JP4459885B2 - ステータおよびモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ステータおよびモータに関する。
従来、U相、V相、W相からなる3相の各相毎のステータコアに3相の各相毎の巻線が集中巻きにより巻装されたステータを備え、このステータによりロータを3相駆動する3相モータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、U相、V相、W相からなる3相の各相毎の巻線が周方向で隣り合うティース間を縫うようにして周回させられることで波状に巻装されたステータを備え、このステータによりロータを3相駆動する3相モータが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−227075号公報 特開2002−165396号公報
ところで、上記従来技術に係る3相モータにおいては、3相の各相毎の巻線が必要であることから、ステータの構成に要する部品の部品点数の増大を抑制することが困難であり、各相毎の巻線を巻装する作業に煩雑な手間を要するという問題が生じる。
しかも、波巻きにより巻線が巻装されるステータにおいては、隣り合うティース間での巻線占積率を向上させることが困難であり、さらに、コイルエンドの高さを低減してモータの軸線方向の寸法を低減し、車両等への搭載性を向上させることが困難であるという問題が生じる。
このため、ステータの構成を簡略化することで部品点数を削減し、ステータの製造工程を簡略化すると共に、ステータでの巻線占積率を向上させつつコイルエンドの高さを低減してモータの軸線方向の寸法を低減し、車両等へのモータの搭載性を向上させることが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、構成を簡略化することで部品点数を削減し、製造工程を簡略化すると共に、巻線占積率を向上させつつコイルエンドの高さを低減して軸線方向の寸法を低減し、車両等への搭載性を向上させることが可能なステータおよびモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のステータは、2相の環状巻線(例えば、実施の形態でのU相環状巻線14,W相環状巻線15)を備える3相のステータであって、前記環状巻線は蛇行部(例えば、実施の形態でのU相蛇行部31,W相蛇行部32)を備え、前記2相の環状巻線は、互いの対向方向に突出する互いの前記蛇行部が周方向に沿って交互に配列され、互いに交差しないように配置されてなり、前記2相の環状巻線は、コイルピッチが電気角で120°であり、互いに電気角で120°の位相差を有することを特徴としている。
上記構成のステータによれば、2相の環状巻線の互いの対向方向に突出する互いの蛇行部が周方向に沿って交互に配列されることで、互いの環状巻線同士が位置的に干渉して交差等が生じてしまうことを防止し、コイルエンドの高さおよびステータの軸線方向の寸法が増大してしまうことを防止することができる。
さらに、上記構成のステータによれば、2相の環状巻線を所謂電気角で120°の短節巻きとすることによって、3相の回転磁界の分布が電気角で120°毎の位相差となり、通電制御が容易になると共に、環状巻線の1周期(電気角で360°)あたりで必要となるティースの個数が各相毎に単一となって、ステータに具備されるティースの総数が増大してしまうことを抑制することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のステータは、3相のステータ部材(例えば、実施の形態でのU相ステータリング11,V相ステータリング12,W相ステータリング13)を備え、該ステータ部材と前記環状巻線とは、軸線方向に積み重ねるようにして交互に配置可能であることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、3相のステータ部材と2相の環状巻線とを、軸線に平行な方向に沿って順次積み重ねるようにして交互に配置させるだけの単純な作業によってステータを容易に製造することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明のステータでは、前記ステータ部材は、複数のステータ片に分割可能であることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、2相の環状巻線や3相のステータ部材を、必要に応じて多様な形状に形成することができる。
さらに、請求項4に記載の本発明のステータは、前記環状巻線とステータ本体との間に冷却媒体を流通させる冷却管(例えば、実施の形態での冷却管34,35)を備えることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、ステータの外部、例えばステータを収容するハウジング等に冷却管を配置する場合に比べて、通電時の発熱源である環状巻線およびステータ本体を直接的に効率良く冷却することができる。
さらに、請求項5に記載の本発明のステータでは、前記冷却管は前記環状巻線の形状に沿った環状形状を有することを特徴としている。
上記構成のステータによれば、環状巻線の形状に沿った形状を有する冷却管を環状巻線に近接させて配置することができ、通電時の発熱源である環状巻線の長さ方向に沿って不均一な温度分布が生じることを抑制しつつ、効率の良い冷却を行うことができる。
さらに、請求項6に記載の本発明のステータは、少なくとも2つの前記冷却管を備え、前記ステータ本体は3相のステータ部材(例えば、実施の形態での各ステータリング11,12,13)を備え、前記2相の環状巻線は1相の前記ステータ部材(例えば、実施の形態でのV相ステータリング12)を両側から挟み込むようにして配置され、各前記2つの前記冷却管は、各前記2相の環状巻線と、前記1相のステータ部材との間に配置されることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、2相の各環状巻線に対して、環状巻線の長さ方向に沿って不均一な温度分布が生じることを抑制しつつ、効率の良い冷却を行うことができる。
