JPH09287A - L−アミノ酸またはその塩の製造方法 - Google Patents

L−アミノ酸またはその塩の製造方法

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JPH09287A
JPH09287A JP14846995A JP14846995A JPH09287A JP H09287 A JPH09287 A JP H09287A JP 14846995 A JP14846995 A JP 14846995A JP 14846995 A JP14846995 A JP 14846995A JP H09287 A JPH09287 A JP H09287A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アミノ基が保護されたアミノ酸またはその塩の
D体とL体の混合物に対し、そのL体のみを酵素的に加
水分解してL−アミノ酸またはその塩を製造する方法に
おいて、D−アミノ酸の副生を抑制することを目的とす
る。 【構成】特定の一般式で示される基でアミノ基が保護さ
れたアミノ酸またはその塩のD体とL体との混合物に作
用させた時、そのL体を選択的に加水分解してL−アミ
ノ酸またはその塩を生成する能力を有する、コリネバク
テリウム属、ミクロバクテリウム属、ロドトルラ属、バ
シルス属、シゾサッカロマイセス属に属する微生物、ま
たはその培養液もしくは菌体処理物を、pHが6〜10
で、温度が10〜50℃の条件下で、該特定の一般式で
示される基でアミノ基が保護されたアミノ酸またはその
塩のD体とL体の混合物に作用させ、生成したL−アミ
ノ酸またはその塩を採取することを特徴とするL−アミ
ノ酸またはその塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−アミノ酸またはそ
の塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】L−アミノ酸は、各種医薬中間体や食品
添加物として有用な化合物である。こうしたなか、化学
的に合成されたアミノ酸のラセミ体から該L−アミノ酸
を選択的に得る有利な方法として、このラセミ体を構成
する各アミノ酸のアミノ基を保護基で一旦修飾し、次い
で、酵素反応により、該アミノ基が保護されたアミノ酸
のラセミ体の内のL体の保護基のみを脱離させ、上記目
的物を採取する方法が考えられる。その際、上記アミノ
基の保護基としては、その汎用性から、下記一般式
(I)
【0003】
【化2】
【0004】(但し、Rはアルキル基またはベンジル基
である。)で示される基を利用することが考えられる。
【0005】ここで、上記一般式(I)で示される基で
アミノ基が保護されたアミノ酸を基質とし、その保護基
を酵素作用により加水分解して脱離させアミノ酸を得る
方法としては、アグリカルチュラル・アンド・バイオロ
ジカル・ケミストリー(Agric.Biol.Che
m.),49巻,3643(1985年)に記載される
方法が公知である。即ち、この刊行物には、N−ベンジ
ルオキシカルボニル−D,L−アミノ酸またはN−t−
ブトキシカルボニル−D,L−アミノ酸からL体のみを
酵素的に分解する方法が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この方法に
よれば、反応は、pH5.8の酸性条件下、反応温度5
5度、反応時間10分で行っている。ところが、このよ
うな酸性で高温の条件下に上記一般式(I)で示される
基でアミノ基が保護されたアミノ酸を晒した場合、該保
護基は、化学的に加水分解して脱離するようになる。従
って、上記ラセミ体である基質を、かかる酸性、高温下
の条件の反応に供した場合、反応を長時間持続させる
と、そのD体の化学的な加水分解も生じ、結果としてD
−アミノ酸も副生してくる問題が生じていた。このよう
にD−アミノ酸が副生されると、反応物からのL−アミ
ノ酸の単離に煩雑な精製操作を施すことが必要になる。
【0007】こうした背景にあって本発明は、アミノ基
が保護されたL−アミノ酸のみを酵素的に加水分解して
L−アミノ酸を製造する方法において、D−アミノ酸の
副生を抑制することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる欠
点を解決すべく鋭意検討を続けてきた。その結果、前記
基質混合物に対し、特定のpH及び温度の範囲で、特定
の微生物の培養液、菌体または菌体処理物を作用させる
ことにより、上記課題が解決できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0009】即ち、下記一般式(I)
【0010】
【化1】
【0011】(但し、Rはアルキル基またはベンジル基
