JP4460097B2 - 光電スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の検出領域における物体の有無を検出する光電スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、工場の生産ライン等で物体の有無を検出するために光電スイッチが用いられている。光電スイッチは、物体の検出領域に光を投射し、物体からの帰還光を受光することにより、物体の有無を判定するものである。
【0003】
このような光電スイッチの1つとして、三角測量の原理を応用した三角測距方式の光電スイッチが開発されている。三角測距方式の光電スイッチは距離設定型光電スイッチと呼ばれている。
【0004】
図16は従来の三角測距方式の光電スイッチの主要部の構成を示す模式図である。
【0005】
図16において、光電スイッチ800は、発光ダイオード801、投光レンズ802、受光レンズ803およびPSD(光位置検出素子)804を備える。発光ダイオード801から出射された光は、投光レンズ802を通して検出対象物900に照射される。検出対象物900からの反射光は、受光レンズ803を通してPSD804の受光面上に光スポットとして受光される。
【0006】
PSD804の受光面上での光スポットの位置は、光電スイッチ800と検出対象物900との間の距離により変化する。検出対象物900が光電スイッチ800に近づくと、光スポットはPSD804の受光面の一端部e1側に形成され、検出対象物900が光電スイッチ800から離れると、光スポットはPSD804の受光面上の他端部e2側に形成される。
【0007】
PSD804は、受光面上での光スポットの位置に応じた2つの受光信号N,Fを出力する。一方の受光信号NはPSD804の受光面の一端部e1から光スポットまでの距離に略比例したレベル(電流値)を有し、他方の受光信号Fは受光面の他端部e2から光スポットまでの距離に略比例したレベル(電流値)を有する。したがって、2つの受光信号N,Fを用いて光電スイッチ800から検出対象物900までの距離を検出することができる。
【0008】
発光ダイオード801からの投射光の光軸上において、検出対象物からの反射光がPSD804の受光面上に入射可能な範囲が検出領域となる。検出領域内に予め設定位置STが設定され、設定位置STに対して光電スイッチ800に近い側が検出可能範囲となり、設定位置STに対して光電スイッチ800から離れた側が非検出範囲となる。光電スイッチ800は、検出可能範囲からの反射光をPSD804が受光した場合に検出対象物900が存在すると判定する。
【0009】
図17はPSD804から出力される受光信号N,Fを用いた判定処理を説明するための図である。受光信号Nと受光信号Fとの差(N−F)が検出領域内での検出対象物900の位置に対応する。実際の処理では、受光信号の差(N−F)を全受光量に相当する(N+F)で除算することにより正規化を行い、位置信号{(N−F)/(N+F)}を得る。
【0010】
図17(a)に示すように、位置信号のレベルが予め設定されたしきい値THよりも高い場合に検出可能範囲内に検出対象物900が存在すると判定し、図17(b)に示すように、位置信号のレベルがしきい値THよりも低い場合に検出可能範囲内に検出対象物900が存在しないと判定する。このしきい値THを調整することにより検出領域内の設定位置STを移動させることができる。
【0011】
ここで、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在すると判定した場合をオン状態と呼び、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在しないと判定した場合をオフ状態と呼ぶ。
【0012】
一般に、検出対象物900が白い場合には、反射率が高くなるため、PSD804での受光量が多くなり、受光信号N,Fのレベルが高くなる。これに対して、検出対象物900が黒い場合には、反射率が低くなるため、PSD804での受光量が少くなり、受光信号N,Fのレベルが低くなる。上記のように、PSD804を用いた光電スイッチ800では、受光信号の差(N−F)を全受光量に相当する(N+F)で除算することにより、位置信号{(N−F)/(N+F)}のレベルは検出対象物900の色に依存しなくなる。
【0013】
しかし、受光信号N,Fに含まれるノイズのために位置信号{(N−F)/(N+F)}にもノイズが生じる。そのため、検出領域の検出可能範囲内で検出対象物900が設定位置STの近傍に存在する場合または検出領域の非検出範囲内で背景物体901が設定位置STの近傍に存在する場合には、ノイズにより光電スイッチ800が誤動作する可能性がある。
【0014】
そこで、通常は、設定位置STの近傍において、検出結果がオフ状態からオン状態に変化する地点(オン点)と検出結果がオン状態からオフ状態に変化する地点(オフ点)とを異なる位置に設定し、これらのオン点とオフ点との間では、検出結果が変化しないようにする。このようなオン点とオフ点との間隔を応差と呼ぶ。
【0015】
しかしながら、受光信号N,Fに含まれるノイズの大きさは、検出対象物900の色によらずに一定となるので、位置信号{(N−F)/(N+F)}に含まれるノイズの成分比率は、検出対象物900が黒い場合ほど大きくなる。そのため、検出対象物900が黒い場合に光電スイッチ800が誤動作しないように、大きな応差が要求される。したがって、たとえば、ベルトコンベア上で搬送される厚さの薄い検出対象物を検出することが困難となる。
【0016】
そこで、応差を小さくするために2分割フォトダイオードを用いた光電スイッチが提案されている。
【0017】
図18は2分割フォトダイオードを用いた従来の三角測距方式の光電スイッチの主要部の構成を示す模式図である。
【0018】
図18において、光電スイッチ700は、発光ダイオード701、投光レンズ702、受光レンズ703および2分割フォトダイオード704を備える。2分割フォトダイオード704は、2分割された受光面704a,704bを有する。
