JP6027919B2 - 被加工体の製造方法及び近接露光用フォトマスク - Google Patents

被加工体の製造方法及び近接露光用フォトマスク Download PDF

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本発明は、フラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられる被加工体の製造方法、及びその製造に用いるフォトマスクに関する。
現在、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ装置(PDP)、有機ELディスプレイ装置(OLED)に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)が広く普及しているが、本発明は、そのような様々なタイプのフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に適用される。
フラットパネルディスプレイ(FPD)の代表例の1つとして液晶表示装置(LCD)があるが、この液晶表示装置(LCD)の主要部材の1つに、LCD用カラーフィルタを挙げることができる。このLCD用カラーフィルタは、透明な基板上に格子状のブラックマトリクスを形成し、その格子間の隙間を埋めるように、R(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタ画素を形成することで製造される。さらに、多くの場合、カラーフィルタの開口を邪魔しない位置(例えば、ブラックマトリクスと重なる位置)に、カラーフィルタと、対向するTFT基板とのギャップを決定するためのスペーサを形成する。
ブラックマトリクスを形成する際には、ブラックマトリクス形成用の感光剤を基板の表面に塗布し、ブラックマトリクス用のフォトマスクを介しての露光及び現像の工程を行う。次いで、ブラックマトリクスを形成した基板上に、第1色目として例えばR(赤)色の感光性着色剤を塗布し、第1色目用のフォトマスクを介した露光及び現像の工程を行うことで、R(赤)のカラーフィルタ画素を形成する。次いで、第2色目(例えばG(緑)色)および第3色目(例えばB(青)色)についても、第1色目と同様の工程を行うことで、G(緑)、B(青)のカラーフィルタ画素を形成する。次いで、透明な感光性樹脂を塗布し、スペーサ用のフォトマスクを介した露光及び現像の工程を行うことで、スペーサを形成する。
上記のLCD用カラーフィルタ製造の露光工程では、大面積基板への露光が可能であることや、装置コストが比較的安価であること等の理由により、一般的に近接露光装置が使用されている。ここで、近接露光装置の一例を図1に示す。近接露光装置40は、基板等の被加工体WKを基板ステージ70上に保持するとともに、該被加工体WKをマスクステージ60のマスク保持枠の下面に保持されているフォトマスクMに接近させて、フォトマスクMと被加工体WKとの間の間隔(ギャップ)Gを調整する。ここで、フォトマスクMは、ブラックマトリクス用フォトマスク、第1色目用フォトマスク、第2色目用フォトマスク、第3色目用フォトマスク、スペーサ用フォトマスクである。近接露光装置40は、フォトマスクMと被加工体WKとの間の間隔(ギャップ)Gを調整した後、照射装置50によって、フォトマスクMの裏面(被転写パターンが無い面)側から露光光をフォトマスクMに向けて照射する。こうすることで、ブラックマトリクス用のフォトマスクMのパターンが被加工体WKに転写され、引き続いて、第1色目、第2色目及び第3色目のフォトマスク、及びスペーサ用フォトマスクのパターンが被加工体WKに転写される。
ところで、近年、LCDの高画質化に伴い、LCDカラーフィルタのパターンの高精細化が進んでいる。近接露光では、フォトマスクMと被加工体WKとの間が離れるほど、マスクが形成する像は干渉などの影響で変化してしまうため、より精緻にパターン転写を行うためには、フォトマスクMと被加工体WKとの間の間隔(ギャップ)Gを狭くする必要が生じ、近接露光によるパターン形成の際は、フォトマスクMと被加工体WKとが非常に近接した状態となる。かかる状態においては、近接露光装置40に種々の異常、例えば被加工体WKとワークステージ70の間に異物が挟まることで、フォトマスクMと被加工体WKとの間の間隔(ギャップ)Gが想定よりも狭くなる場合、又はワークステージ70が誤動作するといった不具合が生じた場合に、マスクステージ60に保持されたフォトマスクMに被加工体WKが衝突することがあった。このような被加工体WKがフォトマスクMへ接触又は衝突すると、転写パターンが損傷し、フォトマスクとしての機能が損なわれることが懸念される。
また、上記のような不具合が生じない場合であっても、フォトマスクMの自重による撓み、フォトマスクMの歪み、被加工体WKの歪み、マスクステージ60の歪み、ワークステージ70の歪み、ステージ可動時における動的な歪(バックラッシュ等)等により、フォトマスクMと被加工体WKとの間の間隔(ギャップ)Gは場所により不均一になっており、間隔(ギャップ)Gを狭めると、フォトマスクMと被加工体WKとが接触又は衝突する可能性も生じてくる。
