JP4460673B2 - 高負荷伝動用vベルト - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
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    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用汎用機械や自動車におけるベルト式無段変速装置等のベルト伝動装置に用いられる高負荷伝動用Vベルトであって、その張力帯に接着処理の施された心線が埋設されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばコンバインやトラクタ等の農業用機械や自動車等における変速装置として、変速時の操作性や燃料消費率の向上等を図る観点から、ベルト式無段変速装置の開発が進められている。そして、この種の変速装置に用いられる高負荷伝動用Vベルトとしては、例えば特開昭60−49151号公報に記載されているものが知られている。
【0003】
このものは、両側1対のエンドレス状の張力帯に、多数のブロックがベルト長さ方向に所定ピッチで且つ所定間隔をあけて係止固定されてなっており、図16に示すように、上記各張力帯Aの上下両面には、各々、ベルト幅方向に延びるように設けられた多数の上面溝a及び下面溝bがベルト長さ方向(同図の左右方向)に所定ピッチで且つ所定間隔をおいて配置されている。そして、上記各ブロックBの両側部には、それぞれベルト長さ方向に貫通するスリット状の嵌合部cがベルト幅方向に延びるように設けられ、その嵌合部cの上縁部dが上記各張力帯Aの上面溝aに、また下縁部eが下面溝bにそれぞれ係合され、これらのことで、各ブロックBは両張力帯A,Aに係止固定されている。そして、図17に例示するように、上記各張力帯Aは保形層fを有し、その保形層fには接着処理が施された心線gがベルト長さ方向に延びるように埋設され、かつ保形層fの上下両面は、補強布としてそれぞれ上補強布k及び下補強布iで被覆されていて、これらのことで高負荷伝動に耐えることができるようになっている。
【0004】
そして、上記心線gの繊維材料としては芳香族ポリアミド繊維が用いられているが、この芳香族ポリアミド繊維は繊維表面が不活性なためゴムへの接着が難しいものである。そこで、特開平5−339548号公報には、芳香族ポリアミド繊維に対する親和性が強く、濡れ性にも優れるということから2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン含有ポリマー(以下「2,3−DCB」という)のラテックスを含むレゾルシン・ホルマリン・ラテックス(以下「RFL」という)溶液により芳香族ポリアミド繊維を接着処理することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2,3−DCB自体は硬いポリマーであるため、接着処理された心線gは非常に硬く、剛性の高いものとなる。従って、上記Vベルトがプーリに巻き掛けられて張力帯Aが曲げられると、張力帯A内部で心線gが多段に屈折した形態をとり、その屈折部分から心線gが破断に至るという問題がある。また、張力帯Aの係止部で係止固定されているブロックBが張力帯Aの長さ方向に揺動すると、ブロックBの上縁部dと下縁部eとにより張力帯Aが厚み方向にせん断力を受け、これによって心線gに曲げ変形が加わって上記問題が発生する場合もある。さらに、心線を覆うRFL被膜が硬いと、RFL被膜が激しい屈曲変形を受けるゴムの歪に対応できず、RFL被膜の割れ等を生じるという問題もある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、心線の接着処理を改善することにより高負荷伝動用Vベルトの耐久性向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、心線の接着処理に用いられるRFLのラテックスとしてカルボキシル化水素化ニトリルゴムのラテックスを用い、RFL溶液のレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂の重量に対するラテックスの重量の比を所定の範囲とし且つRFL溶液の固形分の濃度を所定の範囲としたものである。
【0008】
具体的に請求項1記載の発明は、有機過酸化物によって架橋反応した水素化ニトリルゴムを主成分とするゴム組成物を保形ゴムとするエンドレスの張力帯と、
前記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチで固定されている多数のブロックとを備え、
前記張力帯の保形ゴムの長さ方向には、有機繊維で形成され且つ接着処理の施された心線が埋設されており、