さらに、請求項7に記載の本発明のステータでは、前記蛇行部は鈍角に屈曲する屈曲部を備え、前記環状巻線は複数の前記蛇行部を備えることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、例えば略直角に屈曲する屈曲部を備え、クランク状に蛇行する環状巻線に比べて、略鈍角に屈曲する屈曲部を備える環状巻線では、環状巻線のインダクタンスをほぼ変化させずに巻線長を短縮し、銅損を低減することができる。
さらに、請求項8に記載の本発明のステータでは、前記2相の環状巻線は、互いに周方向で隣接する部分の厚さ(例えば、実施の形態での厚さW2)が他の部分の厚さ(例えば、実施の形態での厚さW1)よりも薄くなるように設定されていることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、例えば周方向で隣り合うティース間のスロットに装着される環状巻線の相数(つまり1相または2相)に拘わらずにティース同士間の間隔を均等に維持した状態で所望の巻線占積率を確保することができる。これにより、例えばロータに対向するティース間の間隔が不均等となることで出力可能な最大トルクが低下したり、コギングトルクやトルクリップルが増大してしまうことを防止しつつ、巻線占積率が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項9に記載の本発明のステータでは、前記蛇行部に装着されるティースのコーナー部に対し、前記環状巻線の軸線に平行な軸線方向で隣り合う一方の前記コーナー部(例えば、実施の形態での面取り部36)は面取り形状とされ、他方の前記コーナー部は周方向に突出する拡張部(例えば、実施の形態での拡張部37)を備え、該拡張部は、前記一方の前記コーナー部から離間することに伴い、周方向の突出量が増大傾向に変化するように設定されていることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、周方向に沿って配置された複数のティース間を縫うようにして配置される環状巻線は、ティースのコーナー部に形成された面取り形状に沿って滑らかに湾曲することから、環状巻線の表面に設けられた絶縁被膜が損傷することを抑制することができる。しかも、面取り形状を有するコーナー部に対して軸線方向で隣り合うコーナー部に設けた拡張部を、例えば湾曲した環状巻線の外周側の形状に沿う形状を有するようにして、一方のコーナー部から離間することに伴い、周方向の突出量が増大傾向に変化するように形成することにより、ティース表面の磁路面積を拡大することができる。
さらに、請求項10に記載の本発明のステータは、前記他方の前記コーナー部と、前記拡張部との間に溝部(例えば、実施の形態での溝部38)を備えることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、拡張部を介して磁束短絡が生じてしまうことを防止することができる。
さらに、請求項11に記載の本発明のモータは、請求項7に記載のステータと、永久磁石(例えば、実施の形態での永久磁石42)を具備するロータ(例えば、実施の形態でのロータ41)とを備えるモータ(例えば、実施の形態でのクローポール型モータ40)であって、前記永久磁石は、前記環状巻線の軸線に平行な軸線方向に対して傾斜していることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、2つの環状巻線の各蛇行部に装着されるティースに対し、周方向で隣り合うティース間に形成されるスロットは、軸線方向に対して傾斜すると共に、傾斜方向が異なるスロットが混在することになる。
このため、ロータの永久磁石を軸線方向に対して傾斜させることにより、例えばスロットと永久磁石とが略同等の方向となる状態数が増大した場合には、出力可能な最大トルクを増大させることができ、例えばスロットと永久磁石とが異なる方向に傾斜する状態数が増大した場合には、コギングトルクやトルクリップルの発生を抑制することができる。
本発明のステータによれば、互いの蛇行部同士が交差等により配置上で干渉してしまうことを防止し、コイルエンドの高さおよびステータの軸線方向の寸法が増大してしまうことを防止することができる。さらに、通電制御が容易になると共に、ステータに具備されるティースの総数が増大してしまうことを抑制することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のステータによれば、3相のステータリングと2相の環状巻線とを、軸線に平行な方向に沿って順次積み重ねるようにして交互に配置させるだけの単純な作業によってステータを容易に製造することができる
さらに、請求項3に記載の本発明のステータによれば、2相の環状巻線や3相のステータ部材を、必要に応じて多様な形状に形成することができる。
さらに、請求項4に記載の本発明のステータによれば、通電時の発熱源である環状巻線およびステータ本体を直接的に効率良く冷却することができる。
さらに、請求項5に記載の本発明のステータによれば、通電時の発熱源である環状巻線の長さ方向に沿って不均一な温度分布が生じることを抑制しつつ、効率の良い冷却を行うことができる。
さらに、請求項6に記載の本発明のステータによれば、2相の各環状巻線に対して、環状巻線の長さ方向に沿って不均一な温度分布が生じることを抑制しつつ、効率の良い冷却を行うことができる。
さらに、請求項7に記載の本発明のステータによれば、例えば略直角に屈曲する屈曲部を備え、クランク状に蛇行する環状巻線に比べて、環状巻線のインダクタンスをほぼ変化させずに巻線長を短縮し、銅損を低減することができる。