そこで、特許文献1に開示されるように、フォトマスクの自重による撓み等でフォトマスクと基板との間の間隔が不均一になることを防止するため、遮光パターン上に形成した柱状突起により、パターン露光時にフォトマスクの撓みを防止し、フォトマスクと基板上の感光性樹脂層との間隔を柱状突起の高さに一致させることで、両者の間隔を均一に保つものが知られている。かかる柱状突起をフォトマスクと基板の間に介在させることで、フォトマスクの転写パターンへの基板の衝突を一応防止できると考えられる。
特開2009−109843号
しかし、特許文献1では、パターン露光時に柱状突起が感光性樹脂層に接触することで、フォトマスクと基板上の感光性樹脂層との間隔を均一に保つものであるため、柱状突起に付着した感光性樹脂層が、次のパターン露光時に汚れとなることが懸念される。従って、特許文献1のフォトマスクをパターン露光に繰返し使用する場合、パターン露光を行う毎に基板を洗浄する必要が生じ、生産効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記の問題を解消するためになされたものであり、近接露光による被加工体へのパターン形成を行う際に、フォトマスクと被加工体との間の間隔を狭めた場合であっても、生産性を損なうことなく、フォトマスクが被加工体に接触または衝突することを確実に防止し、フォトマスクの転写パターンを保護することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の被加工体の製造方法の1つの実施態様は、転写パターンを有するフォトマスクと、パターン形成面を有する被加工体とを、前記転写パターン及び前記パターン形成面が対向するように近接配置し、前記フォトマスクを用いて近接露光を行い、フォトリソグラフィー法により前記パターン形成面にパターンを形成するパターン形成工程を含む被加工体の製造方法であって、前記フォトマスクの前記転写パターンを含む領域に突起部が凸設され、該突起部の露光光の光軸方向の全長が、対向する該突起部の設置面及び前記パターン形成面の間隔よりも短く、前記パターン形成工程の際、前記突起部の先端と前記パターン形成面との間に間隙が介在することを特徴とする。
ここで、突起部が設けられる転写パターンを含む領域には、転写パターンの遮光部、半透光部、透光部が含まれ、さらに、転写パターン以外のフォトマスクの周辺部等が含まれる。被加工体の露光に影響しない遮光部や周辺部等に突起部を設ける場合には、有色の材料で突起部を形成できるが、半透光部、透光部に突起部を設ける場合には、透明または半透明の材料で突起部を形成し、フォトマスクの形成する転写像に実質的に影響しないようにすることが好ましい。
突起部を設ける領域によって、対向する突起部の設置面及びパターン形成面の間隔が異なる場合(例えば、遮光部と透光部)もあるので、設置場所に応じて突起部の長さが異なる場合もあり得る。
上記のように、フォトマスクの自重による撓み、フォトマスクの歪み、基板(被加工体)の歪み、マスクステージの歪み、ワークステージの歪み、ステージ可動時における動的な歪(バックラッシュ等)等により、フォトマスクと基板との間の間隔は場所により不均一になっており、パターンの高精細化に伴ってフォトマスクと基板との間隔を狭めた場合、フォトマスクと基板とが接触または衝突する可能性がある。また、近接露光装置にフォトマスクや被加工体をセットするときに不具合が生じる場合や、近接露光装置に異常が発生した場合には、フォトマスクと基板とが接触または衝突する可能性がある。
本実施態様によれば、転写パターンを含む領域に凸設された突起部を有するフォトマスクをパターン形成工程に用いることにより、フォトマスクと被加工体との間の間隔を狭めた場合でも、被加工体がフォトマスクの転写パターンに接触することや衝突することが防止され、転写パターンの損傷を確実に防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、通常のパターン形成工程の際、突起部の先端とパターン形成面との間に間隙が介在するので、突起部が、パターン形成面との接触により汚染されることがない。従って、パターン形成工程終了後、次の被加工体のパターン形成を行う場合に、突起部を洗浄する必要が生じないため、生産効率を低下させることがない。
本発明の被加工体の製造方法のその他の実施態様は、さらに、前記被加工体の前記パターン形成面に感光性樹脂層が設けられていることを特徴とする。
本実施態様によれば、パターン形成工程の際、突起部が感光性樹脂により汚染されることがないので、突起部を洗浄する必要がなく、生産効率を低下させることがない。
本発明の被加工体の製造方法のその他の実施態様は、さらに、前記感光性樹脂層は、黒色感光性樹脂層を含み、前記パターン形成工程後にブラックマトリクスを構成することを特徴とする。
本実施態様によれば、ブラックマトリクスを効率良く生産することができる。
本発明の被加工体の製造方法のその他の実施態様は、さらに、前記感光性樹脂層は、前記ブラックマトリクスの隙間を埋めるように設けられた着色顔料を含む有色感光性樹脂層を含み、前記パターン形成工程後にカラーフィルタを構成することを特徴とする。
本実施態様によれば、カラーフィルタを効率良く生産することができる。
本発明の被加工体の製造方法のその他の実施態様は、さらに、前記感光性樹脂層は、前記ブラックマトリクス上に設けられた透明な感光性樹脂層を含み、前記パターン形成工程後に、表示装置のセルギャップを決定するスペーサを構成することを特徴とする。
本実施態様に示された表示装置は、ブラックマトリックス及びカラーフィルタを有し、隔壁によりセルが区分される表示装置で有れば任意の表示装置が含まれる。本実施態様によれば、表示装置のセルギャップを決定するスペーサを、効率良く生産することができる。
