JP4461560B2 - 光学活性アミノ酸の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学活性アミノ酸の製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性アミノ酸は、喘息薬、抗うつ薬または抗血栓薬等の医薬中間体、飼料添加物あるいは食品添加物等として有用な化合物であることが知られている。
光学活性アミノ酸の製造方法として、生化学的手法を用いる方法は、一般に有機化学的方法に比し、操作の簡便性、収率、用いられる材料のコスト、目的物の光学純度等の点で有利とされている。
上記の生化学的手法としては、ラセミ体のアミノ酸の片方の光学異性体を分解する方法、ラセミ体のアミノ酸のアミノアシル体を光学選択的に脱アシル化する方法、アミノ供与体共存下にケト酸からL体アミノ酸を生成させる方法、微生物の醗酵生産能を利用する方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、微生物等の生物学的材料を用いるより効率的な光学活性アミノ酸の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、ある種のアミノ酸のアミノ基及びカルボキシル基の両者が結合する不斉炭素原子に基づく一方の光学異性体を他方の光学異性体に変換する能力であって、当該能力がアミノトランスフェラーゼ阻害剤であるβ−クロロ−D−アラニン、β−クロロ−L−アラニンまたはガバクリンによる重大な阻害を受けない能力を有する生物学的材料を見出すとともに、該生物学的材料を前記アミノ酸における光学活性体の製造に適用することにより、本発明を完成した。
【0005】
即ち本発明は、
1.一般式(1)
R−CH(NH2)−COOH (1)
(式中、Rは置換されていてもよいC1−C12アルキル基、置換されていてもよいC4−C8シクロアルキル基または置換されていてもよいC6〜C14アリール基を表す。)で示されるアミノ酸において、アミノ基及びカルボキシル基の両者が結合する不斉炭素原子に基づくD体L体に変換する能力が、アミノトランスフェラーゼ阻害剤であるβ−クロロ−D−アラニン、β−クロロ−L−アラニンまたはガバクリンの非存在下の場合を100としたときに、当該アミノトランスフェラーゼ阻害剤の存在下の場合の能力が70以上の相対値となり、アルスロバクター属、フラビモナス属、クレブシエラ属、ノカルディア属、シュードモナス属、リゾビウム属、サッカロポリスポラ属またはストレプトミセス属に属する微生物由来の生物学的材料を、前記D体に作用させることを特徴とする前記L体の製造方法;
【0007】
.生物学的材料を作用させるD体L体と交合された状態で存在している1.に記載の方法;
【0010】
.生物学的材料が、アルスロバクター・パセンス(Arthrobacter pascens)、フラビモナス・オリジハビタンス(Flavimonas oryzihabitans)、クレブシエラ・プランチコラ(Klebsiella planticola)、ノカルディア・ディアファノゾナリア(Nocardia diaphanozonaria)、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)、シュードモナス・オキザラチカス(Pseudomonas oxalaticus)、シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)、リゾビウム・メリロチ(Rhizobium meliloti)、サッカロポリスポラ・ヒルスタ(Saccharopolyspora hirsuta)、ストレプトミセス・ロセウス(Streptomyces roseus)に属する微生物由来であるである1.または2.のいずれかに記載の方法;
【0011】
.生物学的材料が、アルスロバクター・パセンス(Arthrobacter pascens)IFO12139株、フラビモナス・オリジハビタンス(Flavimonas oryzihabitans)JCM2952株、クレブシエラ・プランチコラ(Klebsiella planticola)JCM7251株、ノカルディア・ディアファノゾナリア(Nocardia diaphanozonaria)JCM3208株、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)IFO3521株、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)IFO13583株、シュードモナス・オキザラチカス(Pseudomonas oxalaticus)IFO13593株、シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)IFO3460株、リゾビウム・メリロチ(Rhizobium meliloti)IFO14782株、サッカロポリスポラ・ヒルスタ(Saccharopolyspora hirsuta subsp.kobensis)JCM9109株、ストレプトミセス・ロセウス(Streptomyces roseus)IFO12818株由来である1.〜.のいずれかに記載の方法;
