JP4628821B2 - ステータの製造方法およびステータ - Google Patents
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Description
また、U相、V相、W相からなる3相の各相毎の巻線が周方向で隣り合うティース間を縫うようにして周回させられることで波状に巻装されたステータを備え、このステータによりロータを3相駆動する3相モータが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかも、波巻きにより巻線が巻装されるステータにおいては、隣り合うティース間での巻線占積率を向上させることが困難であり、さらに、コイルエンドの高さを低減してモータの軸線方向の寸法を低減し、車両等への搭載性を向上させることが困難であるという問題が生じる。
このため、ステータの構成を簡略化することで部品点数を削減し、ステータの製造工程を簡略化すると共に、ステータでの巻線占積率を向上させつつコイルエンドの高さを低減してモータの軸線方向の寸法を低減し、車両等へのモータの搭載性を向上させることが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、構成を簡略化することで部品点数を削減し、製造工程を簡略化すると共に、巻線占積率を向上させつつコイルエンドの高さを低減して軸線方向の寸法を低減し、車両等への搭載性を向上させることが可能なステータの製造方法およびステータを提供することを目的とする。
これにより、例えば予め所定形状に成形した複数の環状巻線を互いに所定の相対位置に配置した後に、複数のティースを配置することから、周方向で隣り合うティース間に配置される環状巻線に対して所望の巻線占積率を容易に確保することができると共に、コイルエンドの高さ寸法が過剰に増大してしまうことを防止することができる。
これにより、例えば予め所定形状に成形して互いに所定の相対位置に配置した複数の環状巻線に対し、所定の一部のティースと他のティースとを、互いに干渉しない方向に沿って同時に装着することが可能となり、ステータの製造工程を簡略化し、製造効率を向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のステータによれば、互いに所定の相対位置に配置した複数の環状巻線に対し、所定の一部のティースと他のティースとを、互いに干渉しない方向に沿って同時に装着することが可能となり、ステータの製造工程を簡略化し、製造効率を向上させることができる。
さらに、請求項4に記載の本発明のステータによれば、環状巻線をティースの形状に沿った適切な形状に容易に成形することができ、ステータの製造工程を簡略化し、製造効率を向上させることができる。
さらに、請求項6に記載の本発明のステータによれば、所望形状の蛇行部を環状巻線に容易かつ精度良く形成することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明のステータによれば、例えばクランク状に蛇行する環状巻線に比べて、台形状に蛇行する環状巻線では、環状巻線のインダクタンスに係る巻線係数をほぼ変化させずに巻線長を短縮し、銅損を低減することができる。
さらに、請求項9または請求項10に記載の本発明のステータによれば、例えば互いの蛇行部同士が交差等により位置的に干渉してしまうことを防止し、コイルエンドの高さやモータの軸線方向の寸法が増大してしまうことを防止することができる。
本実施の形態に係るステータ10は、例えば内燃機関と共に車両の駆動源としてハイブリッド車両に搭載されるクローポール型モータを構成し、例えば内燃機関とクローポール型モータとトランスミッションとを直列に直結した構造のパラレルハイブリッド車両では、少なくとも内燃機関またはクローポール型モータの何れか一方の駆動力は、トランスミッションを介して車両の駆動輪に伝達されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動輪側からクローポール型モータに駆動力が伝達されると、クローポール型モータは発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、内燃機関の出力がクローポール型モータに伝達された場合にもクローポール型モータは発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
各蛇行部31,32の周方向Cの幅つまりコイルピッチは、例えば電気角で180°に設定され、U相環状巻線14とW相環状巻線15とは、電気角で60°あるいは電気角で240°の位相差を有するようにして周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置されている。例えば、各蛇行部31,32が同等の方向(つまり軸線方向Pの一方または他方)に向かい突出する状態では、電気角で60°の位相差を有するように配置され、例えば図1に示すように、各蛇行部31,32が互いに異なる方向(つまり軸線方向Pの一方および他方)に向かい突出する状態では、電気角で240°の位相差を有するように配置されている。