本発明の被加工体の製造方法のその他の実施態様は、さらに、近接露光時における対向する前記転写パターン及び前記パターン形成面の間の距離のうち最も短い距離であるプロキシミティギャップが、50μm〜200μmの範囲である場合において、前記突起部の全長が10μm〜30μmの範囲であることを特徴とする。
本実施態様によれば、突起部の先端と被加工体のパターン形成面との間に確実に間隙を形成することができるため、通常のパターン形成工程の際、突起部の汚染を確実に防止することができる。
本発明のフォトマスクの1つの実施態様は、被加工体のパターン形成面に対向する転写パターンを有する近接露光用のフォトマスクであって、前記転写パターンを含む領域に突起部が凸設され、該突起部の露光光の光軸方向の全長が、近接露光時に対向する該突起部の設置面及び前記パターン形成面の間隔よりも短くなっていることを特徴とする。
本実施態様によれば、転写パターンを含む領域に凸設された突起部を有するフォトマスクをパターン形成工程に用いることにより、フォトマスクと被加工体との間の間隔を狭めた場合でも、フォトマスクの転写パターンに被加工体が接触することや衝突することが防止され、転写パターンの損傷を確実に防止することができる。
さらに、本実施態様によれば、通常のパターン形成工程の際、突起部の先端とパターン形成面との間に間隙が介在するので、突起部が、パターン形成面との接触により汚染されることがない。従って、パターン形成工程終了後、次の被加工体のパターン形成を行う場合に、突起部を洗浄する必要が生じないため、生産効率を低下させることがない。
本発明のフォトマスクのその他の実施態様は、さらに、近接露光時における対向する前記転写パターン及び前記パターン形成面の間の距離のうち最も短い距離であるプロキシミティギャップが、50μm〜200μmの範囲である場合において、前記突起部の全長が10μm〜30μmの範囲であることを特徴とする。
本実施態様によれば、突起部の先端と被加工体のパターン形成面との間に確実に間隙を形成することができるため、通常のパターン形成工程の際、突起部の汚染を確実に防止することができる。
本発明のフォトマスクのその他の実施態様は、さらに、前記転写パターンが遮光部及び透光部を有し、前記突起部が、前記遮光部上に複数設けられていることを特徴とする。
本実施態様によれば、突起部が遮光部上に複数設けられているので、露光に影響を与えることがなく、フォトマスクの転写パターンの損傷を確実に防止することができる。
本発明の被加工体の製造方法及び該製造方法に用いるフォトマスクにおいては、近接露光による被加工体へのパターン形成を行う際に、フォトマスクと被加工体との間隔を狭めた場合であっても、生産性を損なうことなく、フォトマスクが被加工体に接触または衝突することを確実に防止し、フォトマスクの転写パターンを保護することができる。
近接露光装置の一例の概略構成を示す模式図である。 本発明のフォトマスクを用いて、基板上にブラックマトリクスを形成する製造工程の1つの実施形態を示す模式図である。 図2に示す製造工程に引き続いて、本発明のフォトマスクを用いて、カラーフィルタを製造する製造工程の1つの実施形態を示す模式図である。 本発明のフォトマスクの1つの実施形態を示す模式図である。 本発明のフォトマスクの1つの実施形態を製造する製造工程を示す模式図である。 本発明のフォトマスクのその他の実施形態、及び該実施形態を製造する製造工程を示す模式図である。
以下に図面を用いて、本発明の被加工体の製造方法及び該製造方法に用いるフォトマスクについて、詳細な説明を行う。
図1は、近接露光装置の概略構成を示す模式図である。図1に示す露光装置40は、波長365nm(i線)〜波長436nm(g線)の紫外線を含む光を放射する超高圧水銀ランプ等の放電ランプと、集光鏡と、ミラーと、各種レンズ等から構成された光源ユニット50を備えている。そして、放電ランプが放射する紫外光を含む光は、上記の集光鏡、ミラー及び各種レンズ等の光学部材を介して、光源ユニット50から出射される。露光装置40は、さらに、フォトマスクMが載置・固定されるマスクステージ60、カラーフィルタ基板等の被加工体WKが固定されるワークステージ70、マスクとワークの間のギャップを調整するギャップ調整機構80、及びワークを位置調整するXYZθステージ90を備えている。ワークステージ70上の被加工体WKは、ワークチャック等で真空吸引されて保持されている。
図1においては、模式的に表わされているが、詳細には(図示せず)、マスクステージは、略長方形状の枠体からなるマスクフレームを有し、このマスクフレームの中央開口に、隙間を介してマスク保持枠が挿入されている。マスク保持枠の中央部開口の下面には、内方に張り出すフランジが開口の全周に沿って設けられており、このフランジの下面に、露光用の転写パターンが形成されたフォトマスクがワークチャック等で真空吸引されて保持されている。
以下の説明においては、被加工体として、LCD用カラーフィルタを例にとって説明を行う。ただし、本発明は、LCD用カラーフィルタの製造に限られず、その他の任意のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に適用可能である。
<カラーフィルタの製造方法の説明>