【0012】
.本アミノ酸(1)において、アミノ基及びカルボキシル基の両者が結合する不斉炭素原子に基づくD体を他方のL体に変換するアミノ基及びカルボキシル基の両者が結合する不斉炭素原子に基づくD体をL体に変換する能力が、アミノトランスフェラーゼ阻害剤であるβ−クロロ−D−アラニン、β−クロロ−L−アラニンまたはガバクリンの非存在下の場合を100としたときに、当該アミノトランスフェラーゼ阻害剤の存在下の場合の能力が70以上の相対値となり、アルスロバクター属、フラビモナス属、クレブシエラ属、ノカルディア属、シュードモナス属、リゾビウム属、サッカロポリスポラ属またはストレプトミセス属に属する微生物由来の生物学的材料を、前記一般式(1)で示されるアミノ酸に作用させることを特徴とする一般式(1)で示されるアミノ酸のL体の光学純度の向上方法;
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明方法を詳細に説明する。本発明において使用し得る生物学的材料は、本アミノ酸(1)において、アミノ基及びカルボキシル基の両者が結合する不斉炭素原子に基づくD体(光学異性体I)をL体(光学異性体II)に変換する能力であって、当該能力がアミノトランスフェラーゼ阻害剤であるβ−クロロ−D−アラニン、β−クロロ−L−アラニンまたはガバクリンによる重大な阻害を受けない能力を有する生物学的材料(以下、本生物学的材料と記すことがある)である。ここで、当該能力がアミノトランスフェラーゼ阻害剤であるβ−クロロ−D−アラニン、β−クロロ−L−アラニンまたはガバクリンによる重大な阻害を受けない能力とは、当該阻害剤の非存在下における前記変換能力を100とした場合に、当該阻害剤の存在下における前記変換能力が70以上の相対値であることを意味する。本生物学的材料としては、実質的に阻害を受けない能力(約90%以上の相対値)を有していることが好ましい。
【0015】
上記変換のための反応では、D体の消失に伴って生成物(L体)が作られ平衡状態に達するために、その反応速度は時間の経過とともに減少するが、一般に基質が充分存在する反応の初期段階では、生成物量は時間に対して直線的に増加するので、その条件下における特有な反応速度が得られる。このため、前記の変換能力の判定には本来、反応の初期段階での値が適するが、反応の初期段階では基質の種類もしくは量、または本生物学的材料の形態もしくは量の組み合わせによっては、反応が安定し難いこと、基質の減少量または生成物の生成量が少ないこと等に起因する値の振れを伴うことがあることから、必要に応じて反応が平衡状態に達した段階での値を用いてもよい。もちろん両者の値から総合的な判断を行ってもよい。
【0016】
尚、β−クロロアラニンは、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.1)、D−アラニンアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.21)等の阻害剤として知られており、また、ガバクリン(gabaculine)はD−アラニンアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.21)、β−アラニン−ピルベートアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.18)、4−アミノブチレートアミノトランスフェラーゼ(E.C.2.6.1.19)等の阻害剤として知られている。
【0017】
本生物学的材料としては、例えば、微生物の培養物、微生物の培養物から遠心分離によって得られる微生物菌体、またはそれらの処理物などの種々の形態で本発明方法に用いることができる。ここで処理物としては、例えば、凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、菌体摩砕物、菌体自己消化物、菌体の超音波処理物、菌体抽出物、菌体のアルカリ処理物、菌体の有機溶媒処理物、無細胞抽出液、粗精製酵素、精製酵素等をあげることができ、さらに、これら種々の形態の本生物学的材料を、例えば、シリカゲル、セラミックス等の無機担体、DEAD−セルロース等の多糖類の誘導体、アンバーライトIRA935(商品名、ローム・アンド・ハース社製)等の合成高分子等へ吸着させる担体結合法や、ポリアクリルアミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギーナンゲル)、アルギン酸ゲル、寒天ゲル等の高分子の網目構造の中に閉じ込める包括法などの公知の方法に準じて固定化した固定化物を挙げることもできる。
【0018】
