JP4460381B2 - ポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム - Google Patents

ポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム Download PDF

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Description

本発明は、バイオマス由来の原料を主体とした防湿性に優れた二軸延伸フィルムに関するものである。
従来より、各種食品、薬品、雑貨等の包装用資材、農業用資材、建築用資材等幅広い用途において、強度や耐久性、コスト等の優れた性能を有したプラスチックフィルムが、袋や熱成形された容器として使用されている。現在、これらの用途に使用されているプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等がある。しかし、上記のようなプラスチックからなるフィルムは、石油資源からなり廃棄の際に埋設処理された場合は自然環境中に残存し、焼却処理された場合は有毒ガスを生じたり焼却炉を劣化させたりするという問題がある。
近年、これらの問題を解決するために、水分や微生物等により分解可能であり、コンポスト中での堆肥化処理が可能であるポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンテレフタレートアジペート等の生分解性を有する樹脂からなるフィルムが要求されている。これらの中でも特にポリ乳酸は、各種デンプンや糖類等を発酵して得られる乳酸を重合した植物由来の原料で、最終的には再び炭酸ガスと水になり、地球的規模で環境リサイクルされる理想的なポリマーとして、各種用途に利用され始めている。
しかし、ポリ乳酸を代表とするこれら生分解性樹脂は水蒸気透過性が高く、湿気を嫌う製品や水分を多く含む製品等を包装する際には、吸湿や放湿が問題となる。
これらの問題を解決するために、例えば、脂肪族ポリエステル5重量%以上80重量%以下、およびポリオレフィンワックス20重量%以上95重量%以下含有する組成物からなる土中での分解性制御が可能な低透湿性フィルム(特許文献1)や、二つの生分解性樹脂層の間に生分解性の防湿層を備えている生分解性フィルム(特許文献2)が記載されている。しかし、前者では、非生分解性組成物であるポリオレフィンワックスを20重量%以上含むため、生分解性フィルムとは認められず、後者では二つの生分解性樹脂層の間に防湿層を備えているため、少なくとも3層以上の構成となり、工程や生産性に問題があった。
一方、生産性・生産コストを考慮すると、防湿剤をインラインコートすることが最も好ましい。しかし、単にコートした後に延伸した場合、防湿コート層に延伸追随性がなく、延伸によりコート層に割れが生じて延伸後のコート層は穴あき箇所が多数存在し、結果として防湿性能に劣るフィルムしか得られない。この問題を解決するために特許文献3は、生分解性のワックスと生分解性の樹脂を有機溶媒で溶解し相溶させたコート剤を用い、しかも生分解性ワックス100重量部に対し、生分解性樹脂5〜50重量部とワックス含量リッチ組成にすることで、延伸後でも防湿性能を発現することが開示されている。しかし、文献3に使用するコート剤は有機溶媒を使用しているため環境負荷が大きいことに加え、危険物扱いとなり通常の設備では使用しにくい。また、コート剤中のワックス含量が多いため環境負荷の小さい水系の溶媒を使用することは困難である。さらに、文献3では、実施例のみに延伸倍率4倍での防湿性能が発現されていることが開示されている。しかし、通常用途に耐え得る機械物性を有したフィルムを製造する場合は、面倍率を6倍以上とすることが必要であり、文献3に記載の技術において高倍率下での延伸追随性については不確かである。
特開平09−194706号公報 特開2003−311868号公報 特開2004−131575号公報
本発明は、上記問題を解決し、バイオマス由来原料を主体とした防湿性に優れたポリ乳
酸系二軸延伸フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリ乳酸と天然ワックス、可塑剤と水系の液状媒体を構成成分とした防湿コート剤を基材フィルムにコートし、その後実用の機械物性値が得られる倍率でフィルムを延伸しても、コート層が割れることなく延伸追随することができ、延伸後のフィルムに防湿性能を付与できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの少なくとも一方の面に、ポリ乳酸樹脂、天然ワックスおよび可塑剤を含有する防湿コート層を有するフィルムであって、防湿コート層における天然ワックスの含有量が、ポリ乳酸100質量部に対し、1〜100質量部であり、可塑剤の含有量が、ポリ乳酸100質量部に対し、1〜30質量部であり、かつ防湿コート層の厚みが0.05〜2μmであり、フィルムの40℃、100%RHにおける水蒸気透過度が50g/(m2・day)以下、引張破断強度が100MPa以上であることを特徴とするポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム。