である。)で示される基でアミノ基が保護されたアミノ
酸またはその塩のD体とL体との混合物に作用させた
時、そのL体を選択的に加水分解してL−アミノ酸また
はその塩を生成する能力を有する、コリネバクテリウム
属、ミクロバクテリウム属、ロドトルラ属、バシルス
属、シゾサッカロマイセス属に属する微生物、またはそ
の培養液もしくは菌体処理物を、pHが6〜10で、温
度が10〜50℃の条件下で、該一般式(1)で示され
る基でアミノ基が保護されたアミノ酸またはその塩のD
体とL体の混合物に作用させ、生成したL−アミノ酸ま
たはその塩を採取することを特徴とするL−アミノ酸ま
たはその塩の製造方法である。
【0012】本発明において、一般式(I)で示される
基においてRは、アルキル基またはベンジル基である。
ここで、上記アルキル基としては、特に制限されるもの
ではないが、好適にはメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のものを挙げるこ
とができる。
【0013】本発明において、一般式(I)で示される
保護基で保護されるアミノ酸としては、公知のものが何
等制限なく用いられる。これらを具体的に例示すると、
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、セリン、スレオニン、システイン、シスチン、メチ
オニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、
グルタミン酸、リジン、アルギニン、フェニルアラニ
ン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプ
トファン、ヒスチジン等を挙げることができる。またこ
れらのアミノ酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0014】本発明では、一般式(I)で示される基で
アミノ基が保護されたアミノ酸またはその塩のD体とL
体の混合物(以下、単に基質混合物とも言う)に、コリ
ネバクテリウム属、ミクロバクテリウム属、ロドトルラ
属、バシルス属、シゾサッカロマイセス属に属し、該基
質混合物に作用させた時、そのL体を選択的に加水分解
してL−アミノ酸またはその塩を生成する能力を有する
微生物、またはその培養液もしくは菌体処理物を作用さ
せる。それにより、該基質混合物は、そのL体のみが加
水分解され、選択的にL−アミノ酸またはその塩を得る
ことが可能になる。
【0015】その際、本発明では、かかる酵素反応を実
施する媒体のpHを6〜10好適には6〜9、温度を1
0〜50℃好適には15〜45℃にする。即ち、前記特
定の菌体に由来する加水分解の酵素反応は、至適pHが
6〜10、多くは6〜9の間にある。従って、上記の如
く反応媒体のpHをこの範囲にすることにより、L−ア
ミノ酸またはその塩は良好な反応速度で得られる。そし
て、かかるpH範囲で、且つ上記穏和な反応温度で反応
を行うことにより、基質混合物中のD体のアミノ酸にお
いて前記保護基が化学的な加水分解により脱離したり、
一旦生成したL−アミノ酸がラセミ化したりすることが
抑制される。その結果、本発明では、L−アミノ酸また
はその塩をD体が副生されることなく良好に得ることが
できる。
【0016】ここで、反応媒体のpHが6より小さい場
合、反応速度が低下する上に、化学的加水分解反応が促
進されるようになり、また、このpHが10より大きい
場合、同じく反応速度が低下する上に、生成したL−ア
ミノ酸やその塩がラセミ化を起こす危険性が生じるよう
になる。一方、反応媒体の温度が10℃より小さい場
合、十分な反応速度が得られなくなり、また、この温度
が50℃より大きい場合、化学的加水分解反応が促進さ
れるようになる他、酵素が失活する危険性も生じてく
る。
【0017】本発明において、上記基質混合物における
D体とL体の混合割合は、特に限定されるものでない。
通常は、このD体とL体とが等量程度混合する、いわゆ
るラセミ体が使用される。
【0018】一方、本発明において、上記微生物として
は、前記性状を有するものであれば、何等制限なく使用
できる。具体的には、コリネバクテリウム アクアティ
カム(Corynebacterium aquaticum IFO12154)、ミクロ
バクテリウム アルボレッセンス(Microbacterium arb
orescens IFO3750)、ロドトルラ ミヌータ(Rhodotor
ula minuta IFO0879)、バシルス スファエリカス(Ba
cillus sphaericus IFO3525)、シゾサッカロマイセス
ポンベ(Shizosaccharomyces pombe IFO0358)等が好
ましく用いられる。
【0019】上記の微生物を培養するにあたって使用す