本生物学的材料の好適な例としては、例えば、アルスロバクター属、フラビモナス属、クレブシエラ属、ノカルディア属、シュードモナス属、リゾビウム属、サッカロポリスポラ属またはストレプトミセス属に属する微生物由来である材料が挙げられ、好ましくは、アルスロバクター・パセンス(Arthrobacter pascens)、フラビモナス・オリジハビタンス(Flavimonas oryzihabitans)、クレブシエラ・プランチコラ(Klebsiella planticola)、ノカルディア・ディアファノゾナリア(Nocardia diaphanozonaria)、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)、シュードモナス・オキザラチカス(Pseudomonas oxalaticus)、シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)、リゾビウム・メリロチ(Rhizobium meliloti)、サッカロポリスポラ・ヒルスタ(Saccharopolyspora hirsuta)、ストレプトミセス・ロセウス(Streptomyces roseus)に属する微生物由来である材料が挙げられ、具体例としてアルスロバクター・パセンス(Arthrobacter pascens)IFO12139株、フラビモナス・オリジハビタンス(Flavimonas oryzihabitans)JCM2952株、クレブシエラ・プランチコラ(Klebsiella planticola)JCM7251株、ノカルディア・ディアファノゾナリア(Nocardia diaphanozonaria)JCM3208株、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)IFO3521株、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)IFO13583株、シュードモナス・オキザラチカス(Pseudomonas oxalaticus)IFO13593株、シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)IFO3460株、リゾビウム・メリロチ(Rhizobium meliloti)IFO14782株、サッカロポリスポラ・ヒルスタ(Saccharopolyspora hirsuta subsp.kobensis)JCM9109株、ストレプトミセス・ロセウス(Streptomyces roseus)IFO12818株由来である材料があげられる。
【0019】
本生物学的材料が微生物の場合、当該微生物は、前記の能力を有していれば、例えば、自然界から分離された微生物の野性株であっても、該野生株から薬剤や紫外線等によって誘導された変異株であってもよい。
【0020】
このような微生物(以下、本微生物と記すことがある)は、以下のように培養することによって調製することができる。
本微生物を培養する為の培地組成は特に限定されず、微生物の培養において通常使用される炭素源や窒素源、有機ないし無機塩等を適宜含む各種の培地を用いることができる。例えば、炭素源としては、グルコース、フルクトース、シュクロース、デキストリン等の糖類、グリセロール、ソルビトール等の糖アルコール、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸等があげられる。これら炭素源の培地への添加量は通常0.1〜10%(w/v)程度とするとよい。窒素源としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーンステイープリカー、綿実粉、乾燥酵母、カゼイン加水分解物等の天然有機窒素源またはアミノ酸等があげられる。このうち天然有機窒素源、アミノ酸などは、多くの場合、炭素源及び窒素源としても機能する。窒素源の添加量は通常0.1〜10%(w/v)程度とするとよい。また無機塩類としては、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム等のリン酸塩、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化コバルト6水和物等の塩化物塩、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄7水和物、硫酸亜鉛7水和物、硫酸マンガン3水和物等の硫酸金属塩等をあげることができ、その添加量は通常0.0001%(w/v)〜1%(w/v)程度とするとよい。
【0021】
本微生物の培養は、微生物の培養において通常使用される方法に準じて行い、固体培養、液体培養(試験管振盪式培養、往復式振盪培養、旋回式振盪培養、ジャーファーメンター(Jar Fermenter)培養、培養タンク等)のいずれも可能である。特に、ジャーファーメンターを用いる場合、ジャーファーメンター内に無菌空気を導入する必要があり、通常、培養液量の約0.1〜約2倍/分の通気条件を用いる。培養温度は、微生物が生育する範囲で適宜変更できるが、例えば、約15℃〜約40℃の範囲の培養温度、約6〜約8の培地pHで培養することが好ましい。培養時間は、種々の培養条件によって異なるが、通常約1〜約10日間程度が望ましい。
尚、本微生物は、例えば、ラセミ体のp−クロロフェニルアラニンを光学活性p−クロロフェニルアラニンに変換する能力を指標にして選抜することができる。この際、得られる光学異性体の立体配置によって、選抜された微生物は目的とする本アミノ酸(1)のL体、D体いずれかの光学異性体製造に使用すればよい。