【0019】
発光ダイオード701から出射された光は、投光レンズ702を通して検出対象物900に照射される。検出対象物900からの反射光は、受光レンズ703を通して2分割フォトダイオード704により受光される。それにより、2分割フォトダイオード704の受光面704aまたは704bに光スポットが形成される。2分割フォトダイオード704は、受光面704a,704bでの受光量に応じた2つの受光信号N,Fをそれぞれ出力する。
【0020】
発光ダイオード701からの投射光の光軸上に予め設定位置STが設定される。この設定位置STは、検出結果がオン状態とオフ状態との間で変化する地点を表す。受光レンズ703および2分割フォトダイオード704からなる光学系は、設定位置STからの反射光が受光面704a,704bの境界に入射するように、矢印Rの方向に揺動可能に設けられている。
【0021】
発光ダイオード701からの投射光の光軸上において、検出対象物からの反射光が2分割フォトダイオード704の受光面701a,701b上に入射可能な範囲が検出領域となる。検出領域内で設定位置STに対して光電スイッチ700に近い側が検出可能範囲となり、設定位置STに対して光電スイッチ700から離れた側が非検出範囲となる。
【0022】
検出対象物が設定位置STに存在すると、光スポットは2分割フォトダイオード704の受光面704a,704bの境界に形成される。それにより、受光信号N,Fのレベルが等しくなる。
【0023】
検出対象物が設定位置STよりも光電スイッチ700に対して近くの位置に存在すると、光スポットは2分割フォトダイオード704の受光面704a上に形成される。それにより、受光信号Nのレベルが受光信号Fのレベルよりも高くなる。
【0024】
検出対象物が設定位置STよりも光電スイッチ700から離れた位置に存在すると、光スポットは2分割フォトダイオード704の受光面704b上に形成される。それにより、受光信号Fのレベルが受光信号Nのレベルよりも高くなる。
【0025】
したがって、2つの受光信号N,Fの差(N−F)を位置信号として用いることができる。検出対象物が設定位置STに存在する場合には、図19(b)に示すように、位置信号(N−F)のレベルは0となる。図19(a)に示すように、位置信号(N−F)のレベルが正のときには、検出対象物が検出可能範囲に存在すると判定し、検出結果はオン状態になる。図19(c)に示すように、位置信号(N−F)のレベルが負のときには、検出対象物が検出可能範囲に存在しないと判定し、検出結果はオフ状態になる。
【0026】
回転調整器を用いて受光レンズ703および2分割フォトダイオード704からなる光学系を矢印Rの方向に動かすことにより、設定位置STおよび検出領域を調整することができる。
【0027】
光電スイッチ700においては、位置信号(N−F)のレベルは、検出対象物の色により変化する。ただし、設定位置STでの位置信号(N−F)のレベルは検出対象物の色によらず0で一定になる。また、位置信号(N−F)のノイズの大きさは検出対象物の色によらず一定となる。そのため、応差を小さくすることができる。したがって、たとえば、ベルトコンベア上で搬送される厚さの薄い検出対象物を検出することが可能となる。
【0028】
図20は従来の光電スイッチにおける設定位置の設定方法を説明するための模式図である。光電スイッチ700には、設定位置調整用の回転調整器710、検出結果を表示する検出表示灯711および検出の安定性を示す安定性表示灯712が設けられている。
【0029】
まず、図20(a)に示すように、検出対象物900を光電スイッチ700の前方の所定の位置に配置し、検出表示灯711が点灯するまで回転調整器710を右に回す。
【0030】
次に、図20(b)に示すように、検出対象物900を取り除き、背景物体901に光が投射される状態で検出表示灯711が点灯するまで回転調整器710をさらに右に回す。背景物体901がない場合には、回転調整器710を最大位置に設定する。
【0031】
さらに、図20(c)に示すように、回転調整器710を左に戻し、図20(a)の位置と図20(b)の位置との中間位置に設定する。それにより、検出対象物900の位置と背景物体901の位置との中間に設定位置STが設定される。
【0032】
この状態で、検出対象物900が存在する場合に検出表示灯711および安定性表示灯712が点灯し、検出対象物900が存在しない場合に検出表示灯711が消灯し、安定性表示灯712が点灯することを確認する。安定性表示灯712が点灯しない場合には、設定位置STと検出対象物900の位置との間または設定位置STと背景物体901との間の余裕度が小さいため、再調整を行う。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、2分割フォトダイオード704を用いた従来の光電スイッチ700においては、受光レンズ703および2分割フォトダイオード704からなる光学系を動かすことにより、設定位置STおよび検出領域が移動するので、検出領域に光学的な原点が存在しない。そのため、検出領域における検出対象物の絶対的な位置を把握することが困難である。
【0034】
また、図20に示したように、検出表示灯711および安定性表示灯712を見ながら回転調整器710を回すことにより設定位置STを設定および調整するので、設定された設定位置STを正確に把握することができない。
【0035】
そのため、検出対象物と設定位置STとの間の余裕度の程度を把握することも困難である。したがって、検出対象物と設定位置STとの相対的な位置関係を微妙に調整することが困難となる。
【0036】
本発明の目的は、検出領域内の設定位置と検出対象物との相対的な位置関係を容易かつ正確に認識することができ、かつ応差を小さくすることができる光電スイッチを提供することである。
【0037】
本発明の他の目的は、検出領域内の設定位置と検出対象物との相対的な位置関係を容易かつ正確に認識することができるとともに、検出領域内の検出対象物の位置を容易かつ正確に認識することができ、かつ応差を小さくすることができる光電スイッチを提供することである。