前記心線は、エポキシ化合物またはイソシアネート化合物を含む第1溶液に該心線を浸漬し、該第1溶液から引き上げて加熱する第1処理により繊維表面に形成される第1被膜と、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物とカルボキシル化水素化ニトリルゴムのラテックスとを含む第2溶液(RFL溶液)に浸漬し、該第2溶液(RFL溶液)から引き上げて加熱する第2処理により第1被膜の上に形成される第2被膜と、ゴムと熱硬化性樹脂化合物とを含む第3溶液に浸漬し、該第3溶液から引き上げて加熱する第3処理により第2被膜の上に形成される第3被膜とを備えており、
前記第2溶液は、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物100重量部に対してラテックスの固形分が150重量部以上200重量部以下となるように配合されたものであり且つ該第2溶液の固形分の濃度は10重量%以上15重量%以下とされていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルトである。
【0009】
上記の構成では、心線を形成する有機繊維表面にエポキシ化合物またはイソシアネート化合物を含む第1被膜が形成され、それによって繊維表面の濡れ性は改善されるため繊維上へのRFLの付着が容易となる。
【0010】
また、RFLのラテックス成分をカルボキシル化水素化ニトリルゴムのラテックスとしているので、ラテックス成分として2,3−DCBを使用する場合に比べて繊維上に形成される第2被膜(RFL被膜)は軟らかくなる。従って、心線の曲げ剛性を低く抑えることができ、プーリにベルトを巻き掛けることによって張力帯が曲げられても、従来技術のように張力帯内部で心線が多段に屈折した形態をとることはない。また、張力帯の係止部で係止固定されているブロックが張力帯長さ方向に揺動することによって張力帯に埋設された心線に曲げ変形が加わっても、従来技術のようにその部分で心線が屈折した形態をとるということもない。さらに、第2被膜(RFL被膜)は軟らかいので、激しい屈曲変形を受けるゴムの歪にも対応することができ、従来技術のように第2被膜(RFL被膜)の割れ等が生じるということもない。
【0011】
そして、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物の重量とラテックスの固形分の重量との割合を適当な範囲とし且つ第2溶液(RFL溶液)の固形分の濃度も適当な範囲としているので、心線への接着剤の付着量を少なく抑えられる。従って、心線の曲げ剛性を低くすることにより上記心線の屈折による破損を防止することができる。すなわち、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物100重量部に対してラテックスの固形分を150重量部より低くすると繊維表面上に形成される第2被膜(RFL被膜)の樹脂成分が多くなり、これがベルトの走行に伴って熱硬化すると心線の剛性が高くなってしまう。また、200重量部より高くなると第2溶液(RFL溶液)のラテックス成分が多くなるので溶液の粘度が高くなり、それにより心線へのRFLの付着量が多くなって心線の剛性も高くなる。第2溶液(RFL溶液)の固形分の濃度を10重量%より低くすると、心線へのRFLの付着量が少なくなり、心線と張力帯の保形ゴムとの接着に支障をきたすこととなる。また、15重量%より高くすると心線へのRFLの付着量が多くなるので心線の剛性が高くなってしまう。
【0012】
ここで、心線を形成する有機繊維としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリベンゾビスオキサゾール繊維(PBO)等の合成繊維を主として挙げることができる。
【0013】
また、第1処理に用いられるイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等のポリイソシアネートを好適に用いることができる。また、かかるポリイソシアネートにトリメチロールプロパン、ペンタンエリスリトール等のように、分子内に活性水素を2以上有する化合物を反応させて得られる多価アルコール付加ポリイソシアネートや、上記イソシアネートにフェノール類、第3級アルコール類、第2級アミン類等のブロック化剤を反応させて、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロックドポリイソシアネートもポリイソシアネート化合物として好適に用いることができる。
【0014】
同様に、エポキシ化合物としては、分子内に2以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物が好ましく、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロロヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物やレゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルエタン、フェノール・ホルムアミド樹脂、レゾルシン・ホルムアミド樹脂等の多価フェノール類やフェノール樹脂とエピクロロヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物が好ましく用いられる。