(2)天然ワックスが植物系ワックスであることを特徴とする(1)記載のポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム。
(3)ヘイズが5%以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム
ポリ乳酸樹脂と可塑剤および天然ワックスを水系液状媒体に分散させた防湿コート剤は、コート剤自体が柔軟化しているため、これをフィルムに塗布して得られたコート層には延伸追随性が発現し、このため実用上必要な機械強力を得ることができる面倍率までフィルムを二軸延伸してもコート層自体の割れに伴う防湿性能の低下がなく、かつ、コート剤の主成分がポリ乳酸であることから、ポリ乳酸フィルムとの相溶性がよいためにフィルムの透明性を維持している。また、インラインコートによって作成されるため、ポストコートより経済的にポリ乳酸の防湿フィルムを得ることができる。そして、本発明のポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルムは、水蒸気透過性が高いポリ乳酸フィルムに優れた防湿性能を付与し、湿気を嫌う製品や水分を多く含む製品などを包装する際に、好適に使用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、防湿コート層および防湿コート剤の構成成分にはポリ乳酸樹脂がベース樹脂として必要である。本発明では、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムを基材フィルムとして構成し、この基材フィルムとコート層との界面相溶性はコート後のフィルムの透明性を左右する非常に重要な要因である。
そこで、防湿コート層および防湿コート剤に使用するポリ乳酸樹脂は、L−乳酸とD−乳酸との割合が、(L−乳酸)/(D−乳酸)=92/8〜80/20(モル%)であることが好ましく、92/8〜85/15(モル%)がさらに好ましい。D−乳酸が8モル%未満であると、ポリ乳酸に結晶部分が存在して安定なコート剤を得ることが困難となる。D−乳酸が20モル%を超えるポリ乳酸樹脂を工業生産することは実質的に工程上非常に困難となる。
また、防湿コート剤として使用し、最終的に水系液状媒体に分散させてエマルジョン化した際のポリ乳酸樹脂の数平均分子量は、5000〜20000であることが好ましく、より好ましくは7000〜15000である。なお、実際には該分子量範囲に入るようポリ乳酸樹脂を用意するが、この場合、高分子量のポリ乳酸樹脂を加水分解や解重合して調整する方法が選択される。数平均分子量が5000未満では、分子量が低すぎてポリマーとしての特性が失われ、被膜が脆くなる可能性があるため好ましくない。また、数平均分子量が20000を超えると、天然ワックスと十分に混ざり合わず、結果として期待し得る防湿性能が発現しない。
本発明において防湿コート層および防湿コート剤の構成成分である天然ワックスは、植物系ワックス、動物系ワックスが使用できる。
植物系ワックスとしては、ライスワックス、カルナバワックス、木ろう、キャンデリラワックス等が挙げられるが、中でもキャンデリラワックスを用いたとき、最も高い防湿性能が得られるので好ましい。
また、動物系ワックスとしては、みつろう、ラノリンワックス、鯨ろう等が挙げられる。
ここで本発明では、バイオマス由来原料であるポリ乳酸樹脂を基材フィルムおよびコート層に使用しており、ワックスについてもバイオマス由来原料である植物系ワックスを使用することが本発明のコンセプトとして好ましい。
本発明において防湿コート層および防湿コート剤の構成成分である可塑剤は、ポリ乳酸と相溶であれば特に限定されるものではないが、コート層の延伸追随性を向上させる目的からは必須である。可塑剤は、コート層のポリ乳酸樹脂を柔軟化することによって、基材フィルムの延伸時に、コート層のポリ乳酸樹脂も延伸追随し、割れや穴あき等の欠陥のない膜を造膜する効果を有す。
可塑剤の具体例としては、脂肪族多塩基酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、オキシ酸エステル誘導体等から選ばれた単一または複数の混合物が挙げられる。
脂肪族多塩基酸エステルとしては、例えば、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ビスメチルジエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペート、ジブチルセバケート等が挙げられる。
脂肪族多価アルコールエステルとしては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、グリセリントリプロピオネート、グリセリントリブチレート、ジアセチルグリセリン、グリセリンジアセトモノカプリレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノオレート等が挙げられる。
オキシ酸エステル誘導体としては、例えば、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルトリブチルクエン酸等が挙げられる。
可塑剤は水溶性でも非水溶性でも水分散体でもよい。ただし、コート剤に均一に混ざる必要がある。