【0038】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
(1)第1の発明
第1の発明に係る光電スイッチは、検出領域に光を投射するとともに検出領域からの帰還光を受光する投受光部を有し、三角測距方式により検出領域における物体の有無を検出する光電スイッチであって、検出領域には、設定位置が設定されるとともに、設定位置を基準として投受光部に近い側および遠い側の一方に検出結果が非検出状態から検出状態へ変化するオン点が設定可能であり、設定位置を基準として投受光部に近い側および遠い側の他方に検出結果が検出状態から非検出状態へ変化するオフ点が設定可能であり、投受光部を通して検出領域に光を投射する発光手段と、投受光部を通して検出領域からの帰還光を受光する2分割された第1および第2の受光面を有し、第1および第2の受光面での受光量に応じた第1および第2の受光信号をそれぞれ出力する受光手段と、設定位置の設定の際に、検出領域内に設定される設定位置からの反射光を受光手段の受光面の境界で受けることにより受光手段により出力される第1および第2の受光信号の差が0となるように受光手段を調整するための調整手段と、受光手段により出力される第1および第2の受光信号の差を位置信号として算出し、算出された位置信号をオン点に対応する位置信号の値と比較することにより検出領域に物体が無い状態から検出領域に物体が有る状態に変化したことを検出し、算出された位置信号をオフ点に対応する位置信号の値と比較することにより検出領域に物体が有る状態から検出領域に物体が無い状態に変化したことを検出する検出手段と、受光手段から出力される第1および第2の受光信号を用いて設定位置に対する検出領域内の物体の近接度を示す近接情報を算出する近接情報算出手段と、近接情報算出手段により算出された近接情報を表示する近接情報表示手段とを備え、近接情報は、物体が設定位置にある状態で最大となるとともに物体が投受光部に近い側および遠い側における検出領域の端部にある場合に最小となるものである。
【0039】
本発明に係る光電スイッチにおいては、発光手段により投受光部を通して検出領域に光が投射されるとともに、検出領域からの帰還光が受光手段の2分割された第1および第2の受光面で受光される。受光手段から出力される第1および第2の受光信号から設定位置に対する検出領域内の物体の近接度を示す近接情報が近接情報算出手段により算出されて出力される。また、近接情報表示手段により近接情報が表示される。
【0040】
近接情報は設定位置に対する検出領域内の物体の近接度を示しているので、ユーザは近接情報表示手段により表示される近接情報を見ることにより検出領域内の設定位置と物体との相対的な位置関係を容易かつ正確に認識することができる。それにより、検出領域内の設定位置と物体との間の余裕度を容易かつ正確に認識することができる。したがって、検出領域内での設定位置と物体との相対的な位置関係を微妙に調整することが可能となる。
【0041】
なお、受光手段の2分割された第1および第2の受光面での受光量に応じた第1および第2の受光信号にノイズが生じる場合には、誤検出を防止するために、検出領域内の設定位置の近傍に応差を設ける必要がある。ここで、応差とは、検出結果が非検出状態(オフ状態)から検出状態(オン状態)に変化するオン点と検出結果が検出状態(オン状態)から非検出状態(オフ状態)に変化するオフ点との間隔である。
検出手段により、受光手段により出力される第1および第2の受光信号の差が位置信号として算出される。また、検出手段により、算出された位置信号がオン点に対応する位置信号の値と比較されることにより検出領域に物体が無い状態から検出領域に物体が有る状態に変化したことが検出される。さらに、検出手段により、算出された位置信号がオフ点に対応する位置信号の値と比較されることにより検出領域に物体が有る状態から検出領域に物体が無い状態に変化したことが検出される。
本発明に係る光電スイッチにおいて、受光手段の2分割された第1および第2の受光面での受光量に応じた第1および第2の受光信号の差を用いて検出領域内での物体の有無を検出する場合、第1および第2の受光信号におけるノイズが互いに相殺されるので、検出結果の精度が物体の反射率によらず一定となる。そのため、物体の反射率にかかわらず応差を小さくすることができる。
【0042】
(2)第2の発明
第2の発明に係る光電スイッチは、第1の発明に係る光電スイッチの構成において、発光手段、受光手段、検出手段、位置設定手段、調整手段、近接情報算出手段、および近接情報表示手段を収容するケーシングと、検出手段の検出結果を表示する表示灯と、検出手段の検出結果を外部に出力するための出力ケーブルとをさらに備え、ケーシングは、長方形状の前面部と、前面部に対向する長方形状の背面部と、互いに対向する第1および第2の端面部と、背面部と第2の端面部との間に形成された角部とを有し、投受光部は、前面部に設けられ、近接情報表示手段は、背面部に設けられ、表示灯は、第1の端面部に設けられ、出力ケーブルが、角部に接続されたものである。
【0043】
この場合、発光手段、受光手段、検出手段、位置設定手段、調整手段、近接情報算出手段、および近接情報表示手段がケーシングに収容される。ケーシングの第1の端面部に設けられた表示灯により検出手段の検出結果が表示される。また、ケーシングの角部に接続された出力ケーブルにより、検出手段の検出結果が外部に出力される。
【0045】
(3)第3の発明
第3の発明に係る光電スイッチは、第2の発明に係る光電スイッチの構成において、検出手段により算出された位置信号と設定位置に対応する位置信号の値との差が所定値以上である安定状態、および検出手段により算出された位置信号と設定位置に対応する位置信号の値との差が所定値よりも小さい不安定状態のいずれかを示す安定性情報を記憶するメモリをさらに備え、表示灯は、メモリに記憶された安定性情報をさらに表示するものである。
【0046】
この場合、安定状態および不安定状態のいずれかを示す安定性情報がメモリに記憶され、メモリに記憶された安定性情報が表示灯により表示される。
【0048】
(4)第4の発明