【0015】
さらに、上記イソシアネート化合物とエポキシ化合物を混合したものであってもよく、ゴムラテックスを混合したものであってもよい。
【0016】
また、レゾルシンとホルムアルデヒドとのモル比は、1:0.5〜3の範囲とするのが好ましく、心線の剛性と接着性とのバランスを考慮すると1:1〜1.5の範囲とするのがより好ましい。
【0017】
そして、RFLのラテックス成分として用いられるカルボキシル化水素化ニトリルゴムは、不飽和ニトリル−共役ジエン−エチレン型不飽和単量体三次元共重合ゴムや不飽和ニトリル−エチレン型不飽和単量体系共重合ゴムの共役ジエン単位部分を水素化したものである。これらのニトリル基含有高飽和ゴムは通常の重合方法及び通常の水素化方法を用いることにより得られるが、本発明では特にその製造方法を限定するものではない。
【0018】
なお、張力帯を構成する保形ゴムのゴム種は特に限定されるものではないが、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム及びエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン系重合体からなる水素化ゴムにメタクリル酸亜鉛を混合したゴム等を挙げることができる。そして、これらのゴムには種々の補強性充填剤、老化防止剤、可塑剤、加硫助剤、加工助剤等が配合される。
【0019】
また、上記の構成により、第3被膜に含まれる樹脂成分とRFLのレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂とが反応することにより、第3被膜と第2被膜(RFL被膜)とは強固に密着する。また、第3被膜に含まれるゴム成分は張力帯を形成する保形ゴム層に拡散することにより、第3被膜と保形ゴム層とは強固に密着する。従って、第3被膜を設けることにより、張力帯の保形ゴムに対する心線の接着性の向上が図られる。
【0020】
また、心線の第2被膜(RFL被膜)上に第3被膜が形成されているので、第2被膜(RFL被膜)はこの第3被膜によって保護され、保形ゴムに含まれる有機過酸化物により劣化させられるということがない。
【0021】
ここで、有機過酸化物としては特に限定されるものではなく、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン等を挙げることができる。
【0022】
また、第3溶液に含まれるゴムとしては、特に限定されるものではなく、ニトリルゴム、クロロプレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等が好適に用いられる。
【0023】
そして、第3溶液に含まれる熱硬化性樹脂化合物の初期縮合物としては 、特に限定されるものではなく、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂、エポキシ樹脂等が好適に用いられる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、心線を形成する有機繊維表面にエポキシ化合物またはイソシアネート化合物を含む第1被膜が形成され、それによって繊維表面の濡れ性は改善されるため繊維上へのRFLの付着が容易となる。また、RFLのラテックス成分をカルボキシル化水素化ニトリルゴムのラテックスとしているので、繊維上に形成されるRFLの被膜は軟らかくなる。従って、心線の曲げ剛性を低く抑えることができ、プーリにベルトを巻き掛けることによって張力帯が曲げられても、張力帯内部で心線が多段に屈折した形態をとることはない。さらに、張力帯の係止部で係止固定されているブロックが張力帯長さ方向に揺動することにより張力帯に埋設された心線に曲げ変形が加わっても、その部分で心線が屈折した形態をとるということもない。そして、第2被膜(RFL被膜)は軟らかいので、激しい屈曲変形を受けるゴムの歪にも対応することができ、第2被膜(RFL被膜)の割れ等が生じるということもない。また、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物の重量とラテックスの固形分の重量との割合を適当な範囲とし且つ第2溶液(RFL溶液)の固形分の濃度も適当な範囲としているので、心線への接着剤の付着量が少なく抑えられ、心線の曲げ剛性を低くすることにより心線の屈折による破損が防止される。以上のことから高負荷伝動用Vベルトの耐久性の向上が図られる。
【0025】