さらに、請求項8に記載の本発明のステータによれば、例えば周方向で隣り合うティース間のスロットに装着される環状巻線の相数(つまり1相または2相)に拘わらずにティース同士間の間隔を均等に維持した状態で所望の巻線占積率を確保することができる。これにより、例えばロータに対向するティース間の間隔が不均等となることで出力可能な最大トルクが低下したり、コギングトルクやトルクリップルが増大してしまうことを防止しつつ、巻線占積率が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項9に記載の本発明のステータによれば、環状巻線は、ティースのコーナー部に形成された面取り形状に沿って滑らかに湾曲することから、環状巻線の表面に設けられた絶縁被膜が損傷することを抑制することができる。しかも、面取り形状を有するコーナー部に対して軸線方向で隣り合うコーナー部に設けた拡張部を、一方のコーナー部から離間することに伴い、周方向の突出量が増大傾向に変化するように形成することにより、ティース表面の磁路面積を拡大することができる。
さらに、請求項10に記載の本発明のステータによれば、拡張部を介して磁束短絡が生じてしまうことを防止することができる。
また、請求項11に記載の本発明のモータによれば、例えばスロットと永久磁石とが略同等の方向となる状態数が増大した場合には、出力可能な最大トルクを増大させることができ、例えばスロットと永久磁石とが異なる方向に傾斜する状態数が増大した場合には、コギングトルクやトルクリップルの発生を抑制することができる。
以下、本発明のステータの第1実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係るステータ10は、例えば内燃機関と共に車両の駆動源としてハイブリッド車両に搭載されるクローポール型モータを構成し、例えば内燃機関とクローポール型モータとトランスミッションとを直列に直結した構造のパラレルハイブリッド車両では、少なくとも内燃機関またはクローポール型モータの何れか一方の駆動力は、トランスミッションを介して車両の駆動輪に伝達されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動輪側からクローポール型モータに駆動力が伝達されると、クローポール型モータは発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、内燃機関の出力がクローポール型モータに伝達された場合にもクローポール型モータは発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
ロータ(図示略)を回転させる回転磁界を発生するステータ10は、例えば図1に示すように、U相およびV相およびW相からなる3相の各相毎のU相ステータリング11と、V相ステータリング12と、W相ステータリング13と、U相およびW相からなる2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15とを備えて構成されている。
U相ステータリング11は、例えば図1および図2に示すように、略円環状のU相ヨーク21と、このU相ヨーク21の内周部の周方向Cに所定間隔を置いた位置から径方向R内方および軸線方向Pの他方に向かい突出し、径方向Rに対する断面形状が略長方形状に形成されたU相ティース22とを備えて構成され、U相ヨーク21およびU相ティース22からなるU相ステータリング11の周方向Cに対する断面形状が略L字状となるように構成されている。
V相ステータリング12は、例えば図1および図2に示すように、略円環状のV相ヨーク23と、このV相ヨーク23の内周部の周方向Cに所定間隔を置いた位置から径方向R内方および軸線方向Pの一方および他方に向かい突出し、径方向Rに対する断面形状が略長方形状に形成されたV相ティース24とを備えて構成され、V相ヨーク23およびV相ティース24からなるV相ステータリング12の周方向Cに対する断面形状が略T字状となるように構成されている。
W相ステータリング13は、例えば図1および図2に示すように、略円環状のW相ヨーク25と、このW相ヨーク25の内周部の周方向Cに所定間隔を置いた位置から径方向R内方および軸線方向Pの一方に向かい突出し、径方向Rに対する断面形状が略長方形状に形成されたW相ティース26とを備えて構成され、W相ヨーク25およびW相ティース26からなるW相ステータリング13の周方向Cに対する断面形状が略L字状となるように構成されている。
そして、各ステータリング11,12,13は、例えば図1に示すように、各ヨーク21,23,25が軸線方向Pに沿って積み重ねられるようにして接続されている。そして、複数の各ティース22,…,22および24,…,24および26,…,26が所定順序(例えば、順次、U相ティース22,V相ティース24,W相ティース26,V相ティース24等)で周方向Cに沿って配列され、周方向Cで隣り合う各ティース22,24間にはU相環状巻線14が配置されるスロットが形成され、周方向Cで隣り合う各ティース24,26間にはW相環状巻線15が配置されるスロットが形成されている。
各環状巻線14,15は、例えば所定の厚さを有する平角線からなり、軸線周りの周面内でクランク状に蛇行しつつ周回するようにして、複数の各U相蛇行部31,…,31およびW相蛇行部32,…,32を備えて構成されている。
各蛇行部31,32の周方向Cの幅つまりコイルピッチは、例えば図3に示すように、電気角で120°以下の所定値に設定され、各蛇行部31,32は互いに異なる方向(つまり互いの対向方向であって軸線方向Pの一方および他方)に向かい突出するように設けられ、U相環状巻線14とW相環状巻線15とは、電気角で240°の位相差を有するようにして周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置されている。これにより、2相の各環状巻線14,15は、互いの対向方向に突出する互いの各蛇行部31,32が周方向Cに沿って交互に配列され、互いに交差しないように配置されている。
そして、U相蛇行部31には1つのU相ティース22が配置され、W相蛇行部32には1つのW相ティース26が配置され、周方向Cで隣り合うU相蛇行部31とW相蛇行部32との間には1つのV相ティース24が配置されている。