第4の発明に係る光電スイッチは、第3の発明に係る光電スイッチの構成において、表示灯は、検出手段の検出結果を表示する検出表示用発光ダイオードと、安定性情報を表示する安定性表示用発光ダイオードとからなるものである。
【0049】
この場合、検出表示用発光ダイオードにより検出手段の検出結果が表示される。また、安定性表示用発光ダイオードにより安定性情報が表示される。
【0050】
(5)第5の発明
第5の発明に係る光電スイッチは、第3または第4の発明に係る光電スイッチの構成において、メモリは、検出手段の検出結果、および近接情報算出手段により算出された近接情報をさらに記憶し、近傍情報表示手段は、メモリに記憶された検出結果、安定性情報および近接情報を切り換え表示するものである。
【0051】
この場合、検出手段の検出結果、および近接情報算出手段により算出された近接情報が、メモリによりさらに記憶される。また、近傍情報表示手段により、メモリに記憶された検出結果、安定性情報および近接情報が切り替え表示される。
【0052】
(6)第6の発明
第6の発明に係る光電スイッチは、第1〜第5のいずれかの発明に係る光電スイッチの構成において、受光手段から出力される受光信号を用いて設定位置に対する検出領域内の物体の変位の方向を検出し、変位の方向を変位情報として出力する変位検出手段と、変位検出手段から出力された変位情報を表示する変位情報表示手段とをさらに備えたものである。
この場合、受光手段から出力される受光信号を用いて設定位置に対する検出領域内の物体の変位の方向が変位検出手段により検出され、変位の方向が変位情報として出力される。そして、変位情報表示手段により変位情報が表示される。
ユーザは変位情報表示手段により表示された変位情報を見ることにより検出領域内で設定位置に対する物体の変位の方向を容易に認識することができる。したがって、検出領域内での物体の位置を容易かつ正確に認識することができる。
【0054】
(7)第7の発明
第7の発明に係る光電スイッチは、第6の発明に係る光電スイッチの構成において、変位検出手段は、受光手段から出力される受光信号を用いて設定位置に対する検出領域内の物体の変位の量をさらに検出し、変位の方向および変位の量を変位情報として出力するものである。
この場合、受光手段から出力される受光信号を用いて設定位置に対する検出領域内の物体の変位の方向および変位の量が変位検出手段により検出され、変位の方向および変位の量が変位情報として出力される。そして、変位情報表示手段により変位情報が表示される。
ユーザは変位情報表示手段により表示された変位情報を見ることにより検出領域内で設定位置に対する物体の変位の方向および変位の量を容易に認識することができる。したがって、検出領域内での物体の位置をさらに容易かつ正確に認識することができる。
【0058】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例における三角測距方式の光電スイッチの構成を示すブロック図である。図2(a)は図1の光電スイッチを一方向から見た外観斜視図、図2(b)は図1の光電スイッチを他方向から見た外観斜視図である。
【0059】
図2に示すように、ケーシング10の前面部には、検出領域に光を投射するとともに検出領域からの帰還光を受ける投受光部20が設けられ、背面部には後述する表示部30が設けられている。ケーシング10の一方の端面部には表示灯60が設けられ、背面部と他方の端面部との間の角部には出力ケーブル70が接続されている。ケーシング10の側面部は光電スイッチ1を固定するために用いられる。
【0060】
図1に示すように、光電スイッチ1は、LED(発光ダイオード)21、投光レンズ22、受光レンズ23、2分割フォトダイオード24、制御回路81、増幅器82,83、LED(発光ダイオード)駆動回路84、表示部30、および表示灯60を備える。2分割フォトダイオード24は、2分割された受光面24a,24bを有する。受光レンズ23および2分割フォトダイオード24からなる光学系は、後述する設定位置からの反射光が受光面24a,24bの境界に入射するように、回転調整器により矢印Rの方向に揺動可能に設けられている。制御回路81はメモリ88を内蔵する。
【0061】
投光レンズ22および受光レンズ23が投受光部20を構成する。また、LED21、2分割フォトダイオード24、制御回路81、増幅器82,83およびLED駆動回路84は図1のケーシング10に内蔵される。
【0062】
LED駆動回路84は、制御回路81の制御によりLED21を駆動する。それにより、LED21が光を出射する。LED21から出射された光は、投光レンズ22を通して検出領域における検出対象物500に投射される。検出対象物500からの反射光は、受光レンズ23を通して2分割フォトダイオード24の受光面24aまたは24bに光スポットとして受光される。2分割フォトダイオード24は、受光面24a,24bでの受光量に応じた2つの受光信号N,Fをそれぞれ出力する。
【0063】
2分割フォトダイオード24から出力される受光信号N,Fは、それぞれ増幅器82,83を介して制御回路81に与えれられる。制御回路81は、図19を用いて説明したように、受光信号N,Fを用いた判定処理を行う。すなわち、制御回路81は、受光信号N,Fから位置信号(N−F)を算出し、その位置信号(N−F)のレベルを基準値(例えば0)と比較することにより検出領域における検出対象物500の有無を検出する。
【0064】
また、制御回路81は、検出結果および検出の安定性を表示灯60に表示させるとともに、検出結果を示す検出信号DTを出力ケーブル70を通して外部に出力する。
【0065】
ここで、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在すると判定した場合をオン状態と呼び、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在しないと判定した場合をオフ状態と呼ぶ。また、検出の安定性とは、検出領域の検出可能範囲内に検出対象物が存在する場合および存在しない場合において位置信号(N−F)のレベルと基準値との差で表わし、その差が所定値以上のときに安定状態と呼び、その差が所定値よりも小さいときに不安定状態と呼ぶ。