また、各環状巻線14,15が周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置されることで、各蛇行部31,32により軸線方向Pの一方または他方が開口するようにして形成されるU相開口部34U,W相開口部34Wには各1つのU相ティース24またはW相ティース26が配置されている。
これにより、周方向Cで隣り合う各ステータ片11,12または12,13同士の各ティース24,25または25,26間を縫うようにして配置される2相の各環状巻線14,15は所謂電気角で180°の全節波巻きをなすように形成されている。
つまり、3相(U相、V相、W相)のモータの電圧方程式は、例えば相抵抗を無視すると、各相電圧指令値Vu,Vv,Vwと、各相電流Iu,Iv,Iwと、各相の自己インダクタンスLと、相互インダクタンスMと、ロータの回転角速度ωと、誘起電圧定数Keとにより、下記数式(1)に示すように記述される。
なお、下記数式(1)において、L=−2Mであり、漏れ磁束を無視した。
また、本実施の形態のおよびステータ10の製造方法によれば、予めクランク状に蛇行するように成形した2相の各環状巻線14,15を、互いに電気角で240°の位相差を有するようにして周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置した後に、各ティース24,25,26を配置することから、周方向Cで隣り合う各ティース24,25または25,26間に配置される各環状巻線14,15に対して所望の巻線占積率を容易に確保することができると共に、コイルエンドの高さ寸法が過剰に増大してしまうことを容易に防止することができる。
この第1変形例では、上述した実施形態の各蛇行部31,32が、例えば図4(a)に示すように、直角に屈曲する4つの屈曲部E,…,Eを備えて構成されることに対して、例えば図4(b)に示すように、各蛇行部31,32は、例えば所定鈍角に屈曲する4つの屈曲部35,…,35を備え、互いに対称な2つの斜辺を有する台形状に形成されている。
また、各蛇行部31,32により構成され、軸線方向Pの一方が開口するようにして形成されたU相開口部34Uには、このU相開口部34Uの形状に応じて径方向Rに対する断面形状が略三角形とされたU相ティース24が軸線方向Pの一方から他方に向かう方向に沿って装着され、各蛇行部31,32により構成され、軸線方向Pの他方が開口するようにして形成されたW相開口部34Wには、このW相開口部34Wの形状に応じて径方向Rに対する断面形状が略三角形とされたW相ティース26が軸線方向Pの他方から一方に向かう方向に沿って装着されている。
この第2変形例では、例えば図6(a)〜(c)に示すように、U相環状巻線14のU相蛇行部31のうち各ティース24,25または25,26間に配置される各部位に曲部41が設けられ、U相環状巻線14のうち、各ティース24,25または25,26間に配置される各部位と、これらの各部位以外の部位である渡り部との間で、互いの径方向位置がずれるようになっている。
なお、この第2変形例では、U相環状巻線14の各曲部41が配置されるスロットを形成する各ティース24,25および25,26が接続される各ヨーク21,22および22,23のうち、各環状巻線14,15に対して径方向Rに沿って装着されるV相ヨーク22には、各曲部41の形状に応じて径方向Rに突出する突出部22aが備えられている。
そして、U相環状巻線14およびW相環状巻線15を、各蛇行部31,32が互いに異なる方向(つまり軸線方向Pの一方および他方)に向かい突出するように配置された状態で、少なくとも互いに電気角で240°の位相差を有するようにして周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置し、U相環状巻線14とW相環状巻線15とにより周囲を取り囲まれる交差部33と、各蛇行部31,32により構成され、軸線方向Pの一方または他方が開口するU相開口部34U,W相開口部34Wとを形成する。
さらに、各ティース24,25または25,26間に配置される各環状巻線14,15の各部位の径方向位置を略同等の位置に設定して、各環状巻線14,15の各渡り部の径方向位置が互いにずれた位置となるように設定する。
そして、U相環状巻線14およびW相環状巻線15を、各蛇行部31,32が互いに異なる方向(つまり軸線方向Pの一方および他方)に向かい突出するように配置された状態で、少なくとも互いに電気角で240°の位相差を有するようにして周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置し、U相環状巻線14とW相環状巻線15とにより周囲を取り囲まれる交差部33と、各蛇行部31,32により構成され、軸線方向Pの一方または他方が開口するU相開口部34U,W相開口部34Wとを形成する。