また、第3被膜に含まれる樹脂成分とRFLのレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂とが反応することにより、第3被膜と第2被膜(RFL被膜)とは強固に密着し、また、第3被膜に含まれるゴム成分は張力帯を形成する保形ゴム層に拡散することにより、第3被膜と保形ゴム層とは強固に密着する。従って、第3被膜を設けることにより、張力帯の保形ゴムに対する心線の接着性の向上が図られる。また、心線の第2被膜(RFL被膜)上に第3被膜が形成されているので、第2被膜(RFL被膜)はこの第3被膜によって保護され、保形ゴムに含まれる有機過酸化物により劣化させられるということがない。以上のことから高負荷伝動用Vベルトの耐久性のさらなる向上が図られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る高負荷伝動用VベルトAを示す。このVベルトAは、図示は省略するが、各々、固定シーブ及び可動シーブからなる駆動側及び従動側の2つの変速プーリ間に巻き掛けられてなるベルト式無段変速装置を構成する際に用いられるものであり、両側一対のエンドレスの張力帯1,1に多数のブロック8,8,…がベルト長さ方向に所定ピッチで且つ所定間隔をあけて係止固定されてなっている。
【0028】
上記各張力帯1は、保形ゴム2と、この保形ゴム2に張力帯1の幅方向に所定ピッチで且つ所定間隔をあけて並んだ状態で埋設され且つ張力帯1の長さ方向にスパイラル状に巻かれた心線3,3,…と、保形ゴム2上面を被覆する上補強布4と、保形ゴム2下面を被覆する下補強布5とによりなる。
【0029】
前記保形ゴム2は、ジクミルパーオキサイドを架橋剤とする水素化ニトリルゴム(H−NBR)を主成分とするゴム組成物からなり、前記上補強布4及び下補強布5はウーリー加工されたナイロン織布であり、ゴム糊による接着処理が施されている。
【0030】
そして、前記心線3は、1000deのアラミド繊維(帝人社商品名:テクノーラ)4本を10cmあたり30回の組目ができるように構成された組紐心線であり、諸物性は表1に示すとおりである。そして、心線3は以下の接着処理が施されている。
【0031】
【表1】
Figure 0004460673
【0032】
まず、表2に示す配合となるようにポリグリセリンポリグリシジルエーテル(エポキシ樹脂化合物)と1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(触媒)とを溶媒のトルエンに混合した第1溶液に、上記心線3を浸漬して引き上げた後、250℃の温度雰囲気下で72秒間保持し、芳香族ポリアミド繊維表面にエポキシ樹脂化合物による被膜(第1被膜)を形成させる。
【0033】
【表2】
Figure 0004460673
【0034】
次に、表3に示す配合となるようにレゾルシン−ホルムアルデヒドの初期縮合物(レゾルシンとホルマリンを水に溶かし、水酸化ナトリウムを触媒として調合する)と固形分が40%のカルボキシル化水素化ニトリルゴムラテックスとジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(界面活性剤)とを溶媒の水に混合した第2溶液(RFL溶液)に上記心線3を浸漬して引き上げた後、245℃の温度雰囲気下で72秒間保持し、第1被膜の上に第2被膜(RFL被膜)を形成させる。なお、繊維へのRFLの付着むらを無くすため、この第2溶液(RFL溶液)への浸漬及び加熱の処理は2度行う。
【0035】
【表3】
Figure 0004460673
【0036】
最後に、表4に示す配合となるようにフェノール樹脂とエポキシ樹脂とニトリルゴムとを含む接着剤(東洋化学研究所社製:メタロックN20)をメチルエチルケトンで希釈した第3溶液に心線3を浸漬して引き上げた後、100℃の温度雰囲気下で72秒間保持し、溶剤を飛散させる。
【0037】
【表4】
Figure 0004460673
【0038】
このとき、第1溶液に浸漬後の加熱処理温度は240℃以上260℃以下とするのがよい。加熱処理温度が240℃より低いと繊維表面への第1被膜の形成が十分になされず、また260℃より高いとエポキシ樹脂化合物が熱により分解してしまうからである。かかる観点から加熱処理温度を245℃以上250℃以下とすることがさらに好ましい。そして、加熱処理時間は60秒以上80秒以下とするのがよい。加熱処理時間が60秒より短いと繊維表面への第1被膜の形成が十分になされず、また80秒より長いとエポキシ樹脂化合物の反応が過剰に進行し、繊維表面の活性化という効果が弱くなるからである。また、第2溶液(RFL溶液)に浸漬後の加熱処理温度は235℃以上255℃以下とするのがよい。加熱処理温度が235℃より低いと第2被膜(RFL被膜)の樹脂成分の架橋反応が十分に進行せず、また255℃より高いと第2被膜(RFL被膜)のゴム成分が熱により劣化してしまうからである。かかる観点から加熱処理温度を240℃以上250℃以下とすることがさらに好ましい。