【0066】
さらに、制御回路81は、後述する近接情報、後述する変位情報、検出対象物の検出結果を示す検出情報、検出の安定性を示す安定性情報、エラー情報等の各種情報をメモリ88に記憶させる。
【0067】
また、制御回路81は、メモリ88に記憶された近接情報、変位情報、検出情報、安定性情報、エラー情報等の各種情報を表示部30に切り換え表示させる。
【0068】
本実施例では、LED21が発光手段に相当し、2分割フォトダイオード24が受光手段に相当し、回転調整器が調整手段に相当し、制御回路81が検出手段、近接情報算出手段および変位検出手段に相当する。また、表示部30が近接情報表示手段および変位情報表示手段に相当する。
【0069】
図3(a),(b)は近接情報および変位情報を説明するための模式図である。
【0070】
図3(a)に示すように、LED21からの投射光の光軸上において、検出対象物からの反射光が2分割フォトダイオード24の受光面24a,24bに入射可能な範囲が検出領域D0となる。検出領域D0内に予め設定位置STが設定される。この設定位置STは、検出領域D0からの反射光に基づく検出結果がオン状態とオフ状態とに変化する位置を意味する。
【0071】
LED21からの投射光の光軸上に予め設定位置STが設定される。この設定位置STは、検出結果がオン状態とオフ状態との間で変化する地点を表す。受光レンズ23および2分割フォトダイオード24からなる光学系は、設定位置STからの反射光が受光面24a,24bの境界に入射するように、回転調整器を用いて調整される。
【0072】
LED21からの投射光の光軸上において、検出対象物からの反射光が2分割フォトダイオード24の受光面24a,24bに入射可能な範囲が検出領域D0となる。検出領域D0において光電スイッチ1に最も近い端部P1と設定位置STとの間が検出可能範囲D1となり、光電スイッチ1から最も離れた端部P2と設定位置STとの間が非検出範囲D2となる。
【0073】
図3(b)に示すように、受光レンズ23および2分割フォトダイオード24からなる光学系を矢印R1の方向に揺動させると、設定位置STは矢印X1で示すように光電スイッチ1に近づく方向に移動する。この場合、検出領域D0も光電スイッチ1に近づく方向に移動する。受光レンズ23および2分割フォトダイオード24からなる光学系を矢印R1と逆の方向に揺動させると、設定位置STは矢印X1と逆に光電スイッチ1から離れる方向に移動する。この場合、検出領域D0も光電スイッチ1から離れる方向に移動する。
【0074】
検出領域D0内で設定位置STに対する検出対象物の近接度が近接情報で表される。近接情報の値は、設定位置STで最大となり、設定位置STからの距離に比例して小さくなり、検出領域D0の端部P1,P2で最小となる。例えば、設定位置STの近接情報の値が100に設定され、検出領域D0の端部P1,P2の近接情報の値が0に設定される。
【0075】
このような近接情報により検出領域D0内での設定位置STと検出対象物との相対的な位置関係を容易かつ正確に認識することができる。
【0076】
また、検出領域D0内で設定位置STに対する検出対象物の変位の量および変位の方向が設定位置STを原点とする変位情報で表される。変位の量は、設定位置STで最小となり、設定位置STからの距離に比例して大きくなり、検出領域D0の端部P1,P2で最大となる。また、変位の方向は、設定位置STに対して光電スイッチ1から離れた側と光電スイッチ1に近い側とで逆になる。例えば、設定位置STの変位情報の値が0に設定され、検出領域D0の端部P1の変位情報の値が−50に設定され、検出領域D0の端部P2の変位情報の値が+50に設定される。この場合は、符号“−”は変位の方向が設定位置STに対して光電スイッチ1に近づく方向であることを示し、符号“+”は変位の方向が設定位置STに対して光電スイッチ1から離れる方向であることを示している。
【0077】
このような変位情報により検出領域D0内での検出対象物の位置を容易かつ正確に認識することができる。
【0078】
図4は2分割フォトダイオード24の受光面24a,24b上の光スポットの位置と受光信号N,Fおよび位置信号(N−F)との関係を示す図である。
【0079】
図4の−S1,S0,+S1は、2分割フォトダイオード24の受光面24aの中心、受光面24a,24bの境界および受光面24bの中心をそれぞれ表す。
【0080】
図4(a)において、2分割フォトダイオード24の受光面24a,24b上の光スポットの位置を破線の丸印で示す。本例では、2分割フォトダイオード24の受光面24a,24bの一辺と光スポットの直径とが同一であるものとする。図4(b)に示すように、受光信号Nのレベルは、光スポットの中心が受光面24aの中心−S1に位置するときに最大となり、光スポットが受光面24aから完全に外れると0になる。図4(c)に示すように、受光信号Fのレベルは、光スポットの中心が受光面24bの中心+S1に位置するときに最大となり、光スポットが受光面24bから完全に外れると0となる。
【0081】
それにより、図4(d)に示すように、位置信号(N−F)のレベルは、光スポットの中心が受光面24a,24bの境界S0に位置するときに0となる。また、位置信号(N−F)のレベルは、光スポットの中心が受光面24aの中心−S1に位置するときに正の最大となり、光スポットの中心が受光面24bの中心+S1に位置するときに負の最大となる。
【0082】
したがって、位置信号(N−F)を用いて2分割フォトダイオード24の受光面24a,24b上の光スポットの中心位置を算出することができる。
【0083】
例えば、位置信号(N−F)のレベルが0である場合には、光スポットの中心は受光面24a,24bの境界S0に位置すると判定することができる。また、位置信号(N−F)のレベルが正の場合には、光スポットの中心は受光面24a,24bの境界S0と受光面24aの中心−S1との間に位置すると判定することができる。位置信号(N−F)のレベルが負の場合には、光スポットの中心は受光面24a,24bの境界S0と受光面24bの中心+S1との間に位置すると判定することができる。