本発明において防湿コート剤に使用する水系液状媒体は、保存安定性、取扱いの容易さ、さらに、環境保全、省資源、消防法等の危険物規制、職場環境改善等の立場から水系媒体であることが必要である。水系媒体とは、水もしくは水を主成分とする液体からなる媒体であり、水以外の溶媒を混合する場合には、親水性の有機溶剤を用いる。親水性の有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−tert−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセトニトリル、その他アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−ジエタノールアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミンプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等の有機アミン化合物等を挙げることができる。
また、上記の水系液状媒体中にポリ乳酸樹脂、天然ワックスおよび可塑剤が含有された状態としては、全ての成分が水系液状媒体に溶解している状態、いずれかの成分が微粒子として水系液状媒体に分散し、残りが水系液状媒体に溶解している状態、全ての成分が水系液状媒体に微粒子として分散している状態が挙げられ、ポリ乳酸樹脂、天然ワックス、可塑剤、水系液状媒体の組み合わせによりいずれの状態をとってもよい。
本発明において、防湿コート層および防湿コート剤の構成成分である、ポリ乳酸樹脂、天然ワックス、可塑剤の含有量は、防湿コート層の透明性および強度を維持するため、ポリ乳酸樹脂100質量部に対して、天然ワックスを1〜100質量部、可塑剤を1〜30質量部とすることが必要であり、好ましくは、天然ワックスを20〜100質量部、可塑剤を2〜20質量部、より好ましくは、天然ワックスを30〜100質量部、可塑剤を5〜15質量部である。天然ワックスが1質量部未満では、防湿性能が十分発現されない場合がある。また、天然ワックス成分は、その量が多くなるほど防湿性能が向上する傾向にあるが、100質量部を超えて用いても防湿性能はほとんど向上しなくなるため経済的でなく、さらに、天然ワックスの量が100質量部を超えると防湿コート層が白濁したり、脆くなる上、基材フィルムとの密着性が低下する場合がある。一方、可塑剤が1質量部未満であると、コート層のポリ乳酸樹脂の柔軟化が進まず、延伸追随性に改善効果が見られない。可塑剤が30質量部を超えると、ポリ乳酸樹脂からブリードし、基材フィルムとの密着性が低下する場合がある。
また、本発明において防湿コート剤を構成するポリ乳酸樹脂と天然ワックスは十分に混ざり合っていることが防湿性能発現のために重要であることから、これらが微粒子状に分散している場合、ポリ乳酸樹脂の水系液状媒体中での数平均粒子径(以下、mn)は、0.5μm以下であることが好ましく、混合安定性の観点から0.3μm以下がより好ましく、0.2μm未満が最も好ましい。なお、粒度分布については、特に限定されない。また、天然ワックスの水系液状媒体におけるmnは、0.5μm以下であることが好ましく、混合安定性の観点から0.3μm以下がより好ましく、0.2μm未満が最も好ましい。ここで、上記mnは、微粒物質の粒子径を測定するために一般的に使用されている動的光散乱法によって測定される。
本発明における防湿コート層のフィルム延伸後の厚みは、0.05〜μmであることが必要であり、好ましくは0.1〜1.5μmである。フィルム延伸後の防湿コート層の厚みが0.05μm未満では、膜厚が小さすぎて防湿性能が十分発現しない場合がある。また膜厚がμmを超えると、フィルムのヘイズが大きくなって白濁してくるため好ましくない。
一方、本発明において、基材フィルムであるポリ乳酸フィルムは、主成分としてポリ乳酸または乳酸成分を有するポリ乳酸系重合体から構成されておればよい。ポリ乳酸系重合体としては、ポリ乳酸、乳酸またはラクチドと他のヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、ジオール、環状ラクトンとの共重合体、ブレンド体が挙げられる。これらには、生分解性に影響を与えない範囲でウレタン結合、アミド結合、エーテル結合等を導入することができる。
ポリ乳酸のL−乳酸とD−乳酸との割合は、(L−乳酸)/(D−乳酸)=100/0〜92/8(モル%)であるポリ乳酸を主体とするポリ乳酸系重合体にて構成されることが好ましい。ポリ乳酸に占めるD−乳酸の含有量が8モル%を超えると結晶性が低下し、延伸時の厚み精度が悪化したり、延伸後の熱セットによる配向結晶化が進行せず、機械的強度の不足や熱収縮率のコントロールが困難になるという問題が生じる。また、L−乳酸を単独で使用してもよいが、D−乳酸が配合されているほうが結晶性が緩和され製膜性が良い。したがって、本発明においては、L−乳酸とD−乳酸とが、(L−乳酸)/(D−乳酸)=99/1〜95/5(モル%)の範囲で配合されていることがより好ましい。なお、上記の割合で配合されていれば、共重合であってもブレンド体であってもかまわない。
