されたホログラム記録材料が提供される。本発明のホログラム記録材料を用いて、データストレージに適した100μm以上の記録膜厚みをもつホログラム記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いられたホログラム記録光学系の概略を示す図である。
【符号の説明】
1:Nd:YAGレーザの光源
2,5:コリメータ
3:ピンホール
4,9:シャッター
8:ビームスプリッター
11:ホログラム記録媒体サンプル
12:パワーメータ
6,7,10:ミラー

Claims (8)

  1. 金属酸化物マトリックス及び光重合性化合物を含むホログラム記録材料であって、
    前記金属酸化物マトリックスは、金属アルコキシド化合物の加水分解及び重合反応によって形成された硬化物であり、前記金属アルコキシド化合物には、一般式(1):
    (R H )m M(OR)n (1)
    (ここで、R H はハロゲン含有有機基を表し、Rはアルキル基を表し、MはSi、Al、Ti、Zr、Zn、In及びSnからなる群から選ばれる金属原子を表し、mは1又は2を表し、m+nは金属原子Mの価数を表す。)
    で表されるハロゲン含有有機基を有している金属アルコキシド化合物が含まれる、ホログラム記録材料。
  2. 前記ハロゲン含有有機基は、ハロゲン化炭化水素基である、請求項1に記載のホログラム記録材料。
  3. 前記金属アルコキシド化合物には、前記一般式(1)で表されるハロゲン含有有機基を有している金属アルコキシド化合物の他に、さらに、一般式(2):
    (R 1 )m M(OR 2 )n (2)
    (ここで、R 1 はアルキル基又はアリール基を表し、R 2 はアルキル基を表し、MはSi、Al、Ti、Zr、Zn、In及びSnからなる群から選ばれる金属原子を表し、mは0、1又は2を表し、m+nは金属原子Mの価数を表す。)
    で表されるハロゲン含有有機基を有していない金属アルコキシド化合物が含まれる、請求項1又は2に記載のホログラム記録材料。
  4. 金属酸化物マトリックスは、ケイ素の酸化物を主成分とする、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料。
  5. 前記光重合性化合物は、芳香族環を有する、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料。
  6. さらに光重合開始剤を含む、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料。
  7. 一般式(1):
    (RH )m M(OR)n (1)
    (ここで、RH はハロゲン含有有機基を表し、Rはアルキル基を表し、MはSi、Al、Ti、Zr、Zn、In及びSnからなる群から選ばれる金属原子を表し、mは1又は2を表し、m+nは金属原子Mの価数を表す。)
    で表されるハロゲン含有有機基を有している金属アルコキシド化合物を含む金属アルコキシド化合物を加水分解させ、金属酸化物マトリックスの前駆体を得る工程と、
    前記加水分解の前又は後において、光重合性化合物を混合する工程と、
    光重合性化合物が混合された金属酸化物マトリックス前駆体を硬化させ、金属酸化物マトリックスを形成する工程とを含む、ホログラム記録材料の製造方法。
  8. 請求項1〜のうちのいずれか1項に記載のホログラム記録材料、又は請求項7に記載の製造方法により得られたホログラム記録材料を有する、ホログラム記録媒体。
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