これにより、周方向Cで隣り合う各ティース22,24または24,26間を縫うようにして配置される2相の各環状巻線14,15は所謂電気角で120°以下の短節巻きをなすように形成されている。
そして、互いに電気角で240°の位相差(コイル位相差)を有する2相の各環状巻線14,15は、例えば図4(a)に示すように、V字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電されることにより、例えば漏れ磁束が無視できる場合には、図4(c)に示すように、U相,V相,W相の3相巻線がY字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電される3相のステータと同等の回転磁界を発生するように構成されている。
なお、例えば図4(b)に示すように、各蛇行部31,32が同等の方向(つまり軸線方向Pの一方または他方)に向かい突出する状態で互いに電気角で60°の位相差を有する2相の各環状巻線14,15をV字状に結線する状態は、図4(a)に示すように、各蛇行部31,32が互いに異なる方向(つまり軸線方向Pの一方および他方)に向かい突出する状態で互いに電気角で240°の位相差を有する2相の各環状巻線14,15をV字状に結線する状態と同様に、互いに120°の位相差の正弦波で通電された際に、例えば漏れ磁束が無視できる場合には、図4(c)に示すように、U相,V相,W相の3相巻線がY字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電される3相のステータと同等の回転磁界を発生可能である。
つまり、3相(U相、V相、W相)のモータの電圧方程式は、例えば相抵抗を無視すると、各相電圧指令値V,V,Vと、各相電流I,I,Iと、各相の自己インダクタンスLと、相互インダクタンスMと、ロータの回転角速度ωと、誘起電圧定数Keとにより、下記数式(1)に示すように記述される。
なお、下記数式(1)において、L=−2Mであり、漏れ磁束を無視した。
Figure 0004459885
上記数式(1)において、各相電流I,I,Iは何れか2つの相電流により記述できるため、例えばV相電流IをU相電流IおよびW相電流Iにより記述して消去すると、各相電圧指令値V,V,Vによる線間電圧(例えば、U相−V相間の線間電圧Vuv(=V−V)とW相−V相間の線間電圧Vwv(=V−V))は下記数式(2)に示すように記述される。
Figure 0004459885
ところで、上記数式(1)に示す3相(U相、V相、W相)のモータの電圧方程式において、例えばV相の成分を除去したモデルは、下記数式(3)に示すように記述される。
Figure 0004459885
先ず、上記数式(3)に示すモデルは、W相の巻線の向きを反転させる(つまり、ロータの回転方向を反転させる)と、下記数式(4)に示すように記述される。
Figure 0004459885
次に、上記数式(4)に示すモデルは、各巻線のターン数nを(√3)倍に変更すると、下記数式(5)に示すように記述される。
Figure 0004459885
次に、上記数式(5)に示すモデルは、誘起電圧の位相の角度原点を90度(=π/2)だけ移動させ、U相の成分とW相の成分とを入れ替えると、下記数式(6)に示すように記述され、上記数式(2)と同等になる。
Figure 0004459885
本実施の形態に係るステータ10は上記構成を備えており、次に、このステータ10の製造方法について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、例えば図2および図3に示すように、2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15を、コイルピッチが電気角で120°以下の所定値となるようにしてクランク状に成形して複数の各U相蛇行部31,…,31およびW相蛇行部32,…,32を形成する。そして、各蛇行部31,32が2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15の互いの対向方向(つまり軸線方向Pの一方および他方)に向かい突出するようにして、各環状巻線14,15を軸線に対して同軸に配置する。
そして、先ず、軸線方向Pの一方に向かい突出する複数のW相ティース26,…,26を備えるW相ステータリング13を軸線に対して同軸となる所定位置に配置する。
次に、W相環状巻線15をW相ステータリング13に対して軸線方向Pの一方から他方に向かい相対移動させ、W相環状巻線15の複数の各W相蛇行部32,…,32内にW相ステータリング13の複数の各W相ティース26,…,26を相対的に挿入する。
次に、V相ステータリング12を軸線に対して同軸に配置した状態でW相環状巻線15に対して軸線方向Pの一方から他方に向かい相対移動させ、W相環状巻線15の周方向Cで隣り合うW相蛇行部32,32間にV相ステータリング12の所定数(例えば2つ)のV相ティース24,24を相対的に挿入し、W相ステータリング13のW相ヨーク25とV相ステータリング12のV相ヨーク23とを軸線方向Pに沿って積み重ねるようにして接続する。
次に、U相環状巻線14およびW相環状巻線15が互いに電気角で240°の位相差を有するようにして、U相環状巻線14をW相環状巻線15に対して周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置した状態で、U相環状巻線14をW相環状巻線15に対して軸線方向Pの一方から他方に向かい相対移動させ、互いの対向方向に突出する互いの各蛇行部31,32が周方向Cに沿って交互に配列され、かつ、2相の各環状巻線14,15が互いに交差しないように配置されるようにして、周方向Cで隣り合うV相ティース24,24間にU相蛇行部31を挿入する。
次に、U相ステータリング11を軸線に対して同軸に配置した状態でU相環状巻線14に対して軸線方向Pの一方から他方に向かい相対移動させ、U相環状巻線14の複数の各U相蛇行部31,…,31内にU相ステータリング11の複数の各U相ティース22,…,22を相対的に挿入する、V相ステータリング12のV相ヨーク23とU相ステータリング11のU相ヨーク21とを軸線方向Pに沿って積み重ねるようにして接続する。