【0022】
本アミノ酸(1)の置換基Rは、C1−C12アルキル基、置換されたC1−C12アルキル基、C4−C8シクロアルキル基、置換されたC4−C8シクロアルキル基、C6−C14アリール基または置換されたC6−C14アリール基を表す。ここでC1−C12アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等を挙げることができ、C4−C8シクロアルキル基としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を挙げることができ、C6−C14アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
【0023】
置換基Rの置換されたC1−C12アルキル基における置換されたとは、該アルキル基の水素原子の1個以上、通常は1〜5個が、例えばC4−C8シクロアルキル基;C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、水酸基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上で置換されたC4−C8シクロアルキル基;C1−C2アルコキシ基;C1−C2アルキルチオ基;メチレンジオキシ基;水酸基;シアノ基;カルボキシル基;C2−C5アルキルオキシカルボニル基;アミノ基;モノまたはジ(C1−C5)アルキルアミノ基;アミノカルボニル基;グアニジノ基;3−インドリル基;メルカプト基;フェニル基;C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ベンジルオキシ基、水酸基およびハロゲン原子から選ばれる1種以上で置換されたフェニル基;フェノキシ基;C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ベンジルオキシ基、水酸基およびハロゲン原子から選ばれる1種以上で置換されたフェノキシ基;ナフチル基;C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ベンジルオキシ基、水酸基およびハロゲン原子から選ばれる1種以上で置換されたナフチル基;ベンジルオキシ基;およびハロゲン原子からなる群より選ばれる同一または相異なる置換基で置換されていることを意味する。該置換基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、アミノカルボニル基、グアニジノ基、3−インドリル基、メルカプト基、メチレンジオキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、ベンジルオキシ基、ジベンジルオキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基、フッ素原子、塩素原子および臭素原子を挙げることができる
【0024】
置換基Rの置換されたC4−C8シクロアルキル基における置換されたとは、該シクロアルキル基の水素原子の1個以上、通常は1〜3個が、例えばC1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、水酸基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる同一または相異なる置換基で置換されていることを意味する。
【0025】
置換基Rの置換されたC6−C14アリール基における置換されたとは、該アリール基の水素原子の1個以上、通常は1〜5個が、例えばC1−C3アルキル基;C1−C2ハロゲン化アルキル基;C1−C2アルコキシ基;メチレンジオキシ基;水酸基;シアノ基;カルボキシル基;C2−C5アルキルオキシカルボニル基;アミノ基;モノまたはジ(C1−C5)アルキルアミノ基;フェニル基;C1−C3アルキル基、C1−C3アルコキシ基および水酸基から選ばれる1種以上で置換されたフェニル基:フェノキシ基;C1−C3アルコキシ基および水酸基から選ばれる1種以上で置換されたフェノキシ基;ベンジルオキシ基;およびハロゲン原子からなる群、好ましくは、メチル基、エチル基、モノクロロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メチレンジオキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、ベンジルオキシ基、フッ素原子、塩素原子および臭素原子からなる群より選択される同一または相異なる置換基で置換されていることを意味する。
【0026】
好ましい置換基Rとして具体的に、C1−C12アルキル基または置換されたC1−C12アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、3−グアニジノプロピル基、3−インドリルメチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、4−アミノブチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、ベンジル基、p−ヒドロキシフェニルメチル基、p−クロロフェニルメチル基、p−フルオロフェニルメチル基、m−シアノフェニルメチル基及びナフチルメチル基を挙げることができる。