【0084】
図1の制御回路81は、受光信号N,Fおよび位置信号(N−F)を用いて2分割フォトダイオード24の受光面24a,24b上の光スポットの中心位置を算出し、その算出結果に基づいて上記の近接情報および変位情報を算出する。
【0085】
図5は設定位置ST近傍における位置信号(N−F)の拡大図である。
図5において、オン点は検出結果がオフ状態からオン状態に変化する点であり、オフ点は検出結果がオン状態からオフ状態に変化する点である。オン点は、設定位置STよりも所定距離だけ光電スイッチ1に近い側に設定されており、オフ点は、設定位置STよりも所定距離だけ光電スイッチ1から離れた側に設定されている。オン点とオフ点との間隔が応差となる。
【0086】
本実施例の光電スイッチ1においては、位置信号(N−F)に生じるノイズの大きさが検出対象物の色(反射率)によらず一定となるので、応差を小さくすることができる。したがって、より厚さの薄い検出対象物の検出が可能となる。
【0087】
近接情報を用いて応差の設定を行うことができる。例えば、より厳密な検出を行う場合には、近接情報の値が100に近い位置にオン点およびオフ点を設定する。また、検出対象物の振動、検出対象物の色の変化、検出対象物の角度の変化等のある程度の許容度を持って検出を行う場合は、近接情報の値が小さくなる位置にオン点およびオフ点を設定する。
【0088】
図6は図1の光電スイッチ1における表示灯60を示す図である。
図6に示すように、表示灯60には、検出結果を表示する検出表示用LED(発光ダイオード)62aおよび検出の安定性を表示する安定性表示用LED(発光ダイオード)62bが内蔵される。
【0089】
検出結果がオン状態のときには検出表示用LED62aが点灯し、検出結果がオフ状態のときには検出表示用LED62aが消灯する。また、検出の安定性が安定状態の場合には安定性表示用LED62bが点灯し、検出の安定性が不安定状態の場合には安定性表示用LED62bが消灯する。
【0090】
図7は図1の光電スイッチ1における表示部30の第1の例を示す模式図である。図7に示すように、表示部30は、変位情報表示部31および近接情報表示部32を含む。図7の例では、変位情報表示部31は、7セグメントLED(発光ダイオード)または液晶表示装置からなり、変位情報を正負の符号および数値でデジタル表示する。また、近接情報表示部32は、1列に配列された複数のLED(発光ダイオード)からなり、近接情報を棒グラフ状にバー表示する。
【0091】
図8は図1の光電スイッチ1における表示部30の第2の例を示す模式図である。図8に示すように、表示部30は、変位情報表示部31および近接情報表示部32を含む。図8の例では、変位情報表示部31は、1列に配列された複数のLEDからなり、変位情報をバー表示する。また、近接情報表示部32は、同様に、1列に配列された複数のLEDからなり、近接情報をバー表示する。
【0092】
図9は図1の光電スイッチ1における表示部30の第3の例を示す模式図である。図9に示すように、表示部30は、変位情報/近接情報表示部33を含む。変位情報/近接情報表示部33は、7セグメントLEDまたは液晶表示装置からなり、変位情報および近接情報を切り換え表示する。変位情報は、正負の符号および数値でデジタル表示され、近接情報は、数値でデジタル表示される。
【0093】
図10は図1の光電スイッチ1における表示部30の第4の例を示す模式図である。図10に示すように、表示部30は、変位情報表示部31および近接情報表示部32を含む。図10の例では、変位情報表示部31は、1列に配列された複数のLEDからなり、変位情報をバー表示する。また、近接情報表示部32は、7セグメントLEDまたは液晶表示装置からなり、近接情報を数値でデジタル表示する。
【0094】
図11は図7の表示部30の使用状態を示す模式図である。
図11(a)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で端部P1に近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31に「−40」が表示され、近接情報表示部32の1つのLEDが点灯する。
【0095】
図11(b)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31に「−10」が表示され、近接情報表示部32の4つのLEDが点灯する。
【0096】
図11(c)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の設定位置STに存在する場合には、変位情報表示部31に「0」が表示され、近接情報表示部32のすべてのLEDが点灯する。
【0097】
図11(d)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31に「+10」が表示され、近接情報表示部32の4つのLEDが点灯する。
【0098】
図11(e)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で端部P2に近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31に「+40」が表示され、近接情報表示部32の1つのLEDが点灯する。
【0099】
図12は図8の表示部30の使用状態を示す模式図である。
図12(a)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で端部P1に近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から左端までの3つのLEDが点灯し、近接情報表示部32の1つのLEDが点灯する。
【0100】
図12(b)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から左隣の2つのLEDが点灯し、近接情報表示部32の4つのLEDが点灯する。