ポリ乳酸系重合体の数平均分子量は、5万〜30万の範囲にあることが好ましく、より好ましくは8万〜15万である。数平均分子量が5万未満であると、得られるフィルムは機械的強度に劣るものとなり、延伸工程や巻き取り工程での切断も頻繁に起こり、操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万を超えると加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が低下する。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲においてフィルムの物性や加工性を調整する目的で、ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステル、脂肪族芳香族共重合ポリエステル、ポリエステルカーボネートなどの生分解性樹脂、可塑剤、滑剤、無機フィラー、紫外線吸収剤等の添加剤、改質剤、架橋剤などを添加することができる。
ポリ乳酸以外の脂肪族ポリエステルとしては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカプロン酸類、カプロラクトン、ブチロラクトン、グリコリド等の環状ラクトン類、エチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオール等のジオール類、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、環状酸無水物類、オキシラン類を成分とした脂肪族ポリエステル重合体等が挙げられる。その中でも、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートが好適に用いられる。
脂肪族芳香族共重合ポリエステルとしては、脂肪族成分及び芳香族成分を有するポリエステルであればよく、例えば、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカプロン酸類、カプロラクトン、ブチロラクトン、ラクチド、グリコリド等の環状ラクトン類、エチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン、トルエンジオール等のジオール類、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、環状酸無水物類、オキシラン類を成分とした脂肪族成分と芳香族成分を有する共重合体等が挙げられる。その中でも脂肪族成分として、1,4−ブタンジオールとアジピン酸、芳香族成分としてテレフタル酸を有する共重合ポリエステル、脂肪族成分としてエチレングリコールとアジピン酸、芳香族成分としてテレフタル酸を有する共重合ポリエステルが好ましい。
ポリエステルカーボネートとしては、ジヒドロキシ化合物とジカルボン酸またはそのアルキルエステル、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを反応させることにより得られるのもを用いることができる。
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トルエンジオール、ビス−ヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオールを成分の1種として用いることが好ましい。ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を適宜併用することができる。中でも、コハク酸を成分の1種として用いることが好ましい。なお、ジヒドロキシ化合物及びジカルボン酸は、これらのエステルあるいは酸無水物であってもよい。また、ジヒドロキシ化合物及びジカルボン酸は、それぞれ単独あるいは混合物として用いることができ、所望の組み合わせが可能であるが、本発明においては適度の生分解性を有し、かつ実用的な耐熱性を実現し得る程度の高い融点のものが好ましい。またヒドロキシ化合物としては、1,4−ブタンジオール、ジカルボン酸としてコハク酸を含むことが好ましい。炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート等を挙げることができ、中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。
可塑剤としては特に限定されないがポリ乳酸樹脂と相溶性に優れたものが好ましく、前記防湿コート剤に使用する可塑剤と同様のものであればよい。
滑剤としては、特に限定されないが、脂肪族カルボン酸アミドが好ましい。このような脂肪族カルボン酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられる。
無機フィラーとしては、特に限定されないが、天然または合成珪酸塩化合物、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸ソーダ等が好ましい。珪酸塩化合物としては、カオリナイト、ハロイナイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、マイカ等の層状珪酸塩が挙げられる。これらの層状珪酸塩は膨潤性であっても非膨潤性であってもよく、また、表面処理が施されていてもよい。
本発明の防湿コートフィルムは、ポリ乳酸系重合体からなる二軸延伸フィルムを基材フィルムとし、少なくとも一方の面に防湿コート層が存在しているフィルムであればよく、このフィルムの片面に熱シール性を付与する目的でシーラントを層を設けることもできる。この場合は、シーラントフィルムを接着剤とともにドライラミネートしたり、ポリ乳酸樹脂よりも低融点の樹脂を該フィルム上へ押し出しラミネートすることもできる。