【0027】
C4−C8シクロアルキル基または置換されたC4−C8シクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル基、4−クロロシクロヘキシル基等を挙げることができ、C6−C14アリール基または置換されたC6−C14アリール基としては、例えばフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−クロロフェニル基及びナフチル基を挙げることができる。
【0028】
本アミノ酸(1)として具体的には、例えば、アラニン、ノルバリン、tert−ロイシン、メチオニン、2−アミノ酪酸、2−アミノアジピン酸、セリン、O−メチルセリン、スレオニン、フェニルグリシン、フェニルアラニン、p−クロロフェニルアラニン、p−フルオロフェニルアラニン、ナフチルグリシン、ナフチルアラニン等をあげることができる。
【0029】
本発明方法において、例えば、目的とする本アミノ酸(1)がL体の場合には、本生物学的材料として本アミノ酸(1)のD体をL体に変換する能力を有する生物学的材料が用いられる。原料としては、本アミノ酸(1)のD体単独、あるいはD体とL体の混合物が用いられる。原料として本アミノ酸(1)のD体とL体の混合物を用いる場合には、その比率は特に制限ないが、概ね1:1のいわゆるラセミ体を用いることが工業的な生産を考慮すると好ましい。また、例えば、予め他の方法により目的とする異性体比率の比較的高い混合物を調製し、これを用いて本発明方法を実施することもできる。
【0030】
本発明方法は通常、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩などの無機酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属塩などの有機酸塩等を含む水性バッファー液中で行われ、本発明方法における反応液中における本アミノ酸(1)の濃度は通常30%(w/v)程度以下が適しており、好ましくは0.01〜20%(w/v)程度である。本生物学的材料の量は、例えば反応時間や生成する本アミノ酸(1)のL体またはD体の選択性等を考慮して適宜決めることができる。例えば本アミノ酸(1)に対して通常は0.01〜200重量倍、好ましくは0.1〜50重量倍である。反応温度は通常10〜70℃程度が適しており、好ましくは20〜60℃程度である。反応液のpHは通常4〜12程度が適しており、好ましくは5〜11程度である。反応時間は、例えば所望とする異性体比率等により適宜設定することができる。通常は16〜120時間程度であり、反応の終点を、例えば液体クロマトグラフィー等により適宜追跡しつつ決めることもできる。
【0031】
さらに界面活性剤、補酵素、金属塩、微量栄養源あるいは有機溶媒等を補助剤として反応液に添加すると、反応時間の短縮や変換率の向上に有効な場合があり、必要に応じてこれらの補助剤を単独又は任意に組み合わせて反応液に添加することもできる。使用し得る界面活性剤として具体的には、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールモノ−p−イソオクチルフェニルエーテル又は臭化セチルピリジウム等を挙げることができ、補酵素として具体的には、例えばニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、アデノシン−5’−リン酸、フラビンモノヌクレオチド、ピリドキサルリン酸、コエンザイムA等を挙げることができる。金属塩として具体には、例えばリン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸第一鉄7水和物、硫酸亜鉛7水和物、硫酸マンガン3水和物、塩化コバルト6水和物等を挙げることができ、微量栄養源として具体的には、例えば酵母エキス等を挙げることができる。また、有機溶媒としては、例えばn−ヘプタン、シクロヘキサン、イソオクタン等のアルカン類、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル類、メタノール、イソプロパノール、n−オクタノール等のアルコール類、DMSO等のスルホキシド類、アセトン等のケトン類、オキサロ酢酸、ピルビン酸、α−ケトラク酸等のケト酸類、ピルビン酸ナトリウム等のケト酸類のアルカリ金属塩、ピルビン酸メチル等ケト酸類のアルキルエステル等を挙げることができる。
【0032】
かくして生成される本アミノ酸(1)のL体は、公知の処理方法により、反応液から回収することができる。例えば、反応液から遠心分離等の方法により本生物学的材料を分離後、上清液を酸性に調整し、ジエチルエーテルやトルエン等の有機溶媒で抽出・分液して有機層を除き、次いで水層を塩基性として同様な有機溶媒で抽出・分液し水層を除いた後、該溶媒を減圧留去することにより得られ、必要によりクロマトグラフィー等により精製することもでき、あるいは前記上清液をイオン交換クロマトグラフィー等の手法により精製することもできる。