上述したように、本実施の形態のステータ10によれば、互いに電気角で240°あるいは電気角で60°の位相差(コイル位相差)を有し、V字状に結線された2相の各環状巻線14,15により、例えばU相,V相,W相の3相巻線がY字状に結線された3相のステータと同等の回転磁界を発生することができ、必要となる巻線の相数を低減することで、ステータ10を構成するために要する部品数を低減し、ステータ10の構成を簡略化することができると共に、各巻線の渡り部の位置が干渉して互いに巻線が交差することでコイルエンドの高さやモータの軸線方向の寸法が過剰に増大してしまうことを防止することができる。
しかも、2相の各環状巻線14,15の互いの対向方向に突出する互いの各蛇行部31,32が周方向Cに沿って交互に配列されることで、例えば図5に示すように互いの各環状巻線14,15同士が位置的に干渉して交差等が生じてしまうことを防止し、コイルエンドの高さおよびステータ10の軸線方向Pの寸法が増大してしまうことを防止することができる。
さらに、3相の各ステータリング11,12、13と2相の各環状巻線14,15とを、軸線方向PPに沿って順次積み重ねるようにして交互に配置させるだけの単純な作業によってステータ10を容易に製造することができる。
なお、上述した第1実施形態においては、各環状巻線14,15の各蛇行部31,32の周方向Cの幅つまりコイルピッチを電気角で120°以下の所定値に設定するとしたが、例えば図6に示す第1変形例のように、特に、コイルピッチを電気角で120°に設定することにより、U相環状巻線14の周方向Cで隣り合うU相蛇行部31,31間およびW相環状巻線15の周方向Cで隣り合うW相蛇行部32,32間に相対的に挿入されるV相ステータリング12のV相ティース24の個数を単一にすることができる。
これにより、周方向Cに沿って順次、W相ティース26と、V相ティース24と、U相ティース22とが配列され、各ティース26,24,22の周方向Cの磁極幅が電気角で120°となり、通電制御の処理内容が複雑化することを抑制することができる。
この場合、例えばU相蛇行部31に対して、周方向Cの一方側で隣り合うW相蛇行部32は電気角で240°の位相差を有し、周方向Cの他方側で隣り合うW相蛇行部32は電気角で120°の位相差を有することになる。
なお、上述した実施の形態において、例えば図7および図8に示すように、ステータホルダ(図示略)を介してハウジング10aに固定されるステータ10は、各環状巻線14,15と、軸線方向Pに沿って各ステータリング11,12,13が積み重ねられてなるステータ本体との間に冷却媒体を流通させる冷却管34,35を備え、各冷却管34,35は各環状巻線14,15の形状に沿った環状形状を有するように形成されている。
例えば、2相の各環状巻線14,15はV相ステータリング12を回転軸線O方向の両側から挟み込むようにして配置され、各2つの冷却管34,35は、各2相の環状巻線14,15と、V相ステータリング12との間に配置されている。
なお、各冷却管34,35は、例えば相対的に大きな熱伝導性を有するアルミニウム等の金属あるいは樹脂により形成され、例えば断面形状が長方形とされた角管が、蛇行する各環状巻線14,15に沿う形状となるように曲げ加工されて形成されてもよいし、あるいは、例えば断面形状が円形とされた複数の丸管毎に、蛇行する各環状巻線14,15に沿う形状となるように曲げ加工され、曲げ加工された複数の丸管が径方向Rに沿って互いに隣接するように配置されて構成されてもよい。
これにより、ステータ10の外部、例えばステータ10を収容するハウジング10a等に冷却管を配置する場合に比べて、通電時の発熱源である各環状巻線14,15およびステータ本体を直接的に効率良く冷却することができる。しかも、各環状巻線14,15の形状に沿った形状を有する各冷却管34,35を各環状巻線14,15に近接させて配置することができ、通電時の発熱源である各環状巻線14,15の長さ方向に沿って不均一な温度分布が生じることを抑制しつつ、効率の良い冷却を行うことができる。
なお、上述した第1実施形態においては、各環状巻線14,15は所定の厚さを有するとしたが、これに限定されず、例えば上述した第1変形例のようにコイルピッチを電気角で120°に設定した場合等において、周方向で隣り合う各ティース22,24,26間のスロットに装着される各環状巻線14,15の相数が1相または2相の不均等となる場合に、1相のU相環状巻線14またはW相環状巻線15が装着されるスロットでの各環状巻線14,15の厚さに比べて、2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15が装着されるスロットでの各環状巻線14,15の厚さが薄くなるように設定してもよい。
この第2変形例に係るステータ10は、例えば図9(a)に示すように、2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15が装着されるスロット、つまりU相ティース22とW相ティース26とにより形成されたスロットにおいて、互いに周方向で隣接する各環状巻線14,15の厚さW2,W2が、他の位置での各環状巻線14,15の厚さW1,W1よりも薄く(例えば、W2<W1≒2×W2)なるように設定されている。
この第2変形例においては、例えば図9(b)に示すように各環状巻線14,15が所定の厚さW1,W1を有するだけでは、各スロットに対して所望の巻線占積率を確保する際に、周方向Cで隣り合う各ティース22,24,26間のスロットに装着される各環状巻線14,15の相数に応じて周方向Cでの各ティース22,24,26の各重心位置間の間隔つまりティースピッチ(例えば、図9(b)に示す各ティースピッチC1,C2)が不均等(C2>C1)に設定されてしまうことに対して、周方向Cで隣り合う各ティース22,24,26間の各スロットに装着される各環状巻線14,15の相数が1相または2相の不均等となる場合であっても、装着される各環状巻線14,15の相数に応じて各ティース22,24,26の各重心位置間の間隔C0を不均等に設定する必要無しに、各スロットに装着される各環状巻線14,15に対して所望の巻線占積率を確保することができ、例えば周方向Cでの各ティース22,24,26の相対位置が不均等となることで出力可能な最大トルクが低下したり、コギングトルクやトルクリップルが増大してしまうことを防止することができる。