る培地としては、公知のものが使用できる。例えば、グ
ルコース、シュクロース、フラクトース、グリセロー
ル、ソルビトール、廃糖蜜、可溶性でんぷん等の炭素
源、肉エキス、酵母エキス、ポリペプトン、硝酸塩類、
アンモニウム塩類等の窒素源、及びリン酸第一カリウ
ム、リン酸第二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸鉄、硫酸コバルト等の無機塩類を含有する
ものであれば何等問題はない。
【0020】培地の形態は液体、固体のいずれでもよ
い。また、培養の方法は静置培養、振とう培養、通気攪
はん培養のいずれでもよいが、大量培養には通気攪はん
培養による液体培養が適している。培養温度は、10〜
50℃、好ましくは15〜45℃で、通常10〜48時
間培養する。
【0021】本発明において、前記基質混合物に上記微
生物、またはその培養液もしくは菌体処理物を作用させ
る方法は、微生物を利用した酵素反応において通常行わ
れている基質への作用方法が何等制限なく採用される。
例えば、前記微生物の培地に上記基質混合物を添加する
ことにより、作用させる方法が挙げられる。この場合、
基質混合物は、最初から培地に加えても良いし、培養途
中で添加してもよい。
【0022】また、反応を阻害しない無機または有機の
溶媒中、好ましくは水性溶媒中において、基質混合物に
前記微生物、またはその培養液もしくは菌体処理物を作
用させても良い。なお、本発明において菌体処理物と
は、例えば洗浄菌体、乾燥菌体、菌体磨砕物、菌体の自
己消化物、菌体の超音波処理物あるいは菌体抽出物等を
精製して得た酵素等が特に制限されることなく使用され
る。ここで、菌体、菌体抽出物、該菌体抽出物を精製し
て得た酵素等は、公知の菌体、酵素の固定化方法により
固定化したものを用いることもできる。
【0023】本発明において、このようにして微生物、
またはその培養液もしくは菌体処理物を作用させる際の
基質混合物の濃度は、特に制限されるものではない。通
常、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.05
〜10重量%から適宜採択すればよい。
【0024】また、本発明において、基質混合物に微生
物、またはその培養液もしくは菌体処理物を作用させる
際の微生物や菌体処理物の濃度は、菌体処理物の精製度
等の違いにより一概には決定することはできないが、通
常、タンパク質量で0.05〜10重量%の範囲から適
宜選択される。このとき、基質混合物と酵素との接触を
よくするためにトリトン(半井化学社製)、ノニオン
(日本油脂製)、スパン(関東化学製)等の界面活性剤
を添加することも可能である。なお、作用時間について
は、基質濃度及び作用する菌株の種類によって決まるた
め一概に決めることはできないが、通常3〜100時間
作用させれば十分である。
【0025】以上により、基質混合物の加水分解反応を
行った後、生成したL−アミノ酸を定量すれば良い。こ
の反応物の定量は、特に制限されるものではなく、例え
ば反応終了後、遠心分離によって菌体を分離したのち、
反応溶液を高速液体クロマトグラフィー(以下、HPL
Cと称す。)で分析することによって容易に定量でき
る。
【0026】また、大量の反応物からのL−アミノ酸の
採取は、遠心分離によって得られた反応溶液をアミノ酸
の過飽和溶液になるまで濃縮した後、晶析によるのが最
も一般的である。
【0027】なお、本反応によって得られた反応溶液の
中には、前記一般式(I)で示された基で保護されたD
−アミノ酸が加水分解を受けることなく含まれている。
この保護されたD−アミノ酸は、塩化メチレン、酢酸エ
チル、ジエチルエーテル等の有機溶媒で反応液から抽出
することが可能であり、得られた抽出溶液を濃縮した
後、晶析によって単離することができる。
【0028】即ち、本発明は前記一般式(I)で示され
た基で保護されたD−アミノ酸を製造する方法としても
有効である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、コリネバクテリウム
属、ミクロバクテリウム属、ロドトルラ属、バシルス
属、シゾサッカロマイセス属に属する微生物の培養液、
菌体または菌体処理物を、前記した一般式(I)で示さ
れる基でアミノ基が保護されたアミノ酸またはその塩の
D体とL体の混合物に作用させることにより、L−アミ
ノ酸またはその塩を選択的に得ることができる。この反
応は、良好な反応速度で、D−アミノ酸の副生も良好に
抑制された状態で実施でき、本発明は、極めて有用であ
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に何等制限されるものではな
い。
【0031】実施例1 菌の培養は1.0%ペプトン、0.7%肉エキス、0.