そして、加熱処理時間は60秒以上80秒以下とするのがよい。加熱処理時間が60秒より短いと第2被膜(RFL被膜)の樹脂成分の架橋反応が十分に進行せず、また80秒より長いと第2被膜(RFL被膜)のゴム成分が熱により劣化してしまうからである。さらに、第3溶液に浸漬後の加熱処理温度は90℃以上110℃以下とするのがよい。加熱処理温度が90℃より低いと第3被膜の形成が十分になされず、また110℃より高いと第3被膜の樹脂成分の架橋反応が過剰に進行してゴムとの接着性能が低下するからである。かかる観点から加熱処理温度を95℃以上105℃以下とすることがさらに好ましい。そして、加熱処理時間は60秒以上80秒以下とするのがよい。加熱処理時間が60秒より短いと第3被膜の形成が十分になされず、また80秒より短いと第3被膜の樹脂成分の架橋反応が過剰に進行してゴムとの接着性能が低下するからである。
【0039】
上記各張力帯1の上面には、各々、断面凹字状をなす係止部としての多数の上面溝6,6,…が、また下面には、各々、上記上面溝6,6,…に上下に対応して断面円弧状をなす係止部としての多数の下面溝7,7,…がそれぞれベルト長さ方向に所定ピッチで且つ所定間隔でベルト幅方向に延びるように設けられている。
【0040】
一方、上記各ブロック8は略逆台形板状をなしていて、その両側面は、変速プーリの溝面に摺接する摺接部9,9とされている。また、各ブロック8の両側部には、各々、ベルト長さ方向に貫通し且つベルト幅方向に延びるスリット状の嵌合部10,10が、側方に向けて開放された状態に設けられている。この各嵌合部10の上縁部は、下方に向けて突出する断面凸字状をなしていて、上記張力帯1の上面溝6に係合する係合部としての下向き突条11とされている。また、上記各嵌合部10の下縁部は、上方に向けて隆起する断面円弧状をなしていて、上記張力帯1の下面溝7に係合する係合部としての上向き突条12とされている。
【0041】
次に、作用・効果について説明する。
【0042】
心線3を形成する芳香族ポリアミド繊維は繊維表面が不活性であるためRFL溶液等への親和性に乏しい。従って、繊維表面にエポキシ化合物を含む第1被膜が形成されることによって繊維表面の濡れ性は改善され、RFLの付着が容易となる。
【0043】
また、第2溶液であるRFL溶液のラテックス成分をカルボキシル化水素化ニトリルゴムのラテックスとしているので、ラテックス成分として2,3−DCBを使用する場合に比べて繊維上に形成される第2被膜(RFL被膜)は軟らかくなる。従って、心線3の曲げ剛性を低く抑えることができ、プーリにベルトを巻き掛けることによって張力帯1が曲げられても、従来技術のように張力帯1内部で心線3が多段に屈折した形態をとることはない。また、張力帯1の係止部で係止固定されているブロック8が張力帯1長さ方向に揺動することにより張力帯1に埋設された心線3に曲げ変形が加わっても、従来技術のようにその部分で心線3が屈折した形態をとるということもない。そして、第2被膜(RFL被膜)は軟らかいので、激しい屈曲変形を受ける保形ゴム2の歪にも対応することができ、従来技術のように第2被膜(RFL被膜)の割れ等が生じるということもない。
【0044】
さらに、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物100重量部に対してラテックスの固形分は158重量部としており且つ第2溶液(RFL溶液)の固形分の濃度は11.2%としているので、心線3の保形ゴム2への接着性を損なわない範囲で心線3へのRFLの付着量は低減される。従って、心線3の曲げ剛性は低くなり、心線3が折れ曲って破損するということがない。
【0045】
また、第3被膜に含まれるフェノール樹脂成分とRFLのレゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂とが反応することにより第3被膜と第2被膜(RFL被膜)とは強固に密着する。また、第3被膜に含まれるニトリルゴム成分は張力帯1を形成する保形ゴム2層に拡散することにより、第3被膜と保形ゴム2層とは強固に密着する。従って、第3被膜によって、張力帯1の保形ゴム2に対する心線3の接着性の向上が図られる。
【0046】
そして、心線3の第2被膜(RFL被膜)上に第3被膜が形成されているので、第2被膜(RFL被膜)はこの第3被膜によって保護され、保形ゴム2に含まれる有機過酸化物により劣化されにくくなる。
【0047】
以上の心線3の接着処理の改善により、高負荷伝動用VベルトAは耐久性に優れたものとなる。
【0048】
<実施例>
上記実施形態1に係る高負荷伝動用VベルトAを実施例1とし、心線の接着処理の第2溶液(RFL溶液)のラテックス成分を固形分40%の水素化ニトリルゴムのラテックスとした以外は実施例1と同一構成とした高負荷伝動用VベルトBを参考例とした(表5,6,7参照)。また、心線の接着処理の第1溶液及び第2溶液(RFL溶液)の配合をそれぞれ表5及び6に示す処理液とした以外は実施例1と同一構成とした高負荷伝動用VベルトCを比較例とした(表5,6,7参照)。