そして、U相環状巻線14およびW相環状巻線15が互いに電気角で240°の位相差を有するように、U相環状巻線14およびW相環状巻線15の周方向Cでの相対位置を調整する。
さらに、各ティース24,25または25,26間に配置される各環状巻線14,15の各部位の径方向位置を略同等の位置に設定して、各環状巻線14,15の各渡り部の径方向位置が互いにずれた位置となるように設定する。
一部のティースをティース装着部に挿入する際に環状巻線を所定形状に成形することにより、U相環状巻線14をV相ティース25の形状に沿った適切な形状に容易に成形することができ、ステータ10の製造工程を簡略化し、製造効率を向上させることができる。
また、各蛇行部31,32により構成され、軸線方向Pの一方が開口するようにして形成されたU相開口部34Uには、このU相開口部34Uの形状に応じて径方向Rに対する断面形状が略三角形とされたU相ティース24が軸線方向Pの一方から他方に向かう方向に沿って装着され、各蛇行部31,32により構成され、軸線方向Pの他方が開口するようにして形成されたW相開口部34Wには、このW相開口部34Wの形状に応じて径方向Rに対する断面形状が略三角形とされたW相ティース26が軸線方向Pの他方から一方に向かう方向に沿って装着されている。
11 U相ステータ片(ステータ)
12 V相ステータ片(ステータ)
13 W相ステータ片(ステータ)
14 U相環状巻線(環状巻線)
15 W相環状巻線(環状巻線)
22a 突出部(巻線当接部)
24 U相ティース(ティース)
25 V相ティース(ティース)
26 W相ティース(ティース)
31 U相蛇行部(蛇行部)
32 W相蛇行部(蛇行部)
33 交差部(ティース装着部)
35 屈曲部
41 曲部
42 ガイド部材(巻線ガイド部材)
Claims (10)
- 蛇行部を有する複数の環状巻線を、互いの前記蛇行部の位置が周方向で相対的にずれるようにして配置する巻線配置工程と、
ステータの複数のティースの一部のティースを、複数の前記環状巻線により形成されるティース装着部に所定の挿入方向に沿って挿入するティース挿入工程と、
前記一部のティース以外の他のティースを、適宜の装着方向に沿って前記蛇行部に装着するティース装着工程と
を含むことを特徴とするステータの製造方法。 - 前記挿入方向は前記環状巻線の径方向に略平行な方向に設定され、前記装着方向は前記環状巻線の軸線に略平行な方向に設定され、前記挿入方向と前記装着方向とは略直交することを特徴とする請求項1に記載のステータの製造方法。
- 前記ティース挿入工程は、前記ステータを構成する複数のステータ片毎に具備される前記ティースを、前記ティース装着部に挿入し、前記ティース装着工程は、前記ステータを構成する複数のステータ片毎に具備される前記ティースを、前記蛇行部に装着することを特徴とする請求項1に記載のステータの製造方法。
- 前記ティース挿入工程は、前記一方のティースに具備される巻線当接部と巻線ガイド部材とにより前記環状巻線を両側から挟み込むことで前記環状巻線を所定形状に成形することを特徴とする請求項1に記載のステータの製造方法。
- 2相の環状巻線と3相のステータ片とを備えるステータであって、
前記環状巻線は蛇行部を備え、前記ステータ片はティースを備え、
前記2相の環状巻線が互いの前記蛇行部の位置を周方向に相対的にずらすようにして配置されることで、前記2相の環状巻線により周囲を取り囲まれるようにして形成されるティース装着部と、
前記蛇行部により前記環状巻線の軸線に平行な方向の一方または他方が開口するようにして形成される開口部とを備え、
前記3相の前記ティースのうち、前記2相の前記ティースは前記開口部に装着され、他の1相の前記ティースは前記ティース装着部に挿入されてなることを特徴とするステータ。 - 前記蛇行部は略直角に屈曲する屈曲部を備え、クランク状に蛇行しており、前記環状巻線は複数の前記蛇行部を備えることを特徴とする請求項5に記載のステータ。
- 前記蛇行部は鈍角に屈曲する屈曲部を備え、台形状に蛇行しており、前記環状巻線は複数の前記蛇行部を備えることを特徴とする請求項5に記載のステータ。
- 前記2相の環状巻線の互いの前記蛇行部同士は相似形状であることを特徴とする請求項5に記載のステータ。
- 前記2相の環状巻線の互いの前記蛇行部同士は異なる形状であることを特徴とする請求項5に記載のステータ。
- 前記2相の環状巻線のうちの何れか1相の前記環状巻線の前記蛇行部は前記環状巻線の径方向に突出するようにして曲がる曲部を備えることを特徴とする請求項5に記載のステータ。
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