上記構成の近接露光装置40を用いてLCD用カラーフィルタを製造する場合を例にとって、本発明の被加工体の製造方法の1つの実施形態を、図2及び図3を用いて説明する。ここで、図2は、本発明のフォトマスクを用いて、基板上にブラックマトリクスを形成する製造工程の1つの実施形態を示し、図3は、図2に示す製造工程に引き続いて、本発明のフォトマスクを用いて、カラーフィルタを製造する製造工程の1つの実施形態を示す。
図4には、この製造方法に用いる本発明のフォトマスクの1つの実施形態を示す。本実施形態では、フォトマスク10は、遮光部14及び透光部15を有する転写パターンが設けられており、さらに、転写パターンを含む領域(図4では遮光部14)に突起部16が凸設されている。
図2(a)に示すように、ガラス基板等からなる透光性基板上に、感光性樹脂にカーボンブラック等の遮光材を分散した黒色感光性樹脂溶液をスピンナー等で塗布し、予備乾燥して黒色感光性樹脂層を形成する。黒色感光性樹脂層は、例えばネガ型の感光性樹脂である。次に、図2(b)に示すように、該黒色感光性樹脂層に対して、本発明のフォトマスク10を用いて近接露光を行う。最後に、現像を行い、露光されていない領域の黒色感光性樹脂層を溶解し、露光された領域の感光性樹脂層を残存させる。上記一連のパターン形成工程を行うことで、黒色感光性樹脂層にパターンを形成し、ブラックマトリクスを形成する。
次に、図3(a)に示すように、図2で製造されたブラックマトリクス上に、第1色目としてR(赤)色の感光性樹脂溶液を塗布し、赤色感光性樹脂層を形成する。赤色感光性樹脂層は、例えばネガ型の感光性樹脂に赤色の顔料が分散されたものを用いることができる。次に、図3(b)に示すように、本発明のフォトマスク10’を介して、赤色感光性樹脂層に近接露光を行う。その後、図3(c)に示すように、赤色感光性樹脂層を現像し、露光されていない領域の赤色感光性樹脂層を溶解し、露光された領域の赤色感光性樹脂層を残存させ、R(赤)色のカラーフィルタ画素を形成する。
以下、上記と同様の工程を行い、図3(d)、(e)に示すように第2色目としてG(緑)色のカラーフィルタ画素、第3色目としてB(青)色のカラーフィルタ画素をそれぞれ形成する。上記一連のパターン形成工程を行うことで、R(赤)色、G(緑)色、B(青)色の3画素のフィルタと、各画素間に介在するブラックマトリクスとを形成する。さらに、図3(f)に示すように、ブラックマトリクス上に、透明感光性樹脂層を部分的に形成し、透明感光性樹脂層を露光して硬化させることで残存させ、スペーサを形成する。これにより、カラーフィルタ基板を製造することができる。
本実施形態によれば、図4に示すように、転写パターンを含む領域(例えば、遮光部)に凸設された突起部を有するフォトマスクをパターン形成工程に用いることにより、基板がフォトマスク10の転写パターンに接触又は衝突することが防止され、転写パターンの損傷を確実に防止することができる。
さらに、図2(b)または図3(b)に示すように、突起部16の露光光の光軸方向の全長Aが、対向するフォトマスク側の突起部の設置面14a及びパターン形成面17の間隔Bよりも短くなっているので、突起部16の先端と基板のパターン形成面17(感光性樹脂層の表面)との間に間隙Cが介在する。よって、通常のパターン形成工程では、突起部16がパターン形成面との接触により、感光性樹脂で汚染されることがない。従って、パターン形成工程終了後、次の被加工体のパターン形成を行う場合に、突起部16を洗浄する必要が生じないため、生産効率を低下させることがない。
なお、本発明のフォトマスクに関するさらに詳細な説明は、図4を用いて後述する。
以下、上記の本発明のカラーフィルタの製造方法に係わる、カラーフィルタ基板、感光性樹脂、フォトマスクについて、順次詳細に説明する。
<カラーフィルタ基板の説明>
ブラックマトリクス及びカラーフィルタの各色画素を形成する透光性基板は、可視光に対して80%以上の透過率を有するものが好ましく、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス等の市販されている無機ガラスや、PET、PES,PC等のプラスチック基板や、これらガラスやブラスチック基板上に、酸化シリコンや酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸窒化シリコン等の無機薄膜を表面に成膜したもの等を、用途に応じて適宜使用することができる。カラーフィルタ基板のサイズは、300mm×350mm〜2880mm×3130mmを例示することができるが、これに限られるものではない。下記に、カラーフィルタ基板のサイズの一覧表の一例を示す。
Figure 0006027919
<黒色感光性樹脂の説明>
黒色感光性樹脂は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有するメタアクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、メタアクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレンー無水マレイン酸共重合物やα−オレフィンー無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子を、ヒドロキシアルキルメタアクリレート等の水酸基を有するメタアクリル化合物により、ハーフエステル化したものを用いることができる。用いることのできる重合性モノマー及びオリゴマーとしては、既知のものを用いることができる。また、光重合開始剤、増感剤、有機溶剤等を必要に応じて添加することもできる。
