JP4459607B2 - カラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプの形成方法と該方法に用いられる露光用マスク - Google Patents
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ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物は、樹脂中にカーボン等の遮光性顔料を分散させてなるもので、遮光性が高いにもかかわらず、高い感光性を持たせるために、大量の反応開始剤が含まれているため、わずかな光にも反応して硬化が進み、転写露光の際の回折光の影響を受け、マスクのパターンをブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物に忠実に転写できず、ストライプ形状のパターンの開口幅より広い幅のブラックストライプが形成されていた。
そして、ブラックストライプとしては薄膜で高い光学濃度(OD:Optical Density)が必要であり、ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物は、顔料濃度が高い組成とならざるを得ないため、形成されるブラックストライプの基板密着性とエッジの直線性を落とすこととなる。
プロセス条件としては、線幅シフト量を小さくするために露光量を低く抑え、露光ギャップを小さくし、現像時間を長くしていた。
また、これまで、プロセス条件と感光性材料の特性とのバランスにより、細線化を達成してきたが、露光量を下げることによって硬化性不足が生じたり、狭ギャップにすることにより、マスクに異物が付着し、共通欠陥を発生させたりしていた。
更にまた、硬化性不足と長い現像時間により、密着性不足や狭マージンとなっていた。
図5、図6中、600は露光装置、610はステージ、611はX駆動部、612はY駆動部、613はZ駆動部、614はθ駆動部、615は基板保持部、615Aは3点アオリ調整部、615Bは基板リフトアップ部、616はマスク保持部、616Aはマスクの落下防止、620はガラス基板供給ロボット、620Aはハンド部、621はガラス基板排用ロボット、621Aはハンド部、630はガラス基板(ワーク)、640はマスク(原版)、650は光源部、650Aは光源、670はギヤップセンサー、680はスコープ、690はエッジセンサー、m1、m2、m3は反射鏡、sはシヤッター、lはフライアイレンズである。
尚、全体を分かり易くするため、図5(a)、図5(b)においては光学系を簡略ないし省略して示している。
また、図5に示す露光装置は、Y方向に平行にその開口境界を設け、それぞれ、独立してX方向移動できる1対のX方向移動マスキングアパーチャ(遮光板とも言う、図8の751、752に相当)を備えたシャッターである。
尚、被露光基板とマスクとを近接させ、間隔を所定のギヤップに保ちながら露光を行い、マスクのパターンの開口が、該開口の形状、方向に忠実に転写される露光方法を、一般的には近接露光(プロキシミティー露光)と言う。
また、光源部としては、通常、高圧水銀灯が用いられ、マスク(原版)640へは、露光光は垂直入射される。
また、特願2003−036068号公報には、近接露光(プロキシミティー露光)法を用いたフォトリソグラフィー法により、カラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプをカラーフィルタ形成用基板に形成する方法であって、ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物をカラーフィルタ形成用基板に配設した後、小開口部が遮光部を介して連なるパターンを有するフォトマスクにて近接露光して、現像して、ブラックストライプを形成する方法が記載されている。
本発明は、これに対応するもので、上記従来の、近接露光(プロキシミティー露光)法を用いたフォトリソグラフィー法により、カラーフィルタ用樹脂製のブラックストライプをカラーフィルタ形成用基板に形成する方法における、露光装置や樹脂製のブラックストライプ形成用の感光性材料、プロセスを使用して、近年のディスプレイの高精細化に伴うカラーフィルタにおけるストライプの幅の微小化(6μmレベル)、高品質化に対応できるカラーフィルタ用樹脂製のブラックストライプの形成方法を提供しようとするものである。
そして、上記のカラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプの形成方法であって、形成するブラックストライプの線幅が10μm以下であることを特徴とするものである。 尚、ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物に対し、露光用マスクの開口パターンの形状、方向が忠実に転写されるように、カラーフィルタ形成用基板とマスク(原版)とを近接させ、間隔を所定のギヤップに保ちながら露光を行う、一般に近接露光と言われている露光方式を、ここでは特に正規の近接露光といい、本発明のように、正規の近接露光におけるギャップを更に広げて、100μm〜300μm程度のギャップとし、回折効果により、露光用マスクの開口パターンの形状、方向が忠実に転写されない転写条件での露光方式をも、ここでは近接露光法と言っている。