【0101】
図12(c)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の設定位置STに存在する場合には、変位情報表示部31の中央部のLEDが点灯し、近接情報表示部32のすべてのLEDが点灯する。
【0102】
図12(d)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から右隣の2つのLEDが点灯し、近接情報表示部32の4つのLEDが点灯する。
【0103】
図12(e)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で端部P2に近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から右端までの3つのLEDが点灯し、近接情報表示部32の1つのLEDが点灯する。
【0104】
図13は図9の表示部30の使用状態を示す模式図である。
図13(a)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で端部P1に近い位置に存在する場合には、変位情報/近接情報表示部33に変位情報として「−40」が表示され、近接情報として「20」が表示される。
【0105】
図13(b)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報/近接情報表示部33に変位情報として「−10」が表示され、近接情報として「80」が表示される。
【0106】
図13(c)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の設定位置STに存在する場合には、変位情報/近接情報表示部33に変位情報として「0」が表示され、近接情報として「100」が表示される。
【0107】
図13(d)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報/近接情報表示部33に変位情報として「+10」が表示され、近接情報として「80」が表示される。
【0108】
図13(e)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で端部P2に近い位置に存在する場合には、変位情報/近接情報表示部33に変位情報として「+40」が表示され、近接情報として「20」が表示される。
【0109】
図14は図10の表示部30の使用状態を示す模式図である。
図14(a)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で端部P1に近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から左端までの3つのLEDが点灯し、近接情報表示部32に「20」が表示される。
【0110】
図14(b)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の検出可能範囲D1内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から左隣の2つのLEDが点灯し、近接情報表示部32に「80」が表示される。
【0111】
図14(c)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の設定位置STに存在する場合には、変位情報表示部31の中央部のLEDが点灯し、近接情報表示部32に「100」が表示される。
【0112】
図14(d)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で設定位置STに近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から右隣の2つのLEDが点灯し、近接情報表示部32に「80」が表示される。
【0113】
図14(e)に示すように、検出対象物500が検出領域D0の非検出範囲D2内で端部P2に近い位置に存在する場合には、変位情報表示部31の中央部から右端までの3つのLEDが点灯し、近接情報表示部32に「20」が表示される。
【0114】
上記のように、本実施例の光電スイッチ1においては、表示部30に近接情報および変位情報を表示させることができるので、ユーザは、近接情報により設定位置STに対する検出対象物の相対的な位置関係を容易かつ正確に認識することができるとともに、変位情報により検出領域D0内での検出対象物の位置を容易かつ正確に認識することができる。したがって、設定位置STと検出対象物との相対的な位置関係を容易かつ正確に調整することが可能となる。
【0115】
なお、上記実施例では、検出領域D0において光電スイッチ1に近い側に検出可能範囲D1が設定され、光電スイッチ1から離れた側に非検出範囲D2が設定されているが、図15に示すように、検出領域D0において光電スイッチ1に近い側に非検出範囲D2が設定され、光電スイッチ1から離れた側に検出可能範囲D1が設定されてもよい。この場合にも、検出領域D0の検出可能範囲D1内に検出対象物が存在する場合に検出結果がオン状態となり、検出可能範囲D1内に検出対象物が存在しない場合に検出結果がオフ状態となる。図15の例では、検出領域D0の検出可能範囲D1内の検出対象物500を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における三角測距方式の光電スイッチの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光電スイッチを一方向および他方向から見た外観斜視図である。
【図3】近接情報および変位情報を説明するための模式図である。
【図4】2分割フォトダイオードの受光面上の光スポットの位置と受光信号および位置信号との関係を示す図である。
【図5】設定位置近傍における位置信号の拡大図である。
【図6】図1の光電スイッチにおける表示灯を示す図である。
【図7】図1の光電スイッチにおける表示部の第1の例を示す模式図である。