<遮光材の説明>
上記黒色感光性樹脂に分散させる遮光材としては、カーボンブラックのほか、酸化チタン、酸窒化チタン、四酸化鉄等の金属酸化物や顔料、その他既知の遮光材料を用いることができる。
<黒色性樹脂層の形成方法の説明>
黒色感光性樹脂層の形成方法としては、スピンコート法やスリットコート法、バーコート法等の塗布法や、インクジェット法、印刷法を用いることができる。
<R(赤)色、G(緑)色、B(青)色 感光性樹脂層>
赤色感光性樹脂層は、感光性樹脂に赤色顔料を分散した赤色感光性樹脂溶液を、スピンナー等にて、格子状のブラックマトリクスの隙間を埋めるように透光性基板上に塗布し、予備乾燥して形成される。赤色顔料としては既知の有機顔料、無機顔料を組合せて用いることができる。有機顔料としては、C.I.Pigment Red 7,9,14,168,177等を用いることができる。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら、カドミウム赤等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。
緑色感光性樹脂層及び青色感光性樹脂層も、赤色感光性樹脂層と同様にして形成される。緑色感光性樹脂層は、感光性樹脂に、緑色顔料を分散した緑色感光性樹脂溶液を、スピンナー等にてブラックマトリクスが形成された透光性基板上に塗布して形成される。緑色顔料としては、C.I.Pigment Green 7,10,36,37等を用いることができる。
青色感光性樹脂層は、感光性樹脂に、青色顔料を分散した青色感光性樹脂溶液を、スピンナー等にてブラックマトリクスが形成された透光性基板上に塗布して形成される。青色顔料としては、C.I.Pigment Blue 15:3,15:4,15:6,60等を用いることができる。
<ブラックマトリクスの説明>
ブラックマトリクスは、例えば、精細な複数のブラックラインが格子状に配列して形成されており、ブラックラインの各々の線幅が2μm〜30μmの範囲内である。ブラックマトリクスの形状は、格子状に限らず、ストライプ状でも良い。本発明では、形状が格子状のもの、ストライプ状のものの双方を含め、ブラックマトリクスという。
<本発明のフォトマスクの1つの実施形態の説明>
次に、本発明のフォトマスクの1つの実施形態について、図4を用いてさらに詳細に説明する。
図4に示す実施形態(フォトマスク)10は、ガラス基板等からなる透明なマスク基板11の一面上に、遮光部14と透光部(開口)15とからなるラインアンドスペースの転写パターンが形成され、該転写パターンを含む領域に複数の突起部16が凸設されている。突起部16は、主として遮光部14上に複数形成されている。転写パターンは、遮光部(ライン)の幅が2〜30μm、スペースの幅が10〜250μmとされ、精細なブラックマトリクスを形成するために精細化されている。
フォトマスクのマスク基板としては、例えば、合成石英、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の、露光光に対して透明な基板を用いることができる。本発明のパターン形成工程に使用する露光光は、波長365nm(i線)〜波長436nm(g線)の範囲に亘りブロードなスペクトルを持つ連続光である。マスク基板のサイズは、短辺が300mm以上のもので、例えば330mm×450mm〜1620mm×1780mmである。
フォトマスクの転写パターンは、マスク基板上に密着して形成された遮光膜をパターニングすることで得られ、マスク基板上に残存する遮光膜からなる遮光部と、遮光膜が除去されて形成された開口からなる透光部とで形成される。遮光膜は、例えばクロム(Cr)系の材料により、基板上に形成される。遮光膜は、例えば、CrN膜、CrC膜、CrCO膜、CrO膜、CrON膜、又はこれらの積層膜である。
フォトマスクの転写パターンを含む領域に凸設される突起部の寸法に関し、一例を挙げると、近接露光時における対向するフォトマスク(さらに詳細には転写パターン)と基板(さらに詳細にはパターン形成面)との間の距離のうち最も短い距離であるプロキシミティギャップが、50μm〜200μmの範囲内である場合、突起部の露光光の光軸方向の全長は、10μm〜30μmの範囲内である。この場合、突起部の先端と感光性樹脂層との間の間隙は、20μm〜170μmとなる。
突起部の全長を上記の範囲内にすることで、パターン形成工程の際、カラーフィルタ基板とフォトマスクの接触を確実に防止することができる。
なお、プロキシミティギャップは、図2(b)、図3(b)に示す場合であれば、遮光部14の下面14aと基板の感光性樹脂層が設けられた面17(パターン形成面)との間の距離Bに相当する。
上記のように、フォトマスクの自重による撓み、フォトマスクの歪み、基板の歪み、マスクステージの歪み、ワークステージの歪み、ステージ可動時における動的な歪(バックラッシュ等)等により、フォトマスクと基板との間の間隔は場所により不均一になっているが、上記の数値範囲の長さを有する突起部を設けることで、フォトマスクと基板とが接触または衝突することを確実に回避するとともに、通常のパターン形成工程において、突起部が感光性樹脂で汚染されることを確実に防ぐことができる。