【0033】
さらに本発明によれば、本生物学的材料を本アミノ酸(1)に作用させることにより、本アミノ酸(1)のL体の光学純度を向上させることができる。当該方法は、前記本発明方法において記載された各種条件と同様な条件にて行うことができる。一般に反応時間を長くすれば、変換率の増大に伴って得られる本アミノ酸(1)のL体の光学純度は向上する。反応後に反応液中に残存するアミノ酸を公知の方法を適宜組み合わせて用いることにより、反応前の本アミノ酸(1)の両光学異性体の比率に比べてL体の比率が増加した本アミノ酸(1)を容易に回収することができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
グリセロール1.0%(w/v)、ポリペプトン(日本製薬製)0.2%(w/v)、肉エキス粉末(極東製薬製)0.3%(w/v)、酵母エキス(Difco社製)0.3%(w/v)、リン酸二カリウム0.1%(w/v)、リン酸一カリウム0.1%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物0.03%(w/v)をそれぞれ含有する滅菌培地(pH7.0)100mlを入れた500mL容坂口フラスコに、予め同じ組成の培地にて培養された Nocardia diaphanozonaria JCM3208株の培養液を1mL植菌して、30℃で往復振盪しながら3日間培養した。この培養液から遠心分離(10000×g、10分間)によって菌体を集め、これに10mlの100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)を加えて再度懸濁し、遠心分離(10000×g、10分間)によって菌体を集め湿菌体を得た。こうして得られた湿菌体を10mlの100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に懸濁し、菌体懸濁液とした。50mgのD−p−クロロフェニルアラニンを、リン酸二水素一カリウム0.15%(w/v)、リン酸一水素二ナトリウム0.15%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物0.02%(w/v)、硫酸第一鉄7水和物0.001%(w/v)、硫酸亜鉛7水和物0.001%(w/v)、硫酸マンガン3水和物0.001%(w/v)、塩化コバルト6水和物0.001%(w/v)および酵母エキス0.0005%(w/v)をそれぞれ含有する水溶液(pH7.0)45mLに溶解し、前記菌体懸濁液5mlを加えて、マグネティックスターラーを用いて1000rpmで攪拌回転させながら30℃で74時間保温した。その後、反応液の一部を取り、遠心分離により菌体を除去した上清液を液体クロマトグラフィーにて分析することにより、光学純度100%e.e.のL−p−クロロフェニルアラニンが収率79%で得られていることを確認した。
【0035】
実施例2
実施例1において、D−p−クロロフェニルアラニンに代えてラセミ−p−クロロフェニルアラニンを用い、保温時間を24時間とした以外は全く同様にして反応を行った。その後、反応液の一部を取り、遠心分離により菌体を除去した上清液を液体クロマトグラフィーにて分析することにより、光学純度72%e.e.のL−p−クロロフェニルアラニンが収率82%で得られていた。
一方、D−p−クロロフェニルアラニンに代えてL−p−クロロフェニルアラニンを用いる以外は全く同様にして反応を行った。その後、反応液の一部を取り、遠心分離により菌体を除去した上清液を液体クロマトグラフィーにて生成物を分析した結果、D−p−クロロフェニルアラニンは全く生成していなかった。
【0036】
実施例3
グリセロール1.0%(w/v)、ポリペプトン(日本製薬製)0.2%(w/v)、肉エキス粉末(極東製薬製)0.3%(w/v)、酵母エキス(Difco社製)0.3%(w/v)、リン酸二カリウム0.1%(w/v)、リン酸一カリウム0.1%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物0.03%(w/v)をそれぞれ含有する滅菌培地(pH7.0)3mlを入れた10mL容試験管に、30%(w/v)グリセロール水溶液として−80℃で凍結保存していた表1記載の各微生物菌体を1白金耳植菌して、30℃で往復振盪しながら2日間培養した。この培養液の全量から遠心分離(10000×g、10分間)によって菌体を集め、3mLの100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)を加えて再度懸濁し、遠心分離(10000×g、10分間)によって菌体を集め湿菌体を得た。これに、D−p−クロロフェニルアラニン0.1%(w/v)、リン酸二水素一カリウム0.15%(w/v)、リン酸一水素二ナトリウム0.15%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物0.02%(w/v)、硫酸第一鉄7水和物0.001%(w/v)、硫酸亜鉛7水和物0.001%(w/v)、硫酸マンガン3水和物0.001%(w/v)、塩化コバルト6水和物0.001%(w/v)および酵母エキス0.0005%(w/v)をそれぞれ含有する水溶液(pH7.0)3mlを加えて、250回/分で往復振とうさせながら30℃で表1記載の時間保温した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004461560