【0049】
【表5】
Figure 0004460673
【0050】
【表6】
Figure 0004460673
【0051】
【表7】
Figure 0004460673
【0052】
−心線の曲げ剛性テスト−
実施例1、参考例及び比較例に用いた接着処理済みの心線についての曲げ剛性を測定した(カトーテック社製の純曲げ試験機KES使用)。なお、測定は(a)熱処理を行わないもの、(b)120℃で168時間の熱処理を行ったもの、(c)150℃で168時間の熱処理を行ったものそれぞれについて行った。その結果を図2に示す。
【0053】
図2より明らかなように、実施例1及び参考例の心線は、比較例の心線に比べて心線の剛性が低いことがわかる。すなわち、心線の接着処理の第1溶液をエポキシ樹脂化合物の溶液とし、第2溶液(RFL溶液)のラテックス成分をカルボキシル化水素化ニトリルゴムまたは水素化ニトリルゴムのラテックスとした方が、第1溶液を溶剤系のイソシアネート樹脂化合物溶液とし、第2溶液(RFL溶液)のラテックス成分を2,3−DCBとするよりも心線の剛性を低くできることが確認できた。また、実施例1及び参考例の心線は、熱処理を施すことにより剛性を増すものの比較例の心線の剛性に比べると絶対値は低く抑えることができることも確認された。
【0054】
−心線引抜接着テスト−
実施例1、参考例及び比較例に使用されている各心線について引抜接着テストを行った。なお、被着ゴムはジクミルパーオキサイドを架橋剤とする水素化ニトリルゴムの配合物を用いた。図3に示すように、ゴム充填用の矩形溝13,13と該各矩形溝13の両側に心線セット用の細溝14,14,…とが形成された金型15を四つ用意した。矩形金型枠16の一方の向かい合う側枠に設けられたスリット状の多数の溝に接着処理を施した心線を掛け渡し、図4に示すように矩形金型枠16にセットされた心線を一対の金型15,15で挟み込んだ。このとき、一対の金型15,15のそれぞれの細溝14,14が対向するようにし、形成される穴に心線が通るようにセットした。そして、矩形溝13,13に未加硫の水素化ニトリルゴム組成物を充填し、これら全体を一対の板状の金型で挟んで160℃で25分間のプレス加硫を行った。続いて、上記各金型15を金型枠16から外し、図5(a)に示すように、複数本の心線17,17,…が貫くように埋設された直方体の試験片18(11cm×2cm×1cm)を得た。そして、図5(b)に示すように、この試験片11の片側に突出する心線17,17,…を切り落とした後、上記試験片18からの突出長さを7cmに揃えた。このようにして得た試験片18を図6に示すように引抜用治具19にセットし、引抜用治具19の上端と心線17とを引張試験機の上下チャックでそれぞれ挟み、引張スピード50mm/minとして心線をゴム片から引き抜いた。このときの最大張力が、試験片18の厚みである1cmあたりの心線17のせん断接着力となる。なお、測定は25℃温度雰囲気下で10回、120℃温度雰囲気下で10回の測定を行い、その平均値をデータとした。その結果を図7に示す。
【0055】
図7によると心線引抜接着力は、25℃または120℃のいずれの雰囲気温度下においても実施例1の心線、参考例の心線、比較例の心線のいずれもほぼ同水準の接着力を示すことが確認された。
【0056】
−平ベルト走行テスト−
上記実施例1、参考例及び比較例に係る各高負荷伝動用Vベルトの心線を埋設した同一構成の平ベルトを作成し、以下の3条件の走行試験を実施した(図8参照)。なお、平ベルトのマトリックスゴムはジクミルパーオキサイドを架橋剤とした水素化ニトリルゴムのゴム組成物とし、心線はベルト幅方向にピッチ0.75mmで3本が埋設されたものを用いた。
【0057】
条件(a):平ベルトを径40mmの2つのプーリに巻き掛け、従動プーリに1373Nで引っ張ることによりベルトに張力をかけ、雰囲気温度を25℃としてベルトが切断するまで走行させる。
【0058】
条件(b):平ベルトを径60mmの2つのプーリに巻き掛け、従動プーリに1177Nで引っ張ることによりベルトに張力をかけ、雰囲気温度を110℃としてベルトが切断するまで走行させる。なお、110℃の雰囲気温度は高負荷伝動用Vベルトの実使用条件に近いものである。
【0059】
条件(c):平ベルトを径60mmの2つのプーリに巻き掛け、従動プーリに981Nで引っ張ることによりベルトに張力をかけ、雰囲気温度を110℃として100時間走行させた後、ベルトの残存強力を測定する。なお、この条件は、上記条件(a)、(b)よりも高負荷伝動用Vベルトの実使用条件に近いものである。
【0060】
条件(a)及び条件(b)のベルトの走行寿命についての結果を図9に示す。これによると条件(a)では、実施例1、参考例及び比較例ともにベルト走行寿命はほぼ同じ水準を示している。これは、雰囲気温度を25℃としているので、平ベルトのマトリックスゴムの熱による軟化が生じず、心線の接着処理の相異がベルト走行寿命を支配する因子とならなかったためである。