なお、突起部は、マスク基板の一面上において、転写パターンの遮光部上のみに設けられていても良いし(図4参照)、突起部が透光性を有するのであれば、転写パターンの透光部に設けられていても良い。なお、パターン精度への影響を考慮すると、突起部を遮光部上に設けることが好ましい。さらに、突起部は、転写パターンの遮光部上や透光部上だけでなく、転写パターン以外の領域(例えば周囲領域)に設けられていても良い。
この場合、対向するフォトマスク側の突起部の設置面とパターン形成面との間隔が異なることもあり得るが、そのときには、間隔に応じて突起部の長さが異なる場合もあり得る。
突起部の個数は、少なくとも3個の突起部を有していれば、通常は方形状であるカラーフィルタ基板が転写パターンに過度に接近することを阻止することができる。ただし、確実に過度の接近を阻止することを考慮すると、5個(パネルの4隅+中央に1個)以上であることが好ましい。
突起部の面内配置密度は、下記計算に基づき、0.05個/cm〜300個/cmであることが好ましい。かかる面内配置密度を有することで、フォトマスクに加えられる荷重を各々の突起部に分散することができるため、突起部の変形を防止することができる。
好ましい面内配置密度について最小個数を考えると、モバイル機器用の小型の液晶パネルとして5インチを想定して、パネルの4隅+中央に1個ずつ(パネルあたり5個)配置するとして、5.0インチパネルの場合:1cm当たり0.07個となる。よって、1cm当たり0.05個程度が、最小個数と考えられる。
一方、最大個数を考えると、同様に5インチのパネルでFHDの解像度が、現在実用化しているパネルにおいて最小となり、画素ピッチは440ppiとなる。このパネルにおいて10画素毎に突起部を配置するとして個数を計算すると、1cm当たり300個となる。以上により、0.05個/cm〜300個/cmが適切な範囲であると考えられる。
突起部の材質は、(メタ)アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物が好ましい。突起形成を露光により行う場合は、感光性を付与するための光開始剤等を含有することが好ましい。また、光反応を補助するための増感剤や、マスク表面との密着性を改善するための密着助剤等の添加剤を含んでもよい。また、熱硬化性の材料をレーザースポット照射等で硬化させて突起を形成する場合は、熱開始剤等を含有することが好ましく、上記同様添加剤を含んでもよい。
<本発明のフォトマスクの1つの実施形態の製造方法の説明>
次に、図4に示す本発明のフォトマスクの実施形態を製造する方法について、図5を用いて説明する。
図5(a)に示すように、マスク基板11上に遮光膜12を成膜する。成膜にあたっては、蒸着法、スパッタ法等の既知の成膜法を使用することができる。
次に、図5(b)に示すように、遮光膜12上に、感光性樹脂を塗布して感光性樹脂層13を形成した後、レーザ描画装置を用いて所定のパターン描画を行い、さらに現像処理を行うことにより、透光部に対応する感光性樹脂層が除去され、感光性樹脂層13にパターンが形成される。
次いで、図5(c)に示すように、図5(b)で得た感光性樹脂層13のパターンをマスクにして、遮光膜12をウェットエッチング等により除去し、感光性樹脂層13のパターンを剥離する。これにより、図5(d)に示すように、マスク基板11上に遮光部14及び透光部(開口)15を含む転写パターンが形成される。
最後に、図5(e)に示すように、遮光部14上に感光性樹脂層を形成し、フォトマスク(図示せず)により、感光性樹脂層の突起部の各々を形成すべき箇所に対して局所的に露光を行い、突起部16の各々を形成する。遮光部14上に形成する感光性樹脂層は、例えばネガ型の感光性樹脂であり、露光部分のみが硬化する。局所的な露光は、例えば照射スポット径の小さいパルスレーザー、CWレーザ等を用いて行ってもよいし、別途フォトマスクを作成して露光を行ってもよい。かかる露光後に、感光性樹脂層を現像することにより、複数の突起部16の各々が遮光部14上に形成される。
尚、図5(e)の工程は、例えばインクジェット法を用い、突起部を形成すべき箇所の周辺のみに感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層を上記レーザ等で硬化させ、突起部を形成することもできる。
<本発明のフォトマスクのその他の実施形態の説明>
以下、本発明のフォトマスクのその他の実施形態について、図6(i)を用いて説明する。本実施形態では、露光光を遮光する遮光部、露光光を一部透過させる半透光部及び露光光を全部透過させる透光部を備える3階調のフォトマスクである。このフォトマスクは、例えば、上記図3(f)に示す、ブラックマトリクス上に形成されたスペーサの高さを調整する際に有用である。
図6(a)〜(g)に示すように、本実施形態(フォトマスク)は、透明基板21上に形成された遮光膜22及び半透光膜24を各々パターニングすることにより、図6(h)に示すように、透明基板21が露出した透光部と、透明基板21上に半透光膜24aのみが残存する半透光部と、透明基板21上に少なくとも遮光膜22aが残存した遮光部とからなる転写パターンが形成される。
さらに、本実施形態では、図6(i)に示すように、半透光膜24aが形成された面上に、突起部26が凸設されている。