【0038】
一方、D−p−クロロフェニルアラニンに代えてL−p−クロロフェニルアラニンを用いる以外は全く同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0004461560
【0040】
実施例4
表3に記載した各ラセミ体のアミノ酸10mgを、リン酸二水素一カリウム0.15%(w/v)、リン酸一水素二ナトリウム0.15%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物0.02%(w/v)、硫酸第一鉄7水和物0.001%(w/v)、硫酸亜鉛7水和物0.001%(w/v)、硫酸マンガン3水和物0.001%(w/v)、塩化コバルト6水和物0.001%(w/v)および酵母エキス0.0005%(w/v)をそれぞれ含有する水溶液(pH7.0)9mlに溶解させた。これらのラセミ体のアミノ酸を含む水溶液2.7mlに、実施例1と同様にして調製した菌体懸濁液0.3mlを加えて、250回/分で往復振とうさせながら30℃で表3記載の時間保温した。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
Figure 0004461560
【0042】
実施例5
表4に記載したD体の各アミノ酸10mgを、リン酸二水素一カリウム0.15%(w/v)、リン酸一水素二ナトリウム0.15%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物0.02%(w/v)、硫酸第一鉄7水和物0.001%(w/v)、硫酸亜鉛7水和物0.001%(w/v)、硫酸マンガン3水和物0.001%(w/v)、塩化コバルト6水和物0.001%(w/v)および酵母エキス0.0005%(w/v)をそれぞれ含有する水溶液(pH7.0)9mlに溶解させた。これらのD体の各アミノ酸を含有する水溶液2.7mlに、実施例1と同様にして調製した菌体懸濁液0.3mlを加えて、250回/分で往復振とうさせながら30℃で表4記載の時間保温した。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
Figure 0004461560
【0044】
一方、上記試験において、D体の各アミノ酸に代えてL体の各アミノ酸を用いる以外は全く同様にして反応を行った。結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
Figure 0004461560
【0046】
実施例6
グリセロール1.0%(w/v)、ポリペプトン(日本製薬製)0.2%(w/v)、肉エキス粉末(極東製薬製)0.3%(w/v)、酵母エキス(Difco社製)0.3%(w/v)、リン酸二カリウム0.1%(w/v)、リン酸一カリウム0.1%(w/v)、硫酸マグネシウム7水和物0.03%(w/v)をそれぞれ含有する滅菌培地(pH7.0)100mlを入れた500mL容坂口フラスコに、予め同じ組成の培地にて培養された Nocardia diaphanozonaria JCM3208株の培養液を1mL植菌して、30℃で往復振盪しながら2日間培養した。このようにして得られた培養液80mlから遠心分離(10000×g、10分間)によって菌体を集め、得られた湿菌体を80mlの100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)にて2回洗浄し、湿菌体を得た。こうして得られた湿菌体を100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)4mlに懸濁し、菌体懸濁液とした。
菌体懸濁液0.2mlに、D−p−クロロフェニルアラニン5.5mMおよび表6に示すアミノ酸トランスフェラーゼ阻害剤1.1mMを含むリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)1.8mlを加えて、250回/分で往復振とうさせながら、30℃で2時間保温した。反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析し、反応により生成したL−p−クロロフェニルアラニンの定量を行った。その結果を、前記アミノ酸トランスフェラーゼ阻害剤無添加時のL−p−クロロフェニルアラニン生成量を100%とした相対値で表6に示す。
【0047】
【表6】
Figure 0004461560
【0048】
実施例7
Nocardia diaphanozonaria JCM3208株に代えて表7に記載の各微生物菌体を用いた以外は実施例6と全く同様にして反応を行った。結果を表7に示す。
【0049】
【表7】
Figure 0004461560
【0050】
実施例8