本発明の防湿コートフィルムの防湿性能は、40℃、100%RH環境下で測定した水蒸気透過度の値として50g/(m2・day)以下であることが必要であり、好ましくは30g/(m2・day)以下、より好ましくは20g/(m2・day)以下である。水蒸気透過度が50g/(m2・day)を超えるものでは、本発明のフィルムを袋として使用した場合、湿気を嫌う内容物では湿気てしまったり、保湿が必要な内容物では乾燥してしまったりして好ましくない。
また、本発明の防湿コートフィルムの引張破断強度は100MPa以上であることが必要であり、好ましくは150MPa以上、より好ましくは180MPa以上である。引張破断強度が100MPa未満であると、突発的な外力によっては、フィルムが破れたりする場合があり、実用上不具合が生じるため好ましくない。
次に、本発明の防湿コートフィルムを製造する方法について説明するが、この方法に特に限定されるものではない。
例えば、原料となるポリ乳酸を十分乾燥して水分を除去した後、溶融温度210〜240℃で完全に溶融してTダイよりシート状に押し出す。その際に使用するスクリューは一軸でも二軸でもよいが、多くの原料を混練しない場合は定量性の良好な一軸スクリューが好ましく、可塑剤や複数の原料の混練を必要とする系においては二軸スクリューを使用することが好ましい。
押し出されたシート状物は冷却されたキャストロール状で冷却固化された後、防湿コート剤をシート状物にコーティングする。このコーティング方法としては特に限定されないが、例えば、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング等が採用される。
防湿コート剤をコーティング後、コート剤を乾燥させる工程を有していることが好ましい。通常、熱風ドライヤー等をコーティング装置の後に設け60〜100℃の熱風を1〜30秒間シート状物に直接あるいは間接的に当てることにより防湿コート剤を乾燥させる。
フィルムの延伸方法としては、ロール法、テンター法等により二軸延伸を実施する。二軸延伸法としては、逐次二軸延伸法あるいは同時二軸延伸法のどちらを採用してもよい。逐次二軸延伸を採用した場合には、縦延伸後、横延伸前に防湿コート剤をコーティングできる。また、同時二軸延伸法を採用した場合には、延伸前にコーティングすることが好ましい。また、二軸延伸での面倍率は6〜16倍であることが必要である。面倍率が6倍未満であると、得られるフィルムの機械物性、特に引張強度が低く、実用に耐えない。また、面倍率が16倍を超えると、フィルムが延伸途中で延伸応力に耐えきれず破断してしまうことがあるため好ましくない。
延伸温度としては、50〜90℃が好ましく、60〜80℃がさらに好ましい。延伸温度が50℃未満であると、延伸のための熱量不足によりフィルムが延伸初期で破断する。また90℃を超えると、フィルムに熱が加わりすぎてドロー延伸となり延伸斑を多発するため好ましくない。
また、本フィルムには寸法安定性を付与する目的で延伸後、熱弛緩処理を実施できる。熱弛緩処理の方法としては、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる方法等が選択でき、均一に精度良く加熱できる点で熱風を吹き付ける方法が好ましい。その際、80〜160℃の範囲で1秒以上であることが好ましく、かつ、2〜8%のリラックス率の条件下で実施することが好ましい。
本発明に用いる防湿コート剤を得るための製造方法としては、ポリ乳酸樹脂、天然ワックスと可塑剤が水系液状媒体中に均一に混合される方法であれば特に規定されるものではない。例えば、予め調製された天然ワックスの水性分散体と可塑剤の水性分散体およびポリ乳酸の水性分散体を各々準備し、所定量混合する方法や、ポリ乳酸と可塑剤を同時に予め水性分散化させておき、その後に天然ワックスの水性分散体を混合する方法などが挙げられる。
天然ワックス水性分散体は、天然ワックス、塩基性化合物、水性媒体を密閉可能な容器中で加熱、攪拌することで調製することができる。この方法によれば、ホモジナイザーやホモミキサーのような高速攪拌装置を必要とせず、しかも沸点185℃以上の分散安定剤を特に添加する必要なしに、安定な水性分散体を得ることができる。製造装置としては、固/液攪拌装置や乳化機として広く当業者に知られているものを使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。攪拌方法、攪拌の回転速度は特に限定されないが、樹脂が媒体中で浮遊状態となる程度の低速の攪拌でよい。したがって、高速攪拌(例えば1,000rpm以上)は必須ではなく、簡単な装置でも分散体の製造が可能である。
具体的には、上記装置に天然ワックス、塩基性化合物、水系媒体などの原料を投入し、次いで、槽内の温度を45〜200℃、好ましくは60〜150℃、さらに好ましくは80〜120℃の温度に保ちつつ、好ましくは粗大粒子が無くなるまで(例えば、5〜120分間)攪拌を続けることによりワックスを十分に分散させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、分散体を得ることができる。槽内の温度が45℃未満の場合は、ワックスの分散化が困難となる。槽内の温度が200℃を超える反応は不経済なので好ましくない。