本実施形態では、図3(f)に示すように、カラーフィルタにスペーサを形成する際、ブラックマトリクス上に形成された透明感光性樹脂層に対して、半透光部及び透光部の各々を介して露光光を照射する。こうすることで、透明感光性樹脂層において、半透光部により露光された領域と透光部により露光された領域とで露光量が異なるため、形成されるスペーサの高さ(露光光の光軸方向の全長)を変化させることができる。即ち、半透光部からの露光により形成されるスペーサの高さが相対的に低く、透光部からの露光により形成されるスペーサの高さが相対的に高い、というように、各々のスペーサの高さを調整することができる。従って、本実施形態のフォトマスクを使用することにより、例えば液晶表示装置製造事業者から要求される、カラーフィルタ基板とTFT基板との間の種々のギャップ仕様に対応することが可能な、カラーフィルタ基板を形成することができる。
本実施形態のフォトマスクは、図4に示す実施形態と同様、転写パターンを含む領域に、複数の突起部の各々が凸設され、突起部の光軸方向の全長が、露光時に対向する突起部の設置面及び基板のパターン形成面の間隔よりも短くなっている。突起部の各々は、主に遮光部上に形成されるが、突起部が透光性を有するのであれば、半透光部又は透光部に突起部を形成することもできる。
本実施形態における半透光膜は、金属と珪素を含む金属シリサイドを原料とするものであり、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、タンタルシリサイド(TaSi)、チタンシリサイド(TiSi)、タングステンシリサイド(WSi)や、これらの酸化物、窒化物、酸窒化物等の膜である。本実施形態において、半透光膜は、遮光膜上に積層されたモリブデンシリサイドの膜であり、半透光膜は、MoSi膜、MoSi膜、MoSi膜であることが好ましい。半透光膜は、MoSiO膜、MoSiN膜、MoSiON膜等であっても良い。遮光膜は、例えば、金属シリサイドに対してエッチング選択性を有するクロム(Cr)系の材料により、基板上に形成される。遮光膜は、図4に示すフォトマスクと同様に、例えば、CrN膜、CrC膜、CrCO膜、CrO膜、CrON膜、又はこれらの積層膜である。マスク基板は、第1のフォトマスクと同様のものを用いることができる。
半透光膜の成膜方法については、上記の遮光膜の場合と同様、蒸着法、スパッタ法、CVD(化学的気相成長)法等、膜種に適した方法を適宜選択すればよい。また、半透光膜の膜厚に関しては、特に制約はないが、所望の半透光性が得られるように最適化された膜厚で形成すればよい。半透光膜としては、薄膜で、例えば露光光のi線(365nm)に対し、透光部の透過率を100%とした場合に、透過率20〜60%程度の半透光性が得られるものが挙げられるが、半透光膜の透過率はこれに限定される必要はない。半透光部の透過性をどの程度に設定するかは、マスクの使用目的に応じて適宜設計する。
<本発明のフォトマスクのその他の実施形態の製造方法の説明>
図6(i)に示す本発明のフォトマスクのその他の実施形態を製造する方法について、図6を用いて説明する。
図6(a)に示すように、マスク基板21上に遮光膜22を形成したマスクブランク20を用いる。このマスクブランク20は、透明基板21上に遮光膜22を形成することで得られるが、その成膜方法は、蒸着法、スパッタ法、CVD(化学的気相成長)法等、膜種に適した方法を適宜選択すればよい。このマスクブランク20上の全面に、図6(b)に示すように、例えばレーザ描画用のポジ型レジスト膜を形成し、所定のパターン描画、現像を行って、半透光部を形成する領域(図6のB領域)及び透光部を形成する領域(図6のC領域)を露出させ、遮光部を形成する領域(図6のA領域)にのみレジスト23aが残存するレジストパターン1を形成する。
次に、図6(c)に示すように、図6(b)のレジストパターン1をマスクとして、遮光膜をエッチングして、遮光部を形成する領域に対応する遮光膜パターン22aを形成する。半透光部及び透光部に対応する領域では、上記遮光膜のエッチングにより下地の透明基板21が露出した状態となる。図6(d)に示すように、残存するレジストパターンは、酸素によるアッシング或いは濃硫酸等を用いて除去する。
次に、図6(e)に示すように、上記のようにして得られた透明基板21上に遮光膜パターン22aを有する基板上の全面に半透光膜24を成膜する。半透光膜の成膜方法については、上記の遮光膜の場合と同様、蒸着法、スパッタ法、CVD(化学的気相成長)法等、膜種に適した方法を適宜選択すればよい。
次に、図6(f)に示すように、再び全面にポジ型レジスト膜23bを形成し、2回目の描画を行う。描画後、これを現像して、透光部(C領域)を露出させ、遮光部及び半透光部にはレジストが残存するレジストパターン2を形成する。次に、図6(g)に示すように、形成されたレジストパターン2をマスクとして、透光部となるC領域の半透光膜24をエッチングにより除去する。図6(h)に示すように、残存するレジストパターン2は、酸素アッシング等を用いて除去する。以上のようにして本発明によるグレートーンマスク30が出来上がる。
最後に、図6(i)に示すように、図4に示すフォトマスクと同様に、遮光部上(実際には、半透光膜24a上)に感光性樹脂層を形成し、フォトマスク(図示せず)により、感光性樹脂層の突起部の各々を形成すべき箇所に対して局所的に露光を行って、突起部26の各々を形成する。遮光部上に形成する感光性樹脂層は、例えばネガ型の感光性樹脂であり、露光部分のみが硬化する。局所的な露光は、例えば照射スポット径の小さいパルスレーザー、CWレーザ等を用いて行う。かかる露光後に、感光性樹脂層を現像することにより、複数の突起部の各々が遮光部上に形成される。尚、図6(i)の工程は、例えばインクジェット法を用い、突起部を形成すべき箇所の周辺のみに感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層を上記レーザ等で硬化させ、突起部を形成することもできる。