Nocardia diaphanozonaria JCM3208株に代えて表8に記載の各微生物菌体を用い、反応時間を24時間とした以外は実施例6と全く同様にして反応を行った。結果を表8に示す。
【表8】
Figure 0004461560
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、医薬中間体、飼料添加物あるいは食品添加物等として有用な光学活性アミノ酸(L体)を効率的に製造し得る。

Claims (5)

  1. 一般式(1)
    R−CH(NH2)−COOH (1)
    (式中、Rは置換されていてもよいC1−C12アルキル基、置換されていてもよいC4−C8シクロアルキル基または置換されていてもよいC6〜C14アリール基を表す。)で示されるアミノ酸において、アミノ基及びカルボキシル基の両者が結合する不斉炭素原子に基づくD体L体に変換する能力が、アミノトランスフェラーゼ阻害剤であるβ−クロロ−D−アラニン、β−クロロ−L−アラニンまたはガバクリンの非存在下の場合を100としたときに、当該アミノトランスフェラーゼ阻害剤の存在下の場合の能力が70以上の相対値となり、アルスロバクター属、フラビモナス属、クレブシエラ属、ノカルディア属、シュードモナス属、リゾビウム属、サッカロポリスポラ属またはストレプトミセス属に属する微生物由来の生物学的材料を、前記D体に作用させることを特徴とする前記L体の製造方法。
  2. 生物学的材料を作用させるD体がL体と混合された状態で存在している請求項1に記載の方法。
  3. 生物学的材料が、アルスロバクター・パセンス(Arthrobacter pascens)、フラビモナス・オリジハビタンス(Flavimonas oryzihabitans)、クレブシエラ・プランチコラ(Klebsiella planticola)、ノカルディア・ディアファノゾナリア(Nocardia diaphanozonaria)、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)、シュードモナス・オキザラチカス(Pseudomonas oxalaticus)、シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)、リゾビウム・メリロチ(Rhizobium meliloti)、サッカロポリスポラ・ヒルスタ(Saccharopolyspora hirsuta)、ストレプトミセス・ロセウス(Streptomyces roseus)に属する微生物由来である請求項1または2に記載の方法。
  4. 生物学的材料が、アルスロバクター・パセンス(Arthrobacter pascens)IFO12139株、フラビモナス・オリジハビタンス(Flavimonas oryzihabitans)JCM2952株、クレブシエラ・プランチコラ(Klebsiella planticola)JCM7251株、ノカルディア・ディアファノゾナリア(Nocardia diaphanozonaria)JCM3208株、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)IFO3521株、シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)IFO13583株、シュードモナス・オキザラチカス(Pseudomonas oxalaticus)IFO13593株、シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)IFO3460株、リゾビウム・メリロチ(Rhizobium meliloti)IFO14782株、サッカロポリスポラ・ヒルスタ(Saccharopolyspora hirsuta subsp.kobensis)JCM9109株、ストレプトミセス・ロセウス(Streptomyces roseus)IFO12818株由来である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 一般式(1)
    R−CH(NH 2 )−COOH (1)
    (式中、Rは置換されていてもよいC1−C12アルキル基、置換されていてもよいC4−C8シクロアルキル基または置換されていてもよいC6〜C14アリール基を表す。)で示されるアミノ酸において、
    アミノ基及びカルボキシル基の両者が結合する不斉炭素原子に基づくD体をL体に変換する能力が、アミノトランスフェラーゼ阻害剤であるβ−クロロ−D−アラニン、β−クロロ−L−アラニンまたはガバクリンの非存在下の場合を100としたときに、当該アミノトランスフェラーゼ阻害剤の存在下の場合の能力が70以上の相対値となり、アルスロバクター属、フラビモナス属、クレブシエラ属、ノカルディア属、シュードモナス属、リゾビウム属、サッカロポリスポラ属またはストレプトミセス属に属する微生物由来の生物学的材料を、前記一般式(1)で示されるアミノ酸に作用させることを特徴とする一般式(1)で示されるアミノ酸のL体の光学純度の向上方法。
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