なお、上述した第1実施形態においては、各ティース22,24,26の径方向Rに対する断面形状を略長方形状とし、各環状巻線14,15はクランク状に蛇行するとしたが、これに限定されず、例えば図10(a)に示すように、軸線周りの周面内で各ティース22,24,26のコーナー部に対し、軸線方向Pで隣り合う一方のコーナー部には面取り形状の面取り部36を形成し、他方のコーナー部には周方向に突出すると共に、一方のコーナー部から離間することに伴い、周方向の突出量が増大傾向に変化する拡張部37を備えてもよい。
この第3変形例においては、周方向に沿って配置された各ティース22,24,26間を縫うようにして配置される各環状巻線14、15は、各ティース22,24,26のコーナー部に形成された面取り部36に沿って滑らかに湾曲することから、例えば図10(b)に示すように、径方向Rに対する断面形状が略長方形状となる各ティース22,24,26のコーナー部において各環状巻線14、15が屈曲する場合に比べて、各環状巻線14、15の表面に設けられた絶縁被膜が損傷してしまうことを抑制することができる。
さらに、面取り部36を有するコーナー部に対して軸線方向で隣り合うコーナー部に設けた拡張部37は、例えば湾曲した各環状巻線14、15の外周側の形状に沿う形状を有するようにして、一方のコーナー部から離間することに伴い、周方向の突出量が増大傾向に変化するように形成されている。これにより、ティース表面の磁路面積を拡大することができる。
なお、この第3変形例においては、例えば図11に示すように、各ティース22,24,26のコーナー部と拡張部37との間に、溝部38を設けることにより、拡張部37を介して磁束短絡が生じてしまうことを防止することができる。
以下に、上述した第1実施形態の第4変形例に係るステータ10について説明する。
この第4変形例に係るステータ10では、例えば図12および図13(a)に示すように、2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15は、コイルピッチが電気角で120°となるようにして、複数の各U相蛇行部31,…,31およびW相蛇行部32,…,32を備え、各蛇行部31,32は、例えば所定鈍角に屈曲する4つの屈曲部35,…,35を備え、軸線周りの周面内で互いに対称な2つの斜辺(例えば、軸線方向Pに対して所定角度θだけ傾斜する斜辺)を有するように形成されている。
これに伴い、U相蛇行部31に挿入されるU相ティース22およびW相蛇行部32に挿入されるW相ティース26は、径方向Rに対する断面形状が略台形状に形成され、U相環状巻線14の周方向Cで隣り合うU相蛇行部31,31間およびW相環状巻線15の周方向Cで隣り合うW相蛇行部32,32間に挿入されるV相ティース24は、径方向Rに対する断面形状が略平行四辺形状に形成されている。
なお、2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15が装着されるスロット、つまりU相ティース22とW相ティース26とにより形成されたスロットにおいて、互いに周方向で隣接する各環状巻線14,15の厚さW2,W2が、他の位置での各環状巻線14,15の厚さW1,W1よりも薄く(例えば、W2<W1≒2×W2)なるように設定されている。
この第4変形例では、蛇行する各環状巻線14,15により、例えば図13(b)に示すようにクランク状に蛇行する各環状巻線14,15に比べて、各環状巻線14,15のインダクタンスをほぼ変化させずに巻線長を短縮し、銅損を低減することができる。
すなわち、図13(a),(b)に示すように、周方向Cに沿った各環状巻線14,15の長さ(a+b),(A+B)と、各ティース22,24,26間での各環状巻線14,15の長さd,Dとにより、蛇行する各環状巻線14,15に対して、1極分の長さは(A+B+2×D)であり、クランク状に蛇行する各環状巻線14,15に対して、1極分の長さは(a+b+2×d)である。
ここで、d=D×cosθ、かつ、a+b=A+B+2×D×sinθ、かつ、
(0°<θ<90°)であるから、
(a+b+2×d)=A+B+2×D×(sinθ+cosθ)>(A+B+2×D)となる。
この第4変形例に係るステータ10を具備するクローポール型モータ40のロータ41は、例えば図14に示すように、界磁として永久磁石42を利用する永久磁石式ロータであって、ロータ本体43の外周面上に複数の永久磁石42,…,42が周方向に所定の間隔をおいて配置されている。
各永久磁石42は、例えば径方向に磁化されており、周方向で隣り合う永久磁石42,42の磁化方向が互いに反対方向となるように、すなわち外周側がN極とされた永久磁石42には、外周側がS極とされた他の永久磁石42が隣接するように配置されている。
なお、各永久磁石42の外周面上には、ステータ10の各ティース22,24,26の先端部に対向する対向面をなす表面ヨーク44が設けられている。
そして、ロータ本体43の外周面上において各永久磁石42は、例えば図12に示すように、ロータ41の回転軸線O方向に対して所定角度だけ傾斜しており、ステータ10において2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15が装着されるスロット、つまりU相ティース22とW相ティース26とにより形成されたスロットに対して略平行となるように設定されている。
このクローポール型モータ40によれば、ステータ10全体としてスロットと永久磁石42とが異なる方向に傾斜する状態数が増大することで、コギングトルクやトルクリップルの発生を抑制することができる。