尚、上記本発明のような近接露光法を擬似近接露光法と言う場合もある。
また、ここでの「露光ギャップを広げて調整した、転写条件にて、」とは、露光ギャップを広げ、露光ギャップや露光量などを調整した転写条件にて、の意味である。
本発明に関わる液晶表示素子は、上記カラーフィルタ基板の樹脂製のブラックストライプ及び着色層を覆う透明共通電極を有するカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板に対向する、多数の画素電極を備える対向基板と、前記カラーフィルタ基板と対向基板の間に封入された液晶を備えることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプの形成方法は、このような構成にすることにより、従来の、近接露光(プロキシミティー露光)法を用いたフォトリソグラフィー法により、カラーフィルタ用樹脂製のブラックストライプをカラーフィルタ形成用基板に形成する方法における、露光装置や樹脂製のブラックストライプ形成用の感光性材料、プロセスを使用して、近年のディスプレイの高精細化に伴うカラーフィルタにおけるストライプの幅の微小化(6μmレベルの線幅)、高品質化に対応できるカラーフィルタ用樹脂製のブラックストライプの形成方法を提供しようとするものである。
具体的には、ブラックストライプ形成用のネガ型の感光性の樹脂組成物をカラーフィルタ形成用基板に配設した後、露光用マスクの開口パターンが、その形状、方向で忠実に転写される正規の近接露光位置から露光ギャップを更に広げ、回折効果により、正方形開口パターンが、露光、現像後に、45度回転した状態の形状に転写されるように、露光ギャップを広げて調整した、転写条件にて、前記ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物に対し、所定のブラックストライプ形成用の開口パターンを有する露光用マスクを用いてブラックストライプ形成用の露光を行い、更に、現像して、所望のブラックストライプの形状を得るものであり、前記所定の露光用マスクのブラックストライプ形成用の開口パターンは、ブラックストライプのストライプ方向に45度傾いた正方形開口パターンを所定のピッチで、前記ブラックストライプのストライプ方向に、配列させた開口形状の配列パターン、あるいは、前記配列パターンの開口の一部を遮光部とした開口パターンであることにより、これを達成している。
詳しくは、正規の近接露光位置から露光ギャップを更に広げ、回折効果により、正方形開口パターンが、露光、現像後に、45度回転した状態の形状に転写されるように、ギャップを広げて調整した、転写条件にて、前記の配列パターンにて露光を行うことにより、露光量を、マスクのパターンの開口が、該開口の形状、方向に忠実に転写される正規の近接露光位置による露光の場合の露光量よりも大きくして、所定の線幅を得ることを可能としている。
したがって、正規の近接露光位置による露光の場合のようにシフト量を小さくする必要はなく、プリベーク温度を高くでき、露光量を増やすことができ、ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物から形成されたブラックストライプ部をの密着性、硬化性を確保を容易にできるものとしている。
また、露光ギャップを正規の近接露光位置による露光の場合よりも広げて行うため、マスクに付着する異物による共通欠陥不良の発生を減らすことができる。
特に、形成するブラックストライプの線幅が10μm以下である場合には、有効である。
特に、密着性、硬化性が良い、6μmレベルの線幅の樹脂製のブラックストライプの提供を可能とした。
図1は本発明のカラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプの形成方法の実施の形態の1例を説明するための図で、図1(a)は使用される、露光用マスクのパターンを示した図で、図1(b)は図1(a)に示す露光用マスクのパターンにより露光されて現像された後のブラックストライプの状態を示した図で、図1(c)は各位置の1つの正方形開口11a単独で露光して現像した場合形成される樹脂部位置をそれぞれまとめて示した図で、図2(a)は使用される露光用マスクのパターンの他の例を示した図で、図2(b)は図2(a)に示すパターンの開口を、正方形開口211aの配列で示した概略図で、図3(a)は2(a)に示すパターンの開口211と同じ形状の開口311を示した図で、図3(b)、図3(c)は、それぞれ、図3(a)の開口の一部を遮光し全体の開口面積を小としたパターンを示した図で、図4は露光用マスクのパターンの開口形状と樹脂部の形状、方向の関係を示した図である。