このようにして得られた天然ワックス水性分散体は、界面活性剤などの不揮発性分散助剤を含有しておらず防湿性能を向上させることができるが、安定性向上のために不揮発性分散助剤を少量含有してもよい。
特に、上記方法で天然ワックスを水性分散化する際には、その酸価を5〜50mgKOH/gとすることが好ましく、より好ましくは10〜50mgKOH/g、特に好ましくは15〜50mgKOH/gである。また、天然ワックスのケン化価は5〜250mgKOH/gとすることが好ましく、より好ましくは30〜250mgKOH/g、特に好ましくは50〜250mgKOH/gである。酸価が5未満またはケン化価が5未満では、ワックスを水性分散化するのが困難になる。一方、酸価が50を超えるまたはケン化価が250を超える天然ワックスは、一般的でなく、酸価50を超える値にするかまたはケン化価が250を超える値にする場合には、新たに官能基を導入するなどの特別な操作が必要となり、不経済である。
また、ポリ乳酸や可塑剤の水性分散体は、例えば、ポリ乳酸、塩基性化合物、水系媒体を容器中で加熱、攪拌する方法によって得られる。この場合、ポリ乳酸に可塑剤を所定量添加しておいてもよいし、別途水性分散体として準備しておいてもよい。製造装置としては、天然ワックスの水性分散化に使用したものと同様のものを使用することができ、この装置にポリ乳酸、塩基性化合物、水性分散体、場合によっては可塑剤等の原料を投入し、次いで加温し(例えば40〜200℃)、好ましくは粗大粒子が無くなるまで(例えば、5〜120分間)攪拌を続けることによりポリ乳酸、あるいは可塑剤、あるいはポリ乳酸と可塑剤の混合物を十分に水性化させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、上記水性分散体を得ることができる。
このようにして得られた水性分散体は、それらの固形分濃度調整方法を所望の固形分濃度となるように水系媒体を留去したり、水系媒体により希釈したりすることにより、任意に調整することができる。各水性分散体の固形分濃度は、いずれも粘度等によって適宜変更されるものであるが、5〜60質量%の範囲とすることが好ましい。
防湿コート剤の製造方法で用いる混合装置としては、液/液混合装置として広く知られている装置を使用することができる。各水性分散体の分散混合性が良好であるため、極めて短時間かつ簡単な混合操作でよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。なお、各種物性については以下の方法によって測定または評価した。
(1)水蒸気透過度
モコン株式会社製の透湿度測定器(PERMATRAN−W3/31MW)により、40℃、100%RHにおける防湿コートフィルムの水蒸気透過度を測定した。
(2)引張破断強度
JIS―K7127に準じて測定した。
(3)防湿コート塗布厚み
防湿コート後延伸したフィルムの総厚みから防湿コートをしていないフィルムの厚みを減じて求めた。また、防湿コートをしていないフィルムの厚みは15μmであった。
(4)ヘイズ
JIS―K7105に基づき、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて、防湿コートフィルムのヘイズを測定した。
参考例1
(ポリ乳酸樹脂/可塑剤水性分散体E−1の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた攪拌機を用いて、樹脂として100gのポリ乳酸樹脂(カーギル・ダウ社製、D−乳酸10モル%、酸価:1.7630mgKOH/g)、10gの界面活性剤(三洋化成工業社製、ニューポール PE−75)、4.8g(樹脂中のカルボキシル基に対して15倍当量)のトリエチルアミン(ナカライテスク社製、以下「TEA」と略す)、100gのテトラヒドロフラン(ナカライテスク社製、以下「THF」と略す)、10gのアセチルクエン酸トリブチル(田岡化学社製、以下「ATBC」と略す)及び275.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、攪拌して浮遊状態となっていることを確認した。次に、ヒーターにより系内温度85℃に保って45分間攪拌し、300メッシュのステンレスフィルター(線径0.035mm、平織り)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)後、THFを除去するため、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒除去し、乳白色の均一なポリ乳酸/可塑剤の水性分散体E−1を得た。樹脂固形分濃度は25%であった。
参考例2
(ポリ乳酸樹脂/可塑剤水性分散体E−2の調製)
参考例1のATBC添加量を5gに、蒸留水量を280.2gに変更した以外は参考例1と同様にして乳白色の均一なポリ乳酸/可塑剤の水性分散体E−2を得た。樹脂固形分濃度は25%であった。
参考例3
(ポリ乳酸樹脂/可塑剤水性分散体E−3の調製)
参考例1のATBC添加量を25gに、蒸留水量を260.2gに変更した以外は参考例1と同様にして乳白色の均一なポリ乳酸/可塑剤の水性分散体E−3を得た。樹脂固形分濃度は25%であった。