なお、上述した第4変形例においては、各永久磁石42と、2相のU相環状巻線14およびW相環状巻線15が装着されるスロットとは、略平行となるように設定されているとしたが、これに限定されず、ロータ本体43の外周面上において各永久磁石42は、例えば図15および図16に示すように、ステータ10において、1相のU相環状巻線14またはW相環状巻線15が装着されるスロットつまりU相ティース22とV相ティース24とにより形成されたスロット、あるいは、V相ティース24とW相ティース26とにより形成されたスロットに対して略平行となるように設定されてもよい。
この第5変形例に係るクローポール型モータ40によれば、ステータ10全体としてスロットと永久磁石42とが略同等の方向となる状態数が増大し、出力可能な最大トルクを増大させることができる。
以下、本発明のステータの参考技術について添付図面を参照しながら説明する。
この参考技術に係るステータ50において、上述した第1実施形態に係るステータ10と異なる点は、U相環状巻線54およびW相環状巻線55が各U相蛇行部31およびW相蛇行部32を備えていない点である。
なお、以下において上述した第1実施形態と同一部分については説明を簡略または省略する。
参考技術に係るステータ10は、例えば図17および図18に示すように、U相およびV相およびW相からなる3相の各相毎のU相ステータリング51と、V相ステータリング52と、W相ステータリング53と、U相およびW相からなる2相のU相環状巻線54およびW相環状巻線55とを備えて構成されている。
U相ステータリング51は、略円環状のU相バックヨーク61と、このU相バックヨーク61の内周部の周方向に所定間隔をおいた位置から径方向内方に向かい突出すると共に、基端側から先端側に向かうことに伴い軸線方向の一方に屈曲するようにして伸びる鉤爪状のU相爪状誘導極62とを備えて構成されている。
そして、U相爪状誘導極62は、例えば、周方向に対する断面形状が略L字状かつ径方向に対する断面形状が、少なくとも電気角で180°以下の所定の周方向幅(例えば電気角で120°に相当する幅)Cuを有する略長方形状に形成されている。
V相ステータリング52は、略円環状のV相バックヨーク63と、このV相バックヨーク63の内周部の周方向に所定間隔をおいた位置から径方向内方に向かい突出すると共に、基端側から先端側に向かうことに伴い軸線方向の一方および他方に伸びる両鉤爪状のV相爪状誘導極64とを備えて構成されている。
そして、V相爪状誘導極64は、例えば、周方向に対する断面形状が略T字状かつ径方向に対する断面形状が、少なくとも電気角で180°以下の所定の周方向幅(例えば電気角で120°に相当する幅)Cvを有する略長方形状に形成されている。
W相ステータリング53は、例えばU相ステータリング51と同等の形状を有し、略円環状のW相バックヨーク65と、このW相バックヨーク65の内周部の周方向に所定間隔をおいた位置から径方向内方に向かい突出すると共に、基端側から先端側に向かうことに伴い軸線方向の他方に屈曲するようにして伸びる鉤爪状のW相爪状誘導極26とを備えて構成されている。
そして、W相爪状誘導極66は、例えば、周方向に対する断面形状が略L字状かつ径方向に対する断面形状が、少なくとも電気角で180°以下の所定の周方向幅(例えば電気角で120°に相当する幅)Cwを有する略長方形状に形成されている。
各ステータリング51,52,53は、軸線Pと同軸に配置され、軸線方向に沿って順次積み重ねられると共に、各爪状誘導極62,64,66が周方向に沿って順次配列されるようにして接続され、U相バックヨーク61の軸方向端面とV相バックヨーク63の他方の軸方向端面とが当接した際に、軸線方向に所定間隔を置いて配置される各爪状誘導極62,64の基端部同士により軸線方向の両側から挟み込まれるようにして、U相環状巻線54が固定されている。また、V相バックヨーク63の一方の軸方向端面とW相バックヨーク65の軸方向端面とが当接した際に、軸線方向に所定間隔を置いて配置される各爪状誘導極64,66の基端部同士により軸線方向の両側から挟み込まれるようにして、W相環状巻線55が固定されている。
この場合、各ステータリング51,52,53は、互いに電気角で180°以下の所定の位相差(例えば、図17および図18に示すステータ50では、電気角で120°の位相差)を有することになる。
そして、互いに電気角で120°の位相差(コイル位相差)を有する2相の各環状巻線54,55は、上述した図4(a)に示す第1実施形態の各環状巻線14,15と同様にして、V字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電されることにより、例えば漏れ磁束が無視できる場合には、図4(c)に示すように、U相,V相,W相の3相巻線がY字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電される3相のステータと同等の回転磁界を発生するように構成されている。
なお、上述した参考技術においては、各爪状誘導極62,64,66の周方向幅Cu,Cv,Cwを互いに同等の電気角で120°に相当する幅に設定するとしたが、これに限定されず、例えば図19に示すように、各周方向幅Cu,Cv,Cwを少なくとも電気角で180°以下の所定の周方向幅(例えば、Cu=Cw=90°[電気角]、Cv=180°[電気角])、かつ、各周方向幅Cu,Cv,Cwの和が電気角で360°となるように設定してもよい。
なお、上述した第1および第2実施形態においては、各ステータ10,50を各ステータリング11,12,13または51,52,53を備えて構成するとしたが、これに限定されず、各ステータリング11,12,13,51,52,53を複数のステータ片に分割可能に形成してもよい。
また、各ステータ10,50を各相毎に複数のステータ片を備えて構成し、所定の相対配置状態の2相の環状巻線14,15または54,55に対して、複数のステータ片を所定位置に装着し、固定することによって、各相毎に環状のステータ部材を形成してもよい。