図1〜図3において、110は露光用マスクのパターン、111は開口部、111aは単位の開口部、112は遮光部、120はブラックストライプ(樹脂部とも言う)、121は基材(カラーフィルタ用基板とも言う)、125は(各単位の開口部が単独の場合に形成される)樹脂部位置、210は露光用マスクのパターン、211は開口部、212は遮光部、211aは単位の開口部、311、311a、311bは開口部、312は遮光部、411は開口部、412は遮光部、413は樹脂部、414は基材、421は開口部、422は遮光部、423は樹脂部、424は基材である。
本例は、近接露光(プロキシミティー露光)法を用いたフォトリソグラフィー法により、カラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプをカラーフィルタ形成用基板に形成する方法で、線幅が10μm以下の線幅の細いブラックストライプをカラーフィルタ形成用基板に形成する方法である。
そして、ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物をカラーフィルタ形成用基板に配設した後に、露光用マスクの開口パターンが、その形状、方向で忠実に転写される正規の近接露光位置から露光ギャップを更に広げ、回折効果により、正方形開口パターンが、露光、現像後に、45度回転した状態の形状に転写されるように、ギャップを広げて調整した、転写条件にて、前記ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物に対し、所定のブラックストライプ形成用の開口パターンを有する露光用マスクを用いてブラックストライプ形成用の露光を行い、更に、現像して、所望のブラックストライプの形状を得るものであり、露光用マスクのブラックストライプ形成用の開口パターンは、ブラックストライプのストライプ方向に45度傾いた正方形開口パターンを所定のピッチで、前記ブラックストライプのストライプ方向に、配列させた開口形状の配列パターン、あるいは、前記配列パターンの開口の一部を遮光部とした開口パターンである。
露光に際しては、マスクのパターンの開口が、該開口の形状、方向に忠実に転写される正規の近接露光位置から露光ギャップを更に広げ、回折効果により、正方形開口パターンが、露光、現像後に、45度回転した状態の形状に転写されるように、露光ギャップを広げて調整した、転写条件を予め設定しておく。
これは、例えば、図4(a)、図4(b)に示すような、正方形の開口を有するパターンを用いて、種々の露光ギャップにて露光、現像を行い、形成される樹脂部の絵柄形状をみて判断することができる。
図4(a)は、露光用マスクのパターンの開口を示し、図4(a1)は回折の影響により、樹脂部が露光現像後に、絵柄が45度回転されていることを示した図で、また、図4(b)は開口を示し、図4(b1)は回折の影響により樹脂部が露光現像後に、絵柄が45度回転されることを示した図である。
このような開口の幅W11を10μmとした場合、露光ギャップが100μm〜300μmの間で、このような性質の転写条件を容易に得ることができる。
また、広い範囲の露光量に対してもW11>W12となる。
尚、上記転写条件をシミュレーションにて、近似的に求めることもできる。
上記単位の正方形の開口は、いずれもストライプ方向に45度傾いているもので、このようにすることにより、形成されるブラックストライプの直線性を良いものとできる。
図1(c)は各位置の1つの正方形開口111a単独で露光して現像した場合を想定し、形成される樹脂部位置125をそれぞれまとめて示した図で、各樹脂部位置125は離れているが、正方形開口111aが配列した状態で露光された場合、図1(c)の各樹脂部の位置の間は、それぞれ、対応する隣接する方形開口111aからの回折光が主に重畳されて露光されるため、現像すると、図1(b)に示すようにストライプ状にブラックストライプが形成されるのである。
そして、正方形開口111a間のピッチを変え、図2(a)に示すように、更に隣接する単位の正方形開口を重ねた開口形状の開口パターンとすることにより、また、図3(a)、図3(b)、図3(c)に示すように、これら開口パターンの開口の一部を遮光部とすることにより、線幅や形状を調整することが可能である。
また、先にも述べた通り、図4において、広い範囲の露光量に対してもW11>W12となることから、上記のような開口パターンを用いた場合にも、単位の正方形開口の幅は形成されるブラックストライプの線幅より大で、図1で言えば、W1>W2で、露光量を大とすることができる。
本例の場合、正規の近接露光位置による露光の場合のようにシフト量を小さくする必要はなく、プリベーク温度を高くでき、露光量を増やすことができ、ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物から形成されたブラックストライプ部の密着性、硬化性を確保が容易にできる。
また、露光ギャップを正規の近接露光位置による露光の場合よりも広げて行うため、マスクに付着する異物による共通欠陥不良の発生を減らすことができる。