5%酵母エキス、0.3%塩化ナトリウム、0.03%
硫酸コバルト、pH7の培地5mlにコリネバクテリウ
ム アクアティカム IFO 12154菌を2〜3白
金耳接種し、30度で24時間振とう培養を行った。こ
の培養液を5ml接種し、1.0%ペプトン、0.7%
肉エキス、0.5%酵母エキス、0.3%塩化ナトリウ
ム、0.03%硫酸コバルト、pH7の培地500ml
と共にを2L肩付きフラスコに加え、30℃で24時間
振とう培養を行った。培養後、遠心分離によって上澄み
液を除き、冷却下0.85%食塩水で1回洗浄した後、
菌体懸濁液を凍結乾燥し、凍結乾燥菌体とした。
【0032】得られた凍結乾燥菌体を25mg、400
mMのN−t−ブトキシカルボニル−D,L−メチオニ
ン水溶液(リン酸水素カリウムでpHを8に調整)を1
00μl、50mMの硫酸コバルト水溶液を100μ
l、10%トリトンX−100を40μl、水1760
μl、計2mlの反応溶液を試験管に加え、30℃で6
時間振とうし、反応を行った。反応後、反応液500μ
lを採取し、遠心分離で、菌体を沈澱させ、その上澄み
液をHPLCによって分析し、得られたアミノ酸を定量
したところ、反応液中のアミノ酸はすべてL−メチオニ
ンであり、アミノ酸濃度は10mM(収率100%)で
あった。
【0033】また、本反応液中のN−t−ブトキシカル
ボニル−D−メチオニンを定量したところ10mMであ
り、全く加水分解を受けていなかった。
【0034】比較例1 実施例1と同様の操作で得られた凍結乾燥菌体を25m
g、400mMのN−t−ブトキシカルボニルオキシ−
D,L−メチオニン水溶液(酢酸及び酢酸ナトリウムで
pHを5.8に調整)を100μl、50mMの硫酸コ
バルト水溶液を100μl、10%トリトンX−100
を40μl、水1760μl、計2mlの反応溶液を試
験管に加え、55℃で24時間振とうし、反応を行っ
た。反応後、反応液500μlを採取し、遠心分離で、
菌体を沈澱させ、その上澄み液中をHPLCによって分
析し、得られたアミノ酸を定量したところ、メチオニン
濃度は2mM(収率20%)にすぎず、そのうちの0.
3mMはD−メチオニンであった。
【0035】実施例2 N−t−ブトキシカルボニル−D,L−メチオニンに代
えて表1に示したN−t−ブトキシカルボニル−D,L
−アミノ酸及びその塩を用い、実施例1と同様な操作を
行った。24時間反応後、加水分解によって生成したア
ミノ酸はすべてL−アミノ酸でり、N−t−ブトキシカ
ルボニル−D−アミノ酸は全く加水分解を受けずに反応
溶液中に存在した。また、L−アミノ酸の収率を表1に
示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例3 N−t−ブトキシカルボニル−D,L−メチオニンに代
えて表2に示したN−ベンジルオキシカルボニル−D,
L−アミノ酸及びその塩を用い、実施例1と同様な操作
を行った。24時間反応後、加水分解によって生成した
アミノ酸はすべてL−アミノ酸であり、N−ベンジルオ
キシカルボニル−D−アミノ酸は全く加水分解を受けず
に反応溶液中に存在した。また、L−アミノ酸の収率を
表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】実施例4 実施例1で用いたN−t−ブトキシカルボニル−D,L
−メチオニンの濃度を表3に示した濃度にした以外は実
施例1と同様な操作を行った。24時間後に生成したL
−メチオニンの反応液中の濃度と収率を表3に示した。
また、D−メチオニンは確認されず、すべてN−t−ブ
トキシカルボニル−D−アミノ酸として反応溶液中に存
在した。
【0040】
【表3】
【0041】実施例5 実施例1で用いたコリネバクテリウム アクアティカム
IFO12154菌に代えて表4に示したバクテリア
を用いた以外は実施例1と同様な操作を行った。24時
間後に生成したL−メチオニンの収率を表4に示した。
また、D−メチオニンは確認されず、すべてN−t−ブ
トキシカルボニル−D−アミノ酸として反応溶液中に存
在した。
【0042】
【表4】
【0043】実施例6 実施例1で用いた培地に代えて、0.5%ペプトン、2
%肉エキス、0.03%硫酸コバルト、pH6の培地5
ml、コリネバクテリウム アクアティカムIFO12
154菌に代えて表5に示した酵母を用いた以外は、実
施例1と同様な操作を行った。24時間後に生成したL
−メチオニンの収率を表5に示した。また、D−メチオ
ニンは確認されず、すべてN−t−ブトキシカルボニル
−D−アミノ酸として反応溶液中に存在した。