参考例4
(ポリ乳酸樹脂/可塑剤水性分散体E−4の調製)
参考例1で使用したATBCの変わりに、ビスブチルジエチレングリコールアジペート(大八化学社製、以下「BXA」と略す)を用いた以外は参考例1と同様にして乳白色の均一なポリ乳酸/可塑剤の水性分散体E−4を得た。樹脂固形分濃度は25%であった。
参考例5
(ポリ乳酸樹脂/可塑剤水性分散体E−5の調製)
参考例1で使用したATBCの変わりに、グリセリンジアセトモノカプリレート(理研ビタミン社製、以下「PL−019」と略す)を用いた以外は参考例1と同様にして乳白色の均一なポリ乳酸/可塑剤の水性分散体E−5を得た。樹脂固形分濃度は25%であった。
参考例6
(ポリ乳酸樹脂水性分散体E−6の調製)
参考例1で可塑剤を使用せず、蒸留水量を285.2gにした以外は、参考例1と同様にして乳白色の均一なポリ乳酸水性分散体E−6を得た。樹脂固形分濃度は25%であった。
参考例7
(生分解性樹脂水性分散体E−7の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた攪拌機を用いて、樹脂として50gのポリブチレンテレフタレートアジペートの解重合品(BASF社製、エコフレックスFを数平均分子量12,000、酸価:30mgKOH/g、以下「PBTA」と略す)、3.3g(樹脂中のカルボキシル基に対して1.2倍当量)のトリエチルアミン(ナカライテスク社製、以下「TEA」と略す)、45.0gのイソプロピルアルコール(ナカライテスク社製、以下「IPA」と略す)、10gのATBC及び141.7gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、攪拌して浮遊状態となっていることを確認した。次に、ヒーターにより系内温度100℃に保って20分間攪拌し、300メッシュのステンレスフィルター(線径0.035mm、平織り)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリブチレンテレフタレートアジペート/可塑剤の水性分散体E−7を得た。樹脂固形分濃度は20%であった。
参考例8
(キャンデリラワックス分散体W−1の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた攪拌機を用いて、40gのキャンデリラワックス(東亜化成社製、酸価:15.8、ケン化価:55.4)、8.8g(ワックスの完全中和および完全ケン化に必要な量の2倍当量)のモルホリン(ナカライテスク社製)及び151.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み攪拌し、浮遊状態となっていることを確認した。次に、ヒーターにより系内温度100℃に保持して10分間攪拌後、空冷により攪拌しながら室温まで冷却し、淡黄色の均一なワックス水性分散体W−1を得た。固形分濃度は20%、数平均粒子径は0.27μmであった。
参考例9
(パラフィンワックス分散体W−2の調製)
ワックス分散体として、ポリエチレンワックス水性分散体(日本精蝋社製、EMUATAR−0443、アニオン性界面活性剤含有)を用い、これをW−2とした。固形分濃度は40%、数平均粒子径は0.25μmであった。
実施例1
ポリ乳酸(カーギル・ダウ社製4032D、D−乳酸1.4モル%、数平均分子量100000)を用い、210℃で溶融押し出しし、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを予め準備しておいた防湿コート剤J−1(E−1の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−1を配合)をグラビアロールコーティング法で未延伸フィルムの片面にコーティング後、熱風乾燥機内で80℃の熱風を20秒当てることによりコート剤を疑似乾燥させ、次いでテンター法により80℃で面倍率10倍になるよう同時二軸延伸を行い、続いてリラックス率5%、140℃で熱処理し、厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例2
実施例1において使用した防湿コート剤J−1の代わりに防湿コート剤J−2(E−1の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分100質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例3
実施例1において使用した防湿コート剤J−1の代わりに防湿コート剤J−3(E−1の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分15質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例4
実施例1において使用した防湿コート剤J−1の代わりに防湿コート剤J−4(E−2の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例5
実施例1において使用した防湿コート剤J−1の代わりに防湿コート剤J−5(E−3の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例6