【図8】図1の光電スイッチにおける表示部の第2の例を示す模式図である。
【図9】図1の光電スイッチにおける表示部の第3の例を示す模式図である。
【図10】図1の光電スイッチにおける表示部の第4の例を示す模式図である。
【図11】図7の表示部の使用状態を示す模式図である。
【図12】図8の表示部の使用状態を示す模式図である。
【図13】図9の表示部の使用状態を示す模式図である。
【図14】図10の表示部の使用状態を示す模式図である。
【図15】検出領域における検出可能範囲および非検出範囲の他の設定例を示す図である。
【図16】PSDを用いた従来の三角測距方式の光電スイッチの主要部の構成を示す模式図である。
【図17】PSDから出力される受光信号を用いた判定処理を説明するための図である。
【図18】2分割フォトダイオードを用いた従来の三角測距方式の光電スイッチの主要部の構成を示す模式図である。
【図19】2分割フォトダイオードから出力される受光信号を用いた判定処理を説明するための図である。
【図20】図18の光電スイッチにおける設定位置の設定方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 光電スイッチ
21 LED
22 投光レンズ
23 受光レンズ
24 2分割フォトダイオード
24a,24b 受光面
30 表示部
31 変位情報表示部
32 近接情報表示部
33 変位情報/近接情報表示部
500 検出対象物
D0 検出領域
D1 検出可能範囲
D2 非検出範囲
ST 設定位置
Claims (7)
- 検出領域に光を投射するとともに検出領域からの帰還光を受光する投受光部を有し、三角測距方式により検出領域における物体の有無を検出する光電スイッチであって、
前記検出領域には、設定位置が設定されるとともに、前記設定位置を基準として前記投受光部に近い側および遠い側の一方に検出結果が非検出状態から検出状態へ変化するオン点が設定可能であり、前記設定位置を基準として前記投受光部に近い側および遠い側の他方に検出結果が検出状態から非検出状態へ変化するオフ点が設定可能であり、
前記投受光部を通して前記検出領域に光を投射する発光手段と、
前記投受光部を通して前記検出領域からの帰還光を受光する2分割された第1および第2の受光面を有し、前記第1および第2の受光面での受光量に応じた第1および第2の受光信号をそれぞれ出力する受光手段と、
前記設定位置の設定の際に、前記検出領域内に設定される設定位置からの反射光を前記受光手段の前記受光面の境界で受けることにより前記受光手段により出力される第1および第2の受光信号の差が0となるように前記受光手段を調整するための調整手段と、
前記受光手段により出力される第1および第2の受光信号の差を位置信号として算出し、算出された位置信号を前記オン点に対応する位置信号の値と比較することにより前記検出領域に物体が無い状態から前記検出領域に物体が有る状態に変化したことを検出し、算出された位置信号を前記オフ点に対応する位置信号の値と比較することにより前記検出領域に物体が有る状態から前記検出領域に物体が無い状態に変化したことを検出する検出手段と、
前記受光手段から出力される第1および第2の受光信号を用いて前記設定位置に対する前記検出領域内の物体の近接度を示す近接情報を算出する近接情報算出手段と、
前記近接情報算出手段により算出された近接情報を表示する近接情報表示手段とを備え、
前記近接情報は、前記物体が前記設定位置にある状態で最大となるとともに物体が前記投受光部に近い側および遠い側における前記検出領域の端部にある場合に最小となることを特徴とする光電スイッチ。 - 前記発光手段、前記受光手段、前記検出手段、前記位置設定手段、前記調整手段、近接情報算出手段、および前記近接情報表示手段を収容するケーシングと、
前記検出手段の検出結果を表示する表示灯と、
前記検出手段の検出結果を外部に出力するための出力ケーブルとをさらに備え、
前記ケーシングは、長方形状の前面部と、前記前面部に対向する長方形状の背面部と、互いに対向する第1および第2の端面部と、前記背面部と前記第2の端面部との間に形成された角部とを有し、
前記投受光部は、前記前面部に設けられ、
前記近接情報表示手段は、前記背面部に設けられ、
前記表示灯は、前記第1の端面部に設けられ、
前記出力ケーブルが、前記角部に接続されたことを特徴とする請求項1記載の光電スイッチ。 - 前記検出手段により算出された位置信号と前記設定位置に対応する位置信号の値との差が所定値以上である安定状態、および前記検出手段により算出された位置信号と前記設定位置に対応する位置信号の値との差が所定値よりも小さい不安定状態のいずれかを示す安定性情報を記憶するメモリをさらに備え、
前記表示灯は、前記メモリに記憶された安定性情報をさらに表示することを特徴とする請求項2記載の光電スイッチ。 - 前記表示灯は、前記検出手段の検出結果を表示する検出表示用発光ダイオードと、前記安定性情報を表示する安定性表示用発光ダイオードとからなることを特徴とする請求項3記載の光電スイッチ。
- 前記メモリは、前記検出手段の検出結果、および前記近接情報算出手段により算出された近接情報をさらに記憶し、
前記近傍情報表示手段は、前記メモリに記憶された前記検出結果、前記安定性情報および前記近接情報を切り換え表示することを特徴とする請求項3または4記載の光電スイッチ。 - 前記受光手段から出力される受光信号を用いて前記設定位置に対する前記検出領域内の物体の変位の方向を検出し、変位の方向を変位情報として出力する変位検出手段と、
前記変位検出手段から出力された変位情報を表示する変位情報表示手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光電スイッチ。 - 前記変位検出手段は、前記受光手段から出力される受光信号を用いて前記設定位置に対する前記検出領域内の物体の変位の量をさらに検出し、変位の方向および変位の量を変位情報として出力することを特徴とする請求項6記載の光電スイッチ。
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