【0061】
一方、条件(b)では、実施例1の心線を用いた平ベルト及び参考例の心線を用いた平ベルトとは比較例の心線を用いた平ベルトに比べて走行寿命が著しく長い。すなわち、高負荷伝動用Vベルトの実使用温度雰囲気下において、接着力は同水準であっても心線の剛性を低く抑えることにより、ベルトの耐屈曲疲労性の著しい向上が図られることが確認された。
【0062】
条件(c)のベルト走行前後のベルトの強力についての結果を図10に示す。なお、強力は心線1本あたりの強力に換算しており、走行後のベルトの残存強力率を算出し併記した。図10に示されるように、比較例の心線を用いた平ベルトでは残存強力率が72.0%であるのに対し、実施例1の心線を用いた平ベルトでは残存強力率が97.5%、参考例の心線を用いた平ベルトでは82.4%と著しく高い。すなわち、上記条件(b)での平ベルト走行試験の結果が条件(c)においても成立することが確認された。
【0063】
なお、条件(b)及び(c)において、参考例の心線を用いた平ベルトより実施例1の心線を用いた平ベルトの方が耐屈曲疲労性が優れる。これは、カルボキシル化水素化ニトリルゴムは極性を示すカルボキシル基を含んでいるので水素化ニトリルゴムに比べて繊維側及び第3被膜層側のいずれ側にも親和性が高く、接着性が高いためである。
【0064】
−高負荷伝動用Vベルト走行テスト−
実施例1に係るVベルトA、参考例に係るVベルトB及び比較例に係るVベルトCについてベルト走行テストを行った。ベルト走行試験機は、図11に示すように直径118.7mmの駆動プーリ20と直径67.7mmの従動プーリ21を備えている。また、従動プーリには水平方向に負荷がかかるようにされており、これによってベルトに張力がかけられる。そして、これらの両プーリは恒温槽22に収められており、この恒温槽には直径40mmの送風口23と直径90mmの排風口24が設けられている。走行試験は、Vベルト25を両プーリに巻き掛け、従動プーリに1108Nの負荷をかけ、ベルトが切断するまで走行させることによって行った。なお、駆動軸の回転数は6000rpmとし、ベルト温度が130℃となるように送風口から145〜150℃の空気を恒温槽内に送り込んだ。図12に各ベルトの走行寿命を示す。
【0065】
図12より明らかなように、実施例1及び参考例は比較例よりもベルト走行寿命が著しく長いことが分かる。すなわち、接着力は同水準であっても心線の剛性を低く抑えることにより、高負荷伝動用Vベルトとしても耐久性の向上が図られることが確認された。
【0066】
なお、参考例より実施例1の方が耐屈曲疲労性が優れるのは、上記平ベルトの結果の場合と同様の理由によるものである。
【0067】
(実施形態2)
図13は、実施形態2に係る歯付ベルトDを示す。歯付ベルトDは、ベルト内側に等ピッチで配設された歯ゴム31、ベルト外側の背ゴム32、ベルト長手方向に埋設されている心線33、歯ゴム31及び歯底32を被覆する補強布34とからなる。
【0068】
ここで、歯ゴム31及び背ゴム32としてジクミルパーオキサイドを架橋剤とする水素化ニトリルゴム(H−NBR)を主体とするゴム配合物が使用されている。また、補強布34はウーリー加工されたナイロン織布であり、RFL及びゴム糊による接着処理が施されたものが使用されている。そして、心線33として1500de/2構成の芳香族ポリアミド繊維(帝人社商品名:テクノーラ)で形成され、実施形態1と同様の接着処理が施されている。
【0069】
次に作用・効果について説明する。
【0070】
心線33を形成する芳香族ポリアミド繊維は繊維表面が不活性であるためRFL溶液等への親和性に乏しい。従って、繊維表面にエポキシ化合物を含む第1被膜が形成されることによって繊維表面の濡れ性は改善され、RFLの付着が容易となる。
【0071】
また、心線33の接着処理において、RFLのラテックス成分をカルボキシル化水素化ニトリルゴムのラテックスとしているので繊維上に形成されるRFLの被膜は軟らかいものとなる。従って、心線33の曲げ剛性を低く抑えることができ、プーリにベルトを巻き掛けられて曲げられても、ベルト内部で心線33が多段に屈折した形態をとることはない。また、第2被膜(RFL被膜)は軟らかいので、激しい屈曲変形を受ける歯ゴム31及び背ゴム32の歪にも対応することができ、第2被膜(RFL被膜)の割れ等が生じるということもない。
【0072】
そして、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物100重量部に対してラテックスの固形分は170重量部としており、第2溶液(RFL溶液)の固形分の濃度は10.8%としているので、心線33の歯ゴム31及び背ゴム32への接着性を損なわない範囲で心線33へのRFLの付着量が低減される。従って、心線33の曲げ剛性は低くなり、心線33が屈折して破損するということがない。 すなわち、実施形態1の高負荷伝動用Vベルトが奏する作用・効果を歯付ベルトDも同様に奏する。従って、心線33の接着処理の改善により、歯付ベルトDは耐久性に優れたものとなる。