【0044】
【表5】
【0045】実施例7 実施例1と同様な操作でコリネバクテリウム アクアテ
ィカム IFO12154菌を培養した後、50mMリ
ン酸カリウム緩衝液(pH7)に懸濁後、超音波で破砕
し、遠心分離して上澄み液を透析し、無細胞抽出液とし
た。
【0046】得られた無細胞抽出液100μl(蛋白質
換算1.56mg)、400mMのN−t−ブトキシカ
ルボニル−D,L−メチオニン水溶液(リン酸水素カリ
ウムでpHを8に調整)を50μl、50mMの硫酸コ
バルト水溶液を70μl、水780μl、計1mlの反
応溶液を試験管に加え、30℃で24時間振とうし、反
応を行った。反応後、反応液をHPLCによって分析
し、得られたアミノ酸を定量したところ、反応液中のア
ミノ酸はすべてL−メチオニンであり、アミノ酸濃度は
5.7mM(収率57%)であった。また、N−t−ブ
トキシカルボニル−D−アミノ酸は全く加水分解を受け
ず、すべて反応溶液中に存在した。
【0047】実施例8 実施例7で用いたN−t−ブトキシカルボニル−D,L
−メチオニンに代えて表6に示したN−t−ブトキシカ
ルボニル−D,L−アミノ酸を用いた以外は実施例7と
同様な操作を行った。24時間後に生成したアミノ酸は
すべてL−アミノ酸であり、N−t−ブトキシカルボニ
ル−D−アミノ酸は全く加水分解を受けず反応溶液中に
存在した。L−アミノ酸の収率は表6に示した。
【0048】
【表6】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】一方、本発明において、上記微生物として
は、前記性状を有するものであれば、何等制限なく使用
できる。具体的には、コリネバクテリウム アクアティ
カム(Corynebacterium aquaticum IFO12154)、ミクロ
バクテリウム アルボレッセンス(Microbacterium arb
orescens IFO3750)、ロドトルラ ミヌータ(Rhodotor
ula minuta IFO0879)、バシルス スファエリカス(Ba
cillus sphaericus IFO3525)、シゾサッカロマイセス
ポンベ(Schizosaccharomyces pombe IFO0358)等が
好ましく用いられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】実施例1 菌の培養は1.0%ペプトン、0.7%肉エキス、0.
5%酵母エキス、0.3%塩化ナトリウム、0.03%
硫酸コバルト、pH7の培地5mlにコリネバクテリウ
ム アクアティカム IFO 12154菌を2〜3白
金耳接種し、30度で24時間振とう培養を行った。こ
の培養液5ml、1.0%ペプトン、0.7%肉エ
キス、0.5%酵母エキス、0.3%塩化ナトリウム、
0.03%硫酸コバルト、pH7の培地500mlを含
2L肩付きフラスコに加え、30℃で24時間振とう
培養を行った。培養後、遠心分離によって上澄み液を除
き、冷却下0.85%食塩水で1回洗浄した後、菌体懸
濁液を凍結乾燥し、凍結乾燥菌体とした。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:32) (C12P 13/04 C12R 1:07) (C12P 13/04 C12R 1:85)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (但し、Rはアルキル基またはベンジル基である。)で
    示される基でアミノ基が保護されたアミノ酸またはその
    塩のD体とL体との混合物に作用させた時、そのL体を
    選択的に加水分解してL−アミノ酸またはその塩を生成
    する能力を有する、コリネバクテリウム属、ミクロバク
    テリウム属、ロドトルラ属、バシルス属、シゾサッカロ
    マイセス属に属する微生物、またはその培養液もしくは
    菌体処理物を、pHが6〜10で、温度が10〜50℃
    の条件下で、該一般式(1)で示される基でアミノ基が
    保護されたアミノ酸またはその塩のD体とL体の混合物
    に作用させ、生成したL−アミノ酸またはその塩を採取
    することを特徴とするL−アミノ酸またはその塩の製造
    方法。
JP14846995A 1995-06-15 1995-06-15 L−アミノ酸またはその塩の製造方法 Expired - Fee Related JP3155448B2 (ja)

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