本発明の第1実施形態に係るステータの要部斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るステータの要部分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るステータの要部分解図である。 図4(a)は図1に示すステータの各環状巻線の結線状態を示す図であり、図4(b)は本発明の第1実施形態に係るステータの各環状巻線の結線状態を示す図であり、図4(c)は3相(U相、V相、W相)のステータの各巻線の結線状態を示す図である。 各環状巻線同士が位置的に干渉して交差した状態の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例に係るステータの要部分解図である。 冷却媒体を流通させる冷却管を備えるステータの斜視図である。 冷却媒体を流通させる冷却管を備えるステータの分解斜視図である。 図9(a)は本発明の第1実施形態の第2変形例に係るステータの各環状巻線の巻装状態を示す図であり、図9(b)は所定の厚さの各環状巻線の巻装状態の一例を示す図である。 図10(a)は本発明の第1実施形態の第3変形例に係るステータの各環状巻線の巻装状態を示す図であり、図10(b)は径方向Rに対する断面形状が略長方形状となる各ティースに対する各環状巻線の巻装状態の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例に係るステータの要部斜視図である。 本発明の第1実施形態の第4変形例に係るクローポール型モータの分解斜視図である。 図13(a)は本発明の第1実施形態の第4変形例に係るステータの各環状巻線の巻装状態を示す図であり、図13(b)は径方向Rに対する断面形状が略長方形状となる各ティースに対する各環状巻線の巻装状態の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態の第4変形例に係るクローポール型モータの各ティースおよび永久磁石の配置状態を示す図である。 本発明の第1実施形態の第5変形例に係るクローポール型モータの分解斜視図である。 本発明の第1実施形態の第5変形例に係るクローポール型モータの各ティースおよび永久磁石の配置状態を示す図である。 本発明の参考技術に係るステータの構成を示す分解斜視図である。 本発明の参考技術に係るステータの要部斜視図である。 本発明の参考技術の変形例に係るステータの要部斜視図である。
符号の説明
10 ステータ
11 U相ステータリング(ステータ部材)
12 V相ステータリング(ステータ部材)
13 W相ステータリング(ステータ部材)
14 U相環状巻線(環状巻線)
15 W相環状巻線(環状巻線)
31 U相蛇行部(蛇行部)
32 W相蛇行部(蛇行部)
34,35 冷却管
36 面取り部
37 拡張部
38 溝部
40 クローポール型モータ
41 ロータ
42 永久磁石
51 U相ステータリング(ステータ部材)
52 V相ステータリング(ステータ部材)
53 W相ステータリング(ステータ部材)
54 U相環状巻線(環状巻線)
55 W相環状巻線(環状巻線)

Claims (11)

  1. 2相の環状巻線を備える3相のステータであって、
    前記環状巻線は蛇行部を備え、
    前記2相の環状巻線は、互いの対向方向に突出する互いの前記蛇行部が周方向に沿って交互に配列され、互いに交差しないように配置されてなり、
    前記2相の環状巻線は、コイルピッチが電気角で120°であり、互いに電気角で120°の位相差を有することを特徴とするステータ。
  2. 3相のステータ部材を備え、該ステータ部材と前記環状巻線とは、軸線方向に積み重ねるようにして交互に配置可能であることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  3. 前記ステータ部材は、複数のステータ片に分割可能であることを特徴とする請求項2に記載のステータ。
  4. 前記環状巻線とステータ本体との間に冷却媒体を流通させる冷却管を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
  5. 前記冷却管は前記環状巻線の形状に沿った環状形状を有することを特徴とする請求項4に記載のステータ。
  6. 少なくとも2つの前記冷却管を備え、
    前記ステータ本体は3相のステータ部材を備え、
    前記2相の環状巻線は1相の前記ステータ部材を両側から挟み込むようにして配置され、
    各前記2つの前記冷却管は、各前記2相の環状巻線と、前記1相のステータ部材との間に配置されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のステータ。
  7. 前記蛇行部は鈍角に屈曲する屈曲部を備え、前記環状巻線は複数の前記蛇行部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
  8. 前記2相の環状巻線は、互いに周方向で隣接する部分の厚さが他の部分の厚さよりも薄くなるように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
  9. 前記蛇行部に装着されるティースのコーナー部に対し、前記環状巻線の軸線に平行な軸線方向で隣り合う一方の前記コーナー部は面取り形状とされ、他方の前記コーナー部は周方向に突出する拡張部を備え、
    該拡張部は、前記一方の前記コーナー部から離間することに伴い、周方向の突出量が増大傾向に変化するように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
  10. 前記他方の前記コーナー部と、前記拡張部との間に溝部を備えることを特徴とする請求項9に記載のステータ。
  11. 請求項7に記載のステータと、永久磁石を具備するロータとを備えるモータであって、
    前記永久磁石は、前記環状巻線の軸線に平行な軸線方向に対して傾斜していることを特徴とするモータ。
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