また、必要に応じて、その上にブラックレジストとの密着性を向上させるためにアンカーコートを施してもよい。
ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物は、黒色の顔料または染料及び感光性材料を含むものである。
感光性材料としては、UVレジスト、DEEP−UVレジスト、紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。
また、DEEP−UVレジストとしては、ポリビニルフェノール−3,3' −アジドフェニルスルホン及びポリメタクリル酸グリシジル等のネガ型レジストを挙げることができる。
本発明においては、これらの光重合開始剤を1種又は2種以上使用することができる。
低融点溶剤としては、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、また、高沸点溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセルソルブ、3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
また、低融点溶剤と高沸点溶剤の混合溶媒として、高沸点溶剤が50%以上を占める割合で含まれる混合溶媒を用いることができる。
尚、塗布したブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物を、例えば、ホットプレート等を用いて仮硬化後に、該樹脂組成物上に、露光ギャップを介して、露光用マスクを配置し、露光を行う。
111 開口部
111a 単位の開口部
112 遮光部
120 ブラックストライプ(樹脂部とも言う)
121 基材
125 (各単位の開口部が単独の場合に形成される)樹脂部位置
210 露光用マスクのパターン
211 開口部
212 遮光部
211a 単位の開口部
311、311a、311b 開口部
312 遮光部
411 開口部
412 遮光部
413 樹脂部
414 基材
421 開口部
422 遮光部
423 樹脂部
424 基材
70 カラーフィルタ基板
71 透明基板
72 ブラックストライプ
73a 赤着色層(Rフィルターとも言う)
73b 緑着色層(Gフィルターとも言う)
73c 青着色層(Bフィルターとも言う)
74 オーバーコート層
75 透明電極(共通透明電極とも言う)
80 TFT基板
81 透明基板
82 画素電極
83a、83b 配向膜
84 液晶
85a,85b 偏光板
86 バックライト
Claims (3)
- 近接露光法を用いたフォトリソグラフィー法により、カラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプをカラーフィルタ形成用基板に形成する方法であって、ブラックストライプ形成用のネガ型の感光性の樹脂組成物をカラーフィルタ形成用基板に配設した後、露光用マスクの開口パターンが、その形状、方向で忠実に転写される正規の近接露光位置から露光ギャップを更に広げ、回折効果により、正方形開口パターンが、露光、現像後に、45度回転した状態の形状に転写されるように、露光ギャップを広げて調整した、転写条件にて、前記ブラックストライプ形成用の感光性の樹脂組成物に対し、所定のブラックストライプ形成用の開口パターンを有する露光用マスクを用いてブラックストライプ形成用の露光を行い、更に、現像して、所望のブラックストライプの形状を得るものであり、前記所定の露光用マスクのブラックストライプ形成用の開口パターンは、ブラックストライプのストライプ方向に45度傾いた正方形開口パターンを所定のピッチで、前記ブラックストライプのストライプ方向に、配列させた開口形状の配列パターン、あるいは、前記配列パターンの開口の一部を遮光部とした開口パターンであることを特徴とするカラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプの形成方法。
- 請求項1に記載のカラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプの形成方法であって、形成するブラックストライプの線幅が10μm以下であることを特徴とするカラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプの形成方法。
- 近接露光法を用いたフォトリソグラフィー法により、カラーフィルタ用の樹脂製のブラックストライプをカラーフィルタ形成用基板に形成する方法において用いられる、ブラックストライプ絵柄形成用の露光用マスクであって、ブラックストライプのストライプ方向に45度度傾いた正方形開口パターンを所定のピッチで、前記ブラックストライプのストライプ方向に、配列させた開口形状の配列パターン、あるいは、前記配列パターンの開口の一部を遮光部とした開口パターンであることを特徴とする露光用マスク。
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