実施例1において使用した防湿コート剤J−1の代わりに防湿コート剤J−6(E−4の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例7
実施例1において使用した防湿コート剤J−1の代わりに防湿コート剤J−7(E−5の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例8
実施例1において、面倍率を16倍(82℃で延伸)にした以外は実施例1と同様にして厚み15.5μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例9
実施例1において、面倍率を6.25倍にした以外は、実施例1と同様にして厚み17.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例10及び比較例1、2
実施例1において、コーターを調整することによりコート剤の塗布量を調整した結果、表1のような厚みのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例12
実施例1と同様にして未延伸フィルムを得た後、ロール法にて70℃で3倍に縦延伸後、グラビアロールコーティング法により防湿コート剤J−1をコートし、その後、テンター法にて85℃で4倍に横延伸を行い、リラックス率5%、140℃で熱処理して厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
比較例3
実施例1で使用した防湿コート剤J−1の代わりに、防湿コート剤J−8(E−6の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
比較例4
実施例1において、防湿コート剤をコーティングしないこと以外は実施例1と同様にして厚み15.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
比較例5
実施例1において、面倍率を4倍に変更した以外は実施例1と同様にして厚み17.5μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
比較例6
実施例1で使用した防湿コート剤J−1の変わりに、防湿コート剤J−9(E−1の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−2を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
比較例7
実施例1で使用した防湿コート剤J−1の変わりに、防湿コート剤J−10(E−7の樹脂成分100質量部に対し、ワックス成分50質量部になるようW−1を配合)を使用した以外は、実施例1と同様にして厚み16.0μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの物性値を表1に示す。
実施例1〜12は、防湿性能およびフィルムの引張破断強度、フィルム外観など全く問題なく申し分のないフィルムであった。
比較例1は、コート塗布厚みが小さすぎたため、防湿性能が不十分であった。
比較例2は、コーター直後の塗布量を多くし過ぎたため、コート剤の乾燥が不十分で延伸中のフィルムに穴あきが多発した。
比較例3は、防湿コート剤の成分に可塑剤が含有されていなかったため、コート層自体が硬く、延伸追随性に欠けるため、その結果、コート層に割れが生じたために防湿性能が不十分であった。
比較例4は、防湿コート剤をコートしていないプレーンフィルムであったため、全く防湿性がなかった。
比較例5は、面倍率4倍と非常に低かったため、フィルムの引張強度が弱く実用上問題となる可能性があった。
比較例6は、ワックスに天然ワックスではなくポリエチレンワックスを使用したため、ポリ乳酸樹脂との相性が悪く、フィルムは少し白化気味で、かつ、防湿性能も不足していた。
比較例7は、コート剤のバインダー原料であるポリ乳酸樹脂の変わりにPBTAを使用したため、ポリ乳酸フィルムとの相性が悪く、得られたフィルムは著しく白化した。

Claims (3)

  1. ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの少なくとも一方の面に、ポリ乳酸樹脂、天然ワックスおよび可塑剤を含有する防湿コート層を有するフィルムであって、防湿コート層における天然ワックスの含有量が、ポリ乳酸100質量部に対し、1〜100質量部であり、可塑剤の含有量が、ポリ乳酸100質量部に対し、1〜30質量部であり、かつ防湿コート層の厚みが0.05〜2μmであり、フィルムの40℃、100%RHにおける水蒸気透過度が50g/(m2・day)以下、引張破断強度が100MPa以上であることを特徴とす
    るポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム。
  2. 天然ワックスが植物系ワックスであることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム。
  3. ヘイズが5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸系防湿コート二軸延伸フィルム。
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