JP4459026B2 - (メタ)アクリル基含有ケイ素化合物、それを用いる感光性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
有機・無機ハイブリッド材料は、透明性、耐溶剤性、耐熱性、耐候性等に優れており、多方面への応用が検討されている。
感光性樹脂組成物の産業上の利点は(1)無溶剤で低公害型である、(2)硬化速度が極めて速く製品の生産性が高い、(3)固形分として硬化するので硬化前後における体積変化が極めて小さい、(4)素材による熱損失、または、素材に対する熱影響がないことである。
特許文献3には(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン化合物を加水分解重合して(メタ)アクリル基含有オルガノシロキサンの製造方法が記載されているが、エポキシ基含有ケイ素化合物とエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸の反応生成物は記載されていない。
1)エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(1)とエポキシ基含有ケイ素化合物(2)との反応生成物であるエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)。
2)エポキシ基含有ケイ素化合物(2)が、下記式(2a)で表されるエポキシ基含有アルコキシケイ素化合物同士を縮合させて得られるエポキシ基含有ケイ素化合物、または下記式(2a)で表されるエポキシ基含有トリアルコキシケイ素化合物と下記式(2b)で表される置換アルコキシケイ素化合物とを縮合させて得られるエポキシ基含有ケイ素化合物である上記1)記載のエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)。
R1aSi(OR2)3 (2a)
[式中、R1aはエポキシ基を有するアルキル基を示し、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
R1bSi(OR3)3 (2b)
[式中、R1bは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基または炭素数2〜5のアルケニル基を示し、R3は炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
3)R1aがグリシドキシ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基またはエポキシ基を有する炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜5のアルキル基である上記2)記載のエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)。
5)エポキシ基含有ケイ素化合物(2)が、式(2a)で表されるエポキシ基含有アルコキシケイ素化合物同士を縮合させたエポキシ基含有ケイ素化合物であり、R1aがグリシドキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基である上記2)または3)に記載のエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)。
6)エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(1)が(メタ)アクリル酸である上記1)〜5)のいずれか一項に記載のエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)。
8)更に、(A)成分以外の重合性化合物(B)を含有する上記7)記載の感光性樹脂組成物。
9)(A)成分以外の重合性化合物(B)が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、マレイミド基含有化合物、(メタ)アクリルアミド化合物及び不飽和ポリエステルからなる群より選ばれる1種以上の化合物である上記8)記載の感光性樹脂組成物。
11)上記10)に記載の硬化物を含有する物品。
アリール基としては炭素環芳香族基であれば特に限定されず、具体的に例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、特に好ましくはフェニル基である。
炭素数2〜5のアルケニル基とは、具体的に例えば、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基等が挙げられる。
反応温度は60〜130℃であり、また、反応時間は好ましくは5〜60時間である。
上記の光重合開始剤は、単独または2種以上の混合物として使用してもよい。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン94.4g、メチルイソブチルケトン94.4gを反応容器に仕込み、80℃に昇温した。昇温後、0.1重量%水酸化カリウム水溶液21.6gを30分間かけて連続的に滴下し、滴下終了後、生成するメタノールを除去しながら80℃にて5時間反応させた。反応終了後、洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、次いで、減圧下で溶媒を除去することによりエポキシ基含有ケイ素化合物(2)67gを得た。得られた化合物のエポキシ当量は166g/eqであった。
撹拌装置、還流冷却管をつけた1リットルフラスコ中に、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(1)としてアクリル酸72.1g、エポキシ基含有ケイ素化合物(2)として合成例1で得られた化合物166.0g、反応溶剤としてトルエンを158.7g、熱重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.48g、反応触媒として塩化テトラメチルアンモニウム0.72gを仕込み、110℃で還流下、32時間反応させた。反応終了後、シクロペンタノン400gを加え、水で3回洗浄し有機層を分液した後、減圧下で溶剤を共沸脱水留去して本発明のエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)230.0gを得た。粘度は340Pa・s(25℃)、屈折率は1.491(25℃)であった。
表1に示す組成で配合した感光性樹脂組成物をバーコーター(No.20)を用いて易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)に塗布し、80℃の乾燥炉中に1分間放置後、空気雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用い、ランプ高さ10cmの距離から5m/分の搬送速度で紫外線を照射し、硬化皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを得た。
配合量(g)
実施例 比較例
2 3 4 1 2
実施例1の化合物 40 30 25 − −
DPHA *1 − − − 40 25
R−551 *2 10 10 10 10 10
PET−30 *3 − 10 15 − 15
Irg.184 *4 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5
MEK *5 50 50 50 50 50
*2:R−551;日本化薬(株)製、KAYARAD R−551(ビスフェノールAポリ(n≒4)エトキシジアクリレート)
*3:PET−30;日本化薬(株)製、KAYARAD PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート)
*4:Irg.184(イルガキュアー184);チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
*5:MEK;2−ブタノン
実施例2〜4または比較例1〜2で得られたフィルムにつき、下記項目を評価しその結果を表2に示した。
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかきを用いて、塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。即ち、測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行い、傷なしの回数を数える。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
スチールウール#0000上で200g/cm2の荷重を掛け10往復させ、傷の状況を目視で判断した。
評価 ○:傷無し
×:傷発生
JIS K 5400に従い、フィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作る。セロハンテープ(登録商標)をその表面に密着させた後一気に剥がした時に剥離せず残存したマス目の個数を表示した。
測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルムを5cm×5cmにカットし、80℃の乾燥炉に1時間放置した後、室温まで戻した。水平な台上で浮き上がった4辺それぞれの高さを測定し、平均値を測定値(単位;mm)とした。この時、基材自身のカールは0mmであった。
表面のクラック、白化、曇り等の状態を目視にて判断した。
評価 ○:良好
△:微少クラック発生
×:著しいクラック発生
鉛筆硬度3H 擦傷性 密着性 カール 外観
実施例2 5/5 ○ 100 26 ○
実施例3 5/5 ○ 100 19 ○
実施例4 5/5 ○ 100 17 ○
比較例1 5/5 ○ 100 40 ×
比較例2 5/5 ○ 100 29 △
表2に示した結果から、構成成分及びその組成比を基に実施例2と比較例1または実施例4と比較例2を比べて、本発明のエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)を含有する感光性樹脂組成物の硬化物でコートしたフィルムは、カールの発生が少なくクラックが見られず、更に鉛筆硬度や耐擦傷性が高い。
Claims (4)
- エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(1)と下記式(2a)で表されるエポキシ基含有アルコキシケイ素化合物同士を縮合させて得られる重量平均分子量が400〜50000のエポキシ基含有ケイ素化合物(2)との反応生成物であるエチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)と、光重合開始剤と、(A)成分以外の重合性化合物(B)としての(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、マレイミド基含有化合物、(メタ)アクリルアミド化合物及び不飽和ポリエステルからなる群より選ばれる1種以上の化合物とを含有する樹脂組成物であって、エチレン性不飽和基含有ケイ素化合物(A)、光重合開始剤、重合成化合物(B)の含有量が該樹脂組成物の固形分を100重量%としたときそれぞれ5〜95重量%、0.01〜30重量%、4〜94重量%である感光性樹脂組成物。
[化1]
R 1a Si(OR 2 ) 3 (2a)
[式中、R 1a はグリシドキシ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基を示し、R 2 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。] - エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸(1)が(メタ)アクリル酸である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
- 請求項3に記載の硬化物を含有する物品。
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