以上のように図6(i)に示す実施形態(フォトマスク)は、フォトマスクの基板の一面上において、転写パターンを含む領域に、突起部26が複数凸設されているため、プロキシミティギャップを狭めたとしても、パターン形成工程を行う際、カラーフィルタ基板がフォトマスクに接触又は衝突して転写パターンを損傷することを防止できる。さらに、感光性樹脂層に近接露光を行ってパターン形成を行う際は、通常のパターン形成工程において、突起部の各々の先端と感光性樹脂層との間に間隙が介在するため、突起部の先端が感光性樹脂層に接することはなく、突起部の汚染を防止することができる。
以上説明したように、本発明は、転写パターンを含む領域に複数の突起部が凸設することにより、形成するパターンの精細化に伴ってプロキシミティギャップを狭めたとしても、フォトマスクの転写パターンに被加工体の基板が接触又は衝突することから、転写パターンを保護することを目的とする。
さらに、本発明では、突起部の露光光の光軸方向の全長を、近接露光時のおける対向する突起部の設置面及びパターン形成面の間隔よりも短くすることにより、通常のパターン形成工程において、突起部の先端と被加工体との間に間隙を介在させ、突起部を汚染しない手段を採用した。本発明は、上記のような、転写パターンを保護し、且つ突起部の汚染を防止するという上記目的に反しない限り、上記で説明した被加工体以外の用途(例えば、プリント配線板の露光、MEMS用基板)にも適用することができる。
10 フォトマスク
11 マスク基板
12 遮光膜
13 電子線硬化樹脂層
14 遮光部
14a 遮光部の下面
15 透光部
16 突起部
17 黒色感光性樹脂層の表面
20 マスクブランク
21 透明基板
22、22a 遮光膜
23a、23b レジスト膜
24、24a 半透光膜
26 突起部
30 グレートーンマスク
40 露光装置
50 光源
60 マスクステージ
70 ワークステージ
80 ギャップ調整機構
90 XYZθステージ

Claims (10)

  1. 転写パターンを有するフォトマスクと、パターン形成面を有する被加工体とを、前記転写パターン及び前記パターン形成面が対向するように近接配置し、前記フォトマスクを用いて近接露光を行い、フォトリソグラフィー法により前記パターン形成面にパターンを形成するパターン形成工程を含む被加工体の製造方法であって、
    前記フォトマスクの前記転写パターン領域内に突起部が設けられ、該突起部の露光光の光軸方向の全長が、対向する該突起部の設置面及び前記パターン形成面の間隔よりも短く、前記パターン形成工程の際、前記突起部の先端と前記パターン形成面との間に間隙が介在することを特徴とする被加工体の製造方法。
  2. 前記被加工体の前記パターン形成面に感光性樹脂層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の被加工体の製造方法。
  3. 前記感光性樹脂層は、黒色感光性樹脂層を含み、前記パターン形成工程後にブラックマトリクスを構成することを特徴とする請求項2に記載の被加工体の製造方法。
  4. 前記感光性樹脂層は、前記ブラックマトリクスの隙間を埋めるように設けられた着色顔料を含む有色感光性樹脂層を含み、前記パターン形成工程後にカラーフィルタを構成することを特徴とする請求項3に記載の被加工体の製造方法。
  5. 前記感光性樹脂層は、前記ブラックマトリクス上に設けられた透明な感光性樹脂層を含み、前記パターン形成工程後に、表示装置のセルギャップを決定するスペーサを構成することを特徴とする請求項4に記載の被加工体の製造方法。
  6. 近接露光時における対向する前記転写パターン及び前記パターン形成面の間の距離のうち最も短い距離であるプロキシミティギャップが、50μm〜200μmの範囲である場合において、前記突起部の全長が10μm〜30μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の被加工体の製造方法。
  7. 前記転写パターンが遮光部及び透光部を有し、前記突起部が、前記遮光部上に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の被加工体の製造方法。
  8. 被加工体のパターン形成面に対向する転写パターンを有する近接露光用フォトマスクであって、
    前記転写パターン領域内に突起部が設けられ
    該突起部の露光光の光軸方向の全長が、近接露光時に対向する該突起部の設置面及び前記パターン形成面の間隔よりも短ことを特徴とする近接露光用フォトマスク。
  9. 近接露光時における対向する前記転写パターン及び前記パターン形成面の間の距離のうち最も短い距離であるプロキシミティギャップが、50μm〜200μmの範囲である場合において、前記突起部の全長が10μm〜30μmの範囲であることを特徴とする請求項に記載の近接露光用フォトマスク。
  10. 前記転写パターンが遮光部及び透光部を有し、前記突起部が、前記遮光部上に複数設けられていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の近接露光用フォトマスク。
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