【0073】
(その他の実施形態)
高負荷伝動用Vベルトとしては上記実施形態1に係るものに限定されるものではなく、図14に示すようなブロック41の一方の側面に張力帯42を嵌め込むための嵌合溝43を設けた多数のC字状のブロックを張力帯42に所定ピッチで係止固定した高負荷伝動用VベルトD40や、図15に示すように張力帯51の上下にそれぞれ上ブロック52と下ブロック53を配置してボルトやリベット等の締付材54で固定した高負荷伝動用VベルトE50も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 施形態1に係る高負荷伝動用VベルトAの斜視図である。
【図2】 心線の曲げ剛性テストの結果を示す図である。
【図3】 心線引抜接着テストに用いる試験片を得るための金型の斜視図である。
【図4】 心線引抜接着テストに用いる試験片を得るための金型を金型枠にセットし、且つ心線をセットした状態を示す平面図である。
【図5】 図5(a)は、ゴム片の両側に心線が突出した状態の心線接着試験用試験片の斜視図であり、図5(b)は、片側の心線を切り落とした状態の心線接着用試験片の斜視図である。
【図6】 心線接着用試験片を試験用治具に装着したところを示す斜視図である。
【図7】 心線引抜接着テストの接着力の結果を示す図である。
【図8】 平ベルトの走行試験機のレイアウトを示す図である。
【図9】 平ベルト走行テストの条件(a)及び条件(b)におけるベルト走行寿命の結果を示す図である。
【図10】 平ベルト走行テストの条件(c)におけるベルト残存強力の結果を示す図である。
【図11】 図11(a)は高負荷伝動用Vベルトの走行試験機のレイアウトを示す上面図であり、図11(b)は同側面図である。
【図12】 高負荷伝動用Vベルト走行テストのベルト走行寿命の結果を示す図である。
【図13】 施形態2に係る歯付ベルトDの斜視図である。
【図14】 高負荷伝動用VベルトDの斜視図である。
【図15】 高負荷伝動用VベルトEの断面図である。
【図16】 張力帯の下面溝に加わるブロックの力の状態を示す側面図である。
【図17】 従来の張力帯の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 張力帯
2 保形ゴム
3 心線
4 上補強布
5 下補強布
6 上面溝
7 下面溝
8 ブロック
9 摺接部
10 嵌合部
11 下向き突条
12 上向き突条
13 矩形溝
14 細溝
15 金型
16 矩形金型枠
17 心線
18 試験片
19 試験用治具
20 駆動プーリ
21 従動プーリ
22 恒温槽
23 送風口
24 排風口
25 Vベルト
31 歯ゴム
32 背ゴム
33 心線
34 補強布
40 高負荷伝動用VベルトD
41 ブロック
42 張力帯
43 嵌合溝
50 高負荷伝動用VベルトE
51 張力帯
52 上ブロック
53 下ブロック
54 締付材
a 上面溝
b 下面溝
c 嵌合部
d 上縁部
e 下縁部
f 保形層
g 心線
i 下補強布
k 上補強布

Claims (1)

  1. 有機過酸化物によって架橋反応した水素化ニトリルゴムを主成分とするゴム組成物を保形ゴムとするエンドレスの張力帯と、
    前記張力帯にベルト長さ方向に所定ピッチで固定されている多数のブロックとを備え、
    前記張力帯の保形ゴムの長さ方向には、有機繊維で形成され且つ接着処理の施された心線が埋設されており、
    前記心線は、エポキシ化合物またはイソシアネート化合物を含む第1溶液に該心線を浸漬し、該第1溶液から引き上げて加熱する第1処理により繊維表面に形成される第1被膜と、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物とカルボキシル化水素化ニトリルゴムのラテックスとを含む第2溶液に浸漬し、該第2溶液から引き上げて加熱する第2処理により第1被膜の上に形成される第2被膜と、ゴムと熱硬化性樹脂化合物とを含む第3溶液に浸漬し、該第3溶液から引き上げて加熱する第3処理により第2被膜の上に形成される第3被膜とを備えており、
    前記第2溶液は、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物100重量部に対してラテックスの固形分が150重量部以上200重量部以下となるように配合されたものであり且つ該第2溶液の固形分の濃度は10重量%以上15重量%以下とされていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
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